JP4392237B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサの一例としては、入力用および出力用の陽極端子を備えたいわゆる三端子型の固体電解コンデンサがある(たとえば、特許文献1参照)。このような固体電解コンデンサにおいては、この固体電解コンデンサが組み込まれる機器の回路電流が、入力用の陽極端子から陽極本体部を流れ、出力用の陽極端子へと向かう構成とされており、広い周波数領域における低インピーダンス化が図られている。また、大容量化、低ESL(等価直列インダクタンス)化、および低ESR(等価直列抵抗)化に比較的優れた固体電解コンデンサとして、タンタルまたはニオブなどの弁作用を有する金属の多孔質焼結体により形成された陽極本体部を備える固体電解コンデンサがある(たとえば特許文献2参照)。
特開2003−158042号公報 特開2003−163137号公報(図23)
上記したような構造の固体電解コンデンサは、たとえばバイパスコンデンサとして、CPUなどの電子デバイスと電源回路との間に接続されて使用される。近年においては、電子デバイスの高速化およびデジタル化に伴い、安定性が良く、かつ高速応答が可能な電源系が必要とされる。そのため、ノイズの除去や電源系の安定のために用いられる固体電解コンデンサとしても、広い周波数帯域においてノイズ除去特性に優れ、また電力供給に際しての高速応答性にも優れることが要望される。また、大電流の電力供給に対応して、静電容量が大きいことや、許容電力損失が大きいことも強く要望される。
固体電解コンデンサのインピーダンスZの周波数特性は、数式1により決定される。
Figure 0004392237
上記の式から理解されるように、自己共振点よりも周波数が低い低周波数領域においては、1/ωCが支配的となるために、容量Cを大きくすることにより低インピーダンス化が可能である。また、自己共振点付近の高周波数領域においては、抵抗Rが支配的となるために、低インピーダンス化のためには低ESR化を図る必要がある。大容量化を目的として、たとえば多孔質焼結体の表面積が大きくされた場合は、低ESR化を図るのに有利である。さらには、二酸化マンガンや導電性高分子により陰極を形成することなどが、低ESR化の手段として採用されている。しかしながら、自己共振点よりもさらに周波数の高い超高周波数領域においては、ωLが支配的となるために、低インピーダンス化には低ESL化が必要となる。多孔質焼結体の体積が大きくなるほど、ESLは大きくなるために、大容量化を図るほど超高周波数領域における低インピーダンス化が困難となる。
特許文献1に記載されているような三端子型の固体電解コンデンサにおいては、回路電流が陽極本体部を流れる構造とすることにより、低ESL化が図られている。ところが、最近では電源供給の対象となる電子デバイスに必要とされる直流電流が大電流とされる場合が多く、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)の駆動電流が回路電流に含まれる場合には、大電流化が顕著である。三端子型の固体電解コンデンサにおいて、陽極本体部に大電流が流れると、固体電解コンデンサ内での発熱量が大きくなる。特に陽極本体部が弁作用を有する金属の多孔質焼結体により形成されており、この多孔質焼結体に一部が進入した陽極ワイヤを備える構成においては、多孔質焼結体と陽極端子との接合部における局部的な温度上昇が問題となる。また、多孔質焼結体の発熱により多孔質焼結体を保護する封止樹脂にクラックが発生することを防止する必要もある。このように、回路電流の大電流化に対応して許容電力損失を高めつつ、低ESL化により高周波数特性を改善することが困難であった。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、大容量化、低ESR化および低ESL化を図るとともに、大電流化に対応して発熱を抑制し、許容電力損失を向上することが可能な固体電解コンデンサを提供することをその課題としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供される固体電解コンデンサは、固体電解質層を具備した陰極と、この陰極との間に誘電体層を介在して設けられた陽極本体部、ならびにこの陽極本体部に回路電流が流れることを可能とする入力用および出力用の陽極端子を具備した陽極と、を備えた固体電解コンデンサであって、上記入力用および出力用の陽極端子間には、回路電流が上記陽極本体部を迂回して流れることを可能とするバイパス電流経路が形成されており、上記陽極本体部は、弁作用を有する金属の多孔質焼結体であり、上記誘電体層および固体電解質層は、上記多孔質焼結体内に形成されており、上記入力用の陽極端子は、上記多孔質焼結体内に進入した陽極ワイヤを含んで形成されており、上記出力用の陽極端子は、上記陽極ワイヤとは別体とされており、かつ上記多孔質焼結体内に進入した追加の陽極ワイヤを含んで形成されており、上記バイパス電流経路は、上記多孔質焼結体外に設けられた、上記入力用および出力用の陽極端子に導通した導体部材により形成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、回路電流がたとえば直流成分の大電流である場合に、この電流がバイパス電流回路を流れるようにすることにより、上記陽極本体部を流れる回路電流を小さくすることが可能であり、上記陽極本体部における発熱を抑制することができる。このため、たとえば上記陽極本体部の局部的な温度上昇や、封止樹脂にクラックが発生することを防止可能である。また、上記固体電解コンデンサから電力供給を行なう場合には、上記入力用および出力用の陽極端子の双方から放電することが可能であり、低抵抗化を図ることが可能である。したがって、回路電流の大電流化に対応しつつ、固体電解コンデンサの高周波特性の向上を図ることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記入力用および出力用の陽極端子間における上記バイパス電流経路の電気抵抗は、上記入力用および出力用の陽極端子間における上記陽極本体部の等価直列抵抗よりも小さい。
このような構成によれば、上記回路電流の直流成分は、上記バイパス電流経路を流れ易くなる。このため、たとえば回路電流にHDDの駆動電流が含まれて上記回路電流の直流成分が大電流となった場合、この直流成分は、低抵抗とされたバイパス電流経路を流れることとなり、上記陽極本体部における発熱を抑制することができる。したがって、回路電流の大電流化に対応するのに好適である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陰極は、上記固体電解質層に導通する陰極端子を備えており、上記入力用および出力用の陽極端子間における上記バイパス電流経路のインダクタンスは、上記入力用の陽極端子から上記陰極端子までの間における等価直列インダクタンスよりも大きい。
このような構成によれば、上記回路電流に含まれる交流成分は、その周波数が高いほど上記陽極本体部を流れ易くなる。このため、上記固体電解コンデンサによって、高周波数領域のノイズを適切に除去可能である。したがって、回路電流の大電流化に対応しつつ、高周波数特性の向上を図るのに好適である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陰極は、上記固体電解質層に導通する陰極端子を備えており、上記入力用および出力用の陽極端子間における上記バイパス電流経路のインダクタンスは、上記入力用の陽極端子から上記陰極端子までの間における等価直列インダクタンスよりも小さい。
このような構成によれば、上記入力用および出力用の陽極端子の双方を介して上記固体電解コンデンサから電力供給を行なう場合に、電力供給の経路のインダクタンスが小さくなる。したがって、電力供給の高速応答性を高めるのに好適である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導体部材は、上記多孔質焼結体の少なくとも一部を覆っている金属カバーである。このような構成によれば、上記金属カバーにより上記多孔質焼結体を保護することが可能である。上記金属カバーは、たとえば上記多孔質焼結体を保護するための手段である封止樹脂と比べて、機械的強度が高い。このため、上記多孔質焼結体に発熱が生じても、上記固体電解コンデンサ全体が不当に撓むことを抑制することができる。また、金属カバーは、封止樹脂よりも熱伝導性に優れているために、上記多孔質焼結体に発生した熱を放散するのに適している。したがって、上記固体電解コンデンサの許容電力損失を向上するのに好適である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属カバーの上記バイパス電流経路に相当する部分には、スリットが形成されている。このような構成によれば、スリットの形状、サイズ、数および位置などを変更することにより、上記金属カバーのインダクタンスや電気抵抗を容易に調整することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属カバーの上記バイパス電流経路に相当する部分には、屈曲部が形成されている。この屈曲部は、インダクタとしてはたらく。したがって、上記構成によれば、上記金属カバーの電気抵抗が大きくなることを抑制しつつ、上記金属カバーのインダクタンスを調整することが可能である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属カバーと上記多孔質焼結体との間には、これらを絶縁するための絶縁体が介在している。このような構成によれば、上記金属カバーと上記多孔質焼結体との間の絶縁耐力を向上させて、上記固体電解コンデンサ内におけるショートの発生を防止する信頼性を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁体は、樹脂製フィルムを含んでいる。このような構成によれば、樹脂を流し込んだり塗布することにより上記絶縁体を形成する場合と比べて、ピンホールなどの欠陥が生じることによる絶縁耐力の低下を回避可能である。したがって、上記金属カバーと上記多孔質焼結体との絶縁を確実化するのに好適である。また、樹脂製フィルムは薄膜状であるために、上記固体電解コンデンサ全体の薄型化に有利である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁体は、セラミック製プレートを含んでいる。このような構成によれば、ピンホールなどの欠陥が生じることによる絶縁耐力の低下を回避するのに好適である。また、上記固体電解コンデンサの製造工程において、高温にさらされる場合にも、変質などの不具合を回避するのに適している。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属カバーには、複数の孔部が形成されている。このような構成によれば、上記金属カバーと上記多孔質焼結体との間に絶縁体としての樹脂部を形成する工程において、上記複数の孔部を利用して樹脂を進入させることができる。また、上記金属カバーと上記多孔質焼結体との間に樹脂製フィルムを設ける場合には、上記複数の孔部に進入するように接着剤を塗布して、上記金属カバーに上記樹脂製フィルムを接着することができる。したがって、上記孔部が形成されていない場合と比べて、上記接着剤の塗布量を多くすることが可能であり、上記樹脂製フィルムと上記金属カバーとの接着強度を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記入力用および出力用の陽極端子にそれぞれ導通する面実装用の複数の外部陽極端子と、上記固体電解質層に導通する面実装用の複数の外部陰極端子とを備えている。このような構成によれば、上記複数の外部陽極端子および外部陰極端子を利用することにより、上記固体電解コンデンサの面実装を容易に行なうことができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、両側縁部と中央部とに段差を生じるように折り曲げられた金属片を備えており、上記中央部は、上記固体電解質層に接合され、かつ樹脂により覆われており、上記両側縁部が、上記面実装用の複数の外部陰極端子とされている。このような構成によれば、上記固体電解コンデンサを、いわゆる四端子型の構造とすることができる。また、上記複数の外部陰極端子間の抵抗とインダクタンスとを小さくすることが可能であり、低ESR化および低ESL化に有利である。さらに、上記中央部は樹脂により外部と絶縁されるために、たとえば上記固体電解コンデンサが実装される基板の一部と上記中央部とが不当に導通することなどの不具合を回避可能である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の外部陰極端子は、互いに離間した複数の金属片により形成されている。このような構成によっても、上記固体電解コンデンサを四端子型の構造とすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記多孔質焼結体の底面に設けられており、かつ上記固体電解質層に導通する陰極導体板と、上記陰極導体板との間に絶縁体を介して積層されており、かつ上記複数の陽極端子に導通する上記導体部材としての陽極導体板とを備えており、上記陰極導体板の少なくとも一部が、外部陰極端子となっており、上記陽極導体板の少なくとも一部が、複数の外部陽極端子となっている。
このような構成によれば、上記固体電解コンデンサの製造工程において、上記陽極導体板、上記絶縁体、および上記陰極導体板を一体の部品として仕上げておき、上記多孔質焼結体を形成した後に、上記一体部品と上記多孔質焼結体とを一括して接合することが可能である。したがって、上記固体電解コンデンサの製造工程の簡略化を図ることができる。また、上記陽極導体板は、たとえば平板状とすることが可能であり、上記バイパス電流経路のインダクタンスを小さくするのに有利である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記陰極導体板は、上記多孔質焼結体に接合された主板部と、この主板部から延出する延出部とを有しており、上記延出部が、上記外部陰極端子であり、かつ上記主板部と上記延出部とに段差が設けられていることにより、上記外部陽極端子および上記外部陰極端子の底面どうしが略面一とされている。このような構成によれば、上記固体電解コンデンサの面実装を容易に行なうことができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、偏平状とされた複数のものがある。このような構成によれば、上記固体電解コンデンサを構成する多孔質焼結体の体積を大きくし、大容量化を図ることができる。しかも、上記各多孔質焼結体は、偏平であるために、低ESR化および低ESL化に有利である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の多孔質焼結体に設けられた入力用および出力用の陽極端子にそれぞれ導通する面実装用の複数の外部陽極端子と、上記多孔質焼結体に形成された固体電解質層のそれぞれに導通する面実装用の外部陰極端子とを備えている。このような構成によれば、上記複数の多孔質焼結体を電気的に並列に接続することができる。このため、上記固体電解コンデンサ全体として低ESR化を図ることが可能である。また、大容量の電力供給に好ましい。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の多孔質焼結体は、積層されている。このような構成によれば、上記多孔質焼結体の容量を大きくしつつ、上記固体電解コンデンサを実装するためのスペースを抑制することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の多孔質焼結体間に介在し、かつ上記複数の多孔質焼結体に形成された固体電解質層にそれぞれ導通する複数の金属板を備え、上記外部陰極端子は、上記複数の多孔質焼結体に対してこれらと同方向に積層されており、上記複数の金属板と上記外部陰極端子とは、上記積層方向に延びる接続部材により導通している。このような構成によれば、上記複数の外部陽極端子から上記複数の多孔質焼結体までの間の抵抗、および上記外部陰極端子から上記複数の多孔質焼結体に設けられた固体電解質層までの間の抵抗を小さくし、かつこれらの抵抗のばらつきを少なくすることができる。したがって、上記固体電解コンデンサにおける発熱を抑制可能であるとともに、上記各多孔質体を流れる電流の均一化を図るのに有利である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の多孔質焼結体は、並べて配置されている。このような構成によれば、各多孔質焼結体に設けられた各陽極端子を上記外部陽極端子に近い位置に配置することができる。上記各陽極端子と上記外部陽極端子との距離が短くなると、高周波数領域の交流電流に対するインピーダンスを小さくすることが可能であり、低ESL化に好ましい。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2は、本発明に係る固体電解コンデンサの一例を示している。本実施形態の固体電解コンデンサA1は、多孔質焼結体1、6本の陽極ワイヤ10a,10b、金属カバー4を有しており、封止樹脂51により多孔質焼結体1が覆われた構成とされている。なお、図1においては、封止樹脂51は、省略されている。
多孔質焼結体1は、弁作用を有する金属であるニオブの粉末を矩形の板状に加圧成形し、これを焼結することにより形成されており、本発明でいう陽極本体部の一例である。多孔質焼結体1の内部および外表面には、誘電体層(図示略)が形成されており、さらにこの誘電体層上に固体電解質層(図示略)が形成されている。この固体電解質層は、本発明でいう陰極を構成するものである。多孔質焼結体1の材質としては、弁作用を有する金属であればよく、ニオブに代えてたとえばタンタルなどを用いても良い。なお、ニオブはタンタルと比べて難燃性に優れており、使用による発熱を伴う多孔質焼結体1の材料として好ましい。
6本の陽極ワイヤ10a,10bは、多孔質焼結体1と同様に、弁作用を有する金属製であり、たとえばニオブ製である。これらのうち、3本の入力用の陽極ワイヤ10aは、多孔質焼結体1の一側面1aから多孔質焼結体1内に進入しており、3本の出力用の陽極ワイヤ10bは、他の側面1bから多孔質焼結体1内に進入している。これらの入力用および出力用の陽極ワイヤ10a,10bのうち多孔質焼結体1から突出する部分が、入力用および出力用の陽極端子11a,11bである。入力用および出力用の陽極端子11a,11bのそれぞれは、導体部材21a,21bを介して、入力用および出力用の外部陽極端子22a,22bに導通している。入力用および出力用の外部陽極端子22a,22bの一部は、後述する封止樹脂51により覆われており、これらの露出した部分22a’,22b’は、固体電解コンデンサA1を面実装するために利用される。
金属カバー4は、たとえば銅製であり、多孔質焼結体1を収容可能な略コの字形状とされている。この金属カバー4の両端部は、それぞれ導体部材21a,22bに導通している。このことにより、入力用および出力用の陽極端子11a,11b間には、多孔質焼結体1を迂回するように回路電流を流すことが可能なバイパス電流経路が形成されている。この金属カバー4は、多孔質焼結体1の材質であるニオブよりも導電性の高い銅製であり、かつ多孔質焼結体1と同程度の幅広に形成されていることにより、比較的低抵抗とされている。また、立ち上がり部4eおよび屈曲部4a,4bが形成されることにより、交流電流に対するインダクタンスが比較的大きいものとされている。これらにより、上記バイパス電流経路は、入力用および出力用の陽極端子11a,11b間における多孔質焼結体1の等価直列抵抗よりも電気抵抗が小さく、かつ入力用の陽極端子11aと、出力用の外部陽極端子22bとの間における等価直列インダクタンスよりもインダクタンスが大きいものとなるように構成されている。金属カバー4の上板部には、複数の孔部4hが形成されている。
樹脂製フィルム52は、多孔質焼結体1に形成された導電性樹脂35と金属カバー4との絶縁を図るためのものであり、導電性樹脂35および金属カバー4に接着剤(図示略)により接着されている。この樹脂フィルム52として、ポリイミド系フィルム(たとえばデュポン社製カプトン(登録商標)フィルム)を用いることができる。ポリイミド系フィルムは、耐熱性と絶縁性とに優れているために、固体電解コンデンサA1の製造工程において、比較的高温となる処理を施しても変質するなどの虞れが少なく、金属カバー4と導電性樹脂35との絶縁を高めるのにも好適である。
金属板31は、多孔質焼結体1の下面に形成された固体電解質層(図示略)に接着されて設けられている。金属板31の材質としては、Cu合金、Ni合金などが用いられている。金属板31は、両端縁部と、中央部31cとに段差を生じるように折り曲げられており、これらの両端縁部が、外部陰極端子31a,31bとなっている。中央部31cの上面は、多孔質焼結体1の固体電解質層と導電性樹脂35を介して接着されており、中央部31cの下面は、後述する封止樹脂51により覆われている。外部陰極端子31a,31bの下面31a’,31b’は、固体電解コンデンサA1を面実装するために用いられる。
封止樹脂51は、多孔質焼結体1、陽極ワイヤ10a,10b、および金属カバー4などを覆うことにより、これらの部品を保護するためのものである。金属カバー4に複数の孔部4hが設けられていることにより、たとえば陽極ワイヤ10a,10bの周囲に封止樹脂51を容易に含浸させることが可能であり、陽極ワイヤ10a,10bの絶縁および保護を行なうのに好ましい。なお、この固体電解質層と金属カバー4との絶縁は、これらの間に多孔質の樹脂部を形成し、この樹脂部に封止樹脂51を含浸させることにより行なっても良い。このような構成によれば、上記絶縁の確実化を図ることができる。
次に、固体電解コンデンサA1の作用について、図3に示す電気回路に用いられた場合を一例として説明する。
図3に示される電気回路は、固体電解コンデンサA1によるノイズ除去および電力供給の対象である回路7、電源装置8、および固体電解コンデンサA1を組み合わせたものである。回路7としては、たとえばCPU、ICもしくはHDDなどを含む回路がある。固体電解コンデンサA1は、回路7と電源装置8との間に接続されており、回路7への電力供給や、回路7から発生する不要なノイズが電源装置8側に漏れることを抑制するために用いられている。本図によく表われているように、固体電解コンデンサA1は、入力用および出力用の外部陽極端子22a,22bと、入力用および出力用の外部陰極端子31a,31bとを備えることにより、四端子型の固体電解コンデンサとして構成されている。本実施形態によれば、以下に述べるような改善が図られる。
まず、回路電流の直流成分が固体電解コンデンサA1を流れる場合には、上述したように、金属カバー4により構成されたバイパス電流経路Pの抵抗R3が、入力用および出力用の陽極端子11a,11b間における多孔質焼結体1の等価直列抵抗よりも小さいために、上記直流成分は、バイパス電流経路Pを流れ易くなる。ここで、上記等価直列抵抗は、図中の抵抗R1a,R1bを合成したものである。たとえば回路7にHDDが含まれることにより、上記直流成分が大きな電流となる場合であっても、多孔質焼結体1に流れる電流を小さくすることが可能である。このため、多孔質焼結体1における発熱を抑制することができる。特に、各陽極ワイヤ10aと多孔質体1との接合部における局部的な温度上昇を防止するのに好適である。また、封止樹脂51にクラックが発生することを防止可能である。したがって、固体電解コンデンサA1を、大電流に対応可能なものとすることができる。なお、抵抗R3を小さくするほど、より大きな電流に対応することが可能であり、本実施形態においては、たとえば金属カバー4を厚肉化するなどして容易に低抵抗化を図ることができる。
次に、回路電流の交流成分が固体電解コンデンサA1を流れる場合には、上述したように、バイパス電流経路PのインダクタンスL3が、陽極端子11a,11bと、外部陰極端子31a,31bとの間の等価直列インダクタンスよりも大きいために、交流成分は、多孔質焼結体1を通して外部陰極端子31a,31bへと流れ易くなる。ここで、上記等価直列インダクタンスは、図中のインダクタンスL1aまたはL1bと、インダクタンスL2aまたはL2bとを合成したものである。上記交流成分は、たとえば上記回路電流に含まれるノイズであり、固体電解コンデンサA1によりこのようなノイズを回路電流から効果的に除去することができる。また、上記交流成分のうちバイパス電流経路Pを流れるものも、高い周波数であるほどインダクタンスL3により減衰させることが可能である。
さらに、固体電解コンデンサA1に蓄えられた電気エネルギーを回路7へと供給する際の低抵抗化を図ることも可能である。すなわち、従来の三端子型または四端子型の固体電解コンデンサにおいては、電力供給のための放電の際に、電流は出力用の陽極端子のみを流れる。一方、本実施形態においては、出力用の陽極端子11bからだけでなく、入力用の陽極端子11aからバイパス電流経路Pを構成する金属カバー4を経由して、回路7に電力を供給することが可能である。つまり、出力側の等価直列抵抗R1bと、入力側の等価直列抵抗R1aおよびバイパス電流経路Pの抵抗R3の合成抵抗とが並列に接続された状態となる。その結果、固体電解コンデンサA1から電力を供給する経路の低抵抗化が可能である。
金属カバー4は、多孔質焼結体1を覆うように設けられている。金属カバー4は、機械的強度が十分に高く、多孔質焼結体1が発熱しても、固体電解コンデンサA1全体が大きく歪むことを回避することができる。このため、封止樹脂51にクラックが発生することなどを適切に抑制し、多孔質焼結体1が外気に触れることを防止可能である。また、金属カバー4は、封止樹脂51よりも熱伝導性に優れている。このため、多孔質焼結体1から外部へ放熱を促進することができる。これらにより、固体電解コンデンサA1の許容電力損失を高めて、大電流に対応するのに好適である。
本実施形態においては、多孔質焼結体1の保護機能や放熱効果を発揮する金属カバー4を利用してバイパス電流経路Pが形成されており、それ以外にバイパス電流経路Pを形成するための専用部品を必要としない。このため、たとえば固体電解コンデンサA1が実装される機器の省スペース化を図るのに有利であり、実装作業の効率を低下させる虞れも無い。また、固体電解コンデンサA1の設計段階および製造段階においては、金属カバー4と多孔質焼結体1との電気抵抗およびインダクタンスとを所望の相対関係となるように、容易に設定可能である。
金属カバー4と導電性樹脂35とは、樹脂製フィルム52により絶縁されている。本実施形態とは異なり、たとえば絶縁性の樹脂を導電性樹脂35の上面に塗布することにより、金属カバー4と導電性樹脂35との絶縁を図る場合には、薄膜状に塗布された上記絶縁性の樹脂にピンホールが生じ易い。このようなピンホールは、上記金属カバー4と導電性樹脂35とを不当に導通させ、固体電解コンデンサA1内においてショートなどの不具合を生じる虞れがある。樹脂製フィルム52を用いれば、薄膜状であってもピンホールの発生を回避可能である。したがって、金属カバー4と導電性樹脂35との絶縁を確実化するのに好適である。
金属カバー4には、複数の孔部4hが形成されている。これらの孔部4hのうち、たとえば金属カバー4の長手方向両端寄りの孔部4hを利用して、陽極ワイヤ10a,10bの周囲に封止樹脂51を容易に進入させることができる。したがって、陽極ワイヤ10a,10bの絶縁に有利である。また、樹脂製フィルム52を金属カバー4に接着するための接着剤(図示略)を、複数の孔部4hに進入するように塗布することにより、このような孔部が形成されていない場合と比べて、上記接着剤の塗布量を多くすることができる。したがって、上記樹脂製フィルム52と上記金属カバー4との接着強度を高めるのに有利である。さらに、これらの孔部4hの大きさや配置を変更することにより、バイパス電流経路Pの抵抗およびインダクタンスを容易に調整することができる。
外部陰極端子31a,31bは、ともに金属板31の一部であるために、これらの間の抵抗とインダクタンスとを小さくすることができる。したがって、四端子型の構造とされた固体電解コンデンサA1において、陰極側の低ESR化および低ESL化を図るのに有利である。また、金属板31の中央部31cは、封止樹脂51により覆われているために、固体電解コンデンサA1が実装される基板の配線パターンなどと不当に導通することを回避可能である。したがって、固体電解コンデンサA1の機能を適切に発揮させるのに好ましい。
図4〜図21は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図4〜図6は、本発明に係る固体電解コンデンサに用いられる金属カバーの他の例を示している。図4に示された金属カバー4には、長手方向に延びる3つのスリット4cが形成されている。このような実施形態によれば、回路電流は、これらのスリット4cにより分岐されて金属カバー4を平行に流れることとなり、金属カバー4の交流電流に対するインダクタンスを大きくすることが可能である。したがって、回路電流に含まれるノイズなどの交流成分が、多孔質焼結体1を流れ易くなり、コンデンサのノイズ除去特性を向上するのに好適である。スリット4cの形状、大きさおよび本数を変更することにより、金属カバー4のインダクタンスを容易に調整することができる。また、スリット4cは、金属カバー4の電気抵抗の調整にも用いることができる。さらに、このような金属カバー4が用いられた固体電解コンデンサの製造においては、これらのスリット4cを利用して金属カバー4と多孔質焼結体1との間の空間に封止樹脂を容易に進入させることが可能であり、金属カバー4と多孔質焼結体1との絶縁を確実に行なうことができる。
図5に示された金属カバー4には、この金属カバー4を略コの字状とするための2つの屈曲部4a,4b以外に4つの屈曲部4dが形成されている。このような実施形態によれば、電流経路が、各屈曲部4dにおいて略90°曲げられることとなる。特に高周波数領域の交流電流が流れる場合には、このような屈曲部4dはコイルと同様の作用を有するために、金属カバー4のインダクタンスを大きくすることができる。したがって、高周波数領域のノイズを、多孔質焼結体1を経由させて除去するのに好ましい。
金属カバー4の形状は、側面視略コの字状に限定されない。多孔質焼結体1の少なくとも一部を覆うことが可能な形状であれば、多孔質焼結体1を保護しつつバイパス電流経路を形成することが可能である。たとえば、図6に示されるように、側板部4fを有する箱状に形成された金属カバー4によれば、多孔質焼結体1を四方から覆うことが可能であり、多孔質焼結体1を保護するのに好ましい。
図7および図8に示されたコンデンサA2は、3つの多孔質焼結体1が積層して設けられた構成とされている。隣り合う多孔質焼結体1どうしは、平板状の金属板32を挟んで導電性樹脂35により接着されている。各金属板32の陰極端子32a,32b、および外部陰極端子31a,31bには、孔部が形成されており、この孔部を貫通するように複数の接続部材36が設けられている。このことにより、金属板31および2つの金属板32は、多孔質焼結体1の表面に形成された固体電解質層と導通するとともに、互いに導通している。同様に、3つの導体部材21a,21bにも、孔部が形成されており、これらの孔部を貫通するように複数の接続部材24が設けられることにより、互いの導通が図られている。これらの接続部材24,36は、銅製であり、導電性の高いものとされている。金属カバー4は、最上段の多孔質焼結体1を覆うように設けられており、最上段の導体部材21a,21bと導通している。これらにより、3つの多孔質焼結体1と金属カバー4とが、電気的に並列に接続された構成となっている。
このような実施形態によれば、3つの多孔質焼結体1を備えることにより、コンデンサA2全体の大容量化を図ることができる。各多孔質焼結体1は、薄型であるために、金属板31または各金属板32と各陽極ワイヤ10a,10bとの間の電流経路を短くすることが可能である。したがって、低ESR化および低ESL化を図ることができる。3つの多孔質焼結体1を積層した構造とすることにより、このコンデンサA2の実装スペースは、多孔質焼結体1を1つだけ備えるコンデンサの実装スペースと同程度であり、たとえばコンデンサA2が組み込まれる機器の小型化に有利である。また、接続部材24,36により3つの導体部材21aどうし、3つの導体部材21bどうし、および金属板31,32どうしの導通が図られている。このため、外部陽極端子22a,22bまたは外部陰極端子31a,31bと、各多孔質焼結体1との間の低抵抗化が可能であり、各多孔質焼結体1に電流が流れた場合に発熱を抑制することができる。
図9に示されたコンデンサA3においては、2つの多孔質焼結体1が備えられており、これらの多孔質焼結体1が並べて配置されている。各多孔質焼結体1には、入力用および出力用の陽極ワイヤ10a,10bが2本ずつ設けられることにより、入力用および出力用の陽極端子11a,11bが2つずつ形成されている。これらの入力用および出力用の陽極端子11a,11bは、それぞれ入力用および出力用の外部陽極端子22a,22bに導通している。2つの多孔質焼結体1に形成された固体電解質層(図示略)は、ともに金属板31に導通している。金属カバー4は、2つの多孔質焼結体を収容可能なサイズとされている。
このような実施形態によっても、図7および図8に示した実施形態と同様に、大容量化を図ることができる。各入力用および出力用の陽極端子11a,11bは、外部陽極端子22a,22bに近い位置に設けられているために、たとえばコンデンサA3が実装される基板からの距離が短くなる。このため、各入力用および出力用の陽極端子11a,11bと上記基板に形成された配線パターンとの間を流れる電流の経路も、短くなる。このようにすると、たとえばコンデンサA3の自己共振点よりもさらに周波数が高い領域の交流電流に対するインピーダンスを小さくすることが可能であり、コンデンサA3のさらなる低ESL化を図るのに有利である。2つの多孔質焼結体は、入力用および出力用の陽極端子11a,11bが延出する方向と交差する方向に並べて配置されている。このため、多孔質焼結体1を複数備えることによっては、入力用および出力用の陽極端子11a,11b間の距離は、大きくなっておらず、低ESR化および低ESL化に適している。なお、多孔質焼結体1の個数は、2つ以上であってもよい。金属カバー4は、各多孔質焼結体1に対応して、分割した複数のものとしてもよい。
図10に示されたコンデンサA4においては、4つの多孔質焼結体1が備えられており、これらの多孔質焼結体1がいわゆる縦置きの配置とされている。各多孔質焼結体1には、入力用および出力用の陽極ワイヤ10a,10bが1本ずつ設けられることにより、入力用および出力用の陽極端子11a,11bが1つずつ形成されている。各入力用および出力用の陽極端子11a,11bは、各多孔質焼結体1の高さ方向中央部よりも低い位置に設けられている。金属カバー4は、4つの多孔質焼結体1を一括して覆うことが可能な深型の略コの字形状とされている。
このような実施形態によっても、図7および図8に示した実施形態と同様に、実装スペースをさほど大きくすること無く、大容量化を図ることができる。また、図9に示した実施形態と同様に、自己共振点よりさらに高い周波数領域におけるインピーダンスを小さくすることが可能であり、低ESL化を図るのに好ましい。金属カバー4は、4つの多孔質焼結体1を一括して覆うように設けられているために、これらの多孔質焼結体1の保護の確実化を図ることができる。
図11に示されたコンデンサA5には、陽極ワイヤ10cが多孔質焼結体1を貫通するように設けられている。この陽極ワイヤ10cのうち、多孔質焼結体1から突出した両端部分が、入力用および出力用の陽極端子11a,11bである。このような実施形態によれば、直流電流としての回路電流は、入力用の陽極端子11aから陽極ワイヤ10cを流れて、出力用の陽極端子11bへと向かうこととなり、多孔質焼結体1にはほとんど流れない。陽極ワイヤ10cは中実であるために、内部に多数の微小な孔部が形成されている多孔質焼結体1よりも電気抵抗が小さい。したがって、入力用および出力用の陽極端子11a,11b間の電気抵抗は、陽極ワイヤが貫通していない構成よりも小さくすることが可能であり、低ESR化を図ることができる。また、本実施形態においては、金属ケース4と導電性樹脂35との間に、セラミック製プレート54を介在させることにより、これらの絶縁が図られている。セラミック製プレート54は、たとえば樹脂製フィルムと比べて機械的強度が高く、ピンホールなどの欠陥が生じる虞れが少ない。また、樹脂と比べて耐熱性に優れており、固体電解コンデンサA5の製造工程において、高温となる処理が施される場合にも、変質することなどを抑制するのに好適である。
図12に示された固体電解コンデンサA6においては、上記実施形態とは異なり、2つの金属板31により外部陰極端子31a,31bが形成されている。このような実施形態によっても、固体電解コンデンサA6を四端子型の構造とすることができる。2つの金属板31の大きさ、配置などを変更することにより、固体電解コンデンサA6の高周波数特性を調整することも可能である。また、本実施形態においては、金属カバー4と導電性樹脂35との間の領域は、樹脂製フィルムに替えて、封止樹脂51の一部が進入している。ピンホールの発生を回避するためには、樹脂製フィルムによる絶縁が望ましいが、このような構成によっても、金属カバー4と導電性樹脂35とを絶縁することができる。
図13〜図16に示された固体電解コンデンサA7においては、陽極導体板23によりバイパス電流経路が形成されている点が、上記実施形態と異なっている。なお、図15および16においては、封止樹脂51は、省略されている。
固体電解コンデンサA7は、陰極導体板33、陽極導体板23および樹脂製フィルム53を備えている。陰極導体板33は、その主板部33cにおいて多孔質焼結体1の底面に導電性樹脂35を介して接合されており、多孔質焼結体1に形成された固体電解質層(図示略)と導通している。この陰極導体板33には、主板部33cから延出するように4つの延出部が設けられており、これらの延出部が2つずつの入力用および出力用の外部陰極端子33a,33bとなっている。
主板部33cの下面には、樹脂製フィルム53が設けられている。陽極導体板23は、絶縁性を有する樹脂製フィルム53(たとえば、デュポン社製カプトン(登録商標)フィルム)を介して積層されている。陽極導体板23の両端付近には、導通部材21a,21bが接合されており、これらの導通部材21a,21bを介して、入力側および出力側の陽極端子11a,11bと導通している。このことにより、入力側および出力側の陽極端子11a,11b間には、陽極導体板23を介してバイパス電流経路が形成されている。陽極導体板23は、平板状であるために、そのインダクタンスは、たとえば、陽極端子11a,11bと外部陰極端子33a,33bとの間のインダクタンスと比べて小さい。陽極導体板23には、4つの延出部が設けられており、これらの延出部が2つずつの入力用および出力用の外部陽極端子23a,23bとなっている。陰極導体板33の主板部33cと各入力用および出力用の外部陰極端子33a,33bとには段差が設けられており、4つの外部陽極端子23a,23bと4つの外部陰極端子33a,33bとは、互いの底面が略面一とされている。陽極導体板23および陰極導体板33の材質としては、Cu合金、Ni合金などが用いられている。
本実施形態によれば、固体電解コンデンサA7の製造工程において、陽極導体板23、樹脂製フィルム53、陰極導体板33および導通部材21a,21bを、あらかじめ一体の部品として組み上げておき、多孔質焼結体1を形成した後に、多孔質焼結体1と上記一体部品とを一括して接合することが可能である。たとえば、多孔質焼結体1を形成した後に、外部陽極端子や外部陰極端子を設けるための複数の部材を、多孔質焼結体1に順次接合する場合と比べて、製造工程を簡略化することが可能であり、生産性の向上を図ることができる。
陽極導体板23と陰極導体板33とは、樹脂製フィルム53を介して積層されているために、これらの絶縁を適切に図ることができる。陽極導体板23および陰極導体板33はいずれも略平板状であり、樹脂製フィルム53も薄膜状であるために、これらが積層されて用いられた固体電解コンデンサA7の高さを小さくすることができる。
固体電解コンデンサA7を、図3に示された回路に固体電解コンデンサA1と置き換えて使用する場合には、固体電解コンデンサA7に蓄えられた電気エネルギーを回路7へと供給する際の高速応答性の向上を図ることが可能である。すなわち、出力用の陽極端子11bと、入力用の陽極端子11aおよびバイパス電流経路Pを構成する陽極導体板23との双方を経由して、回路7に電力を供給することが可能である。陽極導体板23は、段差などを有しない平板状であるために、バイパス電流経路PのインダクタンスL3を小さくすることができる。したがって、固体電解コンデンサA7に蓄えられた電気エネルギーを、急激な立ち上がりで放出することが可能であり、電力供給の高速応答化を図るのに好適である。さらに、インダクタンスL3が小さいことにより、出力用の陽極端子11bからだけでなく、バイパス電流経路Pを介して入力用の陽極端子11aからも、回路7から発生したノイズを固体電解コンデンサA7内へと流すことが可能である。したがって、低ESR化および低ESL化に有利であり、高周波数特性の向上を図ることができる。なお、本実施形態とは異なり、複数の多孔質焼結体が積層して設けられた構成としても良い。このような実施形態によれば、大容量化を図りつつ、電源供給の高速応答性を高めることができる。
図17は、本発明に係る固体電解コンデンサに用いられる陽極導体板の他の例を示している。この陽極導体板23は、バイパス電流経路を形成する部分に2つのスリット23cが千鳥状に設けられている。本実施形態によれば、バイパス電流経路のインダクタンスを大きくすることができる。本実施形態から理解されるように、陽極導体板23にスリット23cを設けることなどにより、バイパス電流経路のインダクタンスを調整することが可能である。
図18は、本発明に係る固体電解コンデンサの他の例を示している。この固体電解コンデンサA8においては、多孔質焼結体1に形成された固体電解質層(図示略)に導通する金属カバー34を備えている点が、上記実施形態と異なっている。この金属カバー34の両端部は、折り曲げられて固体電解コンデンサA8の底面側にそれぞれの一部が露出することにより、入力用および出力用の外部陰極端子34a,34bとなっている。陽極導体板23は、多孔質焼結体1の底面に樹脂製テープ53を介して積層されている。このような実施形態によっても、陽極導体板23により形成されるバイパス電流経路のインダクタンスを小さくすることができる。また、多孔質焼結体1の少なくとも一部を収容可能な金属カバー34を陰極側の構成部材として用いても、高周波特性の向上や固体電解コンデンサA8の保護を高めることなどの本発明の意図する効果を発揮することができる。なお、本実施形態は、四端子型の固体電解コンデンサとして構成されているが、これに限定されず、たとえば図19に示すように、いわゆる三端子型の固体電解コンデンサとして構成しても良い。
図20に示された固体電解コンデンサにおいては、外部陽極端子22a,22bおよび外部陰極端子31a,31bが、側方に延出するように設けられている。本実施形態によれば、外部陽極端子22a,22bおよび外部陰極端子31a,31bの面実装に利用可能な部分を大きくすることが可能であり、低抵抗化に好ましい。一方、図21に示された固体電解コンデンサにおいては、外部陽極端子22a,22bおよび外部陰極端子31a,31bが、平面視において封止樹脂51から突出しない構成とされている。本実施形態によれば、この固体電解コンデンサを実装するためのスペースを小さくすることができる。これらの実施形態から理解されるように、本発明に係る固体電解コンデンサにおいては、外部陽極端子22a,22bおよび外部陰極端子31a,31bの形状や配置などは、種々に変更自在である。
図22および図23は、本発明に係る電気回路の一例を示している。本実施形態の電気回路B1は、コンデンサCが用いられている。このコンデンサCは、固体電解質層を具備した陰極と、この陰極との間に誘電体層を介在して設けられた陽極本体部と、この陽極本体部に回路電流が流れることを可能とする入力用および出力用の外部陽極端子22a,22bと、上記固体電解質層に導通する入力用および出力用の外部陰極端子31a,31bとを備えた四端子型の固体電解コンデンサとして構成されている。つまり、コンデンサCは、上記実施形態における固体電解コンデンサA1〜A6から、バイパス電流経路を構成する金属カバーを除いたものと同様の構成となっている。コンデンサCは、基板9に実装されており、基板9には、たとえば銅製の配線パターン6が形成されている。配線パターン6のうち、経路61は陽極側の回路電流を流すためのものであり、経路62は陰極側の回路電流を流すためのものである。経路61,62は、いずれも幅広の形状とされており、これらの経路の低抵抗化が図られている。経路61のコーナー部は、2つのパッド部61a,61bとなっている。コンデンサCの入力用の外部陽極端子22aがパッド部61aに、出力用の外部陽極端子22bがパッド部61bに接続されている。同様に、経路62には、パッド部62a,62bが形成されており、入力用および出力用の外部陰極端子31a,31bがそれぞれ接続されている。パッド部61a,61b間には、経路63が形成されている。この経路63には、2つの屈曲部63aが設けられている。このことにより、図23に示すように、経路61を流れる陽極側の回路電流が、コンデンサCを迂回して流れることが可能なバイパス電流経路Pが形成されている。
このような実施形態によれば、バイパス電流経路Pを低抵抗かつ高インダクタンスとすることにより、回路電流の直流成分をバイパス電流経路Pに流してコンデンサCを迂回させるとともに、回路電流の交流成分をコンデンサCへと流すことが可能である。したがって、回路電流の大電流化に対応して、コンデンサCにおける発熱を抑制しつつ、たとえば高周波数領域のノイズ除去特性を向上することができる。また、経路63は、比較的導電性の高い銅が用いられており、たとえば幅を大きくすることも容易であるために、抵抗R3を小さくするのに適している。さらに、屈曲部63aは高周波領域の交流電流に対してコイルのように作用するために、バイパス電流経路PのインダクタンスL3を大きくすることができる。本実施形態から理解されるように、電気回路にバイパス電流経路が形成された構成とすれば、固体電解コンデンサにはたとえば専用の部品を具備する必要が無い。このため、従来の三端子型または四端子型の固体電解コンデンサなどを採用することが可能であり、便利である。なお、本実施形態とは異なり、たとえば配線パターンの形状等を変更することにより、バイパス電流経路のインダクタンスが小さい構成とすることも可能である。このような実施形態によれば、たとえば固体電解コンデンサを電源供給に用いる際に、高速応答性の向上を図ることができる。
図24は、本発明に係る電気回路の他の例を示している。本実施形態の電気回路B2は、経路63にコイル素子71が設けられている。このような実施形態によれば、バイパス電流経路のインダクタンスを容易に大きくすることができる。また、コイル素子は、一般にインダクタンスの定格値が定められているために、バイパス電流経路のインダクタンスを所望の値に正確に設定することができる。
図25は、本発明に係る固体電解コンデンサおよび電気回路の概念を表している。本図によく表われているように、バイパス電流経路Pは、陽極本体部1’を迂回するように形成されていれば良い。すなわち、このバイパス電流経路Pの構成要素としては、コンデンサの構成部品である金属カバーや、陽極導体板、および基板に形成された配線パターンに限定されない。たとえばコンデンサを構成する金属部材または導電性樹脂や、電気回路に備えられた配線コードなどによって、バイパス電流経路Pを形成しても良い。
本発明に係る固体電解コンデンサは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る固体電解コンデンサの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。また同様に、本発明に係る電気回路の具体的な構成は、種々に変更自在である。
陽極ワイヤの本数、位置および形状は、上述した実施形態に限定されず、種々に変更自在である。コンデンサの構造としては、上述した実施形態のコンデンサのように四端子型に限定されず、いわゆる三端子型、貫通型であってもよい。金属カバーは、孔部を有することが望ましいが、これに限定されず孔部を有しない構成としてもよい。陽極端子と金属カバーとは、導通部材部材を介して導通する構成に限定されず、互いに電気的に導通する構成であれば良い。たとえば、陽極端子と金属カバーとを直接接合することにより、これらを導通させても良い。
弁作用を有する金属としては、ニオブに代えて、たとえばタンタルでもよく、さらにはこれらニオブまたはタンタルを含む合金を用いることもできる。また、固体電解コンデンサとしては、陽極本体部として弁作用を有する金属の多孔質焼結体を備えたものに限定されず、たとえばアルミ固体電解コンデンサであっても良い。本発明に係る固体電解コンデンサおよび電気回路は、その具体的な用途も限定されない。
本発明に係る固体電解コンデンサの一例の全体斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサを用いた電気回路の一例の回路図である。 本発明に係る固体電解コンデンサに用いられる金属カバーの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサに用いられる金属カバーの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサに用いられる金属カバーの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の全体斜視図である。 図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の断面図である。 図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の分解斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサに用いられる陽極導体板の他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の断面図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの他の例の全体斜視図である。 本発明に係る電気回路の一例の要部斜視図である。 本発明に係る電気回路の一例の回路図である。 本発明に係る電気回路の他の例の要部斜視図である。 本発明の概念説明図である。
符号の説明
A1〜A9,C 固体電解コンデンサ
B1,B2 電気回路
L1a,L1b,L2a,L2b,L3 インダクタンス
R1a,R1b,R2a,R2b,R3 抵抗
P バイパス電流経路
1 多孔質焼結体(陽極本体部)
4 金属カバー
4c スリット
4d (金属カバーの)屈曲部
4h 孔部
6 配線パターン
7 回路
8 電源装置
10a,10b 陽極ワイヤ
11a,11b 入力用および出力用の陽極端子
22a,22b,23a,23b 外部陽極端子
23 陽極導体板
24,36 接続部材
31,32 金属板
31a,31b 外部陰極端子(両端縁部)
31c 中央部
33 陽極導体板
33a,33b 外部陰極端子
35 導電性樹脂
51 封止樹脂(絶縁体)
52,53 樹脂製フィルム(絶縁体)
54 セラミック製プレート(絶縁体)
63a (配線パターンの)屈曲部
71 コイル素子

Claims (21)

  1. 固体電解質層を具備した陰極と、
    この陰極との間に誘電体層を介在して設けられた陽極本体部、ならびにこの陽極本体部に回路電流が流れることを可能とする入力用および出力用の陽極端子を具備した陽極と、
    を備えた固体電解コンデンサであって、
    上記入力用および出力用の陽極端子間には、回路電流が上記陽極本体部を迂回して流れることを可能とするバイパス電流経路が形成されており、
    上記陽極本体部は、弁作用を有する金属の多孔質焼結体であり、
    上記誘電体層および固体電解質層は、上記多孔質焼結体内に形成されており、
    上記入力用の陽極端子は、上記多孔質焼結体内に進入した陽極ワイヤを含んで形成されており、
    上記出力用の陽極端子は、上記陽極ワイヤとは別体とされており、かつ上記多孔質焼結体内に進入した追加の陽極ワイヤを含んで形成されており、
    上記バイパス電流経路は、上記多孔質焼結体外に設けられた、上記入力用および出力用の陽極端子に導通した導体部材により形成されていることを特徴とする、固体電解コンデンサ。
  2. 上記入力用および出力用の陽極端子間における上記バイパス電流経路の電気抵抗は、上記入力用および出力用の陽極端子間における上記陽極本体部の等価直列抵抗よりも小さい、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 上記陰極は、上記固体電解質層に導通する陰極端子を備えており、
    上記入力用および出力用の陽極端子間における上記バイパス電流経路のインダクタンスは、上記入力用の陽極端子から上記陰極端子までの間における等価直列インダクタンスよりも大きい、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 上記陰極は、上記固体電解質層に導通する陰極端子を備えており、
    上記入力用および出力用の陽極端子間における上記バイパス電流経路のインダクタンスは、上記入力用の陽極端子から上記陰極端子までの間における等価直列インダクタンスよりも小さい、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 上記導体部材は、上記多孔質焼結体の少なくとも一部を覆っている金属カバーである、請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 上記金属カバーの上記バイパス電流経路に相当する部分には、スリットが形成されている、請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 上記金属カバーの上記バイパス電流経路に相当する部分には、屈曲部が形成されている、請求項5または6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 上記金属カバーと上記多孔質焼結体との間には、これらを絶縁するための絶縁体が介在している、請求項5ないし7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  9. 上記絶縁体は、樹脂製フィルムを含んでいる、請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 上記絶縁体は、セラミック製プレートを含んでいる、請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 上記金属カバーには、複数の孔部が形成されている、請求項5ないし10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  12. 上記入力用および出力用の陽極端子にそれぞれ導通する面実装用の複数の外部陽極端子と、上記固体電解質層に導通する面実装用の複数の外部陰極端子とを備えている、請求項1ないし11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  13. 両側縁部と中央部とに段差を生じるように折り曲げられた金属片を備えており、上記中央部の凸側の面は、上記固体電解質層に接合され、かつ上記中央部の凹側の面は、樹脂により覆われており、上記両側縁部が、上記面実装用の複数の外部陰極端子となっている、請求項12に記載の固体電解コンデンサ。
  14. 上記複数の外部陰極端子は、互いに離間した複数の金属片により形成されている、請求項12に記載の固体電解コンデンサ。
  15. 上記多孔質焼結体の底面に設けられており、かつ上記固体電解質層に導通する陰極導体板と、
    上記陰極導体板との間に絶縁体を介して積層されており、かつ上記複数の陽極端子に導通する上記導体部材としての陽極導体板とを備えており、
    上記陰極導体板の少なくとも一部が、外部陰極端子となっており、
    上記陽極導体板の少なくとも一部が、複数の外部陽極端子となっている、請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  16. 上記陰極導体板は、上記多孔質焼結体に接合された主板部と、この主板部から延出する延出部とを有しており、
    上記延出部が、上記外部陰極端子であり、かつ上記主板部と上記延出部とに段差が設けられていることにより、上記外部陽極端子および上記外部陰極端子の底面どうしが略面一とされている、請求項15に記載の固体電解コンデンサ。
  17. 上記多孔質焼結体としては、偏平状とされた複数のものがある、請求項1ないし16のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  18. 上記複数の多孔質焼結体に設けられた入力用および出力用の陽極端子にそれぞれ導通する面実装用の複数の外部陽極端子と、上記多孔質焼結体に形成された固体電解質層のそれぞれに導通する面実装用の外部陰極端子とを備えている、請求項17に記載の固体電解コンデンサ。
  19. 上記複数の多孔質焼結体は、積層されている、請求項17または18に記載の固体電解コンデンサ。
  20. 上記複数の多孔質焼結体間に介在し、かつ上記複数の多孔質焼結体に形成された固体電解質層にそれぞれ導通する複数の金属板を備え、上記外部陰極端子は、上記複数の多孔質焼結体に対してこれらと同方向に積層されており、上記複数の金属板と上記外部陰極端子とは、上記積層方向に延びる接続部材により導通している、請求項19に記載の固体電解コンデンサ。
  21. 上記複数の多孔質焼結体は、並べて配置されている、請求項17または18に記載の固体電解コンデンサ
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