JP4388641B2 - 集積回路の試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は集積回路の試験装置に関し、特に、1つの機能を実現する回路をマクロ化して他の回路と同一の集積回路に内蔵したいわゆるシステムLSIの試験方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、CPUやDSPあるいはDRAMなどの回路は、それぞれ異なるボード上に独立デバイスとして実装されていた。ところが、近年では、それら回路の微細化や高度化等に伴って、当該回路をマクロ化し、検証済機能マクロとして他の回路と同一の集積回路に内蔵する製品、いわゆるシステムLSIが増加してきている。しかも、1つの集積回路内に複数の機能マクロを内蔵する場合も増加してきている。
【0003】
独立デバイスをマクロ化した機能マクロは、そのレイアウトが固定されていることが多い。そのため、いわゆるロジックスキャン等の試験容易化回路を機能マクロ内に後から追加することは難しい。このことから、機能マクロを含むシステムLSIの動作試験は、外部から命令や必要な信号を与えて機能マクロを実際に動作させ、その処理結果を外部に取り出すといったファンクション試験によって行われることが多い。
【0004】
図20は、機能マクロに対してファンクション試験を行うための従来の原理を示す構成図である。なお、ここでは、機能マクロの入力側のみを代表として示している。図20に示すように、機能マクロ100には、複数の入力端子IN0 ,IN1 ,…,INn-1 ,INn が備えられている。また、これら複数の入力端子IN0 ,IN1 ,…,INn-1 ,INn のそれぞれに対応して、複数のセレクタS0 ,S1 ,…,Sn-1 ,Sn が備えられている。
【0005】
各セレクタS0 〜Sn は、機能マクロ100を含んで構成される集積回路の外部入力端子からファンクション試験動作時に入力される信号(ファンクション試験のための命令や必要な信号)と、集積回路に含まれる機能マクロ100以外の他の回路等から当該集積回路の通常動作時に入力される信号とを2入力とし、その何れかを選択して機能マクロ100の各入力端子IN0 〜INn に供給する。このとき各セレクタS0 〜Sn は、その制御端子に入力される制御信号に応じて2入力の選択状態を切り換える。
【0006】
すなわち、各セレクタS0 〜Sn は、上記制御信号としてテストモードが設定されているときは、集積回路の外部入力端子からファンクション試験動作時に入力される信号を選択して機能マクロ100の各入力端子IN0 〜INn に供給する。一方、テストモードが設定されていないとき、すなわち、通常動作モードが設定されているときは、各セレクタS0 〜Sn は、集積回路に含まれる機能マクロ100以外の他の回路等から入力される信号を選択して機能マクロ100の各入力端子IN0 〜INn に供給する。
【0007】
このように、図20に示す構成においては、集積回路に内蔵した検証済機能マクロ100についても、独立デバイスに対して行っていた既存のファンクション試験を同様に行うことが可能となるように、テスト動作時に機能マクロ100の全入力端子IN0 〜INn を集積回路の外部入力端子と接続するように、各セレクタS0 〜Sn によって端子定義の変更を行っている。
【0008】
図21は、1つの集積回路内に異なる2つの機能マクロを内蔵した場合の従来の構成例を示す図である。図21に示す構成では、1つの集積回路内に2つの機能マクロA,B(101,102)とこれ以外のユーザロジック103とを内蔵しており、これらに対して集積回路の外部入力端子107から必要な信号を与えることにより、ファンクション試験を順次行う。そして、各機能マクロ101,102での処理結果を集積回路の外部出力端子108から出力することにより、ファンクション試験の結果を得る。
【0009】
例えば、最初に機能マクロ101,102のファンクション試験を順次に行った後、ユーザロジック103のファンクション試験を行う。ここで、機能マクロ101のファンクション試験を行うときには、機能マクロAセレクト端子104から機能マクロ101に対してセレクト信号を供給する。また、機能マクロ102のファンクション試験を行うときには、機能マクロBセレクト端子105から機能マクロ102に対してセレクト信号を供給する。また、ユーザロジック103のファンクション試験を行うときには、制御信号入力端子106からユーザロジック103に対してテストモードであることを示す信号を供給する。
【0010】
機能マクロ101のファンクション試験を行うときには、集積回路の外部入力端子107から入力された信号を機能マクロ101に供給する。このとき、複数ある外部入力端子107の一部から入力された信号は、当該入力信号とユーザロジック103で処理された信号との何れかを選択的に出力するセレクタ109を介して機能マクロ101に供給される。そして、この機能マクロ101で処理された結果を、当該機能マクロ101で処理された信号と、機能マクロ102で処理された信号と、通常動作時の出力信号との何れかを選択的に出力するセレクタ111を介して集積回路の外部出力端子108から外部に出力する。
【0011】
また、機能マクロ102のファンクション試験を行うときには、集積回路の外部入力端子107から入力された信号を機能マクロ102に供給する。このとき、複数ある外部入力端子107の一部から入力された信号は、当該入力信号とユーザロジック103で処理された信号との何れかを選択的に出力するセレクタ110を介して機能マクロ102に供給される。そして、この機能マクロ102で処理された結果を上記セレクタ111を介して集積回路の外部出力端子108から外部に出力する。なお、複数ある外部出力端子108の中には、例えば機能マクロ102で処理された信号のみを出力する専用の端子もある。
【0012】
また、ユーザロジック103のファンクション試験を行うときには、集積回路の外部入力端子107から入力された信号をユーザロジック103に供給する。このとき、ユーザロジック103で処理された信号は、上述のセレクタ109,110を介して機能マクロ101,102に供給される。そして、これらの機能マクロ101,102で処理された結果を上記セレクタ111を介して、あるいは介することなく集積回路の外部出力端子108から外部に出力する。
このような構成において、機能マクロ101,102のみとつながる集積回路の外部端子は試験用端子である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図20に示したように、従来のシステムLSI等の集積回路では、当該集積回路に内蔵した機能マクロについても既存のファンクション試験を行えるようにするために、機能マクロの各入力端子に対して試験用の各種信号を外部から供給するための試験用端子(外部入力端子)を集積回路に備えることが必要であった。このことは、機能マクロでの処理結果を出力する各出力端子についても同様である。そのため、通常動作時には使わない試験用の外部端子を集積回路に数多く設ける必要があり、集積回路のコストアップを招くという問題があった。
【0014】
また、上記図21に示したように、複数の機能マクロを内蔵する集積回路においては、試験対象となる機能マクロの入出力端子を集積回路の試験用外部端子に選択的に接続して、各機能マクロのファンクション試験を順番に行っていた。そのため、全ての機能マクロを試験するのにかかる時間が増大するという問題があった。
【0015】
このような試験時間の増大を防止するための手段としては、図22に示すように、機能マクロを選択するためのセレクト信号をマクロセレクト端子112から2つの機能マクロ101,102に同時に供給することにより、2つの機能マクロ101,102でファンクション試験を同時並列的に行うようにすることが考えられる。
【0016】
しかしながら、このように構成した場合には、少なくとも試験動作時には、各機能マクロ101,102の入出力端子を全て集積回路の試験用外部端子に接続するようにする必要があることから、集積回路の試験用外部端子を増やす必要があった。そのため、試験用端子数の増大によるコストアップという問題は更に大きなもとのなってしまう。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、集積回路の試験用外部端子の増大を抑制してコストの削減を図ることを目的とする。
また、本発明は、複数の機能マクロを内蔵する集積回路の試験において、試験用外部端子の増大を抑制してコストの削減を図るとともに、各機能マクロを同時並列的に試験することで試験時間の短縮を図ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による集積回路の試験装置は、集積回路に内蔵される機能マクロの試験を行うための装置であって、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて論理レベルが変化しない信号、集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号の逆論理の信号、集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号より一定量だけ遅れた信号、又は集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号の逆論理の信号より一定量だけ遅れた信号を発生させる信号発生回路と、信号発生回路で発生された信号を機能マクロの入力端子に選択的に供給する選択回路とを備えることを特徴とする。
このように構成することにより、論理レベルが変化しない信号や、集積回路の特定の外部入力端子から入力される一の信号と特定の関係にある信号については集積回路の内部で発生させることが可能となることから、そのような信号を入力するための外部入力端子を集積回路に設けなくても済む。
【0019】
例えば、本発明の1つの態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて論理レベルの変化しない信号が入力される機能マクロの入力端子に対して、集積回路の内部で発生させた論理レベル固定の信号を選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、機能マクロの試験時に使用する論理レベル固定の信号を、集積回路の内部で発生させることが可能となることから、そのような論理固定信号を集積回路の外部入力端子から入力しなくても済む。
【0020】
本発明の他の態様では、論理レベルが変化する信号を入力する集積回路の外部入力端子は、そこから入力される信号を機能マクロの2つ以上の入力端子で同時に使用しない限り、1つの外部入力端子を当該同時に使用しない端子を含む機能マクロの複数の入力端子で共有するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、共有した1つの外部入力端子から機能マクロの複数の入力端子に対して、各試験パターン毎に対応する信号を適宜供給することが可能となる。
【0021】
本発明のその他の態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて論理レベルが互いに同一の信号が入力される機能マクロの複数の入力端子に対して、集積回路の特定の外部入力端子から入力した信号を選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、共有した1つの外部入力端子から機能マクロの複数の入力端子に対して同一の信号を供給することが可能となる。
【0022】
本発明のその他の態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて論理レベルが一の信号とは逆の信号が入力される機能マクロの入力端子に対して、上記一の信号からその逆論理の信号を集積回路の内部で発生させて選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、機能マクロの複数の入力端子に対して一の信号とその逆論理の信号とを1つの外部入力端子から供給することが可能となる。
【0023】
本発明のその他の態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて一の信号より一定量だけ遅れた信号またはその逆論理の信号が入力される機能マクロの入力端子に対して、上記一の信号から一定量だけ遅れた信号またはその逆論理の信号を集積回路の内部で発生させて選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
ここで、特定の外部入力端子より入力した一の信号の立ち上がりおよび立ち下がりの遅延量をそれぞれ独立に設定するようにしても良い。
このように構成することにより、機能マクロの複数の入力端子に対して一の信号とその信号から一定量だけ遅れた信号またはその逆論理の信号とを1つの外部入力端子から供給することが可能となる。また、上記一の信号から一定量だけ遅れた信号として、立ち上がり側と立ち下がり側の遅延量を異ならせた信号を供給することが可能となる。
【0024】
本発明のその他の態様では、上記に示したような各構成において、機能マクロの入力端子に対して入力する信号の選択状態をレジスタに設定された制御情報に従って制御することを特徴とする。ここで、上記レジスタに対する制御情報の設定は、機能マクロとも接続される共通バスを介して行うようにしても良い。
このように構成することにより、機能マクロの入力端子に対して入力する信号の選択状態を制御するために特別な外部端子を集積回路に設けなくても済む。
【0025】
また、本発明による集積回路の試験装置は、集積回路に内蔵される機能マクロの試験を行うための装置であって、機能マクロの出力端子から出力される信号と、論理レベルが変化しない信号、集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号、集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号の逆論理の信号、又は集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号より一定量だけ遅れた信号を試験の期待値信号として比較することにより、機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号毎に試験結果の良否を判定し、それぞれの判定結果をまとめて集積回路の特定の外部出力端子に選択的に供給する内部判定回路を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、試験結果を出力する出力端子が機能マクロに多数備えられていても、それらの出力端子から出力された試験結果を集積回路の内部で判定して特定の外部出力端子から出力するので、機能マクロの各出力端子から得られた試験結果を外部に出力するために数多くの外部出力端子を集積回路に設けなくても済む。
【0026】
例えば、本発明の1つの態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて機能マクロの出力端子から出力される論理レベルの変化しない信号と、集積回路の内部で発生させた論理レベル固定の期待値信号とを比較することにより、機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号毎に試験結果の良否を判定し、それぞれの判定結果をまとめて集積回路の特定の外部出力端子に選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、試験結果を出力する出力端子が機能マクロに多数備えられていても、それらの出力端子から出力された試験結果を集積回路の内部で判定して特定の外部出力端子から出力することが可能となる。また、比較対象となる論理固定の期待値信号を集積回路の内部で発生しているので、そのような論理固定信号を集積回路の外部入力端子から入力しなくても済む。
【0027】
本発明のその他の態様では、集積回路が備える特定の外部出力端子以外の外部出力端子は、機能マクロの複数の出力端子から出力される信号を1つの外部出力端子で同時に使用しない限り、当該1つの外部出力端子を機能マクロの複数の出力端子で共有するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、機能マクロの複数の出力端子から共有した1つの外部出力端子に対して、各試験パターン毎に対応する試験結果の信号を適宜供給することが可能となる。
【0028】
本発明のその他の態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて機能マクロの複数の出力端子から出力される論理レベル同一の信号と、集積回路の特定の外部入力端子より入力された期待値信号とを比較することにより、機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号毎に試験結果の良否を判定し、それぞれの判定結果をまとめて集積回路の特定の外部出力端子に選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、試験結果を出力する出力端子が機能マクロに多数備えられていても、それらの出力端子から出力された試験結果を集積回路の内部で判定して特定の外部出力端子から出力することが可能となる。また、機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号との比較対象となる期待値信号を特定の外部入力端子より共通に入力しているので、論理レベルが同一の期待値信号を入力するために多数の外部入力端子を集積回路に設けなくても済む。
【0029】
本発明のその他の態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて一の期待値信号と論理レベルが逆となる期待値信号を上記一の期待値信号から集積回路の内部で発生させ、機能マクロの出力端子から出力される信号と、一の期待値信号およびこれと論理レベルが逆の期待値信号とを夫々比較することにより、機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号毎に試験結果の良否を判定し、それぞれの判定結果をまとめて集積回路の特定の外部出力端子に選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
このように構成することにより、試験結果を出力する出力端子が機能マクロに多数備えられていても、それらの出力端子から出力された試験結果を集積回路の内部で判定して特定の外部出力端子から出力することが可能となる。また、特定の外部入力端子より入力された期待値信号からそれとは逆論理の期待値信号を集積回路の内部で発生しているので、論理レベルが互いに逆の期待値信号を入力するために多数の外部入力端子を集積回路に設けなくても済む。
【0030】
本発明のその他の態様では、上記一の期待値信号は、リセット信号と同一またはこれと論理レベルが逆の信号であることを特徴とする。
このように構成することにより、期待値信号を入力する端子をリセット端子が兼ねることが可能となる。
【0031】
本発明のその他の態様では、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて一の期待値信号より一定量だけ遅れた期待値信号またはその逆論理の期待値信号を上記一の期待値信号から集積回路の内部で発生させ、機能マクロの出力端子から出力される信号と、一の期待値信号およびこれから一定量だけ遅れた期待値信号またはその逆論理の期待値信号とを夫々比較することにより、機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号毎に試験結果の良否を判定し、それぞれの判定結果をまとめて集積回路の特定の外部出力端子に選択的に供給するようにしたことを特徴とする。
ここで、上記特定の外部入力端子より入力した一の期待値信号の立ち上がりおよび立ち下がりの遅延量をそれぞれ独立に設定するようにしても良い。
このように構成することにより、試験結果を出力する出力端子が機能マクロに多数備えられていても、それらの出力端子から出力された試験結果を集積回路の内部で判定して特定の外部出力端子から出力することが可能となる。また、特定の外部入力端子より入力された期待値信号から一定量だけ遅れた期待値信号またはその逆論理の期待値信号を集積回路の内部で発生しているので、一の期待値信号と一定量だけ遅れた期待値信号等を入力するために多数の外部入力端子を集積回路に設けなくても済む。また、上記一の信号から一定量だけ遅れた信号として、立ち上がり側と立ち下がり側の遅延量を異ならせた信号を集積回路の内部で発生することが可能となる。
【0032】
本発明のその他の態様では、上記に示したような各構成において、機能マクロの出力端子から出力される信号毎に行われる試験結果の良否判定をレジスタに設定された制御情報に従って制御することを特徴とする。ここで、上記レジスタに対する制御情報の設定は、機能マクロとも接続される共通バスを介して行うようにしても良い。
このように構成することにより、機能マクロでの試験結果の良否判定を制御するために特別な外部端子を集積回路に設けなくても済む。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
システムLSI等の集積回路に用いられる検証済機能マクロ、特にプロセッサコア等は、動作モード信号、割込信号、エラー信号等の多数の信号を扱う。機能マクロのファンクション試験は、機能単位で分割した幾つかのテストパターン信号を入力して行うが、上述の多数の信号は、大部分のテストパターンにおいて、ある入力信号が固定または他の入力信号と共通、あるいは、ある出力信号が固定または他の出力信号と共通になる等の性質を有する。
【0034】
例えば、ある特定のテストパターンでファンクション試験を行うときには、割込信号用の端子に入力されるテスト信号は論理レベルが時間経過と共に変化するが、エラー信号用の端子に入力されるテスト信号は論理レベルが固定されるといった具合いである。
以下に述べる各実施形態では、このような性質を考慮して端子情報の入出力を工夫することにより、ファンクション試験に必要な外部端子の削減を図るものである。
【0035】
(第1の実施形態)
図1は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第1の実施形態による原理を示す構成図である。図1に示すように、機能マクロ1には、複数の入力端子IN0 ,…,INm ,INm+1 ,…,INn が備えられている。また、これら複数の入力端子IN0 ,…,INm ,INm+1 ,…,INn のそれぞれに対応して、複数のセレクタS0 ,…,Sm ,Sm+1 ,…,Sn が備えられている。
【0036】
これら複数の入力端子IN0 〜INn のうち、0番目からm番目までの入力端子IN0 〜INm は、全てのテストパターンで値が“H”または“L”に固定されない(時間経過と共に“H”または“L”に論理レベルが変化する)信号を入力する入力端子であるとする。これらの入力端子IN0 〜INm に対応するセレクタS0 〜Sm は、集積回路の外部入力端子EXT0 〜EXTm からファンクション試験動作時に入力される論理レベルが変化する信号(ファンクション試験のための命令や必要な信号)と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを2入力とし、その何れかを選択して機能マクロ1の各入力端子IN0 〜INm に供給する。
【0037】
また、機能マクロ1のm+1番目からn番目までの入力端子INm+1 〜INn は、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて値が“H”または“L”に固定されることがある信号を入力する入力端子であるとする。これらの入力端子INm+1 〜INn に対応するセレクタSm+1 〜Sn は、集積回路の外部入力端子EXTm+1 〜EXTk (k<n)からファンクション試験動作時に入力される論理変動信号と、機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号との他に、“H”または“L”の論理固定信号をも入力とし、それらの何れかを選択して機能マクロ1の各入力端子INm+1 〜INn に供給する。
【0038】
ここで、複数ある外部入力端子EXT0 〜EXTk のうち、入力信号の固定が可能な入力端子INm+1 〜INn に対応して設けられたセレクタSm+1 〜Sn と接続する外部入力端子EXTm+1 〜EXTk は、ここから入力される試験用のパターン信号を機能マクロ1の2つ以上の入力端子で同時に使用しない限り、1つの外部入力端子を当該同時に使用しない端子を含む機能マクロ1の複数の入力端子で共有する。
【0039】
上記複数のセレクタS0 〜Sn は、テストモードの設定時においてその制御端子に試験制御レジスタ2から入力されるそれぞれの制御情報に応じて、複数入力の選択状態を切り換える。この試験制御レジスタ2には、機能マクロ1とも接続されている集積回路の共通バスを介して、ファンクション試験の各機能単位(各テストパターン)毎に各セレクタS0 〜Sn の選択状態を制御するための制御情報が、テストモードの設定前にあらかじめ格納される。
【0040】
図2は、上記図1に示した原理構成において、機能マクロ1の入力端子がIN0 〜IN5 までの6個、論理レベルが変動する試験用パターン信号を入力する外部入力端子がEXT0 〜EXT2 までの3個の場合の構成例を示す図である。また、図3は、これらの入力端子IN0 〜IN5 および外部入力端子EXT0 〜EXT2 に入力される信号の例を示すタイミングチャートである。以下に、この図2および図3を用いて説明する。
【0041】
図3に示す例においては、所定の機能単位で成るファンクションとして、FN00〜FN03の4つのテストパターンで試験を順次行うものとする。ここで、第1のテストパターンFN00では、機能マクロ1の入力端子IN3 ,IN4 ,IN5 に供給される信号が“H”または“L”に固定され、第2のテストパターンFN01では、機能マクロ1の入力端子IN2 ,IN4 ,IN5 に供給される信号が“H”または“L”に固定されている。また、第3のテストパターンFN02では、機能マクロ1の入力端子IN1 ,IN2 ,IN3 に供給される信号が何れも“H”に固定され、第4のテストパターンFN03では、機能マクロ1の入力端子IN2 ,IN3 ,IN4 ,IN5 に供給される信号が“H”または“L”に固定されている。
【0042】
以上のことから、図2に示す機能マクロ1が備えている6個の入力端子IN0 〜IN5 のうち、0番目の入力端子IN0 は、FN00〜FN03の全てのテストパターンにおいて値が“H”または“L”に固定されず、時間経過と共に値が変動する信号を入力する入力端子である。よって、この入力端子IN0 に対応するセレクタS0 は、集積回路の外部入力端子EXT0 からファンクション試験動作時に入力される試験用パターン信号と、機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを2入力とし、それらの何れかを選択して機能マクロ1の入力端子IN0 に供給する。したがって、この場合において外部入力端子EXT0 は、機能マクロ1の入力端子IN0 専用の外部端子ということになる。
【0043】
また、機能マクロ1の0番目の入力端子IN0 を除く他の入力端子IN1 〜IN5 は、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて値が“H”または“L”に固定されることがある信号を入力する入力端子である。よって、これらの入力端子IN1 〜IN5 に対応するセレクタS1 〜S5 は、集積回路の外部入力端子EXT1 ,EXT2 からファンクション試験動作時に入力される信号と、機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号と、“H”または“L”の固定論理信号とを入力とし、それらの何れかを選択して機能マクロ1の各入力端子IN1 〜IN5 に供給する。
【0044】
ここで、何れかのテストパターンにおいて入力信号の固定が可能な入力端子IN1 〜IN5 に対応して設けられたセレクタS1 〜S5 と接続する外部入力端子EXT1 ,EXT2 のうち、一方の外部入力端子EXT1 は、機能マクロ1の2つの入力端子IN1 ,IN4 で共有し、他方の外部入力端子EXT2 は、機能マクロ1の3つの入力端子IN2 ,IN3 ,IN5 で共有する。
【0045】
すなわち、FN00〜FN03の全てのテストパターンにおいて、外部入力端子EXT1 から入力される試験用パターン信号は、2つの入力端子IN1 ,IN4 で同時に使用することはない(一方は必ず“H”に固定されている)。また、外部入力端子EXT2 から入力される試験用パターン信号は、3つの入力端子IN2 ,IN3 ,IN5 のうち2つ以上で同時に使用することはない(何れか2つは必ず“H”または“L”に固定されている)。よって、上述のように1つの外部入力端子を機能マクロ1の複数の入力端子で共有することが可能である。
【0046】
上記試験制御レジスタ2には、テストモードの設定前に、機能マクロ1とも接続されている共通バスを介して、それぞれのテストパターンFN00〜FN03毎に各セレクタS0 〜S5 の選択状態を制御するための制御情報を格納する。すなわち、試験制御レジスタ2自体に専用のアドレスを与え(アドレス空間の一部を試験制御レジスタ2に割り当てる)、機能マクロ1が外部とデータのやり取りをするのと同様の手順に従って、必要な制御情報を試験制御レジスタ2に書き込む。その後テストモードが設定されると、この試験制御レジスタ2内に格納された制御情報が各セレクタS0 〜S5 の制御端子に対して各テストパターン毎に順次与えられる。これらのセレクタS0 〜S5 は、この試験制御レジスタ2から入力されるそれぞれの制御情報に応じて、複数入力の選択状態を切り換える。
【0047】
すなわち、第1のテストパターンFN00による試験実行時においては、セレクタS0 〜S2 では外部入力端子EXT0 〜EXT2 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS3 ,S4 では“H”の論理固定信号を選択し、セレクタS5 では“L”の論理固定信号を選択する。また、次の第2のテストパターンFN01による試験実行時においては、セレクタS0 ,S1 ,S3 では外部入力端子EXT0 〜EXT2 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS4 では“H”の論理固定信号を選択し、セレクタS2 ,S5 では“L”の論理固定信号を選択する。
【0048】
また、第3のテストパターンFN02による試験実行時においては、セレクタS0 ,S4 ,S5 では外部入力端子EXT0 〜EXT2 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS1 〜S3 では“H”の論理固定信号を選択する。また、次の第4のテストパターンFN03による試験実行時においては、セレクタS0 ,S1 では外部入力端子EXT0 ,EXT1 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS4 では“H”の論理固定信号を選択し、セレクタS2 ,S3 ,S5 では“L”の論理固定信号を選択する。
【0049】
以上のように、図1に示す第1の実施形態においては、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて値が“H”または“L”に固定される信号を入力する入力端子INm+1 〜INn については、集積回路内部の試験制御回路(図示せず)で発生させた論理固定信号を選択的に供給し、集積回路の外部入力端子EXT0 〜EXTk からそのような論理固定信号を入力しなくても済むようにしている。
【0050】
さらに、集積回路が備える複数の外部入力端子EXT0 〜EXTk のうち、入力信号の固定が可能な入力端子INm+1 〜INn に対応して設けられたセレクタSm+1 〜Sn と接続する外部入力端子EXTm+1 〜EXTn は、ここから入力される試験用パターン信号を機能マクロ1の2つ以上の入力端子で同時に使用しない限り、1つの外部入力端子を当該同時に使用しない端子を含む機能マクロ1の複数の入力端子で共有するようにしている。
【0051】
これにより、試験用パターン信号を入力するための外部入力端子EXT0 〜EXTk は、機能マクロ1が備える入力端子IN0 〜INn と同数設ける必要がなく(k<n)、外部入力端子の数を削減することができる。図2の構成例では、ファンクション試験時に必要な外部入力端子はEXT0 〜EXT2 の3個で良く、端子数を3個削減することができる。特に、機能マクロ1がプロセッサの場合は、特定の試験で入力信号の値を固定可能な端子は十数〜数十本になることが多いため、外部入力端子数を大幅に削減することができる。
【0052】
また、本実施形態では、機能マクロ1の入力側に設けた各セレクタS0 〜Sn の制御を、試験制御レジスタ2に設定した制御情報に従って行うようにし、この試験制御レジスタ2内の制御情報の設定は、集積回路の共通バスを使用して行うようにしている。したがって、集積回路の外部から試験制御レジスタ2に制御情報を書き込むための特別な端子を集積回路に設ける必要がなく、外部入力端子数の増大を抑制することができる。また、既に定義してあるトランザクションに従って試験制御レジスタ2内に制御情報を書き込めば良いので、特別な手続きを新たに用意しなくても良いというメリットも有する。この共通バスを用いたメリットは、以下に述べる各実施形態においても同様に得られるものである。
【0053】
(第2の実施形態)
図4は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第2の実施形態による原理を示す構成図である。図4に示すように、機能マクロ1には、複数の入力端子IN0 ,…,INm ,INm+1 ,…,INn-1 ,INn が備えられている。また、これら複数の入力端子IN0 ,…,INm ,INm+1 ,…,INn-1 ,INn のそれぞれに対応して、複数のセレクタS0 ,…,Sm ,Sm+1 ,…,Sn-1 ,Sn が備えられている。
【0054】
これら複数の入力端子IN0 〜INn のうち、0番目からm番目までの入力端子IN0 〜INm は、全てのテストパターンにおいて他の端子とは異なる独自の信号を入力する入力端子であるとする。これらの入力端子IN0 〜INm に対応するセレクタS0 〜Sm は、集積回路の外部入力端子EXT1 〜EXTm+1 からファンクション試験動作時に入力される試験用パターン信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを2入力とし、その何れかを選択して機能マクロ1の各入力端子IN0 〜INm に供給する。
【0055】
また、機能マクロ1のm+1番目からn番目までの入力端子INm+1 〜INn は、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて、互いに同一の信号を入力し得る入力端子であるとする。これらの入力端子INm+1 〜INn に対応するセレクタSm+1 〜Sn は、外部入力端子EXT0 からファンクション試験動作時に入力される1つの試験用パターン信号と、他の外部入力端子から入力される異なる試験用パターン信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを3入力とし、それらの何れかを選択して機能マクロ1の各入力端子INm+1 〜INn に供給する。
【0056】
このうちセレクタSn-1 ,Sn は、ファンクション試験動作時においては、機能マクロ1の各入力端子INm+1 〜INn に対応して設けられた各セレクタSm+1 〜Sn に共通に接続する外部入力端子EXT0 から入力される試験用パターン信号と、各入力端子INn-1 ,INn に対応して設けられた各セレクタSn-1 ,Sn に共通に接続する外部入力端子EXTk から入力される試験用パターン信号との何れかを選択し、対応する入力端子INn-1 ,INn に供給する。
【0057】
このように、本実施形態においては、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同じ試験用パターン信号を入力し得る複数の入力端子間で1つの外部入力端子を共有する(複数の入力端子INm+1 ,…,INn-1 ,INn 間で1つの外部入力端子EXT0 を共有し、2つの入力端子INn-1 ,INn 間で1つの外部入力端子EXTk を共有する)。ここで、1つのセレクタに入力される複数の試験用パターン信号は、そのセレクタに対応する機能マクロ1の入力端子で同時には使用しないものである。
【0058】
上記複数のセレクタS0 〜Sn は、テストモードの設定時においてその制御端子に試験制御レジスタ2から入力されるそれぞれの制御情報に応じて、複数入力の選択状態を切り換える。この試験制御レジスタ2には、機能マクロ1とも接続されている集積回路の共通バスを介して、ファンクション試験の各テストパターン毎に各セレクタS0 〜Sn の選択状態を制御するための制御情報が、テストモードの設定前にあらかじめ格納される。
【0059】
図5は、上記図4に示した原理構成において、機能マクロ1の入力端子がIN0 〜IN5 までの6個、試験用パターン信号を入力する外部入力端子がEXT0 〜EXT2 までの3個の場合の構成例を示す図である。また、図6は、これらの入力端子IN0 〜IN5 および外部入力端子EXT0 〜EXT2 に入力される信号の例を示すタイミングチャートである。以下に、この図5および図6を用いて説明する。
【0060】
図6に示す例では、所定の機能単位で成るファンクションとして、FN00〜FN02の3つのテストパターンで試験を順次行うものとする。ここで、第1のテストパターンFN00では、機能マクロ1の入力端子IN1 ,IN2 ,IN4 に対してある1つの試験用パターン信号が共通に供給され、入力端子IN3 ,IN5 に対してこれと異なる試験用パターン信号が共通に供給され、入力端子IN0 には全く別の試験用パターン信号が供給されている。
【0061】
また、第2のテストパターンFN01では、機能マクロ1の入力端子IN1 〜IN3 に対してある1つの試験用パターン信号が共通に供給され、入力端子IN4 ,IN5 に対してこれと異なる試験用パターン信号が共通に供給され、入力端子IN0 には全く別の試験用パターン信号が供給されている。さらに、第3のテストパターンFN02では、機能マクロ1の入力端子IN1 〜IN4 に対してある1つの試験用パターン信号が共通に供給され、入力端子IN0 ,IN5 にはこれと異なる試験用パターン信号がそれぞれ別個に供給されている。
【0062】
以上のことから、図5に示す機能マクロ1が備えている6個の入力端子IN0 〜IN5 のうち、0番目の入力端子IN0 は、FN00〜FN02の全てのテストパターンにおいて独自の試験用パターン信号を入力する入力端子である。よって、この入力端子IN0 に対応するセレクタS0 は、集積回路の外部入力端子EXT0 からファンクション試験動作時に入力される試験用パターン信号と、機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを2入力とし、それらの何れかを選択して機能マクロ1の入力端子IN0 に供給する。したがって、この場合において外部入力端子EXT0 は、機能マクロ1の入力端子IN0 専用の外部端子ということになる。
【0063】
また、機能マクロ1の1番目〜4番目の入力端子IN1 〜IN4 は、少なくとも1つ以上のテストパターン(例えばFN02)において同一の試験用パターン信号を入力し得る入力端子である。よって、これらの入力端子IN1 〜IN4 に対応するセレクタS1 〜S4 に対して、集積回路の外部入力端子EXT1 を共通に接続する。また、3番目〜5番目の入力端子IN3 〜IN5 も、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同一の試験用パターン信号(第1のテストパターンFN00で入力端子IN3 とIN5 、第2のテストパターンFN01で入力端子IN4 とIN5 、第3のテストパターンFN02で入力端子IN3 とIN4 が共通)を入力し得る入力端子である。よって、これらの入力端子IN3 〜IN5 に対応するセレクタS3 〜S5 に対して、集積回路の外部入力端子EXT2 を共通に接続する。
【0064】
このように構成すると、機能マクロ1の2つの入力端子IN3 ,IN4 に対応するセレクタS3 ,S4 には、それぞれ2つの外部入力端子EXT1 ,EXT2 から2つの試験用パターン信号が入力されることになるが、これらの試験用パターン信号は、それぞれの入力端子IN3 ,IN4 で同時には使用しないものである。
【0065】
上記試験制御レジスタ2には、テストモードの設定前に、機能マクロ1とも接続されている共通バスを介して、それぞれのテストパターンFN00〜FN02毎に各セレクタS0 〜S5 の選択状態を制御するための制御情報を格納する。その後テストモードが設定されると、この試験制御レジスタ2内に格納された制御情報が各セレクタS0 〜S5 の制御端子に対して各テストパターン毎に順次与えられる。これらのセレクタS0 〜S5 は、この試験制御レジスタ2から入力されるそれぞれの制御情報に応じて、複数入力の選択状態を切り換える。
【0066】
すなわち、第1のテストパターンFN00による試験実行時においては、セレクタS0 では外部入力端子EXT0 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS1 ,S2 ,S4 では外部入力端子EXT1 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS3 ,S5 では外部入力端子EXT2 からの試験用パターン信号を選択する。
【0067】
また、次の第2のテストパターンFN01による試験実行時においては、セレクタS0 では外部入力端子EXT0 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS1 〜S3 では外部入力端子EXT1 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS4 ,S5 では外部入力端子EXT2 からの試験用パターン信号を選択する。
【0068】
また、次の第3のテストパターンFN02による試験実行時においては、セレクタS0 では外部入力端子EXT0 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS1 〜S4 では外部入力端子EXT1 からの試験用パターン信号を選択し、セレクタS5 では外部入力端子EXT2 からの試験用パターン信号を選択する。
【0069】
以上のように、図4に示す第2の実施形態においては、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同じ試験用パターン信号を入力し得る複数の入力端子間で1つの外部入力端子を共有し、集積回路の異なる外部入力端子から同じ試験用パターン信号を入力しなくても済むようにしている。
【0070】
これにより、ファンクション試験において試験用パターン信号を入力するための外部入力端子EXT0 〜EXTk は、機能マクロ1が備える入力端子IN0 〜INn と同数設ける必要がなく(k<n)、外部入力端子の数を削減することができる。図5の構成例では、ファンクション試験時に必要な外部入力端子はEXT0 〜EXT2 の3個で良く、端子数を3個削減することができる。
【0071】
(第3の実施形態)
図7は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第3の実施形態による原理を示す構成図である。第3の実施形態では、あるテストパターンで使用する2つの試験用パターン信号が互いに逆論理の信号である場合に、その一方の信号のみを外部入力端子から入力して機能マクロ1の入力端子に供給し、他方の逆論理の信号は、その入力した信号をインバータに通すことによって集積回路の内部で生成する。
【0072】
図7に示す第3の実施形態でも、機能マクロ1には、複数の入力端子IN0 〜INn が備えられている。また、これら複数の入力端子IN0 〜INn のそれぞれに対応して、複数のセレクタS0 〜Sn が備えられている。
これら複数の入力端子IN0 〜INn のうち、m番目の入力端子INm に入力される試験用パターン信号と、m+1番目からn番目までの入力端子INm+1 〜INn に入力される試験用パターン信号は互いに逆論理の信号であるとする。
【0073】
さらに、m+1番目からn番目までの入力端子INm+1 〜INn は、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同一の信号を入力し得る入力端子であるとする。よって、この場合は、第2の実施形態と同様に、これらの入力端子INm+1 〜INn 間で1つの外部入力端子EXT0 を共有し、対応するセレクタSm+1 〜Sn に対して共通の外部入力端子EXT0 を接続する。また、この外部入力端子EXT0 から入力された試験用パターン信号を論理反転するインバータ3を設け、このインバータ3の出力信号を入力端子INm に対応するセレクタSm に入力するようにする。
【0074】
このように、本実施形態では、ファンクション試験で使用する2つの試験用パターン信号が互いに逆論理の信号である場合に、その一方の信号のみを外部入力端子から入力し、他方の逆論理の信号はその入力した信号からインバータ3を用いて内部で生成する。そして、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて互いに逆論理の試験用パターン信号を入力し得る複数の入力端子間で1つの外部入力端子を共有するようにしている。
【0075】
これにより、ファンクション試験において試験用パターン信号を入力するための外部入力端子EXT0 〜EXTk は、機能マクロ1が備える入力端子IN0 〜INn と同数設ける必要がなく(k<n)、外部入力端子の数を削減することができる。
【0076】
なお、上記図7の例では、第2の実施形態と同様に、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同じ試験用パターン信号を入力し得る複数の入力端子間で1つの外部入力端子を共有するようにしているが、本実施形態を必ずしも第2の実施形態と組み合わせて適用する必要はない。また、上記図7の実施形態では、インバータ3で逆論理をとった試験用パターン信号は、機能マクロ1の1つの入力端子にのみ入力しているが、複数の入力端子に入力するようにしても良い。
【0077】
(第4の実施形態)
図8は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第4の実施形態による原理を示す構成図である。第4の実施形態では、あるテストパターンで使用する2つの試験用パターン信号が、一方の試験用パターン信号に対して他方の試験用パターン信号が一定クロックだけ遅れた信号またはその逆論理の信号である場合に、その一方の信号のみを外部入力端子から入力して機能マクロ1の入力端子に供給し、他方の一定クロック遅れた信号またはその逆論理の信号は、その入力した信号を遅延回路に通すことによって集積回路の内部で生成する。
【0078】
図8に示す第4の実施形態でも、機能マクロ1には、複数の入力端子IN0 〜INn が備えられている。また、これら複数の入力端子IN0 〜INn のそれぞれに対応して、複数のセレクタS0 〜Sn が備えられている。
これら複数の入力端子IN0 〜INn のうち、m番目の入力端子INm に入力される試験用パターン信号は、m+1番目からn番目までの入力端子INm+1 〜INn に入力される試験用パターン信号から一定クロックだけ遅れた信号またはその逆論理の信号であるとする。
【0079】
さらに、m+1番目からn番目までの入力端子INm+1 〜INn は、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同一の信号を入力し得る入力端子であるとする。よって、この場合は、第2の実施形態と同様に、これらの入力端子INm+1 〜INn 間で1つの外部入力端子EXT0 を共有し、対応するセレクタSm+1 〜Sn に対して共通の外部入力端子EXT0 を接続する。また、この外部入力端子EXT0 から入力された試験用パターン信号を遅延させる遅延回路4を設け、この遅延回路4の出力信号を入力端子INm に対応するセレクタSm に入力するようにする。
【0080】
上記遅延回路4は、その出力信号として、外部入力端子EXT0 から入力された試験用パターン信号を一定クロックだけ遅延させた信号を端子Qから出力するとともに、当該端子Qから出力される試験用パターン信号の逆論理の信号を端子Qバーから出力する。ここで、遅延回路4における一定クロックの遅延量は、試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に基づいて調整される。
【0081】
このように、本実施形態では、ファンクション試験で使用するある試験用パターン信号が他の試験用パターン信号から一定クロックだけ遅れた信号またはその逆論理の信号である場合に、その一方の信号のみを外部入力端子から入力し、他方の一定クロックだけ遅れた信号またはその逆論理の信号は、その入力した信号から遅延回路4を用いて内部で生成する。そして、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて上述のように互いに関連する試験用パターン信号を入力し得る複数の入力端子間で1つの外部入力端子を共有するようにしている。
【0082】
これにより、ファンクション試験において試験用パターン信号を入力するための外部入力端子EXT0 〜EXTk は、機能マクロ1が備える入力端子IN0 〜INn と同数設ける必要がなく(k<n)、外部入力端子の数を削減することができる。
【0083】
なお、上記図8の例では、第2の実施形態と同様に、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、少なくとも1つ以上のテストパターンにおいて同じ試験用パターン信号を入力し得る複数の入力端子間で1つの外部入力端子を共有するようにしているが、本実施形態を必ずしも第2の実施形態と組み合わせて適用する必要はない。また、上記図8の実施形態では、遅延回路4で遅延させた試験用パターン信号は、機能マクロ1の1つの入力端子にのみ入力しているが、複数の入力端子に入力するようにしても良い。
【0084】
図9は、上記遅延回路4の一構成例およびその動作例を示す図であり、(a)は遅延回路4の構成を示す回路図であり、(b)はその動作を示すタイミングチャートである。図9(a)に示す遅延回路4の例では、クロックの立ち上がりタイミングを一定クロック(時間t1 )だけ遅延させるための遅延部41と、クロックの立ち下がりタイミングを一定クロック(時間t2 )だけ遅延させるための遅延部42とを備えている。
【0085】
この遅延回路4はまた、遅延部41の出力信号と遅延を受ける前の元信号とのANDをとるゲート43と、遅延部42の出力信号と遅延を受ける前の元信号の逆論理の信号とのANDをとるゲート44と、上記2つのゲート43,44の出力信号のORをとるゲート45とを備えている。
上記2つの遅延部41,42の遅延量t1 ,t2 は、図8の試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って決められる。
【0086】
図9(a)中に示す各ノードA〜Fに現れる信号を示したのが、図9(b)である。この例によれば、遅延回路4に入力されるノードAの元信号から、時間t1 だけ立ち上がりを遅延させるとともに、時間t2 だけ立ち下がりを遅延させた信号が生成され、ノードFに出力されている。このように遅延回路4を構成した場合には、ファンクション試験で使用するある試験用パターン信号が、他の試験用パターン信号の立ち上がりと立ち下がりの両方の遅延量を変えた信号である場合にも、1つの外部入力端子を機能マクロ1の複数の入力端子で共有することが可能となる。
【0087】
(第5の実施形態)
図10は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第5の実施形態による原理を示す構成図である。この図10に示す第5の実施形態は、上述した第1〜第4の実施形態を全て組み合わせたものである。
【0088】
この図10に示す例では、機能マクロ1が備える複数の入力端子IN0 〜INn のうち、例えば0番目の入力端子IN0 には、外部入力端子EXT0 から入力される試験用パターン信号と、それをインバータ3で論理反転した試験用パターン信号と、上記インバータ3で論理反転した信号を更に遅延回路4aで一定クロックだけ遅延させた信号およびその逆論理の信号と、他の外部入力端子EXT1 から入力される試験用パターン信号と、“H”および“L”の論理固定信号と、通常動作時の入力信号と、リセット端子RESETから入力されるリセット信号との中からセレクタS0 によって選択された何れか1つの信号が入力される。
【0089】
また、n−1番目の入力端子INn-1 には、外部入力端子EXT0 から入力される試験用パターン信号と、それをインバータ3で論理反転した試験用パターン信号と、上記インバータ3で論理反転した信号を更に遅延回路4bで一定クロックだけ遅延させた信号およびその逆論理の信号と、他の外部入力端子EXTk から入力される試験用パターン信号と、“H”および“L”の論理固定信号と、通常動作時の入力信号と、リセット端子RESETから入力されるリセット信号との中からセレクタSn-1 によって選択された何れか1つの信号が入力される。
【0090】
また、n番目の入力端子INn にも、外部入力端子EXT0 から入力される試験用パターン信号と、それをインバータ3で論理反転した試験用パターン信号と、上記インバータ3で論理反転した信号を更に遅延回路4cで一定クロックだけ遅延させた信号およびその逆論理の信号と、他の外部入力端子EXTk から入力される試験用パターン信号と、“H”および“L”の論理固定信号と、通常動作時の入力信号と、リセット端子RESETから入力されるリセット信号の中からセレクタSn によって選択された何れか1つの信号が入力される。
【0091】
このように構成した本実施形態においても、ファンクション試験において試験用パターン信号を入力するための外部入力端子EXT0 〜EXTk は、機能マクロ1が備える入力端子IN0 〜INn と同数設ける必要がなく(k<n)、外部入力端子の数を削減することができる。本実施形態の場合、機能マクロ1が備える複数の入力端子間で共有できる外部入力端子の数が多くなるので、上述した各実施形態をそれぞれ単独で適用する場合に比べて、外部入力端子数を大幅に削減することができる。
【0092】
(第6の実施形態)
図11は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第6の実施形態による原理を示す構成図である。上記図10に示した第5の実施形態では、外部入力端子の数を大幅に削減することができるが、各セレクタS0 〜Sn の規模が大きくなるとともに、当該セレクタS0 〜Sn の選択状態を制御する試験制御レジスタ2内の制御情報が大きなものとなってしまう。
【0093】
これに対して、図11に示す第6の実施形態は、各セレクタS0 〜Sn に対して必要最小限の信号を入力することにより、各セレクタS0 〜Sn の規模が必要以上に大きくなり過ぎないようにするとともに、当該セレクタS0 〜Sn の選択状態を制御する試験制御レジスタ2内の制御情報の情報量も少なくすることができるようにしている。なお、この図11に示す第6の実施形態は、上述した第1および第2の実施形態を組み合わせたものであるが、実施形態の組み合わせ方はこれに限定されない。
【0094】
(第7の実施形態)
図12は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第7の実施形態による原理を示す構成図である。上記第1〜第6の実施形態では、ファンクション試験動作時に集積回路の外部入力端子から入力される、あるいは集積回路内部で発生される1つ以上の試験用パターン信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを1つのセレクタに供給し、当該1つのセレクタによってそれら複数の入力の中から使用する信号を一度に選択するようにしていた。
【0095】
これに対して、第7の実施形態では、機能マクロ1が備える1つの入力端子に対応して、セレクタを2段構成にして設ける。そして、2段構成の一方のセレクタにおいて、複数の試験用パターン信号の中から使用する信号を選択するとともに、他方のセレクタにおいて、上記一方のセレクタで選択した試験用パターン信号と、通常動作時の入力信号との何れかを選択して、機能マクロ1の対応する入力端子に供給するようにする。
【0096】
図12に示す例においては、機能マクロ1が備えている複数の入力端子IN0 〜INn のそれぞれに対応して、2段構成で成る複数のセレクタS0 〜Sn が備えられる。これらのうち、例えば0番目のセレクタS0 は、2つのセレクタS01,S02を備えている。初段のセレクタS01は、外部入力端子EXT0 から入力される試験用パターン信号と、“L”レベルに固定された試験用パターン信号とを2入力とし、その何れかを選択して後段のセレクタS02に供給する。
【0097】
この後段のセレクタS02は、上記初段のセレクタS01で選択された試験用パターン信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に入力される信号とを2入力とし、その何れかを選択して機能マクロ1の対応する入力端子IN0 に供給する。
【0098】
この場合、初段のセレクタS01における選択状態は、試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って制御される。また、後段のセレクタS02における選択状態は、図示しない試験制御回路から与えられるテストモード信号に従って制御される。すなわち、テストモードが設定されている場合は、初段のセレクタS01から供給された試験用パターン信号を選択し、テストモードが設定されていない場合は、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から入力される通常動作時の信号を選択する。
【0099】
上記のようにセレクタS0 を構成すれば、その内部の各セレクタS01,S02は何れも2入力の選択動作となる。よって、その選択状態を制御する試験制御レジスタ2内の制御情報は、1つのセレクタS0 に対して1ビット長とすることができるので、制御情報の情報量を少なくすることができるとともに、セレクタS0 の負担を軽減することができる。
【0100】
なお、n番目のセレクタSn のように、初段のセレクタSn1で選択し得る試験用パターン信号の数が3つ(2つの外部入力端子EXT0 ,EXT1 から入力される試験用パターン信号と、“H”に固定された試験用パターン信号の3つ)ある場合は、初段のセレクタSn1は3入力となる。また、場合によっては、初段のセレクタが更に多くの入力を有することもあり得る。
【0101】
(第8の実施形態)
以上に述べた第1〜第7の実施形態では、機能マクロ1の入力側に着目し、試験用パターン信号を入力する集積回路の外部入力端子数を削減することについて説明してきた。これに対して、以下に述べる第8の実施形態を含む各実施形態では、機能マクロ1の出力側に着目し、ファンクション試験の結果を出力する集積回路の外部出力端子数を削減することについて説明する。
【0102】
図13は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第8の実施形態による原理を示す構成図である。図13に示すように、機能マクロ1には、複数の出力端子OUT0 ,…,OUTm-1 ,OUTm ,…,OUTn-1 ,OUTn が備えられている。
【0103】
これら複数の出力端子OUT0 〜OUTn のうち、0番目からm−1番目までの出力端子OUT0 〜OUTm-1 は、集積回路の外部出力端子EXT0 ′〜EXTm-1 ′と直接接続され、機能マクロ1で処理されたファンクション試験の結果がそのまま出力される。
【0104】
また、m番目からn番目までの出力端子OUTm 〜OUTn のそれぞれに対応して、複数の比較器Cm 〜Cn が備えられている。これらの比較器Cm 〜Cn は、それぞれ対応する出力端子OUTm 〜OUTn から出力された試験結果の信号と、各比較器Cm 〜Cn に対応して設けられた複数のセレクタSm 〜Sn によって選択された“H”または“L”の論理固定信号とを比較し、両者が一致する場合に“H”の信号を出力する。
【0105】
上記セレクタSm 〜Sn は、“H”および“L”の論理固定信号を2入力として、その何れかを試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って選択するものである。この試験制御レジスタ2には、テストモードの設定前に、機能マクロ1とも接続されている集積回路の共通バスを介して、ファンクション試験の各テストパターン毎に各セレクタSm 〜Sn の選択状態を制御するための制御情報が格納される。
【0106】
ここで、各セレクタSm 〜Sn にそれぞれ入力される2つの論理固定信号は、機能マクロ1においてファンクション試験を行ったときにその結果として期待される正解値である。ある試験用パターン信号を用いてファンクション試験を行った結果が固定値として出力されるような場合、各比較器Cm 〜Cn は、各出力端子OUTm 〜OUTn から出力された試験結果の論理固定信号と、対象となるテストパターンに応じて各セレクタSm 〜Sn で選択された“H”または“L”の期待値信号とを比較し、その比較結果をANDゲート5に出力する。
【0107】
本実施形態では、集積回路のm番目からk番目までの外部出力端子EXTm ′〜EXTk ′(k<n)のそれぞれに対応して、複数のセレクタSm ′〜Sk ′が備えられている。このうちm番目のセレクタSm ′は、上記ANDゲート5から出力される信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に出力される信号とを2入力とし、その何れかを選択して集積回路のm番目の外部出力端子EXTm ′に供給する。
【0108】
また、m+1番目からk番目までのセレクタSm+1 ′〜Sk ′は、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn から出力されるファンクション試験の結果の信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に出力される信号とを入力とし、その何れかを選択して集積回路のm+1番目からk番目までの外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′に供給する。
【0109】
すなわち、ある試験用パターン信号を用いてファンクション試験を行った結果が固定値として出力されるような場合には、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn から出力される試験結果を各比較器Cm 〜Cn で比較した後、ANDゲート5でまとめて外部出力端子EXTm ′に出力する。一方、ファンクション試験を行った結果が論理レベルの変動する信号として出力されるような場合には、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn から出力される試験結果を外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′より外部に出力し、集積回路の外部において試験結果を判定する。
【0110】
ここで、集積回路が備える特定の外部出力端子EXTm ′以外の複数の外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1の複数の出力端子OUTm 〜OUTn から出力される試験結果の信号を1つの外部出力端子で同時に使用しない限り、当該1つの外部出力端子を機能マクロ1の複数の出力端子で共有する。図13の例では、機能マクロ1の2つの出力端子OUTn-1 ,OUTn で1つの外部出力端子EXTk ′を共有している。
【0111】
以上のように、第8の実施形態においては、論理レベルが“H”または“L”に固定された期待値信号を比較基準として選択的に入力する比較器Cm 〜Cn を機能マクロ1の出力側に接続し、当該期待値信号の選択を行うセレクタSm 〜Sn と比較器Cm 〜Cn とを試験制御レジスタ2内の制御情報によって制御する。そして、特定の試験用パターン信号で試験を行ったときの期待値が論理固定となる場合に、機能マクロ1の出力端子OUTm 〜OUTn に接続されている比較器Cm 〜Cn の比較結果をANDゲート5でまとめて1つの外部出力端子EXTm ′に出力するようにしている。
【0112】
さらに、集積回路が備える複数の外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′のうち、ANDゲート5の出力信号が選択的に供給される外部出力端子EXTm ′以外の外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1の複数の出力端子OUTm 〜OUTn から出力される試験結果の信号を1つの外部出力端子で同時に使用しない限り、当該1つの外部出力端子を機能マクロ1の複数の出力端子で共有するようにしている。
【0113】
これにより、機能マクロ1での試験結果の信号を出力するための外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1が備える出力端子OUT0 〜OUTn と同数設ける必要がなく(k<n)、ファンクション試験に必要な外部出力端子の数を削減することができる。また、比較対象となる論理固定の期待値信号を集積回路の内部で発生しているので、そのような論理固定信号を入力するための外部入力端子を集積回路に設けなくても済み、端子数の増大を抑制できる。
【0114】
また、本実施形態では、機能マクロ1の出力側に設けた各セレクタSm 〜Sn ,Sm ′〜Sk ′の制御を、試験制御レジスタ2に設定した制御情報に従って行うようにし、この試験制御レジスタ2内の制御情報の設定は、集積回路の共通バスを使用して行うようにしている。したがって、集積回路の外部から試験制御レジスタ2に制御情報を書き込むための特別な端子を集積回路に設ける必要がなく、外部入力端子数の増大を抑制することができる。また、既に定義してあるトランザクションに従って試験制御レジスタ2内に制御情報を書き込めば良いので、特別な手続きを新たに用意しなくても良いというメリットも有する。この共通バスを用いたメリットは、以下に述べる各実施形態においても同様に得られる。
【0115】
(第9の実施形態)
図14は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第9の実施形態による原理を示す構成図である。図14に示す第9の実施形態においても、上述した第8の実施形態と同様に、機能マクロ1が備えている複数の出力端子OUT0 〜OUTn のうち、0番目からm−1番目までの出力端子OUT0 〜OUTm-1 が集積回路の外部出力端子EXT0 ′〜EXTm-1 ′と直接接続されるとともに、m番目からn番目までの出力端子OUTm 〜OUTn のそれぞれに対応して複数の比較器Cm 〜Cn が接続されている。
【0116】
また、第8の実施形態と同様に、集積回路のm番目からk番目までの外部出力端子EXTm ′〜EXTk ′(k<n)のそれぞれに対応して、複数のセレクタSm ′〜Sk ′が備えられている。このうちm番目のセレクタSm ′は、各比較器Cm 〜Cn から出力された試験判定結果のANDをとるANDゲート5から出力される信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に出力される信号との何れかを選択して、集積回路のm番目の外部出力端子EXTm ′に供給する。
【0117】
また、m+1番目からk番目までのセレクタSm+1 ′〜Sk ′は、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn から出力されるファンクション試験の結果の信号と、集積回路に含まれる機能マクロ1以外の他の回路等から通常動作時に出力される信号とを入力とし、その何れかを選択して集積回路のm+1番目からk番目までの外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′に供給する。
【0118】
本実施形態における各比較器Cm 〜Cn は、それぞれ機能マクロ1の対応する出力端子OUTm 〜OUTn から出力された試験結果の信号と、集積回路の1つの外部入力端子から共通に入力されるファンクション試験の1つの期待値信号とを比較し、両者が一致する場合に“H”の信号をANDゲート5に出力する。これらの比較器Cm 〜Cn は、試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って制御される。
【0119】
すなわち、ある試験用パターン信号を用いて機能マクロ1でファンクション試験を行った結果、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn から同じ信号が処理結果として出力されるような場合、各比較器Cm 〜Cn は、試験制御レジスタ2からの制御情報に従って、各出力端子OUTm 〜OUTn から出力された試験結果の信号と、外部入力端子から入力された一の期待値信号とを比較し、その比較結果をANDゲート5に出力する。そして、これらの比較器Cm 〜Cn から出力されたそれぞれの比較結果をANDゲート5でまとめて、外部出力端子EXTm ′に選択的に出力する。
【0120】
一方、機能マクロ1においてファンクション試験を行った結果、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn の全てあるいは一部から出力される信号が同一にはならない場合には、そのように信号が同一とならない出力端子から出力される試験結果の信号を外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′より外部に出力し、集積回路の外部において試験結果を判定することになる。
【0121】
本実施形態においても、集積回路が備える特定の外部出力端子EXTm ′以外の複数の外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1の複数の出力端子OUTm 〜OUTn から出力される試験結果の信号を1つの外部出力端子で同時に使用しない限り、当該1つの外部出力端子を機能マクロ1の複数の出力端子で共有する。図14の例でも、機能マクロ1の2つの出力端子OUTn-1 ,OUTn で1つの外部出力端子EXTk ′を共有している。
【0122】
以上のように、第9の実施形態においては、比較基準となる期待値信号として機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn に共通の信号を入力する比較器Cm 〜Cn を機能マクロ1の出力側に接続し、当該比較器Cm 〜Cn を試験制御レジスタ2内の制御情報によって制御する。そして、特定の試験用パターン信号で試験を行ったときの期待値信号が機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn で同一となる場合に、当該出力端子OUTm 〜OUTn に接続されている比較器Cm 〜Cn の比較結果をANDゲート5でまとめて1つの外部出力端子EXTm ′に出力するようにしている。
【0123】
さらに、集積回路が備える複数の外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′のうち、ANDゲート5の出力信号が選択的に供給される外部出力端子EXTm ′以外の外部出力端子EXTm+1 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1の複数の出力端子OUTm 〜OUTn から出力される試験結果の信号を1つの外部出力端子で同時に使用しない限り、当該1つの外部出力端子を機能マクロ1の複数の出力端子で共有するようにしている。
【0124】
これにより、機能マクロ1での試験結果の信号を出力するための外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1が備える出力端子OUT0 〜OUTn と同数設ける必要がなく(k<n)、ファンクション試験に必要な外部出力端子の数を削減することができる。また、集積回路の1つの外部入力端子から入力した1つの期待値信号を機能マクロ1の複数の出力端子に共通に入力しているので、論理レベルが同一の期待値信号を入力するために多数の外部入力端子を集積回路に設けなくても済み、端子数の増大を抑制することができる。
【0125】
なお、本実施形態において各比較器Cm 〜Cn に対して入力する共通の期待値信号は、リセット信号と同一の信号であっても良い。機能マクロ1が備える各出力端子OUT0 〜OUTn のうち、特定の試験用パターン信号に基づくファンクション試験で出力対象とならない出力端子の期待値は、リセット端子の論理レベルと密接に関係している場合がある。そのため、このようなときには、該当する出力端子に対応して設けられた比較器のリファレンス用にリセット信号を共通に供給することにより、特に期待値信号を入力するための外部入力端子を設けることが不要となり、端子数の増大を抑制することができる。
【0126】
(第10の実施形態)
図15は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第10の実施形態による原理を示す構成図である。第10の実施形態では、ファンクション試験を行った結果得られる2つ以上の信号が互いに逆論理の信号となる場合に、その一方の信号のみを集積回路の外部入力端子から期待値信号として入力して各比較器に供給し、他方の逆論理の期待値信号は、その入力した信号をインバータ6に通すことによって集積回路の内部で生成する。
【0127】
図15に示す例では、集積回路の外部入力端子から入力された共通の期待値信号をm+1番目からn番目までの比較器Cm+1 〜Cn に供給するとともに、その入力された期待値信号をインバータ6に通すことにより逆論理の期待値信号を発生させ、それをm番目の比較器Cm に供給している。その他の構成は、図14に示した第9の実施形態と同様であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0128】
このように、本実施形態では、ファンクション試験の結果としての2つ以上の期待値信号が互いに逆論理の信号である場合に、その一方の期待値信号のみを外部入力端子から入力し、他方の逆論理の期待値信号はその入力した信号から内部で生成して比較器Cm 〜Cn に供給する。そして、第8、第9の実施形態と同様に、比較器Cm 〜Cn の比較結果をANDゲート5でまとめて1つの外部出力端子EXTm ′に選択的に出力するようにしている。
【0129】
これにより、機能マクロ1での試験結果の信号を出力するための外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1が備える出力端子OUT0 〜OUTn と同数設ける必要がなく(k<n)、ファンクション試験に必要な外部出力端子の数を削減することができる。また、外部入力端子より入力された期待値信号からそれとは逆論理の期待値信号を集積回路の内部で発生しているので、論理レベルが互いに逆の期待値信号を入力するために多数の外部入力端子を集積回路に設けなくても済み、端子数の増大を抑制することができる。
なお、本実施形態においても、外部入力端子から入力する期待値信号をリセット信号と同一の信号としても良い。
【0130】
(第11の実施形態)
図16は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第11の実施形態による原理を示す構成図である。第11の実施形態では、ファンクション試験の結果得られる2つの信号が、一方の信号に対して他方の信号が一定クロックだけ遅れた信号またはその逆論理の信号である場合に、その一方の信号のみを集積回路の外部入力端子から期待値信号として入力して各比較器に供給し、他方の一定クロック遅れた期待値信号またはその逆論理の期待値信号は、その入力した信号を遅延回路7に通すことによって集積回路の内部で生成する。
【0131】
図16に示す例では、集積回路の外部入力端子から入力された共通の期待値信号をm+1番目からn番目までの比較器Cm+1 〜Cn に供給するとともに、その入力された期待値信号を遅延回路7に通すことによって一定クロックだけ遅れた期待値信号およびその逆論理の期待値信号を発生させている。そして、この遅延回路7の端子Qから出力される一定クロック遅れた期待値信号と、端子Qバーから出力されるこれとは逆論理の期待値信号との何れかをセレクタSt で選択し、ここで選択した期待値信号をm番目の比較器Cm に供給している。
【0132】
ここで、上記セレクタSt における選択状態は、試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って制御される。また、遅延回路7における一定クロックの遅延量も、試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って調整される。その他の構成は、図14に示した第9の実施形態と同様であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0133】
このように、本実施形態では、ファンクション試験の結果としてのある期待値信号が他の期待値信号から一定クロックだけ遅れた信号またはその逆論理の信号である場合に、その一方の期待値信号のみを外部入力端子から入力し、他方の一定クロックだけ遅れた期待値信号またはその逆論理の期待値信号は、外部入力端子より入力した期待値信号から内部で生成する。そして、第8、第9の実施形態と同様に、これらの期待値信号を各比較器Cm 〜Cn に供給し、そこでの比較結果をANDゲート5でまとめて1つの外部出力端子EXTm ′に選択的に出力するようにしている。
【0134】
これにより、機能マクロ1での試験結果の信号を出力するための外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1が備える出力端子OUT0 〜OUTn と同数設ける必要がなく(k<n)、ファンクション試験に必要な外部出力端子の数を削減することができる。また、外部入力端子より入力された期待値信号から一定量だけ遅れた期待値信号またはその逆論理の期待値信号を集積回路の内部で発生しているので、一の期待値信号と一定量だけ遅れた期待値信号等を入力するために多数の外部入力端子を集積回路に設けなくても済み、端子数の増大を抑制することができる。
【0135】
なお、本実施形態における遅延回路7も、図9に示したように構成することが可能である。このように遅延回路7を構成すれば、遅延回路7に入力される元信号から、立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとを異なる量で遅延させた期待値信号を生成することができる。
また、本実施形態においても、外部入力端子から入力する期待値信号をリセット信号と同一の信号としても良い。
【0136】
(第12の実施形態)
図17は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第12の実施形態による原理を示す構成図である。この図17に示す第12の実施形態は、上述した第8〜第11の実施形態を全て組み合わせたものである。
【0137】
この図17に示す例では、機能マクロ1が備える複数の出力端子OUT0 〜OUTn は、ファンクション試験の結果を集積回路の外部で判定するときのために外部出力端子EXT1 ′〜EXTk ′に接続されるとともに、ファンクション試験の結果を集積回路の内部で判定するときのために複数の比較器C0 〜Cn の一方の入力端子に接続される。この比較器C0 〜Cn の他方の入力端子には、それぞれセレクタS0 〜Sn の出力が接続される。
【0138】
例えば、0番目のセレクタS0 は、外部入力端子から入力される試験結果の期待値信号と、それをインバータ6aで論理反転した期待値信号と、リセット端子から入力されるリセット信号と、それをインバータ6bで論理反転した信号と、上記外部入力端子およびリセット端子から入力された信号の何れか(セレクタSa によって選択される)を遅延回路7aで一定クロックだけ遅延させた信号およびその逆論理の信号と、“H”および“L”に論理固定された期待値信号とを入力とし、それらの中から試験制御レジスタ2より与えられる制御情報に従って何れか1つを選択する。
【0139】
また、n番目のセレクタSn は、外部入力端子から入力される試験結果の期待値信号と、それをインバータ6aで論理反転した期待値信号と、リセット端子から入力されるリセット信号と、それをインバータ6bで論理反転した信号と、上記外部入力端子およびリセット端子から入力された信号の何れか(セレクタSb によって選択される)を遅延回路7bで一定クロックだけ遅延させた信号およびその逆論理の信号と、“H”および“L”に論理固定された期待値信号とを入力とし、それらの中から試験制御レジスタ2より与えられる制御情報に従って何れか1つを選択する。
【0140】
各比較器C0 〜Cn は、機能マクロ1の各出力端子OUTm 〜OUTn から出力された試験結果の信号と、対象となるテストパターンに応じて各セレクタS0 〜Sn で選択された期待値信号とを比較し、両者が一致するか否かの比較結果をセレクタS0 ′〜Sn ′に出力する。そして、各セレクタS0 ′〜Sn ′は、この比較器C0 〜Cn から出力された比較結果の信号と“H”の論理固定信号との何れかを選択して、ANDゲート5に出力する。
【0141】
ここで、各セレクタS0 ′〜Sn ′は、試験制御レジスタ2から与えられる制御情報に従って入力信号の選択状態を切り換える。すなわち、機能マクロ1の各出力端子OUT0 〜OUTn から出力される試験結果の信号を外部出力端子EXT1 ′〜EXTk ′より出力して集積回路の外部で判定を行うときは、各セレクタS0 ′〜Sn ′は“H”の論理固定信号を選択する。一方、機能マクロ1の各出力端子OUT0 〜OUTn から出力される試験結果を比較器Cm 〜Cn やANDゲート5を用いて集積回路の内部で判定するときは、各セレクタS0 ′〜Sn ′は、比較器Cm 〜Cn の出力を選択してANDゲート5に供給する。
【0142】
上記ANDゲート5は、各セレクタS0 ′〜Sn ′から供給される信号のANDをとることにより、機能マクロ1によるファンクション試験の結果が全ての出力端子OUT0 〜OUTn において期待値と一致するかどうかを判定し、その結果を集積回路の0番目の外部出力端子EXT0 ′から出力する。
【0143】
このように構成した本実施形態においても、機能マクロ1での試験結果の信号を出力するための外部出力端子EXT0 ′〜EXTk ′は、機能マクロ1が備える出力端子OUT0 〜OUTn と同数設ける必要がなく(k<n)、ファンクション試験に必要な外部出力端子の数を削減することができる。本実施形態の場合、機能マクロ1が備える複数の出力端子間で共有できる外部出力端子の数が多くなるので、上述した第8〜第11の実施形態をそれぞれ単独で適用する場合に比べて、外部出力端子の数を大幅に削減することができる。
【0144】
(第13の実施形態)
図18は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第13の実施形態による原理を示す構成図である。上記図17に示した第12の実施形態では、外部出力端子の数を大幅に削減することができるが、各セレクタS0 〜Sn の規模が大きくなるとともに、当該セレクタS0 〜Sn の選択状態を制御する試験制御レジスタ2内の制御情報が大きなものとなってしまう。
【0145】
これに対して、図18に示す第13の実施形態は、各比較器C0 〜Cn において機能マクロ1の出力信号と比較するリファレンス側に接続する各セレクタS0 〜Sn に対して、必要最小限の期待値信号を入力することにより、各セレクタS0 〜Sn の規模が必要以上に大きくなり過ぎないようにするとともに、当該セレクタS0 〜Sn の選択状態を制御する試験制御レジスタ2内の制御情報の情報量も少なくすることができるようにしている。
【0146】
なお、この図18に示す第13の実施形態は、上述した第8の実施形態と第9の実施形態とを組み合わせたものに相当する。すなわち、各セレクタS0 〜Sn では、“H”または“L”に固定された期待値信号と、外部入力端子から入力される共通の期待値信号との何れかを選択し、それを各比較器C0 〜Cn に供給する。ここでは第8、第9の実施形態の組み合わせを示したが、実施形態の組み合わせ方はこれに限定されない。
【0147】
また、この図18に示す第13の実施形態では、上記図12に示した第7の実施形態と同様に、まず最初に複数のセレクタS0 〜Sn によって複数の期待値信号の中から使用する信号を選択し、比較器C0 〜Cn やANDゲート5を用いて機能マクロ1での試験結果を内部判定する。そして、ANDゲート5の後段に設けたセレクタSにおいて、上述のファンクション試験の判定結果と通常動作時の出力信号との何れかを選択して、機能マクロ1の外部出力端子から出力するようにする。
【0148】
上記のようにセレクタS0 〜Sn を構成すれば、それらは何れも2入力の選択動作となる。よって、その選択状態を制御する試験制御レジスタ2内の制御情報は、1つのセレクタに対して1ビット長とすることができるので、制御情報の情報量を少なくすることができるとともに、各セレクタS0 〜Sn の負担を軽減することができる。なお、セレクタS0 〜Sn で選択し得る期待値信号の数が3つ以上ある場合は、それらのセレクタは3つ以上の入力となる。
【0149】
(第14の実施形態)
図19は、機能マクロに対してファンクション試験を行う第14の実施形態による原理を示す構成図である。本実施形態は、1つの集積回路内に複数の機能マクロを内蔵する場合の構成例を示すものである。
【0150】
図19に示す構成では、1つの集積回路10内に2つの機能マクロA,B(11,12)とこれ以外のユーザロジック13とを内蔵しており、これらに対して集積回路10の外部入力端子17から必要な信号を与えることによって、ファンクション試験を行う。このとき、2つの機能マクロ11,12を同時に選択することにより、当該機能マクロ11,12のファンクション試験を並列的に同時実行する。そして、各機能マクロ11,12での試験結果を集積回路10の外部出力端子18から出力することにより、ファンクション試験の結果を得る。
【0151】
図19では図示を簡略化しているが、機能マクロ11,12およびユーザロジック13の入力側は、上記図1〜図12に示した第1〜第7の実施形態の何れかと同様に構成する。すなわち、集積回路10の各外部入力端子は、機能マクロ11,12およびユーザロジック13の入力側に設けられたセレクタの入力等に接続され、当該セレクタの制御端子に試験制御回路14から与えられる制御情報によって入力信号が選択される。機能マクロ11,12の入力端子には、集積回路の外部入力端子と常に接続する端子と、通常動作時にはユーザロジック13から信号を入力し、ファンクション試験動作時には外部入力端子からの試験パターン信号または内部発生した論理固定信号を入力する端子とがある。
【0152】
また、機能マクロ11,12およびユーザロジック13の出力側は、上記図13〜図18に示した第8〜第13の実施形態の何れかと同様に構成する。すなわち、集積回路10の各外部出力端子は、機能マクロ11,12およびユーザロジック13の出力側に設けられたセレクタの出力等に接続され、当該セレクタや比較器の制御端子に試験制御回路14から与えられる制御情報によって試験結果の良否判定の動作が制御される。機能マクロ11,12の出力端子には、集積回路の外部出力端子と常に接続する端子と、通常動作時にはユーザロジック13と接続するが、ファンクション試験動作時には比較器およびANDゲートを介して特定の外部出力端子と接続したり、それ以外の外部出力端子と接続する端子とがある。
【0153】
以下に、2個の機能マクロ11,12を内蔵する集積回路に本発明を適用する場合の手順の例を説明する。
まず最初に、集積回路が内蔵する機能マクロ11,12の良否を判定する試験において、当該機能マクロ11,12の各入出力端子について、各試験パターン毎に入力信号や出力信号が常に“H”または“L”に固定される端子、複数の端子間で入力または出力される信号が同一となる端子グループ、この端子グループの信号に対して論理が反転している信号を入力または出力する端子、立ち上がりが常に一定の遅延で変わる信号を入力または出力する端子、立ち下がりが常に一定の遅延で変わる信号を入力または出力する端子等の調査を行う。そして、この調査結果と使用可能な集積回路の外部入出力端子数とから、機能マクロ11,12の入力側および出力側に対して上述した第1〜第13の実施形態のどの構成を適用するかを決定する。ここでは、例えば、なるべく構成が簡単となる実施形態を選択する。
【0154】
次に、上述の調査結果に基づいて、機能マクロ11,12が備える各入出力端子(以下、マクロ端子と称する)の中から、集積回路の1つの外部端子を同時に使用しない端子の組み合わせを選択する。そして、各マクロ端子毎に、それに対応して設けられたセレクタの入力に必要な信号と、当該セレクタや比較器の制御方法とを決定する。このとき、試験制御回路14(試験制御レジスタ2)のリセットにより、機能マクロ11,12の入力側は通常動作の入力信号が選択され、比較器の出力をANDゲートでまとめた信号が集積回路の外部に出力されない構成とする。
【0155】
次に、試験に必要なクロック数(FN00〜FN03で示したそれぞれのテストパターンの長さ)を決定するとともに、そのテストパターンの長さや使用する共通の端子数等を考慮して、複数の機能マクロ11,12で同時に試験するテストパターンの組み合わせを選択する。このとき、一方の機能マクロにおいて用いるクロック数が多い試験パターンに対しては、試験制御回路14内の試験制御レジスタ2に設定される制御情報が同一である試験パターンを他方の機能マクロ用の試験パターンの中から幾つか選択して連結することにより、全体のテストパターンの長さを調節する。
【0156】
次に、このようにして選択した各機能マクロ11,12の試験パターンの組み合わせをもとに、使用する外部入出力端子を削減した並列試験用の試験パターンを作成する。そして、各機能マクロ11,12の入力端子に信号を入力する方法と、各機能マクロ11,12の出力端子から出力される信号の判定方法とを設定するファンクション、つまり、各エッジパターンFN00,FN01,…毎に設定する制御情報のシーケンスを試験制御回路14内の試験制御レジスタ2に作成する。このとき、試験制御レジスタ2への制御情報の書き込みは、機能マクロ11または12と接続される共通バス15を介して行う。
【0157】
なお、この制御情報のシーケンスを作成する際、2組目以降のテストパターンFN01,…は、試験制御レジスタ2に設定するデータの一部または全部を必要に応じて変更するだけで作成することが可能である。
【0158】
最後に、このようにして作成したファンクションの後ろに、上記作成した並列試験用パターンを連結して完成となる。そして、このようにして作成した試験パターンをシミュレーションで確認し、一連のファンクション試験が完了する。
なお、以上の手順において、他の端子の共通化が難しいアドレスバスの下位ビットやデータバスは端子数削減の対象とせず、また、2つの機能マクロ11,12で端子を共有しないようにすることにより、2つの機能マクロ11,12の並列試験パターンを比較的少ない手間で作成することが可能となる。
【0159】
以上のように、第14の実施形態によれば、各機能マクロ11,12のファンクション試験を同時並列的に実行することによって試験時間の短縮を図ることができるとともに、試験用に必要な集積回路10の外部端子の数を少なくしてコストの削減を図ることができる。
【0160】
なお、以上に説明した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0161】
【発明の効果】
本発明は上述したように、集積回路に内蔵される機能マクロの入力側においては、集積回路の内部で発生可能な信号については内部で発生させて機能マクロの入力端子に供給し、あるいは、複数の入力端子で共通に使用可能な信号については1つの外部入力端子から入力するようにしているので、機能マクロの試験動作時に必要な集積回路の外部入力端子の数を削減し、コストダウンを図ることができる。
また、集積回路に内蔵される機能マクロの出力側においては、機能マクロの各出力端子から出力される試験結果を集積回路の内部で判定し、その判定結果得られた信号を特定の外部出力端子から出力するようにしているので、機能マクロの試験動作時に必要な集積回路の外部出力端子の数を削減し、コストダウンを図ることができる。
また、1つの集積回路内に複数の機能マクロが内蔵される場合に、これらの機能マクロの入出力側を上述したように構成するとともに、これら機能マクロの試験を同時並列的に行うようにすることにより、試験で使用する外部端子の数を少なく抑えつつ、複数の機能マクロの試験を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機能マクロに対してファンクション試験を行う第1の実施形態による原理を示す構成図である。
【図2】図1に示した原理構成において、機能マクロの入力端子が6個、試験用パターン信号を入力する外部入力端子が3個の場合の構成例を示す図である。
【図3】図2に示した入力端子および外部入力端子に入力される信号の例を示すタイミングチャートである。
【図4】機能マクロに対してファンクション試験を行う第2の実施形態による原理を示す構成図である。
【図5】図4に示した原理構成において、機能マクロの入力端子が6個、試験用パターン信号を入力する外部入力端子が3個の場合の構成例を示す図である。
【図6】図5に示した入力端子および外部入力端子に入力される信号の例を示すタイミングチャートである。
【図7】機能マクロに対してファンクション試験を行う第3の実施形態による原理を示す構成図である。
【図8】機能マクロに対してファンクション試験を行う第4の実施形態による原理を示す構成図である。
【図9】図8中に示した遅延回路の構成例およびその動作例を示す図であり、(a)は遅延回路の構成を示す回路図であり、(b)はその動作を示すタイミングチャートである。
【図10】機能マクロに対してファンクション試験を行う第5の実施形態による原理を示す構成図である。
【図11】機能マクロに対してファンクション試験を行う第6の実施形態による原理を示す構成図である。
【図12】機能マクロに対してファンクション試験を行う第7の実施形態による原理を示す構成図である。
【図13】機能マクロに対してファンクション試験を行う第8の実施形態による原理を示す構成図である。
【図14】機能マクロに対してファンクション試験を行う第9の実施形態による原理を示す構成図である。
【図15】機能マクロに対してファンクション試験を行う第10の実施形態による原理を示す構成図である。
【図16】機能マクロに対してファンクション試験を行う第11の実施形態による原理を示す構成図である。
【図17】機能マクロに対してファンクション試験を行う第12の実施形態による原理を示す構成図である。
【図18】機能マクロに対してファンクション試験を行う第13の実施形態による原理を示す構成図である。
【図19】1つの集積回路内に異なる2つの機能マクロを内蔵した第14の実施形態による構成例を示す図である。
【図20】機能マクロに対してファンクション試験を行うための従来の原理を示す構成図である。
【図21】1つの集積回路内に異なる2つの機能マクロを内蔵した場合の従来の構成例を示す図である。
【図22】1つの集積回路内に異なる2つの機能マクロを内蔵した場合の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 機能マクロ
2 試験制御レジスタ
3,6 インバータ
4,7 遅延回路
5 ANDゲート
10 集積回路
11,12 機能マクロ
13 ユーザロジック
14 試験制御回路
15 共通バス
17 集積回路の外部入力端子
18 集積回路の外部出力端子
IN0 〜INn 機能マクロの入力端子
OUT0 〜OUTn 機能マクロの出力端子
EXT0 〜EXTk 集積回路の外部入力端子
EXT0 ′〜EXTk ′ 集積回路の外部出力端子
S0 〜Sn セレクタ
S0 ′〜Sk ′ セレクタ
C0 〜Cn 比較器

Claims (4)

  1. 集積回路に内蔵される機能マクロの試験を行うための装置であって、
    少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて論理レベルが変化しない信号、上記集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号の逆論理の信号、上記集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号より一定量だけ遅れた信号、又は上記集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号の逆論理の信号より一定量だけ遅れた信号を発生させる信号発生回路と、
    上記信号発生回路で発生された信号を上記機能マクロの入力端子に選択的に供給する選択回路とを備えることを特徴とする集積回路の試験装置。
  2. 上記選択回路は、少なくとも1つ以上の試験パターンにおいて論理レベルが互いに同一の信号が入力される機能マクロの複数の入力端子に対して、上記集積回路の特定の外部入力端子から入力した信号を選択的に供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の集積回路の試験装置。
  3. 集積回路に内蔵される機能マクロの試験を行うための装置であって、
    上記機能マクロの出力端子から出力される信号と、論理レベルが変化しない信号、上記集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号、上記集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号の逆論理の信号、又は上記集積回路の特定の外部入力端子から入力される信号より一定量だけ遅れた信号を試験の期待値信号として比較することにより、上記機能マクロの1つ以上の出力端子から出力される信号毎に試験結果の良否を判定し、それぞれの判定結果をまとめて上記集積回路の特定の外部出力端子に選択的に供給する内部判定回路を備えることを特徴とする集積回路の試験装置。
  4. 上記集積回路が備える上記特定の外部出力端子以外の外部出力端子は、上記機能マクロの複数の出力端子から出力される信号を1つの外部出力端子で同時に使用しない限り、当該1つの外部出力端子を上記機能マクロの複数の出力端子で共有するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の集積回路の試験装置。
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