JP4386246B2 - ファンブレード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷タイプの内燃機関から熱が投入された冷却水の放熱用のラジエータに関し、より詳細には、ラジエータに空気を圧送するためのラジエータファンにおけるブレードの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術によるラジエータファンのブレードの正面図及び側断面図を図5、図6に示す。
図5、図6に示すファンブレード9jは、先端が二股に分かれたスパイダー13jの二股の間にブレード10jと、そのブレード10jの補強部材であるラミネーション11jが挟持されている。
そのラミネーション11jは図示しないラジエータファン全体の半径方向(R方向)の寸法L11がブレード10jの同方向の寸法L10に対して短いのみで、その他の外縁は、ブレード10jと同様に形成されている。そしてファンブレード9jの先端は図示しないラジエータファン全体の直径円周Sに沿うような円弧状を成している。
尚、図5において符号14は前記スパイダー13jを固着させ、図示しないラジエータファン軸にファンブレード9jを取り付ける取付部材であり、符号15はその取付部材14に設けられた取付孔である。
【0003】
そのように構成されたファンブレード9jは、ラミネーション11jのスパイダー13jへの取付箇所Pで局所的に応力が増加しており(応力集中の発生)、その応力集中によって、亀裂が生じる恐れが有った。
【0004】
その他の従来技術として、コーン状の金属製取付部と樹脂製ブレードとを有し、コーン状取付部に樹脂製ブレードをそれぞれ独立して設けた技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術は、上述した様な応力(ブレードのラミネーションをスパイダーに取り付ける箇所に作用する応力)の増加を抑制するための技術ではない。
【0005】
【特許文献】
特開2002−195190号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、ラジエータファンのラミネーションのスパイダーへの取付箇所で発生する応力を抑制し、係る箇所における亀裂等の発生を防止することが出来る様なファンブレードの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記構成のファンブレードによれば、エンジンのクランクシャフトの端部にクランクプーリ(Pc)が固着され、そのクランクプーリ(Pc)にファンベルト(6)が係合され、そのファンベルト(6)にファンプーリ(Pf)が係合され、そのファンプーリ(Pf)にファン軸(7)が係合され、そのファン軸(7)にスパイダー(13)を介して固定されたラジエータファン(8)のファンブレードにおいて、ブレード(10)と第1のラミネーション(11)と第2のラミネーション(12)とが順次積層されて構成され、前記第1のラミネーション(11)の高さ(h2)は前記ブレード(10)の高さ(h1)より小さく形成され、前記第2のラミネーション(12)の高さ(h3)は前記第1のラミネーション(11)の高さ(h2)より小さく形成され、前記ブレード(10)の幅(w1)と前記第1のラミネーション(11)の幅(w2)は同寸に形成され、前記前記第2のラミネーション(12)の幅(w3)は前記第1のラミネーション(11)の幅(w2)より小さく形成され、前記第1のラミネーション(11)はブレード(10)の表面の50%〜70%を被覆し、前記第2のラミネーション(12)は第1のラミネーション(11)の40%〜70%を被覆し、前記ブレード(10)の一方の面(10a)は二股に開いた前記スパイダー(13)の先端(13a)の内側の一面13cに直接取り付けられ、前記スパイダー(13)の根元(13b)側は1箇所に取付け孔(15)が穿孔された取付部材(14)に固着され、前記ファン軸(7)に前記取付部材(14)と締結部材によって取り付けられている。
【0010】
ブレード(10)への第1のラミネーション(11)の被覆量(或いは被覆面積)、及び第1のラミネーション(11)への第2のラミネーション(12)の被覆量(或いは被覆面積)が少ないと、被覆した効果を発揮しない。
一方、被覆面積が多いと、その分だけファンブレード(9)全体の重量が増加し、遠心力の作用によりブレード支持部材であるスパイダー(13)の強度が不足し、破損に至る恐れが有る。
【0011】
上述した第1のラミネーション(11)のファンブレード(10)に対する面積比、及び第2のラミネーション(12)の第1のラミネーション(11)に対する面積比は、ブレード(10)への被覆による応力集中抑制効果を顕著にする値(領域)であって、且つブレード(10)の重量増加によるスパイダー(13)の強度上許容出来る領域である。
【0012】
そのように構成された本発明によれば、ブレード(10)を補強するラミネーションを2枚(11,12)とし、更に曲げモーメントの増加方向であるラジエータファン(8)の中心部に近づくに従って断面係数が増加するようにラミネーション(11,12)を含むブレード(10)厚みを増加させることによって各断面係数の変化する位置、とりわけ第2のラミネーション(12)のスパイダー(13)への取付け箇所(P)での応力を緩和している。従って、応力集中による破壊等を未然に防ぐことが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
先ず、図3において、エンジン1はシリンダブロック2とシリンダヘッド3とオイルパン4とフライホイール5とを有している。
【0015】
シリンダブロック2の下方でエンジン1のシリンダ配列方向すなわち図示の左右方向には、図示しないクランクシャフトが延在しており、その前端(左端)にクランクプーリPcが固着されている。
【0016】
そのクランクプーリPcの上方にはファンプーリPfを備えたラジエータファン軸7が配置されており、前記クランクプーリPcとファンプーリPfはファンベルト6によって係合され、エンジン回転がクランクプーリPc、ファンベルト6、ファンプーリPf、ファン軸7と順に伝達され、ラジエータファン8を回転するように構成されている。
【0017】
図4は当該ラジエータファン8を正面(エンジン前方)から見た図である。図4の例では、ラジエータファン8は6枚のファンブレード9がラジエータファン軸7に取り付けられて構成されている。
【0018】
ファンブレード9は、図1及び図2に詳細を示すように、スパイダー13の先端13aの二股に開いた間に、ブレード10と第1のラミネーション11と第2のラミネーション12が挟持されるように公知の手段、例えばリベット、或いは溶接によって固着されている。スパイダー13の根元13b側は1箇所に取付け孔15が穿孔された取付部材14に固着され、前記ラジエータファン軸7にその取付部材14及び図示しない締結部材によって取り付けられるように構成されている。
【0019】
更に詳しくは、ファンブレード9を構成するブレード10の一方の面10aは二股に開いたスパイダー先端13aの内側の一面13cに直接取り付けられている。他方、ブレード10の他方の面10bには第1のラミネーション11及び第1のラミネーション11を介して第2のラミネーション12が積層されている。
そして第1のラミネーション11は第2のラミネーション12よりも大きく、直接スパイダー先端13aの二股に分かれた内側の残る面13dに取り付けられているのは第2のラミネーションである。
【0020】
ここで、第1のラミネーション11は、ブレード10の表面の50%〜70%を被覆し、第2のラミネーション12は、第1のラミネーション11の40%〜70%を被覆するのが好ましい。
【0021】
ブレード10への第1のラミネーション11の被覆量、及び第1のラミネーション11への第2のラミネーション12の被覆量が少ないと、被覆した効果を発揮しない。
一方、被覆面積が多いと、その分だけファンブレード9全体の重量が増加し、遠心力の作用によりファンブレード支持部材であるスパイダー13の強度が不足し、破損に至る恐れが有る。
【0022】
上記第1のラミネーション11のブレード10に対する面積比、及び第2のラミネーション12の第1のラミネーション11に対する面積比は、ブレード10への被覆による応力集中抑制効果を顕著にする領域であって、且つブレード10の重量増加によるスパイダー13の強度上許容出来る領域である。
【0023】
そのように構成された本発明の実施形態によれば、ブレード10を補強するラミネーションを2枚(11、12)とし、更に曲げモーメントの増加方向であるラジエータファン8の中心部に近づくに従って断面係数が増加するようにラミネーション11、12を含むブレード10厚みを増加させることによって各断面係数の変化する位置、とりわけ第2のラミネーション12のスパイダー13への取付け箇所Pでの応力を緩和している。
従って、応力集中による破壊等を未然に防ぐことが出来る。
【0024】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記載ではない旨を付記する。
【0025】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列挙する。
(1) ブレードを補強するラミネーションを2枚とし、更に曲げモーメントの増加方向であるラジエータファンの中心部に近づくに従って断面係数が増加するようにラミネーションを含むブレードの厚みを増加させることによって各断面係数の変化する位置での応力(応力集中)を緩和している。
(2) 応力(応力集中)を緩和することにより、ファンブレードの破壊を未然に防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のファンブレードの構成を示す正面図。
【図2】図1のX−X断面図。
【図3】本発明の実施形態のファンブレードを用いたラジエータファンを搭載したエンジンの側面図。
【図4】本発明の実施形態のファンブレードを用いたラジエータファンの正面図。
【図5】従来タイプのファンブレードの構成を示す正面図。
【図6】図5のX−X断面図。
【符号の説明】
1・・・エンジン
2・・・シリンダブロック
3・・・シリンダヘッド
4・・・オイルパン
5・・・フライホイールハウジング
7・・・ラジエータファン軸
8・・・ラジエータファン
9・・・ファンブレード
10・・・ブレード
11・・・第1のラミネーション
12・・・第2のラミネーション
13・・・スパイダー
Claims (1)
- エンジンのクランクシャフトの端部にクランクプーリ(Pc)が固着され、そのクランクプーリ(Pc)にファンベルト(6)が係合され、そのファンベルト(6)にファンプーリ(Pf)が係合され、そのファンプーリ(Pf)にファン軸(7)が係合され、そのファン軸(7)にスパイダー(13)を介して固定されたラジエータファン(8)のファンブレードにおいて、ブレード(10)と第1のラミネーション(11)と第2のラミネーション(12)とが順次積層されて構成され、前記第1のラミネーション(11)の高さ(h2)は前記ブレード(10)の高さ(h1)より小さく形成され、前記第2のラミネーション(12)の高さ(h3)は前記第1のラミネーション(11)の高さ(h2)より小さく形成され、前記ブレード(10)の幅(w1)と前記第1のラミネーション(11)の幅(w2)は同寸に形成され、前記前記第2のラミネーション(12)の幅(w3)は前記第1のラミネーション(11)の幅(w2)より小さく形成され、前記第1のラミネーション(11)はブレード(10)の表面の50%〜70%を被覆し、前記第2のラミネーション(12)は第1のラミネーション(11)の40%〜70%を被覆し、前記ブレード(10)の一方の面(10a)は二股に開いた前記スパイダー(13)の先端(13a)の内側の一面13cに直接取り付けられ、前記スパイダー(13)の根元(13b)側は1箇所に取付け孔(15)が穿孔された取付部材(14)に固着され、前記ファン軸(7)に前記取付部材(14)と締結部材によって取り付けられていることを特徴とするファンブレード。
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JP2003138265A JP4386246B2 (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | ファンブレード |
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Family Applications (1)
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JP5614131B2 (ja) * | 2010-07-01 | 2014-10-29 | 株式会社Ihi | ファン動翼及びファン |
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2003
- 2003-05-16 JP JP2003138265A patent/JP4386246B2/ja not_active Expired - Fee Related
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