JP4384284B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カメラ、詳しくは写真撮影を行なう際して実行されるカメラの所定の動作に不具合が生じた場合におけるカメラの動作制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真撮影等を行なうカメラにおいては、写真撮影が行なわれる際にシャッター手段が正常に動作しているか否かの判断を、通常、次に示すような手段によって行なっている。
【0003】
即ち、シャッター手段の一部を構成するシャッター羽根の所定の位置にスリット等を設けると共に、このスリットを検出するフォトインタラプタ(以下、PIと略記する)等を備え、このPIからの検出信号が出力された場合には、シャッター手段は正常に動作しているものと判断する。
【0004】
また、その一方でPIからの出力が検出されない場合には、シャッター手段に異常があるものと判断し、このようにして異常が検出された場合には、再度同様の動作を繰り返し実行しないようカメラの動作を禁止して不動作状態に設定するような制御をしている。
【0005】
他方、特許第2669850号公報によって開示されているカメラにおいては、動作の異常が一回検出されただけではカメラを不動作状態にすることなく、所定の動作の異常が複数回検出された後に、カメラの動作を禁止するようにしている。これによれば、一回だけの異常動作の検出のみでは、それ以降にもカメラの動作を使用可能としているので、カメラの異常検出時における使用感や操作性の改善に寄与するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許第2669850号公報により開示される手段では、シャッター手段の動作の異常を一回検出しただけではカメラの動作を禁止せず、例えカメラに故障等が生じている状態でも、再度同様の動作を実行し複数回の異常が検出されるまでは、そのカメラは、一見正常であるかのように動作することになる。したがって、複数回の動作異常が検出されることによって、カメラが不動作状態にされるまでの間に、異なる別の新たな不具合が生じてしまうことも考えられる。
【0007】
このことについて具体的に例を挙げて説明すると、次のような場合が想定される。即ち、例えばシャッター手段が完全に故障している状態において、まず一回目の異常検出がなされたとする。この時点でカメラは、未だ次の撮影のための動作等を実行し得る状態になっている。
【0008】
通常の場合において、例えば使用者が写真撮影を行なうのに先立って、所定のフイルムカートリッジ(図示せず)を、カメラ本体内に装填せずにレリーズ動作を実行させる等によって、いわゆる試し撮り(空写し)等の動作を行なうことはよくあることである。
【0009】
このときの動作によって一回目の異常検出がなされたとしても、すぐに動作が禁止されないようにしたカメラの場合には、使用者はカメラに故障等が生じており、これに起因してカメラの動作に異常があることに気付くことがないので、異常を有するカメラに対して本番撮影のためのフイルムカートリッジを装填してしまうことになりかねない。
【0010】
そして、この場合においては、実際には、そのカメラは異常(故障)を有しているものであるので、最初の1フレーム目の撮影動作において、実際には二回目となる異常検出がなされる。これによって、カメラは初めて不動作状態となる等の措置がとられることになる。
【0011】
このように、上記特許第2669850号公報に開示の手段では、カメラの動作異常についての発見が遅れがちになってしまい問題である。
【0012】
また、このようなことがあると、使用者はフイルムを無駄にしてしまうだけでなく、シャッターチャンスを逃してしまう等の問題が生じることにもなる。さらに、使用者にとっては、試し撮り(空写し)の段階で正常に動作していると思われたカメラが実際には故障していたという印象を受けることになるので、そのカメラに対する不信感が生じてしまう等から、以後のそのカメラを使用しての写真撮影活動に影響を与えてしまうといった問題点もある。
【0013】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、撮影動作の異常を検出した場合には、適切なチェック動作を自動的に実行するようにして、検出された動作の異常がカメラの故障に起因するものであるか否かを確実に判断し、使用者がカメラの状態を確実に認識し得るようにしたカメラを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカメラは、カメラの所定の動作を行なわしめる手段と、カメラの機械的構成部分の位置を検出し当該機械的構成部分が所定の位置にいない場合に異常である旨出力するフォトインタラプタからの出力に基づいてカメラの所定の動作の異常を検出する異常検出手段と、上記検出手段がカメラの所定の動作の異常を検出した際、当該異常検出に応じて当該動作の再確認を行うべく当該異常検出とは異なる機会になされるチェック動作であって、上記機械的構成部分へ供給される電源の電圧を検出する電源電圧検出回路からの出力に基づいて当該電源電圧が規格範囲内であるか否かを判定することによりカメラの所定の動作の異常の有無をチェックすると共に、再度上記フォトインタラプタからの出力に基づくことにより当該カメラの所定の動作の異常の有無をチェックするチェック動作手段と、上記検出手段によりカメラの所定の動作の異常を一度でも検出した際には、当該カメラの動作を禁止する動作禁止手段と、上記検出手段により上記カメラの所定の動作が異常であると検出された際には異常が生じた旨の異常履歴情報が記憶され、上記検出手段により、一旦、上記カメラの所定の動作が異常であると検出され、さらに上記チェック動作手段により、上記電源電圧検出回路からの出力および上記フォトインタラプタからの出力に基づいて当該カメラの所定の動作が正常であると判定されたときには上記異常履歴情報が初期化される記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、第2の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記チェック動作手段は、動作を複数回繰り返すチェック動作を行わせ、上記記憶手段は、上記複数回繰り返すチェック動作の内、一度でも動作が正常と判定されたときには上記異常履歴情報が初期化されることを特徴とする。
【0016】
そして、第3の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明によるカメラのいずれか一方において、カメラの機械的構成部分の位置を検出するフォトインタラプタと、上記機械的構成部分へ供給される電源の電圧を検出する電源電圧検出回路と、をさらに有し、上記フォトインタラプタは、上記機械的構成部分が所定の位置にいない場合に異常である旨を出力し、上記電源電圧検出回路は、上記電源電圧が規格範囲から外れている場合に異常である旨を出力し、上記検出手段は、上記フォトインタラプタと上記電源電圧検出回路とからなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の一実施形態のカメラにおける電気的な内部構成を示す要部ブロック構成図である。
【0018】
本実施形態のカメラは、マイクロプロセッサ等を含む制御手段である制御回路11によって全体が制御されている。この制御回路11は、予めROM等の記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムに従って、様々な動作、例えばシャッタ動作や絞り動作などの露出動作、フイルム給送動作、フイルム給送方向を切り換えるためのクラッチ切換動作、ポップアップ式ストロボ装置の突没動作、ズームレンズの変倍動作や合焦レンズの合焦動作などの撮影レンズの駆動動作又は自動開閉式レンズバリアの開閉動作等や各種スイッチからの入力信号等を制御している。
【0019】
この制御回路11には、図1に示すように各種の電気回路、例えばシャッター手段であるシャッターユニット17(詳細は後述する)のプランジャー等を駆動するシャッター駆動回路14と、シャッターユニット17のシャッター羽根等のセクタ等の状態を検出するフォトインタラプタ(PI)等を含むシャッター検出回路13と、所定のフイルム給送動作を行なうフイルム給送ユニット18のフイルム給送モータ等を駆動するモーター駆動回路16と、フイルム給送ユニット18の状態又はフイルム位置等を検出するフォトリフレクタ(PR)等からなるフイルム検出回路15等の各回路と、各種のスイッチ類、例えば露出動作を開始させるための指示信号を発生させるレリーズスイッチ(RELスイッチ)31等が電気的に接続されている。
【0020】
フイルム給送ユニット18は、本カメラの内部において所定の位置に装填されたフイルムカートリッジからフイルムの給送を行なうための機構であって、駆動モーター等の各種構成部材によって構成され、フイルムの巻上動作及び巻戻動作等の所定のフイルム給送動作を実行する。
【0021】
シャッターユニット17は、フイルムの結像面上への露光量を調節するための機構であって、シャッター、ソレノイド、プランジャー及びフォトインタラプタ(PI)等を含むシャッター検出回路13等の各種の構成部材からなり、所定の露出動作を実行する。
【0022】
ここで、本カメラにおけるシャッターユニット17の構成について、以下に詳しく説明する。
図2・図3は、本実施形態のカメラにおけるシャッターユニットのみを取り出して示す図であって、図2はシャッターが閉状態にある場合を、図3はシャッターが開放状態にある場合をそれぞれ示すものである。
【0023】
本カメラにおけるシャッターユニット17は、ソレノイド27、プランジャー27a、セクタ21・22、セクタレバー25及びシャッター検出回路13の一部を構成し異常検出手段であるPI(フォトインタラプタ)29等の各種の構成部材によって構成されており、これら各種の構成部材は、本カメラの内部においてカメラ本体部に固設されているシャッター地板(図示せず)上の所定の位置にそれぞれ配置されている。そして、このシャッター地板には、露光用の開口20が設けられており、同開口20の中心は、撮影レンズ(図示せず)の光軸と略一致するように設定されている。
【0024】
シャッター地板の開口20の近傍には、セクタピン23・24がシャッター地板に対して植立されている。このセクタピン23・24のそれぞれには、略半月形状の二枚の薄板部材からなるセクタ21・22のそれぞれの基部に設けられた孔部が嵌入されている。これによってセクタ21・22は、開口20を遮閉する閉位置と、開口20を露呈させる開位置との間でシャッター地板に対して回動自在に支持されている。
【0025】
また、セクタ21・22の近傍には、略L字形状のセクタレバー25がシャッター地板に対して回動自在に軸支されている。このセクタレバー25の一腕部の先端には、ピン25bが植設されていて、同ピン25bには、セクタ21・22の基部に設けられたカム孔が係合している。
【0026】
そして、セクターレバー25の他腕部の先端にもピン25aが植設されており、同ピン25aは、ソレノイド27のプランジャー27aの先端面に当接するように配置されている。
【0027】
セクタレバー25の他腕部とシャッタ地板の固定部(図示せず)との間には、開口バネ26が懸架されている。この開口バネ26の付勢力は、図2・図3に示す矢印X1方向であって、セクタレバー25を図2・図3において反時計方向に回転させる方向に設定されている。したがって、この開口バネ26の付勢力によって、セクタ21・22は、開口20を開状態とする方向に付勢されている。
【0028】
また、プランジャー27aには、同プランジャー27aを離反させる方向、即ち図2・図3に示す矢印X2方向に向けて付勢する離反バネ28が、シャッター地板の固定部(図示せず)との間に懸架されている。上述したようにプランジャー27aの先端面には、セクターレバー25の他腕部のピン25aが当接している。したがって、開口バネ26の付勢力によるセクターレバー25の反時計方向への回動は、離反バネ28の付勢力により矢印X2方向に付勢されるプランジャー27aによって規制されている。
【0029】
これによりプランジャー27aがシャッター駆動回路14を介して制御回路11によって駆動制御されて吸引動作又は開放動作が行なわれると、これに従動してセクターレバー25が所定の方向に回動する。これに伴なって、セクタ21・22も所定の方向に回動することによって、開口20が開閉されるようになっている。
【0030】
一方、PI29は、シャッター地板上の所定の位置、即ち図2・図3に示すようにセクタ21・22の回動を検知し得る位置に、シャッター地板と一体的に固設されている。本実施形態のカメラにおけるPI29は、図2に示すようにセクタ21・22によって開口20が閉状態とされたとき(図2の状態)には、検出用光束がセクタ21・22のうち一方のセクタ21の先端部によって遮光される位置であって、かつセクタ21・22によって開口20が開き始める直前においては、検出用光束の遮光状態が解除される所定の位置に配置されている。
【0031】
そして、PI29は、検出用光束の遮光状態が解除され、これを透過させる状態になるとオン信号を発生させるようになっている。これにより本カメラにおいては、開口20が開き始める直前にオン信号が発生する。このオン信号は、制御回路11へと伝送され、同制御回路11は、これを露光動作を開始させる旨を表わすトリガ信号として受信し、これに従って露光動作のための所定の処理を実行する各種の指示を出力するようになっている。
【0032】
図4は、ソレノイド27への通電を行なってシャッターユニット17(セクタ21・22)を駆動した場合におけるシャッター開口20の状態とPI29の出力信号の関係を示すタイミングチャートである。
【0033】
ここで、上述の図2・図3及び図4を参照しながら、シャッターユニット17の作用及びシャッター開口20の状態とPI29の出力信号の関係について、以下に説明する。
【0034】
まず、図2に示す状態において、本シャッターユニット17におけるソレノイド27への通電を開始する(オン状態にする;図4の符号E参照)。これによってプランジャー27aは、離反バネ28の付勢力に抗して吸着方向(図2の矢印X1方向)に移動する。すると、開口バネ26の付勢力によってセクタレバー25が図2の反時計方向に回動する。これに伴ってセクターレバー25の一腕部のピン25bが移動し、セクタ21・22がそれぞれ所定の方向に回動する。これによってセクタ21・22により遮光状態となっていた開口20が開状態へと移行することになる。
【0035】
この場合において、開口20が開き始める直前の状態で、セクタ21の先端部がPI29の遮光状態を解除することになり、よってPI29の検出用光束が透過状態に変化する。これに伴ってPI29の出力信号レベルは、遮光を表わすハイ(High)状態から透過を表わすロー(Lo)状態へと変化する(図4の符号F)。そして、図4の符号Gに示す時点(開位置)からセクタ21・22による開口20の遮光状態が徐々に解除され、同図符号Hの開放位置において開口20が完全に開放状態になる。このときの状態が図3に示す状態である。
【0036】
その後、ソレノイド27への通電を解除する(オフ状態にする;図4の符号J参照)と、離反バネ28の付勢力によってプランジャー27aは、図3の矢印X2方向に移動される。これに伴ってセクターレバー25が図3の時計方向に回動し、セクタ21・22が閉状態へと徐々に移行する(図4の符号K参照)。
【0037】
そして、セクタ21の先端部がPI29を遮光する図2の状態になると、PI29の出力信号レベルがロー状態からハイ状態に変化する(図4の符号L)。これにより、セクタ21・22によって開口20が完全に閉状態とされたことが検出される。シャッターユニット17が正常に動作している場合の作用は、以上の通りである。
【0038】
このようにしてシャッターユニット17は動作するが、この場合において、例えばシャッターユニット17が何らかの原因によって異常な動作を行なった場合には、PI29の出力信号に異常が発生するものと考えられる。したがって、シャッターユニット17の動作中におけるPI29の信号を監視することによって、シャッターユニット17の異常動作を検知することができることになる。
【0039】
つまり、シャッターユニット17が何らかの原因によって異常を来し、セクタ21・22が異常な動作を行なった場合には、PI29からの出力信号に異常が発生することになる。この場合において考えられ得る異常としては、次に示す3つの場合がある。即ち、
第1には、ソレノイド27に対して通電を行なう以前の時点で、PI29の出力信号がロー状態になっている場合、
第2には、ソレノイド27への通電を行なった後、所定の時間(図4に示す符号S1参照)以内にPI29の出力信号レベルがハイ状態からロー状態へと変化しない場合、
第3には、ソレノイド27への通電が解除された後、所定の時間(図4に示す符号S2参照)以内にPI29の出力信号レベルがハイ状態に戻らない場合、
などである。
【0040】
上述の第1の場合では、シャッターユニット17のセクタ21・22が開いた状態で故障していることが考えられる。したがって、このとき開口20に対向する位置に配置されるフイルムの露光面は、露光されている状態になっているものと考えられる。
【0041】
次に、上述の第2の場合では、シャッターユニット17のセクタ21・22が開状態となる際の開き動作に異常の原因があり、これによって正常な露光動作が実行されていない状態であるものと考えられる。
【0042】
また、上述の第3の場合では、シャッターの閉じ動作に異常があり、適正な露光が行われなかっただけではなく、シャッターが開状態のままになってフイルムの露光面に対して継続的に被写体光束が照射され続けている状態にあると考えられる。
このように制御回路11は、PI29の出力信号に基づいてカメラの所定の動作の異常を検出する検出手段の役目をしている。
【0043】
次に、シャッターユニット17の異常を判定する手段について、以下に説明する。まず、本実施形態のカメラにおいて、写真撮影を行なう際の基本的な動作を図5のフローチャートによって、以下に説明する。
【0044】
本カメラの前面を覆うバリア部材が開放状態とされ、このバリア部材に連動する主電源スイッチがオン状態にされることによって、本カメラは撮影準備状態になる。
【0045】
この状態においてカメラの使用者が、例えばRELスイッチ31に連動する操作部材であるレリーズボタン(図示せず)を押圧操作すると、同RELスイッチ31からは、露出動作を開始させるための指示信号(レリーズ信号)が発生し、制御回路11へと伝送される。これを受けて制御回路11は、図5に示す所定の撮影動作プログラムの実行を開始する。
【0046】
まず、ステップS1において、測光動作が実行される。この測光動作は、カメラ内部の所定の位置に設けられる測光回路(図示せず)によって受光した被写体光束に基づいて被写体輝度を測定すると共に、この被写体輝度に基づいて適正露光を行なわしめるためのシャッター駆動時間やフラッシュ発光の要否及びフラッシュ発光が必要な場合のフラッシュ発光時間等を算出する。
【0047】
次に、ステップS2において、本カメラの内部に設けられる自動焦点調節手段(AF手段;図示せず)を用いて、本カメラから所望の被写体までの距離を測定すると共に、同被写体を合焦状態とし得るための撮影レンズの繰出し量等を算出する。
【0048】
続いて、ステップS3において、上述のステップS2において算出したAF結果に基づいて撮影レンズを所定の位置に移動させる(繰出し動作)。
【0049】
次に、ステップS4において、露光動作のシーケンス(詳細は後述する。図6参照)を実行した後、ステップS5の処理に進み、このステップS5において、制御回路11は、検出されたPI29からの出力信号に基づいて、上述のステップS4の露光動作(図6参照)が正常に終了したか否かを判断する。つまり、制御回路11は、露光動作(撮影動作)の異常を判定する判定手段の役目をしている。
【0050】
この場合において、露光動作が異常終了していると判断された場合には、ステップS10の不動作処理のシーケンスに移行する。つまり、制御回路11は、露光動作(撮影動作)の異常を確認すると、これに応じて本カメラの所定の動作を禁止する動作禁止手段として作用する。
また、露光動作が正常に終了したものと判断されると、次のステップS6の処理に進む。
【0051】
ステップS6においては、上述のステップS3において繰り出された撮影レンズを所定の位置に移動させるレンズ繰込み動作を実行した後、次のステップS7の処理に進み、このステップS7において、制御回路11は、モーター駆動回路16を介してフイルム給送ユニット18を駆動制御して、次の露光すべきフレームが所定の位置となるようにフイルムを1フレーム分だけ送り出すフイルム給送動作を実行する(フイルム巻上動作)。
【0052】
次いで、ステップS8において、制御回路11は、フイルム検出回路15の出力に基づいてフイルムエンドであるか否か、即ち上述のステップS4において今回実行した露光動作がフイルムの最終フレームへの露光動作であったか否かを判断する。ここで、フイルムエンドであると判断された場合には、次のステップS9の処理に進み、このステップS9において、制御回路11は、モーター駆動回路16を介してフイルム給送ユニット18を駆動制御して、露光済みフイルムをフイルムカートリッジの内部へ巻き戻すフイルム給送動作(フイルム巻戻動作)を行なった後、一連の動作を終了する(エンド)。
一方、上述のステップS8において、フイルムエンドではないことが確認されると、ステップS9の処理は実行せずに、そのまま一連の動作を終了する。そして、次の撮影の待機状態になる。
【0053】
次に、本カメラにおける露光動作のシーケンスの詳細を図6のフローチャートによって、以下に説明する。なお、この露光動作のシーケンスは、上述の図5のステップS4のサブルーチンである。
【0054】
まず、ステップS71において、制御回路11は、シャッター検出回路13を介してPI29の出力信号を確認する。この状態においては、シャッターユニット17が駆動される以前の状態であるので、正常な動作が行なわれているためには、PI29からの出力信号レベルは、ハイ状態となっている必要がある。
【0055】
即ち、この場合において、PI29の出力信号レベルがハイ状態であることが確認されるとステップS73の処理に進む。また、PI29の出力信号レベルがロー状態であることが確認された場合には、今回の露光動作のためにシャッターユニット17を駆動させる以前の段階で、既にシャッターユニット17(セクタ21・22)が開状態となっていることになる。したがって、シャッターユニット17には、既に異常が生じているものと判断されて、以降の露光動作を禁止して、ステップS72の処理に進み、ステップS72において、シャッター動作に異常が生じた旨の履歴情報を所定の記憶手段(図示せず)に記憶させた後、ステップS90のチェック動作のシーケンス(詳細は後述する。図7参照)に移行する。
【0056】
上述のステップS71における判断によってステップS73の処理に進むと、このステップS73において、制御回路11は、シャッター駆動回路14を介してソレノイド27への通電を開始する。これによってプランジャー27aは吸着を開始し、セクタ21・22を開放するための駆動が開始される。
【0057】
このステップS73の処理、即ちソレノイド27への通電開始と同時に、ステップS74において、制御回路11は、自己の有する異常判定用のタイマー(図示せず)の計時動作を開始させる。
【0058】
次に、ステップS75において、制御回路11は、PI29からの出力信号の状態を監視し、同PI29の出力信号レベルがロー状態であれば、即ち同信号がハイ状態からロー状態に変化したことを検知した場合には、次のステップS79の処理に進み、またPI29の出力信号がハイ状態のまま変化しないことを検知した場合には、ステップS76の処理に進む。
【0059】
ステップS76においては、上述のステップS74で開始した異常判定用のタイマーの状態の確認を行ない、予め設定されている所定の時間が経過するまでステップS75〜S76の処理を繰り返す。
【0060】
そして、ステップS76において、予め設定されている所定の時間が経過したことが確認された場合には、セクタ21・22が動作していないものと判断して、次のステップS77の処理に進む。
【0061】
ステップS77において、以降の露光動作の実行を禁止して、シャッター動作に異常が生じた旨の履歴情報を所定の記憶手段(図示せず)に記憶させた後、次のステップS78の処理に進む。このステップS78においては、ソレノイド27への通電を解除した後、ステップS90のチェック動作のシーケンス(図7参照)に移行する。
【0062】
一方、上述のステップS75において、PI29の出力信号がロー状態に変化したことを検知することによってセクタ21が正常に動作を開始したことが確認されて、ステップS79の処理に進むと、このステップS79の処理において、制御回路11は、自己の有する露光時間の秒時再生用のタイマー(図示せず)の計時動作を開始させる。
【0063】
次いで、ステップS80において、制御回路11は、上述の測光動作(図5のステップS1)の結果に基づいてフラッシュ光の発光動作が必要か否かを判断する。ここで、フラッシュ光が必要であると判断された場合には、ステップS81に進み、フラッシュ光が不要であると判断された場合には、ステップS82の処理に進む。
【0064】
ステップS81においては、制御回路11は、フラッシュ発光のタイミングを計時するためのタイマーによる計時を開始させ、続いてステップS82の処理に進む。
【0065】
ステップS82においては、上述のステップS81において開始したタイマーの計時が終了したか否かの確認を行なう。ここで、タイマーの計時が終了していることが確認されると、次のステップS83の処理に進み、タイマーの計時が終了していなければ、ステップS84の処理にそれぞれ進む。
【0066】
ステップS83において、制御回路11は、フラッシュ発光回路(図示せず)を介して閃光発光装置(図示せず)を駆動制御して所定のフラッシュ発光動作を実行する。
【0067】
ステップS84において、上述のステップS79において計時を開始したシャッタータイマー(秒時再生用のタイマー)の計時が終了したかを否かの確認を行なう。ここで、同タイマーの計時が終了していない場合には、ステップS82の処理に戻って同タイマーの計時が終了するまで、以降の処理を繰り返す。また、同タイマーの計時が終了していることが確認されると、次のステップS85の処理に進む。
【0068】
次に、ステップS85において、制御回路11は、ソレノイド27ヘの通電を解除する。これによって、セクタ21・22が開口20を閉状態とする閉じ動作が開始される。
【0069】
これと同時にステップS86において、制御回路11は、自己の有する異常判定用のタイマー(図示せず)の計時動作を開始させ、次のステップS87の処理に進む。
【0070】
ステップS87において、制御回路11は、PI29からの出力信号の状態を監視し、同PI29の出力信号レベルがハイ状態に変化したことを検知した場合には、次のステップS91の処理に進み、またPI29の出力信号レベルがロー状態のまま変化しないことを検知した場合には、ステップS88の処理に進む。
【0071】
ステップS88において、上述のステップS86で計時動作を開始させた異常判定用のタイマーによる計時が、予め設定されている所定の時間を経過したか否かの確認し、所定時間が経過するまでステップS87〜S88の処理を繰り返す。
【0072】
そして、ステップS88において、予め設定されている所定の時間が経過したことが確認された場合には、セクタ21・22が閉状態に変位しないものと判断して、次のステップS89の処理に進む。その後、ステップS89において、シャッター閉じ動作に異常が生じた旨の履歴情報を所定の記憶手段(図示せず)に記憶させた後、ステップS90のチェック動作のシーケンス(図7参照)に移行する。
【0073】
そして、ステップS90において、制御回路11は、動作の再確認を行なうチェック動作のシーケンスを実行する。なお、このステップS90のチェック動作のシーケンスが実行されるのは、露出動作中において何らかの異常が確認された場合である。このように制御回路11は、動作の異常を検出することに応じてカメラの所定の動作とは異なるチェック動作を行なわせるチェック動作手段としての役目もしている。
【0074】
一方、ステップS87において、PI29の出力信号レベルがハイ状態に変化したことが検知されることにより露光動作の正常終了が確認されて、次のステップS91の処理に進むと、このステップS91において、制御回路11は、所定の記憶手段(図示せず)の異常履歴情報を初期化した後、一連の動作を終了する(エンド)。
【0075】
次に、本カメラにおいて、露出動作の異常時に実行されるチェック動作のシーケンスの詳細を図7のフローチャートによって、以下に説明する。なお、このチェック動作のシーケンスは、上述の図6のステップS90のサブルーチンである。
【0076】
まずステップS101において、制御回路11は、シャッター駆動回路14を介してソレノイド27への通電を開始する。これによってプランジャー27aは吸着を開始し、セクタ21・22を開放するための駆動が開始される。
【0077】
なお、ここでは上述の露出動作(図6参照)の場合とは異なり、PI29の出力信号レベルによらずに、まず最初にソレノイド27への通電を行なうようにしている。このことは、例えば上述の露出動作時においてステップS71による処理で異常であると判断された場合にも、後述するようにシャッターユニット17を強制的に駆動させることによって、正常状態に復帰させ得る可能性を有していることによるものである。
【0078】
このステップS101の処理、即ちソレノイド27への通電開始と同時に、ステップS102において、制御回路11は、自己の有する異常判定用のタイマー(図示せず)の計時動作を開始させる。ここでのタイマーの計時時間は、上述した通常の露出動作とは異なって比較的に長い時間が設定されている。これは、異常を検出するという目的のほかに、長時間の通電によってシャッターユニット17のセクタ21・22が正常状態に復帰し得る可能性をも考慮しているための措置である。
【0079】
次に、ステップS103において、制御回路11は、PI29からの出力信号の状態を監視し、同PI29の出力信号レベルがロー状態であることを検知した場合には、次のステップS106の処理に進み、またPI29の出力信号がハイ状態であることを検知した場合には、ステップS104の処理に進む。
【0080】
なお、このチェック動作のシーケンスに移行する際の原因が、例えばシャッターが開状態で故障したような場合には、PI29の出力信号レベルがロー状態となっている場合であるので、この場合にはステップS106へと進むことになる。
【0081】
ステップS104においては、上述のステップS102で開始した異常判定用のタイマーの状態の確認を行ない、予め設定されている所定の時間が経過するまでステップS103〜S104の処理を繰り返す。
【0082】
そして、ステップS104において、制御回路11は、予め設定されている所定の時間が経過したことを確認すると、ステップS101による通電にも関わらずセクタ21・22は動作しなかったものと判断して、次のステップS105の処理に進む。そして、ステップS105において、制御回路11は、ソレノイド27への通電を解除した後、一連のチェック動作を終了する。
【0083】
一方、上述のステップS103において、PI29の出力信号がロー状態に変化したことが確認されると、セクタ21が正常に動作を開始したものと見なされて、ステップS106の処理に進む。
【0084】
このステップS106において、制御回路11は、自己の有するチェック時間の秒時再生用のタイマー(図示せず)の計時動作を開始させる。ここで設定される計時時間は、セクタ21・22を開放状態とするために充分に、長い時間が設定される。したがって、確実にセクタ21・22のフルストローク分の駆動をさせることにより、その動作に異常があるか否かを確認し得るようにしている。
【0085】
そして、ステップS107において、上述のステップS106において計時を開始したタイマーが、予め設定され計時すべき時間が終了したか否かを確認し、この時間経過の確認を待って、次のステップS108の処理に進む。
【0086】
ステップS108において、制御回路11は、ソレノイド27ヘの通電を解除する。これによって、セクタ21・22が開口20を閉状態とする閉じ動作が開始される。
【0087】
これと同時にステップS109において、制御回路11は、自己の有する異常判定用のタイマー(図示せず)の計時動作を開始させ、次のステップS110の処理に進む。
【0088】
ステップS110において、制御回路11は、PI29からの出力信号の状態を監視し、同PI29の出力信号レベルがハイ状態に変化したことを検知した場合には、次のステップS112の処理に進み、またPI29の出力信号レベルがロー状態のまま変化しないことを検知した場合には、ステップS111の処理に進む。
【0089】
ステップS111において、上述のステップS109で計時動作を開始させた異常判定用のタイマーによる計時が、予め設定されている所定の時間を経過したか否かの確認し、所定時間が経過するまでステップS110〜S111の処理を繰り返す。
【0090】
そして、ステップS111において、予め設定されている所定の時間が経過したことが確認された場合には、セクタ21・22が閉状態に変位せず開状態のまま動作しない状態にあるものと判断して、一連のチェック動作を終了する。
【0091】
また、上述のステップS110において、PI29の出力信号レベルがハイ状態であることを検知した場合は、セクタ21・22が開状態から閉状態に変化し、シャッター動作が正常状態に復帰したものと判断して、次のステップS112の処理に進む。そして、このステップS112において、シャッター動作の異常履歴情報を初期化した後、一連のチェック動作を終了する。
【0092】
以上説明したように上記一実施形態によれば、シャッター動作に異常が生じたことを検出した場合には、すぐにシャッターユニット17の駆動を試行するチェック動作のシーケンスを実行することによって、異常動作の再確認を行なうようにしている。したがって、シャッターユニット17の故障等に起因する異常判断の信頼性をより向上させることができる。
【0093】
ところで、本カメラにおける露出動作の異常時に実行されるチェック動作(図6のステップS90のサブルーチン=図7参照)については、上述した図7のフローチャートによる手段とは別に、次に示すような手順によるものとしても良い。
【0094】
図8は、上述の一実施形態のカメラにおいて、露出動作の異常時に実行されるチェック動作の一変形例を示すフローチャートである。この一変形例では、露出動作の異常が検出された場合において、所定の短い時間で強制的にシャッター手段(セクタ21・22)の開閉動作を複数回繰り返し実行させる処理を加え、これによってシャッター手段を正常な状態に復帰させる試行動作を、チェック動作のシーケンス中に加えている。なお、カメラ自体の構成については、上述の一実施形態のものと略同様であるので、その説明は省略し、以下の説明において必要となる場合には同じ符号を用いることにする。
【0095】
図6のステップS90において、チェック動作のシーケンスに移行すると、図8に示すように、まずステップS121において、制御回路11は、所定の記憶手段(図示せず)に記憶されているPI29の出力信号に関する情報を初期化する。つまり、上記記憶手段には、PI29の出力信号が一度でも透過を表わすロー(Lo)状態になったことがあるときには、その旨の情報が記憶されている。そこで、このステップS121においては、Lo状態になった旨の履歴情報をクリアする。
【0096】
次にステップS122において、制御回路11は、シャッター開閉動作の試行回数を計数するための試行カウンター(図示せず)の設定を行なう。この試行カウンターは、例えば制御回路11の内部に設けられているものである。
【0097】
続いてステップS123において、制御回路11は、シャッター駆動回路14を介してソレノイド27への通電を開始する。これを受けてプランジャー27aは吸着を開始し、セクタ21・22を開放するための駆動、即ちシャッター開閉動作が開始する。なお、ここで行なわれるシャッター開閉動作は、通常の露出動作とは異なり、PI29の信号レベルに関わらず強制的に実行されるようにしている。
【0098】
ステップS124において、制御回路11は、上述のステップS123におけるソレノイド27への通電開始と同時に、通電時間を計時するためのタイマー(図示せず)の計時を開始させる。
【0099】
次にステップS125において、制御回路11は、シャッター検出回路13を介してPI29の出力信号を確認する。ここで、同出力信号の信号レベルがLo状態であれば、次のステップS126の処理に進み、また同出力信号の信号レベルがHi状態であればステップS127の処理に進む。
【0100】
ステップS126において、制御回路11は、PI29の出力信号がLo状態である旨の情報を所定の形態で所定の記憶手段(図示せず)に記憶する。つまり、ソレノイド27への通電中に一度でもPI29の出力信号が透過を表わすLo状態に変化した場合、換言すればセクタ21・22が開放状態になった場合には、その旨を示す情報を記憶するようにしている。
【0101】
次にステップS127において、制御回路11は、上述のステップS124の処理で開始したソレノイド27への通電時間を計時するタイマーをチェックする。ここで、タイマーによる計時が、予め設定されている所定の通電時間を経過していることが確認された場合には、ステップS128の処理に進む。また、所定の通電時間が未だ経過していない場合には、上述のステップS125の処理に戻り、PI29の出力信号のチェックを続ける。
【0102】
所定の通電時間が経過してステップS128の処理に進むと、このステップS128において、制御回路11は、ソレノイド27への通電を解除した後、ステップS129の処理に進む。
【0103】
ステップS129において、上述のステップS128の処理(ソレノイド通電解除処理)と同時に、制御回路11は、通電休止時間を計時するオフタイマーの計時を開始する。
【0104】
次にステップS130において、上述のステップS129の処理で開始したオフタイマーによる計時の終了を待機する。つまり、この待機時間中において、シャッター(セクタ21・22)の閉じ動作が行なわれる。
【0105】
所定の通電休止時間が経過してステップS131の処理に進むと、このステップS131において、制御回路11は、上述のステップS123〜S130までの間の処理によって、シャッター開閉駆動が終了したものと判断し、上述のステップS122の処理で設定したシャッター開閉動作の試行回数を計数する試行カウンターのカウント値を1だけ減算する。
【0106】
次いでステップS132において、制御回路11は、試行カウンターのカウント値が終了値を示しているか否か、即ちシャッター開閉駆動動作が予め設定された試行回数だけ実行されたか否かを確認する。ここで、試行回数が終了していないことが確認された場合には、上述のステップS123の処理に戻り、再度シャッター開閉駆動を同様に実行する。また、設定された試行回数分だけのシャッター開閉駆動が実行され、カウント値が終了を示す値となっている場合には、次のステップS133の処理へと進む。
【0107】
ステップS133において、制御回路11は、PI29の出力信号がLo状態になったか否かを、記憶手段の履歴情報を参照して確認を行なう。ここで、上述の複数回だけシャッター開閉駆動動作が繰り返される間、即ちソレノイド27への通電時間中に一度でもセクタ21・22が開状態となった履歴が有る場合には、ステップS126の処理によって、PI29の出力信号Loの履歴情報が記憶手段に記憶されているはずである。
【0108】
したがって、このステップS133において、Lo状態となった旨の履歴情報がないことが確認された場合には、シャッター開閉動作の繰り返し駆動によっても、セクタ21・22が全く開状態とはならなかったことになる。そこで、この場合には、シャッター異常履歴はそのまま残した状態で、この一連のチェック動作のシーケンスを終了する。
【0109】
一方、上述のステップS133において、Lo状態となった旨の履歴情報が確認された場合には、ステップS134の処理に進み、このステップS134において、制御回路11は、異常判定用のタイマーによる計時を開始させる。
【0110】
次いでステップS135において、制御回路11は、PI29の出力信号の状態を確認する。ここで、同出力信号の信号レベルがHi状態である場合には、ステップS137の処理に進み、また同出力信号の信号レベルがLo状態のままである場合には、ステップS136の処理に進む。
【0111】
ステップS136において、上述のステップS134の処理で開始した異常判定用のタイマーの状態を確認する。ここで、予め設定された所定時間が経過していることが確認された場合には、セクタ21・22が閉状態にならなかったものと判断されて、一連のチェック動作のシーケンスを終了する。また、異常判定用のタイマーの計時が所定時間を経過していない場合には、上述のステップS135の処理に戻り、以降同様にPI29の出力信号の確認と異常判定用タイマーの確認を行なう。
【0112】
一方、上述のステップS135において、PI29の出力信号の信号レベルがLo状態からHi状態に変化したことが確認されてステップS137の処理に進んだ場合には、セクタ21・22が開放状態になり、シャッター動作が正常な状態に復帰したものと判断される。したがって、ステップS137においては、制御回路11は、シャッター動作の異常履歴を初期化した後、一連のチェック動作のシーケンスを終了する。
【0113】
以上説明したように、上記一変形例によれば、短い時間でシャッターユニット17を強制的に複数回繰り返し駆動させることで、例えばゴミ等が原因となるシャッターユニット17の動作不良やギアー等の機構部の詰まり等により生じる軽度な動作不良については、容易に解消することができる。なお、このような軽度な動作不良は、図8のチェック動作シーケンスによって解消された場合にも、それ以降の動作に問題が及ぶ虞はない。
【0114】
上述の一実施形態のカメラにおける露出動作の異常時に実行されるチェック動作(図6のステップS90のサブルーチン=図7参照)については、さらに異なる形態が考えられる。
【0115】
図9は、上述の一実施形態のカメラの露出動作の異常時に実行されるチェック動作の別の一変形例を示すフローチャートである。この別の一変形例においては、上述の一実施形態のチェック動作処理(図7参照)に対して、さらに電源電池の電圧状態に基づいてソレノイド27の断線チェックの処理を加えたものである。このソレノイド27の断線チェックの処理は、図9に示すように、図7のステップS101とステップS102との間に加えた新たな4つの処理(ステップS113〜S116)である。その他の処理については、図7と同じステップ番号を付している。したがって、上述の一実施形態における説明で説明した部分については、その詳細な説明は省略し、異なる部分(断線チェックの処理)についてのみ、以下に説明する。
【0116】
なお、カメラ自体の構成については、上述の一実施形態のものと略同様である。したがって、その説明は省略し、以下の説明において必要となる場合は同じ符号を用いる。
【0117】
ステップS101において、ソレノイド27への通電が開始された後、ステップS113の処理に進むと、このステップS113において、制御回路11は、電源の状態が安定するまでの所定の時間が予め設定されたタイマー(図示せず)の計時を開始する。
【0118】
次いでステップS114において、上述のステップS113の処理で開始したタイマーの計時が終了するのを待機する。即ち、電源の状態が安定するまで待機する。
【0119】
上記タイマーによって所定の時間が経過したことが確認されると、次のステップS115の処理に進み、このステップS115において、制御回路11は、電源電圧検出回路(図示せず)を介して電源の電圧状態を測定する。この電源電圧検出回路は、本カメラの全回路及びアクチュエータ等の電源となる電池の電圧を検出するものであり、電池電圧を抵抗(図示せず)等によって分圧して測定し、その測定値をデジタルデータに変換した後、その測定値のデジタルデータを制御回路11に対して出力するように構成されたものである。
【0120】
続いてステップS116において、上述のステップS115の処理で測定した電源電圧の測定値が所定の規格の範囲内にあるか否かの確認を行なう。この場合において、例えばソレノイド27が断線しておらず正常な状態にあれば、大容量の電流が流れることになることから、このとき電池の内部インピーダンスによって電源電圧は低下するはずである。したがって、電圧の低下が少ない場合、換言すれば電圧が所定の規格範囲から外れている場合には、ソレノイド27が断線しているものと推測できる。
【0121】
したがって、上述のステップS116において、電源電圧の測定値が所定の規格の範囲内にない場合(規格外である場合)には、ソレノイド27が断線していると判断されて、一連のチェック動作のシーケンスを終了する。
【0122】
一方、ステップS116において、電源電圧の測定値が所定の規格の範囲内にあることが確認された場合には、次のステップS102の処理に進み、以降の処理が実行される。
【0123】
このように、上記別の変形例によれば、検出し得る異常項目、即ちソレノイド27の断線状態の確認処理を増やすことによって、さらに精度の高い異常検出動作を実行することができる。
【0124】
なお、上述の各実施形態においては、カメラの所定の動作としてシャッター動作を例に挙げて説明しているが、この所定の動作とは、これに限定されるものではない。つまり、カメラの所定の動作としては、上述のシャッター動作や絞り動作等の露光動作のほか、フイルム給送動作、駆動力伝達切り換えクラッチの切り換え動作、ポップアップストロボ装置の突没動作、ズームレンズの変倍動作や合焦レンズの合焦動作等の撮影レンズに関する駆動動作、自動開閉式のレンズバリアにおける開閉動作等であっても良い。
【0125】
[付記]
上記発明の実施形態により、以下のような構成の発明を得ることができる。
【0126】
(1) 撮影動作を行なう手段と、
動作の異常を検出する手段と、
上記検出手段が撮影動作の異常を検出することに応じて上記撮影動作とは異なるチェック動作を行なうチェック動作手段と、
上記検出手段がチェック動作の異常を検出したことに応じてカメラの動作を禁止する手段と、
を有するカメラ。
【0127】
(2) 付記1に記載のカメラにおいて、
上記チェック動作を撮影動作に引き続いて連続的に行なうようにする。
【0128】
(3) 付記1に記載のカメラにおいて、
上記撮影動作は、機械的構成部分の動作である。
【0129】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、撮影動作の異常を検出した場合には、適切なチェック動作を自動的に実行するようにして、検出された動作の異常がカメラの故障に起因するものであるか否かを確実に判断し、使用者がカメラの状態を確実に認識し得るようにしたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカメラにおける電気的な内部構成を示す要部ブロック構成図。
【図2】図1のカメラのシャッターユニットを取り出して示す構成図であって、シャッターが閉状態にある場合を示す図。
【図3】図1のカメラのシャッターユニットを取り出して示す構成図であって、シャッターが開放状態にある場合を示す図。
【図4】図1のカメラにおいて、ソレノイドへの通電を行なってシャッターユニットを駆動した場合におけるシャッター開口の状態とPIの出力信号の関係を示すタイ
【図5】図1のカメラにおいて、写真撮影を行なう際の基本的な動作を示すフローチャート。
【図6】図1のカメラにおける露光動作のシーケンスを示すフローチャート。
【図7】図1のカメラにおいて露出動作の異常時に実行されるチェック動作のシーケンスを示すフローチャート。
【図8】本発明の一実施形態のカメラにおいて、露出動作の異常時に実行されるチェック動作の一変形例を示すフローチャート。
【図9】本発明の一実施形態のカメラにおいて、露出動作の異常時に実行されるチェック動作の別の一変形例を示すフローチャート。
【符号の説明】
11……制御回路(制御手段、異常判定手段、チェック動作手段、動作禁止手段)
13……シャッター検出回路
14……シャッター駆動回路
15……フイルム検出回路
16……モーター駆動回路
17……シャッターユニット
18……フイルム給送ユニット
20……シャッター開口
21・22……セクタ
27……ソレノイド
27a……プランジャー
29……PI(フォトインタラプタ;異常検出手段)
31……レリーズ(REL)スイッチ
Claims (1)
- カメラの所定の動作を行なわしめる手段と、
カメラの機械的構成部分の位置を検出し当該機械的構成部分が所定の位置にいない場合に異常である旨出力するフォトインタラプタからの出力に基づいてカメラの所定の動作の異常を検出する異常検出手段と、
上記検出手段がカメラの所定の動作の異常を検出した際、当該異常検出に応じて当該動作の再確認を行うべく当該異常検出とは異なる機会になされるチェック動作であって、上記機械的構成部分へ供給される電源の電圧を検出する電源電圧検出回路からの出力に基づいて当該電源電圧が規格範囲内であるか否かを判定することによりカメラの所定の動作の異常の有無をチェックすると共に、再度上記フォトインタラプタからの出力に基づくことにより当該カメラの所定の動作の異常の有無をチェックするチェック動作手段と、
上記検出手段によりカメラの所定の動作の異常を一度でも検出した際には、当該カメラの動作を禁止する動作禁止手段と、
上記検出手段により上記カメラの所定の動作が異常であると検出された際には異常が生じた旨の異常履歴情報が記憶され、上記検出手段により、一旦、上記カメラの所定の動作が異常であると検出され、さらに上記チェック動作手段により、上記電源電圧検出回路からの出力および上記フォトインタラプタからの出力に基づいて当該カメラの所定の動作が正常であると判定されたときには上記異常履歴情報が初期化される記憶手段と、
を有することを特徴とするカメラ。
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