JP4378521B2 - 表面処理水素吸蔵合金及び表面処理方法ならびに表面処理水素吸蔵合金を用いた水素化物電極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理水素吸蔵合金及び表面処理方法、さらには表面処理水素吸蔵合金を用いた水素化物電極に関する。
【0002】
【従来技術】
各種機器の電源として使用されている蓄電池は、主として鉛蓄電池とニッケルカドミウム電池等のアルカリ蓄電池がある。特に、アルカリ蓄電池は、信頼性が高く、しかも構造上小型軽量化も可能なことから、小型電池は携帯電話、携帯型コンピューター等の各種ポータブル機器用として、また大型電池は各種産業用として幅広く使用されている。
【0003】
最近では、電池に対して一層の高エネルギー密度が要求されていることから、特に水素吸蔵合金電極を用いたニッケル−水素蓄電池が脚光を浴びており、水素吸蔵合金又はそれを用いた電極の製法等についても方々で研究開発が進められている。
【0004】
例えば、LaNi5、MmNi5(Mm:ミッシュメタル)等をベースとした希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金においては、その微粉末を固着剤とともにペースト状とし、これを発泡状ニッケル基体、繊維状ニッケル基体、パンチングメタル(ニッケルめっき穿孔鋼板)等の多孔性支持体に充填又は塗着する方法(ペースト式)が広く採用されている。また、合金表面が不導体化しやすいチタン−ジルコニウム−ニッケルをベースとしたラーベス相水素吸蔵合金では、合金粉末をニッケル金網上に焼結して固定する方法(焼結式)が採用されている。
【0005】
希土類系水素吸蔵合金においては、その耐酸化性、利用率、成形性等を高めるために、合金粉末表面にニッケル、銅等をめっきすることにより多孔性の金属層を形成する方法も知られている。また、初期活性化特性を向上させるために、合金粉末を熱アルカリ溶液に浸漬して、合金構成元素であるMm、Al等を溶出させ、表面積を拡大する方法等も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金はその理論容量が高いという特長を有するものの、充放電サイクルの初期における活性化が遅いという点が実用化への妨げとなっている。
【0007】
しかしながら、ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金における上記問題を解決できる有効な手段が未だ開発されていないのが現状である。
【0008】
従って、本発明は、高容量でかつ優れた初期活性化特性を有する電極を与えることができるジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金における酸化皮膜に着目し、まず希土類系水素吸蔵合金の処理に関する技術について検討した。希土類系水素吸蔵合金では、塩酸等の酸処理により酸化皮膜を除去して、パラジウム等の触媒付与処理を行った後、アルカリ性無電解ニッケルめっきが施されている。
【0010】
そこで、本発明者は、この酸処理に関する技術をジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金に適用することを試みた。ところが、この方法では、合金表面のジルコニウム酸化皮膜を除去することができないため、ジルコニウムの酸化皮膜が残った上に無電解ニッケルめっきによるめっき層を析出させることになり、所望の効果を得ることができなかった。
【0011】
一方、従来用いられているアルカリ処理についても検討した。従来におけるアルカリ処理では、Mm、Al等の合金中の可溶性金属を溶解除去することを目的として、50〜80℃で5〜10時間処理される。しかし、この方法をジルコニウム−ニッケル水素吸蔵系合金に用いても、ジルコニウム酸化皮膜等の活性化阻害物を十分に溶解除去することができなかった。
【0012】
また、アルカリ処理の代わりにフッ酸による酸処理も考えられるが、ジルコニウム酸化皮膜等の活性化阻害物の溶解とともに、電極活性に不可欠のニッケル成分の溶出も多く、しかも廃水処理の問題等もあり、適当な方法とは言えない。
【0013】
本発明者は、さらに鋭意研究を重ねた結果、特定の方法によりジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金粉末を処理することにより、高活性化された特定表面層を有する合金粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、下記表面処理水素吸蔵合金の製造方法に係るものである。
【0015】
ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金を、可溶化剤及び還元剤を含むアルカリ溶液で表面処理することを特徴とするジルコニウム−ニッケル系表面処理水素吸蔵合金の製造方法であって、可溶化剤が、酒石酸カリウムナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン及びエチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウムの少なくとも1種である製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに説明する。
【0019】
本発明のジルコニウム−ニッケル系表面処理水素吸蔵合金は、金属状ニッケル微粒子を主体とする表面層が形成されていることを特徴とする。
【0020】
まず本発明における基体合金としては、ジルコニウム(A)とニッケル(B)とをベースとするAB2型水素吸蔵合金であればいずれの組成のものであっても良い。通常はジルコニウムが31〜36at%程度、ニッケルが31〜36at%程度であれば良い。
【0021】
また、上記合金としては、2元系、3元系又は多元系のいずれの合金であっても良い。すなわち、本発明の効果を妨げない限りにおいては、A元素であるZrの一部がTi、Hf、Ta、Nb等で置換されていても良い。また、B元素であるNiの一部(通常はNiの50at%以下)をV、Mn、Co、Cr、Alの他の合金成分で置換されていても良い。本発明における合金としては、具体的には、Zr0.9Ti0.1Ni1.1Co0.1Mn0.6V0.2、Zr0.9Ti0.1Ni1.1Co0.1Mn0.5V0.2Cr0.1等の合金が挙げられる。
【0022】
上記表面層は、金属状ニッケル微粒子を主体として構成されている。組成的には、合金全体の組成中におけるニッケルの割合よりも高い割合でニッケルが表面層中に存在しており、かつ、表面層中におけるジルコニウムの割合が合金全体の組成中におけるジルコニウムの割合よりも低くなっている。表面層の厚さは、合金の種類、用途等に応じて適宜設定することができるが、通常50〜200nm程度、好ましくは100〜150nmとすれば良い。なお、本発明の効果を妨げない範囲内で、表面層中にジルコニウム酸化皮膜等も残存していても良い。ジルコニウム酸化皮膜は、ZrOX(X=0.1〜2)等の不定比のジルコニウム酸化物から主として構成されているものである。
【0023】
本発明のさらなる特徴として、本発明合金における上記金属状ニッケル微粒子が、平均粒径20nm以下(好ましくは10nm以下)のクラスターを形成し、かつ、結晶性及びアモルファス性の部分が混在している。上記クラスターは、主として金属状ニッケル微粒子から構成されているが、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分(ニッケル酸化物、ジルコニウム酸化物等)が含まれていても良い。
【0024】
結晶性及びアモルファス性の存在割合については、所望の電極活性が得られる限りは特に制限されない。一般には、ニッケル微粒子の酸化が進行するとアモルファス性となり、また還元されて金属状となると結晶性となる傾向がある。この結晶性のニッケル微粒子の存在割合が高いものほどニッケル微粒子の凝集が進み、粒サイズが大きくなるので、電極活性が低下する傾向にある。従って、アモルファス性の部分も凝集が進行しない程度に混在していることが好ましい。
【0025】
また、本発明合金では、必要に応じて上記表面層の上からさらにニッケルめっき層を形成していても良い。ニッケルめっき層は、通常は表面層(合金粉末の粒子)のほぼ全体を均一に覆うかたちで形成されていることが好ましい。
【0026】
めっき量は、合金100重量部に対して通常2〜20重量部程度、好ましくは5〜10重量部とすれば良い。ニッケルめっき層の厚さは、めっきの多孔質性、合金粉末の粒径等によって異なるが、通常0.5〜5μm程度、好ましくは1〜3μmとする。
【0027】
本発明の合金の形態は、特に制限されないが、通常は粉末状、顆粒状等の形態を有する。粉末状である場合の平均粒径は、通常10〜80μm程度、好ましくは20〜50μmである。なお、用途等によっては上記粒径範囲外となっても差し支えない。
【0028】
本発明の表面処理方法は、ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金を、可溶化剤及び還元剤を含むアルカリ溶液で表面処理(アルカリ処理)することを特徴とする。
【0029】
出発材料であるジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金としては、前記のようにジルコニウムとニッケルとをベースとするAB2型の合金であればいずれのものであっても良く、前記と同様の合金を挙げることができる。出発材料の形態としては、特に粉末状とすることが好ましい。この場合の平均粒径は、通常10〜80μm程度、好ましくは20〜50μmとすれば良い。
【0030】
アルカリ溶液におけるアルカリは、特に制限されず、いずれのアルカリも採用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、特に水酸化ナトリウムが好ましい。また、溶媒としては、特に制限されないが、通常は水、アルコール類等を用いることができる。
【0031】
アルカリ溶液の濃度は、処理する合金粉末、用いるアルカリの種類等に応じて適宜設定することができるが、通常は8モル/リットル以上、好ましくは10〜12モル/リットルとすれば良い。
【0032】
アルカリ溶液に含まれる可溶化剤は、本発明方法のアルカリ溶液による表面処理において、少なくとも合金粉末表面のジルコニウム酸化皮膜を溶出でき、かつ、ニッケルの溶出を抑制ないしは防止できるものであれば特に制限されず、公知のものも使用できる。特に、酒石酸カリウムナトリウム、酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウム等の有機酸ナトリウム塩のほか、グリシン等が好ましく使用できる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。可溶化剤の濃度は、使用する可溶化剤の種類等に応じて適宜設定できるが、通常0.01〜0.5モル/リットル程度、好ましくは0.1〜0.2モル/リットルとすれば良い。
【0033】
還元剤としては、合金表面の再酸化を抑制ないしは防止できるものであれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。特に、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等が好ましく使用できる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。還元剤の濃度は、使用する還元剤の種類等に応じて適宜設定できるが、通常0.01〜0.5モル/リットル程度、好ましくは0.2〜0.3モル/リットルとすれば良い。
【0034】
アルカリ溶液で表面処理する方法は、合金粉末表面に金属状ニッケル微粒子を主体とする表面層が形成できる限り特に制限されない。例えば、合金粉末をアルカリ溶液中に浸漬し、通常80℃以上(好ましくは100〜120℃)で60〜180分間攪拌することによって処理することができる。この場合、アルカリ溶液と合金粉末の配合割合は、アルカリ溶液の濃度、合金粉末の種類等に応じて適宜定めることができるが、通常はアルカリ溶液100重量部に対して合金粉末5〜30重量部程度、好ましくは10〜20重量部とすれば良い。アルカリ溶液で表面処理した後、必要に応じて水洗し、乾燥すれば良い。
【0035】
また、本発明では、アルカリ処理された合金粉末に対し、必要に応じてさらにニッケルめっきを施すことができる。
【0036】
ニッケルめっきとしては、合金粉末(微粒子)の表面に均一にニッケルめっきできるものであれば特に制限されず、無電解めっき、電気めっき等のいずれの方法も採用することができる。
【0037】
特に、本発明では、酸性無電解ニッケルめっきが好ましい。すなわち、pH3〜6.8程度、好ましくはpH4〜6で無電解ニッケルめっきすることが好ましい。この場合に用いるめっき液としては、還元剤を用いた自己触媒型のめっき液であれば特に制限されず、市販品も用いることができる。例えば、還元剤として次亜リン酸ソーダ、ジメチルアミンボラン等を0.1〜1モル/リットル程度、ニッケル塩として硫酸ニッケル、塩化ニッケル等を0.02〜0.2モル/リットル程度、及び錯化剤としてクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトロトリ酢酸、トリエタノールアミン等を0.01〜0.5モル/リットル程度を含む水溶液であって、硫酸、塩酸等の酸あるいはアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリでpH3〜6.8程度の範囲内に調整されためっき液を使用することができる。このめっき液には、さらに必要に応じて酢酸鉛、EDTA−鉛等を安定剤として0.1〜10ppm程度添加しても良い。
【0038】
酸性無電解ニッケルめっき方法自体も、特に制限されず、公知の方法又は条件に従って行えば良い。特に、めっき温度は、通常60〜95℃程度とし、一般にpHが低いほど高温になるように設定すれば良い。
【0039】
本発明のジルコニウム−ニッケル系表面処理水素吸蔵合金を含む粉末を用い、これを集電体と一体化して水素化物電極を好適に作製することができる。作製方法は、公知の水素吸蔵合金を用いる電極の作製方法に従えば良い。例えば、上記水素吸蔵合金のほか、必要に応じてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の結着材、ニッケル粉末等の導電助材等を混練し、この混合物をニッケル金網、発泡ニッケル等の集電体に結着したり、あるいは充填することによって製造できる。
【0040】
【作用】
ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金においては、その表面にジルコニウム酸化皮膜が形成され、この酸化皮膜によって水素化反応が阻害されるため、初期の活性化が困難であった。これに対し、本発明のアルカリ処理によって、この酸化物層を除去して活性化を容易に実現するとともに、合金表面を還元雰囲気に保ち再酸化を防止することにより、金属状ニッケル微粒子からなる高活性な表面の形成を可能にする。
【0041】
【発明の効果】
本発明のジルコニウム−ニッケル系表面処理水素吸蔵合金は、特に金属状ニッケル微粒子を主体する表面層が形成されていることから、例えば二次電池用負極として利用する場合は、高容量を発揮できるとともに、初期活性の向上を図ることができる。同時に、利用率、寿命等の向上も図ることができる。また、上記のように金属状ニッケル微粒子からなる高活性な表面を有するので、従来パラジウム等の触媒付与なしでは困難であったニッケルめっきを直接形成することが可能である。
【0042】
このように、本発明により、従来技術では理論容量は高いが活性化が遅く、利用率が低いとされていたジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金が水素化物電極としても有効に利用でき、この場合には従来品に比して約30%の高容量化も可能である。
【0043】
本発明の表面処理水素吸蔵合金は、電池としての用途はもとより、気相反応も有効であり、例えば水素の貯蔵、輸送、精製及びヒートポンプ、蓄熱、冷暖房システム等のエネルギー変換体としても有用である。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところを一層明確にする。
【0045】
実施例1
合金組成Zr0.9Ti0.1Ni1.1Co0.1Mn0.6V0.2で表わされるジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金を100メッシュ以下に機械粉砕した。この合金粉末1gを、水酸化カリウム10モル/リットル、酒石酸カリウム・ナトリウム0.1モル/リットル及び次亜リン酸ナトリウム0.1モル/リットルを含むアルカリ水溶液20ml中に浸漬し、100℃で90分攪拌することによりアルカリ処理し、合金粉末表面にあるジルコニウム酸化物等の表面活性阻害物を除去して合金粉末表面を活性化した。表面処理した合金粉末は、水洗した後、真空乾燥を行った。
【0046】
試験例1
実施例1で得られた表面処理水素吸蔵合金の粉末の表面状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。また、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(EDS)により表面分析を行った。なお、比較のため、実施例1の表面処理が施されていない未処理合金粉末についても同様の観察を行った。
【0047】
SEMによる観察結果を図1(未処理合金粉末)及び図2(アルカリ処理合金粉末)にそれぞれ示す。また、EDSによる表面分析結果を図3(未処理合金粉末)及び図4(アルカリ処理合金粉末)にそれぞれ示す。
【0048】
図3と図4とを比較すると、図4では、図3に比べてジルコニウムのピークが小さくなり、酸素のピークが消失していることから、本発明のアルカリ処理によって合金粉末表面のジルコニウム酸化層が除去されて表面層のニッケルが多くなっていることがわかる。このニッケルリッチな表面層を透過型電子顕微鏡で観察したところ、ニッケル微粒子が平均粒径20nm以下のクラスターを形成し、結晶性とアモルファス性の部分が混在していることが認められた。この新たに形成された表面層によって高活性化が実現される。また、実施例1においてアルカリ溶液に還元剤を添加しない場合は、ニッケル微粒子の大部分は酸化され、これが十分な初期活性を発揮できない要因になる。
【0049】
試験例2
実施例1で用いたアルカリ溶液中(試料1)に溶出した合金元素を誘導結合プラズマ発光分光分析法により分析した。その結果を表1に示す。また、可溶化剤として酒石酸カリウム・ナトリウムに代えて酢酸ナトリウムを添加した以外は、実施例1と同様にしてアルカリ処理した後におけるアルカリ溶液中(試料2)の合金元素を同様に分析した結果も表1に示す。
【0050】
なお、比較のため、実施例1と同じ合金粉末を3モル/リットル塩酸のみで処理した場合(比較試料1)及び10モル/リットル水酸化カリウムのみで処理した場合(比較試料2)における合金元素についても同様にして分析した。これらの結果も併せて表1に示す。なお、表1中の単位Mは、「モル/リットル」を示す。
【0051】
【表1】
表1に示すように、溶出した合金元素量を比較すると、試料1及び試料2はジルコニウムの溶出量が多く、ニッケルの溶出量が少ないことから、合金粉末の表面がニッケルリッチな状態になっていることがわかる。すなわち、本発明のアルカリ溶液では、ジルコニウムの溶解を促進する一方、ニッケルの溶解を抑制していることがわかる。これに対し、比較試料1では、ニッケルの溶解が促進される一方、ジルコニウムの溶解が抑制されていることがわかる。また、比較試料2では、比較試料1よりもジルコニウム溶出量が多いものの、試料1及び2と比較するとその溶出量が少ないことがわかる。
【0052】
実施例2
合金組成Zr0.9Ti0.1Ni1.1Co0.1Mn0.6V0.2で表わされるジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金を100メッシュ以下に機械粉砕した。この合金粉末10gを、水酸化カリウム10モル/リットル、酒石酸カリウム・ナトリウム0.1モル/リットル及び次亜リン酸ナトリウム0.1モル/リットルを含むアルカリ水溶液200ml中に浸漬し、100℃で90分攪拌することにより、合金粉末表面にあるジルコニウム酸化物等の表面活性阻害物を除去して合金粉末表面を活性化した。
【0053】
次いで、アルカリ処理した合金粉末を水洗した後、直ちに酸性無電解ニッケルめっきを行った。酸性無電解ニッケルめっき液は、Ni−P系めっき液(商品名「トップニコロンF−153」奥野製薬工業(株)製)を用い、合金に対して重量比で10%ニッケルが被覆できる量の無電解ニッケルめっき液を調製し、60℃でニッケルイオン色がなくなるまで攪拌しながら、無電解ニッケルめっきを終了させた。めっき処理した合金粉末は、水洗後に真空乾燥を行った。
【0054】
試験例3
実施例2で得られためっき処理後の合金粉末の表面状態をSEMで観察した。また、EDSにより表面分析を行った。これらの結果を図5及び図6にそれぞれ示す。
【0055】
これらの結果より、合金粉末の表面層はニッケルが均一にめっきされ、また表面分析の結果、表面層から素材元素がほとんど検出されていないことがわかる。表面層の結晶粒サイズは0.5〜1μmであり、平均粒径20nm以下の金属状ニッケル微粒子からなる高活性な表面層を有効に保護していることがわかる。
【0056】
試験例4
実施例2でめっき処理された合金2.68g及びPTFE0.17gを混練し、シート状に成形し、ニッケル金網に圧着して電極を作製した(電極1)。この電極を負極とし、正極に過剰の電気容量を有する水酸化ニッケル焼結電極を配し、合金極規制のニッケル水素電池を構成した。次いで、6モル/リットル水酸化カリウムを電解液として充放電試験を行った。充放電試験は、温度20℃とし、充電:0.1Aで10時間、放電:0.1Aで10時間、カットオフ電圧0.8Vまでとした。この結果を図7に示す。
【0057】
図7には、実施例2でめっき処理する前の合金粉末(すなわち、アルカリ処理のみが施された粉末)に10重量%のニッケル粉末(インコ社210)を混合したものを用いて同様に作製した電極(電極2)について同様の試験を行った結果も示す。
【0058】
なお、比較のため、アルカリ処理もめっき処理も施されていない未処理合金粉末を用いて同様にして10重量%のニッケル粉末を混合して作製した電極(比較電極1)を同様にして試験した結果を併せて図7に示す。
【0059】
図7に示すように、未処理合金を用いた比較電極1では飽和容量が290mAh/gであり、飽和容量に達するまでに7サイクルを要した。これに対し、アルカリ処理のみを施した電極2では、飽和容量に達するまでに7サイクルを要したが、飽和容量が335mAh/gとかなり高くなっていた。さらに酸性無電解ニッケルめっきをした電極1では1サイクル目から放電容量が向上し、3サイクル目で飽和容量が360mAh/gに達した。従来の希土類合金電極では通常260mAh/gであることから、約30%の容量向上を図ることができた。
【0060】
試験例5
酸性無電解ニッケルめっきに代えてアルカリ性無電解ニッケルめっき(「TMP化学ニッケル」奥野製薬工業(株)製)を行った以外は、実施例2と同様にして合金粉末を処理した(比較試料2)。この試料のめっき状態を観察したところ、めっきはムラ状に析出していた。
【0061】
一方、実施例2と同じ合金粉末10gを6モル/リットル塩酸200mlに浸漬し、30℃で30分間攪拌して処理し、次いで水洗した。処理された合金粉末を実施例2と同様の酸性無電解ニッケルめっきした(比較試料3)。また、比較試料3と同様に酸処理された合金粉末に対して比較試料2と同じアルカリ性無電解ニッケルめっきを行った(比較試料4)。
【0062】
これらの比較試料をそれぞれ用いて、試験例4と同様にして対応する電極(電極2〜4)をそれぞれ作製し、実施例2と同様の方法で充放電試験を行った。その結果を図8に示す。なお、図8には、試験例3の電極1(本発明品)の結果も併せて示す。
【0063】
図8に示すように、比較電極2〜4は、本発明品である電極1に比べて、飽和容量に達するまでのサイクル数が多く、しかも放電容量が低いことがわかる。これは、ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金は、これを酸処理してもジルコニウム酸化皮膜を溶解できず、合金表面をニッケルリッチな状態にすることができないことから、その上にニッケルめっき処理を施してもニッケルめっきによる効果がないためである(比較電極3及び4)。また、アルカリ処理した後にアルカリ性無電解ニッケルめっきした場合は、アルカリ性無電解ニッケルめっき液中における合金表面の電極電位が貴なため、めっきがムラ状になりやすいためである(比較電極2)。
【0064】
参考例1
出発材料として合金組成MmNi3.5Co0.7Al0.8で表わされる希土類系水素吸蔵合金を用いた以外は、上記電極1及び比較電極2〜4と同様の表面処理・めっき処理をそれぞれ施して、試験例4と同様にして対応する電極(参考電極1〜4)を作製した。その結果を図9に示す。
【0065】
希土類系水素吸蔵合金では、表面の酸化皮膜(希土類酸化物)が酸に溶解されやすく、アルカリに難溶性であることから酸処理が有効であり、特に酸処理後にアルカリ性無電解ニッケルめっきすることが好ましいことがわかる(参考電極4)。酸処理後の酸性無電解ニッケルめっきでは、合金成分がめっき液中に溶出しやすく、めっきがムラ状に析出する(参考電極3)。アルカリ処理では、合金表面の酸化皮膜がほとんど除去できないため、酸性無電解めっき又はアルカリ性無電解ニッケルめっきがムラ状析出となる(参考電極1及び2)。
【0066】
このように、希土類系水素吸蔵合金では、ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金の場合と異なり、1モル/リットル塩酸で処理した後にアルカリ性無電解ニッケルめっきすることが最も効果的であるものの、飽和容量が250mAh/gと低いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における未処理合金粉末の粒子構造を示す図である。
【図2】実施例1におけるアルカリ処理合金粉末の粒子構造を示す図である。
【図3】実施例1における未処理合金粉末のエネルギー分散型X線マイクロアナライザーによる表面分析の結果を示す図である。
【図4】実施例1におけるアルカリ処理合金粉末のエネルギー分散型X線マイクロアナライザーによる表面分析の結果を示す図である。
【図5】実施例2におけるニッケルめき処理合金粉末の粒子構造を示す図である。
【図6】実施例2におけるニッケルめっき処理合金粉末のエネルギー分散型X線マイクロアナライザーによる表面分析の結果を示す図である。
【図7】試験例4における各電極を使用した電池の充放電特性を示す図である。図中、○は比較電極1、◇は電極2、▲は電極1を示す。
【図8】試験例5における各電極を使用した電池の充放電特性を示す図である。図中、○は比較電極3、●は比較電極4、△は電極1、▲は比較電極2を示す。
【図9】参考例1における各電極を使用した電池の充放電特性を示す図である。図中、○は参考電極3、●は参考電極4、△は参考電極1、▲は参考電極2を示す。
Claims (6)
- ジルコニウム−ニッケル系水素吸蔵合金を、可溶化剤及び還元剤を含むアルカリ溶液で表面処理することを特徴とするジルコニウム−ニッケル系表面処理水素吸蔵合金の製造方法であって、可溶化剤が、酒石酸カリウムナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン及びエチレンジアミンテトラ酢酸・2ナトリウムの少なくとも1種である製造方法。
- アルカリ溶液におけるアルカリが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
- 還元剤が、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム及びヒドラジンの少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
- アルカリ溶液のアルカリ濃度が8モル/リットル以上であって、当該溶液の温度を80℃以上として表面処理する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- アルカリ溶液により表面処理した後、さらにニッケルめっき処理を施す請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- ニッケルめっき処理が、pH3〜6.8のニッケルめっき液による酸性無電解めっき処理である請求項5記載の製造方法。
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