JP4376400B2

JP4376400B2 - 絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置

Info

Publication number: JP4376400B2
Application number: JP2000011742A
Authority: JP
Inventors: 正博有岡; 浩磯谷
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2000-01-20
Filing date: 2000-01-20
Publication date: 2009-12-02
Anticipated expiration: 2020-01-20
Also published as: KR100406891B1; US20010009199A1; TW493307B; US6392157B2; DE60140635D1; CN1306328A; CN1154217C; EP1119086A1; KR20010076257A; EP1119086B1; JP2001211516A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばキュービクルタイプのガス絶縁開閉装置などの絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、従来公知の、角型容器を使用したキュービクルタイプのガス絶縁開閉装置１００の概略構成を示す。この装置１００は、複数のキュービクル１０１、１０２、１０３、１０４を備え、このキュービクル１０１、１０２、１０３、１０４に単位回路毎の機器、例えば、遮断器、断路器、計器用変成器などを収納している。この装置１００は、受電用ケーブル１０５にて給電され、キュービクル１０１、１０２、１０３、１０４間は、Ｔ形ブッシング３１を介して盤間連絡用絶縁母線３５により電気的に接続されている。
【０００３】
図４は、このようなガス絶縁開閉装置１００に使用されている従来公知のＴ形ブッシング３１の具体的構造例を示す。なお、このようなＴ形ブッシング３１は、例えば、特開平６０−１６０３０９号公報の第８図に記載されている。
この従来のＴ形ブッシング３１は、図４に示されるように、内部に略Ｔ形状の通電導体３２を一体に成型したＴ形ブッシングモールド４１を有する。そして、このＴ形ブッシングモールド４１は、通常エポキシ樹脂で成型されている。また、通電導体３２は、筒状の遮蔽電極３２ａと、遮蔽電極３２ａの中央部外周から径方向に垂直に突出する導体引出棒３２ｂとにより略Ｔ形状に形成されている。また、遮蔽電極３７の内周には接触子３９が配設されている。この接触子３９は、遮蔽電極３７の内周に設けられた凹溝４２に、穴を多数打ち抜いた弾性を有する導電板を凹溝４２の内周に沿わせて挿入すること等により形成されている。
【０００４】
このように構成されたＴ形ブッシング３１によりキュービクル１０１、１０２、１０３、１０４間を接続するときは、所定長さに切断した架橋ポリエチレン絶縁ケーブルからなる接続用母線３５により接続している。
先ず接続用母線３５の両端を段剥して、導体４３および絶縁体４４を露出する（なお、図４には一端のみを示している）。そして、露出された各絶縁体４４の外周に、遮蔽層４５の電界緩和を行うストレスコーン４６、このストレスコーン４６を接続用母線３５の接続口４０に向けて押圧するスプリング等の押圧部材４７、接続用母線３５の端部を保護する保護管４８等を装着する。
【０００５】
次に、導体４３の端部に、段剥処理前の接続用母線の外径Ｄとほぼ等しいか、あるいはそれ以上で、かつ、接触子３９に蜜嵌する導電性のプラグ４９を取り付け、このプラグ４９が接触子３９に蜜嵌する状態に配設し、また、予め装着しておいたストレスコーン４６等の所要部品を所定位置に配設し、常套手段により組み立てている。なお、この図４において、１０４はキュービクル（図３におけるものと同じ）、５０は盲栓、５１はシール、５２は外部半導電層、５３はシールドである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置においては、接続用母線３５として所定長さに切断した架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを用いているため、段剥作業が面倒であり、加工精度を向上させることも困難であった。また、この接続用母線３５の端部を段剥しているため、シール５１、保護管４８、ストレスコーン４６等を必要としている。したがって、構造が複雑で、その組立作業も面倒であった。また、組み立て作業時間が長くなり、コストアップとなっていた。
【０００７】
この発明は、このような従来の技術に存する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、構造が簡単で、組み付け作業時間を短縮し、安価な絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、内部に絶縁性ガスを封入して電気機器を収容した配電盤間を連絡する接続用母線と、内部に一体に成型された通電導体、前記接続用母線の接続口、および、この接続用母線と前記通電導体との接続を行う接触子を有するＴ形ブッシングと、このＴ形ブッシングの接続口に差し込んだ前記接続用母線の端部を固定するための固定具とを備えた絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置において、前記Ｔ形ブッシングは、前記接続用母線の接続口の穴形状が外側に向かって直径が大きくなるような円錐形状とされ、前記接続用母線は、単線導体からなる中心導体と、この中心導体の外周表面を被う絶縁性ゴムと、この絶縁性ゴムの外周表面に形成された導電層とを有し、さらに、前記絶縁性ゴムは、その両端部が前記接続口に嵌合する円錐部とされ、また、この両端の円錐部間が円筒部とされるとともに、この円筒部と前記円錐部との境界部が、前記円錐部の外径に対し前記円筒部の外径が小さくなる段部として形成され、前記固定具は、前記段部を前記接続口内へ押圧することにより、前記接続用母線を固定し、前記導電層は、前記円筒部の外周表面部にのみ施され、かつ、接地されていることを特徴とする絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置にある。
【０００９】
また、本発明に係る前記接続用母線は、さらに、絶縁性ゴムの内面と中心導体の外周表面との間に導電層を有するものものとしても良い。
【００１０】
また、本発明に係る絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置は、前記Ｔ形ブッシングの一方の接続口に気中用機器接続用ブッシングを設けたものとしても良く、この場合、気中用機器ブッシングは、中心導体と、この中心導体を被う絶縁性ゴムとを備え、この絶縁性ゴムの一端部を前記接続口に嵌合する円錐部とし、さらに、この絶縁性ゴムにおける前記接続口の外側における外周表面には、前記円錐部の外径よりも大きな外径を有するひだを設けたものとする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、従来装置と同一の要素には同一の符号を付しその説明を簡略化する。
【００１２】
実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１を示す構成図であって、従来装置として図３に示したキュービクル１０２と１０３との間の盤間接続を例にとったものである。この図に示すように、Ｔ形ブッシング１は、水平部１１ａと垂直部１１ｂとにより略Ｔ形状に形成されたブッシングモールド１１と、このブッシングモールド１１のＴ形状に合わせて内部に一体成型された略Ｔ形状の通電導体１２とを備えている。より詳しく述べると、このブッシングモールド１１は、エポキシ等の絶縁樹脂等により成型されたものであって、その全体的な形状は従来のものとほぼ同様の略Ｔ形状をなしていおり、垂直部１１ｂがキュービクル１０２、１０３内に挿入されている。また、水平部１１ａの両端部に接続用母線２を通電導体１２に接続するための接続口１３を備えている。そして、この接続口１３の穴形状は、外側に向かって直径が大きくなるような円錐形状とされている。
【００１３】
一方、通電導体１２は、ブッシングモールド１１の水平部１１ａの中心部に配設された水平導電部１２ａと、この水平導電部１２ａの中心部から垂直に形成された引出導電部１２ｂとから構成されている。また、この水平導電部１２ａの両側は筒状に形成され、その内周に接触子３が配設されている。
【００１４】
接続用母線２は、単線導体からなる中心導体２１の外周表面を絶縁性ゴム２２で被覆し、この中心導体２１の端部を露出させた固体絶縁性母線である。また、この絶縁性ゴム２２は、その両端部を前記ブッシングモールド１１の接続口１３に差し込むように、前記接続口１３に嵌合する円錐形状に成型された円錐部２２ｂと、この両端の円錐部２２ｂ間を一定肉厚の円筒形状としている円筒部２２ａとを備えている。そしてこの境界部は、円筒部２２ａが円錐部２２ｂに対し直径が小さくなる段部として形成されている。
【００１５】
さらに、中心導体２１の外周表面と絶縁性ゴム２２の内周面との接触面には、導電層４が設けられている。また、絶縁性ゴム２２の円筒部２２ａにおける外周表面には導電層５が設けられている。この導電層５は、引出し線等により接地可能に構成されている。
また、中心導体２１の両端部は、先端側を細径として段状に形成され、この段状部分で接触し３と接触するように構成されている。
【００１６】
上記Ｔ形ブッシング１と接続用母線２とにより盤間を接続する際には、まず、Ｔ形ブッシング１の接続口１３に、接続用母線２の両端部を差し込み、固定具６を絶縁性ゴム２２の段部に押し当て、この段部を接続口１３内に押圧するようにねじ７により接続口１３の側面にねじ止めする。これにより、接続用母線２の中心導体２１の端部を接触子３に接触させるとともに、絶縁性ゴム２２の円錐部２２ｂを接続口１３の穴内面に密着させる。また、絶縁性ゴム２２の導電層を接地する。
【００１７】
実施の形態１は、上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。
絶縁性ゴム２２における円筒部２２ａの外周表面に導電層５を形成し、この導電層５を接地したので、接続用母線２に触れた場合の安全性を増大することができる。また、このように構成することにより、接続用母線２を、段剥を必要としない簡素な構成とすることが可能となり、惹いては、Ｔ形ブッシング１への差し込み部の構造を簡素化することができる。この結果、絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置の製作費用を軽減することができるるとともに、接続作業が短時間化されることにより接続作業に要する費用を軽減することができる。
【００１８】
また、本実施の形態１においては、中心導体２１の外周表面を絶縁性ゴム２２で被っており、この絶縁性ゴム２２の円錐部２２ｂをＴ形ブッシング１の接続口１３の内周面に押しつけているので、Ｔ形ブッシング１の位置がずれた場合であっても、絶縁性ゴム２２が容易に変形し、この絶縁性ゴム２２とブッシングモールド２１との接触部の面圧が一定に保たれ、絶縁性能が略一定に保持される。
【００１９】
また、接続用母線２は、配電盤（キュービクル）１０１、１０２、１０３、１０４間の連絡専用ケーブルとして、工場にて寸法精度の高いものを製作することができる。したがって、現地接続作業における寸法合わせの手間をより一層軽減することができる。
また、接続用母線２は、中心導体２１の外周表面と絶縁性ゴム２２の内周面との接触面に導電層４を設けているので、この導電層４により中心導体２１と絶縁性ゴム２２とを少なくとも部分的に接触させることができ、中心導体２１と絶縁性ゴム２２との離間距離のバラツキによる電界分布の変動を防止することができる。
【００２０】
実施の形態２．
実施の形態２は、Ｔ形ブッシング１の一方の接続口１３に気中用機器を接続したものである。
すなわち、図３に示した従来装置において、キュービクル１０４に取り付けたＴ形ブッシング３１は、一方の接続口に盲栓５０を接続しているが、このような場合に、盲栓５０をせずに、気中用機器を接続したものであって、図２にその具体的構成を示す。
【００２１】
この図２に示されるように、この実施の形態２は、実施の形態１と比較すると、Ｔ形ブッシング１および接続用母線２は同一であり、これらの差し込み接続部分の構成も全く同一である。そして、この実施の形態２が実施の形態１と異なる点は、前述のように、一方の接続口１３に気中用機器接続用ブッシング２５を設けたことである。なお、図２において、実施の形態１および従来装置と共通する部分には、これら装置に付したものと同一の符号を付し、その説明を省略する。
【００２２】
この図２において、気中用機器接続用ブッシング２５は、接続用母線２と同様に、中心導体２６の外周表面を絶縁性ゴム２７で被覆し、この中心導体２６の端部を露出させるようにしたもので、Ｔ形ブッシング１へ差し込む側の端部は、接続用母線２における円錐部２２ｂと同一形状とされた円錐部２７ｂである。なお、この円錐部２７ｂの接続構造も接続用母線２の円錐部２２ｂの場合と同一である。そして、絶縁性ゴム２７における接続口１３の外側の部分には、円錐部２７ｂの外径よりも大きな外径を有する複数段のひだ２７ａが設けられている。また、気中用機器接続用ブッシング２５から露出する中心導体２６に対し、変圧器等の気中用機器を接続するものである。
【００２３】
この実施の形態２は、上記のように構成されているので、ひだ２７ａにより気中用機器とブッシングモールド１１との間の絶縁距離を大きくとることができ、気中にて他の機器との接続を容易に行うことができる。
【００２４】
なお、他の実施の形態として、図面では示していないが、Ｔ形ブッシング１の一方の接続口１３を従来と同様の構造にして、この接続口１３に、図３における受電ケーブル１０５を接続するように構成しても良い。
【００２５】
【発明の効果】
以上のように本発明の絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置によれば、上記の目的を達成するために、本発明は、内部に絶縁性ガスを封入して電気機器を収容した配電盤間を連絡する接続用母線と、内部に一体に成型された通電導体、前記接続用母線の接続口、および、この接続用母線と前記通電導体との接続を行う接触子を有するＴ形ブッシングと、このＴ形ブッシングの接続口に差し込んだ前記接続用母線の端部を固定するための固定具とを備えた絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置において、前記Ｔ形ブッシングは、前記接続用母線の接続口の穴形状が外側に向かって直径が大きくなるような円錐形状とされ、前記接続用母線は、単線導体からなる中心導体と、この中心導体の外周表面を被う絶縁性ゴムと、この絶縁性ゴムの外周表面に形成された導電層とを有し、さらに、前記絶縁性ゴムは、その両端部が前記接続口に嵌合する円錐部とされ、また、この両端の円錐部間が円筒部とされるとともに、この円筒部と前記円錐部との境界部が、前記円錐部の外径に対し前記円筒部の外径が小さくなる段部として形成され、前記固定具は、前記段部を前記接続口内へ押圧することにより、前記接続用母線を固定し、前記導電層は、前記円筒部の外周表面部にのみ施され、かつ、接地されているので、構造が非常に簡素であり、据付時の位置ずれや加工誤差を吸収することもでき、据付作業の短時間化、コストダウン、および作業上の品質向上を図ることができる。
【００２６】
また、本発明の絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置によれば、前記接続用母線は、さらに、絶縁性ゴムの内面と中心導体の外周表面の間に導電層を有するので、この導電層により中心導体と絶縁性ゴムとを少なくとも部分的に接触させることができ、中心導体と絶縁性ゴムとの離間距離のバラツキによる電界分布の変動を防止することができる。
【００２７】
また、本発明の絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置によれば、前記ブッシングモールドの一方の接続口に気中用機器接続用ブッシングを設けたものであって、この気中用機器ブッシングは、中心導体と、この中心導体を被う絶縁性ゴムとを備え、この絶縁性ゴムの一端部を前記接続口に嵌合する円錐部とし、さらに、この絶縁性ゴムにおける前記接続口の外側における外周表面には、前記円錐部の外径よりも大きな外径を有するひだを設けたものであるので、気中用機器とブッシングモールドとの間の絶縁距離を大きくとることができ、気中にて他の機器との接続を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る第１の実施の形態を示す構成図である。
【図２】本発明に係る第２の実施の形態を示す構成図である。
【図３】従来の絶縁ガス封入閉鎖配電盤としてのキュービクルタイプガス絶縁開閉装置の概略構成図である。
【図４】従来のＴ形ブッシングの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
１Ｔ形ブッシング、２接続用母線、３接触子、４、５導電層、６固定具、１１ブッシングモールド、１２通電導体、１３接続口、２１中心導体、２２絶縁性ゴム、２２ａ（絶縁性ゴムの）円筒部、２２ｂ（絶縁性ゴムの）円錐部、２５気中用機器接続用ブッシング、１０１、１０２、１０３、１０４配電盤（キュービクル）。

Claims

内部に絶縁性ガスを封入して電気機器を収容した配電盤間を連絡する接続用母線と、
内部に一体に成型された通電導体、前記接続用母線の接続口、および、この接続用母線と前記通電導体との接続を行う接触子を有するＴ形ブッシングと、
このＴ形ブッシングの接続口に差し込んだ前記接続用母線の端部を固定するための固定具とを備えた絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置において、
前記Ｔ形ブッシングは、前記接続用母線の接続口の穴形状が外側に向かって直径が大きくなるような円錐形状とされ、
前記接続用母線は、単線導体からなる中心導体と、この中心導体の外周表面を被う絶縁性ゴムと、この絶縁性ゴムの外周表面に形成された導電層とを有し、
さらに、前記絶縁性ゴムは、その両端部が前記接続口に嵌合する円錐部とされ、また、この両端の円錐部間が円筒部とされるとともに、この円筒部と前記円錐部との境界部が、前記円錐部の外径に対し前記円筒部の外径が小さくなる段部として形成され、
前記固定具は、前記段部を前記接続口内へ押圧することにより、前記接続用母線を固定し、
前記導電層は、前記円筒部の外周表面部にのみ施され、かつ、接地されている
ことを特徴とする絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置。
前記接続用母線は、さらに、絶縁性ゴムの内面と中心導体の外周表面との間に導電層を有することを特徴とする請求項１記載の絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置。
前記絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置は、前記Ｔ形ブッシングの一方の接続口に気中用機器接続用ブッシングを設けたものであって、
この気中用機器接続用ブッシングは、中心導体と、この中心導体を被う絶縁性ゴムとを備え、この絶縁性ゴムの一端部を前記接続口に嵌合する円錐部とし、さらに、この絶縁性ゴムにおける前記接続口の外側における外周表面には、前記円錐部の外径よりも大きな外径を有するひだを設けたものである
ことを特徴とする請求項１または請求項２記載の絶縁ガス封入閉鎖配電盤間の母線接続装置。