JP4374900B2 - 変速機の変速操作機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手動操作により複数の変速段の中から1つの変速段を選択するようにした自動車の手動変速機の変速操作機構に関し、特に、変速操作に対して適度な節度感を与えるための構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チェンジレバーにより手動で変速操作を行うようにした変速機では、操作性向上のために変速操作に応じた節度感を持たせるようにしている。例えば、特許文献1では、ギヤの抜けを防止するロックボール機構において、ギヤを入れるときと抜くときとの節度感を変えるために、カム部材を用いるようにしている。このカム部材は、変速操作に伴い移動するフォークシャフト上に設けられており、固定されたボールに対して該フォークシャフトが移動する際に、該ボールがカムを乗り越えることによって、節度感を与える。また、ギヤを入れるときのフォークシャフトの移動に対しては、ボールがカムを乗り越えにくくなるようにして、節度感を強くするとともに、ギヤを抜くときのフォークシャフトの移動に対しては、ボールがカムを乗り越えやすくなるようにして節度感を弱くしている。こうすることによって、ギヤを入れるときと抜くときとの節度感を変えることができるため、操作者は節度感の変化によって自らの変速操作を確認することができる。
【0003】
また、変速操作に対して適度の節度感を付与するための機構としては、前記のようなカム部材を用いたものの他、変速操作に伴い動作するシャフトの周面に所定形状の凹凸面を設けるとともに、該シャフトの動作に伴いその凹凸面上を相対移動するようにボール部材を配設し、このボール部材を前記凹凸面に対し押圧付勢して、それが凸部を乗り越える際にシャフトの動作に対する抵抗力、すなわちチェンジレバーの操作に対する荷重(ディテント荷重)が大きくなるようにしたものがある。このような機構では、前記凹凸面の形状によってディテント荷重の特性を設定することができるので、その凹凸面をディテント荷重特性設定部と呼び、また、前記ボール部材をディテント部材と呼ぶ。そして、前記ディテント荷重特性設定部とディテント部材とにより構成され、変速操作時の節度感を付与する機構をディテント機構と呼ぶ。
【0004】
図1は、そのようなディテント荷重特性設定部の構成例として、例えば、チェンジレバーのセレクト操作やシフト操作に対応してそれぞれ軸方向へ移動し、軸心まわりに回動するコントロールロッドに取り付けられるスリーブ部材1を示す。このスリーブ部材1は、前記コントロールロッドに外挿される円筒状本体部1aと、該本体部の外周に形成された膨出部1bとからなり、その膨出部1bの外周には周方向の全体に亘って延びるように断面略円弧状の凹部10,11,12が3つ形成されている。この3つの凹部10,11,12はスリーブ部材の軸方向に略等間隔に並設されており、このことで、膨出部には前記軸方向について4つの凸部13,14,15,16と3つの凹部10,11,12とが交互に並んで配置された凹凸面1cが形成されている。
【0005】
そして、前記スリーブ部材1の凹凸面1cに対し常時、当接状態を維持するようにスプリング等により所定の力で押圧して、ボール部材が配設される。このボール部材は、前記コントロールロッドの軸心に対し位置決めして配置され、このことで、変速操作時の前記コントロールロッド及びスリーブ部材1の動作に伴い、そのスリーブ部材1の凹凸面1cに対する前記ボール部材の相対位置が変化することになる。具体的には、チェンジレバーをセレクト操作した場合には、コントロールロッド及びスリーブ部材1の回動に伴い、ディテント部材が該スリーブ部材1の凹部10,11,12のいずれか一つに沿って相対移動する。一方、前記チェンジレバーをシフト操作した場合には、前記コントロールロッド及びスリーブ部材1が軸方向に移動することで、前記ディテント部材は該スリーブ部材1表面の凹凸を乗り越えて軸方向に相対移動する。
【0006】
ここで、前記スリーブ部材1に対するディテント部材の相対位置は、各変速段に対応するように決められており、図1において、前記ディテント部材が、凹部10の右側端部10a、中央部10b及び左側端部10cのいずれかに位置している場合がそれぞれ2速、4速及び6速に対応し、また、前記ディテント部材が、凹部11の中央付近に位置している場合がニュートラルに対応し、凹部12の右側端部12a、中央部12b及び左側端部12cのいずれかに位置している場合がそれぞれ1速、3速及び5速に対応している。このことにより、例えば、チェンジレバーによる1速から2速への変速操作時には、前記ディテント部材が前記ディテント荷重特性設定部1の凹部10から凹部11を経て,凹部12へと移動し、その際、該凹部10,11,12の間の凸部13,14を乗り越えることによって、操作に節度感を与えることになる。
【0007】
また、前記図1に示す従来のスリーブ部材1の場合には、凹部11の周方向中央付近に窪み17が形成されている。この窪み17は、キリ穴加工によって形成されるため、見かけ上、長円形になっており、ディテント部材と係合してチェンジレバーのニュートラル位置を決めるためのものである。すなわち、前記ディテント部材がスリーブ部材1の凹部11内に位置している場合、その凹部11に沿うようなディテント部材の移動に対してはディテント荷重が付与されず、この結果として、チェンジレバーがぐらつくことになるから、従来はニュートラル位置に対応するように窪み17を凹部11に設けて、該凹部11に沿うディテント部材の移動を規制することにより、ニュートラル時の前記チェンジレバーをぐらつき無く安定させるようにしたものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−332491号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図1のように、窪み17を設けることによってディテント部材のニュートラルの位置を決めるようにしたディテント構造では、ニュートラルから3速や4速へ変速する場合には、前記ディテント部材が窪み17から抜けるときに大きな抵抗があり、スティック感があって、他の変速段への変速操作時と比較すると変速操作の節度感が異なるため、違和感を覚える場合がある。
【0010】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3速や4速への変速操作時における節度感を他の変速段への変速操作時の節度感と同様の滑らかなものとして、変速操作時の違和感を解消させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、従来、ニュートラルの位置決めのためにディテント荷重特性設定部に設けられていた窪みの代わりに、該ディテント荷重特性設定部の3列の凹部に交わる所定幅の溝部を設けることによってニュートラル位置を決めるとともに、該ディテント部材の3速や4速への変速操作時の相対的な移動の軌跡と、他の変速段への相対的な移動の軌跡と、を相似にして、3速や4速への変速操作時と他の変速段への変速操作時とにおける節度感が同程度になるようにした。
【0012】
具体的には、請求項1の発明では、チェンジレバーのセレクト操作に応じて周方向に回動するとともに、該チェンジレバーのシフト操作に応じて軸方向に移動するコントロールロッドと、該コントロールロッド上に少なくともその軸方向に凹凸を有するように設けられたディテント荷重特性設定部と、該ディテント荷重特性設定部に常時、当接するように押圧付勢されたディテント部材と、を備え、前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記コントロールロッドの軸方向への移動に伴い前記ディテント部材が前記ディテント荷重特性設定部の凹凸を乗り越えることによって、該チェンジレバーの操作に所定の荷重特性を付与するようにした変速機の変速操作機構を対象とする。
【0013】
そして、前記ディテント荷重特性設定部には、前記コントロールロッドの周方向に長い凹部が、該コントロールロッドの軸方向に並んで3列設けられているとともに、前記3列の凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に対して交わるように前記軸方向に延び、且つ、該凹部及び凸部における前記周方向の一部を窪ませるような所定の幅を有する溝部が設けられており、前記ディテント部材は、前記チェンジレバーがニュートラルの位置にあるときに、前記3列の凹部のうちの中央の列と前記溝部とが交わる部分に位置するように配設されていて、前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記溝部上を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、前記ディテント荷重特性設定部の溝部以外の部分を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、が相似している構成とする。
【0014】
この構成によれば、ディテント荷重特性設定部に、3列の凹部と、その凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に交わるようにコントロールロッドの軸方向に延び、且つ、該凹部及び凸部における周方向の一部を窪ませるような所定幅の溝部とを設け、該溝部と前記凹部の中央列とが交差する部位をディテント部材のニュートラル位置としており、ニュートラルから3速や4速へ変速する場合には、ディテント部材が前記溝部に沿って相対移動するようになる。このため、従来までのディテント構造のように、ディテント部材が窪みから抜ける際(3速または4速への変速時)に抵抗の発生することがなくなり、3速や4速への変速操作時のスティック感をなくすことができる。そして、前記溝上を移動する際のディテント部材の軌跡と、溝以外の部分を通って他の変速段へ変速する場合のディテント部材の軌跡と、を相似にすること、3速や4速への変速操作時と他の変速段への変速操作時とにおける節度感をほぼ同等の滑らかなものにすることができる。また、3速や4速への変速操作時には、前記の如くディテント部材が溝上を移動することになるため、変速操作の確実性が向上する。
【0015】
請求項2の発明では、チェンジレバーのセレクト操作に応じて周方向に回動するとともに、該チェンジレバーのシフト操作に応じて軸方向に移動するコントロールロッドと、該コントロールロッド上に少なくともその軸方向に凹凸を有するように設けられたディテント荷重特性設定部と、該ディテント荷重特性設定部に常時、当接するように押圧付勢されたディテント部材と、を備え、前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記コントロールロッドの軸方向への移動に伴い前記ディテント部材が前記ディテント荷重特性設定部の凹凸を乗り越えることによって、該チェンジレバーの操作に所定の荷重特性を付与するようにした変速機の変速操作機構を対象とする。
【0016】
そして、前記ディテント荷重特性設定部には、前記コントロールロッドの周方向に長い凹部が、該コントロールロッドの軸方向に並んで3列設けられているとともに、前記3列の凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に対して交わるように前記軸方向に延び、且つ、該凹部及び凸部における前記周方向の一部を窪ませるような所定の幅を有する溝部が設けられており、前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記溝部上を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、前記ディテント荷重特性設定部の溝部以外の部分を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、が相似している構成とする。
【0017】
この構成によれば、ディテント荷重特性設定部に、3列の凹部と、その凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に交わるようにコントロールロッドの軸方向に延び、且つ、該凹部及び凸部における周方向の一部を窪ませるような所定幅の溝部とを設けており、3速や4速へ変速する場合には、ディテント部材が前記溝部に沿って相対移動するようになる。このため、従来までのディテント構造のように、ディテント部材が窪みから抜ける際(3速または4速への変速時)に抵抗の発生することがなくなり、3速や4速への変速操作時のスティック感をなくすことができる。そして、前記溝上を移動する際のディテント部材の軌跡と、溝以外の部分を通って他の変速段へ変速する場合のディテント部材の軌跡と、を相似にすることで、3速や4速への変速操作時と他の変速段への変速操作時とにおける節度感をほぼ同等の滑らかなものにすることができる。また、3速や4速への変速操作時には、前記の如くディテント部材が溝上を移動することになるため、変速操作の確実性が向上する。
【0018】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、ディテント荷重特性設定部の溝部は、該ディテント荷重特性設定部が設けられたスリーブ部材を軸方向一方の端部から他方の端部まで延びるように設けられているものとする。これにより、ディテント荷重特性設定部が設けられているスリーブ部材に溝の加工を容易に行うことができるため、生産性を向上させることができる
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0020】
(変速機の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る変速機Aの一例を示し、自動車のエンジンからの回転出力を駆動輪に伝達するとともに、その変速比を手動による変速操作に応じて段階的に変更する変速ギヤ列からなる変速機構を有するものである。この変速機構は、トランスミッションケース2に軸受を介して回転自在に支持されて、エンジンの出力に応じて回転されるプライマリシャフト3と、同じく前記トランスミッションケース2に前記プライマリシャフト3に並行に配置され、軸受を介して回転自在に支持されたセカンダリシャフト4とを備えている。該セカンダリシャフト4は図示しない左右の前輪の車軸5に連結され、回転を伝達するようになっている。
【0021】
そして、詳細は図示しないが、前記プライマリシャフト3及びセカンダリシャフト4上には、それぞれ7個のギヤが配置され、1〜6速及び後退速の7組のギヤ列を構成しており、それらのいずれかのギヤ列が選択的に動力を伝える伝動状態とされることで、前記変速機Aが1〜6速及び後退速の各変速段に切り替えられるようになっている。すなわち、プライマリシャフト3とセカンダリシャフト4とは各変速段に対応するギヤ列により駆動連結されるようになっており、これにより、エンジンからの回転出力が前記ギヤ列に対応した各変速段の回転出力に変換されることになる。
【0022】
また、変速機Aには、前記変速機構において伝動状態とするギヤ列を選択し、これにより変速段を切り替えるための変速操作機構6が設けられている。この変速操作機構6は、変速レバー7(チェンジレバー)の操作を前記変速機構に伝達し、該変速レバー7が図5に示すシフトパターンの1〜6速または後退速のいずれかの位置にあるときには、各変速段に対応するギヤ列を伝動状態にする一方、前記変速レバー7がニュートラルレーンr1にあるときにはエンジンからの回転出力を伝達しない非伝動状態にするものである。なお、前記ニュートラルレーンr1は変速レバー7のセレクト操作が行われるレーンであり、図5において符号r2〜r5はそれぞれ変速レバー7のシフト操作が行われる1−2速レーン、3−4速レーン、5−6速レーン及び後退速レーンである。
【0023】
以下に、前記変速操作機構6の構造について図2〜図9を用いて詳細に説明する。該変速操作機構6は、運転者により変速レバー7のセレクト操作及びシフト操作がケーブル等により伝達されるセレクトレバー18及びシフトレバー20と、トランスミッションケース2内に配設されて前記セレクトレバー18及びシフトレバー20の動きを変速機構に伝達するための第1ロッド30、第2ロッド40及びコントロールロッド50とを備えている。該コントロールロッド50は、図2にも示すようにプライマリシャフト3やセカンダリシャフト4と平行に配置されていて、詳しくは後述するが、シフトフォークを介してプライマリシャフト3やセカンダリシャフト4上のギヤの同期装置を選択的に作動させ、これにより、各変速段に切り替えるようになっている。
【0024】
より詳しくは、図2に示すように、前記セレクトレバー18は、略L字形状のものであり、トランスミッションケース2の外側に設けられたブラケット2aにより略水平な支軸の周りに回動自在に支持されている。該セレクトレバー18の一方の端部には、変速レバー7のセレクト操作を伝えるためのセレクトケーブル19の一方の端部が取り付けられ、他方の端部は前記シフトレバー20に連結されている。
【0025】
そのシフトレバー20は、トランスミッションケース2に対し上下方向に延びるように配設された第1ロッド30の上端にピン21、21で固定されているとともに、変速レバー7によるシフト操作を変速操作機構6に伝達するシフトケーブル22の一方の端部が連結されている。該シフトケーブル22のもう一方の端部は前記変速レバー7に取り付けられており、該変速レバー7をシフト操作する場合には、そのシフト操作に応じて前記シフトレバー20及び第1ロッド30が該第1ロッド30の軸心の周りに回動するようになっている。なお、該第1ロッド30は、軸方向への移動と軸心を中心とした回動とが自在に行えるようにトランスミッションケース2に支持されていて、前記シフトレバー20と一体で動作する。
【0026】
したがって、前記の構成により、変速レバー7をニュートラルレーンr1に沿ってセレクト操作すると、セレクトケーブル19を介してセレクトレバー18がブラケット2aとの支持点を中心として回動(図2においてA1−A1’方向)するため、シフトレバー20を介して前記第1ロッド30がその軸方向(A2−A2’方向)に移動することになる。一方、前記変速レバー7をシフト操作する場合には、シフトケーブル22に連結されたシフトレバー20によって第1ロッド30がその軸心の周りに回動(B2−B2’方向)される。
【0027】
また、前記第1ロッド30の下部には、図3や図4に示すように、後述する第2ロッド40に向かって曲がりながら延び、その先端が二股状になっている第1レバー31がボルト32で締結されている。このため、前記第1ロッド30が変速操作に応じて軸方向(図2及び図4においてA2−A2’方向)へ移動したり、その軸心を中心として回動(図2〜図4においてB2−B2’方向)したりする場合には、前記第1レバー31も前記第1ロッド30と一体で移動または回動する。
【0028】
前記第2ロッド40は、前記第1ロッド30に並行に配置されており、図4に示すように、該第2ロッド40の下部がピン41によってトランスミッションケース2に固定されている。そして、該第2ロッド40には、前記第1レバー31に向かって延びるとともに、その二股状の先端部でピン33によって該第1レバー31と回動自在に係合する第2レバー42が、後述する支持機構43を介して取り付けられている。このことにより、前記第1レバー31が回動または移動する場合には、その動きに応じて前記第2レバー42も回動または移動するようになっている。
【0029】
具体的には、前記第1レバー31が第1ロッド30の軸心を中心として回動(B2−B2’方向)する場合には、その動きに応じて前記第2レバー42が第2ロッド40を中心として回動(B3−B3’方向)することになり、前記第1レバー31が軸方向(A2−A2’方向)に移動する場合には、その動きに応じて前記第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動することになる。
【0030】
ここで、前記第2レバー42と第2ロッド40との間に設けられている前記支持機構43について説明する。該支持機構43は、図4に示すように、前記第2レバー42と第2ロッド40との間に配設され、該第2ロッド40に対して第2レバー42を回動または軸方向に移動可能に支持するベアリング44と、該ベアリング44の一端(図の上端)に配設された第1取付部材45と、一端がトランスミッションケース2に当接し、前記第2レバー42と第2ロッド40との間に配設された第2取付部材46と、前記第1取付部材45と第2取付部材46との間に配設されて第2レバー42を付勢するばね47(付勢手段)と、により構成されている。この構成により、前記第2レバー42が図4の位置から第2ロッド40の軸方向の上下いずれかに移動した場合、該第2レバー42は前記ばね47によって図4に示す元の位置まで戻るように付勢される。このことにより、前記第2レバー42と連動する変速レバー7がニュートラルレーンr1にあるときには、該変速レバー7はニュートラルに位置するように付勢される。
【0031】
さらに、前記第2レバー42は、コントロールロッド50と連結されており、前述のような第1レバー31の回動または移動という動きを該コントロールロッド50に伝達するようになっている。詳しくは、図3に示すように、前記コントロールロッド50には概略円筒状の係合部材(スリーブ部材)52が外挿されて、ピン51で固定されており、該係合部材52から前記第2レバー42に向かって突出するように設けられた球状の突起部52cが、当該第2レバー42に設けられた凹部に摺動可能に係合している。
【0032】
そして、図2に示すように、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動する場合には、コントロールロッド50がその軸心を中心として回動(A4−A4’方向)する。一方、図3に示すように、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸心を中心として回動(B3−B3’方向)する場合には、コントロールロッド50がその軸方向(B4−B4’方向)に移動することになる。
【0033】
また、図3に示すように、前記係合部材52の表面には、所定形状の凹凸部60(ディテント荷重特性設定部)が設けられているとともに、その凹凸部60に対してばね部材59により押圧付勢されるように球状のディテント部材55が配設されている。このことで、詳しくは後述するが、変速操作に応じて前記コントロールロッド50とともに前記係合部材52が回動または軸方向に移動する場合には、この係合部材52表面の凹凸部60上を前記ディテント部材55が相対的に移動することになり、これにより変速操作に節度感を付与することができる。すなわち、前記凹凸部60とディテント部材55とにより変速操作に節度感を付与するディテント機構が構成される。
【0034】
前記図3に示すように、前記コントロールロッド50には、外周に爪部を有する円筒状の爪部材102が外挿されて、ピン101により固定されている。該爪部材102は、1−2速、3−4速、5−6速及び後退速にそれぞれ対応して設けられている4本のシフトフォーク70〜72,75(図3には1−2速用シフトフォーク70と3−4速用シフトフォーク71とを示す)のいずれか一つに選択的に係合して軸方向に移動させるためのものである。そして、前記4本のシフトフォーク70〜72,75がそれぞれ対応する各変速段のギヤを伝動状態にすることで、変速機Aが各変速段に切り替えられる。
【0035】
前記シフトフォーク70〜72,75の構造について以下で詳細に説明すると、1−2速用シフトフォーク70は、図3に示すように、前記爪部材102の近傍(図3では上方)の前記コントロールロッド50上に相対移動可能に嵌合されたスリーブ状の基部70aと、該基部70aに一体に形成され、図示しない1−2速用同期装置に係合する係合部を有する第1腕部70bと、前記基部70aから前記爪部材102に向かって延びる第2腕部70cと、該第2腕部70cの先端部が凹状に切り欠かれて爪部材102と係合可能に位置づけられた1−2速用ゲート部70dと、により構成されている。この構成により、変速レバー7のセレクト操作によって前記コントロールロッド50をその軸心まわり(A4−A4’方向)に回動させて、その爪部材102を前記1−2速用シフトフォーク70のゲート部70dに係合させれば、その後、変速レバー7のシフト操作による前記コントロールロッド50の軸方向(B4−B4’方向)への移動によって前記1−2速用シフトフォーク70も一緒に移動させることができ、この1−2速用シフトフォーク70の第1腕部70bにより1−2速用同期装置を作動させて1速または2速のどちらか一方の変速ギヤを伝動状態にすることができる。
【0036】
また、3−4速用シフトフォーク71は、図3の他、図6にも示すように、1−2速用シフトフォーク70と同様、前記爪部材102の近傍(図3では下方)のコントロールロッド50上に相対移動可能に嵌合された基部71aと、図示しない3−4速用同期装置に係合する係合部71cを有する第1腕部71bと、爪部材102と係合可能な3−4速用ゲート部71eを有する第2腕部71dと、を備えており、前述の1−2速用シフトフォーク70の場合と同様に、3−4速用ゲート部71eがコントロールロッド50の爪部材102と係合して、その軸方向(B4−B4’方向)へ移動されることにより、3速または4速のどちらか一方の変速ギヤを伝動状態にすることができる。
【0037】
また、5−6速用シフトフォーク72は、図6および図7に示すように、コントロールロッド50に平行に設けられた5−6速用シフトロッド80の一端に嵌合され、ピン81で固定されている基部72aと、該基部と一体に形成される腕部72bと、図示しない5−6速用同期装置に係合する係合部72cとを備えており、前記5−6速用シフトロッド80と一体でその軸方向(B4−B4’方向)に移動するようになっている。その5−6速用シフトロッド80の長さ方向の中間部には、前記コントロールロッド50の爪部材102に係合可能な5−6速用ゲート部73aを有する5−6速用ゲート部材73がボルト74で固定されている。前記の構成により、1−2速用及び3−4速用シフトフォーク70,71の場合と同様、変速レバー7のセレクト操作により5−6速用のゲート部73aと爪部材102とを係合させて、シフト操作によりコントロールロッド50とともに5−6速用シフトフォーク72を軸方向へ移動(B4−B4’方向)させることで、5速または6速のどちらかに変速することができる。
【0038】
なお、前記5−6速用ゲート部材73には、図8に示すように、該ゲート部材73の周上から外側に向かって延びるように断面略矩形の突起部73bが設けられている。この突起部73bは後退速用シフトフォーク75の第2腕部75eの側面に当接するように設けられており、前記5−6速用シフトロッド80を前記変速機Aに組み付ける際に、該シフトロッド80が軸心まわりに回動するのを防止するストッパ部材の役割を果たす。
【0039】
さらに、後退速用シフトフォーク75は、図9に示すように前記5−6速用シフトロッド80上を相対移動可能に嵌合されたスリーブ状の基部75aと、該基部75aから図示しない後退速用同期装置に向かって延びる腕部75bと、を有している。前記基部75aには腕部75bに並設して膨出部75dが設けられており、該膨出部75dから第2腕部75eが前記5−6速用シフトロッド80にほぼ平行に、かつ前記5−6速用ゲート部材73の側面を迂回した状態で爪部材102に向かって延び、該爪部材102の近傍でコントロールロッド50に向かって折曲している。そして、該第2腕部75eの折曲部の先端部には凹状に切り欠かれ、前記コントロールロッド50の爪部材102に係合する後退速用ゲート部75fが設けられている。この構成により、前記シフトフォーク70,71,72と同様に、セレクト操作によって前記爪部材102を前記後退速用ゲート部75fと係合させ、シフト操作によってコントロールロッド50の軸方向へ前記後退速用シフトフォーク75を移動させることで、後退速のギヤを伝動状態にすることができる。
【0040】
以上の構成による前記変速機Aの動作についてまとめると次のとおりとなる。まず、運転者が変速レバー7をニュートラルレーンr1に沿ってセレクト操作すると、図2に矢印A1−A1’として示すように、セレクトケーブル19を介してセレクトレバー18がブラケット2aとの支持点を中心に回動するため、第1ロッド30が軸方向(A2−A2’方向)に移動する。そのときには、該第1ロッド30に固定された第1レバー31が該第1ロッド30の軸方向(A2−A2’方向)に移動するため、該第1レバー31に連結された第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動する。これにより、図3にも示すように、該第2レバー42に連結されたコントロールロッド50が自身の軸心まわり(A4−A4’方向)に回動し、該コントロールロッド50の爪部材102がシフトフォーク70〜72,75の中のいずれか一つに係合する。
【0041】
その状態で運転者が変速レバー7を1−2速、3−4速、5−6速または後退速のいずれかのレーンr2〜r5に沿ってシフト操作すると、シフトケーブル22を介して前記シフトレバー20が第1ロッド30の軸心を中心として回動(B1−B1’方向)するため、該シフトレバー20に固定された第1ロッド30がその軸心まわり(B2−B2’方向)に回動する。そのときには、該第1ロッド30に固定された前記第1レバー31が該第1ロッド30の軸心まわり(B2−B2’方向)に回動するため、該第1レバー31に連結された前記第2レバー42も第2ロッド40の軸心まわり(B3−B3’方向)に回動する。これにより、該第2レバー42に連結されたコントロールロッド50が軸方向に移動(B4−B4’方向)し、前記セレクト操作時に爪部材102に係合したシフトフォークのみがコントロールロッド50の軸方向(B4−B4’方向)に移動して、該シフトフォークに係合した同期装置の作動により1〜6速または後退速のいずれかのギヤが非伝動状態から伝動状態に移行することになる。
【0042】
前記の構成に加えて、前記変速機Aには、前記変速操作機構6を変速操作のシフトパターンに対応して円滑に動作させるための変速操作案内機構200が設けられている。該変速操作案内機構200は、図3に示すように、トランスミッションケース2に支持され、自身の軸方向への移動や回動が可能なガイドロッド201と、一方の端部が該ガイドロッド201にピン202で固定され、もう一方の端部に形成された球状部が前記第2レバー42に設けられた凹部と摺動自在に係合されている連結部材203と、を備えている。この構造により、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(図2のA3−A3’方向)に移動する場合には、前記連結部材203を介して前記ガイドロッド201が軸心を中心として回動(A5−A5’方向)する一方、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸心を中心として回動(B3−B3’方向)する場合には、前記ガイドロッド201が軸方向に移動(B5−B5’方向)する。
【0043】
つまり、運転者が変速レバー7をセレクト操作する場合には、前記第2レバー42が前記第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動するため、前記連結部材203を介して前記ガイドロッド201は軸心を中心として回動(A5−A5’方向)することになる。一方、変速レバー7をシフト操作する場合には、前記第2レバー42が前記第2ロッド40の軸心を中心として回動(B3−B3’方向)するため、前記連結部材203を介して前記ガイドロッド201は軸方向(B5−B5’方向)に移動することになる。
【0044】
また、前記ガイドロッド201には、一方の端部を該ガイドロッド201にピン206で固定されたガイドピン207が連結されている。そして、該ガイドピン207のもう一方の端部は、トランスミッションケース2にボルト204,204で固定されたガイドプレート205に設けられ、図5に示す変速のシフトパターンに対応する溝に係合している。このことにより、前記ガイドロッド201が変速レバー7のシフト操作に伴い自身の軸方向(B5−B5’方向)に移動したり、セレクト操作により該ガイドロッド201の軸心を中心に回動(A5−A5’方向)したりするときには、前記ガイドピン207は前記ガイドプレート205の溝に沿って案内されることになり、これにより、変速操作がシフトパターンに沿って円滑に行われる。
【0045】
(ディテント機構)
本願の発明の特徴部分であるディテント機構について以下に詳細に説明する。該ディテント機構は、前述したとおり、変速レバー7の操作に対して適切な節度感を与えるためのものであり、図3に示すようにコントロールロッド50上にピン51で係合された係合部材52と、該係合部材52の表面に当接するように押圧付勢されている球状のディテント部材55と、により構成されている。
【0046】
前記係合部材52は、図10に拡大して示すように、前記コントロールロッド50に外挿される円筒状の本体部52aと、表面に凹凸部60(ディテント荷重特性設定部)が形成されている膨出部52bと、第2レバー42の凹部に係合する球状の突起部52cとからなり、膨出部52bの表面には、前記凹凸部60の凹部61,62,63に交わるような溝53が形成されている。この溝53は、係合部材52の膨出部52bを軸方向の一端から他方の端部まで延びるように形成されており、このことで、凹凸部60の必要な部分のみに溝を形成する場合と比べて容易に加工を行うことができる。
【0047】
一方、前記ディテント部材55は、図3に示すように、トランスミッションケース2にピン部材58により固定された筒状部材56の端部を閉塞する蓋部材57上に設けられており、前記係合部材52の凹凸部60に当接するように配設されている。そして、前記筒状部材56の内部には、前記ピン部材58と前記蓋部材57との間に、該蓋部材57を押し出すようにばね部材59が配設されているため、その蓋部材57上に設けられたディテント部材55は前記係合部材52の凹凸部60に向かって押圧付勢されている。したがって、変速操作により前記コントロールロッド50が動作し、これと一体に係合部材52が動く場合には、その係合部材52上の凹凸部60に対してディテント部材55が相対的に移動することになる。
【0048】
ここで、前記係合部材52上の凹凸部60には、該係合部材52の周方向に長く延びる3つの凹部61,62,63が互いに略等間隔を空けて並設されており、このことにより、凹部61と62との間及び62と63との間には、それぞれ凸部64,65が構成されている。そして、前記係合部材52に設けられた凹部61,62,63に対する前記ディテント部材55の位置は、各変速段に対応しており、具体的には、前記ディテント部材55が、図10上で凹部61の右側端部61a及び左側端部61cに位置している場合がそれぞれ2速及び6速に対応し、該凹部61の溝53上である中間部61bに位置している場合が4速に対応している。
【0049】
また、前記ディテント部材55が、凹部62にあるときがニュートラルレーンに対応し、特にその凹部62の溝53上である中間部62aに位置している場合がニュートラル位置に対応している。さらに、前記ディテント部材55が凹部63の右側端部63a及び左側端部63cに位置している場合がそれぞれ1速及び5速に対応し、該凹部63の溝53上である中間部63bに位置している場合が3速に対応している。なお、図10に破線で示すように、前記6速の位置61cのさらに左側(図の裏側)には、後退速時のディテント部材の位置61dが設けられている。
【0050】
前記凹凸部60のコントロールロッド50の軸線を含む断面を図11(a)に示す。前記凹部61,62,63の断面は、図11(a)に示すように、球状のディテント部材55よりも小さい半径を有する半円状になっており、該凹部61,62,63のいずれかに前記ディテント部材55が位置する場合には、該ディテント部材55の表面上の2点が前記凹部61,62,63の上縁に近い周面に当接するようになる。なお、凹部61,62,63の断面形状は、半円状に限らず三角形状や台形形状であってもよい。
【0051】
前記凸部64,65の形状は、図11(a)に示すように、前記コントロールロッド50の軸線からの距離である凸部高さhが中央列の凹部62側で高く、その両側の凹部61,63へ向かうにしたがって低くなっている。すなわち、前記凸部64,65には、それぞれ中央列の凹部62から他の凹部61または63に向かってコントロールロッド50の軸線に近づくように傾斜面が形成されており、この傾斜面の最上部は、凹部62と凹部61との間または凹部62と凹部63との間の中間点よりも中央列の凹部62に近い部分にある。
【0052】
前記のような凸部の形状により、前記ディテント部材55が前記中央列の凹部62から他の凹部61,63へ移動するときには、前記凸部64,65上に設けられた傾斜面の最上部を越えるまでは比較的大きな力が必要になるが、そこを越えた後は、該ディテント部材55に対するばね部材59の押圧付勢力によって自然に凹部61,63に移動するようになる。
【0053】
また、図10に示すように、3、4速及びニュートラル位置に対応する前記溝53の断面は略矩形であり、該溝53の底面は円弧面になっている。そして、図11(b)に模式的に示すように、前記ディテント部材55が溝53上にあるとき(図中では実線)には、該ディテント部材55の一部が溝53の内部に入り込み、溝53のない凹凸部60上にある場合(図中では二点鎖線)に比べて該ディテント部材55の中心が略0.2mm低くなる。このため、変速レバー7をニュートラル位置からニュートラルレーンr1に沿って動かす場合、すなわち前記ディテント部材55が溝53から抜け出して中央列の凹部62に沿って移動するときには、該ディテント部材55が溝53から抜け出る際に抵抗が生じることになり、ニュートラル時の該ディテント部材55の位置を決めることができる。一方、変速レバー7を3−4速レーンr3に沿ってシフト操作する場合には、前記ディテント部材55は前記溝53に沿って凹凸部60を乗り越えることになるが、この場合には図11(b)に示すように、その他の変速段に変速操作する場合(変速該溝53がない凹凸部60を乗り越える場合)の前記ディテント部材55の中心の軌跡と相似になるため、3速や4速への変速操作と他の変速段への変速操作とにおける節度感を同程度にすることができる。
【0054】
なお、前記溝53は、断面が半円状や三角形状であってもよく、底面も円弧面に限らず平面であってもよい。
【0055】
以下で変速操作時のコントロールロッド50の動作とこれによる前記係合部材52及びディテント部材55の相対移動について詳細に説明する。まず、変速レバー7をニュートラルレーンr1に沿ってセレクト操作する場合には、コントロールロッド50がその軸心まわり(A4−A4’方向)に回動するため、ディテント部材55が係合部材52の中央列の凹部62に沿って相対的に移動する。そして、変速レバー7がニュートラルレーンr1にあるときには、前述のとおり、第2レバー42は支持機構43によって第2ロッド40に対して一定の位置(図4に示す位置)になるように付勢されるため、前記コントロールロッド50も前記第2レバー42の動きに応じて軸心まわり(A4−A4’方向)に回動するように付勢される。このため、前記ディテント部材55は係合部材52の凹部62に沿って相対的に移動し、該係合部材52の溝53上に位置することになる。これにより、該ディテント部材55のニュートラル時の位置決めが安定する。
【0056】
すなわち、ニュートラル時には前記ディテント部材55が凹部62の溝53上の位置62aに常に導かれるようになり、変速レバー7は常にニュートラル位置に戻される(セレクトリターン)。そして、このセレクトリターンのための機構とともにディテント荷重を付与するディテント機構を用いて前記ディテント部材55のニュートラル時の位置を決めることができるため、ニュートラル時の位置決め装置を別途設ける必要がなくなり、変速機の構造を簡略化することが可能になる。
【0057】
次に、例えば、ニュートラルから1速へ変速する場合には、ニュートラルレーンr1から1−2速レーンr2への変速レバー7のシフト操作に応じて、コントロールロッド50が軸方向(B4−B4’方向)へ移動するため、前記ディテント部材55が前記係合部材52の中央列の凹部62の右側端部から凸部65を乗り越えて凹部63の右側端部63aへ相対的に移動する。同様にして、1速から2速へ変速操作する場合には、前記コントロールロッド50の軸方向(B4−B4’方向)への移動に伴い前記ディテント部材55が凹部63から凸部65を乗り越えて中央列の凹部62に相対的に移動し、続いて凸部64を乗り越えて凹部61の右側端部61aへ相対的に移動する。このことにより、前記ディテント部材55は凸部64,65を越える際に抵抗を受け、この抵抗がコントロールロッド50、第2ロッド40及び第1ロッド30を経由して変速レバー7に伝達されて、変速操作に節度感が付与される。
【0058】
また、前記凸部64,65の形状により、前記ディテント部材55が該凸部64,65を乗り越えて中央列の凹部62から他の凹部61,63へ移動するときには、途中から該ディテント部材55が凸部64,65の傾斜部に沿って自然に凹部61,63へ移動することになり、このことで、変速レバー7が変速位置に吸い込まれるような感触が得られ、変速操作のフィーリングが向上する。
【0059】
さらに、3速または4速へ変速する場合には、変速レバー7は1−2速レーンr2からニュートラルレーンr1へ移動し、一旦ニュートラルの位置まで戻った後、3−4速レーンr3へ移動する。この際、前記ディテント部材55は、ニュートラルレーンr1上でのセレクト操作によるコントロールロッド50の軸心まわり(A4−A4’方向)の回動によって、前記係合部材52の中央列の凹部62に沿って溝53上まで相対的に移動するとともに、3速または4速へのシフト操作によるコントロールロッド50の軸方向(B4−B4’方向)への移動に伴い前記溝53に沿って係合部材52の凸部64または65を乗り越えることになる。
【0060】
前記のように溝53に沿って3速または4速の位置へ凹凸部60上を移動するディテント部材の中心の軌跡は、例えば1速または2速へ変速するときに前記溝53のない凹凸部60を乗り越える場合の該ディテント部材55の中心の軌跡と相似になる。そのため、3速や4速への変速操作時と他の変速段への変速操作時とにおける節度感を同程度の滑らかなものにすることができる。
【0061】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、6速用の変速機Aに本願発明のディテント機構を用いているが、これに限らず、例えば5速用の変速機に用いるようにしてもよい。
【0062】
また、前記実施形態では、凹凸部60を設けた係合部材52をコントロールロッド50とは別部材としているが、これに限らず、例えばコントロールロッド50上に凹凸部60を設けて、前記係合部材52と前記コントロールロッド50とを一体にするなどのようにしてもよい。
【0063】
さらに、前記実施形態では、第1ロッド30及び第2ロッド40を介して変速レバー7の変速操作をコントロールロッド50に伝達するようにしているが、これに限らず、前記第1ロッド30及び第2ロッド40を介することなく、変速レバー7を直接、コントロールロッド50に連結させるようにしてもよい。
【0064】
また、前記実施形態では、変速操作のシフトパターンにおいて図5に示すように後退速を6速の隣りに配置しているが、これに限らず、1速、2速または5速のいずれか一つの隣りに後退速を配置するシフトパターンを用いるようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る変速機の変速操作機構によると、コントロールロッド上のディテント荷重特性設定部にそれぞれセレクト操作に対応する方向に延びる3列の凹部と、それらの各凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に交わるようにシフト操作に対応する方向に延びて、該凹部及び凸部における周方向の一部を窪ませるような所定幅の溝部とを設けて、該溝部と中央の凹部とが交わる位置をニュートラル位置としたため、ディテント部材のニュートラル位置決めが安定する。また、該ディテント部材が前記所定幅の溝上を移動する場合(ニュートラルから3速や4速への変速時)と、溝以外の部分を通って他の変速段へ変速する場合と、における前記ディテント部材の移動の軌跡相似るため、3速や4速への変速操作時と他の変速段への変速操作時とにおける節度感を同程度の滑らかなものにすることができる。
【0066】
請求項2記載の発明によると、ディテント部材が前記溝上を移動する場合(ニュートラルから3速や4速への変速時)と、溝以外の部分を通って他の変速段へ変速する場合と、における前記ディテント部材の移動の軌跡が相似になるため、3速や4速への変速操作時と他の変速段への変速操作時とにおける節度感を同程度の滑らかなものにすることができる。
【0067】
請求項3記載の発明によると、ディテント荷重特性設定部の溝部をスリーブ部材の軸方向一方の端部から他方の端部まで延びるように設けたため、この溝の加工を容易に行うことができ、生産性を向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のディテント荷重特性設定部の斜視図である。
【図2】 変速機の変速操作機構部分の構造図である。
【図3】 図2記載のI−I線における断面図である。
【図4】 図3記載のII−II線における断面図である。
【図5】 6速用変速機のシフトパターンを示す図である。
【図6】 図3記載のIII−III線における断面図である。
【図7】 図6記載のIV−IV線において5−6速用ゲート機構を中心として表した断面図である。
【図8】 図6記載のV−V線における断面図である。
【図9】 図6記載のIV−IV線において後退速用ゲート機構を中心として表した断面図である。
【図10】 本発明に係る係合部材の斜視図である。
【図11】 ディテント部材の凹凸部上の相対移動を示す説明図である。
【符号の説明】
A 変速機
7 変速レバー(チェンジレバー)
50 コントロールロッド
52 係合部材(スリーブ部材)
53 溝(溝部)
55 ディテント部材
59 ばね(付勢手段)
60 凹凸部(ディテント荷重特性設定部)
61〜63 凹部
64,65 凸部

Claims (3)

  1. チェンジレバーのセレクト操作に応じて周方向に回動するとともに、該チェンジレバーのシフト操作に応じて軸方向に移動するコントロールロッドと、該コントロールロッド上に少なくともその軸方向に凹凸を有するように設けられたディテント荷重特性設定部と、該ディテント荷重特性設定部に常時、当接するように押圧付勢されたディテント部材と、を備え、前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記コントロールロッドの軸方向への移動に伴い前記ディテント部材が前記ディテント荷重特性設定部の凹凸を乗り越えることによって、該チェンジレバーの操作に所定の荷重特性を付与するようにした変速機の変速操作機構において、
    前記ディテント荷重特性設定部には、
    前記コントロールロッドの周方向に長い凹部が、該コントロールロッドの軸方向に並んで3列設けられているとともに、
    前記3列の凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に対して交わるように前記軸方向に延び、且つ、該凹部及び凸部における前記周方向の一部を窪ませるような所定の幅を有する溝部が設けられており、
    前記ディテント部材は、前記チェンジレバーがニュートラルの位置にあるときに、前記3列の凹部のうちの中央の列と前記溝部とが交わる部分に位置するように配設されていて、
    前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記溝部上を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、前記ディテント荷重特性設定部の溝部以外の部分を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、が相似していることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  2. チェンジレバーのセレクト操作に応じて周方向に回動するとともに、該チェンジレバーのシフト操作に応じて軸方向に移動するコントロールロッドと、該コントロールロッド上に少なくともその軸方向に凹凸を有するように設けられたディテント荷重特性設定部と、該ディテント荷重特性設定部に常時、当接するように押圧付勢されたディテント部材と、を備え、前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記コントロールロッドの軸方向への移動に伴い前記ディテント部材が前記ディテント荷重特性設定部の凹凸を乗り越えることによって、該チェンジレバーの操作に所定の荷重特性を付与するようにした変速機の変速操作機構において、
    前記ディテント荷重特性設定部には、
    前記コントロールロッドの周方向に長い凹部が、該コントロールロッドの軸方向に並んで3列設けられているとともに、
    前記3列の凹部及び該凹部同士の間に形成される凸部に対して交わるように前記軸方向に延び、且つ、該凹部及び凸部における前記周方向の一部を窪ませるような所定の幅を有する溝部が設けられており、
    前記チェンジレバーのシフト操作時に、前記溝部上を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、前記ディテント荷重特性設定部の溝部以外の部分を軸方向に移動する際の前記ディテント部材の中心の軌跡と、が相似していることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  3. 請求項1または2の変速機の変速操作機構において、
    ディテント荷重特性設定部の溝部は、該ディテント荷重特性設定部が設けられたスリーブ部材を軸方向一方の端部から他方の端部まで延びるように設けられていることを特徴とする変速機の変速操作機構
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