JP2004353737A - 変速機の変速操作機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】6速の手動変速機において、チェンジレバーの遊びを低減させるとともに、後退速への変速操作時と他の変速段への変速操作時との違いを明確にする。
【解決手段】変速操作機構6の第1ロッド30(チェンジロッド)を変速機Aの上下方向に延びるように配設し、その上端に変速レバー7(チェンジレバー)の動きを伝達する。第1ロッド30の下部をオイルに浸漬するように設け、その外周部に第1及び第2円弧面34a,34b、テーパ部32及び溝部33からなるディテント荷重特性設定部を設けるとともに、そこに押圧付勢され、第1ロッド30の動作に応じて相対移動するようにディテント部材35を配設する。テーパ部32は、後退速へのセレクト操作時にディテント部材35が乗り越えるように設ける。溝部33はニュートラル時にディテント部材35が係合するように設ける。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手動操作により複数の変速段の中から1つの変速段を選択する自動車の手動変速機の変速操作機構に関し、特に、操作者に変速操作時の節度感を与えるとともにチェンジレバーの遊びを低減するための構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の手動変速機には、チェンジレバーの操作に応じて回動または軸方向に移動するコントロールロッドにより変速操作を伝達する機構が用いられている。例えば、特許文献1のものでは、チェンジレバーの動きをケーブルによってコントロールロッドに直接、伝達し、該コントロールロッドを動作させるようにしている。具体的には、チェンジレバーをセレクト操作すると、前記コントロールロッドが軸方向に移動し、該コントロールロッド上に設けられた突起部が各変速段のギヤに対応するシフトフォークのいずれかと係合する。そして、前記チェンジレバーをシフト操作すると、前記コントロールロッドの回動に伴い、前記の如く突起部に係合されたシフトフォークに対応する変速段のギヤが伝動状態となり、各変速段に変速するようになっている。
【0003】
前記変速機では、チェンジレバーの操作がコントロールロッドに直接、伝達されるようにしているが、構造上の制約から、チェンジレバーの操作を直接、コントロールロッドに伝達することができない場合には、図1に示すように、チェンジレバーによる操作を複数のロッドやリンクを介してコントロールロッドに伝達する構造を用いる場合がある。
【0004】
図1に示す変速機Aでは、チェンジレバーの変速操作は変速用ギヤまで以下のように伝達される。まず、変速レバー7(チェンジレバー)により変速操作を行うと、該変速レバーの動きがケーブル(伝動部材)によってセレクトレバー18またはシフトレバー20に伝達される。具体的には、前記変速レバー7をセレクト操作する場合には、このセレクト操作により前記セレクトレバー18がトランスミッションケース2との支持点を中心に左右方向に揺動(A1−A1’方向)するため、該セレクトレバー10の動きに応じて第1ロッド30(チェンジロッド)は軸方向(A2−A2’方向)に移動する。一方、前記変速レバー7をシフト操作する場合には、このシフト操作により前記シフトレバー20が前記第1ロッド30の軸心を中心として回動(B1―B1’方向)するため、該シフトレバー20の動きに応じて前記第1ロッド30がその軸心を中心として回動(B2−B2’方向)する。
【0005】
そして、前記第1ロッド30の動きは、該第1ロッド30上に係止された第1レバー31及び該第1レバー31に連結された第2レバー42を介して第2ロッド40に伝達され、そこからさらにコントロールロッド50に伝達される。該コントロールロッド50の周囲には、各変速段のギヤに対応する複数のシフトフォークが配設されており、前記コントロールロッド50の軸心を中心とした回動(A4−A4’方向)により、該コントロールロッド50上に設けられた爪部材102が1つのシフトフォークを選択するとともに、前記コントロールロッド50の軸方向の移動によって、前記選択されたシフトフォークが該コントロールロッド50と一緒に移動し、これにより該シフトフォークに対応する変速段のギヤが伝動状態になる。
【0006】
すなわち、変速レバー7をセレクト操作することにより、第1及び第2ロッド30,40を介してコントロールロッド50を回動させて、各変速段に対応するシフトフォークを選択することができる。そして、前記変速レバーをシフト操作することで、前記選択されたシフトフォークを軸方向に移動させて、該シフトフォークに対応する変速段のギヤを伝動状態とし、これにより、選択した変速段で車両を駆動することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−254270号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1に示すように、チェンジレバーの操作を直接、コントロールロッドに伝達する場合には、該チェンジレバーとコントロールロッドとの間にはリンク等によるがたがほとんど生じないと考えられるが、図1のようにチェンジレバーとコントロールロッドとの間に複数のロッドが介在する場合には比較的がたが大きくなり易く、チェンジレバーの遊びが大きくなって、変速操作時の操作感が低下してしまう。
【0009】
また、チェンジレバーのシフトパターン上で後退速がセレクト方向の端部に設けられることの多い6速の手動変速機の場合、その操作に不慣れな運転者が、例えば、1速に変速するつもりが間違って後退速へ変速してしまうなどのような操作ミスを生じる可能性がある。そして、このような操作ミスは、前述のようにチェンジレバーとコントロールロッドとの間のがたが大きい場合には、特に発生し易い。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、6速の手動変速機において、変速操作を伝達するリンクのがたによって発生するチェンジレバーの遊びを低減させて操作性を向上させるとともに、後退速への変速操作時と他の変速段への変速操作時との違いを明確にすることにより、変速操作ミスの発生を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、チェンジレバーの変速操作を伝達する変速操作機構において、変速機内に配設されたロッドのうちの最先のもの(チェンジロッド)に、後退速への変速操作に所定の節度感を付与するための第1ディテント機構とニュートラル位置決めのための第2ディテント機構とを設けた。
【0012】
具体的には、請求項1の発明では、セレクト方向の一方の端に後退速レーンが単独で設けられているシフトパターンに沿って操作されるチェンジレバーと、該チェンジレバーのセレクト操作に応じて軸方向に移動し、該チェンジレバーのシフト操作に応じて周方向に回動するチェンジロッドと、該チェンジロッドの動きを変速機構に伝達するコントロールロッドと、を備える変速機の変速操作機構を対象とする。
【0013】
そして、前記チェンジロッドは、変速機の上下方向に延びるように設けられ、前記チェンジロッドの上部には、前記チェンジレバーの操作を伝達する伝動部材が連結されているとともに、前記チェンジロッドの下部は前記変速機内のオイルに浸漬されており、該チェンジロッドの下部には、前記チェンジレバーの後退速レーンへの操作に対して所定の抵抗力を付与するための第1ディテント機構と、前記チェンジレバーのセレクト操作に対してニュートラル位置で所定の節度感を付与するための第2ディテント機構とが設けられている構成とする。
【0014】
この構成によれば、チェンジレバーの操作を伝達する経路において変速機内に配設されたロッドのうちの最初のものであるチェンジロッドに、第1及び第2ディテント機構を設けて、該第1ディテント機構により後退速への変速操作に対して所定の抵抗力を付与するとともに、前記第2ディテント機構によりニュートラル位置で所定の節度感を付与するようにしたので、チェンジロッドとコントロールロッドとの間に生じるがたに起因するチェンジレバーの遊びをなくして、変速操作における操作感を向上し、後退速への操作ミスを防止することができる。
【0015】
また、チェンジレバーの操作を伝達する伝動部材がチェンジロッドの上部に連結されているため、前記伝動部材の組み付け及び調整を変速機の上側で容易に且つ精度よく行うことが可能になる。
【0016】
さらに、前記第1及び第2ディテント機構は、変速機のオイルの中に浸漬されているチェンジロッドの下部に設けられているため、該第1及び第2ディテント機構での発生音を減衰させることができる。そして、車両を停止してから長時間経過後でも前記第1及び第2ディテント機構には常にオイルが介在するため、該第1及び第2ディテント機構の円滑な動作を安定的に確保できる。
【0017】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、チェンジロッドは、チェンジレバーが後退速レーンへ向かってセレクト操作されるときに軸方向の一側に向かって移動するように設けられており、第1ディテント機構は、前記チェンジロッドの外周に設けたディテント荷重特性設定部に対して弾性的に押圧付勢されるよう、変速機ケース側にディテント部材を設けてなり、前記ディテント荷重特性設定部は、前記チェンジレバーが後退速レーンへセレクト操作されるときに前記ディテント部材と接触する範囲には、前記チェンジロッド軸方向の一側に向かって該チェンジロッド軸線からの距離が小さくなるように傾斜部が形成されているとともに、前記チェンジレバーが後退速レーンにあるときに前記ディテント部材と接触する範囲には、前記チェンジロッド軸線を中心とする円周面部が形成されているものとする。
【0018】
このことにより、第1ディテント機構は、チェンジレバーの後退速レーンへのセレクト操作によるチェンジロッドの移動に伴い、ディテント部材が該チェンジロッド上のディテント荷重特性設定部において傾斜部を乗り越えるような構成にしたため、後退速へのセレクト操作時にチェンジレバーの操作荷重を増大させて、所定の抵抗力を付与することができる。続いて、後退速へシフト操作するときには、前記ディテント部材がチェンジロッドの軸線を中心とする円周面上を相対移動することになり、前記チェンジレバーの操作荷重が小さく且つ略一定となって操作感が向上する。
【0019】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、第2ディテント機構は、チェンジレバーがニュートラル位置にあるときにディテント部材と係合するように、ディテント荷重特性設定部においてチェンジロッドの周方向に長く形成された溝部であるものとする。
【0020】
これにより、チェンジレバーがニュートラル位置にあるときには、ディテント部材が溝部に係合することで、チェンジロッドの動きが規制され、これによりチェンジレバーの遊びをなくすことができる。
【0021】
また、前記溝部をチェンジロッドの周方向に長くなるように設けているので、ニュートラルから3速または4速への変速時には、前記チェンジロッドの回動により前記ディテント部材が前記溝部に沿って相対移動することになり、これにより、変速操作をスムーズに行うことができる。
【0022】
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか一つの発明において、チェンジロッドの動きをコントロールロッドに伝達するレバー部材が設けられており、該レバー部材には、前記チェンジロッドの下部に外嵌合状態で固定されるスリーブ部が設けられていて、このスリーブ部の表面にディテント荷重特性設定部が設けられているものとする。
【0023】
こうすれば、コントロールロッドにチェンジロッドの動きを伝達するためのレバー部材を利用して第1及び第2ディテント機構を構成することができるため、変速機内部の構造を簡略化することができるとともにコストを低減することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0025】
(変速機の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る変速機Aの一例を示し、自動車のエンジンからの回転出力を駆動輪に伝達するとともに、その変速比を手動による変速操作に応じて段階的に変更する変速ギヤ列からなる変速機構を有するものである。この変速機構は、トランスミッションケース2(変速機ケース)に軸受を介して回転自在に支持されて、エンジンの出力に応じて回転されるプライマリシャフト3と、同じく前記トランスミッションケース2に前記プライマリシャフト3に並行に配置され、軸受を介して回転自在に支持されたセカンダリシャフト4とを備えている。該セカンダリシャフト4は図示しない左右の前輪の車軸5に連結され、回転を伝達するようになっている。また、図1に仮想線で示すように前記トランスミッションケース2の内部には、前記変速機構による変速の動作を円滑に行うためのオイルが該ケース2の下側略半分まで満たされており、後述するコントロールロッド50等、変速操作機構6の一部分は該オイルに浸漬されている。
【0026】
そして、詳細は図示しないが、前記プライマリシャフト3及びセカンダリシャフト4上には、それぞれ7個のギヤが配置され、1〜6速及び後退速の7組のギヤ列を構成しており、それらのいずれかのギヤ列が選択的に動力を伝える伝動状態とされることで、前記変速機Aが1〜6速及び後退速の各変速段に切り替えられるようになっている。すなわち、プライマリシャフト3とセカンダリシャフト4とは各変速段に対応するギヤ列により駆動連結されるようになっており、これにより、エンジンからの回転出力が前記ギヤ列に対応した各変速段の回転出力に変換されることになる。
【0027】
また、変速機Aには、前記変速機構において伝動状態とするギヤ列を選択し、これにより変速段を切り替えるための変速操作機構6が設けられている。この変速操作機構6は、変速レバー7(チェンジレバー)の操作を前記変速機構に伝達し、該変速レバー7が図4に示すシフトパターンの1〜6速または後退速のいずれかの位置にあるときには、各変速段に対応するギヤ列を伝動状態にする一方、前記変速レバー7がニュートラルレーンr1にあるときにはエンジンからの回転出力を伝達しない非伝動状態にするものである。なお、前記ニュートラルレーンr1は変速レバー7のセレクト操作が行われるレーンであり、図4において符号r2〜r5はそれぞれ変速レバー7のシフト操作が行われる1−2速レーン、3−4速レーン、5−6速レーン及び後退速レーンである。つまり、この実施例では、後退速レーンr5が1−2速レーンr2に隣接するようにシフトパターンのセレクト方向の一方の端に設けられている。
【0028】
以下に、前記変速操作機構6の構造について図1〜図8を用いて詳細に説明する。該変速操作機構6は、運転者により変速レバー7のセレクト操作及びシフト操作がケーブル等により伝達されるセレクトレバー18及びシフトレバー20と、トランスミッションケース2内に配設されて前記セレクトレバー18及びシフトレバー20の動きを変速機構に伝達するための第1ロッド30、第2ロッド40及びコントロールロッド50とを備えている。該コントロールロッド50は、図1にも示すようにプライマリシャフト3やセカンダリシャフト4と平行に配置されていて、詳しくは後述するが、シフトフォークを介してプライマリシャフト3やセカンダリシャフト4上のギヤの同期装置を選択的に作動させ、これにより、各変速段に切り替えるようになっている。
【0029】
図1に示すように、前記セレクトレバー18は、略L字形状のものであり、トランスミッションケース2の外側に設けられたブラケット2aにより略水平な支軸の周りに回動自在に支持されている。該セレクトレバー18の一方の端部には、変速レバー7のセレクト操作を伝えるためのセレクトケーブル19(伝動部材)の一方の端部が取り付けられ、他方の端部は前記シフトレバー20に連結されている。
【0030】
そのシフトレバー20は、トランスミッションケース2の外へ突出し、該ケース2の上下方向に延びるように配設された第1ロッド30の上端にピン21、21で固定されているとともに、変速レバー7によるシフト操作を変速操作機構6に伝達するシフトケーブル22(伝動部材)の一方の端部が連結されている。該シフトケーブル22のもう一方の端部は前記変速レバー7に取り付けられており、該変速レバー7をシフト操作する場合には、そのシフト操作に応じて前記シフトレバー20及び第1ロッド30が該第1ロッド30の軸心の周りに回動するようになっている。なお、該第1ロッド30は、軸方向への移動と軸心を中心とした回動とが自在に行えるようにトランスミッションケース2に支持されていて、上記シフトレバー20と一体で動作する。
【0031】
したがって、前記の構成により、変速レバー7をニュートラルレーンr1に沿ってセレクト操作すると、セレクトケーブル19を介してセレクトレバー18がブラケット2aとの支持点を中心として回動(図1においてA1−A1’方向)するため、シフトレバー20を介して前記第1ロッド30がその軸方向(A2−A2’方向)に移動することになる。一方、前記変速レバー7をシフト操作する場合には、シフトケーブル22に連結されたシフトレバー20によって第1ロッド30がその軸心の周りに回動(B2−B2’方向)される。
【0032】
なお、上記の如く、セレクトケーブル19及びシフトケーブル22がトランスミッションケース2の外部でセレクトレバー18及びシフトレバー20にそれぞれ連結されているため、取り付け作業が容易になるうえ、該ケーブル19,20の調整も精度良く行うことができる。
【0033】
また、前記第1ロッド30の下部には、図3に示すように、後述する第1レバー31(レバー部材)がボルト32で締結されている。このため、前記第1ロッド30が変速操作に応じて軸方向(図1及び図3においてA2−A2’方向)へ移動したり、その軸心を中心として回動(図1〜図3においてB2−B2’方向)したりする場合には、前記第1レバー31も前記第1ロッド30と一体で移動または回動する。
【0034】
前記第1レバー31は、図5に示すように、前記第1ロッド30に外挿される略円筒状のスリーブ部31aと、該スリーブ部31aから前記第2ロッド40方向に延びるとともにその先端が二股状になっている第1レバー腕部31bと、該第1レバー腕部31bとは前記第1ロッド30の軸線Zを挟んで反対側のスリーブ部31a上に設けられた膨出部31cと、を備えており、該膨出部31cの表面の所定部位には、テーパ部32(傾斜部)と溝部33とからなる凹凸面が設けられているとともに、図3に示すように、その凹凸面に対してばね部材38aによって押圧付勢されるようにディテント部材35が配設されている。
【0035】
このことにより、詳しくは後述するが、変速レバー7の操作に応じて前記第1レバー31が回動または移動するときには、該第1レバー31の凹凸面に対して前記ディテント部材35が相対移動することになり、このときに該ディテント部材35の受ける抵抗が変速操作における所定の節度感として付与される。このように、変速操作に所定の節度感を与える機構をディテント機構と呼び、その節度感を設定する凹凸面をディテント荷重特性設定部と呼ぶ。そして、前記ディテント部材35と前記テーパ部32とにより構成されるディテント機構が、「チェンジレバーの後退速レーンへの操作に対して所定の抵抗力を付与するための第1ディテント機構」に、また、前記ディテント部材35と前記溝部33とにより構成されるディテント機構が、「チェンジレバーのセレクト操作に対してニュートラル位置で所定の節度感を付与するための第2ディテント機構」にそれぞれ対応している。
【0036】
前記第2ロッド40は、前記第1ロッド30に並行に配置されており、図3に示すように、該第2ロッド40の下部がピン41によってトランスミッションケース2に固定されている。そして、該第2ロッド40には、前記第1レバー31に向かって延びるとともに、その二股状の先端部でピン33によって該第1レバー31と回動自在に係合する第2レバー42が、後述する支持機構43を介して取り付けられている。このことにより、前記第1レバー31が回動または移動する場合には、その動きに応じて前記第2レバー42も回動または移動するようになっている。
【0037】
具体的には、前記第1レバー31が第1ロッド30の軸心を中心として回動(B2−B2’方向)する場合には、その動きに応じて前記第2レバー42が第2ロッド40を中心として回動(B3−B3’方向)することになり、前記第1レバー31が軸方向(A2−A2’方向)に移動する場合には、その動きに応じて前記第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動することになる。
【0038】
ここで、前記第2レバー42と第2ロッド40との間に設けられている前記支持機構43について説明する。該支持機構43は、図3に示すように、前記第2レバー42と第2ロッド40との間に配設され、該第2ロッド40に対して第2レバー42を回動または軸方向に移動可能に支持するベアリング44と、該ベアリング44の一端(図の上端)に配設された第1取付部材45と、一端がトランスミッションケース2に当接し、前記第2レバー42と第2ロッド40との間に配設された第2取付部材46と、前記第1取付部材45と第2取付部材46との間に配設されて第2レバー42を付勢するばね47と、により構成されている。この構成により、前記第2レバー42が図3の位置から第2ロッド40の軸方向に上下移動した場合には、該第2レバー42は前記ばね47によって図3の元の位置まで戻るように付勢される。このことにより、前記第2レバー42と連動する変速レバー7がニュートラルレーンr1にあるときには、該変速レバー7はニュートラルに位置するように付勢される。
【0039】
さらに、前記第2レバー42は、コントロールロッド50と連結されており、前述のような第1レバー31の回動または移動という動きを該コントロールロッド50に伝達するようになっている。詳しくは、図2に示すように、前記コントロールロッド50には概略円筒状の係合部材52が外挿されて、ピン51で固定されており、該係合部材52から前記第2レバー42に向かって突出するように設けられた球状の突起部52cが、当該第2レバー42に設けられた凹部に摺動可能に係合している。
【0040】
そして、図1に示すように、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動する場合には、コントロールロッド50がその軸心を中心として回動(A4−A4’方向)する。一方、図2に示すように、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸心を中心として回動(B3−B3’方向)する場合には、コントロールロッド50がその軸方向(B4−B4’方向)に移動することになる。
【0041】
また、図2に示すように、前記係合部材52の表面には、所定形状の凹凸部60が設けられているとともに、その凹凸部60に対してばね部材59により押圧付勢されるように球部材55が配設されている。このことで、変速操作に応じて前記コントロールロッド50とともに前記係合部材52が回動または軸方向に移動する場合には、この係合部材52表面の凹凸部60上を前記球部材55が相対的に移動することになり、これにより変速操作に節度感を付与することができる。
【0042】
前記図2に示すように、前記コントロールロッド50には、外周に爪部を有する円筒状の爪部材102が外挿されて、ピン101により固定されている。該爪部材102は、1−2速、3−4速、5−6速及び後退速にそれぞれ対応して設けられている4本のシフトフォーク70〜72,75(図2には1−2速用シフトフォーク70と3−4速用シフトフォーク71とを示す)のいずれか一つに選択的に係合して軸方向に移動させるためのものである。そして、前記4本のシフトフォーク70〜72,75がそれぞれ対応する各変速段のギヤを伝動状態にすることで、変速機Aが各変速段に切り替えられる。
【0043】
前記シフトフォーク70〜72,75の構造について以下で詳細に説明すると、1−2速用シフトフォーク70は、図2に示すように、前記爪部材102の近傍(図2では上方)の前記コントロールロッド50上に相対移動可能に嵌合されたスリーブ状の基部70aと、該基部70aに一体に形成され、図示しない1−2速用同期装置に係合する係合部を有する第1腕部70bと、前記基部70aから前記爪部材102に向かって延びる第2腕部70cと、該第2腕部70cの先端部が凹状に切り欠かれて爪部材102と係合可能に位置づけられた1−2速用ゲート部70dと、により構成されている。この構成により、変速レバー7のセレクト操作によって前記コントロールロッド50をその軸心まわり(A4−A4’方向)に回動させて、その爪部材102を前記1−2速用シフトフォーク70のゲート部70dに係合させれば、その後、変速レバー7のシフト操作による前記コントロールロッド50の軸方向(B4−B4’方向)への移動によって前記1−2速用シフトフォーク70も一緒に移動させることができ、この1−2速用シフトフォーク70の第1腕部70bにより1−2速用同期装置を作動させて1速または2速のどちらか一方の変速ギヤを伝動状態にすることができる。
【0044】
また、3−4速用シフトフォーク71は、図2の他、図6にも示すように、1−2速用シフトフォーク70と同様、前記爪部材102の近傍(図2では下方)のコントロールロッド50上に相対移動可能に嵌合された基部71aと、図示しない3−4速用同期装置に係合する係合部71cを有する第1腕部71bと、爪部材102と係合可能な3−4速用ゲート部71eを有する第2腕部71dと、を備えており、前述の1−2速用シフトフォーク70の場合と同様に、3−4速用ゲート部71eがコントロールロッド50の爪部材102と係合して、その軸方向(B4−B4’方向)へ移動されることにより、3速または4速のどちらか一方の変速ギヤを伝動状態にすることができる。
【0045】
また、5−6速用シフトフォーク72は、図6および図7に示すように、コントロールロッド50に平行に設けられた5−6速用シフトロッド80の一端に嵌合され、ピン81で固定されている基部72aと、該基部と一体に形成される腕部72bと、図示しない5−6速用同期装置に係合する係合部72cとを備えており、前記5−6速用シフトロッド80と一体でその軸方向(B4−B4’方向)に移動するようになっている。その5−6速用シフトロッド80の長さ方向の中間部には、前記コントロールロッド50の爪部材102に係合可能な5−6速用ゲート部73aを有する5−6速用ゲート部材73がボルト74で固定されている。前記の構成により、1−2速用及び3−4速用シフトフォーク70,71の場合と同様、変速レバー7のセレクト操作により5−6速用のゲート部73aと爪部材102とを係合させて、シフト操作によりコントロールロッド50とともに5−6速用シフトフォーク72を軸方向へ移動(B4−B4’方向)させることで、5速または6速のどちらかに変速することができる。
【0046】
さらに、後退速用シフトフォーク75は、図8に示すように前記5−6速用シフトロッド80上を相対移動可能に嵌合されたスリーブ状の基部75aと、該基部75aから図示しない後退速用同期装置に向かって延びる第1腕部75bと、を有している。前記基部75aには第1腕部75bに並設して第2腕部75cが設けられ、後退速用ゲート部75dが、前記1−2速用ゲート部70d、3−4速用ゲート部71e及び5−6速用ゲート部73aを跨る前記第2腕部75cの先端に設けられている。この構成により、前記シフトフォーク70,71,72と同様に、セレクト操作によって前記爪部材102を前記後退速用ゲート部75dと係合させ、シフト操作によってコントロールロッド50の軸方向へ前記後退速用シフトフォーク75を移動させることで、後退速のギヤを伝動状態にすることができる。
【0047】
以上の構成による前記変速機Aの動作についてまとめると次のとおりとなる。まず、運転者が変速レバー7をニュートラルレーンr1に沿ってセレクト操作すると、図1に矢印A1−A1’として示すように、セレクトケーブル19を介してセレクトレバー18がブラケット2aとの支持点を中心に回動するため、第1ロッド30が軸方向(A2−A2’方向)に移動する。そのときには、該第1ロッド30に固定された第1レバー31が該第1ロッド30の軸方向(A2−A2’方向)に移動するため、該第1レバー31に連結された第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動する。これにより、図2にも示すように、該第2レバー42に連結されたコントロールロッド50が自身の軸心まわり(A4−A4’方向)に回動し、該コントロールロッド50の爪部材102がシフトフォーク70〜72,75の中のいずれか一つに係合する。
【0048】
その状態で運転者が変速レバー7を1−2速、3−4速、5−6速または後退速のいずれかのレーンr2〜r5に沿ってシフト操作すると、シフトケーブル22を介して前記シフトレバー20が第1ロッド30の軸心を中心として回動(B1−B1’方向)するため、該シフトレバー20に固定された第1ロッド30がその軸心まわり(B2−B2’方向)に回動する。そのときには、該第1ロッド30に固定された前記第1レバー31が該第1ロッド30の軸心まわり(B2−B2’方向)に回動するため、該第1レバー31に連結された前記第2レバー42も第2ロッド40の軸心まわり(B3−B3’方向)に回動する。これにより、該第2レバー42に連結されたコントロールロッド50が軸方向に移動(B4−B4’方向)し、前記セレクト操作時に爪部材102に係合したシフトフォークのみがコントロールロッド50の軸方向(B4−B4’方向)に移動して、該シフトフォークに係合した同期装置の作動により1〜6速または後退速のいずれかのギヤが非伝動状態から伝動状態に移行することになる。
【0049】
前記の構成に加えて、前記変速機Aには、前記変速操作機構6を変速操作のシフトパターンに対応して円滑に動作させるための変速操作案内機構200が設けられている。該変速操作案内機構200は、図2に示すように、トランスミッションケース2に支持され、自身の軸方向への移動や回動が可能なガイドロッド201と、一方の端部が該ガイドロッド201にピン202で固定され、もう一方の端部に形成された球状部が前記第2レバー42に設けられた凹部と摺動自在に係合されている連結部材203と、を備えている。この構造により、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸方向(図1のA3−A3’方向)に移動する場合には、前記連結部材203を介して前記ガイドロッド201が軸心を中心として回動(A5−A5’方向)する一方、前記第2レバー42が第2ロッド40の軸心を中心として回動(B3−B3’方向)する場合には、前記ガイドロッド201が軸方向に移動(B5−B5’方向)する。
【0050】
つまり、運転者が変速レバー7をセレクト操作する場合には、前記第2レバー42が前記第2ロッド40の軸方向(A3−A3’方向)に移動するため、前記連結部材203を介して前記ガイドロッド201は軸心を中心として回動(A5−A5’方向)することになる。一方、変速レバー7をシフト操作する場合には、前記第2レバー42が前記第2ロッド40の軸心を中心として回動(B3−B3’方向)するため、前記連結部材203を介して前記ガイドロッド201は軸方向(B5−B5’方向)に移動することになる。
【0051】
また、前記ガイドロッド201には、一方の端部を該ガイドロッド201にピン206で固定されたガイドピン207が連結されている。そして、該ガイドピン207のもう一方の端部は、トランスミッションケース2にボルト204,204で固定されたガイドプレート205に設けられ、図4に示す変速のシフトパターンに対応する溝に係合している。このことにより、前記ガイドロッド201が変速レバー7のシフト操作に伴い自身の軸方向(B5−B5’方向)に移動したり、セレクト操作により該ガイドロッド201の軸心を中心に回動(A5−A5’方向)したりするときには、前記ガイドピン207は前記ガイドプレート205の溝に沿って案内されることになり、これにより、変速操作がシフトパターンに沿って円滑に行われる。
【0052】
(ディテント機構)
以下に本願の発明の特徴部分であるディテント機構について詳細に説明する。該ディテント機構は、後退速への変速操作に他の変速段への変速操作とは異なる節度感を与えることにより、操作者のシフトミスを減少させるとともに、変速レバー7の遊びを減少させて変速操作時の操作性を向上させるためのものである。そして、このディテント機構は、第1ロッド30と一体に動作する第1レバー31の膨出部31c表面に形成されたテーパ部32及び溝部33を有するディテント荷重特性設定部と、該ディテント荷重特性設定部に当接するように押圧付勢されている球状のディテント部材35と、により構成されている。
【0053】
前記膨出部31cは、図5に示すように、第1ロッド30に外挿される円筒状のスリーブ部31a上に設けられており、該膨出部31cの表面には、前記第1ロッド30の軸線を中心として第1円弧面34aと、該第1円弧面34aに対して前記第1ロッドの軸線Z方向に離間する相対的に大径の第2円弧面34bと、が形成されている。また、前記第1円弧面34aと第2円弧面34bとの間にはテーパ部32が形成されるとともに、前記第1円弧面34aの略中央の周方向には、球状のディテント部材35よりも小さい半径の略半円状断面を有する溝部33が形成されていて、それら第1及び第2円弧面34a,34bと、テーパ部32と、溝部33とにより、ディテント荷重特性設定部が構成されている。
【0054】
一方、前記ディテント部材35は、図3に示すように、トランスミッションケース2の筒状部2bに内嵌されている蓋部材36上に設けられており、前記第1レバー31の膨出部31cの表面(ディテント荷重特性設定部)に当接するように配設されている。すなわち、前記蓋部材36と前記筒状部2b内に配設されたストッパ部材37との間には、ばね部材38aが配設されているため、前記蓋部材36上に設けられたディテント部材35は前記ディテント荷重特性設定部に向かって押圧付勢されている。なお、前記ストッパ部材37は、該ストッパ部材37とトランスミッションケース2に螺合されているねじ部材39との間に配設されたばね部材38bによって、前記筒状部2aに設けられた段差部2cに押圧付勢されている。
【0055】
そのため、変速レバー7の変速操作に応じて第1ロッド30及び第1レバー31が回動または軸方向に移動する場合には、前記ディテント部材35は該第1レバー31のディテント荷重特性設定部上を第1ロッド30の軸線に対して周方向または軸方向に相対移動することになる。
【0056】
ここで、前記ディテント荷重特性設定部に対する前記ディテント部材35の位置は、図4に示すシフトパターン上での変速レバー7の位置に対応しており、具体的には、前記ディテント部材35が、前記ディテント荷重特性設定部上を第1ロッド30の軸方向(A2−A2’方向)に相対移動する場合がニュートラルレーンr1に、溝部33に位置している場合がニュートラル位置に、前記溝部33に沿って円周方向に相対移動する場合が3−4速レーンr3にそれぞれ対応している。また、前記ディテント部材35が、テーパ部32に位置している場合がニュートラルレーンr1と1−2速レーンr2との交点付近に、第2円弧面34b上を円周方向に相対移動する場合が後退速レーンr5にそれぞれ対応している。
【0057】
なお、前記テーパ部32は1−2速レーンr2と後退速レーンr5との間のニュートラルレーンr1上に対応付けて設けるようにしてもよい。
【0058】
上記の構成により、変速レバー7の操作に対応してディテント機構は次のとおり動作する。まず、変速レバー7を図4に示すシフトパターンのニュートラルレーンr1に沿ってセレクト操作するときには、第1ロッド30の軸方向(A2−A2’方向)への移動に合わせて第1レバー31も移動するため、ディテント部材35がディテント荷重特性設定部の第1円弧面34a上を前記第1ロッド30の軸方向(A2−A2’方向)に相対移動する。その際、前述のとおり、前記第1レバー31と連動する第2レバー42が支持機構43によって一定の位置(図3に示す位置)になるように付勢されているため、前記第1レバー31も前記第2レバー42の動きに応じて第1ロッド30の軸方向(A2−A2’方向)について一定位置になるように付勢される。
【0059】
そして、前記のように第1レバー31が軸方向(A2−A2’方向)に付勢されることにより、前記ディテント部材35は前記第1円弧面34a上を第1ロッド30の軸方向に相対移動し、該第1円弧面34aに形成された溝部33に係合するようになる。このようにして、第1ロッド30及び第1レバー31に対する前記ディテント部材35のニュートラル時の位置が決まることで、該第1ロッド30に連結されている変速レバー7のニュートラル位置での遊びが減少する。
【0060】
次に、例えば、ニュートラルから3速または4速へ変速操作するときには、変速レバー7のシフト操作に応じて第1ロッド30及び第1レバー31が軸心まわり(B2−B2’方向)に回動するため、前記ディテント部材35はディテント荷重特性設定部の溝部33に沿って相対移動する。このことにより、ニュートラルから3速または4速への変速操作をスムーズに行うことが可能になり、変速操作のフィーリングが安定する。
【0061】
さらに、ニュートラルから後退速へ変速するときには、変速レバー7のセレクト操作に応じて第1ロッド30とともに第1レバー31が軸方向(A2−A2’方向)に移動するとともに、後退速へのシフト操作により第1ロッド30及び第1レバー31が軸心まわり(B2−B2’方向)に回動する。そのため、ディテント部材35は、前記セレクト操作により、ディテント荷重特性設定部の第1円弧面34a上を軸方向(A2−A2’方向)に移動し、テーパ部32を乗り越えて第2円弧面34bまで移動するとともに、続くシフト操作により、該第2円弧面34b上を周方向(B2−B2’方向)に移動することになる。
【0062】
このことにより、後退速へセレクト操作する場合には、前記ディテント部材35がテーパ部32を乗り越えるときに変速レバー7の操作荷重が増大し、これにより、他の変速段への変速操作とは異なる節度感を付与することができるため、間違って他の変速段へ変速操作するなどのミスシフトを防止することができる。また、ディテント荷重特性設定部におけるテーパ部32の位置がシフトパターン上の所定位置に対応付けて設定されているので、その所定の位置を前記変速レバー7が通過するときにはいつでも操作荷重が増大することになり、操作荷重立ち上がりのストロークポイントがばらつかず、安定化する。
【0063】
また、前記ディテント部材35が前記テーパ部32を乗り越えた後は、円弧面34b上を相対移動するディテント部材35の中心の軌跡と第1ロッド30の軸線との距離が一定になり、その際の操作荷重が比較的小さく且つ略一定になるため、スムーズに後退速へシフト操作を行うことができる。
【0064】
さらに、前記ディテント機構は、図1に示すとおりオイルに浸漬されているため、テーパ部32及び溝部33が形成された膨出部31cとディテント部材35とが当接することによって生じる当接音を減衰させることができるとともに、車両停止から長時間経過後でも前記膨出部31cとディテント部材35との間には常にオイルが介在するため、変速操作のフィーリング悪化を防止することができる。
【0065】
以上より、この実施形態では、変速機Aに設けられている複数のロッドの中で最初に変速レバー7の操作が伝達されるチェンジロッド30上にテーパ部32及び溝部33からなるディテント荷重特性設定部を設けるとともに、該ディテント荷重特性設定部に対し球状のディテント部材35を押圧付勢して、第1及び第2ディテント機構を構成し、これにより、後退速へのセレクト操作時には、前記ディテント部材35が前記テーパ部32を乗り越えることにより他の変速段への変速操作と異なる節度感を付与することができるとともに、ニュートラル時にはディテント部材35が前記溝部33に係合することにより変速レバー7の遊びをなくすことができるようにした。このことにより、変速操作の操作性を向上させるとともに操作ミスをなくすことができる。
【0066】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、図4に示すように、後退速を1速の隣り(左側)に配置するようにしているが、これに限らず、2速の左側、5速の右側または6速の左側のいずれか一つに配置するようにしてもよい。
【0067】
また、前記実施形態では、テーパ部32及び溝部33を第1レバー31上に設けるようにしているが、これに限らず、例えば第1ロッド30上に直接、前記テーパ部32及び溝部33の少なくとも一つを設けるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る変速機の変速操作機構によると、変速機に設けられている複数のロッドの中でチェンジレバーの動きが最初に伝達されるチェンジロッドに第1及び第2ディテント機構を設けるようにしたため、ニュートラルでの遊びをなくし、後退速へのセレクト操作時には所定の節度感を付与することができる。このことにより、変速操作における操作性が向上し、変速操作のミスを防止することができる。
【0069】
また、前記第1及び第2ディテント機構をオイルに浸漬されているチェンジロッドの下部に設けたため、該ディテント機構での発生音を減衰することができるとともに、車両停止から長時間経過後でも変速操作のフィーリング悪化を防止することができる。
【0070】
請求項2記載の発明によると、チェンジレバーの後退速への操作時には、ディテント部材がチェンジロッド上に設けられた傾斜部を乗り越えた後、該チェンジロッドの軸線を中心とする円周面部上を相対移動するようにしたため、操作の初期に所定の節度感を付与することができるとともに、その後の操作荷重を小さくすることができ、これにより、操作性を向上させることができる。
【0071】
請求項3記載の発明によると、チェンジロッド表面の周方向に溝部を設け、ニュートラル時にはディテント部材が該溝部に位置するようにしたため、チェンジレバーの遊びをなくすことができるとともに、ニュートラルから3速または4速への変速操作をスムーズなものとすることができる。
【0072】
請求項4記載の発明によると、ディテント荷重特性設定部をレバー部材のスリーブ部に設けるようにしたため、該ディテント荷重特性設定部を他の部材と兼用して、変速機内部の構造の簡略化及びコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変速機Aの変速操作機構部分の構造図である。
【図2】図1記載のI−I線における断面図である。
【図3】図2記載のII−II線における断面図である。
【図4】6速用変速機のシフトパターンを示す図である。
【図5】第1レバーの正面図である。
【図6】図2記載のIII−III線における断面図である。
【図7】図6記載のIV−IV線において5−6速用ゲート機構を中心として表した断面図である。
【図8】図6記載の白抜き矢印S方向から見て後退速用ゲート機構を中心として表した図である。
【符号の説明】
A 変速機
2 トランスミッションケース(変速機ケース)
7 変速レバー(チェンジレバー)
30 第1ロッド(チェンジロッド)
31 第1レバー(レバー部材)
31a スリーブ部
31c 膨出部
32 テーパ部(傾斜部)
33 溝部
34a 第1円弧面
34b 第2円弧面(円周面部)
35 ディテント部材
50 コントロールロッド
r5 後退速レーン

Claims (4)

  1. セレクト方向の一方の端に後退速レーンが単独で設けられているシフトパターンに沿って操作されるチェンジレバーと、該チェンジレバーのセレクト操作に応じて軸方向に移動し、該チェンジレバーのシフト操作に応じて周方向に回動するチェンジロッドと、該チェンジロッドの動きを変速機構に伝達するコントロールロッドと、を備える変速機の変速操作機構において、
    前記チェンジロッドは、変速機の上下方向に延びるように設けられ、
    前記チェンジロッドの上部には、前記チェンジレバーの操作を伝達する伝動部材が連結されているとともに、
    前記チェンジロッドの下部は前記変速機内のオイルに浸漬されており、
    該チェンジロッドの下部には、
    前記チェンジレバーの後退速レーンへの操作に対して所定の抵抗力を付与するための第1ディテント機構と、
    前記チェンジレバーのセレクト操作に対してニュートラル位置で所定の節度感を付与するための第2ディテント機構とが設けられていることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  2. 請求項1の変速機の変速操作機構において、
    チェンジロッドは、チェンジレバーが後退速レーンへ向かってセレクト操作されるときに軸方向の一側に向かって移動するように設けられており、
    第1ディテント機構は、前記チェンジロッドの外周に設けたディテント荷重特性設定部に対して弾性的に押圧付勢されるよう、変速機ケース側にディテント部材を設けてなり、
    前記ディテント荷重特性設定部は、
    前記チェンジレバーが後退速レーンへセレクト操作されるときに前記ディテント部材と接触する範囲には、前記チェンジロッド軸方向の一側に向かって該チェンジロッド軸線からの距離が小さくなるように傾斜部が形成されているとともに、
    前記チェンジレバーが後退速レーンにあるときに前記ディテント部材と接触する範囲には、前記チェンジロッド軸線を中心とする円周面部が形成されていることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  3. 請求項2の変速機の変速操作機構において、
    第2ディテント機構は、チェンジレバーがニュートラル位置にあるときにディテント部材と係合するように、ディテント荷重特性設定部においてチェンジロッドの周方向に長く形成された溝部であることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つの変速機の変速操作機構において、
    チェンジロッドの動きをコントロールロッドに伝達するレバー部材が設けられており、
    該レバー部材には、前記チェンジロッドの下部に外嵌合状態で固定されるスリーブ部が設けられていて、このスリーブ部の表面にディテント荷重特性設定部が設けられていることを特徴とする変速機の変速操作機構。
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