JP4373547B2 - 多数個取り配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板となる配線基板領域を広面積の母基板中に縦横に多数個配列形成して成る多数個取り配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板は、例えば、上面中央部に電子部品が搭載される搭載部を有する略四角平板状のセラミックから成る絶縁基体に、この絶縁基体の上面から下面にかけて導出する複数のメタライズ配線導体を配設させて成る。そして、絶縁基体の搭載部に電子部品を搭載固定するとともに、この電子部品の各電極をメタライズ配線導体に金属バンプやボンディングワイヤを介して電気的に接続し、しかる後、その上面に電子部品を覆うようにして封止用の樹脂や蓋体を固着させることにより電子部品を気密に封止することによって製品としての電子装置となる。
【0003】
ところで、このような配線基板は、近時における電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが数mm角程度の極めて小さなものとなってきている。そして、このような小型化した配線基板は、その取り扱いを容易とするとともに製造効率を高いものとするために、多数個の小型配線基板を一枚の広面積の母基板から同時集約的に得るようになした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
【0004】
このような多数個取り配線基板は、広面積の母基板中にそれぞれが小型の配線基板となる多数の配線基板領域が各々分割線で区切られて縦横に一体的に配列形成されて成り、各配線基板領域には、それぞれに搭載部および配線導体が形成されている。そして、各配線基板領域の搭載部に電子部品をその各電極がメタライズ配線導体に電気的に接続されるようにして搭載固定するとともに、この電子部品を覆うようにして各配線基板領域の上面に封止用の樹脂や蓋体を固着させ、しかる後、母基板を分割線に沿って分割することにより多数個の電子装置が同時集約的に製作されるのである。
【0005】
なお、このような多数個取りの配線基板において、各配線基板領域の搭載部に電子部品を搭載するには、一般的には画像認識装置を備えた自動機が使用されており、各配線基板領域の上面に電子部品を位置合わせするための基準となるメタライズから成る位置合わせマークをメタライズ配線導体と同時に設けておくとともに、この位置合わせマークを自動機の画像認識装置で認識し、その情報を基にして自動で搭載する方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような多数個取りの配線基板によると、製造上のばらつきや不具合等により、母基板中に配列形成された多数個の配線基板領域のうちのいくつかに、要求される性能を満足していない不良の配線基板領域が含まれていることがある。このような不良の配線基板領域が含まれている場合には、不良の配線基板領域の上面に例えば油性のインクで印を付けておき、この印を画像認識装置で認識させ、各配線基板領域に自動機で電子部品を搭載する際にこの印のついた配線基板領域を不良と判定させ、この不良の配線基板領域については電子部品を搭載しないようにプログラムしておくことがなされていた。ところが、不良の配線基板領域の上面に油性のインクで印をつけた場合、インクの濃淡やかすれ等によりこの印を画像認識装置で確実に認識することができず、自動機が不良の配線基板領域を正常な配線基板領域と誤認してこの不良の配線基板領域に電子部品を搭載してしまい、その結果、不良の電子装置が製造されてしまうという問題点を有していた。本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、不良の配線基板領域に電子部品が搭載されることがなく、良品の電子装置のみを多数個、同時集約的に製造することが可能な多数個取り配線基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の多数個取り配線基板は、上面に電子部品が搭載される搭載部およびこの搭載部に前記電子部品を位置合わせするための基準となる位置合わせマークを有する多数の配線基板領域を、母基板中に縦横に配列形成して成る多数個取り配線基板であって、前記各配線基板領域のうち、不良の配線基板領域の前記位置合わせマークがレーザー加工により除去されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の多数個取り配線基板によれば、不良の配線基板領域の位置合わせマークがレーザー加工により除去されていることから、この位置決めマークの除去の有無を自動機の画像認識装置で認識させることにより不良の配線基板領域であるか否かを確実に認識させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付の図面を基に説明する。
【0010】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す上面図、図2は断面図であり、これらの図において、1はセラミック母基板、2は配線基板領域である。
【0011】
セラミック母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体・ガラス−セラミックス等のセラミックス材料から成る略四角形の平板であり、その中央部に各々が小型の配線基板となる多数の配線基板領域2が仮想線である分割線3で仕切られて縦横に一体的に配列形成されている。
【0012】
セラミック母基板1に配列形成された各配線基板領域2は、その上面中央部に電子部品が搭載される搭載部2aを有しているとともに、搭載部2a上面から絶縁基体2の下面に導出するタングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成る複数のメタライズ配線導体4を有している。そして、搭載部2aには図示しない半導体素子や圧電振動子等の電子部品が搭載固定されるとともに、メタライズ配線導体4にはこの電子部品の各電極が例えば半田バンプ等の電気的接続手段を介して電気的に接続される。
【0013】
このようなセラミック母基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体となるセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、メタライズ配線導体4となるタングステンペーストをスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷塗布し、しかる後、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。なお、酸化アルミニウム質焼結体となるセラミックグリーンシートは、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に形成することによって得られ、またメタライズ配線導体4となるタングステンペーストは、タングステン粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して適当な粘度に調整することによって得られる。
【0014】
また各配線基板領域2の上面には、例えばその相対向する角部に、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成る一対の位置合わせマーク5が被着形成されている。位置合わせマーク5は、各配線基板領域2の搭載部2aに電子部品を自動機で搭載する際に位置合わせの基準となるマークであり、これを画像認識装置により認識させ、その情報を基にして自動機により電子部品が各搭載部2aの所定位置に搭載されるようになっている。なお、この位置合わせマーク5は、セラミック母基板となるセラミックグリーンシートにメタライズ配線導体4となるタングステンペーストを印刷塗布する際にこれと同時に同じタングステンペーストにより所定のパターンに印刷塗布しておくことによって各配線基板領域2の上面に被着形成される。また、この例では、位置合わせマーク5は円形としたが、位置合わせマーク5は、円形に限らず、四角形や十字型等の他の形状であってもよい。
【0015】
そして、本発明の多数個取り配線基板においては、セラミック母基板1に配列形成された各配線基板領域2のうちで不良の配線基板領域2Dがあった場合に、その不良の配線基板領域2Dの位置合わせマーク5がレーザー加工により除去されている。この例では位置合わせマーク5はその両方がレーザー加工により除去されているが、位置合わせマーク5はその片方のみがレーザー加工により除去されてもよいし、除去の有無が画像認識装置で確認できるのであれば、位置合わせマーク5の一部のみが部分的に除去されていてもかまわない。このように、不良の配線基板領域2Dの位置合わせマーク5がレーザー加工により除去されていることから、各配線基板領域2の搭載部2aに電子部品を自動機により搭載する場合、自動機の画像認識装置により各配線基板領域2の位置決めマーク5の除去の有無を認識することにより、自動機がこの配線基板領域2の良否を確実に判断することができ、その結果、不良の配線基板領域2Dに電子部品が搭載されることはない。
【0016】
なお、配線基板領域2Dにおける不良としては、メタライズ配線導体4の断線・ショート・ニジミ・拡がり・凹凸、異物の付着、シミ、汚れ、めっきのふくれ・変色、カケ、ボイド等があげられる。
【0017】
そして、正常な配線基板領域2の全てに電子部品を搭載した後、この電子部品が搭載された各配線基板領域2の上面に電子部品を覆うようにして封止用の樹脂や蓋体を固着させ、しかる後、セラミック母基板1を分割線3に沿って分割すれば、多数個の良品の電子装置のみが同時集約的に製造されることとなる。
【0018】
なお、不良の配線基板領域2Dの位置合わせマーク5をレーザー加工により除去するには、例えば自動の検査装置によって不良の配線基板領域2Dを判別した後、この不良の配線基板領域2Dの位置合わせマーク5にレーザー光線を照射して位置合わせマーク5を飛散除去させる方法が採用される。また、セラミック母基板1を分割するには、ダイアモンドカッターやレーザーカッターによって母基板1を分割線3に沿って切断して分割する方法が採用される。
【0019】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0020】
【発明の効果】
本発明の多数個取り配線基板によれば、不良の配線基板領域の位置合わせマークがレーザー加工により除去されていることから、この位置決めマークの除去の有無を自動機の画像認識装置で認識させることにより不良の配線基板領域であるか否かを確実に認識させることができ、その結果、不良の配線基板領域に電子部品が搭載されることはなく、したがって良品の電子装置のみを多数個、同時集約的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図である。
【図2】図1に示す多数個取り配線基板の断面図である。
【符号の説明】
1・・・母基板
2・・・配線基板領域
2a・・・搭載部
4・・・配線導体
5・・・位置合わせマーク
Claims (1)
- 上面に電子部品が搭載される搭載部および該搭載部に前記電子部品を位置合わせするための基準となる位置合わせマークを有する多数の配線基板領域を、母基板中に縦横に配列形成して成る多数個取り配線基板であって、前記各配線基板領域のうち、不良の配線基板領域の前記位置合わせマークがレーザー加工により除去されていることを特徴とする多数個取り配線基板。
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