JP2007227873A - 複数個取り配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 めっき層が被着される配線導体に、こすれや傷が発生せず、実装性や電気特性の信頼性が向上した複数個取り配線基板を提供する。
【解決手段】 母基板10に複数個の配線基板領域20が縦横に配列されるとともに、配線基板領域20の主面にめっき層が被着される配線導体50が形成されてなる複数個取り配線基板Xであって、配線基板領域20同士の境界にダイシングカットされる凸形状の捨代部40が設けられ、凸形状の捨代部40は配線基板領域20の主面に対し配線導体50よりも突出した凸形状に形成されている。配線導体50よりも突出した凸形状の捨代部40により配線導体50が保護され、配線導体50のこすれや傷が防止される。
【選択図】 図1
【解決手段】 母基板10に複数個の配線基板領域20が縦横に配列されるとともに、配線基板領域20の主面にめっき層が被着される配線導体50が形成されてなる複数個取り配線基板Xであって、配線基板領域20同士の境界にダイシングカットされる凸形状の捨代部40が設けられ、凸形状の捨代部40は配線基板領域20の主面に対し配線導体50よりも突出した凸形状に形成されている。配線導体50よりも突出した凸形状の捨代部40により配線導体50が保護され、配線導体50のこすれや傷が防止される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板となる配線基板領域を、母基板に複数個配列して成る複数個取り配線基板に関するものである。
従来、例えば半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成る四角平板状の絶縁基体の上面に電子部品を搭載するための搭載部を有し、この搭載部またはその周辺から絶縁基体の下面にかけてタングステン等の金属材料から成る複数の配線導体が形成された構造を有している。
配線導体は、露出表面に電子部品の電極がはんだやボンディングワイヤ等を介して電気的に接続される。このはんだの濡れ性やボンディングワイヤのボンディング性等の特性を向上させるため、配線導体の表面にはニッケルや金等のめっき層が被着される。
このような配線基板は、一般に、1枚の広面積のセラミック母基板(母基板)から複数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる複数個取り配線基板の形態で作製されている。
複数個取り配線基板は、例えば、平板状の母基板に配線基板となる配線基板領域が縦横に複数個配列形成されるとともに、外周部に、配線基板領域を取り囲む枠状のダミー領域が形成されて成る構造を有している。なお、ダミー領域は、複数個取り配線基板の取り扱いを容易とすること等のために設けられている。
なお、複数個取り配線基板は、例えば、配線基板領域同士の境界、および配線基板領域とダミー領域との境界において母基板をダイシングカットすることにより、個片の配線基板に分割される。
特開2005−101164号公報
しかしながら、上記従来技術の複数個取り配線基板において、配線基板領域の配線導体の露出部分に、搬送や分割等の取り扱い時に、外部部材(搬送用のトレイや加工用の装置、焼成用の台板、作業者の扱う治具等)との接触に起因するこすれや傷等の不具合が生じやすいという問題があった。
例えば、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料からなる複数個取り配線基板の場合、未焼結セラミックス状態の複数個取り配線基板を焼結させる時、焼結による反りを防止するためや、焼成炉の内部に滞留する微細セラミックスの塵から配線基板領域を保護するためにカバーを掛けたりする場合、配線導体にこすれや傷が生じる。あるいは複数個取り配線基板そのものが焼成により収縮する場合、複数個取り配線基板が載っている焼成用の下台板との間でこすれが生じ、配線導体に傷が生じたりする。
このようにして、めっき層が被着される配線導体に、こすれや傷が発生し、はんだの濡れ不良やボンディングワイヤのボンディングができない等の不具合が生じ、実装性や電気特性の信頼性が低下してしまう。
特に、近年、電子部品の小型化,高集積化に応じて、配線導体の精細化が進んでいるため、わずかなこすれや傷でも、電気的な特性,信頼性の低下、電子部品の電気的な接続性の低下等の不具合を誘発しやすくなってきている。そのため、こすれや傷の防止は、より重要な課題になってきている。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、めっき層が被着される配線導体に、こすれや傷が発生せず、実装性や電気特性の信頼性が向上した複数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の複数個取り配線基板は、母基板に配線導体が形成された配線基板領域を複数個有する複数個取り配線基板であって、前記配線基板領域の境界に、前記母基板の主面に対し前記配線導体よりも突出した凸形状の捨代部が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記凸形状の捨代部が、前記配線基板領域を取り囲んで形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記凸形状の捨代部は前記母基板に対し、色相および光の反射率の少なくとも一方が異なることを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記凸形状の捨代部が、前記母基板の両方の主面に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記凸形状の捨代部に、前記配線基板領域の配線導体に接続されためっき用の引き出し線が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記配線基板領域が縦横に配列されているとともに、前記凸形状の捨代部が印刷法によって格子状に形成されており、該凸形状の捨代部は、互いに交差する角部に切り欠き部を有することを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記配線基板領域が縦横に配列されているとともに、前記配線基板領域の境界に捨代部が格子状に形成されており、前記凸形状の捨代部は、印刷法によって前記捨代部の互いに交差する部分を除いた部位に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、前記母基板の外周部に、ダミー領域を設けていることを特徴とするものである。
本発明の複数個取り配線基板によれば、母基板に配線導体が形成された配線基板領域を複数個有する複数個取り配線基板であって、配線基板領域の境界に、母基板の主面に対し配線導体よりも突出した凸形状の捨代部が形成されていることから、複数個取り配線基板を取り扱うときなどに、凸形状の捨代部が、傷等の発生原因となる外部部材に接触し、配線導体が外部部材とこすれ合うことは抑制される。そのため、配線導体にこすれや傷が発生することは効果的に防止される。
例えば、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料からなる複数個取り配線基板の場合、未焼結セラミックス状態の複数個取り配線基板を焼結させる場合、焼結による反りを防止するためや、焼成炉の内部に滞留する微細セラミックスの塵から配線基板領域を保護するためにカバーを掛けたりする場合、配線基板領域や配線導体にこすれや傷が生じる。あるいは複数個取り配線基板そのものが焼成により収縮する場合、複数個取り配線基板が載っている焼成用の下台板との間でこすれが生じ、配線基板領域や配線導体に傷が生じたりすることはなく、めっき層が被着される配線導体に、こすれや傷が発生し、はんだの濡れ不良やボンディングワイヤのボンディングができない等の不具合が生じ、実装性や電気特性の信頼性が低下してしまうという問題は、効果的に抑えられる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、凸形状の捨代部が、配線基板領域を取り囲んで形成されることから、全ての配線基板領域が凸形状の捨代部でカバーされる。したがって、配線導体のこすれや傷をより確実に防止できる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、凸形状の捨代部は、母基板に対し、色相および光の反射率の少なくとも一方が異なることから、ダイシングカット時に凸形状の捨代部をダイシング用の基準として認識でき、容易にダイシングカットすることが可能となる。したがって、ダイシングカットされる部位、つまり配線基板領域の境界を、例えば画像認識装置により容易に認識することができるので、別途基準マークを設けなくてもよい。この場合、例えば、個片の配線基板の生産性を向上させることができる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、凸形状の捨代部が、母基板の両方の主面に形成されていることから、母基板の両主面(表裏両面)において、配線基板領域の配線導体におけるこすれや傷の発生を防ぐことができる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、凸形状の捨代部に、配線基板領域の配線導体に接続されためっき用の引き出し線が形成されていることから、複数個取り配線基板の小型化が可能となる。また、めっき用の引出し線にこすれや傷に起因する断線等の不具合が発生することを防ぐことができ、安定してめっき用の電流を配線導体に供給できる。さらには、ダイシングカット時に、捨代部を削除すると同時に、めっき用の引き出し線を削除することができる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、配線基板領域が縦横に配列されているとともに、凸形状の捨代部が印刷法によって格子状に形成されており、凸形状の捨代部は、互いに交差する角部に切り欠き部を有することから、凸形状の捨代部同士が交差する角部において、印刷されるセラミックペースト等の凸形状の捨代部となる材料が配線基板領域側に広がったとしても、ダイシングカットで除去される幅に対して凸形状の捨代部の幅が広くなり過ぎるようなことは効果的に防止される。そのため、ダイシングカットして母基板を分割する際に、凸形状の捨代部を、より確実に残留させることなく除去することができる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、配線基板領域が縦横に配列されているとともに、配線基板領域の境界に捨代部が格子状に形成されており、凸形状の捨代部は、印刷法によって捨代部の互いに交差する部分を除いた部位に形成されていることから、凸形状の捨代部となるセラミックペースト等の材料を印刷したときに配線板領域側に広がりやすい部位である、凸形状の捨代部同士が交差する角部を無くすことができる。そのため、ダイシングカットで除去される幅に対して凸形状の捨代部の幅が広くなり過ぎるようなことは効果的に防止される。その結果、ダイシングカットして母基板を分割する際に、凸形状の捨代部を、より確実に残留させることなく除去することができる。
また、本発明の複数個取り配線基板は、好ましくは、母基板の外周部に、ダミー領域を設けていることから、複数個取り配線基板を取り扱う際、配線基板領域に触ることなく、複数個取り配線基板の取り扱いを容易とする。また、凸形状の部分をダミー領域に形成することにより、より効果的に配線導体のこすれや傷を防止することができる。
本発明の複数個取り配線基板について添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の複数個取り配線基板Xについて実施の形態の一例を示す。図1(a)はその平面図で、図1(b)は側面図である。
また、図2は図1(a)のA−A断面図である。
図1(a)、図1(b)および図2において、10は母基板、20は配線基板領域、30はダミー領域、40は凸形状の捨代部、50は配線導体である。
母基板10は、平板状の酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成る。
母基板10は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウム等の原料粉末を有機溶剤、バインダとともにシート状に加工して形成したセラミックグリーンシートを、所定の形状、寸法に加工した後、必要に応じて複数を厚み方向に積層するとともに1300〜1600℃で焼成することにより作製される。
母基板10には、複数個の配線基板領域20が縦横に配列されている。各配線基板領域20は、それぞれが個々の配線基板(図示せず)となる領域であり、その上面の露出面に、電子部品(図示せず)を搭載する搭載部を有している。
配線基板領域20は、図1に示したような正方形平板状のものだけに限定されず、細長い長方形状のものや、一部に凹部を有し、その凹部の底面を搭載部としたもの等でもかまわない。さらには、配線基板領域20が枠体で囲まれていてもよい。
なお、電子部品としては、受光素子や発光素子等の光半導体素子および半導体集積回路素子を含む半導体素子、水晶振動子や弾性表面波素子等の圧電素子、圧力センサー素子、容量素子、抵抗器等が挙げられる。
各配線基板領域20の露出表面には配線導体50が形成されている。配線導体50は、電子部品(図示せず)と電気的に接続され、これを外部の電気回路等に電気的に接続させるための導電路として機能する。
配線導体50は、タングステンやモリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金等の金属材料により形成される。
配線導体50は、例えば、タングステンからなる場合であれば、タングステンの粉末に有機溶剤、バインダを添加、混練して作製した金属ペーストを、母基板10となるセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法等の手段で所定パターンに塗布することにより形成することができる。
配線導体50は、その露出表面に、ニッケルや金、銅、パラジウム、錫、白金等のめっき層(図示せず)が被着される。
めっき層は、配線導体50の酸化腐食を防止することや、配線導体50に対するはんだの濡れ性、ボンディングワイヤのボンディング性等の特性を向上させること等のためのものである。
凸形状の捨代部40は、配線基板領域20の境界に、ダイシングカットで使用されるダイシング刃の幅(約200μm)程度の幅で帯状に設けられた領域で、母基板10の主面に対し配線導体50より突出した凸形状で形成される。つまり、凸形状の捨代部40は、母基板10の主面に対して直交する方向に上向きの形状で形成される。さらに、凸形状の捨代部40は、例えば配線基板領域20を取り囲むように形成される。そして、この凸形状の捨代部40がダイシング刃で研削、除去されることにより、各配線基板領域20が個片の配線基板(図示せず)に分割される。
そのため、複数個取り配線基板Xを取り扱うときなどに、配線導体50より突出した凸形状の捨代部40が、傷等の発生原因となる外部部材(図示せず)に接触するので、配線導体50が外部部材とこすれ合うことは抑制される。したがって、配線導体50にこすれや傷が発生することは効果的に防止される。
例えば、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料からなる複数個取り配線基板Xの場合、未焼結セラミックス状態の複数個取り配線基板を焼結させる場合、あるいは焼結による反りを防止するためや焼成炉の内部に滞留する微細セラミックスの塵から配線基板領域20を保護するためにカバーを掛けたりする場合に、配線基板領域20や配線導体50にこすれや傷が生じるのを防止することができる。あるいは複数個取り配線基板Xそのものが焼成により収縮する場合も、複数個取り配線基板Xが載っている焼成用の下台板との間でこすれが生じ、配線基板領域20や配線導体50に傷が生じたりすることはなく、めっき層が被着される配線導体50に、こすれや傷が発生し、はんだの濡れ不良やボンディングワイヤのボンディングができない等の不具合が生じ、実装性や電気特性の信頼性が低下してしまうという問題は、効果的に抑えられる。
この凸形状の捨代部40は、例えば、長手方向に直交する断面の形状が四角形(長方形)状に形成される。四角形状以外に、三角形状や楕円弧状、円弧状、涙滴状、紡錘形状またはこれらの図形を組み合わせた形状や、角部を円弧状等に面取りした形状等でもかまわないが、母基板10を重ね合わせる際の安定性等を考慮すると、四角形(長方形)であるのが好ましい。
また、この凸形状の捨代部40は、全長において同じ高さである必要はなく、例えば、隣り合う部位に配線導体50が配置されているような部分で高く、その他の部分で低くなるようなものでもよい。
凸形状の捨代部40の形成方法としては、酸化アルミニウム等の原料粉末を有機溶剤、バインダとともにシート状に加工して形成したセラミックグリーンシートの配線基板領域20となる部分に打抜き加工した後、必要に応じて複数を厚み方向に積層するとともに母基板10となるセラミックグリーンシートに積層して1300〜1600℃で焼成することにより作製される。
あるいは、凸形状の捨代部40は母基板10を形成する絶縁材料と同じ材料を印刷塗布することにより形成される。例えば、母基板10が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、母基板10となるグリーンシートと同様の組成のセラミックスの原料粉末に有機溶剤、バインダ等を添加し混練してペースト状とすることにより作製されたセラミックペーストを、凸形状の捨代部40となる部分にスクリーン印刷法等により印刷塗布することにより形成することができる。
なお、配線基板領域20が枠体(図示せず)で囲まれた領域であり、隣り合う配線基板領域20の間で枠体が連続しているような場合には、凸形状の捨代部40は枠体のうち配線基板領域20の境界上に設ければよい。
また、本発明の複数個取り配線基板Xは、好ましくは、凸形状の捨代部40が、配線基板領域20を取り囲んで形成されるときには、全ての配線基板領域20が凸形状の捨代部40で取り囲まれる。したがって、配線導体50のこすれや傷をより確実に防止できる。
また、本発明の複数個取り配線基板Xは、好ましくは、凸形状の捨代部40が母基板10に対し、色相および光の反射率の少なくとも一方が異なることから、ダイシングカット時に凸形状の捨代部40をダイシング用の基準として認識でき、容易にダイシングカットすることが可能となる。したがって、ダイシングカットされる部位、つまり配線基板領域20の境界を、例えば画像認識装置により容易に認識することができるので、別途基準マークを設けなくてもよい。この場合、例えば、個片の配線基板の生産性を向上させることができる。
ここで、色相が相違するとは、凸形状の捨代部40が母基板10と色相を相違するだけでなく、凸形状の捨代部40が母基板10と容易に識別できることを意味する。
また、光の反射率が相違するとは、凸形状の捨代部40が母基板10と容易に識別できるよう相違させるのが好ましく、具体的には、同じ照明下で、容易に目視で識別できる程度に明暗差ができる程度に相違することを意味する。なお、照明は、例えば目視で凸形状の捨代部40を確認して位置合わせする場合であれば、可視光線(いわゆる白色光:波長約400nm〜800nm)とすればよく、目的や用途に応じて適宜調整すればよい。
そして、凸形状の捨代部40の色相および反射率の少なくとも一方を母基板10と相違させるには、例えば、凸形状の捨代部40を形成する酸化アルミニウムに、母基板10とは異なる添加物(顔料等)、例えば、酸化チタン(焼成後青黒色)、酸化モリブデン(焼成後灰〜黒色)、酸化クロム(焼成後ピンク〜赤紫色)、酸化コバルト(焼成後灰色)、酸化ニッケル(焼成後灰色)等を添加することにより得られる。
また、本発明の複数個取り配線基板Xは、好ましくは、凸形状の捨代部40が、母基板10の両方の主面に形成されていることから、母基板10の両主面(表裏両面)において、配線基板領域20の配線導体50におけるこすれや傷の発生を防ぐことができる。
また、本発明の複数個取り配線基板Xは、好ましくは、凸形状の捨代部40に、配線基板領域20の配線導体50に接続されためっき用の引き出し線60が形成されることから、各配線基板領域20に、配線導体50にめっき用の電流を供給するための接続線を長く引き回す必要がなく、複数個取り配線基板Xの小型化が可能となる。また、めっき用の引出し線60にこすれや傷に起因する断線等の不具合が発生することを防ぐことができ、安定してめっき用の電流を配線導体50に供給できる。さらには、ダイシングカット時に、凸形状の捨代部40を削除すると同時に、めっき用の引き出し線60を削除することができる。
なお、めっきは、電解めっき法や無電解めっき法等のめっき法により形成される。ここで、めっき用の引き出し線60は、各配線導体50と接続されているため、例えば電解めっき法を採用する場合に特に有用である。すなわち、めっきを作製するにあたり、複数個取り配線基板Xを、めっき中に浸し、電流を流すことによって、めっき用の引き出し線60を起点として、配線導体50にめっき層が形成される。
より詳細には、例えば、ニッケルのめっき層であれば、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケルを主成分とし、ホウ酸等の緩衝剤や光沢剤等の添加剤を含むワット浴を準備し、これを適当な温度、pH(例えば、40〜65℃、pH3.8〜4.5)に調整した後、配線導体50が形成されている母基板10を液中に浸漬する。そして、外部電源(整流器等)から配線導体50に所定の電流密度(例えば2〜10A/dm2)で電流を供給することにより、ニッケルのめっき層が形成される。なお、電流を供給する時間は、被着させようとするめっき層の厚みに応じて適宜調整する。
めっき用の引き出し線60は、配線導体50と同様の金属材料(タングステンやモリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金等)により形成される。めっき用の引き出し線60は、例えば、タングステンからなる場合であれば、タングステンの粉末に有機溶剤、バインダを添加、混練して作製した金属ペーストを、母基板10となるセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法等の手段で配線基板領域20の境界に塗布することにより形成することができる。
凸形状の捨代部40に形成されるめっき用の引き出し線60は、ダイシングカットにともない完全に除去されるので、個片の配線基板に残留することはない。なお、ダイシングカットは、配線基板領域20とダミー領域30との境界に沿った部位でも行なわれる。
また、配線基板領域20が縦横に配列されているとともに、凸形状の捨代部40が印刷法で格子状に形成されている場合には、凸形状の捨代部40が互いに交差する角部では印刷されるセラミックペーストのにじみ等が発生しやすいため、凸形状の捨代部40が部分的に配線基板領域20側に広がる可能性がある。そのため、凸形状の捨代部40は、例えば図3に拡大平面図で示すように、互いに交差する角部において切り欠き部41を有することが好ましい。
このような切り欠き部41を有することにより、凸形状の捨代部40同士が交差する角部において、印刷法で凸形状の捨代部40を形成するセラミックペースト等の材料が配線基板領域20側に広がったとしても、凸形状の捨代部40の幅がダイシングカット等の手段で除去される幅に対して広くなり過ぎるようなことは効果的に防止される。そのため、凸形状の捨代部40をダイシングカットして母基板10を分割する際に、凸形状の捨代部40を、より確実に残留させることなく除去することができる。なお、図3は本発明の複数個取り基板Xの実施の形態の他の例について要部を拡大して示す平面図である。図3において図1および図2と同じ部位には同じ符号を付している。
切り欠き部41は、凸形状の捨代部40となるセラミック材料等の、配線基板領域20側への広がり(にじみ等)を内側に収めることができる程度の幅(凸形状の捨代部40の長さ方向に直交する方向での寸法)で設ける。
例えば、凸形状の捨代部40が、セラミックペーストをスクリーン印刷することにより形成される場合であれば、切り欠き部41は、50〜150μm程度の幅で設ける。
また、切り欠き部41は、図3に示すような円弧状のものに限らず、上述の幅を確保できるものであれば、図4(a)や(b)に図3と同様の拡大平面図で示すように、楕円弧状や四角形状等でもよい。
また、図5に示すように、配線基板領域20が縦横に配列されているとともに、配線基板領域20の境界に捨代部42が格子状に形成されている場合には、配線基板領域20の境界に捨代部42が格子状に形成されており、凸形状の捨代部40は、印刷法によって捨代部42の互いに交差する部分を除いた部位に形成されていることが好ましい。なお、図5(a)、(b)は、それぞれ本発明の複数個取り配線基板Xについて実施の形態の他の例を示す平面図および側面図である。図5において図1と同じ部位には同じ符号を付している。
このような捨代部42が形成されている場合には、ダイシングカット時の研削代としての捨代部42が、凸形状の捨代部40に限定されずに配線基板領域20の境界において確保されるので、捨代部42において母基板10をダイシングカットすることにより、縦横に配列されている配線基板領域20を個片に分割することができる。
なお、捨代部42は、母基板10の表面のうち配線基板領域20の境界に一定の幅で線状(帯状)に確保される領域である。
また、捨代部42が格子状に形成され、捨代部42に凸形状の捨て代部40が形成される場合、凸形状の捨代部40は、印刷法によって捨代部42の互いに交差する部分を除いた部位に形成されていることから、凸形状の捨代部40となるセラミックペースト等の材料を印刷したときに配線基板領域20側に広がりやすい部位である、凸形状の捨代部40同士が交差する角部を無くすことができる。そのため、ダイシングカットで除去される幅に対して凸形状の捨代部40の幅が広くなり過ぎるようなことは効果的に防止される。その結果、ダイシングカットして母基板10を分割する際に、凸形状の捨代部40を、より確実に残留させることなく除去することができる。
配線基板領域20の境界に格子状に形成されている捨代部42に、捨代部42の互いに交差する部分を除いた部位に凸形状の捨代部40を形成するには、例えば、捨代部42に対応して印刷パターンが形成されているとともに、捨代部42が交差する部分ではセラミックペーストが印刷されないようなパターンで作製した製版(スクリーン印刷用の版面等)を用いてセラミックペーストを印刷する。このような製版を母基板10となるセラミックグリーンシートの表面に位置決めセットしてセラミックペーストをスクリーン印刷することにより、捨代部42の互いに交差する部分を除いた部位にセラミックペーストを印刷することができる。
また、本発明の複数個取り配線基板Xは、好ましくは、母基板10の外周部に、ダミー領域30を設けていることから、複数個取り配線基板Xを取り扱う際、配線基板領域20に触ることなく、複数個取り配線基板Xの取り扱いを容易とする。また、凸形状の捨代部40と同様の材料および方法で凸形状の部分(図示せず)をダミー領域30に、配線基板領域20の並びの全体を取り囲むように形成することにより、より効果的に配線導体50のこすれや傷を防止することができる。
X・・・・・複数個取り配線基板
10・・・・母基板
20・・・・配線基板領域
30・・・・ダミー領域
40・・・・凸形状の捨代部
41・・・・切り欠き部
42・・・・捨代部
50・・・・配線導体
60・・・・めっき用引出し線
10・・・・母基板
20・・・・配線基板領域
30・・・・ダミー領域
40・・・・凸形状の捨代部
41・・・・切り欠き部
42・・・・捨代部
50・・・・配線導体
60・・・・めっき用引出し線
Claims (8)
- 母基板に配線導体が形成された配線基板領域を複数個有する複数個取り配線基板であって、前記配線基板領域の境界に、前記母基板の主面に対し前記配線導体よりも突出した凸形状の捨代部が形成されていることを特徴とする複数個取り配線基板。
- 前記凸形状の捨代部が、前記配線基板領域を取り囲んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複数個取り配線基板。
- 前記凸形状の捨代部は前記母基板に対し、色相および光の反射率の少なくとも一方が異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複数個取り配線基板。
- 前記凸形状の捨代部が、前記母基板の両方の主面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の複数個取り配線基板。
- 前記凸形状の捨代部に、前記配線基板領域の配線導体に接続されためっき用の引き出し線が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の複数個取り配線基板。
- 前記配線基板領域が縦横に配列されているとともに、前記凸形状の捨代部が印刷法によって格子状に形成されており、該凸形状の捨代部は、互いに交差する角部に切り欠き部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の複数個取り配線基板。
- 前記配線基板領域が縦横に配列されているとともに、前記配線基板領域の境界に捨代部が格子状に形成されており、前記凸形状の捨代部は、印刷法によって前記捨代部の互いに交差する部分を除いた部位に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複数個取り配線基板。
- 前記母基板の外周部に、ダミー領域を設けていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の複数個取り配線基板。
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JP2006262935A JP2007227873A (ja) | 2006-01-27 | 2006-09-27 | 複数個取り配線基板 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010258389A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Kyocer Slc Technologies Corp | 多数個取り配線基板 |
JP2012160622A (ja) * | 2011-02-01 | 2012-08-23 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 電子部品の製造方法 |
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2006
- 2006-09-27 JP JP2006262935A patent/JP2007227873A/ja active Pending
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