JP4369342B2 - 振動感知ロック装置 - Google Patents

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Description

この発明は、家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置に設けられ、地震等の振動を感知して扉の開放を規制する振動感知ロック装置であって、扉の閉鎖時の衝撃を緩衝する緩衝手段を備えた振動感知ロック装置と、扉に設けられ、振動感知ロック装置によって係止される係止装置に関するものである。
従来、家具、吊り戸棚等の扉(戸)付き収納装置では、地震の揺れにより扉が開いて、皿、コップ等の収納物が落下するので、その収納物の落下を防止するため、地震時に扉の開放を規制する地震を感知して作動するロック装置が設けられている。この従来のロック装置は、ロック装置本体が家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置の収納装置本体側に取り付けられ、収納装置本体に開閉自在に設けられた扉には、当該ロック装置本体によって係止される係止装置が取り付けられている。
また、上記従来のロック装置としては、ケース内に、下面中央に突出した係止軸を設けた円板状のフランジを設けた係止手段を有するとともに、当該フランジの下面を球体によって支えるように構成されたものが知られている。当該ロック装置は、平常時においては、球体が係止手段のフランジと係合しているので、係止手段の係止軸がケース内に没入しており、扉の開放を規制することがないようになっている。そして、地震時においては、振動によって球体が移動して係止手段のフランジから外れて前記係止軸がケースから突出し、扉の係止装置を係止して扉の開放を規制し、収納装置本体内の収納物の落下を防止することができるようになっている。また、扉に取り付けられた係止装置には、係止手段の係止軸の係止を解除する係止解除部材が設けられている(例えば、特許文献1)。
特開2000−192709号公報
上記した従来のロック装置は、地震時に扉の開放を規制する機能しか備えていなかった。そのため、扉付き収納装置は、ロック装置が取り付けられている場合であっても、取り付けられていない場合と同様に、扉を勢いよく閉じると、戸当たりによる非常に不快な衝撃音が発生したり、その衝撃が収納装置本体に伝わり、皿、コップ等の収納物を倒して壊したり、互いにぶつかり合って干渉音が発生したりするという問題点があった。
そのため、ロック装置を備えた扉付き収納装置は、日常使用時において、扉を勢いよく閉じた際に発生する戸当たりによる衝撃音と衝撃力を緩和するため、ダンパーを振動感知ロック装置とは別に取り付け、扉をゆっくり閉じるようにさせることも考えられている。しかし、このダンパーの収納装置本体への取り付けは、部品点数の増加によるコスト高となり、しかもロック装置とは別個に取り付けるので、取り付け作業が面倒であり、収納装置本体を傷つけるという問題点があり、あまり好ましいものではなかった。
また、前記ロック装置の場合には、ロック装置に働く振動の方向によっては、前記係止軸と当接して球体の移動が妨げられる場合も考えられ、振動の方向によってはロック装置としての作動感度が若干異なる場合も考えられる。
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、ダンパーとロック装置とを別々に取り付ける必要がなく、これにより収納装置本体をあまり傷つけることのない振動感知ロック装置を提供することを課題とする。
また、扉の戸当たり時の衝突速度を低下させて、扉と家具本体等との衝突による瞬間的な反発動作によって扉のロックが行われる前に再び扉が開いてしまう現象を軽減し、平常
時においても扉の戸当たり時の衝撃音の発生を防止することができる振動感知ロック装置を提供することを課題とする。
また、扉の戸当たり時の衝撃によって地震時以外に扉のロックが行われるような誤動作を防止することができる振動感知ロック装置を提供することを課題とする。
また、ロック状態を解除するための係止解除部材を設け、当該係止解除部材によるロックの解除を、扉を操作することによって簡単によって行えるように構成した係止装置と、当該係止装置を用いた振動感知ロック装置を提供することを課題とする。
本願発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、請求項1記載の発明は、
家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置に設けられ、地震時に扉の開放を規制する振動感知ロック装置であって、
収納装置本体に取り付けられるケースを有し、
当該ケースには、
振動感知手段と、
前記振動感知手段が地震を感知することによって扉を係止する係止手段と、
前記扉と当接して前記扉の閉じ方向の衝撃を緩衝する緩衝手段と、
が設けられており、
前記係止手段は、アームと、アームの後部に設けられた基部と、アームの先部に設けられた係止爪とからなり、基部が前記ケースに回動可能に取り付けられ、係止爪が非係止位置から係止位置まで移動可能であって、自重又は重錘により係止爪が係止位置方向に付勢され、係止爪が係止位置で扉に係止可能であり、
前記振動感知手段は、前記ケースに転動可能に設けられた転動体であって、非地震時に前記係止手段のアームと係合して係止爪を非係止位置で保持し、地震時に前記係止手段のアームから離脱して係止爪を自重又は重錘により係止位置に移動させるように構成され、
前記ケースの底壁には、前記振動感知手段の前記係止手段のアームに対する非係合位置から係合位置まで傾斜して、振動感知手段を前記非係合位置から前記係合位置まで案内する案内面が形成され
前記扉には、前記係止手段の係止爪に係止される係止装置が設けられており、
当該係止装置は、
扉に取り付けられるガイド枠と、
前記ガイド枠に取り付けられ、当該ガイド枠によって扉の開閉方向に移動可能に案内され、前記係止手段の係止爪に係止される係止枠とを有し、
当該係止枠には、係止解除部材が設けられ、
係止解除部材は、係止枠を扉の閉じる方向へ移動させることにより、前記係止爪を係止位置から非係止位置に移動させて係止を解除することができる解除位置と、係止枠を扉の
開く方向へ移動させることにより、前記係止爪を係止位置から非係止位置まで移動させることができず係止を解除することができない非解除位置に移動可能であることを特徴とする振動感知ロック装置。
本願発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、請求項記載の発明は、
前記係止解除部材は、扉の閉じる方の面には、前記係止爪と摺接して、前記係止爪を非係止位置方向に移動させ、係止爪の係止を解除する解除傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項記載の振動感知ロック装置。
本願発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、請求項記載の発明は、
前記緩衝手段は、
前記ケース内に設けられた収納室と、
前記収納室内に充填された緩衝用流体と、
前記収納室内に回動可能に設けられ、前記緩衝用流体の抵抗を受ける抵抗部が設けられた回動軸と、
前記扉と当接し、扉の開閉方向に移動可能な当接軸と、
前記当接軸と前記回動軸間に設けられ、前記当接軸の移動を前記回動軸に伝達する伝達手段と、
からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動感知ロック装置。
本願発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、請求項記載の発明は、
前記伝達手段は、
前記当接軸に設けられたラック部と、
前記回動軸に設けられ、前記ラック部と噛み合う歯車とからなることを特徴とする請求項記載の振動感知ロック装置。
本願発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、請求項記載の発明は、
前記伝達手段は、
前記当接軸に設けられたラック部と、
前記ラック部と噛み合う歯車と、
前記回動軸に設けられた回動体と、
扉の閉じ方向の歯車の回転を回動体に伝達し、扉の開く方向の歯車の回転を回動体に伝達しないクラッチとからなることを特徴とする請求項記載の振動感知ロック装置。
本願発明は、上記課題を解決するために下記の構成を有する。すなわち、請求項記載の発明は、
前記ガイド枠及び前記係止枠には、前記係止解除部材を解除位置と非解除位置で位置決めする、凹部と凸部とからなる位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の振動感知ロック装置。
本願発明に係る振動感知ロック装置は、家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置や机の引き出し等に設けられ、非地震時には、係止手段が転動体と係合して非係止位置で保持されており、地震時には、転動体が係止手段から離脱して係止手段が自重又は重錘により係止位置に移動して、扉を係止し、扉の開放を規制する。係止手段を係止位置から非係止位置に移動させると、転動体は、案内面に沿って、係止手段に対する非係合位置から係合位置まで移動し、係止手段と係合して係止手段を非係止位置で保持する。
また、本願発明に係る振動感知ロック装置は、上記したように、振動感知手段が地震を感知することによって扉を係止する係止手段と、さらに扉と当接して扉の閉じ方向の衝撃を緩衝する緩衝手段が設けられているので、コンパクトに構成することができ、係止手段とダンパーをそれぞれ別個に取り付けるのに比べ、コストの低廉化を図ることでき、取り付けが1箇所なので取り付けが容易で収納装置本体をあまり傷つけることがないという効果がある。また、本願発明に係る振動感知ロック装置は、係止手段により、地震中に扉を係止して扉の開放を確実に阻止することができ、日常使用時においては、緩衝手段により、扉の戸当たりによる衝撃音と衝撃力を緩和・吸収し、衝撃による収納装置内の収納物の転倒を防止でき、衝撃による不愉快な音の発生をおさえ、さらに地震以外の日常的な戸当たりによる揺れにより、係止手段が扉を係止することを防止することもできるという効果がある。
本願発明に係る振動感知ロック装置は、前記緩衝手段が、前記ケース内に設けられた収納室と、前記収納室内に充填された緩衝用流体と、前記収納室内に回動可能に設けられ、前記緩衝用流体の抵抗を受ける抵抗部が設けられた回動軸と、前記扉と当接し、扉の開閉方向に移動可能な当接軸と、前記当接軸と前記回動軸間に設けられ、前記当接軸の移動を前記回動軸に伝達する伝達手段とからなるので、緩衝用流体の抵抗により回動軸に制動がかけられ、滑らかに扉を閉じさせることができる他、コンパクトに構成することができるという効果がある。
本願発明に係る振動感知ロック装置は、前記係止手段の基部が前記ケースに回動可能に取り付けられているので、係止手段が非係止位置から係止位置に回動することができ、ケースに係止手段の係止軸を案内する案内口が不要であり、ケースにあまり負荷がかからないから、壊れ難いという効果がある。また、部品点数が少ないため、簡単且つ安価に製造することができ、コンパクトで狭いスペースに取り付けることができ、従来にない新規な構造を提供することができるという効果がある。
本願発明に係る振動感知ロック装置は、前記係止手段の基部がケースに回動可能に取り付けられ、自重又は重錘により先部が下方に付勢され、当該先部に係止爪が形成されており、係止爪の扉側には、扉の閉じる方向に下降傾斜している傾斜面が形成されているので、扉に設けられた係止手段に係止される非係止手段に解除傾斜面を形成すれば、扉を閉じることによって、非係止手段の解除傾斜面が係止手段の傾斜面と摺接して、係止手段を係止位置から非係止位置に自動的に回動させることができるという効果がある。また、本願発明に係る振動感知ロック装置は、係止手段を係止位置から非係止位置に移動させると、転動体が、案内面に沿って非係合位置から係合位置まで自動的に移動して係止手段と係合するので、扉の閉塞(閉じる)動作により、自動的に初期状態に復帰させることができるという効果がある。
本願発明に係る振動感知ロック装置は、扉の閉塞(閉じる)動作により、扉が当接軸に当接した場合の当接軸の移動を回動軸に伝達する伝達手段が、当接軸に設けられたラック部と、回動軸に設けられ、ラック部と噛み合う歯車とからなるので、確実に扉の閉塞(閉じる)方向への動きを緩衝することができるという効果がある。
本願発明に係る振動感知ロック装置は、扉の閉塞(閉じる)動作により、扉が当接軸に当接した場合の当接軸の移動を回動軸に伝達する伝達手段が、当接軸に設けられたラック部と、ラック部と噛み合う歯車と、回動軸に設けられた回動体と、扉の閉じ方向の歯車の回転を回動体に伝達し、扉の開く方向の歯車の回転を回動体に伝達しないクラッチとからなるので、確実に扉の閉塞(閉じる)方向への動きを緩衝することができる一方、扉の開放(開く)方向への動きを干渉することがなく、速やかに扉を開放(開く)することができるという効果がある。
本願発明に係る係止装置は、扉に設けられ、地震時に扉付き収納装置に設けられた係止手段の係止爪によって係止されて扉の開放を規制するものであり、前記係止爪の係止を解除することができる係止解除部材を有し、非地震時には、係止解除部材を前記係止爪の係止を解除することができない非解除位置に移動させることができる。本願発明に係る係止装置は、地震時に係止手段の係止爪によって係止された場合、この係止を解除するため、係止解除部材を係止手段の係止を解除することができる解除位置まで移動させることができる。このように 本願発明に係る係止装置は、係止手段の係止を解除する係止解除部材を非解除位置に移動させておけば、地震時に係止解除部材が係止手段の係止を解除してしまうことがないという効果がある。
本願発明に係る振動感知ロック装置の一つの実施の形態を図1乃至図14に基づいて説明する。本願発明に係る振動感知ロック装置は、振動感知ロック装置本体(以下「ロック装置本体」)1と係止装置(被係止手段)130とを有し、図1(a)はロック装置本体1中央部の側面側から見た断面図であり、図1(b)は係止装置130中央の側面側から見た断面図を表している。
図2は、ロック装置本体1及び係止装置130の全体斜視図であって、家具等に取り付け姿勢の通り、同図における上から下に向かう方向が下方(適宜「重力方向」という)を表している。
図3は、ロック装置本体1の全体図であって、(a)が上から見た上面図、(b)が側面から見た側面図、(c)が後部から見た後面図、(d)が前面から見た前面図、(e)が下から見た底面図である。また、図3(b)、図3(c)、図3(d)における横方向が、前記重力方向と直交する水平方向となっている。
図4は、ロック装置本体1の断面図であって、(a)が図3(a)のA−A断面図、(b)が図3(b)のB−B断面図、(c)が図4(b)のC−C断面図である。
図5は、ロック装置本体1の組み立て方を説明するための分解斜視図であって、(a)が流体収納ケース10の組立斜視図、(b)が伝達手段10の分解斜視図、(c)が上部ケース50を中心とした分解斜視図、(d)が上部ケース50と下部ケース100を中心とした分解斜視図である。
図6は、図5に引き続き、ロック装置本体1の組み立て方を説明するための斜視図であって、(e)が上部ケース50を斜め上方から見た部分的な分解斜視図、(f)が上部ケース50と上部ケース50の上面を塞ぐ蓋部材91を表した斜視図、(g)がロック装置本体1を斜め上方から見た外観斜視図である。
図7は、係止装置130の斜視図であって、(a)は係止装置130を構成するガイド枠135及び係止枠150を表した分解斜視図、(b)は係止装置130を組立てた状態の外観斜視図である。図8は、ガイド枠135の全体図であって、(a)が上から見た上面図、(b)が側面から見た側面図、(c)が前部から見た前面図、(d)が後面から見た後面図、(e)が下から見た底図である。また、図8(b)、図8(c)、図8(d)における横方向が、前記重力方向と直交する水平方向となっている。
図9は、係止枠150の全体図であって、(a)が上から見た上面図、(b)が側面から見た側面図、(c)が前部から見た前面図、(d)が後面から見た後面図、(e)が下から見た底面図である。
図10は、それぞれガイド枠135に係止枠150を取り付けた係止装置130を表した面図であって、(a)は係止枠150の係止解除部材160が非解除位置にある状態の断面図、(b)は係止枠150の係止解除部材160が解除位置にある状態の断面図である。
図11乃至図14は、本願発明に係る振動感知ロック装置の使用状態における各部の状
態を表すものであり、家具等の基枠Bに取り付けられたロック装置本体1と、扉Eに取り付けられた係止装置(被係止手段)130を表している。
図11は、振動が与えられていない非地震時(平常時)における振動感知ロック装置の動きを説明する説明図であって、(a)は扉Eが緩衝手段69の当接軸70先端に当接する直前の側面図、(b)は扉Eが緩衝手段69の当接軸70先端と当接した状態のまま閉じた状態を示す側面図、(c)が扉Eが開いて緩衝手段69の当接軸70の先端から離れた状態の側面図である。
図12は、地震等によって振動が与えられた場合のロック装置本体1の動きを説明するため説明図であって、(a)は振動が与えられる前の転動体106が係止手段120との係合位置にある状態を示す側面図、(b)は振動が与えられた後、転動体106が係合位置から非係合位置に移動した時の状態を示す側面図、(c)は係止手段120が係止装置130と係合したまま扉Eが開こうとしている状態を表す側面図である。
図13(a)乃至(c)は、振動が与えられた場合の係止装置130の動きを中心とした説明図である。図13(a)は前記図12(a)と対応する図であり、振動が与えられる前の転動体106が係止手段120との係合位置にある状態を示す係止装置130の側面側断面図、図13(b)は振動によって転動体が係合位置から非係合位置に移動して係止手段120(125)と係止装置130とが係合した状態のまま扉Eが開こうとしている状態を表す側面側断面図である。図13(c)は、係止手段120と転動体との係合が解除された状態で扉Eが閉塞(閉じる)方向に移動した時の側面側断面図である。
図14は、係合したロック装置本体1と被係止手段(係止装置)130との係止状態を解除する動きを説明する説明図であって、(a)が係止解除部材160が解除位置に移動した状態を示す側面側の要部断面図、(b)が扉Eを閉じて係止手段120を非係止位置まで押し上げた状態の側面側の要部断面図、(c)がロック装置本体1と被係止手段130の係合が解除された後、係止解除部材160を非解除位置に移動させた状態を示す側面側の要部断面図である。
図15は係止装置の他の実施の形態を説明するための説明図であって、(a1)は係止解除部材が解除位置にある係止装置の上面図、(b1)は係止解除部材が非解除位置にある係止装置の上面図、(c1)は係止解除部材が非解除位置にある係止装置の側面図、(d1)は係止解除部材が解除位置にある係止装置の側面図、(e1)は係止装置の正面図、(a2)は係止解除部材が解除位置にある係止装置の上面図、(b2)は係止解除部材が非解除位置にある係止装置の上面図、(c2)は係止解除部材が非解除位置にある係止装置の側面断面図、(d2)は係止解除部材が解除位置にある係止装置の側面断面図、(e2)は係止装置の正面断面図、(c3)は係止解除部材が非解除位置にある係止装置の側面断面図である。
ロック装置本体1は、図11に示すように、家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置Aに設けられるものであり、地震等によって振動が与えられた場合に、扉Eの開放を規制するものであり、収納装置本体Bに取り付けられるための取り付け孔を備えたケース2を有する。また、図1に示すように、当該ケース2内には、振動感知手段106と、当該振動感知手段106が振動を感知することによって扉Eを係止する係止手段120と、前記扉Eと当接して前記扉Eの閉じ方向の衝撃を緩衝する緩衝手段69とが設けられている。
図12に示すように、前記係止手段120は、回転軸123を中心に回動することにより、先端の係止爪125を非係止位置X1から係止位置X2まで移動可能に構成した部材であって、自重又は重錘(図示せず)により重力によって係止位置X2方向に付勢されている。また、係止爪125が係止位置X2まで降下した場合に、被係止手段130と係合し被係止手段130を係止することによって扉Eの開動作を防止(ロック)するようになっている。
前記振動感知手段は、前記ケース2内に転動可能に設けられた転動体106として所定の重量を有する金属球であって、非地震時に前記係止手段120に設けた係合突起128の下端と当接することにより係止手段120を下方から支えて非係止位置X1に保持するものである。また、地震等の振動によってロック装置本体1が揺れた場合には、慣性によってその場に止まろうとする転動体106とロック装置本体1の揺れに伴って移動する係止手段120(係合突起128)との当接が解除され、係止手段120が自重又は重錘により係止位置X2に移動するように構成されている。
前記ケース2内の底壁102には、前記振動感知手段106の前記係止手段120に対する非係合位置Y1から係合位置Y2まで傾斜して、振動感知手段106を前記非係合位置Y1から前記係合位置Y2まで案内する案内面108が形成されている。当該案内面108は、前記係合突起128から重力方向に垂下した位置を最下点(係合位置Y2)とした凹面を形成するようになっており、傾斜の緩やかなすり鉢のような形状になっている。すなわち、係合位置Y2に静止した金属球は、揺れが生じた場合に全周囲どちらの方向へも移動可能であり、揺れの大きさが一定の場合、球体の移動量は揺れの方向に関わらずほぼ一定となるように形成されている。
図1に示すように、前記緩衝手段69は、前記ケース2内に設けられた収納室23と、当該収納室23内に充填された油等の粘性流体である緩衝用流体25と、前記収納室23内に回動可能に設けられ、前記緩衝用流体25の抵抗を受ける抵抗部27が設けられた回動軸26と、前記扉Eと当接し、扉Eの開閉方向に移動可能な当接軸70と、前記当接軸70と前記回動軸26間に設けられ、前記当接軸70の移動を前記回動軸26に伝達する伝達手段95とからなる。
前記係止手段120は、基部122が前記ケース2に回動可能に取り付けられ、自重又は重錘により先部124が下方に付勢され、当該先部124に係止爪125が形成されている。前記係止爪125の扉E側には、扉Eの閉じる方向Pに向かって下降傾斜する傾斜面129が形成されている。
前記扉Eには、図10に示す前記係止手段120に係止される被係止手段(係止装置)130が取り付けられる。当該被係止手段(係止装置)130は、前記係止手段120の係止爪125と係合する係止枠150を有し、当該係止枠150には、前記係止爪125の係止を解除する解除位置Z2と、前記係止爪125の係止を解除しない非解除位置Z1に移動可能な係止解除部材160が設けられている。
なお、前記被係止手段130に換えて、前記扉Eに図15に示す係止手段(係止装置)170を取り付けてもよい。当該被係止手段170は、前記係止手段120の係止爪125と係合する係止枠175を有し、当該係止枠175には、前記係止爪125の係止を解除する解除位置Z2と、前記係止爪125の係止を解除しない非解除位置Z1に移動可能な係止解除部材185が設けられている。
図5(b),図6(e)に示すように、前記伝達手段95は、前記当接軸70に設けられたラック部90と、前記ラック部90と噛み合う歯車35と、前記回動軸26に設けられた回動体41と、扉Eの閉じ方向Pの歯車35の回転を回動体41に伝達し、扉Eの開く方向Qの歯車35の回転を回動体41に伝達しないクラッチ45とからなる。
図11に示すように、係止装置(被係止手段)130は、家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置Aの扉Eに設けられ、地震時に扉付き収納装置Aに設けられた係止手段120の係止爪125によって係止され、扉Eの開放が規制される。図1に示すように、係止装置(被係止手段)130は、扉Eに取り付けられるガイド枠135と、当該ガイド枠135によって、扉Eの開閉方向に移動可能に案内され、前記係止手段120の係止爪125を係止する係止枠150と、当該係止枠150に設けられ、係止枠150の移動に伴って前記
係止爪125の係止を解除する解除位置Z2と、前記係止爪125の係止を解除しない非解除位置Z1に移動可能な係止解除部材160が設けられている。
前記係止解除部材160は、扉Eの開閉方向に移動可能に設けられ、扉Eの閉じる方Pの面には、前記係止爪125の傾斜面125と摺接して、前記係止爪125を非係止位置X1方向に移動させ、係止爪125の係止を解除する解除傾斜面165が形成されている。
図7に示すように、前記ガイド枠135及び前記係止枠150には、前記係止解除部材160を解除位置Z2と非解除位置Z1で位置決めする、凹部155〜158と凸部147,148とからなる位置決め手段154が設けられている。
少なくとも、非解除位置Z1の位置における凸部147,148と凹部155、157との係合は、予め想定した重量の扉が所定震度の地震によって揺れた場合であっても、ある程度の安全マージンを持って係合を保持することができる程度の関係に設定されている。ガイド枠135の凸部147,148を設けた部分は、外側方向に弾性変形可能に形成されており、係止枠150の移動時に当該部分が弾性変形し、凸部147,148によって保持した凹部155、157(係止枠150)の移動を許容するようになっている。すなわち、これらが係止枠の移動を許容する保持手段となっている。当該保持手段の保持力は、おおよそ、開動作を防止する扉の重量と想定する地震の震度によって生じる加速度若しくはロック時の扉の速度に基づいて算出し、当該算出された力に安全率分の力を加えた力として設定される。なお、当該保持手段は、上記した構造の例に限らず他の方法を用いることも可能である。
さらにロック装置本体1及びロック装置本体1に係止される被係止手段である係止装置130について詳細に説明する。ロック装置本体1は、基枠(収納装置本体)Bに取り付けられる硬質合成樹脂製のケース2を有する。図5,6に示すように、ケース2は、主として上部ケース50と、下部ケース100と、流体収納ケース10と、蓋部材91とで形成されている。
図5(a)に示すように、流体収納ケース10は、小ケース11と、小ケース11の下部開口を水密に塞ぐ蓋体12とからなる。小ケース11は、矩形板状の上壁13と、上壁13の周囲に形成された周壁15とからなる。上壁13の略中心には、軸受け孔16が形成されている。上壁13の表面17には、軸受け孔16を中心とする環状のガイド突起19が形成されている。蓋体12は、円板状に形成され、内面略中心に軸受け穴22が形成され、両側に突片14が形成されている。突片14には、透孔18が形成されている。蓋体12は、ネジ等の固定手段21によって前記小ケース11に水密に固定されている。
図1に示すように、流体収納ケース10は、小ケース11と蓋体12によって流体収納室23が形成されている。この流体収納室23内には、粘性の緩衝用流体25が充填されている。また、図5(a)に示すように、この流体収納室23内には、前記上壁13の軸受け孔16と、前記蓋体12の軸受け穴22に回動可能に軸受けされた回動軸26が設けられている。回動軸26には、流体収納室23内を回転する板状の抵抗部材27が設けられている。回動軸26は、上部が軸受け穴22から外側に突出し、この突出部29に嵌合軸部31が形成されている。
また、前記環状のガイド突起19内には、回動軸26と軸受け孔16の隙間から緩衝用流体25が漏れるのを防ぐオーリング(密封手段)32が配設されている。前記流体収納ケース10と、前記緩衝用流体25と、前記回動軸26によって、いわゆるロータリーダンパーが構成される。
図5(b)に示すように、流体収納ケース10の環状のガイド突起19には、歯車35が回動可能に設けられている。歯車35は、円形の底壁36を有し、底壁36の略中心にガイド孔39が形成されている。歯車35は、ガイド孔39が前記流体収納ケース10の環状のガイド突起19に嵌合されて、流体収納ケース10に回動可能に取り付けられている。前記回動軸26の嵌合軸部31には、回動体41が設けられている。
回動体41は、円板状に形成され、略中心に前記回動軸26の嵌合軸部31に嵌合される嵌合孔部42が形成され、外周面の一側に係止溝43が形成されている。回動体41は、嵌合孔部42が回動軸26の嵌合軸部31に嵌合されて、回動軸26に固定して取り付けられ、歯車35内に配置されている。歯車35の内周面と回動体41の外周面の間にクラッチ45が配設されている。クラッチ45は、スプリング状に形成され、一端46が回動体41の係止溝43に係止され、他端47が歯車35の底壁36に摺接する。クラッチ45は、図5(b)の真上から見て、歯車35が時計回転すると、歯車35の底壁36が他端47に引っ掛からないため、回動体41に動力を伝達しないが、歯車35が反時計回転すると、歯車35の底壁36が他端47に引っ掛かるため、回動体41に動力を伝達する。なお、歯車35の底壁36に、歯車35が反時計回転すると、クラッチ45の他端47に係止し、歯車35が時計回転すると、クラッチ45の他端47に係止しない係止爪を形成しても良い。
図5(c)に示すように、上部ケース50は、長手方向前部が半円状の長箱状に形成され、底壁51と、底壁51の右側に形成された右壁52と、底壁51の左側に形成された左壁53と、底壁51の後側に形成された後壁54と、底壁51の前側に形成された前壁55とからなる。前壁55は、半円状に湾曲して形成されている。底壁51には、前記流体収納ケース10の小ケース11を嵌合する取付孔56が形成されている。
前記流体収納ケース10は、小ケース11が上部ケース50の取付孔56に嵌合し、蓋体12が底壁51の裏面に当接し、蓋体12の突片14、14に形成された透孔18、18に挿通されたネジ等の固定手段57によって上部ケース50に固定されている。取付孔56(流体収納ケース10に取り付けられた歯車35)を挟んで底壁51の両側には、ガイド路58,59が形成されている。
右側のガイド路58は、右壁52と略平行に形成され、左側のガイド路59は、左壁53と略平行に形成されている。前壁55には、略U字状の切り欠きによって挿通孔60が形成されている。前記取付孔56の前部近傍の底壁51には、コイルスプリング状の弾性部材85の後端86を受け止める受け部材61が立設されている。また、右壁52と左壁53と後壁54と前壁55の上端内側には、蓋部材91の周縁を係合する段凹部62,63,64,65が形成されている。さらに、右壁52と左壁53の上端外側には、突片66,66が形成されている。突片66には、透孔67が形成されている。
図6(e)に示すように、上部ケース50には、当接軸70が前後方向に摺動可能に設けられている。当接軸70には、略U字状のスライド部材71が取り付けられている。スライド部材71は、上部ケース50の前記ガイド路58に案内される右ガイド部材72と、上部ケース50の前記ガイド路59に案内される左ガイド部材73と、右ガイド部材72の前部と左ガイド部材73の前部を連結する連結部75とからなる。当接軸70は、後部76が連結部75に連結された形で形成されている。当接軸70は、前端77に取付穴79が形成され、後端80に挿設穴81が形成されている。当接軸70の取付穴79には、ゴム、ウレタン等の衝撃吸収部材83が取り付けられている。また、当接軸70の挿設穴81には、コイルスプリング状の弾性部材85が挿設されている。
当接軸70は、弾性部材85の後端86が前記底壁51の受け部材61に当接しており
、この弾性部材85の弾性により前方に付勢され、前壁55に形成された挿通孔60から突出した状態で、前記連結部75が上部ケース50の前壁55に圧接している。右ガイド部材72には、前記歯車35と噛み合うラック部90が形成されている。図6(f)に示すように、上部ケース50は、前記スライド部材71及び弾性部材85を収容した形で、右壁52と左壁53と後壁54と前壁55の段凹部62,63,64,65に蓋部材91の周縁が係合され、ネジ等の固定手段92によって蓋部材91が固定されている。蓋部材91には、前記当接軸70を軸受けする突片94が形成されている。
前記当接軸70に設けられたラック部90と、前記ラック部90と噛み合う歯車35と、前記回動軸26に設けられた回動体41と、扉Eの閉じ方向Pの歯車35の回転を回動体41に伝達し、扉Eの開く方向Qの歯車35の回転を回動体41に伝達しないクラッチ45によって、伝達手段95が構成される。なお、クラッチ45を外し、当接軸70に設けられたラック部90と、回動軸26に直接的に設けられた、前記ラック部90と噛み合う歯車35とからなる伝達手段95であっても良い。また、前記ケース2内に設けられた流体収納室23と、前記流体収納室23内に充填された緩衝用流体25と、前記流体収納室23内に回動可能に設けられ、前記緩衝用流体25の抵抗を受ける抵抗部材27が設けられた回動軸26と、前記扉Eと当接し、扉Eの開閉方向に移動可能な当接軸70と、前記当接軸70と前記回動軸26間に設けられ、前記当接軸70の移動を前記回動軸26に伝達する前記伝達手段95によって、緩衝手段69が構成される。
図5(d)に示すように、下部ケース100は、流体収納ケース10の下面を覆うようにして、上部ケース50の底壁51にネジ等の固定手段101によって取り付けられている。下部ケース100の前部には、円形の底壁102と、底壁102の周囲に形成された周壁103とからなる転動室105が形成されている。底壁102には、略中心104に向かって下降傾斜し、略中心104が一番低くなっている案内面108が形成されている。転動室105内には、転動体(球体)106が収容され、非地震時には転動体106である金属球が略中心104で静止するようになっている。
なお、本実施の形態においては、最適な形状として、前記のように底壁102の形状を略中心104を中心とした逆円錐形状の内面を成すすり鉢状に形成しているが、傾斜面の角度、球体の重量や大きさ、その他の条件に応じて底壁の形状を多角錐形状に形成しても構わない。
また、下部ケース100の転動室105後部近傍には、転動室105と連通する収納凹部110が形成されている。収納凹部110は、前後方向に向かって長く形成され、収納凹部110の両側に軸受溝111,112が対向して形成されている。また、下部ケース100の前部中央には、周壁103と底壁102の前部を切り欠いて形成された上下に細長く開口する連通孔115が形成されている。当該連通孔115の幅は、係止手段120の動作を許容する程度に係止手段120の幅よりも若干広く形成されている。また、当該連通孔115の長手方向の中心線と、前記上部ケース50の前壁55に形成した略U字状の挿通孔60の中心線を一致させるとともに、両者を近接して設けている。すなわち、ダンパとなる当接軸70の中心線と係止手段120の移動経路の中心線が一致するように構成している。これは、左右開閉式の開き扉を有する家具に本願に係る振動感知ロック装置を用いた場合、当接軸70の位置が係止手段120(係止爪125)の位置が左右方向に離れた位置にあると、適正な緩衝の開始前に既に係止手段120が被係止手段との係合位置に到来したりする等、緩衝とロックのタイミングが合わず適正にロックを行わないケースも考えられるからである。このような可能性を軽減させるために、当接軸70(特に先端部)と係止手段120の位置関係を近接かつ重力方向において一致するように構成している。この意味においても、緩衝手段69とロック機構を一体化させた意義がある。
図5(d)に示すように、下部ケース100内には、係止手段120が回動可能に設け
られている。係止手段120は、所定肉厚の板に凹状の切り欠きを形成したような、略U字形状の肉厚(幅)が均一に形成された硬質合成樹脂製の部材である。係止手段120は、中間部の細長状のアーム121と、当該アーム121の後部にアーム121と略直角となるように垂下させた基部122と、アーム121の先部(前部)124に垂下するように設けられた係止爪125とからなる。基部122には、左右方向(肉厚方向)に突出した短い円柱形の回動軸123が設けられている。また、アーム121の略中間位置に当たる部分の下方(U字形の内側)には、係合突起128が突出するように設けられている。当該係合突起128は、前記下部ケース100底壁102の略中心104の位置と重力方向において対向しており、当該略中心104に静止する球体の中心の上面と当該係合突起128の下端がほぼ一致するようになっている。また、アーム121の下面(U字形の内側に面した面)は、前記係合突起128の部分を除き、長手方向の中心線中央を最下部として上側に湾曲するような面取りが行われている。すなわち、アーム121の下面は長手方向に沿って半円柱形のような形状であり、球体が当接した場合にそのまま球体に載らず、球体を左右に逃がしやすくしている。これにより、ロック時における動作不良発生の可能性を軽減させている。
図4に示すように、係止爪125の後面(基部122側の面)には、アーム121と略直角を成す平面の係止面126が形成されている。また、係止面126の反対面である係止爪125の前方上部には、前記係止面126と略平行の平面である前端面127が形成されている。前端面127の下方である係止爪125の前方下部は、前端面127の下端と係止面126の下端を連結するやや凸状の湾曲面129が形成されている。なお、係止爪125の前方下部は、前端面127の下端から係止面126の下端に向かって下降傾斜する傾斜面であっても良い。この部位の形状は、当該部位に当接する解除傾斜面165の形状に応じて適宜最適な傾斜角度や形状が設定されるようになっている。
係止手段120は、基部122が下部ケース100の収納凹部110に収納され、回動軸123が軸受溝111,112に回動可能に軸受けされている。アーム121の略中間部には、底壁102の略中心104で静止している転動体(球体)106の上部107と係合可能な係合突起128が突設されている。
本実施の形態においては、係合突起128の下端面の形状は、球体(鉄球)の直径が略9.5mmであるのに対して、前後と左右の長さが1.5mm×3.0mmの長方形となっている。すなわち、球体は360度全周囲いずれの方向に移動できるが、鉄球が左右方向に移動した場合には、前後方向に移動した場合と比較して係合突起128と長い時間当接するようになっている。これは開き扉等を有する家具等への適用を考慮したものであり、扉を開かせるような方向の振動(球体の前後移動)が働いた場合には即座にロックが行われ、扉の開閉には影響の少ない横方向の振動の場合と比較して動作の感度を高くしている。これは、全方向の振動に対して装置全体の感度を高めると、地震時以外の通常使用時における振動によってもロックされてしまう場合も想定されるので、危険性の高い扉の開閉方向への感度を高く、他の方向の感度はこれよりも低く設定している。このように、振動方向に対する感度を当接する係合突起128の当接面の形状を設定することによって調節することができる。
係止手段120は、係止爪125が下部ケース100に形成された前記連通孔115から突出可能に取り付けられている。
図7に示すように、係止装置(被係止手段)130は、装置本体131と係止解除部材160とからなる。装置本体131は、取付板132と、取付板132の下端に取付板132と略直角となるように形成されたガイド枠135とからなる。取付板132には、取付孔133,134が形成されている。ガイド枠135は、右ガイドアーム136と、左ガイドアーム137と、右ガイドアーム136及び左ガイドアーム137の先端を連結する連結アーム138とからなる略U字状に形成されている。
図8に示すように、右ガイドアーム136の内側面及び左ガイドアーム137の内側面には、案内路139,140が形成されている。案内路139は、右ガイドアーム136の下端中央に形成された下ガイド片141と、右ガイドアーム136の上端後部に形成された上ガイド片142と、右ガイドアーム136の上端前部と左ガイドアーム137の上端前部に連結して形成されたガイド板143によって形成されている。
案内路140は、左ガイドアーム137の下端中央に形成された下ガイド片145と、下ガイドアーム137の上端後部に形成された上ガイド片146と、右ガイドアーム136の上端前部と左ガイドアーム137の上端前部に連結して形成されたガイド板143によって形成されている。また、右ガイドアーム136の略中央には、係止凸部147が形成されている。左ガイドアーム137の略中央には、係止凸部148が形成されている。
図7に示すように、ガイド枠135には、係止枠150が扉の開閉方向(前後方向)に移動可能に案内されている。係止枠150は、略コ字状に形成され、右摺動部材151と、左摺動部材152と、右摺動部材151と左摺動部材152の前端部に連設された係止片153とからなる。右摺動部材151には、前記右ガイドアーム136の係止凸部147を係脱する第1の係止凹部155と第2の係止凹部156が形成されている。左摺動部材152には、前記左ガイドアーム137の係止凸部148を係脱する第1の係止凹部157と第2の係止凹部158が形成されている。また、係止片153の内側には、傾斜した係止面159が形成されている。
係止枠150の後部には、係止解除部材160が設けられている。係止解除部材160は、略三角柱状に形成され、下面162と、垂直面163と、解除傾斜面165と、右側面166と左側面167からなる。解除傾斜面165は、前方から後方(扉Eの閉じる方向P)に向かって下降傾斜した斜面である。なお、係止解除部材160を解除位置Z2で位置決めする係止凸部147,148及び第1の係止凹部155,157と、係止解除部材160を非解除位置Z1で位置決めする係止凸部147,148及び第2の係止凹部156,158とで、位置決め手段154が構成される。
前記非解除位置Z1とは、係止枠150がロック装置本体1に対して一番遠い位置にあり、係止手段120に設けた係止爪125先端下部の湾曲面129が解除傾斜面165と当接しても、当該当接が不十分となって、係止手段120を初期位置である降下前の位置まで持ち上げることができない位置である。また、解除位置Z2とは、係止枠150がロック装置本体1に対して一番近い位置にあり、係止手段120に設けた係止爪125先端下部の湾曲面129が解除傾斜面165と当接して斜面に沿って持ち上げられ、係止手段120を初期位置である降下前の位置まで持ち上げることができる位置である。
なお、非解除位置Z1から解除位置Z2へ移動するには、前記係止凸部147,148と第1の係止凹部155,157との係合を解除しなければならないが、当該解除に要する力は想定される地震の揺れによって家具の扉が振動したとしても、容易に解除できないような強度に設定されている。また、前記係止凸部147,148と第1の係止凹部155,157は、人間の力で扉を開いた場合に初めて移動が許容されるような強度に設定されており、人間が操作するまで係合状態を保持する保持手段となっている。
係止枠150の右摺動部材151は、右ガイドアーム136の下ガイド片141と、右ガイドアーム136の上ガイド片142と、右ガイドアーム136のガイド板143の空間によって形成されている案内路139の空間に摺動可能に差し込まれている。係止枠150の左摺動部材152は、左ガイドアーム137の下ガイド片145と、左ガイドアーム137の上ガイド片146と、左ガイドアーム137のガイド板143の空間によって形成されている案内路140の空間に摺動可能に差し込まれている。
このように、係止枠150は、右摺動部材151が案内路139に案内され、左摺動部
材152が案内路140に案内され、ガイド枠135に扉の開閉方向(前後方向)に向かって移動可能に案内されている。なお、図10(a)に示すように、係止枠150は、右摺動部材151の第1の係止凹部155が案内路139の係止凸部147に係止され、左摺動部材152の第1の係止凹部157が案内路140の係止凸部148に係止されると、係止解除部材160が非解除位置Z1に位置決めされる。また、係止枠150は、右摺動部材151の第2の係止凹部156が案内路139の係止凸部147に係止され、左摺動部材152の第2の係止凹部158が案内路140の係止凸部148に係止されると、係止解除部材160が解除位置Z2に位置決めされる。
図11に示すように、ロック装置本体1は、家具、吊り戸棚、机等の扉付き収納装置Aに取り付けられる。家具は、箪笥、食器棚等である。扉付き収納装置Aは、基枠(収納装置本体)Bと、基枠(収納装置本体)Bに開閉可能に設けられた扉Eとからなる。ロック装置本体1は、ケース2が略水平となるようにして、基枠(収納装置本体)Bの上壁Cにネジ、接着剤等によって固定される。ロック装置本体1の取り付け位置は、上壁Cに限定されるものではない。本実施の形態では、ケース2の突片66に形成された透孔67にネジ68を挿通し、当該ネジ68を上壁Cにねじ込むことによって、ロック装置本体1が上壁Cに固定されている。
係止装置(被係止手段)130は、扉Eに取り付けられる。本実施の形態では、扉Eは、基枠(収納装置本体)Bに引き出し可能に設けられた引き出しFの前板であっても、ヒンジを介して基枠(収納装置本体)Bに回動自在に取り付けられた扉であっても構わない。
係止装置(被係止手段)130は、取付板132に形成された取付孔133,134にネジ169を挿通し、当該ネジ169を扉Eにねじ込むことによって、扉Eに固定されている。係止装置(被係止手段)130が扉Eに固定されると、ガイド枠135が略水平となる。係止装置(被係止手段)130は、係止枠150が後方(扉Eの開く方向Q)に摺動させられ、第1の係止凹部155,157が案内路139,140の係止凸部147,148に係止され、係止解除部材160が非解除位置Z1に位置決めされている。非解除位置Z1に位置している係止解除部材160は、係止手段120の係止爪125の係止を解除することができない。
平常時(非地震時)においては、図12(a)に示すように、ロック装置本体1は、球体(転動体)106が底壁102に形成された案内面108によって一番低い位置104で静止している。この球体(転動体)106の位置は、係止手段120と係合する係合位置Y2である。係止手段120は、係合突起128が球体(転動体)106の上部107と係合しており、アーム121が略水平状態で保持されている。この状態で、図11に示すように、扉Eを引き出したり(開いたり)、押し込んだり(閉じたり)しても、係止爪125が非係止位置X1に位置しているので、係止装置(被係止手段)130は、ロック装置本体1の係止爪125と接触することがないので、ロック装置本体1に何ら作用することがなく、扉Eはロックされない。
図11(b)に示すように、扉Eを閉じると、扉Eが緩衝手段69の当接軸70に設けられた衝撃吸収部材83に当接する。衝撃吸収部材83により、扉Eの当たり音が緩衝される。当接軸70は、弾性部材85の弾性に抗して、後方(扉Eの閉じる方向P)に移動する。スライド部材71も後方(扉Eの閉じる方向P)に移動し、ラック部90と噛み合う歯車35も上から見て反時計方向に回転する。歯車35の反時計回転は、クラッチ45を介して回動体41に伝達され、回動軸26も反時計方向に回転する。扉Eは、回動軸26の抵抗部材27が緩衝用流体25の抵抗を受けるため、閉じ方向Pの衝撃力と衝撃音が吸収され、扉Eの閉じ方向Pへの移動に制動をかけ、扉Eをゆっくり閉じさせる。このように、扉Eがゆっくり閉じるため、戸当たりによる振動により、球体(転動体)106が
係合突起128から外れ、係止爪125が係止位置X2に移動して、扉Eをロックする虞がない。なお、扉Eは、基枠(収納装置本体)Bに設けられた復帰用スプリングにより、自動的に閉まるようにしても構わない。
図11(c)に示すように、扉Eを開くと、当接軸70は、弾性部材85の弾性により、前方(扉Eの開く方向Q)に移動し、元の状態に復帰する。スライド部材71も前方(扉Eの開く方向Q)に移動し、ラック部90と噛み合う歯車35も上から見て時計方向に回転する。歯車35の時計回転は、クラッチ45が作用しないため、回動体41に伝達されない。従って、当接軸70は、弾性部材85によって速やかに復帰する。
図12(b)に示すように、扉Eが押し込まれている(閉じている)状態の時に、地震が発生すると、球体(転動体)106が地震の揺れによって、相対的に非係合位置Y1に移動する。係止手段120は、球体(転動体)106が移動すると、係合突起128から球体(転動体)106が外れて係合が解除され、回動軸123を中心として、時計方向(R方向 係止方向)に回動する。係止手段120が時計方向(R方向 係止方向)に回動すると、係止爪125が係止解除部材160の解除傾斜面165に当接する。
図12(c)、図13(b)に示すように、地震により扉Eが前方(扉Eの開く方向Q)に移動すると、係止爪125が係止解除部材160の解除傾斜面165を滑り落ちるようにして、係止爪125が係止位置X2まで回動し、係止装置(被係止手段)130の係止枠150内に入り、係止爪125の係止面126が係止枠150の係止面159に係止されるので、扉Eがロックされ、扉Eの開放が規制され、これ以上開くことがない。図12(b),図13(c)に示すように、地震により扉Eが後方(扉Eの閉じる方向P)に移動すると、係止手段120の係止爪125は係止解除部材160の解除傾斜面165によって押し上げられるが、係止解除位置Z1まで押し上げられないため、扉Eのロックが解除されず、扉Eの開放が規制されたままである。このように、ロック装置本体1は、図12(b),図12(c)に示すように、扉Eが前後に移動しても、係止手段120の係止爪125によって扉Eの開放を規制する。
扉Eが開いている状態の時に、地震が発生すると、球体(転動体)106が地震の揺れを感知して、非係合位置Y1に移動し、係止手段120の係止爪125が係止位置X2まで回動する。この時、扉Eを後方(扉Eの閉じる方向P)に移動させると、係止手段120の係止爪125が、ガイド枠135の連結アーム138を滑るようにして押し上げられ、連結アーム138を乗り越えると、係止装置(被係止手段)130の係止枠150内に入り、扉Eをロックする。この時、係止爪125は、係止解除位置Z1まで押し上げられない。連結アーム138の前端縁は、係止爪125の湾曲面129と摺接し、係止爪125を上方に移動させるので、湾曲させておくことが望ましい。
次に、ロック装置本体1の解除方法について説明する。図14(a)に示すように、地震終了時に、扉Eを強く引っ張って扉Eを開くと、係止手段120の係止爪125が係止装置130の係止枠150に係止されているので、係止枠150がガイド枠135内を移動して、第2の係止凹部156、158が案内路139、140の係止凸部147、148に係止され、係止解除部材160が解除位置Z2に位置決めされる。図14(b)に示すように、扉Eを閉じる方向Pに押圧して移動させると、その移動に伴って、係止枠150の係止片153が係止爪125から外れ、係止解除部材160も後方(扉Eを閉じる方向P)に移動し、解除傾斜面165が係止爪125の湾曲面129に摺接し、係止爪125を上方(非係止位置X1側)に移動させて扉Eのロックを解除する。このように、係止装置130は、扉Eを引っ張るだけで、係止解除部材160を解除位置Z2に移動させることができ、扉Eを押すだけで、ロック装置本体1のロックを解除することができるので、扉Eと収納装置本体Bの僅かな隙間からスプーン等の棒状物を差し込んで、係止解除部
材160を解除位置Z2に移動させる面倒さがなく、極めて便利である。
係止爪125が上方に移動すると、係止手段120が回動軸123を中心として反時計方向(S方向 反係止方向)に回動し、係止手段120が非係止位置X1に移動する。球体(転動体)106は、案内面108に沿って、底壁102に形成された一番低い位置104(係合位置Y2)に移動して静止する。係止手段120は、係合突起128が球体(転動体)106の上部107と係合し、アーム121が略水平状態で保持され、係止爪125が非係止位置X1に位置する。このようにして、ロック装置本体1は、係止解除部材160によって、係止爪125の係止が解除され、扉Eのロックが解除される。なお、図14(c)に示すように、扉Eを開く方向Qに移動させ、手動により、係止解除部材160を非解除位置Z1に押し戻すことができる。
係止装置(被係止手段)の他の実施の形態について説明する。図15に示すように、係止装置(被係止手段)170は、係止部材171と係止解除部材185とからなる。係止部材171は、取付板172と、取付板172の下端に取付板172と略直角となるように形成された係止枠175とからなる。取付板172には、上下方向に伸びる取付長孔173,174が形成されている。係止枠175は、略コ字状に形成され、右ガイドアーム176と、左ガイドアーム177と、右ガイドアーム176と左ガイドアーム177の先端を連結する係止アーム178とからなる。右ガイドアーム176の内側面には、凸条179が延設され、左ガイドアーム177の内側面には、凸条180が延設されている。取付板172の下部には、係合突起182,183が後方(扉Eの閉じる方向P)に向かって突設形成されている。係止アーム178の内側面178a下部には、係止凹部181が形成されている。
係止解除部材185は、略三角柱状に形成され、下面186と、垂直面187と、解除傾斜面188と、右側面189と左側面190からなる。解除傾斜面188は、前方から後方(扉Eの閉じる方向P 係止アーム178側)に向かって下降傾斜している。係止解除部材185の下面186には、前記右ガイドアーム176の凸条179に摺動可能に案内される案内溝191が形成された突起192と、前記左ガイドアーム177の凸条180に摺動可能に案内される案内溝193が形成された突起194が設けられている。
係止解除部材185は、突起192に形成された案内溝191を右ガイドアーム176の凸条179に摺動可能に係合し、突起194に形成された案内溝193を左ガイドアーム177の凸条180に摺動可能に係合すると、係止部材171に対して前後方向(扉Eの開閉方向)に摺動可能に取り付けられる。係止解除部材185は、案内溝191と凸条179が圧接し、案内溝193と凸条180が圧接するので、案内溝191と凸条179との間及び案内溝193と凸条180との間に摩擦抵抗が生じ、その摩擦抵抗に抗して、係止部材171に対して前後方向(扉Eの開閉方向)に摺動可能である。係止解除部材185は、取付板172に当接するまで前方(扉Eの開く方向Q)に摺動すると、突起192と194間に係合突起182,183が圧入され、係合突起182,183と突起192,194の摩擦抵抗により、係合突起182,183から容易に外れず、その位置で保持される。
係止装置(被係止手段)170は、係止装置130と同様に、扉Eに取り付けられる。係止装置(被係止手段)170は、取付板172に形成された取付長孔173,174にネジを挿通し、当該ネジを扉Eにねじ込むことによって、扉Eに固定されている。係止装置(被係止手段)170が扉Eに固定されると、係止枠175が略水平となる。係止装置(被係止手段)170は、係止解除部材185が前方(扉Eの開く方向Q)に摺動させられ、突起192と194の間に係合突起182,183が圧入されており、摩擦抵抗によりその位置で保持されている。この係止解除部材185の位置は、係止手段120の係止
爪125に何等作用しない非解除位置Z1である。
平常時(非地震時)において、ロック装置本体1は、上記したように、扉Eを引き出したり(開いたり)、押し込んだり(閉じたり)しても、係止爪125が非係止位置X1に位置しているので、係止装置(被係止手段)170と接触することがなく、ロック装置本体1に何ら作用することがなく、扉Eはロックされない。
扉Eが押し込まれている(閉じている)状態の時に、地震が発生すると、球体(転動体)106が地震の揺れを感知して移動する。係止手段120は、球体(転動体)106が移動すると、係合突起128から球体(転動体)106が外れて係合が解除され、回動軸123を中心として、時計方向(R方向 係止方向)に回動する。係止手段120が時計方向(R方向 係止方向)に回動すると、係止爪125が係止位置X2まで回動し、係止装置(被係止手段)170の係止枠175内に入り、扉Eがロックされ、扉Eの開放が阻止される。係止解除部材185は、非解除位置Z1に位置しているので、係止爪125に何ら作用することがない。
次に、ロック装置本体1の解除方法について説明する。地震終了時に、扉Eを開いて係止手段120の係止爪125に係止装置170の係止アーム178を係止させる。係止装置170の係止解除部材185を、案内溝191と凸条179との間及び案内溝193と凸条180との間の摩擦抵抗に抗して、後方(扉Eの閉じる方向P)に摺動させ、解除位置Z2まで移動する。係止解除部材185の解除傾斜面188と係止爪125の傾斜面129は当接する。
扉Eを閉じる方向Pに移動させると、その移動に伴って、係止解除部材185も後方(扉Eを閉じる方向P)に移動し、解除傾斜面188が係止爪125の傾斜面129に摺接し、係止爪125を上方(非係止位置X1側)に移動させて扉Eのロックを解除する。係止爪125が上方に移動すると、係止手段120が回動軸123を中心として反時計方向(S方向 反係止方向)に回動し、球体(転動体)106は、案内面108に沿って、略中心104(係合位置Y2側)に移動して静止する。係止手段120は、係合突起128が球体(転動体)106の上部107と係合し、アーム121が略水平状態で保持され、係止爪125が非係止位置X1に位置する。このようにして、ロック装置本体1は、係止解除部材185によって、係止爪125の係止が解除され、扉Eのロックが解除される。
ロック装置本体1は、家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置Aに設けられ、非地震時には、係止手段120が転動体106と係合して非係止位置X1で保持されており、地震時には、転動体106が係止手段120から離脱して係止手段120が自重又は重錘により係止位置X2に移動して、扉Eを係止し、扉Eの開放を規制する。係止手段120を係止位置X2から非係止位置X1に移動させると、転動体106は、案内面108に沿って、係止手段120に対する非係合位置Y1から係合位置Y2まで移動し、係止手段120と係合して係止手段120を非係止位置X1で保持する。
ロック装置本体1は、上記したように、振動感知手段(転動体)106が地震を感知することによって扉Eを係止する係止手段120と、さらに扉Eと当接して扉Eの閉じ方向の衝撃を緩衝する緩衝手段69が設けられているので、コンパクトに構成することができ、係止手段120とダンパーをそれぞれ別個に取り付けるのに比べ、コストの低廉化を図ることでき、取り付けが1箇所なので取り付けが容易で収納装置本体Bをあまり傷つけることがない。また、ロック装置本体1は、係止手段120により、地震中に扉Eを係止して扉Eの開放を確実に阻止することができ、日常使用時においては、緩衝手段69により、扉Eの戸当たりによる衝撃音と衝撃力を緩和・吸収し、衝撃による収納装置A内の収納物の転倒を防止でき、衝撃による不愉快な音の発生をおさえ、さらに地震以外の日常的な
戸当たりによる揺れにより、係止手段120が扉Eを係止することを防止することもできる。
ロック装置本体1は、前記緩衝手段69が、前記ケース2内に設けられた収納室23と、前記収納室23内に充填された緩衝用流体25と、前記収納室23内に回動可能に設けられ、前記緩衝用流体25の抵抗を受ける抵抗部27が設けられた回動軸26と、前記扉Eと当接し、扉Eの開閉方向に移動可能な当接軸70と、前記当接軸70と前記回動軸26間に設けられ、前記当接軸70の移動を前記回動軸26に伝達する伝達手段95とからなるので、緩衝用流体25の抵抗により回動軸26に制動がかけられ、滑らかに扉Eを閉じさせることができる他、コンパクトに構成することができる。
ロック装置本体1は、前記係止手段120の基部122が前記ケース2に回動可能に取り付けられているので、係止手段120が非係止位置X1から係止位置X2に回動することができ、ケース2に係止手段の係止軸を案内する案内口が不要であり、ケース2にあまり負荷がかからないから、壊れ難い。また、部品点数が少ないため、簡単且つ安価に製造することができ、コンパクトで狭いスペースに取り付けることができる。
ロック装置本体1は、前記係止手段120の基部122がケース2に回動可能に取り付けられ、自重又は重錘により先部124が下方に付勢され、当該先部124に係止爪125が形成されており、係止爪125の扉E側には、扉Eの閉じる方向Pに下降傾斜する傾斜面129が形成されているので、扉Eに設けられた係止手段120に係止される非係止手段130に解除傾斜面165を形成すれば、扉Eを閉じることによって、非係止手段130の解除傾斜面165が係止手段120の傾斜面129と摺接して、係止手段120を係止位置X2から非係止位置X1に自動的に回動させることができる。また、ロック装置本体1は、係止手段120を係止位置X2から非係止位置X1に移動させると、転動体106が、案内面108に沿って非係合位置Y1から係合位置Y2まで自動的に移動して係止手段120と係合するので、扉Eの閉塞(閉じる)動作により、自動的に初期状態に復帰させることができる。
ロック装置本体1は、扉Eの閉塞(閉じる)動作により、扉Eが当接軸70に当接した場合の当接軸70の移動を回動軸26に伝達する伝達手段95が、当接軸70に設けられたラック部90と、ラック部90と噛み合う歯車35と、回動軸26に設けられた回動体41と、扉Eの閉じ方向Pの歯車35の回転を回動体41に伝達し、扉Eの開く方向Qの歯車35の回転を回動体41に伝達しないクラッチ45とからなるので、確実に扉Eの閉塞(閉じる)方向Pへの動きを緩衝することができる一方、扉Eの開放(開く)方向Qへの動きを干渉することがなく、速やかに扉Eを開放(開く)することができる。なお、上記伝達手段95は、クラッチ45を外し、当接軸70に設けられたラック部90と、回動軸26に設けられ、ラック部90と噛み合う歯車35とからなる構成にしても構わない。
係止装置130は、扉Eに設けられ、地震時に扉付き収納装置Aに設けられた係止手段120の係止爪125によって係止されて扉Eの開放を規制するものであり、前記係止爪125の係止を解除することができる係止解除部材185を有し、非地震時には、係止解除部材185を前記係止爪125の係止を解除することができない非解除位置Z1に移動させることができる。係止装置130は、地震時に係止手段120の係止爪125によって係止された場合、この係止を解除するため、係止解除部材185を係止手段120の係止を解除することができる解除位置Z2まで移動させることができる。このように 係止装置130は、係止手段120の係止を解除する係止解除部材185を非解除位置Z1に移動させておけば、地震時に係止解除部材185が係止手段120の係止を解除してしまうことがない。
本願発明に係る振動感知ロック装置の全体側面図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の全体斜視図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の全体図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の断面図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の組み立て方を説明する斜視図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の組み立て方を説明する斜視図である。 本願発明に係る係止装置の斜視図である。 本願発明に係る係止装置のガイド枠の全体図である。 本願発明に係る係止装置の係止枠の全体図である。 本願発明に係る係止装置の断面図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の動きを説明する説明図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の動きを説明する説明図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の動きを説明する説明図である。 本願発明に係る振動感知ロック装置の動きを説明する説明図である。 本願発明に係る係止装置の他の実施例を示す説明図である。
符号の説明
A 扉付き収納装置
B 基枠(収納装置本体)
C 上壁
E 扉
F 引き出し
P 閉じる方向
Q 開く方向
X1 非係止位置
X2 係止位置
Y1 非係合位置
Y2 係合位置
Z1 非解除位置
Z2 解除位置
1 振動感知ロック装置
2 ケース
10 流体収納ケース
11 小ケース
12 蓋体
13 上壁
14 突片
15 周壁
16 軸受け孔
17 表面
18 透孔
19 ガイド突起
21 固定手段
22 軸受け穴
23 流体収納室
25 緩衝用流体
26 回動軸
27 抵抗部材
29 突出部
31 嵌合軸部
32 オーリング(密封手段)
35 歯車
36 底壁
39 ガイド孔
41 回動体
42 嵌合孔部
43 係止溝
45 クラッチ
46 一端
47 他端
50 上部ケース
51 底壁
52 右壁
53 左壁
54 後壁
55 前壁
56 取付孔
57 固定手段
58 ガイド路
59 ガイド路
60 挿通孔
61 受け部材
62 段凹部
63 段凹部
64 段凹部
65 段凹部
66 突片
67 透孔
68 ネジ
69 緩衝手段
70 当接軸
71 スライド部材
72 右ガイド部材
73 左ガイド部材
75 連結部
76 後部
77 前端
79 取付穴
80 後端
81 挿設穴
83 衝撃吸収部材
85 弾性部材
86 後端
90 ラック部
91 蓋部材
92 固定手段
94 突片
95 伝達手段
100 下部ケース
101 固定手段
102 底壁
103 周壁
104 略中心
105 転動室
106 転動体(球体 振動感知手段)
107 上部
108 案内面
110 収納凹部
111 軸受溝
112 軸受溝
115 連通孔
120 係止手段
121 アーム
122 基部
123 回動軸
124 先部
125 係止爪
126 係止面
127 前端面
128 係合突起
129 湾曲面(傾斜面)
130 係止装置(被係止手段)
131 装置本体
132 取付板
133 取付孔
134 取付孔
135 ガイド枠
136 右ガイドアーム
137 左ガイドアーム
138 連結アーム
139 案内路
140 案内路
141 下ガイド片
142 上ガイド片
143 ガイド板
145 下ガイド片
146 上ガイド片
147 係止凸部
148 係止凸部
150 係止枠
151 右摺動部材
152 左摺動部材
153 係止片
154 位置決め手段
155 第1の係止凹部
156 第2の係止凹部
157 第1の係止凹部
158 第2の係止凹部
159 係止面
160 係止解除部材
162 下面
163 垂直面
165 解除傾斜面
166 右側面
167 左側面
169 ネジ
170 係止装置(被係止手段)
171 係止部材
172 取付板
173 取付長孔
174 取付長孔
175 係止枠
176 右ガイドアーム
177 左ガイドアーム
178 係止アーム
178a 内側面
179 凸条
180 凸条
181 係止凹部
182 係合突起
183 係合突起
185 係止解除部材
186 下面
187 垂直面
188 解除傾斜面
189 右側面
190 左側面
191 案内溝
192 突起
193 案内溝
194 突起

Claims (6)

  1. 家具、吊り戸棚等の扉付き収納装置に設けられ、地震時に扉の開放を規制する振動感知ロック装置であって、
    収納装置本体に取り付けられるケースを有し、
    当該ケースには、
    振動感知手段と、
    前記振動感知手段が地震を感知することによって扉を係止する係止手段と、
    前記扉と当接して前記扉の閉じ方向の衝撃を緩衝する緩衝手段と、
    が設けられており、
    前記係止手段は、アームと、アームの後部に設けられた基部と、アームの先部に設けられた係止爪とからなり、基部が前記ケースに回動可能に取り付けられ、係止爪が非係止位置から係止位置まで移動可能であって、自重又は重錘により係止爪が係止位置方向に付勢され、係止爪が係止位置で扉に係止可能であり、
    前記振動感知手段は、前記ケースに転動可能に設けられた転動体であって、非地震時に前記係止手段のアームと係合して係止爪を非係止位置で保持し、地震時に前記係止手段のアームから離脱して係止爪を自重又は重錘により係止位置に移動させるように構成され、
    前記ケースの底壁には、前記振動感知手段の前記係止手段のアームに対する非係合位置から係合位置まで傾斜して、振動感知手段を前記非係合位置から前記係合位置まで案内する案内面が形成され
    前記扉には、前記係止手段の係止爪に係止される係止装置が設けられており、
    当該係止装置は、
    扉に取り付けられるガイド枠と、
    前記ガイド枠に取り付けられ、当該ガイド枠によって扉の開閉方向に移動可能に案内され、前記係止手段の係止爪に係止される係止枠とを有し、
    当該係止枠には、係止解除部材が設けられ、
    係止解除部材は、係止枠を扉の閉じる方向へ移動させることにより、前記係止爪を係止位置から非係止位置に移動させて係止を解除することができる解除位置と、係止枠を扉の
    開く方向へ移動させることにより、前記係止爪を係止位置から非係止位置まで移動させることができず係止を解除することができない非解除位置に移動可能であることを特徴とする振動感知ロック装置。
  2. 前記係止解除部材は、扉の閉じる方の面には、前記係止爪と摺接して、前記係止爪を非係止位置方向に移動させ、係止爪の係止を解除する解除傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項記載の振動感知ロック装置。
  3. 前記ガイド枠及び前記係止枠には、前記係止解除部材を解除位置と非解除位置で位置決めする、凹部と凸部とからなる位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の振動感知ロック装置。
  4. 前記緩衝手段は、
    前記ケース内に設けられた収納室と、
    前記収納室内に充填された緩衝用流体と、
    前記収納室内に回動可能に設けられ、前記緩衝用流体の抵抗を受ける抵抗部が設けられた回動軸と、
    前記扉と当接し、扉の開閉方向に移動可能な当接軸と、
    前記当接軸と前記回動軸間に設けられ、前記当接軸の移動を前記回動軸に伝達する伝達手段と、
    からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の振動感知ロック装置。
  5. 前記伝達手段は、
    前記当接軸に設けられたラック部と、
    前記回動軸に設けられ、前記ラック部と噛み合う歯車とからなることを特徴とする請求項記載の振動感知ロック装置。
  6. 前記伝達手段は、
    前記当接軸に設けられたラック部と、
    前記ラック部と噛み合う歯車と、
    前記回動軸に設けられた回動体と、
    扉の閉じ方向の歯車の回転を回動体に伝達し、扉の開く方向の歯車の回転を回動体に伝達しないクラッチとからなることを特徴とする請求項記載の振動感知ロック装置。
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