JP3914940B2 - ウィング付き収納ボックスのオートロック装置 - Google Patents
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Description
上記家具に代表されるウィング付きの収納ボックスでは、収納物品の出し入れを頻繁に行うため、一般に施錠装置を設ける場合が少なく、また、施錠装置を設けたとしてもユーザーがこれを余り利用しないことが多い。
そこで、本発明は、デッドボルトが突出状態にある場合でも、完全開放状態のウィングを簡単に閉鎖できるようにすることを目的とする。
すなわち、本発明は、ブラケットの先端部又はデッドボルトの突出端部若しくはこれらの双方に、ウィングの完全開放状態からそのウィングとともに閉鎖方向に移動する当該ブラケットの先端部が当接することにより、ロック位置になっているデッドボルトをアンロック側へ押し戻すためのカム部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、上記のカム部を設けたことから、デッドボルトが突出状態にある場合でも、完全開放状態のウィングを簡単に閉鎖することができ、ウィングのスムーズな閉鎖が可能となる。
図1〜図5は本発明の第一実施形態を示している。
図2は、本発明に係るオートロック装置を採用した収納ボックス2を示しており、この収納ボックス2は、タンス、食器ケース、化粧ケースその他の家具に使用されるもので、左右の側板3Aと天板8及び底板9とから方形枠状に組み立てられたボックス本体3と、ボックス本体3の前面開口部4に同開口部4を開閉自在に閉鎖する左右一対の扉(ウィング)5とを備えている。
ボックス本体3の天板8には、地震等の揺れによって左右一対の扉5が開くのを自動的に阻止する前記オートロック装置のロック装置本体1が左右一対の扉5に対応して一対取り付けられている。
図1に示すように、ケーシング15は、ガイド筒部21の上端開口21Aが天板8の下面8Aから適当な間隔をもって離間するよう、蓋部材22に突設されたスペーサ部23を介して天板8の下面8Aにねじ止めされている。
図3に示すように、蓋部材22は、固定部20の上面開口部を閉鎖する方形板状の蓋本体25と、この蓋本体25の前端に固定したガイド蓋26とからなり、蓋本体25の左右両側に設けた第一ねじ孔27に挿通した図外の取付ねじによってケーシング15に固定されている。蓋本体25の下面の左右両側には、固定部20に設けた位置決め孔28に嵌合して同固定部20に対する位置決めを行う位置決めピン29が突設されている。
図1及び図3に示すように、デッドボルト16はガイド筒部21の内空長とほぼ同じ長さを有し、下端から中央部に延びる有底のバネ収納穴34を備え、このバネ収納穴34に収納した第一コイルバネ17とともにガイド筒部21に挿通される。
デッドボルト16の側面下部には左右一対のストッパー37が突設され、このストッパー37間で上下方向の案内溝38が形成されている。この案内溝38に前記ガイド筒部21の内面に上下方向に延設したガイドレール39を嵌合させるようにして、当該デッドボルト16がガイド筒部21内に挿通されている。また、ストッパー37は前記ガイド蓋26の前端部26Aに当接することにより、当該デッドボルト16が上方へ抜け出すのを規制している。
このブラケット40は取付板42とこれに直交する係止板43とから側面視L字状に屈曲形成されている。ブラケット40の係止板43の先端部(収納ボックス3側の端部)には、ロック位置Bに移動したデッドボルト16の突出端部に引っ掛かる掛止部43Aが設けられている。
すなわち、本実施形態の保持部材18は、ほぼ短冊板状に形成された金属製のスライド板よりなり、収納部45の底面45A中央部に凹設された前後方向のガイド溝46の間に縦向きに嵌め込むことにより、収納部45内に前後方向移動可能にガイドされている。また、ガイド溝46の側壁上端縁に続いて底面45Aよりも上方に突出する転動部材19Aの案内突条47が、前記溝46と平行に設けられている。
また、保持部材18の中央部には上方に大きく開いた逃げ凹部52が切り欠き形成され、その後部上端縁には、当該保持部材18を第二コイルバネ50に抗して後方へスライドさせるための解除片53が形成されている。
一方、図1に示すように、保持部材18の連結片51を外嵌して取り付けられる第二コイルバネ50は、収納部45の後端壁部に当接して当該保持部材18を常時前方へ付勢している。このコイルバネ50の付勢力によって保持部材18の掛止片49がデッドボルト16の掛止凹部48内に強制的に嵌合され、これにより、デッドボルト16を予めアンロック位置Aに保持することができる。
このため、転動部材19Aがボックス本体3の揺れに伴って後方へ移動すると、保持部材18の解除片53に衝突して同保持部材18をデッドボルト16から解除させる。
しかして、保持部材18の逃げ凹部52の底面52Aがその案内突条47の上端面よりも低くなるよう、保持部材18の中途部がガイド溝46内に収まる形状に形成されていて、これにより、転動部材19Aは逃げ凹部52内では保持部材18に接触せずに転動するので、その転がり抵抗が小さくなり地震時の作動感度が良くなる。
この衝突により、第二コイルバネ50によって前方へ付勢されている保持部材18が後方(図1の左側)へ変位して保持部材18の掛止片49がデッドボルト16の掛止凹部48から離脱し、その後、デッドボルト16が第一コイルバネ17によって上方に突出されてロック位置Bとなる。
このため、ロック位置Bに突出したデッドボルト16が逃げ部44に係合した状態から扉5を閉鎖位置に移動したとき、カム部61,62同士が押圧接当してデッドボルト16をアンロック位置Aに押圧するようになっている。
この第三カム面64は、ブラケット40のすべての部分が収納ボックス3の外側に位置するように完全に開放されている扉5を閉鎖方向へ移動させることによっても、ロック位置Bにあるデッドボルト16をアンロック位置A側に押圧できるようにするもので、扉5が大きく完全に開いた状態においてデッドボルト16がロック位置Bに突出したとき、デッドボルト16とブラケット40とが干渉して扉5が閉鎖できなくなるのを防止する。
そして、上記のようにデッドボルト16がブラケット40に係合している状態から、さらに扉5を閉鎖方向に移動させると、ブラケット40の第一カム部61がデッドボルト16上端の第二カム部62に当接して同ボルト16をアンロック位置Aに押し戻し、その後、保持部材18がデッドボルト16をそのアンロック位置Aに保持し、これによってロックを解除することができる。
また、扉5を押し戻すという極めて簡単な操作でロック解除できるようになったことから、オートロック装置の揺れ検出の感度を上げても、収納ボックス2の使用に不便が生じなくなり、このため、同装置の揺れ検出の感度を極めて鋭敏にすることができる。
また、片方開き扉5の収納ボックス2の場合には、ロック装置本体1をボックス本体3の立側面に取り付けることもできる。
かかる傾斜辺55を形成すると、転動部材19Aが解除片53に衝突したとき、角隅点Oを支点として保持部材18の下面18Aが溝底46Aから若干浮き上がり気味に後退することになるので、保持部材18の掛止片49がデッドボルト16の掛止凹部48から離脱しやすくなり、これによって感度の向上を図ることができる。
この実施形態が第一の実施形態と異なるところは、オートロック手段19がボール状の転動部材19Bからなる点と、これに伴い、ケーシング15の収納部45の底面45Aが円筒面とされている点にあり、その他の構成は前記した第一の実施形態と同様である。従って、図面には図1〜図5の符号と同符号を付し、詳細説明は省略する。
また、本発明は、収納ボックス2だけでなく、本棚、タンス等の家具の他、ウィング(扉)を備えた収納ボックスに広く採用できる。
図9はブラケット40の変形例を示すもので、ブラケット40の係止板43の先端部を前下がり方向に屈曲させて第三カム部64を形成したものである。すなわち、この第三カム部64は、係止板43の先端部を第一カム面61と略同一の角度で前下がりに屈曲することによって構成されている。なお、その他の点は前記第一実施形態と同様の構成である。
また、前記した各実施形態では、揺れを検知して保持部材18をデッドボルト16から解除するオートロック手段19を、ローラ状又はボール状の転動部材19Aにより構成しているが、これに代え、オートロック手段19を、保持部材18に対して摺動する重り部材(例えば、特願平7−134376号参照)により構成してもよい。
この実施形態のオートロック装置は、第一の実施形態のものと基本的な構造及び作用はほぼ同様であるが、各所に種々の改良がなされている。従って、以下、主にその改良がされた点について説明し、第一の実施形態の場合と同じ構造及び機能の部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、このバネ部材71は、ブラケット40の取付板42の内面に固定された固定板部72と、この固定板部72の上端縁から後方へ延設された当接板部73とを有する板バネよりなる。なお、このバネ部材71は、板バネだけでなく棒状のバネを採用することもできる。
また、本実施形態では、デッドボルト16の突出端部に、ブラケット40の掛止部43Aに対する引っ掛かりを確実にするための窪み部76を設けている。
更に、本実施形態では、蓋部材77の上面に、前後方向(扉5の開閉方向)に延びる左右一対のガイドリブ78が設けられている。
このため、転動部材19Bが少し転動するだけで、同部材19Bを保持部材83の解除片86に衝突させることができ、オートロック装置の揺れに対する感度を向上することができる。
次に、図14及び図15を参照しつつ、第三実施形態に係るオートロック装置の作用を説明する。
一方、図14(b)に示すように、ボックス本体3に想定した震度よりも大きな揺れが生じると、転動部材19Aの保持部材18の解除片53に衝突したときの衝撃力によって掛止片49による保持が解除される。このため、図1に鎖線で示す如く扉5が僅かに開かれてブラケット40の逃げ部44がデッドボルト16の直上にきたときに、同デッドボルト16が自動的にロック位置Bに移動し、デッドボルト16の突出端部がブラケット40の掛止部43Aに引っ掛かり、扉5の開放が阻止される。
図16において、収納ボックス2は、タンス、食器ケース、化粧ケースその他の家具に使用されるもので、左右の側板3Aと天板8及び底板9とから方形枠状に組み立てられたボックス本体3と、ボックス本体3の前面開口部4に同開口部4を開閉自在に閉塞する左右一対の扉5L,5Rとを備えている。
両扉5L,5Rの先端部でかつ内面下部には板片92が張り付けられていて、この板片92はオートロック装置に必要な前記ブラケット40を兼ねている。すなわち、図16及び図19に示すように、ブラケット40の取付板42は幅方向に長い帯板に形成されており、接当部材10のマグネット11に吸着される板片92としての機能を有する。
図16及び図19に示すように、この上下の接当部材10は、いずれも、召し合わせ部材91の接当面93を前面中央部に備え、前記板片92を引きつけて両扉5L,5Rを閉塞状態にするマグネット11を前面左右両側に有している。また、上下の接当部材10のうち、上側の接当部材10Uの左右両端部には、前記オートロック装置のケーシング15が一体に組み込まれている。
更に、本実施形態では、下側の接当部材10Lにはオートロック装置1を設けていないが、底板9に設けた解除孔54からデッドボルト16を操作するスペースを確保できる場合には、下側の接当部材10Lにもオートロック装置1を設けることができる。
この召し合わせ部材91は、ボックス本体3の内空高さとほぼ同じ長さの長尺帯板材よりなり、幅方向右側の縁部が前記接当部材10Uとスムーズに摺接するよう断面円弧状に形成されている。
可動翼97のアーム部102は、断面へ字状に屈曲されて背面側に前記規制壁99との当り面104を有していて、図19に示すように、可動翼97の固定翼96に対する回動角αは、アーム部102の当り面104が規制壁99に当接することによって90度より小さくなるように設定されている。
また、シャフト100の筒部103間には、可動翼97のアーム部102を固定翼96の規制壁99側に付勢する巻きバネ105が套嵌されていて、本実施形態では、この巻きバネ105によって、前記召し合わせ部材91が左側の扉5Lへの取付状態において常に内側揺動方向へ付勢されている。従って、召し合わせ部材91は、図19に示すように、扉5Lが開放されているときはその扉5Lの内面から回動角αだけ内側に傾斜した状態で保持されている。
この状態から左側の扉5Lを閉じていくと召し合わせ部材91の縁部が上下の接当部材10の接当面93に接当する。そこから、さらに左側の扉5Lを閉じ方向に押すと、召し合わせ部材91が接当面93上を摺動しながら接当面93から反力を受け、巻きバネ105の付勢力に抗して前側(図19の下側)に揺動し、図20に示すように、左側の扉5Lが完全に閉鎖された時に両扉5L,5R先端部間の間隙eが当該召し合わせ部材91によって収納ボックス2の内側から閉塞されることになる。
一方、両扉5L,5Rがいずれも閉鎖状態にある場合には、右側の扉5Rを独立して開放できることは勿論のこと、上記と逆の動作手順をふむことにより、右側の扉5Rを閉鎖させたまま左側の扉5Lのみを開放することができる。
図21及び図22は、本発明の第五の実施形態を示している。
このスライダ111は、断面L形に屈曲された板材よりなり、デッドボルト16が挿通されるボルト孔112を中央部に備え、上方に突出する押圧板部113を後端部に備えている。スライダ111のボルト孔112側の縁部のうち前側に位置する縁部には、デッドボルト16の第二カム部62に当接する第一カム部61が形成されている。
他方、図22(b)に示すように、デッドボルト16がロック位置Bに突出してその突出端部がブラケット40に係合している場合に、扉5をさらに閉鎖方向に押し込むと、ブラケット40とともに後方へ移動したスライダ111の第一カム部61とデッドボルト16の第二カム部62との当接により、同ボルト16がアンロック位置Aに押し戻され、同ボルト16によるロックが解除される。
図23は、本発明の第六の実施形態を示している。
この実施形態では、ウィングの閉鎖方向への移動をデッドボルトのアンロック位置側への移動に変換する連動機構として、上記のようなカム機構63Aではなくリンク機構63Bを採用しており、このリンク機構63Bは、ケーシング15の前壁部に形成したスリット内に収納され揺動リンク121よりなる。
すると、揺動リンク121の後アーム123は枢支ピン124回りに下方へ揺動し、デッドボルト16の押し下げピン125を下方へ押圧するので、デッドボルト16がアンロック位置Aに戻って保持部材83によってそのアンロック位置Aが保持され、デッドボルト16によるロックが解除されることになる。
なお、上記した各実施形態では、ロック装置本体1をボックス本体3側にかつブラケット40を扉5側に取り付ける場合を例示したが、これらの取付関係を逆にして、ロック装置本体1を扉5側にかつブラケット40をボックス本体3側に取り付けるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、ウィングの完全開放状態からそのウィングとともに閉鎖方向に移動するブラケットの先端部が当接することにより、ロック位置になっているデッドボルトをアンロック側へ押し戻すためのカム部を、ブラケットの先端部又はデッドボルトの突出端部若しくはこれらの双方に設けるようにしたので、デッドボルトが突出状態にある場合でも、完全開放状態のウィングを簡単に閉鎖することができ、ウィングのスムーズな閉鎖が可能となる。
2 収納ボックス
3 ボックス本体
5 ウィング(扉)
16 デッドボルト
18 保持部材
19A 転動部材
43A 掛止部
44 逃げ部
61 第一カム部
62 第二カム部
63 ロック解除機構
63A カム機構
64 第三カム部
78 ガイドリブ
83 保持部材
84 逃げ凹部
85 傾斜縁
Claims (2)
- ボックス本体(3)の天板(8)の前縁部下面に取り付けられかつデッドボルト(16)をロック状態にするために地震の揺れによって前後動するオートロック手段(19)を内部に有するケーシング(15)と、前記ボックス本体(3)の前面開口部(4)に枢着されたウィング(5)の内面(5A)に取り付けられるブラケット(40)と、このブラケット(40)の先端部に対して係脱自在となるように前記ケーシング(15)から上下方向に直線的に出没自在に移動するデッドボルト(16)と、を備えており、
地震の揺れによって前記ウィング(5)が僅かに開かれた状態で前記デッドボルト(16)の突出端部が前記ブラケット(40)の先端部に引っ掛かるようになっているウィング付き収納ボックスのオートロック装置において、
前記ブラケット(40)の先端部又は前記デッドボルト(16)の突出端部若しくはこれらの双方に、前記ウィング(5)の完全開放状態からそのウィング(5)とともに閉鎖方向に移動する当該ブラケット(40)の先端部が当接することにより、ロック位置(B)になっている前記デッドボルト(16)をアンロック側へ押し戻すためのカム部(62,64)が設けられていることを特徴とするウィング付き収納ボックスのオートロック装置。 - ボックス本体(3)の天板(8)の前縁部下面に取り付けられかつデッドボルト(16)をロック状態にするために地震の揺れによって前後動するオートロック手段(19)を内部に有するケーシング(15)と、前記ボックス本体(3)の前面開口部(4)に枢着されたウィング(5)の内面(5A)に取り付けられるブラケット(40)と、このブラケット(40)の先端部に対して係脱自在となるように前記ケーシング(15)から上下方向に直線的に出没自在に移動するデッドボルト(16)と、を備えており、
地震の揺れによって前記ウィング(5)が僅かに開かれた状態で前記デッドボルト(16)の突出端部が前記ブラケット(40)の先端部に引っ掛かるようになっているウィング付き収納ボックスにおいて、
前記ブラケット(40)の先端部又は前記デッドボルト(16)の突出端部若しくはこれらの双方に、前記ウィング(5)の完全開放状態からそのウィング(5)とともに閉鎖方向に移動する当該ブラケット(40)の先端部が当接することにより、ロック位置(B)になっている前記デッドボルト(16)をアンロック側へ押し戻すためのカム部(62,64)が設けられていることを特徴とするウィング付き収納ボックス。
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