JP3031839B2 - ウィング付き収納ボックスとそのオートロック装置及び地震時ロック方法 - Google Patents
ウィング付き収納ボックスとそのオートロック装置及び地震時ロック方法Info
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Description
クスのオートロック装置に関する。
ース等の家具に代表されるウィング付きの収納ボックス
では、前面が開放されたボックス本体の開口部に扉(ウ
ィング)が観音開き状に枢着されている。この扉の縁部
内面には、ボックス本体の天板等に設けたマグネットに
対応する鉄製の板片が取り付けられていて、扉をボック
ス本体に向かって閉めていくと同本体側のマグネットが
前記板片を吸着し、これによって扉を閉鎖位置に保持す
るようにしている。
ウィング付きの収納ボックスでは、収納物品の出し入れ
を頻繁に行うため、一般に施錠装置を設ける場合が少な
く、また、施錠装置を設けたとしてもユーザーがこれを
余り利用しないことが多い。このため、先の阪神大震災
の経験からも判るように、大震度の地震等のため収納ボ
ックスが大きく揺らされると、その揺れによってマグネ
ットの吸着力のみで閉鎖されている扉が開いて食器等の
収納物品が外に飛び出し、これによって収納物品が破損
したり居住者に当たって負傷することがある。
じた大きな揺れを検知してウィングを自動的にロックす
ることにより、収納物品が外へ飛び出すのを防止できる
ウィング付き収納ボックスのオートロック装置を既に特
許出願している(特願平7−49985号参照)。しか
し、上記オートロック装置では、地震発生時に自動的に
突出するデッドボルトを収納するケーシングをボックス
本体の天板上面に固定し、しかも、このデッドボルトを
ウィングの外表面まで突出させることによりウィングを
ロックするようにしているので、デッドボルトを案内す
るケーシングのガイド部が家具等の収納ボックスの前面
に突出することになり、このため、当該収納ボックスの
見栄えを悪くするという問題がある。
板上面に固定する手段では、当該オートロック装置を家
具等に後付けするには適しているが、最初から家具等の
天板上面にケーシングを固定してあるとその天板に異物
が固定してある感じがして見栄えが悪いため、オートロ
ック装置をボックス本体内に組み込めないかという要望
が強かった。
に組み込むとしても、同装置のケーシング自体が大きす
ぎるとボックス本体の収納スペースを侵すことになるの
で、同装置をボックス本体内に取り付けるにはケーシン
グを可及的にコンパクトにする必要がある。また、オー
トロック装置をボックス本体内に収めると、デッドボル
トがさほど大きくない振動によって不本意に突出してし
まった場合には、もはや当該デッドボルトを解除できな
くなるという問題もある。
クス本体に生じた大きな揺れを検知してウィングを自動
的にロックするオートロック装置をボックス本体内に組
み込めるようにして、家具等の見栄えを阻害することな
く、地震時に収納物品が外へ飛び出すのを防止できるよ
うにすることを第一の目的とする。また、本発明は、ボ
ックス本体内の収納スペースを阻害されないよう、ボッ
クス本体内に組み込む当該オートロック装置のケーシン
グを可及的にコンパクトにするとともに、材料コストも
低く抑えられるようにすることを第二の目的とする。
オートロック装置のデッドボルトを簡単に解除できるよ
うにすることを第三の目的とする。
に、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発
明に係るウィング付き収納ボックスのオートロック装置
は、前方に開口する開口部にウィングが枢着されたボッ
クス本体の開口縁部の内面に取り付けられるケーシング
と、前記ケーシング内に出退自在に挿通され、かつ、前
記ウィングの内面に固定したブラケットに係合して同ウ
ィングの開放を阻止するロック位置に付勢されているデ
ッドボルトと、前記デッドボルトが前記ブラケットから
解除されるアンロック位置となるよう当該デッドボルト
を前記ケーシング内に保持しておく保持部材と、前記ボ
ックス本体に生じた過大な揺れに伴う慣性力を前記保持
部材に作用させて同保持部材を前記デッドボルトから解
除するオートロック手段と、を備えたものである(請求
項1)。
ルトの出退方向と交差するよう前後方向に延びる収納部
が形成され、保持部材は、前記デッドボルト側に付勢さ
れた状態で前記収納部内において前後方向移動自在にガ
イドされ、かつ、前端部にデッドボルトの掛止部を有す
る板材よりなり、オートロック手段は、前記収納部内に
前後方向移動自在に装填され、かつ、後方へ移動したと
きに前記保持部材に衝突してその掛止部を前記デッドボ
ルトから解除させる重り部材よりなるものを採用でき
る。この場合、その重り部材としは、前記収納部内でガ
イドされている前記保持部材を取り囲む断面コ字状に形
成された金属体より構成することが好ましい(請求項
2)。
をボックス本体の外から解錠できるようにするには、デ
ッドボルトがボックス本体の開口縁部の内面に向かって
出退するようケーシングを同内面に固定するとともに、
ボックス本体の開口縁部におけるデッドボルトの突出端
対応位置に、当該ボックス本体の内外に通じる解除孔を
設ければよい(請求項3)。
前面側にマグネットによる吸着面を有する接当部材が設
けられ、ウィングの内面に、前記マグネットに吸着され
る板片が固定された収納ボックスに本発明を採用する場
合には、前記接当部材にケーシングを一体に形成すると
ともに(請求項4)、前記板片にブラケットを一体に形
成することが好ましい(請求項5)。
の場合は、デッドボルトが保持部材によって予めアンロ
ック位置に保持されていて、このためウィングを自由に
開閉できる。一方、地震等によりボックス本体に過大な
揺れが生じると、オートロック手段がその慣性力によっ
て保持部材をデッドボルトから解除するので、デッドボ
ルトがケーシングから飛び出してロック位置となりウィ
ングの開放を自動的に阻止する。
縁部の内面に取り付けるとともに、このケーシングに出
退自在に挿通されたデッドボルトに係合してウィングの
開放を阻止するブラケットをウィングの内面に固定する
ようにしたので、上記作用を行うオートロック装置をボ
ックス本体内に組み込むことが可能となる(請求項
1)。
持部材をデッドボルトから解除させる重り部材を、ケー
シングの収納部内でガイドされている保持部材を取り囲
む断面コ字状に形成したので、保持部材を重り部材の断
面内に取り込むことができ、ケーシングの幅寸法を可及
的にコンパクトにできる(請求項2)。一方、デッドボ
ルトがさほど大きくない振動によって突出してしまった
場合には、天板の上方から解除孔に挿通した棒状材でデ
ッドボルトの突出端を下方へ押し込めば、デッドボルト
をアンロック位置に復帰させることができる(請求項
3)。
シングを一体に形成すれば、ケーシングを接当部材とは
別に取り付ける手間を省くことができ(請求項4)、マ
グネットを吸着する板片にブラケットを一体に形成すれ
ば、部品点数が少なくて済む(請求項5)。
する。図1〜図3は本発明の第一実施例を示している。
図3は、本実施例のオートロック装置1を採用した食器
棚(収納ボックス)2を示しており、この食器棚2は、
内部に食器が収納される前面が開放されたボックス本体
3を備え、このボックス本体3の上部側の開口部4には
左右一対の扉(ウィング)5が観音開き状に枢着されて
いる。
対の引き出し6が、かつ、下部には引き戸7が設けられ
ている。扉5の縁部内面5Aには、ボックス本体3の天
板8と底板9に設けた接当部材10のマグネット11に
対応する鋼製の板片(図3には図示せず)が取り付けら
れ、ボックス本体3に向かって揺動された扉5の板片を
本体3側のマグネット11で吸着することにより、扉5
を閉鎖位置に保持できるようになっている。
れによって当該食器棚2が倒れるのを防止するワイヤー
12の固定金具13が固着され、このワイヤー12の先
端は部屋の上隅に設けた掛止金具14に引っ掛けられて
いる。ボックス本体3の天板8には、同じく地震等の揺
れによって扉5が開くのを自動的に阻止する前記オート
ロック装置1が取り付けられている。
ック装置1は、天板8の前縁部下面(ボックス本体3の
開口縁部の内面)8Aに取り付けられる合成樹脂製のケ
ーシング15と、このケーシング15内に上下出退自在
に挿通されたデッドボルト16と、このデッドボルト1
6を常時上方へ付勢する第一コイルバネ17と、デッド
ボルト16を予めケーシング15内に保持しておく保持
部材18と、地震等に伴う過大な揺れを検知して保持部
材18をデッドボルト16から解除するオートロック手
段19と、を備えている。
じ止めされる上面側が開口された固定部20と、この固
定部20の前端部に同固定部20と直交して一体に固着
された有底筒状のガイド筒部21と、固定部20の上面
開口部を閉塞する蓋部材22とを備えている。図1に示
すように、ケーシング15は、ガイド筒部21の上端開
口21Aが天板8の下面8Aから適当な間隔をもって離
間するよう、蓋部材22に積層されたスペーサ23を介
して天板8の下面8Aにねじ止めされている。
1Aは図1に示す取付状態において天板8の下面8Aか
ら離間しており、これにより、後述するブラケット40
の挿通空間24が形成されている。また、このガイド筒
部21の上端開口21Aから前記デッドボルト16が上
下動自在に挿通されている。なお、食器棚2の種類によ
って天板8と扉5の間隔Eが変化した場合には、厚みの
異なるスペーサ23を採用してケーシング15の取付高
さを変更することにより、適正な挿通空間24を確保す
ることができる。
17の上面開口部を閉塞する方形板状の蓋本体25と、
この蓋本体25の前端に固定したガイド蓋26とからな
り、蓋本体25の左右両側に設けた第一ねじ孔27に挿
通した図外の取付ねじによってケーシング15に固定さ
れている。蓋本体25の下面の左右両側には、固定部2
0に設けた位置決め孔28に嵌合してケーシング15に
対する位置決めを行う位置決めピン29が突設されてい
る。
されており、固定部20の前部に形成されている段部3
0に嵌合し、このさい、前記保持部材18の前部を前後
方向(図1の左右方向)にガイドする。すなわち、ガイ
ド蓋26の中央部には下側に開口しかつ前後方向に延び
るガイド溝31が形成され、このガイド溝31に板状の
保持部材18の前部を挿通することにより、同保持部材
18が前後方向にガイドされている。
部20には、ともに四隅の同じ位置に第二ねじ孔32が
形成されており、この第二ねじ孔32に上向きに挿通し
た取付ねじ33を天板8の下面8Aに向かってねじ込む
ことにより、ケーシング15がこれを閉塞する蓋部材と
この上に積層されるスペーサ23を介して天板8に固定
されている。
16はガイド筒部21の内空長とほぼ同じ長さを有し、
下端から中央部に延びる有底のバネ収納穴34を備え、
このバネ収納穴34に収納した第一コイルバネ17とと
もにガイド筒部21に挿通される。このとき、この第一
コイルバネ17は、その下端部がガイド筒部21の底壁
35に立設した連結ピン36に套嵌され、バネ収納穴3
4内に圧縮状態で収納される。このため、デッドボルト
16は第一コイルバネ17によって常時上方へ付勢され
ている。
のストッパー37が突設され、このストッパー37間で
上下方向の案内溝38が形成されている。この案内溝3
8に前記ガイド筒部21の内面に上下方向に延設したガ
イドレール39を嵌合させるようにして、当該デッドボ
ルト16がカイド筒部21内に挿通されている。また、
ストッパー37は前記ガイド蓋26の前端部26Aに当
接することにより、当該デッドボルト16が上方へ抜け
出すのを規制している。
16に係止されて扉5の開放を規制するブラケット40
が取付ねじ41によって固定されている。このブラケッ
ト40は取付板42とこれに直交する方形リング状の係
止板43とから側面視L字状に屈曲形成されており、係
止板43にはデッドボルト16の横断面よりも大きい係
合孔44が形成されている。
41によって扉5の内面5Aにねじ止めすることによ
り、係止板43が内面5Aから後方へ突出するように取
り付けられていて、このブラケット40の取付位置は、
扉5の閉鎖状態において当該係止板41がデッドボルト
16の出退位置と同じ平面位置となり、かつ、前記挿通
空間24に入り込む高さ位置とされている。
筒部21内にすべて納まっているときは(図1(b)の
実線)、デッドボルト16はブラケット40から解除さ
れており、扉5の開放を許容するアンロック位置Aとな
るが、他方、ストッパー37がガイド蓋26の前端部2
6Aに当接するまで突出したときは(図1(b)の仮想
線)、デッドボルト16の上部が扉5に固定してあるブ
ラケット40の係合孔44に入り込み、当該扉5の開放
が阻止されるロック位置Bとなる。
ッドボルト16の出退方向と交差するよう前後方向(図
1における左右方向)に延びる収納部45が形成されて
おり、この収納部45の左右方向中央部に、前記保持部
材18が前後方向移動自在にガイドされた状態で挿通さ
れている。すなわち、本実施例の保持部材18は、ほぼ
短冊板状に形成された金属製のスライド板よりなり、収
納部45の底面中央部に相対向して立設された左右一対
のガイド板46の間に縦向きに嵌め込むことにより、収
納部45内に前後方向移動可能にガイドされている。
16の側面に形成した掛止凹部47に嵌合する掛止片
(掛止部)48を前端部に備え、当該保持部材18をデ
ッドボルト16側に付勢する第二コイルバネ49を連結
するための連結片50を後端部に備えている。また、保
持部材18の後部上端縁には、当該保持部材18を第二
コイルバネ49に抗して後方へスライドさせるための解
除片51が形成されている。
は、デッドボルト16の下方移動に伴って当該保持部材
18を後方へ押し戻すべく、前下がり傾斜状のテーパー
部48Aが形成されている。一方、図1(b)に示すよ
うに、保持部材18の連結片50を外嵌して取り付けら
れる第二コイルバネ49は収納部45の後端壁部に当接
して当該保持部材18を常時前方へ付勢している。この
コイルバネ49の付勢力によって保持部材18の掛止片
48がデッドボルト16の掛止凹部47内に強制的に嵌
合され、これにより、デッドボルト16を予めアンロッ
ク位置Aに保持することができる。
板状の保持部材18とともに収納部45内に前後方向ス
ライド自在に装填され、かつ、後方へ移動したときに保
持部材18に衝突して同保持部材18をデッドボルト1
6から解除させる重り部材52よりなる。この重り部材
52は、収納部45よりも短い前後方向長さを有する金
属体よりなり、収納部45内でガイドされている保持部
材18を取り囲むことができる断面コ字状に形成されて
いる。
2の中央部下面側には、収納部45内に立設されている
左右一対のガイド板46をともに収納できる断面を有す
る逃げ凹部53が前後方向に延設されており、この逃げ
凹部53内にガイド板46を嵌合させた状態で重り部材
52がケーシング15の収納部45内に前後スライド自
在に収容されている。
後端から中央部にまで至るスリット54が形成されてお
り、重り部材52を収納部45に収納した際に、保持部
材18の解除片51がこのスリット54に嵌合される。
このように、本実施例では、上記作用をする保持部材1
8を板材で形成するとともに、この保持部材18をおな
じ収納部45に収納する重り部材52で取り囲むように
しているので、ケーシング15の左右方向の寸法を可及
的にコンパクトにできる。
スライドする重り部材52のスリット54に嵌合させて
いるので、重り部材52を著しく軽量化させることな
く、ケーシング15の前後方向の寸法を可及的に短くで
きる利点がある。なお、上記重り部材52を構成する金
属体としては、前後方向の滑りのよさを長期間確保すべ
く、錆の発生しにくい真鍮を採用することが好ましい。
きく揺れるとこれに伴って収納部45内で前後に往復動
するが、その揺れが地震等により生じた過大なものであ
るときは、重り部材52がそのスリット54に挿通され
ている保持部材18の解除片51に強く衝突する。この
衝突により、第二コイルバネ49によって前方へ付勢さ
れている保持部材18が後方(図1の左側)へ変位して
保持部材18の掛止片48がデッドボルト16の掛止凹
部47から離脱し、その後、デッドボルト16が第一コ
イルバネ17によって上方に突出されてロック位置Bと
なる。
くない振動によって突出し、扉5が不本意にロックされ
てしまうこと場合もありうる。そこで、本実施例では、
デッドボルト16が天板8の下面8Aに向かって上下方
向に出退することから、図1(a)に示すように、当該
デッドボルト16の突出端対応位置に、天板8を上下方
向に貫通する解除孔55を設けている。
くない振動によって突出してしまった場合でも、天板8
の上方から解除孔55に挿通した図外の棒状材でデッド
ボルト16の突出端を下方へ押し込むことにより、デッ
ドボルト16をアンロック位置Aに復帰させることがで
きる。上記実施例に係るオートロック装置1によれば、
第一コイルバネ17に抗してデッドボルト16を押し下
げると、保持部材18の掛止片48がそのテーパー部4
8Aを通過して掛止凹部47に嵌合し、デッドボルト1
6をアンロック位置Aに保持し、ボックス本体3に大き
な揺れが生じていない通常の場合は扉5を自由に開閉す
ることができる。
な揺れが生じると、上記のように重り部材52が保持部
材18の解除片51に衝突したときの衝撃力によって掛
止片48による保持が解除され、デッドボルト16が自
動的に瞬時にロック位置Bとなるので、食器棚2内の食
器が外部に飛び出すのを未然に防止できる。なお、上記
実施例において、左右の扉5のうち一方の扉5の縁部
に、両扉5間の間隙を閉塞する帯板状の召し合わせ部材
を固着する場合には、他方の扉5を開かないと一方の扉
5を開くことができないので、他方の扉5のみにブラケ
ット40を設け、これを自動的に係止するオートロック
装置1をボックス本体3に一つ設ければ足りる。
して揺動自在に枢着されている場合には、後述の第二実
施例のように、左右両扉5にブラケット40を設け、こ
れらのブラケット40に対応するボックス本体3のそれ
ぞれの位置にオートロック装置1を設ける必要がある。
また、片方開き扉5の収納ボックス2の場合には、オー
トロック装置1をボックス本体3の立側面に取り付ける
こともできる。
棚、タンス等の家具の他、ウィングを備えた収納ボック
スに広く採用できる。次に、図4〜図8は本発明の第二
実施例を示しており、この実施例では、召し合わせ部材
59を設けた扉5も独立に開閉できるよう、同部材59
を一方の扉5に対して揺動自在に枢着されている収納ボ
ックス2に本発明のオートロック装置1を採用した場合
を示している。
は、タンス、食器ケース、化粧ケースその他の家具に使
用されるもので、左右の側板3Aと天板8及び底板9と
から方形枠状に組み立てられたボックス本体3と、ボッ
クス本体3の前面開口部4に同開口部4を開閉自在に閉
塞する左右一対の扉5L,5Rとを備えている。この左
右一対の扉5L,5Rは、その幅方向外側縁がボックス
本体3の側板3Aに蝶番等を介して枢着され、収納ボッ
クス2の内外方向に回動自在ないわゆる観音開き式とさ
れていて、両扉5L,5Rの外面中央には把手57が固
着されている。
は板片58が張設されていて、この板片58はオートロ
ック装置1に必要な前記ブラケット40を兼ねている。
すなわち、図4及び図7に示すように、ブラケット40
の取付板42は幅方向に長い帯板に形成されており、接
当部材10のマグネット11に吸着される板片58とし
ての機能を有する。
向中央には、後述する召し合わせ部材59を閉姿勢にす
るための接当部材10がそれぞれ固定されている。図4
及び図6に示すように、この上下の接当部材10は、い
ずれも、召し合わせ部材59の接当面60を前面中央部
に備え、前記板片58を引きつけて両扉5L,5Rを閉
塞状態にするマグネット11を前面左右両側に有してい
る。また、上下の接当部材10のうち、上側の接当部材
10Uの左右両端部には、前記オートロック装置1のケ
ーシング15が一体に組み込まれている。
グ15は、そのデッドボルト16を前側(ボックス本体
3の開口側)へ向けるようにして、接当部材10Uの左
右両端部に形成した取付凹部11Aに嵌め込まれてい
る。この取付凹部11Aは、ケーシング15の取付部で
あると同時に、前記挿通空間24を確保するスペースと
しての意義を有する。
にオートロック装置1のケーシング15を一体に組み込
んだので、接当部材10を天板8に固定すると同時にオ
ートロック装置1のケーシング15も天板8に取り付け
られることになる。また、ブラケット40をその取付板
42がマグネット11に吸着されるように配置すれば、
デッドボルト16とブラケット40の係合孔44との位
置合わせが容易となるので、ブラケット40の取付手間
も低減できる。
は第一実施例の場合と同様であるので、図面に同一符号
を付してその説明を省略する。また、本実施例では接当
部材10の左右両側にオートロック装置1を並設してい
るので、図4及び図6に示すように、デッドボルト16
のロックを解除するための解除孔55を天板8に二つ設
けている。
Lにはオートロック装置1を設けていないが、底板9に
設けた解除孔55からデッドボルト16を操作するスペ
ースを確保できる場合には、下側の接当部材10Lにも
オートロック装置1を設けることができる。召し合わせ
部材59は、扉閉鎖時に両扉5L,5Rの先端間の間隙
eを閉塞するためのもので、左側の扉5Lの先端部内面
に、上下一対のオートヒンジ61を介して上下方向のシ
ャフト62回りでかつ収納ボックス2の内外方向に揺動
自在に枢着されている。この召し合わせ部材59は、ボ
ックス本体3の内空高さとほぼ同じ長さの長尺帯板材よ
りなり、幅方向右側の縁部が前記接当部材10Uとスム
ーズに摺接するよう断面円弧状に形成されている。
すように、左側の扉5Lの先端部に固定される固定翼6
3と、召し合わせ部材59を支持する可動翼64とを備
えている。固定翼63の表面には、相対向する一対の枢
支ブラケット65と、このブラケット65の一側縁間を
連結する規制壁64とが立設されていて、このブラケッ
ト65間にシャフト62が上下方向に架設されている。
に固着されてその召し合わせ部材59を回動自在に支持
する支持板67と、支持板67の幅方向一側縁から延設
されたアーム部68と、アーム部68の先端に設けた上
下一対の筒部69とを備え、枢支ブラケット65間に配
置した筒部69にシャフト62を挿通させることによ
り、固定翼63に対してシャフト62回りに回動自在に
取り付けられている。なお、可動翼64は、そのアーム
部68が回動方向において弾性変形しうるプラスチック
等の樹脂材料で構成されている。
に屈曲されて背面側に前記規制壁66との当り面70を
有していて、図7に示すように、可動翼64の固定翼6
3に対する回動角αは、アーム部68の当り面70が規
制壁66に当接することによって90度より小さくなる
ように設定されている。そして、この可動翼64の回動
角αが右側の扉5R側に向くよう召し合わせ部材59を
左側の扉5Lに固定することにより、召し合わせ部材5
9の左側への揺動範囲を90度以内に規制するようにし
ている。
動翼64のアーム部68を固定翼63の規制壁66側に
付勢する巻きバネ71が套嵌されていて、本実施例で
は、この巻きバネ71によって、前記召し合わせ部材15
が左側の扉5Lへの取付状態において常に内側揺動方向
へ付勢されている。従って、召し合わせ部材59は、図
7に示すように、扉5Lが開放されているときはその扉
5Lの内面から回動角αだけ内側に傾斜した状態で保持
されている。
クス3においては、先ず、図7に示すように、左側の扉
5Lが開放状態でかつ右側の扉5Rが閉鎖状態にある場
合には、召し合わせ部材59は、巻きバネ71によって
内側(図1の上側)揺動方向に付勢されているため、左
側の扉5Lの内面から回動角αだけ傾いた状態で保持さ
れている。
ので、右側のブラケット40の取付板42(板片58)
がマグネット11に吸着されているとともに、ブラケッ
ト40の係止板43は、その係合孔44がデッドボルト
16と対応するよう挿通空間24内に位置している。こ
の状態から左側の扉5Lを閉じていくと召し合わせ部材
59の縁部が上下の接当部材10の接当面60に接当す
る。そこから、さらに左側の扉5Lを閉じ方向に押す
と、召し合わせ部材59が接当面60上を摺動しながら
接当面60から反力を受け、巻きバネ71の付勢力に抗
して前側(図7の下側)に揺動し、図8(a)に示すよ
うに、左側の扉5Lが完全に閉鎖された時に両扉5L,
5R先端部間の間隙eが当該召し合わせ部材59によっ
て収納ボックス2の内側から閉塞されることになる。
るので、左側のブラケット40の取付板42(板片5
8)がマグネット11に吸着されるとともに、左側のブ
ラケット40の係止板43は、その係合孔44がデッド
ボルト16と対応するよう挿通空間24内に位置するこ
とになる。一方、両扉5L,5Rがいずれも閉鎖状態に
ある場合には、右側の扉5Rを独立して開放できること
は勿論のこと、上記と逆の動作手順をふむことにより、
右側の扉5Rを閉鎖させたまま左側の扉5Lのみを開放
することができる。
込んだ接当部材10と、扉5をロックするブラケット4
0を兼ねた板片58は、召し合わせ部材59を揺動自在
に取り付けた上記召し合わせ装置を設けていない収納ボ
ックス2にも採用することができる。上記実施例は例示
的なものであって限定的なものではない。すなわち、本
発明の範囲は前記した特許請求の範囲によって示され、
その請求項の意味に入るすべての変形例は本発明に含ま
れるものである。
ボックス本体に生じた大きな揺れを検知してウィングを
自動的にロックするオートロック装置をボックス本体内
に組み込むことが可能となるので、家具等の見栄えを阻
害することなく、地震時に収納物品が外へ飛び出すのを
有効に防止できて震災による被害を可及的に小さくでき
る(請求項1)。
持部材を重り部材の断面内に取り込むことができるの
で、オートロック装置を可及的にコンパクトにでき、か
つ、その材料コストも低く抑えられる。請求項3に記載
の発明によれば、解除孔に挿通した棒状材でデッドボル
トの突出端を下方へ押し込むだけでデッドボルトをアン
ロック位置に復帰できるので、オートロック装置をボッ
クス本体内に設けたにも拘らず、デッドボルトのロック
解除を容易に行える。
グを接当部材とは別に取り付ける手間を省くことができ
るので、オートロック装置の取付作業が簡便になる。請
求項5に記載の発明によれば、板片にブラケットを一体
に形成したので、部品点数を少なくでき、オートロック
装置の製造コスト及び材料コストを更に低減できる。
ートロック装置の取付構造を示す食器棚(収納ボック
ス)の上部の縦断面図であり、(b)は同装置を拡大し
た縦断面図である。
る。
納ボックスの斜視図である。
図であり、(b)は召し合わせ部材をウィングに取り付
けるためのオートヒンジの斜視図である。
材の平面図である。
接当部材の平面図であり、(b)はその(a)における
B−B線断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 前方に開口する開口部(4)にウィング
(5)が枢着されたボックス本体(3)の開口縁部の内
面(8A)に取り付けられるケーシング(15)と、 前記ケーシング(15)内に出退自在に挿通され、か
つ、前記ウィング(5)の内面(5A)に固定したブラ
ケット(40)に係合して同ウィング(5)の開放を阻
止するロック位置(B)に付勢されているデッドボルト
(16)と、 前記デッドボルト(16)が前記ブラケット(40)か
ら解除されるアンロック位置(A)となるよう当該デッ
ドボルト(16)を前記ケーシング(15)内に保持し
ておく保持部材(18)と、 前記ボックス本体(3)に生じた過大な揺れに伴う慣性
力を前記保持部材(18)に作用させて同保持部材(1
8)を前記デッドボルト(16)から解除するオートロ
ック手段(19)と、 を備えているウィング付き収納ボックスのオートロック
装置。 - 【請求項2】 ケーシング(15)に、デッドボルト
(16)の出退方向と交差するよう前後方向に延びる収
納部(45)が形成され、 保持部材(18)は、前記デッドボルト(16)側に付
勢された状態で前記収納部(45)内において前後方向
移動自在にガイドされ、かつ、前端部にデッドボルト
(16)の掛止部(48)を有する板材よりなり、 オートロック手段(19)は、前記収納部(45)内に
前後方向移動自在に装填され、かつ、後方へ移動したと
きに前記保持部材(18)に衝突してその掛止部(4
8)を前記デッドボルト(16)から解除させる重り部
材(52)よりなり、 この重り部材(52)は、前記収納部(45)内でガイ
ドされている前記保持部材(18)を取り囲む断面コ字
状に形成された金属体よりなる請求項1に記載のウィン
グ付き収納ボックスのオートロック装置。 - 【請求項3】 デッドボルト(16)がボックス本体
(3)の開口縁部の内面(8A)に向かって出退するよ
うケーシング(15)が同内面(8A)に固定されてお
り、 ボックス本体(3)の開口縁部におけるデッドボルト
(16)の突出端対応位置に、当該ボックス本体(3)
の内外に通じる解除孔(55)が設けられている請求項
1又は2に記載のウィング付き収納ボックスのオートロ
ック装置。 - 【請求項4】 ボックス本体(3)の開口縁部の内面
(8A)に、前面側にマグネット(11)による吸着面
を有する接当部材(10)が設けられ、ウィング(5)
の内面(5A)に、前記マグネット(11)に吸着され
る板片(58)が固定されている収納ボックス(2)に
おいて、 前記接当部材(10)にケーシング(15)が一体に形
成されている請求項1〜3に記載のウィング付き収納ボ
ックスのオートロック装置。 - 【請求項5】 板片(58)にブラケット(40)が一
体に形成されている請求項4に記載のウィング付き収納
ボックスのオートロック装置。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のオート
ロック装置(1)がボックス本体(3)の開口縁部の内
面(8A)に取り付けられ、同装置(1)にロックされ
るブラケット(40)がウィング(5)の内面(5A)
に取り付けられているウィング付き収納ボックス。 - 【請求項7】 出没自在なデッドボルト(16)を有す
るケーシング(15)をボックス本体(3)内に固定
し、ウィング(5)にブラケット(40)を固定し、前
記デッドボルト(16)が前記ケーシング(15)内に
設けられた地震のゆれで前後に動く重り部材(52)の
同ケーシング(15)内に設けられた保持部材(18)
に対する衝突を介して地震時に突出して前記ブラケット
(40)に引っ掛かる地震時ロック方法。 - 【請求項8】 出没自在なデッドボルト(16)を有す
るケーシング(15)をボックス本体(3)内に固定
し、ウィング(5)にブラケット(40)を固定し、前
記ケーシング(15)内を前後往復動する重り部材(5
2)の地震に伴う慣性力を前記ケーシング(15)内に
設けられた保持部材(18)に作用させて同保持部材
(18)による前記デッドボルト(16)の保持を解除
し、これによって当該デッドボルト(16)が地震時に
突出して前記ブラケット(40)に引っ掛かる地震時ロ
ック方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7134376A JP3031839B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | ウィング付き収納ボックスとそのオートロック装置及び地震時ロック方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7134376A JP3031839B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | ウィング付き収納ボックスとそのオートロック装置及び地震時ロック方法 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15398799A Division JP2000002035A (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | ウィング付き収納ボックスのオ―トロック装置 |
JP11153986A Division JP3031911B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 地震時ロック装置に使用するケーシングとそのケーシングを用いた収納ボックス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08322663A JPH08322663A (ja) | 1996-12-10 |
JP3031839B2 true JP3031839B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=15126951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7134376A Expired - Fee Related JP3031839B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | ウィング付き収納ボックスとそのオートロック装置及び地震時ロック方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3031839B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3048357B1 (ja) | 1999-03-02 | 2000-06-05 | 株式会社システックキョーワ | 開き戸の閉止装置 |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP7134376A patent/JP3031839B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH08322663A (ja) | 1996-12-10 |
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