JP4367425B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備える車両の制御装置に係り、特に、ロックアップクラッチの作動状態の切換制御に関するものである。
動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた切換線から車両状態に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えとなるように前記ロックアップクラッチを制御する車両の制御装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。この特許文献1には、エンジンからのトルクが入力されるトルクコンバータの入出力間すなわちトルクコンバータのポンプ翼車とタービン翼車との間を直結するロックアップクラッチを備え、車速とエンジン負荷としてのスロットル開度とを変数として予め定められたロックアップクラッチの係合領域と解放領域との境界線を有する切換線図から実際の車速とスロットル開度とで表される車両状態に基づいて判断された作動状態となるようにロックアップクラッチを切り換える車両の制御装置が示されている。
一方、駆動系、制動系、操舵系をそれぞれ制御する各制御系を統合して制御する車両の統合制御システムが特許文献2に記載されている。例えば、この統合制御システムは、運転者により操作されるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度から算出された要求駆動力と、運転者により設定された目標車速となるようにアクセル開度に拘わらず車速を自動制御する所謂クルーズコントロールシステムのような運転支援系から出力された駆動力を制御するための要求駆動力とを調停して、エンジントルクや変速機の変速比等を制御する各アクチュエータへの指令値を生成する。
特開平9−280079号公報 特開2005−178626号公報
ところで、特許文献2に示されるように統合制御を行う場合、ロックアップクラッチの作動状態を切り換える制御も各制御系との整合性を図る上で要求駆動力に基づいて作動状態の切換えを判断することが望ましい。このような場合、上記切換線図から実際の車速と要求駆動力を換算したスロットル開度とに基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えを判断したり、或いは車速とスロットル開度とを変数として予め定められたその切換線図を車速と駆動力とを変数とするように変換した切換線図から実際の車速と要求駆動力とに基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えを判断することが考えられる。
しかしながら、トルクコンバータのトルク比t(タービントルク(出力側トルク)/ポンプトルク(入力側トルク))がロックアップクラッチの作動状態に依存して変化することから、要求駆動力が一定でもロックアップクラッチの作動状態が切り換えられることによりその要求駆動力から換算される要求スロットル開度(見方を換えれば要求エンジントルク)が変化し、すなわち要求駆動力が一定でも切換線図からロックアップクラッチの作動状態の切換えを判断する基になる車両状態が変化し、ロックアップクラッチの解放状態から係合状態への切換えを判定するためのロックアップオン線からのロックアップオン判断と、ロックアップクラッチの係合状態から解放状態への切換えを判定するためのロックアップオフ線からのロックアップオフ判断とが繰り返されて、切換制御ハンチングが生じる可能性があった。
先ず、車速とスロットル開度とを変数として予め定められた切換線図から実際の車速と要求(目標)駆動力を換算した要求(目標)スロットル開度とに基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えが判断される場合に、上記切換制御ハンチングが生じる状態を以下に具体的に説明する。
図21は、車速を示す軸とエンジントルクに対応するスロットル開度を示す軸とで構成される二次元座標において、実線で示すロックアップオン(OFF→ON)線と破線で示すロックアップオフ(ON→OFF)線とを例示した切換線図である。
図21において、点Aは、所定の要求駆動力F1に対してロックアップオン時のトルク比(t=1)で換算された要求(目標)エンジントルクに対応する要求スロットル開度θTHAと所定の車速V1とで表される車両状態である。また、点Bは、点Aと同一の所定の要求駆動力F1に対してロックアップオフ時のトルク比(例えばt=1.2)で換算された要求エンジントルクに対応する要求スロットル開度θTHBと所定の車速V1とで表される車両状態である。
そして、ロックアップオン時には車両状態が点Aの状態となってロックアップオフ線を跨ぐことからロックアップオフへ切り換えられるが、同じ要求駆動力F1でもロックアップオフへ切り換えられると車両状態が点Bの状態となってロックアップオン線を跨ぐことからロックアップオンへ切り換えられる。このように、要求駆動力やトルク比によっては切換制御ハンチングが生じる。
次に、車速とスロットル開度とを変数として予め定められたその切換線図を車速と駆動力とを変数とするように変換した切換線図から実際の車速と要求駆動力とに基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えが判断される場合に、上記切換制御ハンチングが生じる状態を以下に説明する。
図22は、車速を示す軸と車両の駆動力を示す軸とで構成される二次元座標において示された切換線図である。実線AONで示すロックアップオン線および破線AOFFで示すロックアップオフ線は、共にロックアップオン時のトルク比(t=1)に基づいて換算されたときのロックアップオン状態における一対の切換線Aを示している。また、一点鎖線BONで示すロックアップオン線および二点差線BOFFで示すロックアップオフ線は、共にロックアップオフ時のトルク比(例えばt=1.2)に基づいて換算されたときのロックアップオフ状態における一対の切換線Bを示している。
図22において、点Cは、所定の要求駆動力F2と所定の車速V2とで表される車両状態である。そして、ロックアップオフ時に車両状態が点Cの状態とされるとロックアップオフ状態における切換線Bが適用されてロックアップオン線BONを跨ぐことからロックアップオンへ切り換えられるが、同じ点Cの状態でもロックアップオンへ切り換えられるとロックアップオン状態における切換線Aが適用されてロックアップオフ線AOFFを跨ぐことからロックアップオフへ切り換えられる。このように、要求駆動力やトルク比によっては切換制御ハンチングが生じる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた切換線から車両状態に基づいて判定されたり、或いは予め定められた規則に基づいて判定されたロックアップクラッチの作動状態となるようにそのロックアップクラッチを切り換える車両の制御装置において、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生を防止することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) 動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた切換線から車両状態に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態となるように前記ロックアップクラッチを切り換える車両の制御装置であって、(b) 車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値を設定する目標駆動力関連値設定手段と、(c) 駆動力に関連する駆動力関連値を変数としてロックアップクラッチ係合状態における前記流体伝動装置のトルク比に基づく予め記憶された切換線を用いて、前記目標駆動力関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第1判定手段と、(d) 駆動力に関連する駆動力関連値を変数としてロックアップクラッチ解放状態における前記流体伝動装置のトルク比に基づく予め記憶された切換線を用いて、前記目標駆動力関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第2判定手段と、(e) 前記第1判定手段と前記第2判定手段とのうちの一方の判定手段により判定された前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えが実行されたときに、その一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定されることを条件として、前記ロックアップクラッチの作動状態の次の切換え判定をその一方の判定手段による判定からその他方の判定手段による判定に変更する切換判定変更手段とを、含むことにある。
このようにすれば、ロックアップクラッチ係合状態(すなわちロックアップオン状態)における流体伝動装置のトルク比に基づく切換線を用いてロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第1判定手段と、ロックアップクラッチ解放状態(すなわちロックアップオフ状態)における流体伝動装置のトルク比に基づく切換線を用いてロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第2判定手段とのうちの一方の判定手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換えが判定されたときに、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定される場合に、切換判定変更手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換え判定が他方の判定手段による判定に変更されるので、一方の判定手段により判定された作動状態となるようにロックアップクラッチが切り換えられた後に、他方の判定手段により直ちにその作動状態の切換えと反対の切換え(すなわち切換え前の作動状態への切換え)が判定されず、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチが切り換えられることが回避される。よって、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生が防止される。
すなわち、一方の判定手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換えが判定されたときには、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段により判定されるまでは他方の判定手段によりその作動状態の切換えと反対の切換えが判定されないので、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチが切り換えられることが回避されて、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生が防止される。
ここで、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値を設定する目標駆動力関連値設定手段と、その目標駆動力関連値設定手段により設定された前記目標駆動力関連値に基づいて前記動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値を算出する目標負荷関連値算出手段とを備え、前記切換線は、前記目標負荷関連値と車速に関連する車速関連値とで表される車両状態に基づいて設定されているものである。このようにすれば、ロックアップクラッチの作動状態の切換えが目標駆動力関連値で制御される。
前記目的を達成するための請求項3にかかる発明の要旨とするところは、(a) 動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた切換線から車両状態に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態となるように前記ロックアップクラッチを切り換える車両の制御装置であって、(b) 車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値を設定する目標駆動力関連値設定手段と、(c) その目標駆動力関連値設定手段により設定された前記目標駆動力関連値に基づいて前記動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値を算出する目標負荷関連値算出手段と、(d) 前記動力源の負荷に関連する負荷関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、その目標負荷関連値算出手段により算出されたロックアップクラッチ係合状態における前記流体伝動装置のトルク比に対応する前記目標負荷関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第1判定手段と、(e) 前記動力源の負荷に関連する負荷関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、前記目標負荷関連値算出手段により算出されたロックアップクラッチ解放状態における前記流体伝動装置のトルク比に対応する前記目標負荷関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第2判定手段と、(f) 前記第1判定手段と前記第2判定手段とのうちの一方の判定手段により判定された前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えが実行されたときに、その一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定されることを条件として、前記ロックアップクラッチの作動状態の次の切換え判定をその一方の判定手段による判定からその他方の判定手段による判定に変更する切換判定変更手段とを、含むことにある。
このようにすれば、ロックアップクラッチ係合状態における流体伝動装置のトルク比に対応する目標負荷関連値を用いてロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第1判定手段と、ロックアップクラッチ解放状態における流体伝動装置のトルク比に対応する目標負荷関連値を用いてロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第2判定手段とのうちの一方の判定手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換えが判定されたときに、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定される場合に、切換判定変更手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換え判定が他方の判定手段による判定に変更されるので、一方の判定手段により判定された作動状態となるようにロックアップクラッチが切り換えられた後に、他方の判定手段により直ちにその作動状態の切換えと反対の切換えが判定されず、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチが切り換えられることが回避される。よって、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生が防止される。
すなわち、一方の判定手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換えが判定されたときには、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段により判定されるまでは他方の判定手段によりその作動状態の切換えと反対の切換えが判定されないので、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチが切り換えられることが回避されて、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生が防止される。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の制御装置において、前記切換線は、前記ロックアップクラッチの解放状態から係合状態への切換えを判定するためのロックアップオン線と、前記ロックアップクラッチの係合状態から解放状態への切換えを判定するためのロックアップオフ線とを有するものであり、それらロックアップオン線とロックアップオフ線との間でヒステリシスが設けられているものである。このようにすれば、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生が一層防止される。
前記目的を達成するための請求項5にかかる発明の要旨とするところは、(a) 動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた規則に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態となるように前記ロックアップクラッチを切り換えると共に、複数の制御系から車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値に変換されて出力された指令値を調停する車両の制御装置であって、(b) 駆動力に関連する駆動力関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、前記目標駆動力関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを定める第1の規則と、(c) 前記動力源の負荷に関連する負荷関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、前記流体伝動装置のトルク比とは無関係に算出された前記動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを定める第2の規則と、(d) 前記目標駆動力関連値を基にして制御する制御系からの指令値である前記流体伝動装置のトルク比とは無関係な目標駆動力関連値が前記調停により選択された場合には前記ロックアップクラッチの作動状態の切換え判定を前記第1の規則に基づく判定に変更する一方で、前記目標負荷関連値を基にして制御する制御系からの指令値である前記流体伝動装置のトルク比に対応する目標駆動力関連値が前記調停により選択された場合には前記ロックアップクラッチの作動状態の切換え判定を前記第2の規則に基づく判定に変更する規則変更手段とを、含むことにある。
このようにすれば、規則変更手段により、目標駆動力関連値を基にして制御する制御系からの指令値が調停により選択された場合にはロックアップクラッチの作動状態の切換え判定が目標駆動力関連値に基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えを定める第1の規則に基づく判定に変更される一方で、目標負荷関連値を基にして制御する制御系からの指令値が調停により選択された場合にはロックアップクラッチの作動状態の切換え判定が動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値に基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えを定める第2の規則に基づく判定に変更されるので、ロックアップクラッチの作動状態の切換判断の基になる目標駆動力関連値と目標負荷関連値との間の変換にロックアップクラッチの作動状態の切換えに伴って変化する流体伝動装置のトルク比が介在するという問題が回避されて、ロックアップクラッチの切換制御ハンチングの発生が防止される。
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の車両の制御装置において、前記第1の規則は、前記第2の規則における前記目標負荷関連値を前記目標駆動力関連値に変換して定められるものである。このようにすれば、第1の規則に基づく判定結果と第2の規則に基づく判定結果との整合性が確保される。
ここで、好適には、前記動力源としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジンが広く用いられる。さらに、補助的な動力源として、電動機等がこのエンジンに加えて用いられても良い。或いは、動力源として電動機のみが用いられても良い。このように動力源に電動機が用いられる場合には、エンジンの出力と電動機の出力とで前記目標駆動力関連値が実現されるように、目標スロットル弁開度と電動機を駆動するための例えば蓄電装置からの目標駆動電流などとが算出される。
また、好適には、前記流体伝動装置としては、トルクコンバータやフルードカップリングなどが用いられる。また、動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路には自動変速機が介設され、流体伝動装置は動力源とこの自動変速機との間に介設される。
また、好適には、上記自動変速機は、複数組の遊星歯車装置の回転要素が摩擦係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式多段変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤのいずれかを油圧アクチュエータなどにより駆動される同期装置によって択一的に動力伝達状態とされて変速段が自動的に切換られる同期噛合型平行2軸式自動変速機、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる形式のベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーン部材とその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーン部材の間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が連続的に変化させられる形式のトロイダル型無段変速機、或いはエンジンからの動力を第1電動機および出力軸へ分配する例えば遊星歯車装置で構成される差動機構とその差動機構の出力軸に設けられた第2電動機とを備えてその差動機構の差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪へ機械的に伝達しエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより電気的に変速比が変更される自動変速機例えば電気的な無段変速機として機能させられるハイブリッド車両用駆動装置などが単独で或いは組み合わされることにより構成される。
また、好適には、前記自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、その自動変速機の軸線が車両の幅方向となるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型でも、その自動変速機の軸線が車両の前後方向となるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両などの縦置き型でも良い。
また、好適には、上記遊星歯車式多段変速機における摩擦係合装置としては、油圧アクチュエータによって係合させられる多板式、単板式のクラッチやブレーキ、或いはベルト式のブレーキ等の油圧式摩擦係合装置が広く用いられる。この油圧式摩擦係合装置を係合させるための作動油を供給するオイルポンプは、例えば走行用の動力源により駆動されて作動油を吐出するものでも良いが、走行用動力源とは別に配設された専用の電動モータなどで駆動されるものでも良い。また、このクラッチ或いはブレーキは、油圧式摩擦係合装置以外に電磁式係合装置例えば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
また、好適には、駆動力に関連する前記駆動力関連値は、駆動輪における車両駆動力(以下駆動力という)に1対1に対応する関連値(相当値)であって、駆動力関連値としてその駆動力はもちろんのことその他に、例えば車両加速度、駆動軸トルクとしての車軸上のトルク(以下車軸トルクという)、車両の出力(以下出力或いはパワーという)、エンジンの出力トルクとしてのクランク軸上のトルク(以下エンジントルクという)、トルクコンバータの出力トルクとしてのトルクコンバータのタービン軸上のトルク(以下タービントルクという)すなわち自動変速機の入力トルクとしての入力軸上のトルク(以下入力軸トルクという)、自動変速機の出力トルクとしての出力軸上のトルク(以下出力軸トルクという)などが用いられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された動力伝達装置10の概略構成を説明する図であると共に、その動力伝達装置10などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。動力伝達装置10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース内において、共通の軸心上に、トルクコンバータ14および自動変速機16が順次配設されている。自動変速機16は、走行用の駆動力源としてのエンジン12のクランク軸にトルクコンバータ14を介して作動的に連結されている。エンジン12により発生させられた動力は、トルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、自動変速機に備えられた出力軸18から差動歯車装置(終減速機)70や一対の駆動軸としての車軸72等を順次介して左右の駆動輪74へ伝達される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車と、自動変速機16の入力軸に連結されたタービン翼車と、それらポンプ翼車およびタービン翼車の間すなわち入出力間を直結してエンジン12の動力を流体を介することなく自動変速機16の入力軸に直接伝達するためのロックアップクラッチ15と、一方向クラッチによって一方向の回転が阻止されているステータ翼車とを備えている。
ロックアップクラッチ15は、係合側油室内の油圧と解放側油室内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合(ロックアップオン)させられることにより、ポンプ翼車およびタービン翼車が一体回転させられてエンジン12の動力が自動変速機16の入力軸に直接伝達される。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわちトルク容量がフィードバック制御されることにより、車両の駆動(パワーオン)時には例えば50rpm程度の所定のスリップ量でタービン軸(入力軸)をエンジン12のクランク軸に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には例えば−50rpm程度の所定のスリップ量でエンジン12のクランク軸をタービン軸に対して追従回転させられる。
自動変速機16は複数の変速段(ギヤ段)が選択的に成立させられるすなわち切り換えられる有段式自動変速機であって、入力された回転を所定の変速比γで減速或いは増速して出力するものであり、例えば油圧アクチュエータによって係合させられるクラッチ或いはブレーキ等の油圧式の摩擦係合装置の作動の組合せによって複数の変速段が構成される遊星歯車式自動変速機である。例えば、自動変速機16は前進6段、後退1段、およびニュートラルの何れかが成立させられ、それぞれの変速段の変速比γに応じた速度変換が成される。自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置は、ライン油圧を元圧とする油圧制御回路22により制御されるようになっている。このライン油圧は、例えばエンジン12に機械的に連結されてエンジン12により直接回転駆動される機械式オイルポンプ20から発生する油圧を元圧として調圧されたものであって、自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられる最大係合圧となるものである。
電子制御装置80は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン12の出力制御や自動変速機16の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン用コンピュータ82(以下、ENG_ECU82と表す)、トランスミッション用コンピュータ84(以下、ECT_ECU84と表す)、車両姿勢安定制御用コンピュータ86(以下、VDM_ECU86と表す)、運転支援系制御用コンピュータ88(以下、DSS_ECU88と表す)等に分けて構成される。
電子制御装置80には、車両に設けられたセンサやスイッチなどから、例えばクランク角度(位置)ACR(°)およびエンジン12の回転速度Nに対応するクランクポジションを検出するクランクポジションセンサ32、トルクコンバータ14のタービン回転速度Nすなわち自動変速機16の入力回転速度NINを検出するタービン回転速度センサ34、車速関連値としての出力軸18の回転速度NOUTを検出する出力軸回転速度センサ36、シフトレバー40のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するシフトポジションセンサ42、アクセルペダル44の操作量であるアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ46、吸気配管24に設けられた電子スロットル弁30の開き角すなわちエンジン12の負荷に関連する負荷関連値としてのスロットル弁開度θTHを検出するスロットルポジションセンサ48、エンジン12の吸入空気量QAIRを検出する吸入空気量センサ50等から、クランク角度(位置)ACR(°)およびエンジン回転速度Nに対応するクランク速度、タービン回転速度N(=入力回転速度NIN)、車速に関連する車速関連値に対応する出力軸回転速度NOUT、シフト操作位置PSH、アクセル開度Acc、スロットル弁開度θTH、吸入空気量QAIRなどを表す信号が供給される。
また、電子制御装置80からは、エンジン出力を制御するための制御信号例えば電子スロットル弁30のスロットル弁開度θTHを操作するスロットルアクチュエータ28への駆動信号や燃料噴射弁52から噴射される燃料噴射量FEFIを制御するための噴射信号やイグナイタ54によるエンジン12の点火時期を制御するための点火信号、自動変速機16の変速段を切り換えるために油圧制御回路22内のソレノイド弁の励磁、非励磁などを制御するためのバルブ指令信号などがそれぞれ出力される。
ここで、上記車速関連値は、車両の速度である車速Vに1対1に対応する関連値(相当値)であって、車速関連値としてその車速Vはもちろんのことその他に、例えば上記出力軸回転速度NOUT、車軸72の回転速度、プロペラシャフトの回転速度、差動歯車装置70の出力軸の回転速度などが用いられる。以下、本実施例では、特に区別しない限り車速と表したものは車速関連値をも表すこととする。
上記エンジン12の負荷関連値は、エンジンの出力に対応する関連値(相当値)であって、エンジン12の出力トルクとしてのクランク軸上のトルク(以下、エンジントルクと表す)Tはもちろんのことその他に、例えば上記スロットル弁開度θTH、吸入空気量QAIR、燃料噴射量FEFIなどが用いられる。
アクセルペダル44は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるもので、出力操作部材に相当し、その操作量であるアクセル開度Accは出力要求量に相当する。
油圧制御回路22は、変速制御用のソレノイド弁の他に、主にライン油圧を制御するリニアソレノイド弁SLT等を備えており、例えば油圧制御回路22内の作動油は自動変速機16等の各部の潤滑にも使用される。また、油圧制御回路22には、例えば前記シフトレバー40にケーブルやリンクなどを介して連結されたマニュアルバルブが備えられ、シフトレバー40の操作に伴ってそのマニュアルバルブが機械的に作動させられることにより油圧制御回路22内の油圧回路が切り換えられる。
シフト操作装置38は、シフトレバー40を備えた変速レンジ選択操作装置としてのシフト操作装置の一例であって、例えば運転席の横のセンターコンソール部分に配設されている。また、シフトレバー40はシフト操作装置71が備えるシフト操作位置PSHに従って移動操作されるようになっている。具体的には、シフト操作位置PSHとして、自動変速機16内の動力伝達経路が遮断された中立状態とし且つ自動変速機16の出力軸18をロックするためのPレンジに対応する駐車位置「P(パーキング)」、後進走行のためのRレンジに対応する後進走行位置「R(リバース)」、自動変速機16内の動力伝達経路が遮断された中立状態とするためのNレンジに対応する中立位置「N(ニュートラル)」、自動変速モードで第1速変速段乃至第6速変速段の範囲で自動変速されるDレンジに対応する前進走行位置「D(ドライブ)」(最高速レンジ位置)、第1速変速段乃至第5速変速段の範囲で自動変速され且つ各変速段でエンジンブレーキが作用させられる5レンジに対応する第5エンジンブレーキ走行位置「5」、第1速変速段乃至第4速変速段の範囲で自動変速され且つ各変速段でエンジンブレーキが作用させられる4レンジに対応する第4エンジンブレーキ走行位置「4」、第1速変速段乃至第3速変速段の範囲で自動変速され且つ各変速段でエンジンブレーキが作用させられる3レンジに対応する第3エンジンブレーキ走行位置「3」、第1速変速段乃至第2速変速段の範囲で自動変速され且つ各変速段においてエンジンブレーキが作用させられる2レンジに対応する第2エンジンブレーキ走行位置「2」、第1速変速段で走行させられ且つエンジンブレーキが作用させられるLレンジに対応する第1エンジンブレーキ走行位置「L」が設けられている。
ENG_ECU82は、ドライバーモデル90(以下、P−DRM90と表す)によりアクセル開度Accを表す信号からの車両に対する出力要求量に基づいて車両が発生すべき目標となる駆動力関連値(以下、目標駆動力関連値と表す)を設定すると共にそのアクセル開度Accに基づく目標駆動力関連値とDSS_ECU88から出力された目標駆動力関連値とを調停してドライバモデル目標駆動力関連値を設定し、そのドライバモデル目標駆動力関連値とVDM_ECU86から出力された目標駆動力関連値とをパワトレマネージャー92(以下、PTM92と表す)により調停して最終的な目標駆動力関連値を設定して、その目標駆動力関連値を実現するようにエンジン12の出力を制御する。
ECT_ECU84は、車両走行状態に基づいて、例えば車速VやENG_ECU82によるエンジン12の出力制御のための制御量例えばスロットル弁開度θTHに基づいて自動変速機16の変速判断を実行し、自動変速機16の変速を制御する。
VDM_ECU86およびDSS_ECU88は、アクセル開度Accに拘わらず車両状態を自動制御するために車両に対する出力要求量としての目標駆動力関連値を出力する。
例えば、VDM_ECU86は、車両姿勢安定制御のための目標駆動力関連値を出力する。また、DSS_ECU88は、運転支援系制御のための目標駆動力関連値を出力する。
このように本実施例では、車両の目標駆動力関連値を設定し、その目標駆動力関連値が得られるようにエンジン12の出力制御および/または自動変速機16の変速制御が実行されることにより、車両駆動力Fが制御される所謂駆動力要求型制御が実行される。
ここで、上記駆動力関連値とは、駆動輪74の接地面上に働く車両駆動力(以下、駆動力と表す)F[N]に1対1に対応する関連値(相当値)であって、駆動力関連値としてその駆動力Fはもちろんのことその他に、例えば加速度G[G、m/s]、駆動軸トルクとしての車軸72上のトルク(以下、車軸トルクと表す)T[Nm]、車両の出力(以下、出力或いはパワーと表す)P[PS、kW、HP]、トルクコンバータ14の出力トルクとしてのトルクコンバータ14のタービン軸上のトルク(以下、タービントルクと表す)T[Nm]すなわち自動変速機16の入力トルクとしての入力軸上のトルク(以下、入力軸トルクと表す)TIN[Nm]、自動変速機16の出力トルクとしての出力軸18上のトルク(以下、出力軸トルクと表す)TOUT[Nm]、プロペラシャフト上のトルクT[Nm]などが用いられる。以下、本実施例では、特に区別しない限り駆動力と表したものは駆動力関連値をも表すこととする。
図2は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また、図3は、電子制御装置80による目標駆動力Fの設定、エンジン12の出力制御のための目標スロットル弁開度θTH の算出、エンジン12の出力制御、自動変速機16の変速判断、ロックアップクラッチ15の作動状態の切換判断等の流れの概略を示すブロック線図である。
図2において、ドライバ目標駆動力設定手段100は、図3のブロックB1に対応するものであって、例えば図4に示すようなアクセル開度Accをパラメータとして車速Vとドライバ目標駆動力FDIMDとの予め実験的に求めて記憶された関係(マップ)から実際のアクセル開度Accと車速Vとに基づいてドライバ目標駆動力FDIMDを設定する。
車両姿勢安定制御手段102は、図3のブロックB2およびB3に対応するものであって、車両姿勢安定制御としてアクセル開度Accに拘わらず旋回中の車両姿勢を安定化させる所謂VSCシステムを機能的に備えている。このVSCシステムは、車両の旋回中の後輪横滑り傾向所謂オーバステア傾向或いは前輪横滑り傾向所謂アンダステア傾向の程度に基づいて、後輪横滑り抑制モーメント或いは前輪横滑り抑制モーメントを発生させて車両姿勢の安定性を確保するように、例えば駆動力Fを抑制するための姿勢安定目標駆動力FDIMVを出力すると共に車輪の制動力を制御する。
運転支援系制御手段104は、図3のブロックB4およびB5に対応するものであって、運転支援系制御としてアクセル開度Accに拘わらず車速Vを自動制御する自動車速制御システム所謂クルーズコントロールシステムを機能的に備えている。このクルーズコントロールシステムは、運転者により設定された目標車速Vとなるように、例えば駆動力Fを制御するための運転支援目標駆動力FDIMSを出力すると共に車輪の制動力を制御する。
前記ドライバ目標駆動力設定手段100は、さらに図3のブロックB6’に対応するものであって、実際のアクセル開度Accと車速Vとに基づいて設定したドライバ目標駆動力FDIMDおよび前記運転支援系制御手段104による運転支援目標駆動力FDIMSのうちで、何れの目標駆動力FDIMを優先させるかを或いは何れの目標駆動力FDIMを加減算するかを、予め定められた駆動力調停手順に従って選択し、この選択した目標駆動力FDIMをドライバモデル目標駆動力FDIMDMに設定する。
目標駆動力調停手段106は、図3のブロックB6およびB7に対応するものであって、前記ドライバ目標駆動力設定手段100によるドライバモデル目標駆動力FDIMDMおよび前記車両姿勢安定制御手段102による姿勢安定目標駆動力FDIMVのうちで、何れの目標駆動力FDIMを優先させるかを或いは何れの目標駆動力FDIMを加減算するかを、予め定められた駆動力調停手順に従って選択し、この選択した目標駆動力FDIMを目標駆動力Fに設定する。このように、目標駆動力調停手段106は、車両の発生すべき目標駆動力Fを設定する目標駆動力設定手段として機能する。
また、上記駆動力調停手順は、例えば通常は姿勢安定目標駆動力FDIMVや運転支援目標駆動力FDIMSを優先するが、シフトレバー40の操作によって変速段が換えられたときやアクセルペダル44が所定値以上大きく踏み込み操作された場合等にはドライバ目標駆動力FDIMDを優先するように定められている。
目標エンジントルク算出手段108は、図3のブロックB8に対応するものであって、前記目標駆動力調停手段106により設定された目標駆動力Fを実現する目標エンジントルクT を算出する。例えば、目標エンジントルク算出手段108は、目標駆動力F、自動変速機16の現在の変速段における変速比γ、差動歯車装置70等の減速比i、駆動輪74のタイヤ有効半径r、動力伝達効率η、およびトルクコンバータ14のトルク比(=タービントルクT/ポンプトルク(エンジントルクT))tから次式(1)に従って目標エンジントルクT を算出する。
=(F×r)/(γ×i×η×t) ・・・(1)
目標スロットル弁開度算出手段110は、図3のブロックB9に対応するものであって、前記目標エンジントルク算出手段108により算出された目標エンジントルクT が得られる目標スロットル弁開度θTH を算出する。例えば、目標スロットル弁開度算出手段110は、図5に示すようなスロットル弁開度θTHをパラメータとしてエンジン回転速度Nとエンジントルク推定値TE0との予め実験的に求めて記憶されたエンジントルク特性図(関係、マップ)から実際のエンジン回転速度Nに基づいて目標エンジントルクT が得られるエンジントルク推定値TE0となるように目標スロットル弁開度θTH を算出する。
エンジン出力制御手段112は、図3のブロックB10に対応するものであって、前記目標スロットル弁開度算出手段110により算出された目標スロットル弁開度θTH となるようにスロットルアクチュエータ28により電子スロットル弁30を開閉制御する他、燃料噴射弁52により燃料噴射量を制御したり、イグナイタ54により点火時期を制御する。
変速制御手段114は、図3のブロックB11に対応するものであって、例えば図6に示すような車速Vを示す軸とスロットル弁開度θTHを示す軸とで構成される二次元座標において予め記憶された変速線図(変速マップ、関係)から実際の車速Vと前記目標スロットル弁開度算出手段110により算出された目標スロットル弁開度θTH とに基づいて、自動変速機16の変速すべき変速段を判断し、その判断した変速段となるように自動変速機16の変速を実行する。変速制御手段114は、その自動変速機16の変速を実行するために、油圧式摩擦係合装置(クラッチ、ブレーキ)の係合状態を切り換えるための変速指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
上記図6の変速マップにおいて、実線はアップシフト判断が行われるための変速線(アップシフト線)であり、破線はダウンシフト判断が行われるための変速線(ダウンシフト線)である。このように、自動変速機16の同一の変速段間でのアップシフト判断とダウンシフト判断との間で変速ハンチングが発生することが防止されるように、アップ線とダウン線との間でヒステリシスが設けられている。また、この変速線図は、車速Vが低くなったり目標スロットル弁開度θTH が大きくなるに従って、変速比γが大きい低速側のギヤ段に切り換えられるようになっており、図中の「1」〜「6」は第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」を意味している。また、この図6の変速線図における変速線は、例えば実際の車速Vを示す縦線上において目標スロットル弁開度θTH が線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき判定値(変速点スロットル弁開度)θを越えたか否かを判断するためのものであり、この判定値θすなわち変速点スロットル弁開度の連なりとして予め記憶されていることにもなる。
ロックアップクラッチ制御手段116は、図3のブロックB12に対応するものであって、専ら加速走行時には、例えば図7に示すような車速NOUTおよびスロットル弁開度θTHを変数とする二次元座標において解放(ロックアップオフ)領域と係合(ロックアップオン)領域とを有する予め記憶された関係(マップ、ロックアップ領域線図)から実際の車速NOUTおよび前記目標スロットル弁開度算出手段110により算出された目標スロットル弁開度θTH で表される車両状態に基づいて係合領域、解放領域のいずれの領域に属するかを判断し、その判断した領域の作動状態となるようにロックアップクラッチ15の作動状態を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
上記図7のロックアップ領域線図において、実線はロックアップオン判断が行われるための切換線(ロックアップオン線)であり、破線はロックアップオフ判断が行われるための切換線(ロックアップオフ線)である。このように、切換線は、ロックアップオン線とロックアップオフ線とを有し、ロックアップクラッチ15のロックアップオン判断とロックアップオフ判断との間で切換制御ハンチングが発生することが防止されるように、ロックアップオン線とロックアップオフ線との間でヒステリシスが設けられている。また、このロックアップ領域線図は、車速NOUTが低くなったり目標スロットル弁開度θTH が大きくなるに従って、ロックアップオフに切り換えられるようになっており、この各切換線は、例えば実際の車速Vを示す縦線上において目標スロットル弁開度θTH が線を横切ったか否かすなわち切換線上の切換えを実行すべき判定値(切換点スロットル弁開度)θを越えたか否かを判断するためのものであり、この判定値θすなわち切換点スロットル弁開度の連なりとして予め記憶されていることにもなる。尚、図示はしないが各切換線に隣接してスリップ領域を有するように切換線(境界線)が設けられてもよい。この場合には、係合領域および解放領域と同様にロックアップクラッチ制御手段116によりスリップ領域が判断されてロックアップクラッチ15の作動状態が切り換えられる。
ところで、本実施例では、前述したように駆動力要求型制御が実行されることから、目標スロットル弁開度θTH は、目標駆動力Fから換算された目標エンジントルクT が得られるように前記目標スロットル弁開度算出手段110により算出される。よって、前記(1)式においてロックアップクラッチ15の作動状態やタービン回転速度N(=入力回転速度NIN)やエンジン回転速度N等に対応するようにトルク比tを変化させると、目標駆動力Fが一定でも目標エンジントルクT が変化し、それに伴って目標スロットル弁開度θTH も変化する。
そうすると、前記図21を用いて前述したように、同一の車速NOUTにおいて、ロックアップオン時には同一の目標駆動力Fに対してそのロックアップオン時のトルク比(=1)で換算された目標エンジントルクT に対応する目標スロットル弁開度θTH がロックアップオフ線を跨いでロックアップオフ判断が行われ、ロックアップオフ時にはその同一の目標駆動力Fに対してそのロックアップオフ時のトルク比(1より大きな値)で換算された目標エンジントルクT に対応する目標スロットル弁開度θTH がロックアップオン線を跨いでロックアップオン判断が行われて、目標駆動力Fやトルク比によっては切換制御ハンチングが生じる可能性がある。
そこで、前記目標エンジントルク算出手段108は、前記(1)式におけるトルク比tを固定して、目標エンジントルクT を算出する。このように、トルク比tを固定することで、ロックアップクラッチ15の作動状態やタービン回転速度Nやエンジン回転速度N等の変動の影響を受けることなく前記目標スロットル弁開度算出手段110により目標駆動力Fに対して1つの目標スロットル弁開度θTH のみが算出される。そして、その目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判断されるので、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングが防止される。このトルク比tは、好適には、ロックアップオン領域を減らしてロックアップオフ領域を確保し易いように、例えばロックアップオン時のトルク比(=1)に固定される。
上述のように、本実施例によれば、目標エンジントルク算出手段108による目標エンジントルクT の算出に際してトルク比tが固定されるので、ロックアップクラッチ15の作動状態等の変動の影響を受けることなく目標スロットル弁開度算出手段110により算出された目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判断されてロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、切換制御ハンチングを防止するための前述の実施例1とは別の制御作動を説明する。
本実施例においては、ロックアップオン時のトルク比t(=1)でON→OFF判定をしてロックアップオフした場合には、次の目標駆動力F→目標スロットル弁開度θTH の変換に用いる前記(1)式において現時点でロックアップオンでなくてもロックアップオン時のトルク比t(=1)で計算してOFF→ON判定をする。このとき、ロックアップオフ時のトルク比tを用いて算出した目標スロットル弁開度θTH がロックアップオフ線を越えたらハンチング領域から脱したと判断して、ロックアップオフ時のトルク比tで計算してOFF→ON判定をする。
一方で、ロックアップオフ時のトルク比tでOFF→ON判定をしてロックアップオンした場合には、次の目標駆動力F→目標スロットル弁開度θTH の変換に用いる前記(1)式において現時点でロックアップオフでなくてもロックアップオフ時のトルク比tで計算してON→OFF判定をする。このとき、ロックアップオン時のトルク比t(=1)を用いて算出した目標スロットル弁開度θTH がロックアップオン線を越えたらハンチング領域から脱したと判断して、ロックアップオン時のトルク比t(=1)で計算してON→OFF判定をする。
電子制御装置80は、ロックアップオフ時のトルク比tとしてトルクコンバータの静的バランスポイントを用いて計算する。この静的バランスポイントは、所定の車速において、エンジントルクに対してトルクコンバータ14の滑り量が収まるときのトルク比tすなわち落ち着くポイントのトルク比tとして予め求められた実験値である。これにより、ロックアップオフ時のトルク比tとしてタービン回転速度Nやエンジン回転速度NやエンジントルクT等に基づく安定的なトルク比tを前記(1)式において用いることができる。
図8は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、前記図2に相当する図である。この図8においては、前記目標エンジントルク算出手段108による目標エンジントルクT の算出、前記目標スロットル弁開度算出手段110による目標スロットル弁開度θTH の算出、前記ロックアップクラッチ116によるロックアップクラッチ15の作動状態の切換えにおける切換制御ハンチングを防止する手段等が前述の実施例と主に相違する。
前記目標エンジントルク算出手段108は、前記(1)式に従って、ロックアップオン時のトルク比t(=1)を用いた目標エンジントルクT とロックアップオフ時のトルク比tを用いた目標エンジントルクT とをそれぞれ算出する。
前記目標スロットル弁開度算出手段110は、前記目標エンジントルク算出手段108により算出された目標エンジントルクT が得られるロックアップオン時のトルク比t(=1)を用いた目標スロットル弁開度θTH とロックアップオフ時のトルク比tを用いた目標スロットル弁開度θTH とをそれぞれ算出する。
前記ロックアップクラッチ制御手段116は、例えば図7に示すようなロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび前記目標スロットル弁開度算出手段110により算出されたロックアップオン時のトルク比t(=1)に対応する目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第1判定手段118と、そのロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび目標スロットル弁開度算出手段110により算出されたロックアップオフ時のトルク比tに対応する目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第2判定手段120とを備え、第1判定手段118と第2判定手段120とによりいずれか判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
さらに、ロックアップクラッチ制御手段116は、前記第1判定手段118と前記第2判定手段120とのうちの一方の判定手段によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判定されたときに、その一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定される場合に、ロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定をその他方の判定手段による判定に変更する切換判定変更手段122を備え、第1判定手段118と第2判定手段120とのうちの一方の判定手段により判定されたロックアップクラッチ15の作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えたときに、切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが他方の判定手段による判定に変更された場合に、他方の判定手段により判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
言い換えれば、ロックアップクラッチ制御手段116は、第1判定手段118と第2判定手段120とのうちの一方の判定手段により判定されたロックアップクラッチ15の作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えたときには、切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが他方の判定手段による判定に変更されるまでは、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
図9は、切換制御ハンチングを防止するための制御作動の流れをロックアップクラッチ15の作動状態の移り変わりで示した状態遷移図である。以下に、前記ロックアップクラッチ制御手段116の具体的な作動を、この図9を用いて説明する。
図9において、[状態1]は、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオフに切り換えられていると共に、ハンチング領域OFFすなわちハンチング領域を脱している状態である。この[状態1]では、第2判定手段120によりロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびロックアップオフ時のトルク比tを用いた目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ15のOFF→ONが判定される。
[状態1]において、第2判定手段120によりOFF→ONが判定されると、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオンに切り換えられて[状態2]に遷移する。
[状態2]では、第1判定手段118によりロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびロックアップオン時のトルク比t(=1)を用いた目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ15のON→OFFが判定されると切換制御ハンチングが発生する可能性があるので、すなわちハンチング領域ONすなわちハンチング領域を脱していない状態であるので、第2判定手段120により判定された作動状態の切換えと同一のOFF→ON判定が第1判定手段118によって判定されて切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが第1判定手段118による判定に変更されるまでは、第2判定手段120によりON→OFFが判定される。
[状態2]において、第2判定手段120によってON→OFFが判定されるとロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオフに切り換えられて[状態1]に遷移するが、第1判定手段118によってOFF→ONが判定されると切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第1判定手段118による判定に変更されて[状態3]に遷移する。
[状態3]は、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオンに切り換えられていると共に、ハンチング領域OFFである。この[状態3]では、第1判定手段118によりON→OFFが判定される。
[状態3]において、第1判定手段118によりON→OFFが判定されると、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオフに切り換えられて[状態4]に遷移する。
[状態4]では、第2判定手段118によりOFF→ONが判定されると切換制御ハンチングが発生する可能性があるので、すなわちハンチング領域ONであるので、第1判定手段118により判定された作動状態の切換えと同一のON→OFF判定が第2判定手段120によって判定されて切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが第2判定手段120による判定に変更されるまでは、第1判定手段118によりOFF→ONが判定される。
[状態4]において、第1判定手段118によってOFF→ONが判定されるとロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオンに切り換えられて[状態3]に遷移するが、第2判定手段120によってON→OFFが判定されると切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第2判定手段120による判定に変更されて[状態4]に遷移する。
上述のように、本実施例によれば、ロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびロックアップオン時のトルク比t(=1)を用いた目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第1判定手段118と、ロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびロックアップオフ時のトルク比tを用いた目標スロットル弁開度θTH に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第2判定手段120とのうちの一方の判定手段によりロックアップクラッチの作動状態の切換えが判定されたときに、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定される場合に、切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が他方の判定手段による判定に変更されるので、一方の判定手段により判定された作動状態となるようにロックアップクラッチ15が切り換えられた後に、他方の判定手段により直ちにその作動状態の切換えと反対の切換え(すなわち切換え前の作動状態への切換え)が判定されず、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチ15が切り換えられることが回避される。よって、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
すなわち、一方の判定手段によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判定されたときには、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段により判定されるまでは他方の判定手段によりその作動状態の切換えと反対の切換えが判定されないので、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチ15が切り換えられることが回避されて、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
また、本実施例によれば、ロックアップ領域線図において、切換線はロックアップオン線とロックアップオフ線とを有し、ロックアップオン線とロックアップオフ線との間でヒステリシスを有しているので、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が一層防止される。
本実施例では、切換制御ハンチングを防止するための前述の実施例1および2とは別の制御作動を説明する。
本実施例においては、スロットル弁開度θTHに替えて駆動力Fを用いてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判断することにより切換制御ハンチングを防止する。つまり、ロックアップクラッチ15の作動状態の切換判断において、目標駆動力Fを目標スロットル弁開度θTH に変換する過程を排除することによりトルク比tの影響を回避して切換制御ハンチングを防止する。
図10は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、前記図2に相当する図である。この図10においては、前記ロックアップクラッチ116によるロックアップクラッチ15の作動状態の切換えにおける切換制御ハンチングを防止する手段等が前述の実施例と主に相違する。
また、図11は、電子制御装置80による制御作動の流れの概略を示すブロック線図であって、ブロックB7から目標駆動力Fが入力されるブロックB12’が前記図3のブロックB12に替えて備えられている点がその図3と相違する。その相違点以外の図11の各ブロックについては説明を省略する。
前記ロックアップクラッチ制御手段116は、図11のブロックB12’に対応するものであって、専ら加速走行時には、例えば図12に示すような車速NOUTおよび駆動力Fを変数とする二次元座標において解放(ロックアップオフ)領域、係合(ロックアップオン)領域を有する予め記憶された関係(マップ、ロックアップ領域線図)から実際の車速NOUTおよび前記目標駆動力調停手段106により設定された目標駆動力Fで表される車両状態に基づいて係合領域、解放領域のいずれの領域に属するかを判断し、その判断した領域の作動状態となるようにロックアップクラッチ15の作動状態を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
上記図12は、前記図7のロックアップ領域線図に相当するロックアップ領域線図であって、図7と同様に、実線はロックアップオン線であり、破線はロックアップオフ線であり、切換線はロックアップオン線とロックアップオフ線とを有し、ロックアップクラッチ15のロックアップオン判断とロックアップオフ判断との間で切換制御ハンチングが発生することが防止されるように、ロックアップオン線とロックアップオフ線との間でヒステリシスが設けられている。また、このロックアップ領域線図は、図7のロックアップ領域線図を基に変数の一方であるスロットル弁開度θTHを駆動力Fに変換して求められたものではなく、直接的に車速NOUTおよび駆動力Fを変数としてロックアップクラッチの作動領域が設定されたものである。よって、この図12のロックアップ領域線図を用いてロックアップクラッチ15の切換判断を実行することにより、切換制御ハンチングを防止することができる。
上述のように、本実施例によれば、ロックアップクラッチ制御手段116により車速NOUTおよび駆動力Fを変数として予め記憶されたロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15の作動状態が切り換えられるので、スロットル弁開度θTHから駆動力Fに変換するときのトルク比tの変化に起因する問題の発生が回避されてロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
本実施例では、切換制御ハンチングを防止するための前述の実施例1から3とは別の制御作動を説明する。
前述の実施例3のように、前記図12のロックアップ領域線図を用いる場合には、切換制御ハンチングが防止される反面、目標駆動力Fから換算された目標エンジントルクT が得られる目標スロットル弁開度θTH がロックアップクラッチ15の切換判断に反映されないことから、エンジン12側の状態がその切換判断に反映され難くなる。つまり、エンジン特性が見えにくくなる。
そこで、スロットル弁開度θTHに替えて駆動力Fを用いてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判断することは前記実施例3と同様であるが、前記図12のロックアップ領域線図における変数の一方である駆動力Fに、図7のロックアップ領域線図における変数の一方であるスロットル弁開度θTHを変換した駆動力Fを用いることが考えられる。つまり、図7のロックアップ領域線図を基にして車速NOUTおよび駆動力Fを変数とするように変換したロックアップ領域線図からロックアップクラッチ15の切換判断を行う。
図13は、例えば図7のロックアップ領域線図を基にして変換することにより、車速NOUTおよび駆動力Fを変数とする二次元座標において示されたロックアップ領域線図の一例である。実線AONで示すロックアップオン線および破線AOFFで示すロックアップオフ線は、共にロックアップオン時のトルク比t(=1)に基づいて換算されたロックアップオンにおけるトルク比tに基づく(すなわちロックアップオンにおけるトルク比tに対応する)一対の切換線Aを示している。また、一点鎖線BONで示すロックアップオン線および二点差線BOFFで示すロックアップオフ線はロックアップオフ時のトルク比tに基づいて換算されたロックアップオフにおけるトルク比tに基づく(すなわちロックアップオフにおけるトルク比tに対応する)一対の切換線Bとを示している。なお、目標スロットル弁開度θTH (目標エンジントルクT )から目標駆動力Fへの変換は、前記式(1)の逆変換により行われる。
しかしながら、図13のロックアップ領域線図を用いることにより、前記図22を用いて前述したように、所定の車速NOUTと所定の目標駆動力Fとで表される車両状態において、目標駆動力Fやトルク比によっては、ロックアップオフ時にはロックアップオフにおける切換線Bが適用されてロックアップオン線BONを跨いでロックアップオン判断が行われ、ロックアップオン時にはロックアップオンにおける切換線Aが適用されてロックアップオフ線AOFFを跨いでロックアップオフ判断が行われて、切換制御ハンチングが生じる可能性がある。
そこで、本実施例では、実施例3で示した図10の機能ブロック線図および図11のブロック線図において、図13のロックアップ領域線図を用いた場合には、前記実施例1と同様にトルク比tを固定して目標スロットル弁開度θTH を目標駆動力Fに変換することにより、図7のロックアップ領域線図を基に図13のロックアップ領域線図に変換する。これにより、切換線が1つに固定されるので、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングが防止される。但し、このようにトルク比tを固定した場合には、実質的に前記実施例3と同じ結果となる。
上述のように、本実施例によれば、車速NOUTおよび目標スロットル弁開度θTH を変数とする二次元座標において予め記憶されたロックアップ領域線図を基に車速NOUTおよび駆動力Fを変数とする二次元座標において予め記憶されたロックアップ領域線図へ変換するに際してトルク比tが固定されるので、ロックアップクラッチ15の作動状態等の変動の影響を受けることなく変換された車速NOUTおよび駆動力Fを変数とするロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判断されてロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
本実施例では、切換制御ハンチングを防止するための前述の実施例1から4とは別の制御作動を説明する。
本実施例においては、図11のブロック線図において、実施例4と同様に前記図13のロックアップ領域線図を用いた場合には、前記実施例2と同様の制御作動を実行してロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングを防止する。
つまり、ロックアップオンにおける切換線AでON→OFF判定をしてロックアップオフした場合には、次の判定において現時点でロックアップオンでなくてもロックアップオンにおける切換線AでOFF→ON判定をする。このとき、ロックアップオフにおける切換線Bのロックアップオフ線BOFFを越えたらハンチング領域から脱したと判断して、ロックアップオフにおける切換線BでOFF→ON判定をする。
一方で、ロックアップオフにおける切換線BでOFF→ON判定をしてロックアップオンした場合には、次の判定において現時点でロックアップオフでなくてもロックアップオフにおける切換線BでON→OFF判定をする。このとき、ロックアップオンにおける切換線Aのロックアップオン線AONを越えたらハンチング領域から脱したと判断して、ロックアップオンにおける切換線AでON→OFF判定をする。
電子制御装置80は、ロックアップオフ時のトルク比tとして前記実施例2と同様にトルクコンバータの静的バランスポイントを用いて計算する。なお、図13の切換線Aおよび切換線Bは、電子制御装置80により車速NOUTおよび駆動力Fを変数とする二次元座標においてトルク比tをパラメータとするマップ(関係)として予め記憶されていても良いし、切換えを実行すべき判定値として目標スロットル弁開度θTH を目標駆動力Fにリアルタイムで随時変換されても良い。
図14は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、前記図10に相当する図である。この図14においては、前記ロックアップクラッチ116によるロックアップクラッチ15の作動状態の切換えにおける切換制御ハンチングを防止する手段等が前述の実施例と主に相違する。
前記ロックアップクラッチ制御手段116は、図11のブロックB12’に対応するものであって、専ら加速走行時には、例えば図13に示すようなロックアップ領域線図におけるロックアップオンにおける切換線Aから実際の車速NOUTおよび前記目標駆動力調停手段106により設定された目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第1判定手段118と、そのロックアップ領域線図におけるロックアップオフにおける切換線Bから実際の車速NOUTおよび目標駆動力調停手段106により設定された目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第2判定手段120とを備え、第1判定手段118と前記第2判定手段120とによりいずれか判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
さらに、ロックアップクラッチ制御手段116は、前記第1判定手段118と前記第2判定手段120とのうちの一方の判定手段によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判定されたときに、その一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定される場合に、ロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定をその他方の判定手段による判定に変更する切換判定変更手段122を備え、第1判定手段118と第2判定手段120とのうちの一方の判定手段により判定されたロックアップクラッチ15の作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えたときに、切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が他方の判定手段による判定に変更された場合に、他方の判定手段により判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
言い換えれば、ロックアップクラッチ制御手段116は、第1判定手段118と第2判定手段120とのうちの一方の判定手段により判定されたロックアップクラッチ15の作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えたときには、切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが他方の判定手段による判定に変更されるまでは、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
図15は、図13のロックアップ領域線図を用いた場合に切換制御ハンチングを防止するための制御作動の流れをロックアップクラッチ15の作動状態の移り変わりで示した状態遷移図である。以下に、前記ロックアップクラッチ制御手段116の具体的な作動を、この図15を用いて説明する。
図15において、[状態1]は、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオフに切り換えられていると共に、ハンチング領域OFFすなわちハンチング領域を脱している状態である。この[状態1]では、第2判定手段120によりロックアップオフにおける切換線Bから実際の車速NOUTおよび目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15のOFF→ONが判定される。
[状態1]において、第2判定手段120によりOFF→ONが判定されると、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオンに切り換えられて[状態2]に遷移する。
[状態2]では、第1判定手段118によりロックアップオンにおける切換線Aから実際の車速NOUTおよび目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15のON→OFFが判定されると切換制御ハンチングが発生する可能性があるので、すなわちハンチング領域ONすなわちハンチング領域を脱していない状態であるので、第2判定手段120により判定された作動状態の切換えと同一のOFF→ON判定が第1判定手段118によって判定されて切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第1判定手段118による判定に変更されるまでは、第2判定手段120によりON→OFFが判定される。
[状態2]において、第2判定手段120によりON→OFFが判定されるとロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオフに切り換えられて[状態1]に遷移するが、第1判定手段118によってOFF→ONが判定されると切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第1判定手段118による判定に変更されて[状態3]に遷移する。
[状態3]は、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオンに切り換えられていると共に、ハンチング領域OFFである。この[状態3]では、第1判定手段118によりON→OFFが判定される。
[状態3]において、第1判定手段118によりON→OFFが判定されると、ロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオフに切り換えられて[状態4]に遷移する。
[状態4]では、第2判定手段118によりOFF→ONが判定されると切換制御ハンチングが発生する可能性があるので、すなわちハンチング領域ONであるので、第1判定手段118により判定された作動状態の切換えと同一のON→OFF判定が第2判定手段120によって判定されて切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第2判定手段120による判定に変更されるまでは、第1判定手段118によりOFF→ONが判定される。
[状態4]において、第1判定手段118によりOFF→ONが判定されるとロックアップクラッチ制御手段116によりロックアップオンに切り換えられて[状態3]に遷移するが、第2判定手段120によってON→OFFが判定されると切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第2判定手段120による判定に変更されて[状態4]に遷移する。
上述のように、本実施例によれば、ロックアップオンにおける切換線Aを用いてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第1判定手段118と、ロックアップオフにおける切換線Bを用いてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第2判定手段120とのうちの一方の判定手段によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判定されたときに、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定される場合に、切換判定変更手段122によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が他方の判定手段による判定に変更されるので、一方の判定手段により判定された作動状態となるようにロックアップクラッチ15が切り換えられた後に、他方の判定手段により直ちにその作動状態の切換えと反対の切換えが判定されず、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチ15が切り換えられることが回避される。よって、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
すなわち、一方の判定手段によりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが判定されたときには、一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段により判定されるまでは他方の判定手段によりその作動状態の切換えと反対の切換えが判定されないので、その反対の作動状態となるようにロックアップクラッチ15が切り換えられることが回避されて、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
また、本実施例によれば、ロックアップ領域線図は、目標スロットル弁開度θTH と車速NOUTとで表される車両状態に基づいて設定されているので、スロットル弁開度θTHを駆動力Fへ変換することによりロックアップクラッチ15の作動状態の切換えが目標駆動力Fで制御される。
また、本実施例によれば、ロックアップ領域線図において、切換線はロックアップオン線とロックアップオフ線とを有し、ロックアップオン線とロックアップオフ線との間でヒステリシスを有しているので、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が一層防止される。
本実施例では、切換制御ハンチングを防止するための前述の実施例4或いは5において、一層切換制御ハンチングを防止するための制御作動を説明する。
前記実施例4および前記実施例5において、図13に示すようなロックアップ領域線図は、車速NOUTおよびスロットル弁開度θTHを変数とする二次元座標上の切換線を基に、そのスロットル弁開度θTHを駆動力Fへ変換して車速NOUTおよび駆動力Fを変数とする二次元座標上の切換線に変換したものである。そのため、図16に示すエンジン特性のように、スロットル弁開度θTHに対してエンジントルクTの飽和領域がある場合には、その飽和領域ではスロットル弁開度θTHから変換された駆動力Fの差が飽和領域以外と比較して少なくなってしまう。そうすると、図17に示すようにロックアップ領域線図における実線のロックアップオン線と破線のロックアップオフ線との間に設けられているヒステリシスが上記飽和領域では小さくなってしまう。
そこで、本実施例では、ロックアップクラッチ15のロックアップオン判断とロックアップオフ判断との間で切換制御ハンチングが発生することが防止されるように、例えば一点鎖線に示すようにロックアップオン線に上限ガードを設けロックアップオフ線から所定値低駆動力側へ離してヒステリシスを確保する。
上述のように、本実施例によれば、車速NOUTおよびスロットル弁開度θTHを変数とするロックアップ領域線図における切換線を基に、車速NOUTおよび駆動力Fを変数とする二次元座標上の切換線に変換する場合には、ロックアップオン線に上限ガードを設けてヒステリシスが確保されるので、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が一層防止される。
前述の実施例1から6では、前記ドライバ目標駆動力設定手段100や前記車両姿勢安定制御手段102や前記運転支援系制御手段104等の複数の制御系から車両駆動力Fという統一した単位に変換された各指令値が前記目標駆動力調停手段106により調停されて目標駆動力Fが設定され、その目標駆動力Fやそれを基に変換された目標スロットル弁開度θTH の何れかに基づいてロックアップクラッチの作動状態の切換えを行ったときの切換制御ハンチングを防止する制御作動を説明した。つまり、前述の実施例は、目標駆動力調停手段106により複数の制御系から出力された何れの指令値が選択された場合でも、共通の目標駆動力Fやそれを基に変換された目標スロットル弁開度θTH を用いてロックアップクラッチの作動状態の切換えを行ったときの切換制御ハンチングを防止するものであった。
本実施例では、複数の制御系から駆動力Fという統一した単位に変換された各指令値が目標駆動力調停手段106により調停されて目標駆動力Fが設定され、その目標駆動力Fが得られるようにエンジン出力制御等が実行される駆動力要求型制御という基本的な構成は前述の実施例と同じであるが、目標駆動力調停手段106により複数の制御系から出力された何れの指令値が選択されたかによってロックアップクラッチの作動状態の切換えに目標駆動力Fや目標スロットル弁開度θTH 等の何れの変数を用いるかを変更し、切換制御ハンチングを防止するものである。
図18は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、前記図2等に相当する図である。この図18においては、前記ドライバ目標駆動力設定手段100によるドライバ目標駆動力FDIMDの設定、前記ロックアップクラッチ制御手段116によるロックアップクラッチ15の作動状態の切換えにおける切換制御ハンチングを防止する手段等が前述の実施例と主に相違する。
また、図19は、電子制御装置80による目標駆動力Fの設定、エンジン12の出力制御のための目標スロットル弁開度θTH の算出、エンジン12の出力制御、自動変速機16の変速判断、ロックアップクラッチ15の作動状態の切換判断等の流れの概略を示すブロック線図であって、前記図3や図11に相当する図である。この図19においては、前記ブロックB1、B9、B12等が前述の実施例と主に相違する。
図18および図19における前述の実施例との相違点を以下に主に説明し、相違点以外については説明を省略する。
図18において、ドライバ目標駆動力設定手段100は、図19のブロックB1’に対応するものであって、例えば図20に示すようなアクセル開度Accをパラメータとしてタービン回転速度Nとドライバ目標エンジントルクTED との予め実験的に求めて記憶された関係(マップ、エンジンマップ)から実際のタービン回転速度Nとアクセル開度Accとに基づいてドライバ目標エンジントルクTED を設定する(図19のブロックB1Aに対応)。さらに、ドライバ目標駆動力設定手段100は、ドライバ目標エンジントルクTED 、自動変速機16の現在の変速段における変速比γ、差動歯車装置70等の減速比i、駆動輪74のタイヤ有効半径r、動力伝達効率η、およびトルクコンバータ14のトルク比tから次式(2)に従ってドライバ目標駆動力FDIMDを算出する(図19のブロックB1Bに対応)。
DIMD=TED ×γ×i×η×t/r ・・・(2)
目標スロットル弁開度算出手段110は、前述の実施例に加え、図19のブロックB9’に対応するものであって、前記ドライバ目標駆動力設定手段100により算出されたドライバ目標エンジントルクTED が得られるドライバ目標スロットル弁開度θTHD を算出する。例えば、目標スロットル弁開度算出手段110は、図5に示すようなスロットル弁開度θTHをパラメータとしてエンジン回転速度Nとエンジントルク推定値TE0との予め実験的に求めて記憶されたエンジントルク特性図(関係、マップ)から実際のエンジン回転速度Nに基づいてドライバ目標エンジントルクTED が得られるエンジントルク推定値TE0となるようにドライバ目標スロットル弁開度θTHD を算出する。
前記ロックアップクラッチ制御手段116は、図19のブロックB12−2に対応するものであって、前記目標駆動力調停手段106により姿勢安定目標駆動力FDIMV或いは運転支援目標駆動力FDIMS(すなわち前記ドライバ目標駆動力設定手段100により運転支援目標駆動力FDIMSが選択されて設定されたドライバモデル目標駆動力FDIMDM)が目標駆動力Fに設定された場合には、例えば図12に示すロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびその目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15の作動状態を切り換える。一方で、目標駆動力調停手段106によりドライバ目標駆動力FDIMD(すなわち前記ドライバ目標駆動力設定手段100によりドライバ目標駆動力FDIMDが選択されて設定されたドライバモデル目標駆動力FDIMDM)が目標駆動力Fに設定された場合には、例えば図7に示すロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび前記目標スロットル弁開度算出手段110により算出されたドライバ目標スロットル弁開度θTHD に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態を切り換える。
より具体的には、ロックアップクラッチ制御手段116は、例えば図12に示すロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを定める第1の規則(すなわち切換条件)に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第1判定手段118(図19のブロックB12Aに対応)と、例えば図7に示すロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびドライバ目標スロットル弁開度θTHD に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを定める第2の規則(切換条件)に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを判定する第2判定手段120(図19のブロックB12Bに対応)と、目標駆動力FDIMを基にして制御する制御系からの指令値である姿勢安定目標駆動力FDIMV或いは運転支援目標駆動力FDIMSが目標駆動力調停手段106による調停により目標駆動力Fに設定(選択)された場合にはロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定を第1判定手段118による第1の規則に基づく判定に変更する一方で、ドライバ目標エンジントルクTED (ドライバ目標スロットル弁開度θTHD )を基にして制御する制御系からの指令値であるドライバ目標駆動力FDIMDが目標駆動力調停手段106による調停により目標駆動力Fに設定(選択)された場合にはロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定を第2判定手段120による第2の規則に基づく判定に変更する規則変更手段124とを備え、規則変更手段124により変更された規則に基づいて第1判定手段118と第2判定手段120とによりいずれか判定された作動状態の切換えとなるようにロックアップクラッチ15を切り換えるためのロックアップ切換指令信号を油圧制御回路22へ出力する。
このように、目標駆動力調停手段106による調停判断に基づいてロックアップ領域線図および切換判断の基になる目標駆動力Fとドライバ目標スロットル弁開度θTHD とを変更することにより、目標駆動力Fと目標スロットル弁開度θTH との相互間の変換の問題が回避されて切換制御ハンチングが防止される。また、ドライバ目標駆動力FDIMDが目標駆動力Fに設定された場合にはドライバ目標スロットル弁開度θTHD に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態が切り換えられるので、ドライバのエンジン出力に対する要求(意思)が適切に御反映されるし、エンジン12側の状態がその切換判断に適切に反映される。
また、第1の規則と第2の規則とをより関連させて第1の規則に基づく判定結果と第2の規則に基づく判定結果との整合性を高めるために、例えば第1の規則に用いる図12に示すようなロックアップ領域線図は、第2の規則に用いる図7に示すようなロックアップ領域線図におけるスロットル弁開度θTHを例えば固定したトルク比tを用いて駆動力Fに変換して定める。
上述のように、本実施例によれば、規則変更手段124により、目標駆動力FDIMを基にして制御する制御系からの指令値が目標駆動力調停手段106による調停により選択された場合にはロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第1判定手段118による例えば図12に示すロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよび目標駆動力Fに基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを定める第1の規則に基づく判定に変更される一方で、ドライバ目標エンジントルクTED (ドライバ目標スロットル弁開度θTHD )を基にして制御する制御系からの指令値が目標駆動力調停手段106による調停により選択された場合にはロックアップクラッチ15の作動状態の切換え判定が第2判定手段120による例えば図7に示すロックアップ領域線図から実際の車速NOUTおよびドライバ目標スロットル弁開度θTHD に基づいてロックアップクラッチ15の作動状態の切換えを定める第2の規則に基づく判定に変更されるので、ロックアップクラッチ15の作動状態の切換判断の基になる目標駆動力Fと目標スロットル弁開度θTH との間の変換にロックアップクラッチ15の作動状態の切換えに伴って変化するトルクコンバータ14のトルク比tが介在するという問題が回避されて、ロックアップクラッチ15の切換制御ハンチングの発生が防止される。
また、本実施例によれば、前記第1の規則は、前記第2の規則における目標スロットル弁開度θTH を目標駆動力Fに変換して定められるので、第1の規則に基づく判定結果と第2の規則に基づく判定結果との整合性が確保される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、ロックアップクラッチ制御手段116は、ロックアップオンとロックアップオフとの間のロックアップクラッチ15の作動状態の切換え時における切換制御ハンチングを防止するものであったが、この切換制御ハンチングを防止する本発明の制御作動は、図7や図12等に示すロックアップ領域線図において各切換線に隣接してスリップ領域を有するように切換線(境界線)が設けられている場合には、ロックアップオンとスリップ状態との間或いはロックアップオフとスリップ状態との間等のロックアップクラッチ15の作動状態の切換えにも適用され得る。このスリップ状態に制御する場合としては、例えば加速時のスリップ制御(所謂加速フレックス制御)や発進時のスリップ制御(所謂フレックススタート制御)等が想定される。
また、前述の実施例では、車両姿勢安定制御としてVSCシステムを例示しそのVSCシステム作動時に本発明が適用されたが、そのVSCシステムの他に車両の姿勢を安定化させる制御作動時であれば、本発明は適用され得る。例えば、滑りやすい路面などでの発進・加速時にスロットルを開けすぎて過大なトルクにより駆動輪74がスリップして発進加速性や操縦性が低下するような場合に、駆動力Fや制動力を制御して駆動輪74のスリップを抑え、路面状況に応じた駆動力Fを確保し、車両の発進加速性能・直進性および旋回安定性を確保するTRC(Traction Control System)と称されるシステムの制御作動時であっても本発明は適用され得る。
また、前述の実施例では、出力操作部材としてアクセルペダル44を例示したが、駆動力関連値に対する運転者の要求が反映される操作部材であれば良い。例えば、手動操作されるレバースイッチやロータリースイッチなどであっても良い。或いは、操作部材を備えず、音声入力により駆動力関連値に対する運転者の要求が反映されてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された動力伝達装置の概略構成を説明する図であると共に、その動力伝達装置などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図1の電子制御装置による目標駆動力の設定、エンジンの出力制御のための目標スロットル弁開度の算出、エンジンの出力制御、自動変速機の変速判断、ロックアップクラッチの作動状態の切換判断等の流れの概略を示すブロック線図である。 目標駆動力をアクセル開度と車速とに基づいて設定するための、アクセル開度をパラメータとして車速とドライバ目標駆動力との予め実験的に求めて記憶された関係(マップ)の一例である。 目標エンジントルクが得られるようなエンジントルク推定値となる目標スロットル弁開度をエンジン回転速度に基づいて算出するための、スロットル弁開度をパラメータとしてエンジン回転速度とエンジントルク推定値との予め実験的に求めて記憶されたエンジントルク特性図(関係、マップ)の一例である。 図1の電子制御装置によって行われる自動変速機の変速制御で用いられる、車速を示す軸とスロットル弁開度を示す軸とで構成される二次元座標において予め記憶された変速線図(変速マップ、関係)の一例を示す図である。 図1の電子制御装置によって行われるロックアップクラッチの切換制御で用いられる、車速およびスロットル弁開度を変数とする二次元座標においてロックアップオフ領域とロックアップオン領域を有する予め記憶された関係(マップ、ロックアップ領域線図)の一例を示す図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図2に相当する別の実施例である。 切換制御ハンチングを防止するための制御作動の流れをロックアップクラッチの作動状態の移り変わりで示した状態遷移図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図2に相当する別の実施例である。 図1の電子制御装置による目標駆動力の設定、エンジンの出力制御のための目標スロットル弁開度の算出、エンジンの出力制御、自動変速機の変速判断、ロックアップクラッチの作動状態の切換判断等の流れの概略を示すブロック線図であって、図3に相当する別の実施例である。 図1の電子制御装置によって行われるロックアップクラッチの切換制御で用いられる、車速および駆動力を変数とする二次元座標においてロックアップオフ領域とロックアップオン領域を有する予め記憶された関係(マップ、ロックアップ領域線図)の一例を示す図であって、図7に相当する図である。 図7のロックアップ領域線図を基にして変換したロックアップ領域線図であって、車速および駆動力を変数とする二次元座標において、実線で示すロックアップオン線および破線で示すロックアップオフ線はロックアップオン時のトルク比で換算されたロックアップオンにおける切換線と、一点鎖線で示すロックアップオン線および二点差線で示すロックアップオフ線はロックアップオフ時のトルク比で換算されたロックアップオフにおける切換線とを例示した切換線図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図10に相当する別の実施例である。 図13のロックアップ領域線図を用いた場合に切換制御ハンチングを防止するための制御作動の流れをロックアップクラッチの作動状態の移り変わりで示した状態遷移図である。 スロットル弁開度に対してエンジントルクの飽和領域がある場合のエンジン特性図の一例である。 エンジン特性において飽和領域があることでロックアップ領域線図におけるロックアップオン線とロックアップオフ線との間のヒステリシスが小さくなってしまうことを、ロックアップオン線に上限ガードを設けロックアップオフ線から所定値低駆動力側へ離してヒステリシスを確保するようにした一例を示すロックアップ領域線図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図2に相当する別の実施例である。 図1の電子制御装置による目標駆動力の設定、エンジンの出力制御のための目標スロットル弁開度の算出、エンジンの出力制御、自動変速機の変速判断、ロックアップクラッチの作動状態の切換判断等の流れの概略を示すブロック線図であって、図3や図11に相当する別の実施例である。 ドライバ目標エンジントルクをアクセル開度とタービン回転速度とに基づいて設定するための、アクセル開度をパラメータとしてタービン回転速度とドライバ目標エンジントルクとの予め実験的に求めて記憶された関係(マップ、エンジンマップ)の一例である。 車速を示す軸とエンジントルクに対応するスロットル開度を示す軸とで構成される二次元座標において、実線で示すロックアップオン線と破線で示すロックアップオフ線とを例示した切換線図であって、切換制御ハンチングが生じることを説明するための図である。 車速を示す軸と駆動力を示す軸とで構成される二次元座標において、実線で示すロックアップオン線および破線で示すロックアップオフ線はロックアップオン時のトルク比で換算されたロックアップオン状態における切換線と、一点鎖線で示すロックアップオン線および二点差線で示すロックアップオフ線はロックアップオフ時のトルク比で換算されたロックアップオフ状態における切換線とを例示した切換線図であって、切換制御ハンチングが生じることを図21とは別の見方で説明するための図である。
符号の説明
12:エンジン(動力源)
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
15:ロックアップクラッチ
74:駆動輪
80:電子制御装置(制御装置)
100:ドライバ目標駆動力設定手段(制御系)
102:車両姿勢安定制御手段(制御系)
104:運転支援系制御手段(制御系)
106:目標駆動力調停手段(目標駆動力関連値設定手段)
108:目標エンジントルク算出手段(目標負荷関連値算出手段)
110:目標スロットル弁開度算出手段(目標負荷関連値算出手段)
118:第1判定手段
120:第2判定手段
122:切換判定変更手段
124:規則変更手段

Claims (6)

  1. 動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた切換線から車両状態に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態となるように前記ロックアップクラッチを切り換える車両の制御装置であって、
    車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値を設定する目標駆動力関連値設定手段と、
    駆動力に関連する駆動力関連値を変数としてロックアップクラッチ係合状態における前記流体伝動装置のトルク比に基づく予め記憶された切換線を用いて、前記目標駆動力関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第1判定手段と、
    駆動力に関連する駆動力関連値を変数としてロックアップクラッチ解放状態における前記流体伝動装置のトルク比に基づく予め記憶された切換線を用いて、前記目標駆動力関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段と前記第2判定手段とのうちの一方の判定手段により判定された前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えが実行されたときに、該一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定されることを条件として、前記ロックアップクラッチの作動状態の次の切換え判定を該一方の判定手段による判定から該他方の判定手段による判定に変更する切換判定変更手段と
    を、含むことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記目標駆動力関連値設定手段により設定された前記目標駆動力関連値に基づいて前記動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値を算出する目標負荷関連値算出手段を備え、
    前記切換線は、前記目標負荷関連値と車速に関連する車速関連値とで表される車両状態に基づいて設定されているものである請求項1の車両の制御装置。
  3. 動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた切換線から車両状態に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態となるように前記ロックアップクラッチを切り換える車両の制御装置であって、
    車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値を設定する目標駆動力関連値設定手段と、
    該目標駆動力関連値設定手段により設定された前記目標駆動力関連値に基づいて前記動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値を算出する目標負荷関連値算出手段と、
    前記動力源の負荷に関連する負荷関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、該目標負荷関連値算出手段により算出されたロックアップクラッチ係合状態における前記流体伝動装置のトルク比に対応する前記目標負荷関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第1判定手段と、
    前記動力源の負荷に関連する負荷関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、前記目標負荷関連値算出手段により算出されたロックアップクラッチ解放状態における前記流体伝動装置のトルク比に対応する前記目標負荷関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段と前記第2判定手段とのうちの一方の判定手段により判定された前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えが実行されたときに、該一方の判定手段により判定された作動状態の切換えと同一の作動状態の切換えが他方の判定手段によって判定されることを条件として、前記ロックアップクラッチの作動状態の次の切換え判定を該一方の判定手段による判定から該他方の判定手段による判定に変更する切換判定変更手段と
    を、含むことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 前記切換線は、前記ロックアップクラッチの解放状態から係合状態への切換えを判定するためのロックアップオン線と、前記ロックアップクラッチの係合状態から解放状態への切換えを判定するためのロックアップオフ線とを有するものであり、それらロックアップオン線とロックアップオフ線との間でヒステリシスが設けられているものである請求項1乃至3のいずれかの車両の制御装置。
  5. 動力源から駆動輪までの間の動力伝達経路に介設された流体伝動装置の入出力間を直結可能なロックアップクラッチを備え、予め定められた規則に基づいて判定された前記ロックアップクラッチの作動状態となるように前記ロックアップクラッチを切り換えると共に、複数の制御系から車両の発生すべき目標駆動力に関連する目標駆動力関連値に変換されて出力された指令値を調停する車両の制御装置であって、
    駆動力に関連する駆動力関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、前記目標駆動力関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを定める第1の規則と、
    前記動力源の負荷に関連する負荷関連値を変数として予め記憶された関係を用いて、前記流体伝動装置のトルク比とは無関係に算出された前記動力源の目標負荷に関連する目標負荷関連値に基づいて前記ロックアップクラッチの作動状態の切換えを定める第2の規則と、
    前記目標駆動力関連値を基にして制御する制御系からの指令値である前記流体伝動装置のトルク比とは無関係な目標駆動力関連値が前記調停により選択された場合には前記ロックアップクラッチの作動状態の切換え判定を前記第1の規則に基づく判定に変更する一方で、前記目標負荷関連値を基にして制御する制御系からの指令値である前記流体伝動装置のトルク比に対応する目標駆動力関連値が前記調停により選択された場合には前記ロックアップクラッチの作動状態の切換え判定を前記第2の規則に基づく判定に変更する規則変更手段と
    を、含むことを特徴とする車両の制御装置。
  6. 前記第1の規則は、前記第2の規則における前記目標負荷関連値を前記目標駆動力関連値に変換して定められるものである請求項5の車両の制御装置。
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