JP4366112B2 - 車両のリヤゲート構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のリヤゲート構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9,10(a)に示されるように、車体後部開口を開閉するリヤゲート1のリヤゲート本体2は、前後に対向配置されたパネルアウタ3とパネルインナ4とを備えて構成され、その内部には空間Sが形成されている。空間Sの中央下端部となるパネルインナ4には、平板状のラッチリンホース5を介してラッチ6が下向きに取り付けられている。そして、このラッチ6が、リヤゲート1を閉じた際に車体ボディ7側に設けられたストライカ8に嵌合してリヤゲート1を車体後部開口にロックする。
従来、このようなリヤゲート構造にあっては、図9中の破線のように、空間Sに上下方向に延びる斜交い状の補強プレート9を配設して、リヤゲート閉時における衝撃や後方から加わる衝撃荷重等からリヤゲート1を補剛しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−13817号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のリヤゲート構造にあっては、図9に示されるように、補強プレート9が配設されているのは、リヤゲート本体2の中央部に凹み形成されたライセンスプレート取り付け用の凹所10の左右側方である。従って、図10(a)に示されるように、後方からの衝撃荷重Pがリヤゲート1に加わると、補強プレート9が配設されていないリヤゲート中央部の変形量が相対的に増大してしまうために、パネルインナ4のラッチ取付座面5aに衝撃応力が集中してしまうという問題があった。
【0005】
そして、後突時にラッチ取付座面5aに衝撃応力が集中したパネルインナ4が上下方向に引っ張られるように変形すると、同図(b)に示されたように、ラッチ取付座面5aが耐えきれなくなって破断してしまう虞がある。
このラッチ取付座面5aが破断すると、同図(c)に示されたように、ストライカ8とロック状態にあるラッチ6がリヤゲート本体2から切り離されてしまう。このため、後突時にリヤゲート1が開き、車体後部開口が開放されてしまう虞があり、後突時における乗員保護の強化を図ることは難しいという問題が発生してしまう。
【0006】
そこで、この本発明は、上記従来のリヤゲート構造が有している問題点を解決するためになされたものであって、後方からの衝撃荷重受容時におけるリヤゲートの開放を確実に防止して、後突時における乗員保護の強化を図ることのできるリヤゲート構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記目的を達成するために、パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体と前記車体開口部との間に、前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックするロック手段が介設された車両のリヤゲート構造において、
前記ヒンジと前記ロック手段との間の前記パネルインナに、前記パネルアウタ側からの衝撃荷重受容時に少なくとも破断、或いは変形することによって前記リヤゲート本体と前記車体開口部とのロック状態を維持する脆弱部を設け、前記脆弱部は、前記パネルインナに設けられ、切り欠き部を有している孔部であることを特徴とする
。
【0008】
また、第2の発明は、パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体と前記車体開口部との間に、前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックするロック手段が介設された車両のリヤゲート構造において、
前記ヒンジと前記ロック手段との間の前記パネルアウタに、後方側からの衝撃荷重受容時に少なくとも破断、或いは変形することによって前記リヤゲート本体と前記車体開口部とのロック状態を維持する脆弱部を設け、前記脆弱部は、前記パネルアウタに設けられ、切り欠き部を有している孔部であることを特徴とする。
【0009】
これらの構成による車両のリヤゲート構造によれば、脆弱部は、パネルインナ、或いはパネルアウタに設けられた切り欠き部を有している孔部から形成されている。これにより、リヤゲート構造に大幅な変更を加えることなく、パネルインナ、或いはパネルアウタに脆弱部が容易に形成されるので、リヤゲートを備えたあらゆる車両に適応される。
【0010】
また、第3の発明は、パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体と前記車体開口部との間に、前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックするロック手段が介設された車両のリヤゲート構造において、
前記パネルアウタ側からの衝撃荷重受容時における前記パネルインナと前記ロック手段との結合強度が、前記リヤゲート本体の下端側における前記パネルインナと前記パネルアウタとの結合強度よりも大であることを特徴とする。
【0011】
この構成による車両のリヤゲート構造によれば、リヤゲート本体に衝撃荷重が加わった際に、リヤゲート本体の下端縁部におけるパネルアウタとパネルインナとの結合が破断されるに至っても、パネルインナとロック手段との結合状態は確実に維持される。従って、衝撃荷重がリヤゲート本体に加わっても、リヤゲート本体と車体開口部とをロックしているロック手段への応力の集中が抑制されるので、ロック手段がパネルインナから切り離されることが抑制される。従って、後突時においてリヤゲートが開放し難くなり、乗員保護がより強化される。
【0012】
また、第4の発明は、パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体と前記車体開口部との間に、前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックするロック手段がラッチリンホースを介した状態で介設されている車両のリヤゲート構造において、
前記パネルアウタ側からの衝撃荷重受容時における前記パネルインナと前記ロック手段との結合強度が、前記パネルインナと前記ラッチリンホースとの結合強度よりも大であることを特徴とする。
【0013】
この構成による車両のリヤゲート構造によれば、リヤゲート本体に衝撃荷重が加わった際に、パネルインナとラッチリンホースとの結合が破断されるに至っても、パネルインナとロック手段との結合状態は確実に維持される。従って、衝撃荷重がリヤゲート本体に加わっても、リヤゲート本体と車体開口部とをロックしているロック手段への応力の集中が抑制されるので、ロック手段がパネルインナから切り離されることが抑制される。従って、後突時においてリヤゲートが開放し難くなり、乗員保護がより強化される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最も好適と思われる実施形態について図1〜8を用いて詳細に説明を行う。図1は、本実施形態に係るリヤゲートを説明するための後方斜視図、図2は、本リヤゲートにおけるパネルアウタの構成を説明するための分解斜視図、図3は、本リヤゲートにおけるパネルインナの構成を説明するための分解斜視図、図4は、本リヤゲートにおけるラッチリンホースを説明するための拡大斜視図、図5は、図1中のB−B矢視線における断面図、図6は、図1中のC−C矢視線における断面図、図7は、図1中のD−D矢視線における断面図、図8(a)は、変形前のリヤゲート中央部の断面図、(b)は、衝撃荷重受容後のリヤゲート中央部の断面図である。なお、従来例と同様な構成部材については、同一の符号を付して説明する。
【0015】
図1〜3に示されるように、リヤゲート11は、リヤゲート11の上端部と車体ボディ7との間に介設された一対のヒンジ12,12によって車体後部開口13を開閉するように取り付けられている。このリヤゲート11は、複数の板金部材が集成されることによって形成されたリヤゲート本体14と、このリヤゲート本体14に一体的に装着されるリヤゲートガラス15及びガーニッシュ16とを備えて構成されている。
【0016】
リヤゲート本体14について説明する。リヤゲート本体14は、前後方向に対向配置されるパネルアウタ17とパネルインナ18とを備えて構成されている(図5参照)。これらパネルアウタ17とパネルインナ18とは、互いの外周縁部同士が接合された状態で内巻きにクリンチ結合されることによって一体化されている。これにより、リヤゲート本体14の形成に必要な結合強度が確保されるので、予め設定された所定の衝撃荷重が後方からリヤゲート本体14に加わってもパネルアウタ17とパネルインナ18との結合が破断されることはない。
【0017】
リヤゲート本体14の外殻をなすパネルアウタ17は、図2に示されるように、上方側に配置されるパネルアウタアッパ19と、下方側に配置されるパネルアウタロア20とを備えて構成されている。
【0018】
パネルアウタアッパ19は、リヤゲートガラス15の装着に応じた開口部21が形成された枠体状部材である。このパネルアウタアッパ19の下端縁部には、図5,6に示されるように、接合面部22が一体的に折曲形成されている。そして、この接合面部22の後面側にパネルアウタロア20の上端縁部に形成された接合面部23の前面側が接合された状態でスポット溶接により結合固定されることによって一体化されている。これにより、パネルアウタアッパ19とパネルアウタロア20との結合強度が確保される。なお、図5にあっては、ガーニッシュ16及び後述するトリム39は図示省略されている。
【0019】
さらに、このパネルアウタアッパ19の下端縁部における左右側方には、図6に示されるように、車体斜め上方に向かった接合面部24が一体的に折曲形成されている。この接合面部24の下面側には、後述するパネルインナセンタ25の上端縁部に形成された接合面部26の上面側が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。これにより、パネルアウタアッパ19とパネルインナセンタ25、すなわち、パネルインナ18との結合強度が確保される。
【0020】
パネルアウタロア20には、図1,2に示されるように、その中央部にライセンスプレート装着用の凹所27が一体的に凹み形成されていると共に、この凹所27の斜め左右上方には、左右一対の開口部28,28が開口形成されている。これら開口部28,28は、正面視が略矩形状とされ、ガーニッシュ16に一体化されたコンビネーションランプユニット16a,16aの裏面側がパネルアウタロア20に干渉することなく装着されるように設けられた逃げ部である。さらに、これら開口部28,28は、後突時にパネルアウタアッパ19とパネルアウタロア20との結合が剥離しないように予め強度を低下させておくための脆弱部としての機能が具備されている。なお、この開口部28,28の周縁に、後突時における強度をより低下させるための切り欠き部28aをそれぞれ形成する。
【0021】
そして、図1,6に示されるように、パネルアウタアッパ19と一体化されたパネルアウタロア20には後方側からガーニッシュ16が装着されると共に、パネルアウタアッパ19の開口部21には、リヤゲートガラス15の周縁部が接着剤28(図6参照)によって結合固定される。これによって、リヤゲート本体14のパネルアウタ17が構成される。なお、図6中の符号29は、リヤゲートガラス15の周縁部に設けられたモールディングを示している。
【0022】
次に、パネルインナ18について説明する。リヤゲート本体14の車室内側に配設されるパネルインナ18は、図3に示されるように、パネル本体30及びこのパネル本体30に集成されるパネルインナセンタ25、パネルインナサイド31,31、リンフホースサイド32,32及びラッチリンホース33とを備えて構成されている。
【0023】
パネル本体30には、その中央部にリヤゲートガラス15の形状に応じて開口された開口部34が形成されている。そして、この開口部34の下方側には、正面視が横長の矩形状に開口されたラッチリンホース取付用開口部35が形成されている。
【0024】
開口部34の下端縁部のパネル本体30には、図5,6に示されるように、略垂直な接合面部36が形成されている。この接合面部36の後方側には、パネルインナセンタ25の下端縁部に折曲形成された略垂直な接合面部37が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。これにより、パネル本体30とパネルインナセンタ25との結合強度が確保される。
【0025】
パネルインナセンタ25の上端縁部には、略垂直な接合面部38(図5に図示)と斜め上方に向かった接合面部26(図6に図示)とが連設された状態で一体的に折曲形成されている。そして、これらの接合面部26,38の後方側に、パネルアウタアッパ19の下端縁部に形成された接合面部24の前面側が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。これにより、パネル本体30に一体化されたパネルインナセンタ25とパネルアウタ17との結合強度が確保され、リヤゲート本体14の左右方向の剛性、つまり横剛性が増大される。なお、図6中の符号39は、内装材のトリムを示している。
【0026】
パネルインナセンタ25の左右側方のパネル本体30には、図3に示されるように、左右一対のパネルインナサイド31,31が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。これらパネルインナサイド31,31の外周側縁部は、図7に示されるように、パネルアウタロア20の外周縁部に接合された状態で内巻きのクリンチ結合によって一体化されている。
【0027】
さらに、このパネル本体30の左右側部には、図3に示されるように、上端部がヒンジ取付部に到達し、下端部がパネルインナサイド31,31の後方側(空間S側)に重ね合わされるように形成された左右一対のサイドリンホース32,32が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。
【0028】
このサイドリンホース32,32の板厚は、図7に示されるように、パネル本体30、パネルインナサイド31等の板厚よりも相対的に増大されている。これにより、リヤゲート閉時における衝撃を緩和する緩衝材40を取り付けるためのバッファ取付座面41が、パネル本体30、パネルインナサイド31、サイドリンホース32の3枚重ねによって補剛されると共に、パネルインナサイド31及びサイドリンホース32によってリヤゲート11のヒンジ取付部及び左右側縁部が補剛されることによって、リヤゲート11の建て付け精度の安定化及びリヤゲート11の耐久性の向上が図られている。
【0029】
なお、緩衝材40は、バッファ取付座面41にボルト固定されている。また、図7中の符号42は、車体ボディ7側に結合固定された車体後部開口13廻りの緩衝材、符号43は、ウエザストリップ、符号44は、リヤコンビネーションランプをそれぞれ示している。
【0030】
パネル本体30に形成されたラッチリンホース取付開口部35には、図3,5に示されるように、後方側(空間S側)からラッチリンホース33が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。ところで、このラッチリンホース取付開口部35の上端縁部廻りのパネル本体30の板厚は、他の部位のパネル本体30の板厚よりも相対的に薄肉形成されており、脆弱化が図られている。
【0031】
ここで、ラッチリンホース33について詳細に説明する。ラッチリンホース33は、図4に示されたように、側面視が略L字型に形成されているものであって、車体前後方向に延びるほぼ水平なラッチ取付座面部45と、上方に延びる縦壁部46とを備えて構成されている。このラッチリンホース33の板厚は、図5に示されるように、パネル本体30やパネルインナセンタ25等の板厚よりも相対的に増大されている。従って、ラッチリンホース33は、従来の平板状のラッチリンホース5よりも相対的に大型化され、且つ板厚が厚く形成されることにより、ラッチリンホース33自体の補剛強化が図られている。このラッチリンホース33の組み付けにより、リヤゲート11の中央部における剛性が増大され、リヤゲート11のパネル剛性が向上する。そのため、リヤゲート開閉時におけるパネル共振が抑えられて剛性感のあるリヤゲート開閉音が得られる。
【0032】
ラッチリンホース33のラッチ取付座面部45には、ラッチ6を取り付けるための開口部47と2つの円孔48,48とがそれぞれ開口形成されている。そして、このラッチ取付座面部45に取り付けられたラッチ6は、図5に示されるように、リヤゲート11が閉じられた際に、車体ボディ7の後端部を構成しているスカートリヤインナ49及びスカートリンホース50等によって保持されたストライカ8に嵌合される。これにより、リヤゲート11は車体後部開口13を閉ざした状態でロックされる。なお、ロックされたリヤゲート11のラッチ6とストライカ8とは、リヤゲート本体14の空間Sに設けられた図示しないアンロック機構を動作させることによりロック解除される。
【0033】
ラッチ取付座面部45の後端縁部には、パネル本体30の下端縁部に接合される接合面部51が一体的に折曲形成されている。そして、図5に示されるように、この接合面部51の下面側にパネル本体30のラッチリンホース取付用開口部35の下端縁部の上面側が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。これにより、パネル本体30とラッチリンホース33の後端縁部との結合強度が確保される。
【0034】
このラッチ取付座面部45を介したパネルインナ18とラッチ6との結合強度は、リヤゲート本体14の下端縁部におけるパネルアウタ17とパネルインナ18との結合強度よりも相対的に増大されるように予め設定されている。従って、予め設定された所定以上の衝撃荷重がリヤゲート本体14の後方に加わると、パネルアウタ17とパネルインナ18との結合が破断されるのに対し、ラッチ取付座面部35を介したパネルインナ18とラッチ6との結合は維持されるようになっている。
【0035】
ラッチリンホース33の縦壁部46の上端縁部と左右端縁部には、図4に示されるように、正面視が門型となるように連設された接合面部52,53,53が一体的に形成されている。この接合面部52の前面側には、ラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部の後面側が接合された状態でスポット溶接により結合固定されている(図5参照)。さらに、接合面部53,53の前面側には、ラッチリンホース取付用開口部35の左右側縁部の後面側がそれぞれ接合された状態でスポット溶接により結合固定されている。
【0036】
ところで、接合面部52とラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部との結合強度は、接合面部53,53とラッチリンホース取付用開口部35の左右側縁部の接合強度、及び、パネルインナ18とラッチリンホース33の後端縁部との結合強度よりも低くなるように予め設定されている。このような結合強度の低下は、スポット溶接を行う際の加圧、通電、保持時間の調整やスポット点数の削減、スポット間隔を大とする等の調節などによって行われている。これにより、接合面部52とラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部との結合部の脆弱化が図られている。なお、接合面部52とラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部との結合部における脆弱化は、他の結合部位にリベット等を用いた機械的接合、合成樹脂系接着剤等を用いた化学的結合等を併用することによっても行うことができる。
【0037】
さらに、ラッチリンホース33の縦壁部46には、図4に示されるように、正面視が略矩形状の開口部54が開口形成されている。この開口部54は、衝撃受容時における縦壁部46の強度を低下させるための脆弱部である。さらに、この開口部54の周縁には、縦壁部46の強度をより低下させるための切り欠き部の基点55が複数設けられている。このため、ラッチリンホース33は、形状及び板厚の増大によって剛性が高められているにもかかわらず、後方からの衝撃荷重が加わると、縦壁部46の強度が低下されると共に、パネルインナ18の変形に伴ってパネルインナ18とラッチリンホース33の上端縁部との結合部に応力が集中するように構成されている。
【0038】
これにより本実施形態によれば、ラッチリンホース33の縦壁部46に形成された接合面部52とラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部との結合強度が、他のラッチリンホース33に形成された接合面部51,53,53とラッチリンホース取付用開口部35との結合強度、及び、パネル本体30を形成している各集成部材同士の結合強度よりも低められている。このラッチリンホース33の接合面部52が結合固定されるラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部廻りのパネル本体30の板厚は、他のラッチリンホース33の部位やパネル本体30等の板厚よりも相対的に薄肉化されることによって一層の脆弱化が図られている。さらに、ラッチリンホース33の縦壁部46には、後突時における強度を低下させる脆弱部としての開口部54が開口形成されている共に、切り欠き部の基点55が設けられている。さらに、後方からの衝撃荷重受容時にあってはパネルアウタ17の強度を低下させてパネルアウタ17をスムースに変形させると共に、パネルインナ18側に応力を集中させる開口部28,28がパネルアウタロア20に形成されている。
【0039】
このため、図8(a),(b)に示されるように、後方からの衝撃荷重Pがリヤゲート11に加わると、衝撃荷重Pを受容したリヤゲート本体14は、パネルアウタ17とパネルインナ18との結合が保持されたままの状態で圧潰変形して衝撃荷重Pを吸収緩和する。さらに、リヤゲート本体14に加わった衝撃荷重Pは、強度の低いラッチリンホース33の縦壁部46を変形させながら、リヤゲート本体14の脆弱部とされるラッチリンホース33の接合面部52とラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部との結合部にその衝撃応力を集中させる。すると、応力に耐えきれなくなったラッチリンホース33の接合面部52がラッチリンホース取付用開口部35の上端縁部、すなわちパネル本体30から剥離する。この剥離により、ラッチリンホース33におけるラッチ取付座面部45に加わる応力が軽減されて、ラッチ取付座面部45の破断が回避され、ラッチ6とストライカ8とのロック結合に過度の応力が加わるのが阻止される。そのため、後方からの衝撃荷重Pが加わったリヤゲート11から、ストライカ8とロック状態にあるラッチ6が切り離されることはない。従って、後突時におけるリヤゲート開放が未然に阻止され、後突時における乗員保護の強化を図ることができる。
【0040】
また、ラッチ取付座面部45を介したパネルインナ18とラッチ6との結合強度は、リヤゲート本体14の下端縁部におけるパネルアウタ17とパネルインナ18との結合強度よりも相対的に増大されるように予め設定されている。
【0041】
このため、さらにリヤゲート11に衝撃荷重Pが加わり続けて、リヤゲート本体14の下端縁部におけるパネルアウタ17とパネルインナ18との結合が破断されるに至っても、ラッチ6とストライカ8とのロック状態は確実に維持される。これにより、設定以上の衝撃荷重Pがリヤゲート11に加わっても、ストライカ8とロック状態にあるラッチ6がパネル本体30から切り離されることはない。従って、後突時におけるリヤゲート開放が未然に阻止され、乗員保護をより強化することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、ラッチリンホース33は、従来のものよりも相対的に大型化され、且つ板厚が厚く形成されている。これにより、このラッチリンホース33が組み付けられたリヤゲート11にあっては、そのパネル剛性が向上するので、リヤゲート開閉時におけるパネル共振が抑えられて剛性感のあるリヤゲート開閉音が得られるようになる。
【0043】
また、本実施形態によれば、パネルインナセンタ25及びラッチリンホース33の組み付けによってリヤゲート11の左右方向の剛性、つまり横剛性が増加される。そして、リヤゲート閉時における衝撃を緩和する緩衝材40を取り付けるためのバッファ取付座面41が、パネル本体30、パネルインナサイド31、サイドリンホース32の3枚重ねによって強化されている。さらに、パネルインナサイド31,31及びサイドリンホース32,32の組み付けによってリヤゲート11におけるヒンジ取付部及び左右側縁部が補剛され、リヤゲート11の上下方向における剛性、つまり縦剛性が増加される。これらにより、リヤゲート11の剛性が増加されるので、リヤゲート11の建て付け精度の安定化及びリヤゲート11の耐久性の向上も図られる。
【0044】
なお、本発明の車両のリヤゲート構造は、鋼板製、アルミ製等の材質を問わず、全てのリヤゲートに適用される。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、第1,2の発明による車両のリヤゲート構造によれば、脆弱部は、パネルインナ18、或いはパネルアウタ17に設けられ、切り欠き部28aもしくは切り欠き部の基点55を有している開口部28,28,54から形成されている。これにより、リヤゲート構造に大幅な変更を加えることなく、パネルインナ18、或いはパネルアウタ17に脆弱部を容易に形成することができるうえに、リヤゲート11を備えたあらゆる車両に適応させることができる。
【0046】
第3の発明による車両のリヤゲート構造によれば、リヤゲート本体14に衝撃荷重が加わった際に、リヤゲート本体14の下端縁部におけるパネルアウタ17とパネルインナ18との結合が破断されるに至っても、パネルインナ18とラッチ6との結合状態は確実に維持される。従って、リヤゲート本体14と車体後部開口部13とをロックしているラッチ6への応力の集中が抑制されるので、ラッチ6がパネルインナ18から切り離されることが抑制される。従って、後突時においてリヤゲート11が開放し難くなり、乗員保護をより強化することができる。
【0047】
第4の発明による車両のリヤゲート構造によれば、リヤゲート本体14に衝撃荷重が加わった際に、パネルインナ18とラッチリンホース33との結合が破断されるに至っても、パネルインナ18とラッチ6との結合状態は確実に維持される。従って、リヤゲート本体14と車体後部開口部13とをロックしているラッチ6への応力の集中が抑制されるので、ラッチ6がパネルインナ18から切り離されることが抑制される。従って、後突時においてリヤゲート11が開放し難くなり、乗員保護をより強化することができる。
【0048】
それらの結果、後方からの衝撃荷重受容時におけるリヤゲート11の開放を確実に防止して、後突時における乗員保護の強化を図ることのできるリヤゲート構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るリヤゲートを説明するための後方斜視図である。
【図2】本リヤゲートのパネルアウタの構成を説明するための分解斜視図である。
【図3】本リヤゲートのパネルインナの構成を説明するための分解斜視図である。
【図4】本リヤゲートのラッチリンホースを説明するための拡大斜視図である。
【図5】図1中のB−B矢視線における断面図である。
【図6】図1中のC−C矢視線における断面図である。
【図7】図1中のD−D矢視線における断面図である。
【図8】(a)は、変形前のリヤゲート中央部の断面図、(b)は、衝撃荷重受容後のリヤゲート中央部の断面図である。
【図9】従来のリヤゲート構造を説明するための斜視図である。
【図10】従来のリヤゲート構造を説明するためのものであって、(a)は、図9中のA−A矢視線における断面図、(b)は、要部を説明するための平面図、(c)は、衝撃荷重受容後のリヤゲート中央部の断面図である。
【符号の説明】
6 ラッチ
11 リヤゲート
12 ヒンジ
13 車体後部開口部
14 リヤゲート本体
17 パネルアウタ
18 パネルインナ
20 パネルアウタロア
28 開口部
28a 切り欠き部
30 パネル本体
33 ラッチリンホース
35 ラッチリンホース取付用開口部
54 開口部
55 切り欠き部の基点
Claims (4)
- パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体に取り付けられたラッチを前記車体開口部に設けられたストライカに係合することによって前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックする車両のリヤゲート構造において、
前記ヒンジと前記ラッチとの間の前記パネルインナに、前記パネルアウタ側からの衝撃荷重受容時に少なくとも破断、或いは変形することによって前記ラッチが前記リヤゲート本体から切り離されることを抑制する脆弱部を設け、
前記脆弱部は、前記パネルインナに設けられ、切り欠き部を有している孔部であることを特徴とする車両のリヤゲート構造。 - パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体に取り付けられたラッチを前記車体開口部に設けられたストライカに係合することによって前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックする車両のリヤゲート構造において、
前記ヒンジと前記ラッチとの間の前記パネルアウタに、後方からの衝撃荷重受容時に少なくとも破断、或いは変形することによって前記ラッチが前記リヤゲート本体から切り離されることを抑制する脆弱部を設け、
前記脆弱部は、前記パネルアウタに設けられ、切り欠き部を有している孔部であることを特徴とする車両のリヤゲート構造。 - パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体と前記車体開口部との間に、前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックするロック手段が介設された車両のリヤゲート構造において、
前記パネルアウタ側からの衝撃荷重受容時における前記パネルインナと前記ロック手段との結合強度が、前記リヤゲート本体の下端側における前記パネルインナと前記パネルアウタとの結合強度よりも大であることを特徴とする車両のリヤゲート構造。 - パネルインナとパネルアウタとを有するリヤゲート本体が、ヒンジを介して車体開口部に開閉可能に装着され、前記リヤゲート本体と前記車体開口部との間に、前記リヤゲート本体を前記車体開口部にロックするロック手段がラッチリンホースを介した状態で介設されている車両のリヤゲート構造において、
前記パネルアウタ側からの衝撃荷重受容時における前記パネルインナと前記ロック手段との結合強度が、前記パネルインナと前記ラッチリンホースとの結合強度よりも大であることを特徴とする車両のリヤゲート構造。
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