JP4360129B2 - 有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の製造方法 - Google Patents

有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の製造方法、該製造方法で得られた有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を用いた電解コンデンサ用電解液、及び、該電解液を用いた電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩は、界面活性剤;相間移動触媒;柔軟剤;洗剤等の帯電防止剤;アスファルト、セメント等の分散剤;殺菌剤;防腐剤;肥料や粒状物の抗ブロッキング剤;抗凝集剤として幅広い分野で使用されており、特に電池や電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解質として注目されている。
有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の製造方法としては、特許文献1には、ピリジン等の有機アミンと含フッ素化合物と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法、有機アミンと含フッ素化合物と有機アルミニウム化合物の反応により得られたテトラフルオロアルミン酸塩と、有機アミンや有機オニウム塩(例えばハロゲン化物)を反応させる方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第6177563号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、原料として用いる有機アルミニウム化合物は反応性が高く、反応系中に微量存在する水などと反応して分解するため、目的とする有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の収率が低いという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、鋭意検討した結果、アルミニウム源として、有機アルミニウム化合物に代えて、無機アルミニウムを用いることによって、目的とする有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の収率が格段に向上することを見出して本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、(i)有機アミン又は有機ホスフィン、(ii)フッ素源、及び(iii)無機アルミニウム源を反応させて得られたテトラフルオロアルミン酸塩と、有機オニウム塩とを塩交換反応させることを特徴とする有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の製造方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
有機アミンとしては、一級アミン類、二級アミン類、三級アミン類、含窒素ヘテロ環芳香族類などが挙げられる。
一級アミン類としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、シクロプロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、シクロブチルアミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、2−ヘプチルアミン、シクロヘプチルアミン、n−オクチルアミン、シクロオクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、(2−エチルヘキシル)アミン、アリルアミン、アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、1−ナフチルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン等が挙げられる。
【0007】
二級アミン類としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、エチルメチルアミン、メチル−n−プロピルアミン、n−ブチルメチルアミン、エチル−n−ブチルアミン、t−ブチルイソプロピルアミン、シクロヘキシルイソプロピルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、シクロヘキセニルエチルアミン、ジアリルアミン、ジフェニルアミン、ベンジルメチルアミン、ベンジル−n−ブチルアミン、ベンジル−t−ブチルアミン、ジベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、メチルフェネチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン等が挙げられる。
【0008】
三級アミン類としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリイソペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチル−n−ヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、アリルジメチルアミン、ジフェニルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン等が挙げられる。
【0009】
含窒素ヘテロ環芳香族類としては、ピリジン、2−メチルピリジン、ルチジン、コリジン、ピロール等が挙げられる。
有機アミンは、次の工程で塩交換反応に用いる有機オニウムよりも塩基性の弱いものが好ましく、上記アミンの中でも含窒素ヘテロ環芳香族類が特に好ましい。
有機ホスフィンとしては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の三級ホスフィン類が挙げられる。
【0010】
フッ素源としては、フッ化水素、有機フッ化水素塩類、無機フッ化水素塩類、有機ポリフッ化水素塩類、無機ポリフッ化水素塩類、ヘキサフルオロケイ酸類などが挙げられる。これらの中でも反応活性の点から、フッ化水素、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化アンモニウム、フッ化アンモニウム−HF、トリエチルアミン−nHF、ピリジン−nHFが好ましい。
【0011】
有機フッ化水素塩類としては、ジメチルアンモニウムフルオライド、ジエチルアンモニウムフルオライド、ジーn−プロピルアンモニウムフルオライド、ジイソプロピルアンモニウムフルオライド、ジブチルアンモニウムフルオライド、ジペンチルアンモニウムフルオライド、ジヘキシルアンモニウムフルオライド、ジヘプチルアンモニウムフルオライド、ジオクチアンモニウムフルオライド、トリメチルアンモニウムフルオライド、トリエチルアンモニウムフルオライド、トリーn−プロピルアンモニウムフルオライド、トリイソプロピルアンモニウムフルオライド、トリブチルアンモニウムフルオライド、トリペンチルアンモニウムフルオライド、トリヘキシルアンモニウムフルオライド、トリヘプチルアンモニウムフルオライド、トリオクチアンモニウムフルオライド、テトラメチルアンモニウムフルオライド、エチルトリメチルアンモニウムフルオライド、トリエチルメチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、テトラ−n−プロピルアンモニウムフルオライド、テトライソプロピルアンモニウムフルオライド、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラペンチルアンモニウムフルオライド、テトラヘキシルアンモニウムフルオライド、テトラヘプチルアンモニウムフルオライド、テトラオクチアンモニウムフルオライド、トリメチルフェニルアンモニウムフルオライド、テトラフェニルアンモニウムフルオライド、トリメチルベンジルアンモニウムフルオライドなどのアンモニウムフルオライド類;N,N−ジメチルピロリジニウムフルオライド、N,N−ジエチルピロリジニウムフルオライドなどのピロリジニウムフルオライド類;N,N−ジメチルピペリジニウムフルオライド、N,N−ジエチルピペリジニウムフルオライドなどのピペリジニウムフルオライド類;N,N−ジメチルモルホリニウムフルオライド、N,N−ジエチルモルホリニウムフルオライドなどのモルホリニウムフルオライド類;N−メチルピリジニウムフルオライド、N−エチルピリジニウムフルオライドなどのピリジニウムフルオライド類などが挙げられる。
【0012】
無機フッ化水素塩類としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化アンモニウム等が挙げられる。
【0013】
有機ポリフッ化水素塩類としては、トリエチルアミン−nHF、ジイソプロピルアミン−nHF、ジイソプロピルエチルアミン−nHF、セチルアミン−nHF、テトラメチルアンモニウムフルオライド−nHF、テトラエチルアンモニウムフルオライド−nHF、テトラブチルアンモニウムフルオライド−nHF、トリメチルベンジルアンモニウムフルオライド−nHF、ピリジン−nHF、メラミン−nHF、2,4,6−トリメチルピリジン−nHF、1,3−ジメチルイミダゾリジノン−nHF、N−エチル−N−(2−メチルアミノ−エチル)アセトアミド−nHF、N−(2−エチルアミノ−エチル)−N−メチル−アセトアミド−nHF、N−メチル−N−(1−メチル−2−メチルアミノ−エチル)アセトアミド−nHF、N−メチル−N−(2−メチル−2−メチルアミノ−エチル)アセトアミド−nHF、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムフルオライド−nHF、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムフルオライド−nHFなどのアミン又は四級化アミンとフッ化水素の錯体(これらの化合物名中、nはHFの配位数である。)、ポリマー中の四級アンモニウム基又はピリジン基にHFが結合したもの等が挙げられる。
【0014】
無機ポリフッ化水素塩類としては、フッ化ナトリウム−HF、フッ化カリウム−HF、フッ化アンモニウム−HF等が挙げられる。
ヘキサフルオロケイ酸類としては、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸塩などが挙げられる。
【0015】
本発明においては、アルミニウム原料として、無機アルミニウムを用いることを特徴とする。無機アルミニウム源としては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、ケイ酸アルミニウム、金属アルミニウム等が挙げられる。
【0016】
これらの中でも酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム及び金属アルミニウムから選ばれるものが好ましい。特に、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウムは反応活性が高いので好ましい。
無機アルミニウム源は、これらを単独で用いても2種以上を併用してもよい。
フッ化アルミニウムとしては、AlF3、AlF3・9H2O、AlF3・3.5H2O、AlF3・3H2O、AlF3・H2O、AlF3・0.5H2Oなどが挙げられる。これらのなかでも水和物、特に3水和物は、反応活性が高いので好ましい。
【0017】
水酸化アルミニウムとしては、ゲル、ゾルまたは結晶性のAl(OH)3;ベーマイト、ジアスポアーなどのAl2O3・H2O;ギブサイト、バイヤライトなどのAl2O3・3H2O;AlO(OH)などが挙げられる。これらの中でもギブサイトが特に好ましい。
酸化アルミニウム(Al23)としては、具体的には、アルミナ、ゾル状アルミナ、溶融アルミナ、活性アルミナ、ローソーダアルミナ、超微粒子酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0018】
有機アミン又は有機ホスフィン、フッ素源及び無機アルミニウム源の反応は、溶媒中で行う。すなわち溶媒中にこれらを所望の比率で加え、好ましくは反応温度に保持することにより反応が進行する。
【0019】
溶媒としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチル−イソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n−プロピルイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等のエステル類等が挙げられる。また、反応原料である有機アミンや有機ホスフィンを過剰に使用することで溶媒としてもよい。これらの溶媒は、単独でも混合して用いても良い。
【0020】
有機アミン又は有機ホスフィンは、無機アルミニウム源のアルミニウムに対して化学量論量、すなわち等モルに近い比率で反応させるのが好ましい。無機アルミニウム源中のアルミニウムに対する、有機アミン又は有機ホスフィンのモル比は、通常0.5以上、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上であり、通常10以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1.2以下である。ただし、有機アミン又は有機ホスフィンを溶媒としても使用する場合は、この範囲に限定されない。
【0021】
フッ素源も、無機アルミニウム源に対して化学量論量、すなわち反応系内のアルミニウムに対するフッ素の原子との比が4に近い比率で反応させるのが好ましい。アルミニウムに対するフッ素の原子比は、通常3以上、好ましくは3.5以上、特に好ましくは3.8以上であり、5以下、好ましくは4.5以下、特に好ましくは4.2以下である。フッ素源が多すぎると、ヘキサフルオロアルミン酸イオン等が生成する可能性がある。
【0022】
反応温度は、反応が進行する範囲であれば特に制限がないが、通常−20℃以上、好ましくは−10℃以上、特に好ましくは0℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは200℃以下、特に好ましくは150℃以下である。低すぎると反応速度が低下し、高すぎると原料の有機アミンや有機ホスフィンが分解しやすくなる。反応時間は、制限がないが、通常1分以上、好ましくは10分以上であり、通常10日以下、好ましくは24時間以下である。短すぎると収率が低下し、長すぎると生産効率が低下する。
【0023】
得られた反応液中には、未反応の原料、溶媒、反応生成物のテトラフルオロアルミン酸塩、及び、場合により一部が水酸基で置換されたトリフルオロヒドロキシアルミン酸塩等の副生物が含まれている。反応液はこのまま有機オニウム塩と塩交換反応させることも出来るが、晶析、溶媒洗浄等の処理によりテトラフルオロアルミン酸塩を分離・取得し、次いでこれを有機オニウム塩と塩交換反応させることが望ましい。このようにすることにより最終的に得られる有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の純度を上げることができる。
【0024】
テトラフルオロアルミン酸塩と反応させる有機オニウム塩としては、有機オニウムをQで表した場合、QOH、QROCO2又はQXで表されるものが挙げられる。
Rは、水素原子又は炭素数10以下のアルキル基を表し、水素原子、メチル基が好ましい。炭素数10以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。
Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表し、フッ素原子が好ましい。
有機オニウム塩を構成するカウンターアニオンとしては、水酸基、メチル炭酸基、炭酸水素基、フッ素が好ましい。
【0025】
有機オニウムとして好ましいもののひとつは、一般式(II)で表されるものである。
【0026】
【化2】
Figure 0004360129
【0027】
式中、R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。但し、R1〜R4の2以上が同時に水素原子を表すことはない。また、R1〜R4は、一部または全てが互いに結合して、環を形成してもよい。かかる環は、A以外のヘテロ原子として窒素原子を含んでいてもよい。
式中、Aは、窒素原子、リン原子、ヒ素原子、アンチモン原子などを表すが、窒素原子またはリン原子が好ましい。
【0028】
有機オニウムのなかでも、一般式(II)の一級アンモニウム、二級アンモニウム、三級アンモニウム、四級化アンモニウム、四級化イミダゾリウム、四級化環状アミジニウム及び四級化ホスホニウムから選ばれるものは、電解コンデンサ用の電解質としての性能が高いため好ましく、さらには総炭素数が4〜12のものが特に好ましい。特に好ましいのは四級化アンモニウム、四級化イミダゾリウム、四級化環状アミジニウム、四級化ホスホニウムであり、最も好ましいのは、四級化環状アミジニウム、なかでも1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムである。
【0029】
四級化アンモニウムとしては、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、四級化環状アンモニウムなどが挙げられる。
四級化環状アンモニウムとしては、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウムなどが挙げられる。
【0030】
四級化イミダゾリウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなどが挙げられる。
【0031】
四級化環状アミジニウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリニウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。
【0032】
四級化ホスホニウムとしては、テトラフェニルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラn−ブチルホスホニウムなどが挙げられる。
テトラフルオロアルミン酸塩と有機オニウム塩との反応は、通常は溶媒の存在下に行われる。溶媒としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチル−イソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n−プロピルイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独でも混合して用いても良い。
【0033】
有機オニウム塩とテトラフルオロアルミン酸塩は、化学量論量に近い比率で反応させるのが好ましいが、有機オニウム塩のテトラフルオロアルミン酸塩に対するモル比が、通常0.5以上、好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上であり、通常10以下、好ましくは2以下、特に好ましくは1.2以下である。有機オニウム塩が少なすぎても、多すぎても残留する未反応原料を除去するための精製工程の負荷が大きくなる。
【0034】
テトラフルオロアルミン酸塩と有機オニウム塩の塩交換反応の反応温度は、反応が進行する範囲であれば制限がないが、通常−20℃以上、好ましくは0℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは200℃以下である。反応温度が低すぎると反応速度が低下し、高すぎると原料の有機オニウム塩やテトラフルオロアルミン酸塩が分解しやすくなる。反応時間は、特に制限はないが、通常1分以上、好ましくは10分以上であり、10日以下、好ましくは24時間以下である。
【0035】
得られた有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩は、必要に応じて、晶析、溶媒抽出等により精製される。
晶析に用いる溶媒としては、炭素数4以下のアルコールが好ましい。炭素数4以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール及びこれらの混合物が挙げられる。これらの溶媒で晶析を行うことにより、効率的に不純物含量が少ない有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を得ることができる。
【0036】
特許文献1で用いる有機アルミニウム化合物は有機溶媒に溶けやすいが、本発明で用いる無機アルミニウム源は有機溶媒に溶けにくいため、無機アルミニウム源、含フッ素化合物、有機アミン等との反応は固−液反応となり、反応が遅く、収率が低下することが予想されていた。ところが、無機アルミニウム源は予想通り反応性は低いが、有機アルミニウム化合物を用いた場合に起こるような激しい反応や分解等の副反応が起こらないので、反応の選択性が向上する。さらに、反応性が低いことは加熱などで補うことができるので、結果的に有機アルミニウム源を使用した場合に比べて、収率を向上させることができる。一般に、無機アルミニウム源は有機アルミニウム化合物に比べて安価であり、有機アルミニウム化合物を使用するときのような厳しい非水条件も必要ないので、本発明によれば、簡便で安価な方法で有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を製造することができる。
【0037】
本発明にかかる製造方法により得られた有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩は、電解コンデンサ用電解液の電解質として好適に用いられる。有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩のなかでも、電解コンデンサ用電解液の電解質としては、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムのテトラフルオロアルミン酸塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムのテトラフルオロアルミン酸塩が好ましく用いられる。
【0038】
電解コンデンサ用電解液中のテトラフルオロアルミン酸の有機オニウム塩の濃度は、通常5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%である。濃度が低すぎると電解液の電気伝導率が低くなりすぎ、また、濃度が高すぎると電解液の粘性の増加、低温での塩が析出等が起こりやすくなる。一般に、低濃度になるほど電解コンデンサ用電解液の耐電圧は増加する傾向にあるので、所望のコンデンサの定格電圧によって最適な濃度を決定することができる。また、テトラフルオロアルミン酸の有機オニウム塩を50%以上含有する濃厚溶液であってもよく、常温溶融塩であってもよい。
【0039】
電解コンデンサ用電解液は、テトラフルオロアルミン酸の有機オニウム塩以外のアニオン成分や塩を含んでいてもよい。
アニオン成分としては、含フッ素無機イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロニオブ酸イオン、ヘキサフルオロタンタル酸イオン等の含フッ素無機イオン;フタル酸イオン、マレイン酸イオン、サリチル酸イオン、安息香酸イオン、アジピン酸イオン等のカルボン酸イオン;ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸等のスルホン酸イオン;ホウ酸イオン、リン酸イオン等の無機オキソ酸イオン;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン、パーフルオロアルキルフルオロボレートイオン、パーフルオロアルキルフルオロホスフェートイオン、ボロジカテコレート、ボロジグリコレート、ボロジサリチレート、ボロテトラキス(トリフルオロアセテート)、ビス(オキサラト)ボレート等の四配位ホウ酸イオン等を挙げることができる。
【0040】
塩としては、フタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等が挙げられる。テトラフルオロアルミン酸塩と他の塩とを併用する場合は、テトラフルオロアルミン酸塩が主体となることが好ましく、塩の総重量に対するテトラフルオロアルミン酸塩の割合は高い方が好ましく、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上となるようにする。
【0041】
電解コンデンサ用電解液は、電気伝導率、熱安定性、耐電圧性を向上させるため、溶媒の割合を50重量%以上とするのが好ましい。溶媒としては、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン、アルコール、エーテル、スルホキシド、ウレア、ウレタン及び水から選択されるものが挙げられるが、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン及びアルコールから選ばれる溶媒は、経時的に安定した特性を示す傾向があるので好ましい。溶媒として、水を用いる場合は、他の溶媒と組合せて、溶媒の一部として用いることが好ましい。
【0042】
炭酸エステルとしては、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステルが挙げられる。
カルボン酸エステルとしては、例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等の脂肪族カルボン酸エステル、安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル等の芳香族カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトンなどが挙げられる。
【0043】
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等が挙げられる。
ニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル等が挙げられる。
アミドとしては、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等が挙げられる。
【0044】
スルホンとしては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。
アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
エーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
【0045】
スルホキシドとしては、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
ウレアとしては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンが挙げられ、ウレタンとしては、3−メチル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。
【0046】
導電性により優れる電解液を得る点からは、溶媒として比誘電率(ε、25℃)が25以上である非水系溶媒を用いることが好ましく、また、安全性の観点から、引火点が20℃以上である非水系溶媒を用いることも好ましい。
熱安定性により優れる電解液を得る点からは、沸点250℃以上、融点−60〜40℃、かつ、誘電率(ε、25℃)が25以上である溶媒を用いることが好ましい。この条件を満足する溶媒を用いることにより、環境温度110〜150℃での動作を1000時間以上保証する、低インピーダンスで高耐電圧な電解コンデンサを得ることができる。この条件を満足する溶媒としては、スルホン類を挙げることができ、特にスルホラン、3−メチルスルホラン、なかでもスルホランが好ましい。この条件を満足する溶媒の濃度は、溶媒の総重量に対して、通常25重量%以上、好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上となるようにする。
【0047】
また、より低インピーダンスの電解コンデンサを得る点からは、溶媒が、沸点190℃以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上である溶媒を用いることが好ましい。この条件を満足する溶媒を用いることにより、極めて低インピーダンスで高電圧な電解コンデンサを得ることができる。この条件を満足する溶媒としては、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、アルコール等が挙げられ、特にγ−ブチロラクトン、エチレングリコール、なかでもγ−ブチロラクトンが好ましい。上記の条件を満足する溶媒の濃度は、溶媒の総重量に対して、通常25重量%以上、好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上となるようにする。
【0048】
電解コンデンサ用電解液は、上述の有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩、溶媒、アニオン、塩の他の化合物を含有していてもよい。
具体的には、電気伝導率の向上、熱安定性の向上、水和や溶解による電極劣化の抑制、ガス発生の抑制、耐電圧の向上、濡れ性の改善等のための添加物が挙げられる。添加物の含有量は特に制限はないが、通常0.1〜20重量%、好ましく0.5〜10重量%の範囲である。
【0049】
添加物の例としては、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸等のニトロ化合物;リン酸ジブチル、リン酸モノブチル、リン酸ジオクチル、オクチルホスホン酸モノオクチル、リン酸等のリン化合物;ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリン、マンニトール、ポリビニルアルコール等)との錯化合物等のホウ素化合物;シリカ、アルミノシリケート等の金属酸化物微粒子;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール及びその共重合体、シリコーンオイル等の界面活性剤等を挙げることができる。
【0050】
電解コンデンサ用電解液は、これに高分子化合物を添加することにより固体化して、いわゆるゲル化電解液として使用してもよい。このようなゲル化電解液に使用される高分子の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。
【0051】
従来の定格電圧35V以下のコンデンサでは、電解液に3重量%程度の水分が存在しても、コンデンサのライフ特性への影響が小さかったが、定格電圧100Vクラスのコンデンサでは、電解液中の水分がコンデンサのライフへ大きく影響を与えるので、溶媒として非水系溶媒を使用する場合、電解液中の水分濃度を1重量%以下にすることによってコンデンサのライフ特性を安定させることができる。また、非水系溶媒を用いた電解コンデンサの電解液中に多量の水分が含まれると、長期間使用している間に、陽極や陰極のアルミニウムが水和劣化を受け、同時にガスが発生し、一方、水分を全く含まないと、陽極酸化皮膜を修復する際の化成性が劣る傾向があることから、好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0052】
電解コンデンサとしては、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサ等を挙げることができる。
アルミニウム電解コンデンサは、通常、陽極箔と陰極箔とを電解液を含浸したセパレータを介して巻回又は積層して形成した素子を、外装ケースに収納し、開口部を封口することによって製造することができる。
陽極箔としては、例えば、純度99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的なエッチングにより拡面処理した後、アジピン酸アンモニウムやホウ酸、リン酸等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に酸化アルミニウム皮膜層を形成したものが用いられる。
【0053】
陰極箔としては、例えば、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチングして拡面処理したもの、エッチングしたアルミニウム箔の表面に窒化チタンの薄膜を形成したもの(例えば特開平9−186054号公報に記載)などが用いられる。
セパレータとしては、マニラ紙、クラフト紙等の紙、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不織布などが挙げられる。
外装ケースとしては、アルミニウム製や樹脂製のものを用いることができる。
【0054】
【実施例】
実施例1
(有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の調製)
PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製100mLフラスコに、ピリジン8.31g(105ミリモル)を入れ、フラスコを氷浴に浸しながら、これにフッ化水素酸(46.9重量%水溶液)4.27g(100ミリモル)を10分間かけて滴下した。室温でさらに2時間攪拌した後、フッ化アルミニウム3水和物13.80g(100ミリモル)を加え、60℃で1時間反応させた。反応液を濃縮し、析出した結晶を濾過、洗浄した後、60℃で5時間真空乾燥させて、テトラフルオロアルミン酸のピリジニウム塩の白色結晶を16.94g得た。フッ化アルミニウムに対する収率は93%であった。
【0055】
ガラス製50mLフラスコに、上記で得られたテトラフルオロアルミン酸のピリジニウム塩4.24g(23ミリモル)とメタノール100mLを入れ、スラリーを調製した。これに、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムのメチル炭酸塩のメタノール−炭酸ジメチル溶液(1.78mol/kg)14.05g(25ミリモル)を室温で滴下し、さらに60℃で1時間攪拌したところ、均一な反応液が得られた。溶媒を留去し、n−ブタノールから晶析して、テトラフルオロアルミン酸の1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩の白色結晶を4.61g得た。この反応の収率は86%であった。
原料フッ化アルミニウムからの一貫収率は80%であった。
【0056】
なお、特許文献1の実施例1の方法では、テトラフルオロアルミン酸のピリジニウム塩の収率は63%であり。さらに、これと有機オニウム塩の反応によって、49〜94%の収率で有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩が得られているので、原料アルミニウム化合物からの一貫収率は31〜59%となる。
【0057】
(電解液の調製)
得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を25重量%となるようにγ−ブチロラクトンに溶解し、電解液1を調製した。電解液1の電気伝導率は24.3mS/cmであった。
同様に、得られた1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を40重量%となるようにγ−ブチロラクトンに溶解し電解液2を調製した。電解液2の25℃における電気伝導率は29.0mS/cm、電解液中に含まれる水分量は1,600ppmであった。
【0058】
(アルミニウム電解コンデンサの作製)
エッチング処理したアルミニウム箔をアノード酸化することにより、表面に酸化アルミニウムからなる誘電体被膜を形成したものを陽極、エッチング処理したアルミニウム箔を陰極、マニラ紙をセパレータとして、これらを巻回したコンデンサ素子を125℃で乾燥した後、電解液2を真空含浸し、さらにこれを円筒状のアルミニウムケースとブチルゴムからなる封口材と共に加締めを行い、最後にエージング処理をして、定格電圧100V、ケースサイズ10φ×20LのCE04型アルミ電解コンデンサを作製した。
このコンデンサは、120Hzにおける静電容量が55μF、100kHzにおけるESR(等価直列抵抗)は0.04Ωであった。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、電解コンデンサ用電解液の電解質として有用な有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を工業的に有利に製造することができる。

Claims (11)

  1. 水存在下、(i)有機アミン又は有機ホスフィン、(ii)フッ素源、(iii)無機アルミニウム源を反応させて得られたテトラフルオロアルミン酸塩と、有機オニウム塩とを反応させる方法であって、有機アミンが、有機オニウム塩よりも塩基性の弱いものであることを特徴とする有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩の製造方法。
  2. 有機オニウム塩が、QOH、QROCO又はQX
    (式中、Qは有機オニウムを表し、Rは水素原子又は炭素数10以下のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す)
    で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 有機オニウム塩が、有機オニウムの水酸化物塩、メチル炭酸塩、炭酸水素塩及びフッ化物塩から選ばれるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 有機オニウムが、一般式(I)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 0004360129
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。ただし、R〜Rの2以上が同時に水素原子を表すことはない。また、R〜Rは、一部または全てが互いに結合して、環を形成してもよい。かかる環は、窒素原子を含んでいてもよい。Aは、窒素原子またはリン原子を表す。)
  5. 有機オニウムが、一級アンモニウム、二級アンモニウム、三級アンモニウム、四級化アンモニウム、四級化イミダゾリウム、四級化環状アミジニウム及び四級化ホスホニウムから選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 有機アミンが、一級アミン、二級アミン、三級アミン及び含窒素ヘテロ環芳香族から選ばれるものであり、有機オニウムが、四級化アンモニウム、四級化イミダゾリウム、四級化環状アミジニウム及び四級化ホスホニウムから選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 有機オニウムの総炭素数が、4〜12であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. フッ素源が、フッ化水素、フッ化水素塩、ポリフッ化水素塩及びケイフッ化水素酸から選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 無機アルミニウム源がフッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、金属アルミニウム及び塩化アルミニウムから選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法で製造した有機オニウムのテトラフルオロアルミン酸塩を用いた電解コンデンサ用電解液。
  11. 請求項10に記載の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ。
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