JP4808358B2 - 電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、小型でありながら大きな静電容量を有する点に特徴があり、低周波のフィルターやバイパス用に多用されている。電解コンデンサは、一般に陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、これをケースに収納して密封した構造を有する(図1及び図2参照)。陽極箔には誘電体層として絶縁性酸化皮膜を形成したアルミニウムやタンタル等の金属が使用され、陰極箔にはエッチング処理を施したアルミニウム箔が一般に使用されている。そして、陽極と陰極の間に介在するセパレータには両極の短絡を防ぐために電解液が含浸されており、真の陰極として機能している。このため、電解液は電解コンデンサの特性に大きな影響を与える重要な構成物である。
【0003】
電解液特性の中でも電気伝導率は、電解コンデンサのエネルギー損失やインピーダンス特性等に直接関わることから、高い電気伝導率を有する電解液の開発が盛んに行われている。例えば、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性溶媒にフタル酸やマレイン酸等の第四級アンモニウム塩(特開昭62−145715号公報及び特開昭62−145713号公報)や第四級アミジニウム塩(国際公開:WO95/15572号パンフレット及び特開平9−283379号公報)を溶解した電解液が提案されている。しかし、これらの電解液は、イオンの移動度が十分でなく、また陽極アルミニウムの化成性も不十分であったため、一般に定格電圧が35V以下のコンデンサにしか用いることができなかった。すなわち、これらの電解液においては、一般に電気伝導率Xは13mS・cm-1程度以下であり、耐電圧Yは100V程度以下のものしか得られず、かつ、電気伝導率Xが比較的大きな13mS・cm-1という値を示す電解液においては、耐電圧が約60Vと小さく、一方、耐電圧Yが比較的大きな100Vという値を示す電解液においては、電気伝導率が8mS・cm-1程度と小さかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電解コンデンサ用電解液は、電気伝導率がより高く、熱安定性により優れ、耐電圧性のより高い性質が要求されており、またこれらの性質を兼ね備えることが必要とされている。また電解コンデンサにおいても、インピーダンスがより低く、熱安定性により優れ、耐電圧性のより高い電解コンデンサが要求されており、またこれらの性質を兼ね備えることが必要とされている。しかしながら、従来、このような要望にこたえる電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサは実現できていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、電解液を構成する塩(カチオン成分及びアニオン成分)の選択、溶媒の選択等を注意深く行うことにより、また、電解液が特定の条件を満たす場合に、従来に比べて飛躍的に性能の向上した、優れた電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明(1)は、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解コンデンサ用電解液であり、テトラフルオロアルミン酸イオンを、テトラフルオロアルミン酸の第四級オニウム塩、アミン塩、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩からなる群より選択される1種以上の塩の形態で含有する、上記の電解コンデンサ用電解液である。
【0007】
また、本発明は、本発明(1)の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサであり、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する導電性材料を用いる電気化学素子である。
【0008】
本発明(2)は、塩と溶媒を含む電解コンデンサ用電解液であって、25℃における電気伝導率X(mS・cm-1)とコンデンサの耐電圧Y(V)が、式(I):
Y≧−7.5X+150 かつ X≧4、Y>0 (I)
の関係を満たすことを特徴とする電解コンデンサ用電解液であり、更に式(II):
Y≧−7.5X+150 かつ X≧8、Y>0 (II)
の関係を満たす、上記の電解コンデンサ用電解液である。
【0009】
また、本発明は、電解液が、溶媒を50重量%以上含有し、かつ該溶媒中の沸点250℃以上、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上を有する溶媒の重量比率が、沸点190以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上を有する溶媒の重量比率以上である、本発明(2)の電解コンデンサ用電解液であり、電解液が、溶媒を50重量%以上含有し、かつ該溶媒中の沸点190℃以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上を有する溶媒の重量比率が、沸点250℃以上、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上を有する溶媒の重量比率を上回る、本発明(2)の電解コンデンサ用電解液である。
【0010】
また、本発明は、本発明(2)の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサについて詳細に説明する。
【0012】
本発明の第一の態様は、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解コンデンサ用電解液である。電解コンデンサ用電解液中にアニオン成分としてテトラフルオロアルミン酸イオンを含有する場合に、電気伝導率が高く、熱安定性に優れ、かつ耐電圧性の高い電解液を得ることができることを見出したものである。
【0013】
ここで、テトラフルオロアルミン酸イオンは、アルミニウム原子に四個のフッ素原子が結合してできる一価のアニオンであり、化学式:AlF4 -で表され、テトラフルオロアルミネートともいう。
【0014】
本発明の電解液は、アニオン成分の全部又はその一部にテトラフルオロアルミン酸イオンを使用したものであり、アニオン成分のうちテトラフルオロアルミン酸イオンが5〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜100モル%、特に好ましくは、50〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。
【0015】
本発明の電解液は、テトラフルオロアルミン酸イオンを、塩の形態で電解液中に含有することができる。テトラフルオロアルミン酸塩は、好適には第四級オニウム塩、アミン塩、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩からなる群より選択される1種以上である。
【0016】
第四級オニウム塩の好適な例としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級イミダゾリウム塩及び第四級アミジニウム塩が挙げられる。
【0017】
第四級アンモニウム塩の第四級アンモニウムイオンの好適な例としては、以下が挙げられる。
(i)テトラアルキルアンモニウム
例えば、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム、トリメチル−t−ブチルアンモニウム、トリメチル−n−ヘキシルアンモニウム、ジメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジメチルジイソプロピルアンモニウム、ジメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、メチルトリイソプロピルアンモニウム、メチルジ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチル−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、トリエチル−n−プロピルアンモニウム、トリエチルイソプロピルアンモニウム、トリエチル−n−ブチルアンモニウム、トリエチルイソブチルアンモニウム、トリエチル−t−ブチルアンモニウム、ジメチルジ−n−ブチルアンモニウム、ジメチルジイソブチルアンモニウム、ジメチルジ−t−ブチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチルエチルアンモニウム、ジメチルイソブチルエチルアンモニウム、ジメチル−t−ブチルエチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチルイソブチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチル−t−ブチルアンモニウム、ジメチルイソブチル−t−ブチルアンモニウム、ジエチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジエチルジイソプロピルアンモニウム、ジエチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、エチルトリ−n−プロピルアンモニウム、エチルトリイソプロピルアンモニウム、エチルジ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、エチル−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチル−n−プロピルアンモニウム、エチルジメチル−n−プロピルアンモニウム、エチルメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジエチルメチルイソプロピルアンモニウム、エチルジメチルイソプロピルアンモニウム、エチルメチルジイソプロピルアンモニウム、エチルメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、n−プロピルトリイソプロピルアンモニウム、ジ−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、トリ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、トリメチルヘプチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルノニルアンモニウム等が挙げられる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上のものも使用することができ、例えばトリメチルデシルアンモニウム、トリメチルウンデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム等が挙げられる。
【0018】
(ii)芳香族置換アンモニウム
例えば、トリメチルフェニルアンモニウム等の炭素数の和が4〜12のもの、及び、テトラフェニルアンモニウム等の炭素数の和が13以上のものが挙げられる。
【0019】
(iii)脂肪族環状アンモニウム
例えば、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、N,N−テトラメチレンピロリジニウム等のピロリジニウム;N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム、N,N−テトラメチレンピペリジニウム、N,N−ペンタメチレンピペリジニウム等のピペリジニウム;N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム等のモルホリニウムが挙げられる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上のものも使用することができる。
【0020】
(iv)含窒素ヘテロ環芳香族化合物のイオン
例えば、N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−n−プロピルピリジニウム、N−イソプロピルピリジニウム、N−n−ブチルピリジニウム等のピリジニウムを挙げることができる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上のものも使用することができる。
【0021】
第四級ホスホニウム塩の第四級ホスホニウムイオンの好適な例としては、テトラメチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム等を挙げることができる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上のものも使用することができる。
【0022】
第四級イミダゾリウム塩の第四級イミダゾリウムイオンの好適な例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−n−プロピル−2,4−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリウム等を挙げることができる。これらは、いずれも炭素数の和が4〜12の第四級イミダゾリウムである。
【0023】
なお、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上の第四級イミダゾリウムも使用することができ、好適な例としては、1,3−ジメチル−2−n−ウンデシルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプタデシルイミダゾリウム等を挙げることができる。また、本発明の電解液には、ヒドロキシル基、エーテル基を含有する第四級イミダゾリウムも使用することができ、好適な例としては、2−(2′−ヒドロキシ)エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(2′−ヒドロキシ)エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−エトキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エトキシメチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等を挙げることができる。
【0024】
第四級アミジニウムの好適な例としては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリニウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−メチル−3−n−プロピル−2,4−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリニウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウム;1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリエチルテトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−エチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2−ジエチル−3−メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジエチル−2−メチルテトラヒドロピリミジニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネニウム−5、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ4.0〕ウンデセニウム−7等のテトラヒドロピリミジニウムを挙げることができる。これらは、いずれも炭素数の和が4〜12の第四級アミジニウムである。
【0025】
なお、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上の第四級アミジニウムも使用することができ、好適な例としては、1,3−ジメチル−2−n−ウンデシルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプタデシルイミダゾリニウム等を挙げることができる。また、本発明の電解液には、ヒドロキシル基、エーテル基を含有する第四級アミジニウムも使用することができ、好適な例としては、2−(2′−ヒドロキシ)エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−(2′−ヒドロキシ)エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−エトキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−エトキシメチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等を挙げることができる。
【0026】
本発明の電解液は、第四級オニウム塩以外にもアミン塩、アンモニウム塩(NH4 +AlF4 -)、アルカリ金属塩としてテトラフルオロアルミン酸イオンを含有することができる。
【0027】
アミン塩のアミンの好適な例としては、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデン−7等の第三級アミンが挙げられる。また、上記の第三級アミン以外にも、第一級アミン、第二級アミンを使用することができ、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、イソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサメチレンイミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等を挙げることができる。アルカリ金属の好適な例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げることができる。
【0028】
これらのカチオン成分の中でも、高い電気伝導率の電解液を得るという観点から、炭素数の和が4〜12である第四級オニウムが好ましく、なかでもテトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリニウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム及び2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムからなる群より選択される1種以上の化合物であることが好ましく、更に好ましくは、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムであることが好ましい。
【0029】
なお、本発明の電解液は、テトラフルオロアルミン酸イオン以外のアニオン成分を含むことができ、これらの具体的な例としては、例えば含フッ素無機イオンテトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロニオブ酸イオン、ヘキサフルオロタンタル酸イオン等の含フッ素無機イオン;フタル酸イオン、マレイン酸イオン、サリチル酸イオン、安息香酸イオン、アジピン酸イオン等のカルボン酸イオン;ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸等のスルホン酸イオン;ホウ酸イオン、リン酸イオン等の無機オキソ酸イオン;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン、パーフルオロアルキルボレートイオン、パーフルオロアルキルホスフェートイオン等を挙げることができる。塩としては、フタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等を併用することができる。例えば、テトラフルオロアルミン酸塩とフタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等を併用する場合、テトラフルオロアルミン酸塩が主体となることが好ましく、塩の総重量に対して、テトラフルオロアルミン酸塩が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であり、比率は高い程、好ましい。
【0030】
本発明のテトラフルオロアルミン酸塩を電解コンデンサに用いる場合には、高純度である必要があるため、塩は必要により再結晶や溶媒抽出等により所望の純度にまで精製して使用される。
【0031】
本発明の電解液においてテトラフルオロアルミン酸塩の濃度は、好ましくは5〜40重量%であり、更に好ましくは10〜35重量%である。これは濃度が低すぎる場合に電気伝導率が低いこと、また濃度が高すぎる場合には電解液の粘性の増加、低温での塩が析出等が起こりやすくなる等の理由による。一般に、低濃度になるほど電解コンデンサ用電解液の耐電圧は増加する傾向にあるので、所望のコンデンサの定格電圧によって最適な濃度を決定することができる。ただし、本発明の電解液は、塩を50%以上含有する濃厚溶液であってもよく、常温溶融塩であってもよい。
【0032】
本発明の電解液は、さらに優れた電気伝導率、熱安定性、耐電圧性を有する電解液を得る観点から、溶媒を50重量%以上含有することが好ましい。該溶媒は、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン、アルコール及び水からなる群より選択される1種以上が挙げられるが、電解液に使用した場合に、経時的に安定した特性を示す傾向がある、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン及びアルコールから選択することが好ましい。溶媒として、水を用いる場合は、他の溶媒と組合せて、溶媒の一部として用いることが好ましい。
【0033】
そのような溶媒の具体的な例としては、以下が挙げられる。鎖状炭酸エステル(例えば、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル)、環状炭酸エステル(例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル)等の炭酸エステル;脂肪族カルボン酸エステル(例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等)、芳香族カルボン酸エステル(例えば、安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル等)、ラクトン(例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等)等のカルボン酸エステル;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル等のニトリル;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等のスルホン;エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができる。
【0034】
なお、導電性により優れる電解液を得る点からは、該溶媒が25以上の比誘電率(ε、25℃)を有する非水系溶媒を好ましく用いることができ、また、安全性の観点から、該溶媒が70℃以上の引火点を有する非水系溶媒を好ましく用いることもできる。
【0035】
熱安定性により優れる電解液を得る点からは、溶媒が、沸点250℃以上、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上である溶媒を、溶媒の総重量に対して、25重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上含む。このような溶媒の例としては、スルホンを挙げることができ、特にスルホラン、3−メチルスルホランが好ましい。このような溶媒を電解液に組合せて用いることにより、環境温度110〜150℃での動作を1000時間以上保証する、低インピーダンスで高耐電圧な電解コンデンサが得られる。
【0036】
また、より低インピーダンスの電解コンデンサを得る点からは、溶媒が、沸点190以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上である溶媒を、溶媒の総重量に対して、25重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上含む。このような溶媒の例としては、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド及びアルコールを挙げることができ、特にγ−ブチロラクトン、エチレングリコールが好ましい。このような溶媒を電解液に組合せて用いることにより、極めて低インピーダンスで高電圧な電解コンデンサが得られる。
【0037】
特に好ましい電解液として、熱安定性の点から、溶媒がスルホランであり、テトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムを、電解液の総重量に対して、5〜40重量%で添加した電解コンデンサ用電解液が挙げられ、低インピーダンスの電解コンデンサを得ることができる点から、溶媒がγ−ブチロラクトンであり、テトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムを、電解液の総重量に対して、5〜40重量%で添加した電解コンデンサ用電解液が挙げられる。ただし、スルホランとγ−ブチロラクトンを併用した溶媒も好ましい。
【0038】
本発明の電解液には、塩及び溶媒の他にも種々の添加剤を用いてもよい。電解液に添加物を加える目的は多岐に渡り、電気伝導率の向上、熱安定性の向上、水和や溶解による電極劣化の抑制、ガス発生の抑制、耐電圧の向上、濡れ性の改善等を挙げることができる。添加物の含有量は特に制限はないが、0.1〜20重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10重量%の範囲であることがより好ましい。
【0039】
そのような添加物の例としては、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸等のニトロ化合物;リン酸ジブチル、リン酸モノブチル、リン酸ジオクチル、オクチルホスホン酸モノオクチル、リン酸等のリン化合物;ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリン、マンニトール、ポリビニルアルコール等)との錯化合物等のホウ素化合物;シリカ、アルミノシリケート等の金属酸化物微粒子;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール及びその共重合体、シリコーンオイル等の界面活性剤等を挙げることができる。
【0040】
本発明の電解液は、これに高分子化合物を添加することにより固体化して、いわゆるゲル化電解液として使用してもよい。このようなゲル化電解液に使用される高分子の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。
【0041】
本発明の電解液において、電解液の溶媒に非水系溶媒を用いた場合、水分含量を制御することによって、このような電解液を用いたコンデンサのライフ特性がより安定する。一般に、非水系溶媒を用いた電解コンデンサの電解液中に多量の水分が含まれると、長期間使用している間に、陽極や陰極のアルミニウムが水和劣化を受け、同時にガスが発生することが知られている。一方、水分がまったくないと、陽極酸化皮膜を修復する際の化成性が劣る傾向があることも知られている。
【0042】
しかし、従来の電解液及びコンデンサにおいては、これまで定格電圧35V以下の低い電圧領域で使用されていたことから、3重量%程度の水分が存在しても、コンデンサのライフ特性への影響が小さかった。しかし、本発明の電解液を用いたコンデンサは、定格電圧100Vクラスまでの高い電圧領域で使用可能であり、また高耐熱性の要求も満たすものであるため、これまでとは異なり、水分含量の影響が大きい。本発明の電解液は、非水系溶媒を使用した場合、電解液中の水分濃度が、1重量%以下であることが好ましく、上記の化成性をも考慮すれば、好ましくは0.01〜1重量%であり、特に好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0043】
本発明は、本発明による電解液を使用した電解コンデンサも提供する。電解コンデンサの例としては、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサを挙げることができる。電解コンデンサの構造や材質は、本発明による電解液を使用するものである限り、特に制限されない。従って、従来から使用されている電解コンデンサや新たに提案されている電解コンデンサに本発明の電解液を使用する場合は、全て本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
本発明のアルミニウム電解コンデンサには、例えば陽極箔と陰極箔とをセパレータ紙を介して巻回して形成した素子を用いる。陽極箔には、純度99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的なエッチングにより拡面処理した後、アジピン酸アンモニウムやホウ酸、リン酸等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に酸化アルミニウム皮膜層を形成したものを用いてもよい。陰極箔には、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチングして拡面処理した箔を用いてもよい。更に、陰極箔にはエッチングしたアルミニウム箔の表面に窒化チタンの薄膜を形成したもの(例えば特開平9−186054号公報に記載)を用いてもよい。このように構成したコンデンサ素子のセパレータに本発明による電解液を含浸する。この電解液をセパレータに含浸した素子を有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部にブチルゴム製の封口体を挿入し、更に外装ケースの端部を絞り加工して電解コンデンサの封口を行うことによりアルミニウム電解コンデンサを得ることができる。封口体の表面をテフロン等の樹脂でコーティングしたり、ベークライト等の板を貼り付けると溶媒蒸気の透過性が低減するので更に好ましい。
【0045】
セパレータには、通常マニラ紙やクラフト紙等の紙が用いられるが、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不織布を用いることもできる。封口体に用いるブチルゴムには、イソブチレンとイソプレンとの共重合体からなる生ゴムに補強剤(カーボンブラック等)、増量剤(クレイ、タルク、炭酸カルシウム等)、加工助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、加硫剤等を添加して混練した後、圧延、成型したゴム弾性体を用いることができる。加硫剤には、アルキルフェノールホルマリン樹脂;過酸化物(ジクミルペルオキシド、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン等);キノイド(p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム等);イオウ等を用いることができる。
【0046】
また本発明のアルミニウム電解コンデンサは、ハーメチックシール構造や樹脂ケースに密閉した構造(例えば特開平8−148384号公報に記載)のものであってもよい。ゴム封止構造のアルミニウム電解コンデンサの場合、ある程度ゴムを通して気体が透過するため、高温環境下においてはコンデンサ内部から大気中へ溶媒が揮発し、また高温高湿環境下においては大気中からコンデンサ内部へ水分が混入する。これらの過酷な環境のもとでコンデンサは静電容量の減少等の好ましくない特性変化を起こす。一方、ハーメチックシール構造や樹脂ケースに密閉した構造のコンデンサにおいては、気体の透過量が極めて小さいため上述の過酷な環境下においても安定した特性を示す。
【0047】
本発明の第二の態様は、塩と溶媒を含む電解コンデンサ用電解液であって、25℃における電気伝導率X(mS・cm-1)とコンデンサの耐電圧Y(V)が、式(I):
Y≧−7.5X+150 かつ X≧4、Y>0 (I)
の関係を満たすことを特徴とする電解コンデンサ用電解液である。電気伝導率Xと耐電圧Yとの関係が、式(I)の関係を満足するように電解液の構成成分である塩及び溶媒の種類や濃度を選択した場合に、低インピーダンスで耐電圧性に優れた電解コンデンサを得ることができる。
【0048】
式(I)中の電気伝導率Xとは、25℃における電解液の電気伝導率X(mS・cm -1)であり、電気伝導率計を用いて測定することができる。本発明において、電気伝導率Xは、4mS・cm -1以上が好ましく、8mS・cm -1以上がより好ましい。電気伝導率が高い電解液を用いることにより、よりインピーダンスや等価直列抵抗が低い電解コンデンサが得られるからである。また、上限としては、高いほど望ましいが、通常は約30mS・cm -1である。
【0049】
式(I)中の耐電圧Yとは、電解コンデンサの耐電圧であり、電解コンデンサに定電流を印加したときの電圧−時間の上昇カーブで、初めにスパイクあるいはシンチレーションが観測された電圧値と定義される。本発明における耐電圧Yの測定法は以下のとおりである。
測定方法:アルミニウム電解コンデンサ素子として巻回型構造のコンデンサ素子(ケースサイズ10φ×20L、定格電圧200V用、静電容量20μF)を使用する(図1)。該巻回型素子に電解液を含浸した後、アルミニウム外装ケースに収納して過酸化物で加硫したブチルゴムで封口した構造のアルミニウム電解コンデンサを作製する(図2)。このコンデンサに10mAの定電流を125℃にて印加して電圧−時間曲線を測定することにより耐電圧Yを測定する。
【0050】
本発明において、耐電圧Yは0V超であり、50V以上が好ましく、中でも100V以上が更に好ましい。耐電圧が高いほどより定格電圧が高い電解コンデンサの作製が可能であり、また電解コンデンサの誤使用で高い電圧が印加された場合の安全性が向上するためである。また、上限としては、高いほど望ましいが、通常は約300Vである。
【0051】
本発明の電解液に含まれる塩と溶媒の組合せは、上記の式(I)を満たす限り、限定されない。例えば、塩がテトラフルオロアルミン酸塩(例えば、テトラフルオロアルミン酸の第四級オニウム塩、アミン塩、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩等)、又はこれらのテトラフルオロアルミン酸塩とフタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等との組合せであり、溶媒が、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン、アルコール及び水からなる群より選択される1種以上の場合が挙げられる。
【0052】
上記のテトラフルオロアルミン酸塩は、第一の態様で述べられたとおり、アニオン成分がテトラフルオロアルミン酸イオンである塩である。具体的には、テトラフルオロアルミン酸の第四級オニウム塩、アミン塩、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩等が挙げられ、これらの塩のカチオン成分の具体的な例及び好適な例は、第一の態様について述べられたものが挙げられる。テトラフルオロアルミン酸塩を使用する場合、アニオン成分としてテトラフルオロアルミン酸イオン以外を含有していてもよく、その具体的な例は、第一の態様について述べられたものが挙げられる。アニオン成分のうちテトラフルオロアルミン酸イオンが5〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは50〜100モル%であり、最も好ましくは100モル%である。塩として、テトラフルオロアルミン酸塩とフタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等を併用する場合、テトラフルオロアルミン酸塩が主体となることが好ましく、塩の総重量に対して、テトラフルオロアルミン酸塩が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であり、比率は高い程、好ましい。
【0053】
本発明の電解液に用いる塩の好ましい濃度は、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは10〜35重量%であるが、一般に、低濃度になるほど電解液の耐電圧は増加する傾向にあるので、所望のコンデンサの定格電圧によって最適な濃度を決定すればよい。また、電解コンデンサに用いる場合には、塩は高純度である必要があるため、塩は必要により再結晶や溶媒抽出等により所望の純度にまで精製して使用される。
【0054】
溶媒としては、上述のとおり、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン、アルコール及び水から選ばれる1種以上が挙げられ、具体的な例及び好適な例は、第一の態様で例示したものが挙げられる。電解液中、溶媒は、50重量%以上であることが好ましく、また安全性の点から、70℃以上の引火点を有する非水系溶媒を溶媒に含むことが好ましい。
【0055】
本発明の第二の態様の電解液は、電解コンデンサの特性の点から、より好ましい態様として、溶媒の主成分が高沸点溶媒群である場合と、溶媒の主成分が低沸点溶媒群である場合の2つに分類される。
【0056】
ここで、溶媒の主成分が高沸点溶媒群である場合とは、便宜的に、電解液に含まれる各溶媒を、高沸点溶媒群(沸点250℃以上、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上、低沸点溶媒群(沸点190℃以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上、及びこれらのいずれにも属さない溶媒群に分類した場合、高沸点溶媒群に属する溶媒の重量比率が、低沸点溶媒群に属する溶媒の重量比率と同じかそれを上回ることをいう。これには、混合溶媒の場合において、すべての溶媒が、高沸点溶媒群に属し、低沸点溶媒群に属する溶媒が含まれていない場合、単一溶媒の場合において、その溶媒が高沸点溶媒群に属することを含む。また、溶媒の主成分が低沸点溶媒群であるとは、低沸点溶媒群に属する溶媒の重量比率が、高沸点溶媒に属する溶媒の重量比率を上回ることをいう。これには、混合溶媒の場合において、すべての溶媒が、低沸点溶媒群に属し、高沸点溶媒群に属する溶媒が含まれていない場合、単一溶媒の場合において、その溶媒が低沸点溶媒群に属することを含む。本発明の電解液においては、溶媒は、主に高沸点溶媒群又は低沸点溶媒群のいずれかに属し、いずれにも属さないそれ以外の溶媒は、マイナー成分として存在し、通常、40重量%以下である。
【0057】
(1)溶媒の主成分が高沸点溶媒群である場合
式(I)を満たす電解液において、電解液が溶媒を50重量%以上含有し、かつ溶媒の主成分が高沸点溶媒群(沸点250℃以上、融点―60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上)に属する場合、この電解液を用いて、特に熱安定性に優れた電解コンデンサを得ることができる。熱安定性の点からは、高沸点溶媒群に属する溶媒が、溶媒の総重量に対して、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは100重量%である。このような電解液に用いる溶媒の例としては、スルホンを挙げることができ、特にスルホラン、3−メチルスルホランが好ましく、このような電解液を用いることにより、低インピーダンスで高耐電圧かつ環境温度110〜150℃での動作を1000時間以上保証する電解コンデンサが得られる。
【0058】
(2)溶媒の主成分が比較的低沸点の場合
式(I)を満たす電解液において、電解液が溶媒を50重量%以上含有し、かつ溶媒の主成分が低沸点溶媒群(沸点190以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上)に属する場合、この電解液を用いて、特に低インピーダンスの電解コンデンサを得ることができる。低インピーダンスの電解コンデンサを得る点からは、低沸点溶媒群に属する溶媒が、溶媒の総重量に対して、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは100重量%である。この電解液は、式(III):
Y≧−7.5X+220 (III)
の関係を満たすことが更に好ましい。
【0059】
このような電解液に用いる溶媒の主成分の例としては、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド及びアルコールからなる群より選択される1種以上を挙げることができ、特にγ−ブチロラクトン、エチレングリコールが好ましい。このような電解液を用いることにより、極めて低インピーダンスで高耐電圧な電解コンデンサが得られる。
【0060】
本発明の第二の態様の電解液において、コンデンサの種々の特性(インピーダンス、耐電圧、熱安定性、寿命、信頼性等)の点から、特に好ましい塩と溶媒の組合せは、塩がテトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムであり、溶媒がスルホランの場合と、塩がテトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムであり、溶媒がγ−ブチロラクトンの場合が挙げられる。ただし、スルホランとγ−ブチロラクトンを併用した溶媒も好ましい。
【0061】
本発明の電解液には、塩及び溶媒の他にも種々の添加剤を用いてもよい。添加剤の具体的な例及び好適な例、添加量は、第一の態様について述べられたものが挙げられる。なお、第二の態様において、電気伝導率及び耐電圧の測定は、このような添加剤を含まない、塩及び溶媒を含む原液について測定した値である。原液が式(I)、(II)又は(III)の関係を満足するものであれば、必要によりこれに更に添加剤を加えても、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0062】
本発明の電解液は、電解液の溶媒に非水系溶媒を用いた場合、水分含量を制御することによって、このような電解液を用いたコンデンサのライフ特性がより安定する。水分含量の制御については、第一の態様について述べられたとおりである。
【0063】
本発明は、第二の態様の電解液を使用した電解コンデンサも提供する。電解コンデンサの製造方法、部品等については、第一の態様について述べられたとおりである。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明の範囲は、これらの実施例により限定されるものではなく、実施例中の材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
【0065】
(1)テトラフルオロアルミン酸トリエチルメチルアンモニウムの合成
PFA製丸底フラスコにフッ化アルミニウム三水和物6.90g(50.0mmol)を秤量し、容器内を減圧後、アルゴンガスで置換した。フラスコの口からアルゴンガスを導入しながら、脱水したアセトニトリル100mlを加え、密栓して30分攪拌した。続いて同様にアルゴンガスを導入しながら、フッ化トリエチルメチルアンモニウム三水和物9.46g(50.0mmol)を分割投入し、更に3時間ほど攪拌した。未反応の固形分を濾別後、溶媒を留去して約9gのテトラフルオロアルミン酸トリエチルメチルアンモニウムの白色粗結晶を得た。これをイソプロパノール10gにより再結晶精製した。収量は5.50g、仕込みからのトータル収率は50%であった。同定は元素分析とNMRにより行い、TG−DTAにより融点を測定した。
【0066】
元素分析:理論値C: 38.36, H: 8.28, N: 6.39, Al: 12.31, F: 34.67
分析値:C: 38.40, H: 7.70, N: 6.32, Al: 12.0, F: 33.50
19F-NMR:-190 ppm(六重線、J = 34 Hz、(CD3)2SO溶媒中CFCl3基準)
27Al-NMR: 49 ppm(五重線、J = 34 Hz、(CD3)2SO溶媒中AlCl3・3H2O基準)
融点:320℃(分解)
【0067】
(2)アルミニウム電解コンデンサの作製と電気伝導率、耐電圧性の評価
〔実施例1、比較例1〜2〕
実施例1として、上記で得られたテトラフルオロアルミン酸トリエチルメチルアンモニウムをγ−ブチロラクトンに溶解することにより25重量%濃度の電解液を調製した。この実施例1の電解液について調製直後及び125℃での加熱試験を25時間実施した後の電気伝導率(25℃)を測定した。次に、図1に示す巻回型素子に電解液を含浸し、該巻回型素子をアルミニウム外装ケースに収納して過酸化物で加硫したブチルゴムで封口した構造のアルミニウム電解コンデンサを作製した(図2)。これに10mAの定電流を125℃にて印加したときの電圧−時間の上昇カーブで、初めにスパイクあるいはシンチレーションが観測された電圧値を耐電圧値とした。使用したアルミニウム電解コンデンサ素子の仕様は、ケースサイズ10φ×20L、定格電圧200V、静電容量20μFである。また、比較例としてフタル酸水素トリエチルメチルアンモニウム(比較例1)及びフタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム(比較例2)をそれぞれ塩に使用した以外は実施例1と同様に電解液を調製し、各評価を実施した。これらの結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004808358
【0069】
実施例と比較例を比較すると、実施例1の方が電気伝導率が比較例より約2倍も高い上、加熱後もその変化が小さく熱安定性に優れることがわかる。また耐電圧についても比較例の2.5〜3倍もの高い値を示している。
【0070】
(3)その他の実施例
下記の表2に示す組成で成分を混合して電解液を調製した。表中、各成分の量は重量部で示した。得られた電解液について、電気伝導率、耐電圧性を評価した。まず、25℃における電気伝導率を測定した。次いで、実施例1と同様の方法で125℃における耐電圧値を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
Figure 0004808358
【0072】
表2の実施例及び比較例を比較すると、実施例の方が高い電気伝導率と高い耐電圧性を有している。従って本発明の電解液は、低インピーダンスグレード向けや高定格電圧向けのいずれの用途のアルミニウム電解コンデンサにも好ましい。
【0073】
〔実施例3〜15、比較例5〜10〕
更に、実施例3〜14として、表3に示す組成で各成分を混合して電解液を調製した。表中、各成分の量は重量部で示した。シリカは平均粒径が約25nmのエチレングリコールゾルを用いた。更に、実施例3〜8で用いたテトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムに代えて、同じ重量部のフタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムを用いて比較例5〜10を調製した。
【0074】
得られた実施例3〜14、比較例5〜10の電解液について、調製直後の電気伝導率(25℃)を測定した。次いで、それぞれの電解液を用いて、実施例1と同様にして、定格電圧200V、静電容量20μFのアルミニウム電解コンデンサを作成し、耐電圧値(125℃)を測定した。これらの結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
Figure 0004808358
【0076】
表3から、実施例と、実施例とは塩の種類のみが異なり、その他の組成が同じ比較例(実施例3〜8について、それぞれ比較例5〜10が対応する)とを比較すると、実施例の方がいずれも高い電気伝導率と高い耐電圧値を有していることがわかる。なお、図3に示すように、実施例は、本発明の式(I):
Y≧−7.5X+150 かつ X≧4、Y>0 (I)
を満たすことがわかる。本発明の電解液は、低インピーダンスグレード向け及び高定格電圧向けのいずれの用途のアルミニウム電解コンデンサにも好適である。
【0077】
(4)デバイス特性、外観面からの評価
次に、上記の実施例1、3及び4の電解液を用いて使用定格電圧100V、静電容量56μFのアルミニウム電解コンデンサを作製した。さらに、実施例15として25重量%テトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムのγ−ブチロラクトン溶液にさらに、水を3重量%添加した電解液を用いて、上記と同様にしてアルミニウム電解コンデンサを作成した。なお、実施例3で用いた電解液中の水分含量は、カールフィッシャー水分計により測定したところ、0.1重量%であった。120Hzにおける静電容量、100kHzにおける等価直接抵抗(ESR)を測定した。またこれらのコンデンサを125℃で500時間無負荷放置した後に、デバイス特性や外観の変化を調べた。一方、比較例1、5及び6の電解液を使用した場合、耐電圧不足のためコンデンサを作製することはできなかった。これらの結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
Figure 0004808358
【0079】
表4から、比較例1、5及び6の電解液を用いたコンデンサは、耐電圧不足のため、作製することができなかったのに対し、実施例1、3、4及び15の電解液を用いて、デバイス特性の良好なコンデンサを作製することができた。特に、実施例1、3、4の電解液を用いたコンデンサについて、無負荷試験後に、デバイス特性の変化はほとんど認められず、熱安定性に優れたコンデンサであることがわかった。また、外観については、実施例1及び15の電解液を用いたコンデンサでは封口ゴム部のみで膨れが観察され、コンデンサ内部でのガス発生が示唆されたのに対し、実施例3及び4の電解液を用いたコンデンサではこのような膨れもなく、より熱安定性に優れていることがわかった。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、電気伝導率が高く、熱安定性に優れ、耐電圧性の高い電解コンデンサ用電解液が得られる。またこの電解コンデンサ用電解液を使用することにより、インピーダンスが低く、熱安定性に優れ、耐電圧性の高い電気化学素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解コンデンサの巻回型素子の斜視図である。
【図2】電解コンデンサの断面図である。
【図3】電解液の電気伝導率Xと電解コンデンサの耐電圧Yとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 陽極箔
2 陰極箔
3 セパレータ
4 リード線
5 封口材
6 外装ケース

Claims (12)

  1. テトラフルオロアルミン酸の第四級オニウム塩を含有する電解コンデンサ用電解液であって、第四級オニウム塩が、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級イミダゾリウム塩及び第四級アミジニウム塩からなる群より選択される1種以上であり、第四級オニウム塩を、電解液の総重量に対して、5〜40重量%で含有する、電解コンデンサ用電解液。
  2. 第四級オニウム塩の炭素数の和が、4〜12である、請求項記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 第四級オニウム塩の第四級オニウムイオンが、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリニウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム及び2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムからなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. 電解液が、溶媒を50重量%以上含有し、該溶媒が、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン、アルコール及び水からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. 溶媒が、スルホラン及び3−メチルスルホランからなる群より選択される1種以上を、溶媒の総重量に対して40重量%以上含む、請求項記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. 溶媒が、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド及びアルコールからなる群より選択される1種以上を、溶媒の総重量に対して、40重量%以上含む、請求項記載の電解コンデンサ用電解液。
  7. 溶媒が、γ−ブチロラクトン及びエチレングリコールからなる群より選択される1種以上を、溶媒の総重量に対して40重量%以上含む、請求項記載の電解コンデンサ用電解液。
  8. 溶媒がスルホラン及び/又はγ−ブチロラクトンであり、該溶媒にテトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムを、電解液の総重量に対して、5〜40重量%で添加する、請求項1〜のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液。
  9. 電解液が、更にニトロ化合物、リン化合物、ホウ素化合物、金属酸化物粒子、ポリアルキレングリコール及びシリコーンオイルからなる群より選択される1種以上の添加剤を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液。
  10. 電解液が、1重量%以下の水分を含有する、請求項1〜のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ。
  12. 電極表面に電気絶縁性の酸化皮膜を有する陽極側電極と、これにセパレータを介して対向配置された陰極側電極を有する電解コンデンサであって、該セパレータに保持される電解液が請求項1〜10のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液である、電解コンデンサ。
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