JP2007103502A - 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

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政幸 武田
Hiroo Miyauchi
博夫 宮内
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Abstract

【課題】電解コンデンサにおける陰極及び陽極からの液漏れの抑制を可能とする、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解液を提供する。
【解決手段】 本発明は、テトラフルオロアルミン酸イオンと、アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物とを含有する、電解コンデンサ用電解液に関し、またそれを用いた電解コンデンサに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液、具体的には、テトラフルオロアルミン酸イオンと、アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物とを含有する電解コンデンサ用電解液に関し、またそれを用いた電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、小型でありながら大きな静電容量を有する点に特徴があり、低周波のフィルターやバイパス用に多用されている。電解コンデンサは、一般に陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回し、これをケースに収納して密封した構造を有する。陽極電極箔には誘電体層として絶縁性酸化皮膜を形成したアルミニウムやタンタル等の金属が使用され、陰極電極箔にはエッチング処理を施したアルミニウム箔が一般に使用されている。そして、陽極と陰極の間に介在するセパレータには電解液が含浸されており、真の陰極として機能している。このため、電解液は電解コンデンサの特性に大きな影響を与える重要な構成物である。
近年、電気伝導率が高く、熱安定性に選れ、耐電圧性の高い電解コンデンサ用電解液として、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解コンデンサ用電解液が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところが、このテトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解液を使用した電解コンデンサの研究を進める中で、このような電解コンデンサには、従来から指摘されていた陰極からの液漏れの問題に加えて、従来、起こりえないと認識されていた陽極にも、厳密にいえば液漏れの問題があることがわかった。
特開2003−142346号公報
本発明者らは、陰極及び陽極からの液漏れの問題を解決することが、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解液を使用した電解コンデンサの一層の特性向上に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、テトラフルオロアルミン酸イオンと、アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物とを含有する、電解コンデンサ用電解液に関する。また、本発明は、陽極電極引出し手段を備えた陽極電極箔と、陰極電極引出し手段を備えた陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回し、かつ上記の電解液を含浸させてなるコンデンサ素子;コンデンサ素子を収納する外装ケース;及び外装ケースの開口部を封口する封口体;を有する、電解コンデンサに関する。
本発明の電解液によれば、陰極のみならず、陽極からの液漏れが著しく制御された電解コンデンサが得られる。
本発明は、テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解コンデンサ用電解液に、アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物を配合した電解液に関する。
アルミニウム錯体としては、例えばアルミニウムのアセチルアセトナト錯体、8−キノリノラト錯体、エチルアセトアセタート錯体、オキサラト錯体、ビス(エチルアセトアセタート)(アセチルアセトナト)等が挙げられる。好ましくは、アセチルアセトナト錯体、8−キノリノラト錯体である。
ホウ酸エステルとしては、ホウ酸のアルキルエステルが挙げられ、例えば炭素数1〜6の低級アルキルエステル、具体的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリ−n−ブチル、ホウ酸トリ−t−ブチル、ホウ酸トリーn―アミル等が挙げられる。好ましくは、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリーn−アミルである。
ケイ酸エステルは、例えばケイ酸のアルキルエステルが挙げられ、例えば炭素数1〜6の低級アルキルエステル、具体的には、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラ−n−プロピル、オルトケイ酸テトラ−n−ブチル等が挙げられる。好ましくは、オルトケイ酸テトラエチルである。
アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルは、各々単独でも、2種以上を併用してもよい。
アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物の含有量は、電解液の総重量中、0.1〜5重量%であることが好ましい。含有量がこの範囲にあると、陰極及び陽極からの液漏れに対して充分な抑制効果が得られる。含有量は、より好ましくは、0.2〜4重量%であり、さらに好ましくは0.4〜3重量%である。
テトラフルオロアルミン酸イオンを含有する電解コンデンサ用電解液は、例えば特開2003−142346号公報に記載されている。具体的には、アニオン成分の全部又はその一部にテトラフルオロアルミン酸イオン(AlF )を使用したものであり、アニオン成分のうちテトラフルオロアルミン酸イオンが5〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは30〜100モル%、特に好ましくは、50〜100モル%、最も好ましくは100モル%である。
テトラフルオロアルミン酸イオンは、塩の形態で電解液中に含有させることができる。テトラフルオロアルミン酸塩は、好適には第四級オニウム塩、アミン塩、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩からなる群より選択される1種以上である。
第四級オニウム塩の好適な例としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級イミダゾリウム塩及び第四級アミジニウム塩が挙げられる。
第四級アンモニウム塩の第四級アンモニウムイオンの好適な例としては、以下が挙げられる。
(i)テトラアルキルアンモニウム
例えば、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム、トリメチル−t−ブチルアンモニウム、トリメチル−n−ヘキシルアンモニウム、ジメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジメチルジイソプロピルアンモニウム、ジメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、メチルトリイソプロピルアンモニウム、メチルジ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチル−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、トリエチル−n−プロピルアンモニウム、トリエチルイソプロピルアンモニウム、トリエチル−n−ブチルアンモニウム、トリエチルイソブチルアンモニウム、トリエチル−t−ブチルアンモニウム、ジメチルジ−n−ブチルアンモニウム、ジメチルジイソブチルアンモニウム、ジメチルジ−t−ブチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチルエチルアンモニウム、ジメチルイソブチルエチルアンモニウム、ジメチル−t−ブチルエチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチルイソブチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチル−t−ブチルアンモニウム、ジメチルイソブチル−t−ブチルアンモニウム、ジエチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジエチルジイソプロピルアンモニウム、ジエチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、エチルトリ−n−プロピルアンモニウム、エチルトリイソプロピルアンモニウム、エチルジ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、エチル−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチル−n−プロピルアンモニウム、エチルジメチル−n−プロピルアンモニウム、エチルメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジエチルメチルイソプロピルアンモニウム、エチルジメチルイソプロピルアンモニウム、エチルメチルジイソプロピルアンモニウム、エチルメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、n−プロピルトリイソプロピルアンモニウム、ジ−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、トリ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、トリメチルヘプチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルノニルアンモニウム等が挙げられる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、炭素数の和が13以上のものも使用することができ、例えばトリメチルデシルアンモニウム、トリメチルウンデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム等が挙げられる。
(ii)芳香族置換アンモニウム
例えば、トリメチルフェニルアンモニウム等の炭素数の和が4〜12のもの、及び、テトラフェニルアンモニウム等の炭素数の和が13以上のものが挙げられる。
(iii)脂肪族環状アンモニウム
例えば、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、N,N−テトラメチレンピロリジニウム等のピロリジニウム;N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム、N,N−テトラメチレンピペリジニウム、N,N−ペンタメチレンピペリジニウム等のピペリジニウム;N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム等のモルホリニウムが挙げられる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、炭素数の和が13以上のものも使用することができる。
(iv)含窒素ヘテロ環芳香族化合物のイオン
例えば、N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−n−プロピルピリジニウム、N−イソプロピルピリジニウム、N−n−ブチルピリジニウム等のピリジニウムを挙げることができる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、炭素数の和が13以上のものも使用することができる。
第四級ホスホニウム塩の第四級ホスホニウムイオンの好適な例としては、テトラメチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム等を挙げることができる。これらはいずれも炭素数の和が4〜12であるが、炭素数の和が13以上のものも使用することができる。
第四級イミダゾリウム塩の第四級イミダゾリウムイオンの好適な例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,4−トリメチル−3−n−プロピルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリウム等を挙げることができる。これらは、いずれも炭素数の和が4〜12の第四級イミダゾリウムである。
なお、本発明の電解液には、炭素数の和が13以上の第四級イミダゾリウムも使用することができ、好適な例としては、1,3−ジメチル−2−n−ウンデシルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプタデシルイミダゾリウム等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基、エーテル基を含有する第四級イミダゾリウムも使用することができ、好適な例としては、2−(2′−ヒドロキシ)エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(2′−ヒドロキシ)エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−エトキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エトキシメチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等を挙げることができる。
第四級アミジニウムの好適な例としては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾリニウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,2,4−トリメチル−3−n−プロピルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリニウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウム;1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリエチルテトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−エチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2−ジエチル−3−メチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジエチル−2−メチルテトラヒドロピリミジニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネニウム−5、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセニウム−7等のテトラヒドロピリミジニウムを挙げることができる。これらは、いずれも炭素数の和が4〜12の第四級アミジニウムである。
なお、炭素数の和が13以上の第四級アミジニウムも使用することができ、好適な例としては、1,3−ジメチル−2−n−ウンデシルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプタデシルイミダゾリニウム等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基、エーテル基を含有する第四級アミジニウムも使用することができ、好適な例としては、2−(2′−ヒドロキシ)エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−(2′−ヒドロキシ)エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−エトキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−エトキシメチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等を挙げることができる。
電解液は、第四級オニウム塩以外にもアミン塩、アンモニウム塩(NH4 +AlF4 -)、アルカリ金属塩としてテトラフルオロアルミン酸イオンを含有することができる。
アミン塩のアミンの好適な例としては、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデン−7等の第三級アミンが挙げられる。また、上記の第三級アミン以外にも、第一級アミン、第二級アミンを使用することができ、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、イソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサメチレンイミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等を挙げることができる。アルカリ金属の好適な例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げることができる。
これらのカチオン成分の中でも、高い電気伝導率の電解液を得るという観点から、炭素数の和が4〜12である第四級オニウムが好ましく、なかでもテトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−プロピルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ペンチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−n−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−フェニル−3−メチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリニウム、1−フェニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−フェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム及び2−ベンジル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムからなる群より選択される1種以上の化合物であることが好ましく、更に好ましくは、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムであることが好ましい。
なお、電解液は、テトラフルオロアルミン酸イオン以外のアニオン成分を含むことができ、これらの具体的な例としては、例えば含フッ素無機イオンテトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロニオブ酸イオン、ヘキサフルオロタンタル酸イオン等の含フッ素無機イオン;フタル酸イオン、マレイン酸イオン、サリチル酸イオン、安息香酸イオン、アジピン酸イオン等のカルボン酸イオン;ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パーフルオロブタンスルホン酸等のスルホン酸イオン;ホウ酸イオン、リン酸イオン等の無機オキソ酸イオン;ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン、パーフルオロアルキルボレートイオン、パーフルオロアルキルホスフェートイオン等を挙げることができる。塩としては、フタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等を併用することができる。例えば、テトラフルオロアルミン酸塩とフタル酸水素塩、マレイン酸水素塩等を併用する場合、テトラフルオロアルミン酸塩が主体となることが好ましく、塩の総重量に対して、テトラフルオロアルミン酸塩が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上であり、比率は高い程、好ましい。
テトラフルオロアルミン酸塩を電解コンデンサに用いる場合には、高純度である必要があるため、塩は必要により再結晶や溶媒抽出等により所望の純度にまで精製して使用される。
テトラフルオロアルミン酸イオンは、テトラフルオロアルミン酸塩の含有量として、電解液中、5〜40重量%であることが好ましい。含有量がこの範囲にあると、電気伝導率が良好で、かつ粘性が適切で、低温での塩の析出も抑制できる。含有量は、更に好ましくは10〜35重量%である。ただし、一般に、低濃度になるほど電解コンデンサ用電解液の耐電圧は増加する傾向にあるので、所望のコンデンサの定格電圧によって最適な濃度を決定することができる。ただし、本発明の電解液は、塩を50%以上含有する濃厚溶液であってもよく、常温溶融塩であってもよい。
電解液は、さらに優れた電気伝導率、熱安定性、耐電圧性を有する電解液を得る観点から、溶媒を50重量%以上含有することが好ましい。該溶媒は、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン、アルコール及び水からなる群より選択される1種以上が挙げられるが、電解液に使用した場合に、経時的に安定した特性を示す傾向がある、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド、スルホン及びアルコールから選択することが好ましい。溶媒として、水を用いる場合は、他の溶媒と組合せて、溶媒の一部として用いることが好ましい。
そのような溶媒の具体的な例としては、以下が挙げられる。鎖状炭酸エステル(例えば、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル)、環状炭酸エステル(例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル)等の炭酸エステル;脂肪族カルボン酸エステル(例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等)、芳香族カルボン酸エステル(例えば、安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル等)、ラクトン(例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等)等のカルボン酸エステル;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル等のニトリル;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等のスルホン;エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル;ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができる。
なお、導電性により優れる電解液を得る点からは、溶媒として25以上の比誘電率(ε、25℃)を有する非水系溶媒を好ましく用いることができ、また、安全性の観点から、溶媒として70℃以上の引火点を有する非水系溶媒を好ましく用いることもできる。
熱安定性により優れる電解液を得る点からは、沸点250℃以上、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上である溶媒を、溶媒の総重量に対して、25重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上含む。このような溶媒の例としては、スルホンを挙げることができ、特にスルホラン、3−メチルスルホランが好ましい。このような溶媒を電解液に組合せて用いることにより、環境温度110〜150℃での動作を1000時間以上保証する、低インピーダンスで高耐電圧な電解コンデンサが得られる。
また、より低インピーダンスの電解コンデンサを得る点からは、沸点190℃以上、250℃未満、融点−60〜40℃、及び誘電率(ε、25℃)25以上である溶媒を、溶媒の総重量に対して、25重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上含む。このような溶媒の例としては、炭酸エステル、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ニトリル、アミド及びアルコールを挙げることができ、特にγ−ブチロラクトン、エチレングリコールが好ましい。このような溶媒を電解液に組合せて用いることにより、極めて低インピーダンスで高電圧な電解コンデンサが得られる。
熱安定性の点からは、溶媒がスルホランであり、テトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムを、電解液中、5〜40重量%で添加した電解液が好ましく、低インピーダンスの電解コンデンサを得ることができる点から、溶媒がγ−ブチロラクトンであり、テトラフルオロアルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム又はテトラフルオロアルミン酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムを、電解液中、5〜40重量%で添加した電解液が好ましい。ただし、スルホランとγ−ブチロラクトンを併用した溶媒も好ましい。
電解液には、塩及び溶媒の他にも種々の添加物を用いてもよい。電解液に添加物を加える目的は多岐に渡り、電気伝導率の向上、熱安定性の向上、水和や溶解による電極劣化の抑制、ガス発生の抑制、耐電圧の向上、濡れ性の改善等を挙げることができる。添加物の含有量は特に限定されないが、0.1〜20重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10重量%の範囲であることがより好ましい。
そのような添加物の例としては、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸等のニトロ化合物;リン酸ジブチル、リン酸モノブチル、リン酸ジオクチル、オクチルホスホン酸モノオクチル、リン酸等のリン化合物;ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリン、マンニトール、ポリビニルアルコール等)との錯化合物;シリカ、アルミノシリケート等の金属酸化物微粒子;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール及びその共重合体、シリコーンオイル等の界面活性剤等を挙げることができる。
電解液は、これに高分子化合物を添加することにより固体化して、いわゆるゲル化電解液として使用してもよい。このようなゲル化電解液に使用される高分子の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート等を挙げることができる。
なお、電解液中の水分含量は、ライフ特性の点から、小さい程好ましく、具体的には1重量%以下に制御することが好ましく、より好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.1重量%である。
本発明はまた、本発明による電解液を使用した電解コンデンサを提供する。電解コンデンサの例としては、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、ニオブ電解コンデンサを挙げることができるが、アルミニウム電解コンデンサが特に好ましい。電解コンデンサの構造や材質は、本発明による電解液を使用するものである限り、特に制限されない。従って、従来から使用されている電解コンデンサや新たに提案されている電解コンデンサに本発明の電解液を使用する場合は、全て本発明の範囲内に含まれる。
以下、代表例としてアルミニウム電解コンデンサについて、図1及び2に示すような構造に基づき説明する。
アルミニウム電解コンデンサは、以下のようにして製造する。まず、コンデンサ素子1を、陽極電極箔2と陰極電極箔3とをセパレータ11を介して巻回して形成する。陽極電極箔2、陰極電極箔3には、図2に示すように陽極引出し手段及び陰極引出し手段である、リード線4及びリード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4及びリード線5は、それぞれの箔と接続する接続部7、接続部7と連続した丸棒部6、及び丸棒部6に溶接された外部接続部8より構成されている。なお、それぞれの箔とリード線はステッチ法や超音波溶接等により機械的に接続されている。
上記のようなコンデンサ素子1に本発明の電解液を含浸し、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口端部に、リード線4、5を導出する貫通孔を有する封口体9を挿入し、さらに外装ケース10の端部を加締めることにより電解コンデンサの封口を行って、アルミニウム電解コンデンサを得ることができる。
以下に、アルミニウム電解コンデンサの各構成部分について、具体的に説明する。陽極電極箔は、特に限定されず、例えば純度99.9%以上のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的又は電気化学的なエッチングにより拡面処理した後、電解質として、リン酸二水素アンモニウム又はリン酸水素二アンモニウム等を含むリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等を含むホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等を含むアジピン酸系の化成液等の中で化成処理を行い、その表面に酸化アルミニウム皮膜層を形成したものを用いることができる。
陰極電極箔は、特に限定されず、例えば陽極電極箔と同様に純度99.9%以上のアルミニウム箔をエッチングしたものを用いることができる。また、陰極電極箔の表面の一部又は全部に、金属窒化物又は金属からなる皮膜を形成したものも用いることができる。このような陰極電極箔は、例えば特開2004−165203号公報に記載されている。具体的には、金属窒化物としては、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブ等が、金属としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブ等が挙げられ、皮膜の厚みとしては、0.02〜0.1μmが挙げられる。さらに、銅、鉄、マンガン、スズ、チタンのうち1種又は2種以上を含む純度99.9%未満のアルミニウムからなる陰極電極箔も、純度99.9%以上のアルミニウムを用いた陰極電極引出し手段との組み合わせにおいて使用することができる。このような陰極電極箔は、例えば特開2004−165204号公報に記載されている。
セパレータは、特に限定されず、例えばマニラ紙、クラフト紙等の紙を用いることができることができる。また、セパレータには、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不織布を用いることもできる。
陽極電極引出し手段であるリード線及び陰極電極引出し手段であるリード線は、特に限定されず、断続的にプレス加工したアルミニウム線材を、所定の寸法に裁断して形成した丸棒部及び接続部からなるアルミニウム導体を作成し、その後に化成処理を行って、表面に陽極酸化皮膜を形成する。その後に、このアルミニウム導体の端面に、銅メッキ鉄鋼線(CP線)からなる外部接続部を溶接して構成することができる。電極引出し手段には、純度99.9%以上のアルミニウムを使用することができ、液漏れ防止の観点からは、電極箔と純度が同等であるか、又はより高いことが好ましい。
なお、電解コンデンサの液漏れ特性向上の点から、陰極電極引出し手段であるリード線は、コンデンサ素子が外装ケースに挿入・封口されたときに、封口体との接触部分にセラミックコーティング層及び/又は絶縁性合成樹脂層が存在するよう、加工されていることが好ましい。このような加工は、例えば特開2004−165206号公報及び特開2004−165207号公報に記載されている。
陰極電極引出し手段であるリード線へのセラミックコーティング層は、例えば上記のように表面に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム導体の丸棒部に、金属アルコキシド系セラミックスからなるコーティング剤を吐出、コートし、その後熱処理し、次いで再度前記コーティング剤を吐出、コートした後、再び熱処理することにより形成することができる。
金属アルコキシド系セラミックスに用いるセラミックスとしては、Al、SiO、ZrO、TiO、MgO、HBO、Cr、BaTiO、PbTiO、KTaO等が挙げられる。なお、ここで用いられるセラミックスとしては、コーティング特性を考慮すると、Al、SiO、ZrOの中から選ばれた一種又は二種以上であることが好ましく、さらに、強度を考慮すると、Al、SiOからなる混合物を用いることが好ましい。
また、陰極電極引出し手段であるリード線への絶縁性合成樹脂層の形成にあたっては、絶縁性の合成樹脂材料として、例えば、エポキシ、フェノール、フラン、メラミン、キシレン、グアナミン樹脂等の熱硬化性樹脂、フッ素、ブタジエン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルホルマール、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ケトン、クマロン、MBS樹脂等の熱可塑性樹脂等を使用することができる。そしてこれらのものには、10重量%以下の割合で、例えばシラン系、チタネート系等のカップリング剤を配合して使用してもよい。
絶縁性合成樹脂層層は、例えば上記のように表面に陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム導体の丸棒部に、カップリング剤を塗布乾燥してカップリング剤層を形成した後、あるいはカップリング剤を適用せず、加熱もしくは適当な溶剤によって調整された絶縁性合成樹脂の液状溶融物からなるコーティング剤を、吐出、コートし、その後乾燥処理することにより形成することができる。あるいは、熱溶融性の合成樹脂フィルムを成形したものを丸棒部に適用した後、加熱処理して形成してもよい。
なお、本発明においては、陰極引出し手段であるリード線のみならず、陽極引出し手段あるリード線にも同様の処理を行い、セラミックコーティング層又は絶縁性合成樹脂層を形成することが、液漏れの防止の点から、好ましい。これらの層は、厚み5〜30μmとすることができ、好ましくは10〜20μmである。
上記のようにして得られるコンデンサ素子に本発明の電解液を含浸させ、外装ケースに挿入・封口することができる。ただし、本発明においては、陽極電極箔表面の酸化皮膜層の亀裂や損傷部分を修復する点から、電解液の含浸に先立ち、コンデンサ素子を化成液に浸漬し、修復化成を行うことが好ましい。
修復化成の化成液としては、特に限定されず、陽極電極箔の化成に用いられる化成液を用いることができる。具体的には、電解質として、リン酸二水素アンモニウム又はリン酸水素二アンモニウム等を含むリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等を含むホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等を含むアジピン酸系の化成液が挙げられる。なかでも、リン酸系化成液を用いることが好ましい。化成液の濃度もまた、従来、陽極電極箔の化成に用いられる化成液の濃度とすることができ、例えば、電解質を0.01〜1重量%含む水溶液とすることができる。なお、修復化成の化成液は、コンデンサ素子の陽極電極箔の化成に用いた化成液と同じであっても、異なっていてもよい。
修復化成は公知の手段により行うことができ、例えばコンデンサ素子に化成液を含浸させた後、陽極に電圧印加して行うことができる。修復化成は、定格電圧以上、陽極電極箔化成電圧以下で行うことができ、化成時間は、5〜120分とすることができる。
修復化成したコンデンサ素子を、洗浄し、乾燥させてから、電解液を含浸させることが好ましい。
電解液を含浸させたコンデンサ素子を、外装ケースに挿入し、ケースの開口部を封口する。例えば、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部にブチルゴム製の封口体を挿入し、更に外装ケースの端部を絞り加工して電解コンデンサの封口を行うことによりアルミニウム電解コンデンサを得ることができる。封口体の表面をフッ素樹脂等でコーティングしたり、フェノール樹脂等の板を貼り付けると溶媒蒸気の透過性が低減するので更に好ましい。このようにし得られた電解コンデンサは、その後、必要に応じて、再化成に付すことができる。
以上、図1及び2に示すようなアルミニウム電解コンデンサを例にとって本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されず、説明中の材料、形状、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明の範囲は、これらの実施例により限定されるものではなく、実施例中の材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
〔実施例1〜4、比較例1〕
γ−ブチロラクトンに、テトラフルオロアルミン酸1−エチルー2,3−ジメチルイミダゾリニウムを溶解し、濃度25重量%の電解液を調製し、これを100重量%として、さらに表1に示す量の物質を添加して(比較例1は添加せず)電解液を調製し、実施例1〜4、比較例1の電解コンデンサを製造した。
電解コンデンサは、以下のようにして製造した。陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成した。
陽極電極箔は、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチングして拡面処理した後、化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用い、陰極電極箔は、純度99.9%のアルミニウム箔を、陽極電極箔と同様にエッチングしたものを用いた。
陰極電極引出し手段及び陽極電極引出し手段として、電極箔に当接する接続部と、この接続部と一体に形成した丸棒部、及び丸棒部の先端に固着した外部接続部からなる、リード線を準備した。リード線の接続部及び丸棒部は99.9%のアルミニウム、外部接続部はCP線からなる。リード線の丸棒部の表面には、AlとSiOの金属アルコキシド系セラミックスからなるコーティング剤を用いて厚み15μmのセラミックコーティング層を形成したものを用いた。
これらのリード線を、接続部7において両極電極箔に接続した。
コンデンサ素子に、実施例1〜4、比較例1の電解液をそれぞれ含浸させ、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口部に過酸化物加硫ブチルゴムからなる封口体を装着するとともに、外装ケースの端部に絞り加工を施して外装ケースを密封し、再化成処理を行い、電解コンデンサ(使用定格電圧:6.3V、静電容量:220μF、サイズ:φ6.3×6L)を得た。
〔液漏れの測定〕
これらの電解コンデンサについて、液漏れ状況を測定した。測定方法は、以下のとおりである。電解コンデンサを、85℃/85%RHで500時間及び1000時間放置した後に、EIAJ RC−2372 付属書2「判定基準」に基づき液漏れを判定した。液漏れは、同判定基準のC、Dの判定に対応する。
Figure 2007103502
これらの結果より、本発明の電解液によれば、電解コンデンサの陰極側及び陽極側のいずれにおいても、液漏れが抑制されていることがわかる。
電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。 コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 陽極電極箔
3 陰極電極箔
4 陽極引出し用のリード線
5 陰極引出し用のリード線
6 丸棒部
7 接続部
8 外部接続部
9 封口体
10 外装ケース
11 セパレータ

Claims (11)

  1. テトラフルオロアルミン酸イオンと、アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物とを含有する、電解コンデンサ用電解液。
  2. アルミニウム錯体が、アセチルアセトナト錯体、8−キノリノラト錯体、エチルアセトアセタート錯体、オキサラト錯体又はビス(エチルアセトアセタート)(アセチルアセトナト)である、請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. ホウ酸エステルが、ホウ酸の炭素数1〜6の低級アルキルエステルである、請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  4. ケイ酸エステルが、ケイ酸の炭素数1〜6の低級アルキルエステルである、請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  5. アルミニウム錯体、ホウ酸エステル及びケイ酸エステルよりなる群から選択される1種以上の化合物を、電解液の総重量中、0.1〜5重量%で含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液。
  6. テトラフルオロアルミン酸イオンを、テトラフルオロアルミン酸の第四級オニウム塩、アミン塩、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩からなる群より選択される1種以上の塩の形態で含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の電解コンデンサ用電解液。
  7. 陽極電極引出し手段を備えた陽極電極箔と、陰極電極引出し手段を備えた陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回し、かつ請求項1〜6のいずれか1項の電解液を含浸させてなるコンデンサ素子;
    コンデンサ素子を収納する外装ケース;及び
    外装ケースの開口部を封口する封口体;
    を有する、電解コンデンサ。
  8. 陰極電極箔の表面の一部又は全部に、金属窒化物又は金属からなる皮膜を形成したものである、請求項7記載の電解コンデンサ。
  9. 陽極電極引出し手段及び/又は陰極電極引出し手段が、封口体との接触部分の少なくとも一部にセラミックコーティング層及び/又は絶縁性合成樹脂層を備えたものである、請求項7又は8記載の電解コンデンサ。
  10. コンデンサ素子が、陽極電極引出し手段を備えた陽極電極箔と、陰極電極引出し手段を備えた陰極電極箔とを、セパレータを介して巻回した後、電解液の含浸前に、化成液に浸漬し、修復化成したコンデンサ素子である、請求項7〜9のいずれか1項記載の電解コンデンサ。
  11. アルミニウム電解コンデンサである、請求項7〜10のいずれか1項記載の電解コンデンサ。
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