JP4357018B2 - ハロゲン化ガスの処理剤を用いた無害化方法 - Google Patents

ハロゲン化ガスの処理剤を用いた無害化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーフルオロ化合物(PFCs)、ハイドロフルオロ化合物(HFCs)、クロロフルオロカーボン(CFCs)及びハイドロクロロフルオロカーボン(HCFCs)などの有機ハロゲン化合物や、SF6 ,NF3 などの無機ハロゲン化合物など(特にフッ素、塩素を含有するハロゲン化合物)を、効率良く高い分解率で分解し、無害化するための処理剤及びその製造方法、並びにこの処理剤を用いたハロゲン化ガスの無害化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体工場のエッチングプロセスやCVDプロセスから排出されるガス中には、フッ素などのハロゲンを含む化合物が存在する。具体的には、CF4 ,C2 6 .C3 8 ,SF6 、NF3 ,CHF3 などのPFCs及びHFCsなどの化合物が含まれている。また、冷蔵庫やカークーラーなどの冷媒には、CCl2 2 やCHClF2 などのフロンガスが使われており、冷蔵庫や自動車を廃棄する時にその処理が問題となっている。
エッチングプロセスやCVDプロセスからの排ガス中のPFCs及びHFCsなどは、洗浄剤や冷媒に比較して使用量が僅かであることや、NF3 を除いて人体に対して害が少ないことから、かつては大気に放出されて、地球温暖化に影響を及ぼしてきたが、現在では種々の対策がとられている。一方、CFCsやHCFCsなども、オゾン破壊係数が大きいため、オゾン層を保護するべく様々な対策がとられていることは周知のとおりである。
【0003】
上記の対策の中でも、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を用いた固体状の処理剤あるいはこれらの水溶液で、ハロゲン化ガスを反応(吸着、吸収)、熱分解することは、よく知られた方法である。
しかし、このような処理剤でハロゲン化ガスを熱分解する場合、900〜1200℃という高温を必須とするなどの問題がある。特に、CF4 などは非常に安定であり、熱分解が困難である。また、熱分解により、有害な酸性ガスや酸化性ガスが発生するなどの問題も生じている。
このように、ハロゲン化ガスを完全に無害化し、処理し得る方法はいまだなく、また、ガス中のハロゲン化合物の濃度に関係無く処理し得る方法も見当たらず、上記のような問題点を解決できる技術が期待されている。
【0004】
従って、本発明の目的は、PFCs,HFCs,HCFCs及びCFCsなどのハロゲンを含む化合物を効率良くしかも比較的低温で分解でき、且つその分解生成物である有害物質も無害化でき、また除害装置と組み合わせることにより、長期間にわたり運転が可能で、ガス中のハロゲン化合物の濃度に関係無く連続的に処理できるハロゲン化ガスの無害化方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の化合物を含有し且つ特定の条件下で焼成して調製した酸化カルシウム及び酸化マグネシウムが、ハロゲン化ガスを高い分解率で処理し得ることを知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記のハロゲン化ガス処理剤のうち、アルカリ土類金属塩化物を含有し、窒素雰囲気下で焼成することによって調製した酸化マグネシウムからなる処理剤を用いたハロゲン化ガスの無害化方法を提供するものである。
【0006】
「アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物及びアルカリ金属フッ化物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有し、窒素雰囲気下で焼成することによって調製した酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムからなる、ハロゲン化ガス処理剤。」
【0008】
本発明のハロゲン化ガスの無害化方法は、上記の本発明のハロゲン化ガス処理剤と接触させて、CF 4 分解処理することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のハロゲン化ガス処理剤、該処理剤の製造方法及び該処理剤を用いたハロゲン化ガスの無害化方法について詳述する。
本発明のハロゲン化ガス処理剤を構成する酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムは、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物及びアルカリ金属フッ化物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有するものであるが、この「アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物及びアルカリ金属フッ化物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する酸化カルシウムまたは酸化マグネシウム」とは、炭酸カルシウム若しくは水酸化カルシウムや、炭酸マグネシウム若しくは水酸化マグネシウムなどの原料を用いて酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムを製造する際、上記原料に上記塩化物またはフッ化物を添加した後、焼成して得られる酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムであり、上記原料を焼成して得た酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムに上記塩化物またはフッ化物を後添加したものは含まない。
【0010】
本発明のハロゲン化ガス処理剤の好ましい実施形態としては、例えば、下記▲1▼〜▲4▼のハロゲン化ガス処理剤が挙げられる。
▲1▼アルカリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物の少なくとも1種を含有する酸化カルシウムであって、窒素雰囲気下で焼成することによって調製したハロゲン化ガス処理剤。
▲2▼アルカリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物の少なくとも1種を含有する酸化マグネシウムであって、窒素雰囲気下で焼成することによって調製したハロゲン化ガス処理剤。
▲3▼アルカリ金属フッ化物の少なくとも1種を含有する酸化カルシウムであって、窒素雰囲気下で焼成することによって調製したハロゲン化ガス処理剤。
▲4▼アルカリ金属フッ化物の少なくとも1種を含有する酸化マグネシウムであって、窒素雰囲気下で焼成することによって調製したハロゲン化ガス処理剤。
本発明のハロゲン化ガス処理剤を上記▲1▼〜▲4▼の好ましい実施形態についてその製造方法とともに以下に説明する。
【0011】
まず、上記実施形態▲1▼について説明する。
酸化カルシウムは、市販されており簡単に入手できるが、これらの市販品は空隙率が小さく、比表面積も大きくないこともあって、反応性に乏しい。これは、酸化カルシウムの一般的な工業上の製法によるところと思われる。即ち、石灰石(主成分は炭酸カルシウム)を、空気中1000℃以上の温度で塊状のまま長時間焼成しているため、結晶が焼結して、充分な空隙や表面活性を得られなくなっているからである。
本実施形態▲1▼のハロゲン化ガス処理剤は、上述のように、原料の焼成時前に原料にアルカリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物を添加し、窒素雰囲気下で焼成することにより、焼成時の結晶の焼結を抑制し、ハロゲン化ガスに対して高反応性で、ハロゲン化ガスを高い分解率で処理し得るようになしたものである。
【0012】
上記塩化物の添加量は、生成する酸化カルシウムの理論量に対して、アルカリ金属塩化物では0.01〜7.0重量%、特に0.09〜5.0重量%の範囲が好ましく、またアルカリ土類金属塩化物では0.01〜10重量%、特に0.09〜5.0重量%の範囲が好ましい。これより多いと、ポーラスで反応性の高い生成物が得られ難く、ガスの分解効率も悪くなる。また、これより少ない場合も、有効な生成物が得られ難い。
【0013】
上記アルカリ金属塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好ましく、上記アルカリ土類金属塩化物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウムが好ましい。
また、上記塩化物が添加される原料としては、炭酸カルシウムの他、水酸化カルシウムなどが用いられる。
【0014】
また、上記窒素雰囲気下での焼成は、通常、900〜1100℃で2〜5時間行うことが好ましいが、水酸化カルシウムを原料とする場合は、600℃程度で焼成可能である。
【0015】
本実施形態▲1▼のハロゲン化ガス処理剤は、単に炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを焼成しただけの酸化カルシウムに比べて比表面積が格段に増加している。
例えば、粒状の炭酸カルシウム1kgに塩化ナトリウム5g(0.9重量%/CaO)を添加した混合物を、電気炉に入れ(昇温速度200℃/hr)、窒素雰囲気下900℃で焼成することによって調製したハロゲン化ガス処理剤は、比表面積7〜8m2 /g(BET法)、空隙率55〜65%(水銀圧入法)となり、塩化物を添加せずに調製した酸化カルシウムに比べて比表面積が3〜4倍に増加している。
また、塩化ナトリウムの代わりに塩化マグネシウムを0.9重量%添加して、上記と同様の条件下で焼成したものも、ほぼ同じ位の比表面積と空隙率とが得られ、ハロゲン化ガスに対して高反応性である。
また、本実施形態▲1▼のハロゲン化ガス処理剤は、市販の酸化カルシウムに上記塩化物を後添加して調製したものに比べても高反応性である。
【0016】
次に、上記実施形態▲2▼について説明する。
本実施形態▲2▼のハロゲン化ガス処理剤は、原料として炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いた以外は、上記実施形態▲1▼のハロゲン化ガス処理剤と同様な工程で調製されたものである。
【0017】
本実施形態▲2▼における上記塩化物の添加量は、生成する酸化マグネシウムの理論量に対して、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物の何れにおいても0.05〜10重量%、特に0.09〜5.0重量%の範囲が好ましい。
また、窒素雰囲気下での焼成は、通常、600〜900℃で1〜5時間程度行えば良い。
【0018】
次に、上記実施形態▲3▼について説明する。
本実施形態▲3▼のハロゲン化ガス処理剤は、上記塩化物の代わりにアルカリ金属フッ化物を用いた以外は、上記実施形態▲1▼のハロゲン化ガス処理剤と同様な工程で調製されたものである。
【0019】
本実施形態▲3▼における上記アルカリ金属フッ化物の添加量は、生成する酸化カルシウムの理論量に対して、0.01〜10重量%、特に0.05〜5.0重量%の範囲が好ましい。
上記アルカリ金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウムが好ましい。
また、窒素雰囲気下での焼成は、通常、900〜1100℃で1〜5時間程度行えば良い。
【0020】
次に、上記実施形態▲4▼について説明する。
本実施形態▲4▼のハロゲン化ガス処理剤は、原料として炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いた以外は、上記実施形態▲3▼のハロゲン化ガス処理剤と同様な工程で調製されたものである。
【0021】
本実施形態▲4▼におけるアルカリ金属フッ化物の添加量は、生成する酸化マグネシウムの理論量に対して、0.01〜10重量%、特に0.05〜5.0重量%の範囲が好ましい。
また、窒素雰囲気下での焼成は、通常、600以上で1〜5時間程度行えば良い。
【0022】
本発明のハロゲン化ガス処理剤は、単独で用いても良いし、また2種以上混合して使用しても良い。また、ハロゲン化ガスとの接触において、特定の処理剤のひとつを前段、それ以外の他の処理剤を後段に配置して順次接触させるなど、組み合わせによる使用もできる。
本発明のハロゲン化ガス処理剤により処理されるハロゲン化ガスとしては、CF4 ,C2 6 ,C3 8 ,CHF3 ,CCl2 2 ,CHClF2 ,SF6 及びNF3 のうちの少なくとも1種を含むガスが挙げられる。
本発明のハロゲン化ガス処理剤と上記ハロゲン化ガスとを接触させる温度は、200〜900℃が好ましく、特に好ましくは300〜800℃である。最も安定なCF4 も、800℃でほぼ完全に分解できる。本発明のハロゲン化ガス処理剤と上記ハロゲン化ガスとの反応は、200℃以上で速やかに進む。
【0023】
次に、本発明のハロゲン化ガス処理剤を除害装置と組み合わせることにより、ハロゲン化ガスを無害化する本発明の無害化方法について説明する。
上記除害装置としては、例えば、本発明のハロゲン化ガス処理剤の1種以上を充填し得るガス反応部を有し、この反応部内の温度を測定・制御するための計器と、外部加熱するための電気炉を設置したものが挙げられ、さらに、反応部通過後のガスについて、未反応のハロゲン化合物を検知するための赤外線吸収式検知器を設置したものが好ましい。これにより、排出ガス中の未反応のハロゲン化合物を上記検知器が感知するため、処理剤の劣化状況がわかり、処理剤の交換又は供給時期を外部からモニタリングすることができる。
【0024】
また、反応部は反応器2塔を並列に並べておき、1塔をまず使用し、そして、検知器が排出ガス中の未反応ハロゲン化合物を感知すると、ガス導入バルブが、未使用であったもう1塔へと切り替わり、ガスをそちらへ導入することができるように制御システムを組んだものが好ましい。バルブが切り替わった後は、使用済の反応器の処理剤を交換することができるため、ハロゲン化ガス無害化処理の連続運転が可能となる。
【0025】
また、反応器1塔で処理する場合は、処理剤供給部と処理剤排出部とを装備しておき、検知器が排出ガス中の未反応ハロゲン化合物を検知すると自動的に処理剤排出部から反応器中の使用済処理剤が系外へ排出され、処理剤供給部から処理剤を供給することにより、連続的又は断続的に処理することができるようにすると良い。
【0026】
処理剤供給部は反応器内へ処理剤を供給するための装置であり、具体的には処理剤定量供給部、処理剤搬出部及び処理剤貯蔵部で構成される。処理剤定量供給部は定量供給するための装置とそれを自動供給するための自動バルブなどが設置されており、排出ガス中のハロゲン化合物を検知器でモニターし、所定の濃度に達すると処理剤を自動供給する。処理剤搬出部は処理剤を貯蔵部から定量供給部へ搬出するためのものであり、例えば、スクリューフィーダ式、ブロー式及びエンドレスベルト式などの方法があり、特に限定されるものではない。処理剤貯蔵部は、反応器へ処理剤を供給するための保管庫であり、処理剤が貯蔵できる容器であれば、材質、形状、大きさなど、限定されるものではない。
【0027】
使用済み処理剤は、処理剤排出部により、系外へ排出される。処理剤排出部は排出部、搬出部及び廃剤貯蔵部で構成され、排出部は振動式、スクリューフィーダ式、ロータリーまたはロールフィーダ式、テーブルフィーダ式、ベルトフィーダ式などの方法により、廃剤を反応器より排出し、前述した搬出部により廃剤貯蔵部へ送出される。廃剤貯蔵庫は廃剤が保管できる容器であれば、材質、形状、大きさなど、限定されるものではない。これらの廃剤排出においても、ガス検知と組み合わせることにより、自動的に排出することができる。これらの方法は一例であり、特に限定されるわけではない。
このようにして、長期間にわたり運転が可能となり、供給ガス中のハロゲン化合物の濃度に関係無く、ハロゲン化ガスを連続的に処理できる。
【0028】
上記のような除害装置に充填した本発明のハロゲン化ガス処理剤とハロゲン化ガスとの接触は、好ましくは200〜900℃、より好ましくは300〜800℃の温度下に行う。このように本発明のハロゲン化ガス処理剤とハロゲン化ガスとを接触させることにより、CF4 ,C2 6 ,C3 8 ,SF6 ,NF3 ,CHF3 ,CCl2 2 及びCHClF2 などを1種以上含むハロゲン化ガスを、分解率99.9%以上で処理することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに説明する。
尚、下記の実施例及び試験例のうち、実施例6及び7が本発明に係るハロゲン化ガス処理剤の製造例であり、試験例15〜17が本発明の実施例である。これら以外の実施例及び試験例は参考例である。
【0030】
実施例1
粒状に粉砕して粒径3〜6mmに櫛別したCaCO3 2kgに、NaClを0.09重量%添加、混合したものを、N2 雰囲気下、毎時200℃で昇温後、900℃にて5時間焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0031】
実施例2
1100℃にて焼成した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0032】
実施例3
CaCO3 の代わりにCa(OH)2 を用いて、600℃にて焼成した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0033】
実施例4
NaClの代わりにKClを添加した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0034】
実施例5
NaClの代わりにCaCl2 を添加した以外は、実施例1と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0035】
比較例1
粒状に粉砕したCaCO3 を、空気中で600℃にて焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0036】
比較例2
900℃にて焼成した以外は、比較例1と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0037】
比較例3
粒状に粉砕したCaOを、N2 雰囲気下900℃にて焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0038】
比較例4
粒状に粉砕したCa(OH)2 にNaClを0.09重量%添加、混合したものを、空気中で600℃にて焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0039】
比較例5
粒状に粉砕したCaCO3 にNaClを0.09重量%添加、混合したものを、空気中で900℃にて焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0040】
実施例6
粒状に粉砕して粒径3〜6mmに櫛別したMgCO3 2kgに、CaCl2 を5.0重量%添加、混合したものを、N2 雰囲気下600℃にて5時間焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0041】
実施例7
MgCO3 の代わりにMg(OH)2 を用いた以外は、実施例6と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0042】
比較例6
粒状に粉砕したMgOを、N2 雰囲気下600℃にて焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0043】
実施例8
粒状に粉砕して粒径3〜6mmに櫛別したCaCO3 2kgに、NaFを0.05重量%添加、混合したものを、N2 雰囲気下、毎時200℃で昇温後、1000℃にて5時間焼成し、ハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0044】
実施例9
CaCO3 の代わりにCa(OH)2 を用いて、900℃にて焼成した以外は、実施例8同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0045】
実施例10
NaFの代わりにLiFを添加した以外は、実施例8と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0046】
実施例11
NaFの代わりにKFを添加した以外は、実施例8と同様にしてハロゲン化ガス処理剤を調製した。
【0047】
上記実施例1〜11における原料、添加物及びその添加量、並びに焼成条件(雰囲気及び温度)を下記〔表1〕に、また上記比較例1〜6における原料、添加物及びその添加量、並びに焼成条件(雰囲気及び温度)を下記〔表2〕に、それぞれまとめて示した。
【0048】
【表1】
Figure 0004357018
【0049】
【表2】
Figure 0004357018
【0050】
次に、上記の実施例1〜11及び比較例1〜6で得られたハロゲン化ガス処理剤を用いてハロゲン化ガスを処理した試験例及び比較試験例を示す。
<試験例及び比較試験例の基本操作>
反応器として、内径42mm、長さ1000mmのSUS製のパイプを垂直にセットし、各種処理剤を充填した反応器の底部から上部へ、種々のハロゲン化ガスを希釈用窒素ガスを混合して導入した。反応器は、電気炉で外部加熱し、内部温度200℃〜800℃になるように温度を調節した。
反応器の入口側には、ハロゲン化ガスと窒素ガスの充填ボンベを取り付け、圧力調整器で減圧し、混合ガスの流量を500ml/minとして、10分間導入した。また、反応器の出口には排出ガスを分析するために主幹ラインを分岐してサンプリングポートを設置した。サンプリングポートより採取した排出ガスは、ガスクロマトグラフィーで分析した。導入ガスまたは排出ガスの流量は、乾式ガスメーターで測定した。
また、反応器への処理剤の充填方法は、反応器の底部にSUSメッシュ及び金網を詰めた後、粒径3.5〜5.5mmの処理剤700gを充填した。
ハロゲン化ガスの分解効率(%)は、次の式により求めた。
〔1−(排出ガス中の未分解ハロゲン化合物の量/導入したハロゲン化合物の量)〕×100
【0051】
試験例1〜12
下記〔表3〕に示すハロゲン化ガス処理剤、ハロゲン化ガス種、ハロゲン化ガス導入量、窒素導入量及び反応温度により、上記基本操作をそれぞれ実施し、サンプリングポートより採取した排出ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、ハロゲン化ガスの分解率を求めた。その結果を下記〔表3〕に示した。
下記〔表3〕に示す結果から明らかなように、本発明のハロゲン化ガス処理剤により処理された排ガスには、ハロゲン化合物はガスクロマトグラフィーの分析で検出されず(検出下限:0.01%)、排ガスの主成分はCO2 ,N2 又はSO2 及びNO2 などであった。
【0052】
【表3】
Figure 0004357018
【0053】
試験例13及び14
下記〔表4〕に示すハロゲン化ガス処理剤、ハロゲン化ガス種、ハロゲン化ガス導入量、窒素導入量及び反応温度により、上記基本操作をそれぞれ実施し、サンプリングポートより採取した排出ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、ハロゲン化ガスの分解率を求めた。その結果を下記〔表4〕に示した。
下記〔表4〕に示す結果から明らかなように、本発明のハロゲン化ガス処理剤により処理された排ガスには、ハロゲン化合物はガスクロマトグラフィーの分析で検出されず(検出下限:0.01%)、排ガスの主成分はCO2 及びN2 などであった。
【0054】
【表4】
Figure 0004357018
【0055】
比較試験例1〜5
下記〔表5〕に示すハロゲン化ガス処理剤、ハロゲン化ガス種、ハロゲン化ガス導入量、窒素導入量及び反応温度により、上記基本操作をそれぞれ実施し、サンプリングポートより採取した排出ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、ハロゲン化ガスの分解率を求めた。その結果を下記〔表5〕に示した。
下記〔表5〕に示す結果から明らかなように、上記比較例1〜5で得られたハロゲン化ガス処理剤により処理された排ガスには、未分解のCF4 がガスクロマトグラフィーの分析で検出された。
【0056】
【表5】
Figure 0004357018
【0057】
試験例15〜17及び比較試験例6
下記〔表6〕に示すハロゲン化ガス処理剤、ハロゲン化ガス種、ハロゲン化ガス導入量、窒素導入量及び反応温度により、上記基本操作をそれぞれ実施し、サンプリングポートより採取した排出ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、ハロゲン化ガスの分解率を求めた。その結果を下記〔表6〕に示した。
下記〔表6〕に示す結果から明らかなように、本発明のハロゲン化ガス処理剤により処理された排ガスには、ハロゲン化合物はガスクロマトグラフィーの分析で検出されず(検出下限:0.01%)、排ガスの主成分はCO2 及びN2 などであった。これに対し、上記比較例6で得られたハロゲン化ガス処理剤により処理された排ガスには、未分解のCF4 がガスクロマトグラフィーの分析で検出された。
【0058】
【表6】
Figure 0004357018
【0059】
試験例18〜28
下記〔表7〕に示すハロゲン化ガス処理剤、ハロゲン化ガス種、ハロゲン化ガス導入量、窒素導入量及び反応温度により、上記基本操作をそれぞれ実施し、サンプリングポートより採取した排出ガスをガスクロマトグラフィーで分析して、ハロゲン化ガスの分解率を求めた。その結果を下記〔表7〕に示した。
下記〔表7〕に示す結果から明らかなように、本発明のハロゲン化ガス処理剤により処理された排ガスには、ハロゲン化合物はガスクロマトグラフィーの分析で検出されず(検出下限:0.01%)、排ガスの主成分はCO2 及びN2 又はSO2 及びNO2 などであった。
【0060】
【表7】
Figure 0004357018
【0061】
【発明の効果】
本発明のハロゲン化ガス処理剤は、PFCs,HFCs,HCFCs及びCFCsなどのハロゲンを含む化合物を効率良くしかも比較的低温で分解でき、且つその分解生成物である有害物質も無害化でき、また除害装置と組み合わせることにより、長期間にわたり運転が可能で、ガス中のハロゲン化合物の濃度に関係無く連続的に処理できる。

Claims (2)

  1. ルカリ土類金属塩化物を含有し、窒素雰囲気下で焼成することによって調製した酸化マグネシウムからなる、ハロゲン化ガス処理剤と接触させて、CF 4 分解処理することを特徴とするハロゲン化ガスの無害化方法。
  2. 上記ハロゲン化ガス処理剤の少なくとも1種を、除害装置に充填し、200〜900℃にて上記CF 4 と接触させることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化ガスの無害化方法。
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