JP2001079344A - 有機ハロゲン化合物の分解処理剤及び分解処理方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の分解処理剤及び分解処理方法

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茂 相藤
Yoshimasa Akatsuka
義正 赤塚
Akihiro Takeuchi
章浩 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温度下で有機ハロゲン化合物と接触させた
ときに融解して塊状になるのを防ぐことができ、その機
能を持続的に発揮させることができる有機ハロゲン化合
物の分解処理剤及び分解処理方法を提供する。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物の分解処理剤は粒状
をなし、酸化マグネシウムを50重量%以上、あるいは
酸化マグネシウムと酸化カルシウムとを合わせて50重
量%以上含有する。分解処理剤に含有される酸化マグネ
シウムと酸化カルシウムは、[酸化カルシウム/(酸化
マグネシウム+酸化カルシウム)]の値がモル比で0.
67以下となるように設定される。この分解処理剤は、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び焼成により酸化
マグネシウムと酸化カルシウムの少なくとも一方を生成
する化合物から選ばれた少なくとも一種を含有する粉末
状の組成物を水と混合し、造粒、焼成することにより形
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フロン類、ハロ
ン類、六フッ化硫黄等を分解処理するための有機ハロゲ
ン化合物の分解処理剤及び分解処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】有機ハロゲン化合物は産業上広く使用さ
れているが、その中には地球環境に対する深刻な影響が
指摘され、問題とされているものもある。例えばフロン
類、ハロン類及び六フッ化硫黄は高い温暖化係数を示
し、温室効果ガスとして地球温暖化を招くことが知られ
ている。また、フロン類とハロン類はオゾン層破壊物質
としても知られている。このため、これらの有機ハロゲ
ン化合物の使用、生産を規制するのと並行して、使用済
みの有機ハロゲン化合物を分解処理する技術の開発が急
務とされている。
【0003】そこで、本発明者らは、特許第27958
37号公報、特開平10−225618号公報に示すよ
うな有機ハロゲン化合物の分解処理方法を提案した。こ
の分解処理方法は、石灰焼成炉を使用して、800℃以
上の温度下で有機ハロゲン化合物の分解処理剤としての
石灰石又はドロマイトと有機ハロゲン化合物とを接触さ
せ、同時に生成した塩酸やフッ酸を吸収させるものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特許第27
95837号公報、特開平10−225618号公報に
開示された方法では、石灰石又はドロマイトが焼成して
できる酸化カルシウムと有機ハロゲン化合物とが反応す
ると、融点が772℃の塩化カルシウムが生成される。
分解処理剤に有機ハロゲン化合物を少量だけ反応させた
ときには、分解処理剤の表面に生成される塩化カルシウ
ムの量も少ないため、800℃以上の温度下でこの塩化
カルシウムが融解しても分解処理剤が塊状となるおそれ
はない。しかし、所定量以上の有機ハロゲン化合物を反
応させると、融解した塩化カルシウムにより塊状とな
り、分解処理剤としての機能を発揮させることができな
くなるという問題があった。例えばnモルの酸化カルシ
ウムからなる分解処理剤の場合、約0.1nモルを超え
るフロン12と反応させると塊状となることが確かめら
れた。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、高温度下で有機ハロゲン化合物と接触さ
せたときに融解して塊状になるのを防ぐことができ、そ
の機能を持続的に発揮させることができる有機ハロゲン
化合物の分解処理剤及び分解処理方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の有機ハロゲン化合物の分
解処理剤は、酸化マグネシウムを50重量%以上含有す
ることを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤は、酸化マグネシウムと酸化カルシウム
とを含有し、その含有量が合わせて50重量%以上であ
るとともに、[酸化カルシウム/(酸化マグネシウム+
酸化カルシウム)](モル比)が0.67以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤は、請求項1又は請求項2に記載の発明
において、粒状であることを特徴とするものである。請
求項4に記載の発明の有機ハロゲン化合物の分解処理剤
は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明
において、酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び焼成
により酸化マグネシウムと酸化カルシウムの少なくとも
一方を生成する化合物から選ばれた少なくとも一種を含
有する粉末状の組成物を水と混合し、造粒、焼成して形
成したことを特徴とするものである。
【0009】請求項5に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤は、請求項2から請求項4のいずれか一
項に記載の発明において、900〜1200℃の温度で
焼成したドロマイトを含有することを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項6に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤は、請求項1から請求項5のいずれか一
項に記載の発明において、前記有機ハロゲン化合物が、
フロン類、ハロン類及び六フッ化硫黄から選ばれた少な
くとも一種であることを特徴とするものである。
【0011】請求項7に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理方法は、請求項1から請求項6のいずれか
一項に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理剤と有機ハ
ロゲン化合物とを800〜1400℃の温度で接触させ
て反応させることを特徴とするものである。
【0012】請求項8に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理方法は、請求項7に記載の発明において、
前記有機ハロゲン化合物が、フロン類、ハロン類及び六
フッ化硫黄から選ばれた少なくとも一種であることを特
徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、この発明
の第1実施形態について説明する。
【0014】第1実施形態の有機ハロゲン化合物の分解
処理剤は、酸化マグネシウムを50重量%以上、好まし
くは75重量%以上含有するものである。この含有量が
50重量%未満であると、分解処理剤の単位重量当たり
の分解処理量が減少するため不適当である。
【0015】分解処理剤に含有される酸化マグネシウム
以外の成分は特に限定されるものでなく、例えば粘土鉱
物、シリカ、シラス、火山灰、石炭灰、ケイ藻土、ガラ
ス粉末、スラグ等が使用される。
【0016】分解処理剤の形状は、通気性、接触効率の
点から粒状が好ましい。その粒度は特に限定されるもの
ではないが、1〜8mmが好ましく、2〜5mmがさら
に好ましい。粒度が1mm未満では分解処理剤にガスを
流す際に圧力損失が大きくなりすぎて好ましくない。一
方、8mmを超えると接触効率が悪くなって分解処理能
力が低下するため好ましくない。
【0017】次に、前記のように構成された分解処理剤
の製造方法について説明する。まず、酸化マグネシウム
と、焼成により酸化マグネシウムを生成する化合物のう
ち少なくとも一方を含有する粉末状の組成物と、水と
を、ボールミル、ニーダー、擂潰機、マラー、湿式攪拌
機等の混合装置を使って混合する。そして、その混合物
を押出し造粒機、パン型造粒機、攪拌式造粒機、打錠機
等の造粒装置を使って造粒することによって第1実施形
態の分解処理剤が形成される。ただし、焼成により酸化
マグネシウムを生成する化合物を組成物中に含有する場
合には、工程のどこかで又は使用時に焼成することが必
要である。
【0018】焼成により酸化マグネシウムを生成する化
合物としては、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸
マグネシウム等が挙げられ、単独で又はこれらのうち2
種以上を混合して使用される。
【0019】なお、混合及び造粒の方法は、上記の各装
置を使った方法に限定されるものではない。第1実施形
態の分解処理剤の製造方法としては次の方法も可能であ
る。即ち、酸化マグネシウムと、焼成により酸化マグネ
シウムを生成する化合物のうち少なくとも一方を含有す
る塊状の組成物を破砕して粒状とすることによって分解
処理剤を形成してもよい。ただし、焼成により酸化マグ
ネシウムを生成する化合物を組成物中に含有する場合に
は、工程のどこかで又は使用時に焼成することが必要で
ある。
【0020】上記のどちらの製造方法においても、焼成
により酸化マグネシウムを生成する化合物を組成物中に
含有する場合の焼成温度は1200℃未満が好ましい。
この温度が1200℃以上であると、有機ハロゲン化合
物及びその分解物との反応性が低い酸化マグネシウムが
生成されるため好ましくない。
【0021】次に、第1実施形態の分解処理剤を使用し
た有機ハロゲン化合物の分解処理方法について説明す
る。有機ハロゲン化合物の分解処理は、有機ハロゲン化
合物を好ましくは800〜1400℃の温度下で分解処
理剤に接触させることによって行われる。この温度が8
00℃未満の場合には、分解処理能力が低下するため好
ましくなく、一方1400℃を超えると、酸化マグネシ
ウムの有機ハロゲン化合物との反応性が低下するため好
ましくない。
【0022】有機ハロゲン化合物としては、フロン類、
ハロン類、六フッ化硫黄等から選ばれた少なくとも一種
が使用される。フロン類としては、フロン11,12,
113,114,115の特定フロン五種をはじめ、そ
の他のCFC,HCFC,HFC、PFC等が挙げられ
る。また、ハロン類としては、ハロン1211,130
1,2402の他、その他のBCFCやBFC,HBF
C等が挙げられる。
【0023】有機ハロゲン化合物の濃度は、10〜10
0vol%が好ましく、30〜100vol%がさらに
好ましい。この濃度が10vol%未満であると、加熱
する際に多くのエネルギーを必要とするため好ましくな
い。
【0024】以下に、フロン12(CCl22)とハロ
ン1301(CF3Br)と六フッ化硫黄(SF6)を、
第1実施形態の分解処理剤にそれぞれ接触させることに
よって進行する反応の反応式を示す。
【0025】CCl22+2MgO→aMgCl2+a
MgF2+(2−2a)MgClF+CO2 (ただし0
<a<1) CF3Br+2MgO→aMgF2+(a−1)MgBr
2+(3−2a)MgBrF+CO2 (ただし1<a<
2/3) SF6+4MgO→3MgF2+MgSO4 これらの反応は、酸化マグネシウムの触媒的作用の下で
起こるので、水やメタン等の水素源を必要としない。
【0026】上記三つの反応で生成する塩化マグネシウ
ム、フッ化マグネシウム、臭化マグネシウムは、それぞ
れ融点が714℃,1248℃,711℃であり、80
0〜1400℃の温度下では通常融解するが、本実施形
態においては融解が認められなかった。そのため、分解
処理剤は塊状になることなく粒状の形状を維持し、有機
ハロゲン化合物との反応を継続することができる。従っ
て、分解処理剤中の酸化マグネシウムは有機ハロゲン化
合物とほぼ等量で(定量的に)反応することができる。
即ち、分解処理剤中に2nモルの酸化マグネシウムが含
有されている場合には、この分解処理剤で約nモルのフ
ロン12を分解処理することができる。同様に、ハロン
1301の場合には約nモルを分解処理することがで
き、六フッ化硫黄の場合には約0.5nモルを分解処理
することができる。
【0027】分解処理剤が塊状とならないのは、以下の
式にしたがって一部の塩化マグネシウムが酸化マグネシ
ウムに戻るためと考えられる。[日化誌、74,46
(1971)]また、フッ化マグネシウムと臭化マグネ
シウムも同様にして酸化マグネシウムに戻ることが予想
される。
【0028】
【化1】 以上のように、この実施形態によれば次のような効果が
発揮される。
【0029】・ 分解処理剤に含有される酸化マグネシ
ウムの量を50重量%以上とすることにより、分解処理
剤の単位重量当たりの分解処理量を向上させることがで
きるとともに、融解して塊状になるのを防ぐことがで
き、分解処理剤の機能を持続的に発揮させることができ
る。従って、有機ハロゲン化合物を効率的かつほぼ定量
的に分解処理することができる。さらに、その含有量を
75重量%以上とすることにより、上記の効果を一層向
上させることができる。
【0030】・ 分解処理剤は、有機ハロゲン化合物の
分解により生成する酸性ガスをその分解と同時に直ちに
吸収するため、有機ハロゲン化合物の分解処理時に酸性
ガスは実質上発生しない。従って、分解処理剤と有機ハ
ロゲン化合物とを反応させる場となる反応器が酸性ガス
により腐食されるおそれはない。よって、酸性ガスに対
する耐久性及び耐熱性に優れたアルミナ、石英、セラミ
ック等に限らず、ハステロイやインコネル等の鉄系の合
金で反応器を形成してもよい。
【0031】・ 分解処理剤の粒度を1〜8mmの範囲
に設定することにより、分解処理剤にガスを流す際に圧
力損失が大きくなりすぎるのを防ぐとともに、接触効率
を良好に保つことができ、有機ハロゲン化合物を分解処
理する能力を向上させることができる。さらに、2〜5
mmに粒度を設定することにより、上記の効果を一層向
上させることができる。
【0032】・ 焼成により酸化マグネシウムを生成す
る化合物を組成物中に含有する場合には、1200℃未
満の温度で焼成することによって第1実施形態の分解処
理剤が形成される。このため、有機ハロゲン化合物及び
その分解物との反応性が高い酸化マグネシウムを生成さ
せることができ、分解処理剤の分解処理能力を向上させ
ることができる。
【0033】・ 有機ハロゲン化合物の分解処理は、有
機ハロゲン化合物を800〜1400℃の温度下で分解
処理剤に接触させることによって行われる。このため、
酸化マグネシウムの有機ハロゲン化合物との反応性が低
下するのを防止しつつ、分解処理能力の低下を防止する
ことができる。
【0034】・ 分解処理剤が粒状に形成されるため、
有機ハロゲン化合物の通気性及び有機ハロゲン化合物と
の接触効率を向上させることができる、 ・ 分解処理剤は、粉末状の組成物と水とを混合して造
粒することによって、あるいは塊状の組成物を破砕して
粒状とすることによって形成される。このため、分解処
理剤を容易かつ確実に粒状に形成することができる。
【0035】・ 分解処理剤は、温室効果ガスやオゾン
層破壊物質として作用するフロン類、ハロン類及び六フ
ッ化硫黄を分解処理することができる。このため、大気
中へ排出されるフロン類、ハロン類及び六フッ化硫黄の
減少に寄与することができ、地球環境の保全に役立つこ
とができる。
【0036】・ 有機ハロゲン化合物の濃度を10〜1
00vol%に設定することにより、加熱の際のエネル
ギーコストを低減することができる。さらに、この濃度
を30〜100vol%に設定することにより上記の効
果を一層向上させることができる。 (第2実施形態)次に、この発明の第2実施形態につい
て、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0037】第2実施形態の有機ハロゲン化合物の分解
処理剤は、酸化マグネシウムと酸化カルシウムとを含有
するものである。その含有量は合わせて50重量%以上
であり、75重量%以上が好ましい。50重量%未満で
は単位重量当たりの分解処理量が減少するため不適当で
ある。
【0038】また、分解処理剤に含有される酸化マグネ
シウムと酸化カルシウムは、[酸化カルシウム/(酸化
マグネシウム+酸化カルシウム)]の値がモル比で0.
67以下となるように設定される。この値が0.67を
超えると、800〜1400℃の温度下で有機ハロゲン
化合物と接触させたときに、分解処理剤が融解して塊状
になり、分解処理能力が低下してしまう。
【0039】分解処理剤に含有される酸化マグネシウム
と酸化カルシウム以外の成分は特に限定されるものでな
く、例えば粘土鉱物、シリカ、シラス、火山灰、石炭
灰、ケイ藻土、ガラス粉末、スラグ等が使用される。
【0040】次に、前記のように構成された分解処理剤
の製造方法について説明する。第2実施形態の分解処理
剤は、前記第1実施形態の粉末状又は塊状の組成物に代
えて、酸化マグネシウムと、焼成により酸化マグネシウ
ムを生成する化合物のうち少なくとも一方と、酸化カル
シウムと、焼成により酸化カルシウムを生成する化合物
のうち少なくとも一方とを含有する粉末状又は塊状の組
成物を使用して形成される。
【0041】焼成により酸化カルシウムを生成する化合
物としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸
カルシウム等が挙げられ、単独で又はこれらのうち2種
以上を混合して使用される。
【0042】次に、第2実施形態の分解処理剤を使用し
た有機ハロゲン化合物の分解処理方法について説明す
る。有機ハロゲン化合物の分解処理は、第1実施形態と
同様に、有機ハロゲン化合物を好ましくは800〜14
00℃の温度下で分解処理剤に接触させることによって
行われる。
【0043】以下に、フロン12とハロン1301と六
フッ化硫黄を、第2実施形態の分解処理剤にそれぞれ接
触させることによって進行する反応の反応式を示す。
(なお、反応式中のMはMg又はCaを表す。) CCl22+2MO→aMCl2+aMF2+(2−2
a)MClF+CO2 (ただし0<a<1) CF3Br+2MO→aMF2+(a−1)MBr2
(3−2a)MBrF+CO2 (ただし1<a<2/
3) SF6+4MO→3MF2+MgSO4 これらの反応は、酸化マグネシウムと酸化カルシウムの
触媒的作用の下で起こるので、水やメタン等の水素源を
必要としない。
【0044】上記三つの反応式で生成する塩化カルシウ
ム、フッ化カルシウム、臭化カルシウムは、それぞれ融
点が772℃,1403℃,730℃であるが、酸化カ
ルシウムと共存することにより、これらは融点以下の温
度でも融解が起こる。例えば、塩化カルシウムは酸化カ
ルシウムと共存するときには700℃でも融解すること
が確かめられている。このため、800〜1400℃の
温度下で有機ハロゲン化合物を分解処理剤に接触させる
と、融解したこれらの化合物により分解処理剤が塊状に
なることが予想される。特に所定量以上の有機ハロゲン
化合物を反応させたとき、例えば分解処理剤中の酸化カ
ルシウムnモルに対して約0.1nモルを超えるフロン
12を反応させたときに、この塊状化は顕著であると考
えられる。
【0045】しかし、分解処理剤に含有される酸化マグ
ネシウムと酸化カルシウムを、[酸化カルシウム/(酸
化マグネシウム+酸化カルシウム)]の値がモル比で
0.67以下となるように設定することにより、融解し
て分解処理剤が塊状になることを防止することができ
る。従って、分解処理剤中の酸化マグネシウム及び酸化
カルシウムは有機ハロゲン化合物とほぼ等量で(定量的
に)反応することができる。即ち、分解処理剤中に酸化
マグネシウムと酸化カルシウムが合わせて2nモル含有
されている場合には、この分解処理剤で約nモルのフロ
ン12を分解処理することができる。同様に、ハロン1
301の場合には約nモルを分解処理することができ、
六フッ化硫黄の場合には約0.5nモルを分解処理する
ことができる。
【0046】以上のように、この第2実施形態によれば
次のような効果が発揮される。 ・ 分解処理剤に含有される酸化マグネシウムと酸化カ
ルシウムの量を合わせて50重量%以上とすることによ
り、分解処理剤の単位重量当たりの分解処理量を向上さ
せることができる。さらに、その含有量を75重量%以
上とすることにより、分解処理剤の単位重量当たりの分
解処理量を一層向上させることができる。
【0047】・ 分解処理剤に含有される酸化マグネシ
ウムと酸化カルシウムは、[酸化カルシウム/(酸化マ
グネシウム+酸化カルシウム)]の値がモル比で0.6
7以下となるように設定される。このため、800〜1
400℃の温度下で有機ハロゲン化合物と接触させたと
きに、融解して分解処理剤が塊状になるのを防ぐことが
でき、その機能を持続的に発揮させることができる。従
って、有機ハロゲン化合物をほぼ定量的に分解処理する
ことができる。
【0048】・ 有機ハロゲン化合物の分解処理は、有
機ハロゲン化合物を800〜1400℃の温度下で分解
処理剤に接触させることによって行われる。このため、
酸化マグネシウムと酸化カルシウムの有機ハロゲン化合
物との反応性が低下するのを防止しつつ、分解処理能力
の低下を防止することができる。 (第3実施形態)次に、この発明の第3実施形態につい
て、前記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0049】第3実施形態の分解処理剤は、焼成により
酸化マグネシウムと酸化カルシウムを生成する化合物を
少なくとも含有する粉末状又は塊状の組成物を使用して
形成される。その中でも特に、焼成により酸化マグネシ
ウムと酸化カルシウムを生成する化合物として少なくと
もドロマイトを含有する塊状の組成物を焼成し、破砕し
て粒状とすることによって形成した分解処理剤は、安価
に製造することができる点から好ましい。
【0050】ドロマイトは、Mg(1-x)CaxCO3(た
だし0<x<1)で表される複合炭酸塩であり、ドロマ
イトを焼成して得られる主として酸化マグネシウムと酸
化カルシウムを含有するものは軽焼ドロマイトとよばれ
ている。ドロマイトは、約800℃で炭酸マグネシウム
が熱分解して酸化マグネシウムが生成され、約900℃
で炭酸カルシウムが熱分解して酸化カルシウムが生成さ
れる。
【0051】組成物中にドロマイトを含有する場合の焼
成温度は、900〜1200℃が好ましい。この焼成温
度が900℃未満であると、ドロマイト中の炭酸カルシ
ウムの熱分解が十分に起こらず、1200℃を超える
と、有機ハロゲン化合物及びその分解物との反応性が低
い酸化マグネシウムが生成されるため好ましくない。
【0052】第3実施形態の分解処理剤によれば、組成
物中にドロマイトを含有する場合には900〜1200
℃で焼成して形成される。このため、ドロマイト中の炭
酸カルシウムを確実に熱分解することができるととも
に、有機ハロゲン化合物及びその分解物との反応性が低
い酸化マグネシウムが生成されるのを防ぐことができ
る。
【0053】
【実施例】以下に、前記各実施形態をさらに具体化した
実施例について説明する。 (実施例1)まず、有機ハロゲン化合物の分解処理剤及
び分解処理方法の特性を調べるために使用した図1に示
す分解処理装置を説明する。
【0054】円筒状の反応器としてのアルミナ管21は
縦長又は横長(本実施例では横長)に配置されている。
アルミナ管21の両端の開口は蓋22により密閉され、
アルミナ管21内にはロックウール層23間に挟まれた
状態で分解処理剤である試料24が充填されている。
【0055】また、アルミナ管21の周囲には加熱装置
としての電気炉25が配設され、アルミナ管21内の試
料24を加熱できるようになっている。加熱装置はアル
ミナ管21の内部に配設してもよいが、温度制御の点か
ら電気による外部加熱が好ましい。
【0056】アルミナ管21の上流側には、有機ハロゲ
ン化合物としてのフロン類、ハロン類又は六フッ化硫黄
が充填されたガス供給源としてのボンベ26が配設され
ている。このボンベ26は、第1導入管27によって第
1流量計28を介してアルミナ管21に接続され、ボン
ベ26内の有機ハロゲン化合物をアルミナ管21内に導
入できるようになっている。
【0057】また、アルミナ管21の上流側にはポンプ
29が配設され、第2導入管30によってアルミナ管2
1に接続されている。そして、活性炭が充填された吸着
槽31とシリカゲルが充填された乾燥槽32とを順に通
過した空気を、第2流量計33を介して、アルミナ管2
1内に導入できるようになっている。
【0058】アルミナ管21の下流側には、吸収液34
としての0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液が貯留され
た吸収タンク35が配設されている。この吸収タンク3
5は排出管36によってアルミナ管21に接続され、ア
ルミナ管21内から排出されるガスは吸収タンク35を
介して図示しないテドラーバッグに回収されるようにな
っている。
【0059】そして、この分解処理装置装置を使用する
場合には、アルミナ管21内を所定温度に加熱した状態
で第1導入管27を経由してボンベ26内の有機ハロゲ
ン化合物をアルミナ管21内に導入する、あるいはその
有機ハロゲン化合物と同時に第2導入管30を経由して
空気もアルミナ管21内に導入する。すると、有機ハロ
ゲン化合物がアルミナ管21内の試料24に接触して有
機ハロゲン化合物の分解処理が行われる。
【0060】なお、この実施例ではバッチ式の分解処理
装置を使用したが、その他のバッチ式の分解処理装置で
も、連続式の分解処理装置でももちろんよい。その他の
バッチ式の分解処理装置としては、等量(化学量論的)
の分解処理剤と有機ハロゲン化合物を反応器内に封入し
て反応させるタイプのものを使用することができる。ま
た、連続式の分解処理装置としては、アルミナ管を縦型
に配置して上方から分解処理剤を導入し、下方から有機
ハロゲン化合物を導入し、アルミナ管内において両者を
向流で接触させて反応させるタイプのものを使用するこ
とができる。
【0061】実施例1においては、以下の方法で形成し
た試料24を使用した。まず、水酸化マグネシウム(米
山薬品株式会社製)200gに水160mlを加えて混
合し、ディスクペレッタ(不二パウダル社製、F−5
型)で直径3mmのディスクを用いて造粒した後、11
0℃で5時間乾燥して直径3mmの円柱状の成形体を得
た。そして、この成形体を1000℃で1時間焼成し、
さらに篩にかけて2〜4mmの粒径をなす102gの試
料24を得た。
【0062】得られた試料24のうち25gをアルミナ
管21内に充填するとともに、ボンベ26にはフロン1
2を充填した。そして、アルミナ管21内を電気炉25
により1000℃にまで加熱した状態で、フロン12を
80ml/分の流量で1時間アルミナ管21内に導入し
た。
【0063】そして、試料24にフロン12を通気した
後に、試料24中の塩素量とフッ素量、吸収タンク35
に貯留された吸収液34中の塩素量とフッ素量、テドラ
ーバッグに回収されたガス中のフロン12の濃度を測定
した。その結果を表1に示す。
【0064】試料24中の塩素量の測定は次のようにし
て行った。まず、試料24を遊星ミル(フリッチュ社
製、P−7型)で粉砕し、この粉砕体0.5gを純水1
00mlに添加して攪拌する。そして、濾過洗浄を数回
繰り返した後、濾液を下水試験法に準じてK2Cr24
を指示薬に用いて0.1NのAgNO3で滴定して塩素
量を測定した。
【0065】試料24中のフッ素量の測定は次のように
して行った。まず、試料24の粉砕体0.5gをNaO
H5gとともにニッケルるつぼに入れて600℃で溶融
し、さらに50mlの温水を加えて温浴中で数十分間加
熱して溶解させる。そして、るつぼ内を洗浄しながらN
o.5Cの濾紙で濾過し、濾液を1リットルにメスアッ
プしてイオンクロマトグラム法でフッ素量を測定した。
測定条件は、日本ダイオニクス社製DX−100を用
い、AS4A−SCカラムで1.8mMNa2CO3
1.7mMNaHCO3の混合溶液を溶離液とし、15
0ml/分の流速でクロマトグラム法にて行った。
【0066】吸収タンク35に貯留された吸収液34中
の塩素量、フッ素量はそれぞれAgNO3滴定法、イオ
ンクロマトグラム法で測定した。テドラーバッグに回収
されたガス中のフロン12の濃度は、ガスクロマトグラ
ム法で測定した。以下に測定条件を示す。
【0067】装置:日立製263−70型、カラム充填
剤:1mのクロモソルブ102、カラム温度:80℃、
2流量:50ml/分、インジェクション温度:20
0℃、検出器温度:200℃、検出器:ECD (実施例2)実施例2では、実施例1の試料10.5g
と粒径3〜5mmの生石灰(上田石灰製造株式会社製)
14.5gを混合した組成物を試料24としてアルミナ
管21内に充填した。また、実施例1において、アルミ
ナ管21内の温度を800℃に設定するとともに、フロ
ン12の流量を40ml/分、空気の流量を40ml/
分として2時間アルミナ管21内に導入した。その他は
実施例1と同様にして行い、各種測定を行った。その結
果を表1に示す。 (実施例3)実施例3では、水酸化カルシウム56gと
水酸化マグネシウム80.6gに水110mlを加えて
混合し、実施例1と同様の方法で造粒、乾燥、焼成して
103gの試料24を形成した。そして、そのうちの2
5gをアルミナ管21内に充填した。また、実施例1に
おいて、アルミナ管21内の温度を1100℃に設定す
るとともに、フロン12の流量を40ml/分、空気の
流量を40ml/分として2時間アルミナ管21内に導
入した。その他は実施例1と同様にして行い、各種測定
を行った。その結果を表1に示す。 (比較例1)比較例1では、粒径3〜5mmの生石灰2
5gのみを試料24としてアルミナ管21内に充填し
た。その他は実施例1と同様にして行い、各種測定を行
った。その結果を表1に示す。 (実施例4)実施例4では、粒径2〜4mmの軽焼ドロ
マイト25g(上田石灰製造株式会社製、焼成温度10
00℃、CaO含有量63.0モル%、MgO含有量3
1.5モル%)を試料24としてアルミナ管21内に充
填した。また、実施例1において、アルミナ管21内の
温度を900度に設定し、その他は実施例1と同様にし
て行い、各種測定を行った。その結果を表1に示す。 (実施例5)実施例5では、実施例4の軽焼ドロマイト
25gと試薬一級シリカゲル(米山薬品株式会社製)1
0gを混合した組成物を試料24としてアルミナ管21
内に充填した。また、実施例1において、アルミナ管2
1内の温度を1400℃に設定するとともに、フロン1
2の流量を40ml/分、空気の流量を40ml/分と
した。その他は実施例1と同様にして行い、各種測定を
行った。その結果を表1に示す。 (実施例6)実施例6では、実施例1の試料7gと粒径
3〜5mmの生石灰18gを混合した組成物を試料24
としてアルミナ管21内に充填した。また、実施例1に
おいて、アルミナ管21内の温度を800℃に設定する
とともに、フロン12に代えてハロン1301を流量8
0ml/分で1時間アルミナ管21内に導入した。試料
24中及び吸収液34中の塩素量とフッ素量は実施例1
と同様に測定し、テドラーバッグに回収されたガス中の
ハロン1301の濃度はガスクロマトグラム法により以
下に示す測定条件で測定した。その結果を表2に示す。
【0068】装置:日立製263−70型、カラム充填
剤:1mのクロモソルブ102、カラム温度:50℃、
2流量:50ml/分、インジェクション温度:18
0℃、検出器温度:200℃、検出器:ECD (実施例7)実施例7では、実施例3の試料25gを試
料24としてアルミナ管21内に充填した。また、実施
例6において、アルミナ管21内の温度を900℃に設
定するとともに、ハロン1301の流量を40ml/
分、空気の流量を40ml/分として2時間アルミナ管
21内に導入した。その他は実施例6と同様にして行
い、各種測定を行った。その結果を表2に示す。 (実施例8)実施例8では、実施例1の試料25gを試
料24としてアルミナ管21内に充填した。また、実施
例6において、アルミナ管21内の温度を1000℃に
設定するとともに、ハロン1301の流量を20ml/
分、空気の流量を60ml/分として3時間アルミナ管
21内に導入した。その他は実施例6と同様にして行
い、各種測定を行った。その結果を表2に示す。 (比較例2)比較例2では、粒径3〜5mmの生石灰2
5gのみを試料24としてアルミナ管21内に充填し
た。その他は実施例6と同様にして行い、各種測定を行
った。その結果を表2に示す。 (実施例9)実施例9では、実施例1の試料10.5g
と粒径3〜5mmの生石灰14.5gを混合した組成物
を試料24としてアルミナ管21内に充填した。また、
実施例1において、アルミナ管21内の温度を1200
℃に設定するとともに、フロン12に代えて六フッ化硫
黄を流量80ml/分で30分間アルミナ管21内に導
入した。試料24中及び吸収液34中のフッ素量は実施
例1と同様に測定し、テドラーバッグに回収されたガス
中の六フッ化硫黄の濃度はガスクロマトグラム法により
以下に示す測定条件で測定した。その結果を表3に示
す。
【0069】装置:日立製263−70型、カラム充填
剤:3mのポラパックQ、カラム温度:50℃、N2
量:40ml/分、インジェクション温度:180℃、
検出器温度:200℃、検出器:ECD (実施例10)実施例10では、実施例4の軽焼ドロマ
イト25gを試料24としてアルミナ管21内に充填し
た。また、実施例9において、アルミナ管21内の温度
を1000℃に設定するとともに、六フッ化硫黄の流量
を40ml/分、空気の流量を40ml/分として1時
間アルミナ管21内に導入した。その他は実施例9と同
様にして行い、各種測定を行った。その結果を表3に示
す。 (比較例3)比較例3では、粒径3〜5mmの生石灰2
5gのみを試料24としてアルミナ管21内に充填し
た。その他は実施例9と同様にして行い、各種測定を行
った。その結果を表3に示す。
【0070】なお、表1〜3中の()内の数値は導入有
機ハロゲン化合物相当%を示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】 表1〜3の結果より、テドラーバッグに回収されたガス
中の有機ハロゲン化合物の濃度が、実施例1〜10にお
いては1ppm以下と極めて低濃度である一方、比較例
1〜3においては10000ppm以上と高濃度である
ことが示された。
【0074】また、実施例1〜10においては、試料2
4中の塩素量と吸収液34中の塩素量の和、及び試料2
4中のフッ素量と吸収液34中のフッ素量の和がほぼ導
入された有機ハロゲン化合物の量と等しいことから、有
機ハロゲン化合物がほぼ完全に分解処理されていること
が示された。
【0075】さらに、実施例1〜10においては、有機
ハロゲン化合物との反応後の試料24に融解は認められ
なかった。一方、比較例1〜3においては、反応後の試
料24に融解が認められ、アルミナ管21への付着が起
きていた。
【0076】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び焼成により
酸化マグネシウムと酸化カルシウムの少なくとも一方を
生成する化合物から選ばれた少なくとも一種を含有する
塊状の組成物を焼成、破砕して粒状に形成したことを特
徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の
有機ハロゲン化合物の分解処理剤。
【0077】このように構成した場合、容易かつ確実に
粒状に形成することができる。
【0078】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1及び請求項
2に記載の発明の有機ハロゲン化合物の分解処理剤によ
れば、高温度下で有機ハロゲン化合物と接触させたとき
に、融解して塊状になるのを防ぐことができ、その機能
を持続的に発揮させることができる。
【0079】請求項3に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤によれば、請求項1又は請求項2に記載
の発明の効果に加え、有機ハロゲン化合物の通気性及び
有機ハロゲン化合物との接触効率を向上させることがで
きる。
【0080】請求項4に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤によれば、請求項1から請求項3のいず
れか一項に記載の発明の効果に加え、容易かつ確実に粒
状に形成することができる。
【0081】請求項5に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤によれば、請求項2から請求項4のいず
れか一項に記載の発明の効果に加え、ドロマイト中の炭
酸カルシウムを確実に熱分解することができるととも
に、有機ハロゲン化合物及びその分解物との反応性が低
い酸化マグネシウムが生成されるのを防ぐことができ
る。
【0082】請求項6に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理剤によれば、請求項1から請求項5のいず
れか一項に記載の発明の効果に加え、大気中へ排出され
るフロン類、ハロン類及び六フッ化硫黄の減少に寄与す
ることができ、地球環境の保全に役立つことができる。
【0083】請求項7に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理方法によれば、酸化マグネシウム又は酸化
マグネシウムと酸化カルシウムの有機ハロゲン化合物と
の反応性が低下するのを防止しつつ、分解処理能力の低
下を防止することができる。
【0084】請求項8に記載の発明の有機ハロゲン化合
物の分解処理方法によれば、請求項7に記載の発明の効
果に加え、大気中へ排出されるフロン類、ハロン類及び
六フッ化硫黄の減少に寄与することができ、地球環境の
保全に役立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有機ハロゲン化合物の分解処理装置を示す概
略断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 達夫 岐阜県大垣市赤坂町3751番地 上田石灰製 造 株式会社内 (72)発明者 相藤 茂 岐阜県大垣市赤坂町3751番地 上田石灰製 造 株式会社内 (72)発明者 赤塚 義正 名古屋市緑区大高町字北関山20番地の1 中部電力 株式会社電気利用技術研究所内 (72)発明者 竹内 章浩 名古屋市緑区大高町字北関山20番地の1 中部電力 株式会社電気利用技術研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA15 BC02 BD11 4D002 AA21 AA22 AC10 BA03 BA12 CA06 CA07 DA02 DA05 DA06 DA11 DA12 DA16 DA46 DA47 DA66 EA06 GA01 GA02 GB01 GB02 GB03 GB08 GB11 GB12 GB20 HA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化マグネシウムを50重量%以上含有
    することを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理
    剤。
  2. 【請求項2】 酸化マグネシウムと酸化カルシウムとを
    含有し、その含有量が合わせて50重量%以上であると
    ともに、[酸化カルシウム/(酸化マグネシウム+酸化
    カルシウム)](モル比)が0.67以下であることを
    特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理剤。
  3. 【請求項3】 粒状であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理剤。
  4. 【請求項4】 酸化マグネシウム、酸化カルシウム及び
    焼成により酸化マグネシウムと酸化カルシウムの少なく
    とも一方を生成する化合物から選ばれた少なくとも一種
    を含有する粉末状の組成物を水と混合し、造粒、焼成し
    て形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれか一項に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理剤。
  5. 【請求項5】 900〜1200℃の温度で焼成したド
    ロマイトを含有することを特徴とする請求項2から請求
    項4のいずれか一項に記載の有機ハロゲン化合物の分解
    処理剤。
  6. 【請求項6】 前記有機ハロゲン化合物が、フロン類、
    ハロン類及び六フッ化硫黄から選ばれた少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれ
    か一項に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理剤。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか一項に
    記載の有機ハロゲン化合物の分解処理剤と有機ハロゲン
    化合物とを800〜1400℃の温度で接触させて反応
    させることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理
    方法。
  8. 【請求項8】 前記有機ハロゲン化合物が、フロン類、
    ハロン類及び六フッ化硫黄から選ばれた少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項7に記載の有機ハロゲン
    化合物の分解処理方法。
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