JP4353063B2 - 磁性板及びその製造方法、並びに回転子及び電動機 - Google Patents

磁性板及びその製造方法、並びに回転子及び電動機 Download PDF

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Description

この発明は永久磁石埋設型モータの回転子を改善する技術に関する。
永久磁石埋設型モータには、永久磁石が埋設された回転子を用いる。当該モータは突極性、あるいは逆突極性を有し、マグネットトルクのみならず、リラクタンストルクも利用することにより、効率、出力を高める。
このような回転子においては、しかし、回転子の永久磁石によって生じる磁束やこれが埋め込まれた磁性板と、固定子から生じる磁束との相互作用は、固定子と回転子との位置関係によって変化する。これはトルクリプルと称されるトルク変動を招来してしまう。
かかるトルクリプルを抑制するため、回転子のうち、永久磁石によって磁極として機能する部分の位置に、傾き(スキュー)を与える手法が提案されている。具体的には、複数枚積層された電磁鋼板(例えば珪素鋼板)において設けられる永久磁石貫装用の貫通孔(以下「第1貫通孔」と称する場合がある)、磁束障壁用の貫通孔(以下「第2貫通孔」と称する場合がある)の位置が異なる複数種の電磁鋼板を積層する。あるいは第1貫通孔と第2貫通孔とが、相互の位置関係を異ならせつつ周方向に沿って設けられた電磁鋼板を、周方向の位置をずらせて積層する。特許文献1〜3ではこのようなスキューを得る手法が例示されている。
特開2000-69695号公報 特開2001-231196号公報 特開2000-278895号公報
しかし特許文献1,2では、第1貫通孔を回転対称に設ける一方で、第2貫通孔を回転非対称に設け、第1貫通孔を揃えつつ電磁鋼板の方向を異ならせて積層しているため、複数の電磁鋼板でスキューを細かく分割することができない。スキューを細かく分割するほど、トルクリプルが低減しやすくなる。また、特許文献3ではリラクタンストルクに影響を与える部分の周方向の長さが変化してしまう。
そこで、本発明の目的は、第2貫通孔の穿孔に必要な金型の数を少なくしつつ、電磁鋼板などの磁性板の複数でスキューを細かく分割し、しかもリラクタンストルクが電磁鋼板などの磁性板同士で異ならないようにする技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる磁性板の第1の態様(101〜104)は、その各々が、前記磁性板の中心(Q)から見て周方向に配置された第1貫通孔(301〜306)の複数と、前記第1貫通孔から見て周側に設けられた第2貫通孔(401a,401b〜406a,406b;407a,407b〜412a,412b;413a,413b〜418a,418b)の複数とを備える。前記第1貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一である。前記第2貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一である。
前記第2貫通孔は、前記磁性板同士において前記第2貫通孔の配置が前記周方向にずれた関係にあり、かつ前記周方向において前記第1貫通孔との間の位置関係が磁性板毎に異なる。いずれの一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔に対する配置もが、他のいずれか少なくとも一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔に対する配置と、周方向において相互にずれた関係にある。そしていずれの前記磁性板においても前記中心から見て、隣接する二つの前記第1貫通孔との間に、隣接する二つの前記第2貫通孔の少なくとも一部が配置される。
この発明にかかる磁性板の第2の態様(101〜104)は、第1の態様にかかる磁性板であって、前記第1貫通孔(301〜306)の各々は一対の端部を有する。前記第2貫通孔(401a,401b〜406a,406b;407a,407b〜412a,412b;413a,413b〜418a,418b)は前記第1貫通孔の前記端部の各々に対応して設けられる。そしていずれの前記磁性板においても前記中心(Q)から見て、隣接する二つの前記第1貫通孔(301,302)の一方(301)が他方(302)側に有する前記端部(301b)と、前記他方が前記一方側に有する前記端部(302a)との間に、前記一方が有する前記端部に対応して設けられた前記第2貫通孔(401b)の前記他方側の端部(401e)と、前記他方が有する前記端部に対応して設けられた前記第2貫通孔(402a)の前記一方側の端部(402e)とが配置される。
望ましくは前記第2貫通孔(401a,401b〜406a,406b)はほぼ前記周方向に延在する。
あるいは望ましくは前記第2貫通孔(407a,407b〜412a,412b)はほぼ前記周方向に対する径方向に延在する。
あるいは望ましくは、前記第2貫通孔(413a,…)の各々は、二種の矩形(413a1,413a2,…)で構成される。これら二種の矩形は離隔して、あるいは連結して設けられる。
この発明にかかる回転子の第1の態様は、(a)複数の磁性体と(b)永久磁石とを含む永久磁石埋設型電動機の回転子である。前記磁性体の各々が、前記磁性板の中心(Q)から見て周方向に配置された第1貫通孔(301〜306)の複数と、前記第1貫通孔から見て周側に設けられた第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)の複数と、前記第1貫通孔の両端近傍にそれぞれ設けられる第3貫通孔(307a,307b〜312a,312b)とを備える。前記第1貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一である。前記第2貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一である。前記第3貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一である。いずれの一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置もが、他のいずれか少なくとも一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置と、周方向において相互にずれた関係にある。そしていずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられる。前記複数の磁性板はその法線方向に沿って、前記第1貫通孔を揃えて積層され、前記永久磁石は、前記第1貫通孔に貫装され、前記第2貫通孔には設けられない。
この発明にかかる回転子の第2の態様は、回転子のの態様であって、第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)は、前記第3貫通孔の各々に対応して設けられる。そしていずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記一対の前記第3貫通孔と対応した一対の前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられる。
この発明にかかる磁性板の第3の態様は複数の磁性板であって、その各々が、前記磁性板の中心(Q)から見て周方向に配置された第1貫通孔(301〜306)の複数と、前記第1貫通孔から見て外周側に設けられた第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)の複数と、前記第1貫通孔の両端近傍にそれぞれ設けられる第3貫通孔(307a,307b〜312a,312b)とを備える。前記第1貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、前記第2貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、前記第3貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、いずれの一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置もが、他のいずれか少なくとも一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置と、周方向において相互にずれた関係にあり、いずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられ 第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)は、前記第3貫通孔の各々に対応して設けられ、いずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記一対の前記第3貫通孔と対応した一対の前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられ、前記第3貫通孔(307a,307b〜312a,312b)の前記周方向の長さは、前記周方向における前記第1貫通孔に対する前記第2貫通孔の位置関係が最も異なる二枚の前記磁性板(105-m,105+m)の間での前記第2貫通孔の位置ずれ量(θ)よりも大きい。
この発明にかかる回転子の第の態様は、永久磁石埋設型電動機の回転子であって、この発明にかかる磁性板の組の少なくとも一つを、磁性板の法線方向に沿って、前記第1貫通孔を揃えて積層して有する。前記第1貫通孔に貫装された永久磁石を更に有する。
この発明にかかる回転子の第の態様は、第の態様にかかる回転子であって、前記磁性板の前記組毎に、隣接する前記磁性板同士における前記第2貫通孔の配置のずれを最小とする順序で前記磁性板が積層される。
例えば前記組は前記法線方向に沿って複数積層され、隣接する前記組同士において、前記第2貫通孔の配置がずれる方向が異なる。
この発明にかかる電動機は永久磁石埋設型電動機であり、この発明にかかる回転子と、前記回転子と相対する固定子とを備える。そして前記磁性板を積層する方向を軸として前記回転子が回転する。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第1の態様は、第1の態様または第2の態様にかかる磁性板を製造する方法である。そして、(a)ほぼ円環に沿って配置された歯(901a)の複数を有する第1金型(901)を用いて、長尺の磁性材(800)に対して穿孔して、一の前記磁性板の前記第2貫通孔に相当する孔を穿孔し、(b)前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、(c)前記第1金型を前記円環の周方向に沿って移動させ、(d)前記第1金型を用いて前記磁性材に対して穿孔して、他の前記磁性板の前記第2貫通孔に相当する孔を穿孔する。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第2の態様は、第1の態様にかかる製造方法であって、前記(a)において第2金型(902)をも用いて前記第2貫通孔に相当する孔を穿孔する。前記第2金型は、前記歯と相まって前記磁性材(800)を穿孔する溝(902b)の複数と、前記溝が穿たれた板(902a)とを有する。前記(c)において、前記第2金型は前記第1金型と共に前記周方向に移動する。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第3の態様は、第1の態様または第2の態様にかかる磁性板を製造する方法である。但し前記磁性板は、前記磁性板を積層させて締結するための締結用貫通孔(201〜206)の複数を更に備える。また前記締結用貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に同一であり、一の前記磁性板における前記第1貫通孔と前記締結用貫通孔との位置関係は、いずれの前記磁性板においても同一である。当該製造方法は、(a)長尺の磁性材(800)に対して前記締結用貫通孔を穿孔し、(b)前記締結用貫通孔に貫挿可能な複数の突起(903b)が設けられ、前記突起にほぼ垂直な面内で回転可能な板(903a)を有する回転治具(900)を用い、前記突起を前記締結用貫通孔に貫挿させ、(c)前記磁性材を型抜きして前記一の前記磁性板を形成し、(d)前記一の前記磁性板及び前記回転治具を伴って前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、(e)前記突起を前記締結用貫通孔に貫挿させつつ前記回転治具の前記板を回転させることにより前記一の前記磁性板を回転させ、(f)前記一の前記磁性板に対して所定の金型(901)によって前記第2貫通孔(401a〜406b)を穿孔する。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第4の態様は、第1の態様または第2の態様にかかる磁性板を製造する方法である。但し前記磁性板は、前記磁性板を積層させて締結するための締結用貫通孔(201〜206)及び回転軸が貫挿される回転軸用貫通孔を更に備える。また前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔は、前記磁性板同士において形状が相互に同一である。また一の前記磁性板における前記第1貫通孔と前記締結用貫通孔と前記回転軸用貫通孔との位置関係は、いずれの前記磁性板においても同一である。当該製造方法は、(a)長尺の磁性材(800)に対して前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔を穿孔し、(b)前記締結用貫通孔に貫挿可能な第1突起(903b)と、前記回転軸用貫通孔に貫挿可能な第2突起(903c)とが設けられ、前記第1突起及び前記第2突起にほぼ垂直な面内で回転可能な板(903a)を有する回転治具(900)を用い、前記第1突起及び前記第2突起をそれぞれ前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔にそれぞれ貫挿させ、(c)前記磁性材を型抜きして前記一の前記磁性板を形成し、(d)前記一の前記磁性板及び前記回転治具を伴って前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、(e)前記第1突起及び前記第2突起をそれぞれ前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔に貫挿させつつ前記回転治具の前記板を回転させることにより前記一の前記磁性板を回転させ、(f)前記一の前記磁性板に対して所定の金型(901)によって前記第2貫通孔(401a〜406b)を穿孔する。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第の態様は、第1,第2の態様にかかる磁性板の製造方法であって、隣接する前記磁性板同士における前記第2貫通孔の配置のずれを最小とする量で、前記(c)において前記第1金型(901,904)が移動する。そして(e)前記第2貫通孔が穿孔された後に前記磁性材を打ち抜いて前記磁性板を得つつ、当該磁性板を順次に積層する。
この発明にかかる磁性板の第1の態様によれば、磁性板の法線方向に沿って第1貫通孔を揃えて積層することにより第1貫通孔に永久磁石を貫装し、第2貫通孔が磁束障壁として機能する永久磁石埋設型電動機の回転子を構成することができる。当該回転子の永久磁石によって生じる磁束と、回転子と相対する固定子から生じる磁束との相互作用は、磁性板の第2貫通孔の第1貫通孔に対する配置によって異なる。更に当該回転子の磁性板と、固定子から生じる磁束との相互作用も、磁性板の第2貫通孔の第1貫通孔に対する配置によって異なる。従って、磁性板間にスキューがある電動機を得ることができ、マグネットトルクについてのみならずリラクタンストルクについてもトルクリプルが軽減される。このスキューは複数の磁性板によって細かく分割することができ、トルクリプルの低減を顕著にできる。また第1貫通孔同士、第2貫通孔同士を、それぞれ同じ金型で穿孔することができる。
この発明にかかる磁性板の第2の態様によれば、磁性板の内でマグネットトルクやリラクタンストルクに影響を与える部分の周方向に沿った長さが第1貫通孔と第2貫通孔との相互の位置関係に依存しないので、マグネットトルクやリラクタンストルクがこの相互の位置関係に依存して損なわれることがない。
この発明にかかる回転子の第の態様によれば、磁性板の法線方向に沿って第1貫通孔を揃えて積層することにより第1貫通孔に永久磁石を貫装し、第2貫通孔及び第3貫通孔が磁束障壁として機能する永久磁石埋設型電動機の回転子を構成することができる。当該回転子の永久磁石によって生じる磁束と、回転子と相対する固定子から生じる磁束との相互作用は、磁性板の第1貫通孔や第3貫通孔に対する第2貫通孔の配置によって異なる。従って、磁性板間にスキューがある電動機を得ることができ、マグネットトルクのトルクリプルが軽減される。このスキューは複数の磁性板によって細かく分割することができ、トルクリプルの低減を顕著にできる。また第1貫通孔同士、第2貫通孔同士を、それぞれ同じ金型で穿孔することができる。
この発明にかかる回転子の第の態様によれば、磁性板の内でマグネットトルクやリラクタンストルクに影響を与える部分の周方向に沿った長さが第1貫通孔と第2貫通孔との相互の位置関係に依存しないので、マグネットトルクやリラクタンストルクがこの相互の位置関係に依存して損なわれることがない。
この発明にかかる磁性板の第の態様によれば、磁性板の法線方向に沿って第1貫通孔を揃えて積層することにより第1貫通孔に永久磁石を貫装し、第2貫通孔が磁束障壁として機能する永久磁石埋設型電動機の回転子を構成することができる。当該回転子の永久磁石によって生じる磁束や磁性板と、回転子と相対する固定子から生じる磁束との相互作用は、磁性板の第2貫通孔の第1貫通孔に対する配置によって異なる。従って、磁性板間にスキューがある電動機を得ることができ、そのトルクリプルが軽減される。このスキューは複数の磁性板によって細かく分割することができ、トルクリプルの低減を顕著にできる。
特に第2貫通孔についての傾斜中心が隣接する第1貫通孔の間、あるいは第1貫通孔の端部にある場合には、スキューの大きさを大きく採りやすく、トルクリプルが小さな電動機を設計しやすい。
この発明にかかる回転子の第の態様によれば、当該回転子の永久磁石によって生じる磁束や磁性板と、回転子と相対する固定子から生じる磁束との相互作用は、磁性板の第2貫通孔の第1貫通孔に対する配置によって異なる。従って、スキューを有する電動機を得ることができる。
この発明にかかる回転子の第の態様によれば、第2貫通孔の磁束障壁としての機能が、隣接する磁性板によって実質的に損なわれることを回避する。つまり回転子表面の磁極境界及び磁極の位置が隣接する磁性板同士で大きくずれることがないため、磁性板同士の間での磁束の漏洩を防止する非磁性板を磁性板間に挟み込む必要がない。
この発明にかかる電動機によれば、回転子の永久磁石によって生じる磁束や磁性板と、固定子から生じる磁束との相互作用は、磁性板の第2貫通孔の第1貫通孔に対する配置によって異なる。従って、スキューを有する電動機を得ることができる。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第1の態様によれば、異なる磁性板の第2貫通孔についても、同じ第1金型を用いて穿孔することができる。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第2の態様によれば、第2金型によって長尺の磁性材を支持しつつ、第2貫通孔に相当する孔を穿孔するので、長尺の磁性材の変形を避けることができる。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第3の態様及び第4の態様によれば、第2貫通孔を穿孔する前に、磁性板の形状を長尺の磁性材から型抜きするので、当該磁性板を回転させることができる。よって異なる磁性板の第2貫通孔についても、同じ金型を用いて穿孔することができる。
この発明にかかる磁性板の製造方法の第の態様によれば、この発明にかかる回転子の第の態様の製造に好適である。
第1の実施の形態.
図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図1は第(−m)番目の磁性板101-mを、図2は第0番目の磁性板1010を、図3は第(+m)番目の磁性板101+mを、それぞれ示している。
本発明の第1の実施の形態にかかる磁性板101-m,1011-m,…101-1,1010,101+1,…101+m-1,101+m(これらを全体として磁性板101と称することもある:後述する磁性板102〜109についても同様)をこの順に、後述する態様で積層することにより、永久磁石埋設型の回転子の構成に寄与することができる。これらの磁性板は例えば、珪素鋼板などの電磁鋼板を採用することができる。
磁性板101i(−m≦i≦+m;m>0)の全ての中心Q近傍には図示されない回転軸が貫装される回転軸用貫通孔100が設けられている。中心Qから見て磁性板101iの周方向には複数の第1貫通孔(永久磁石貫装用貫通孔)301〜306が設けられている。また第1貫通孔の端部の各々に対応して、第1貫通孔から見て周側に第2貫通孔401a,401b〜406a,406bが設けられている。

例えば第1貫通孔301は一対の端部301a,301bを有しており、第1貫通孔302は一対の端部302a,302bを有しており、これらは周方向に配置されている。また端部301a,301b,302a,302bに対応して第2貫通孔401a,401b,402a,402bが設けられている。
同様にして、第1貫通孔303の一対の端部に対応して第2貫通孔403a,403bが、第1貫通孔304の一対の端部に対応して第2貫通孔404a,404bが、第1貫通孔305の一対の端部に対応して第2貫通孔405a,405bが、第1貫通孔306の一対の端部に対応して第2貫通孔406a,406bが、それぞれ設けられている。
回転軸用貫通孔100と第1貫通孔301〜306の間には、それぞれ締結用貫通孔201〜206が設けられている。回転軸用貫通孔100、締結用貫通孔201〜206、第1貫通孔301〜306は、いずれの磁性板101iについても同一に設けられる。従って、全ての磁性板101の全てに締結用貫通孔201〜206にボルトなどの締結具を貫装してこれらを締結することにより、これらはその法線方向に積層される。そして第1貫通孔301〜306のそれぞれが、全ての磁性板101について回転軸方向に平行に連通する。よって回転軸方向に平行に永久磁石(図示せず)を埋設することができる。当該永久磁石は中心Q側の面、及びこれと対向する面に磁石極を有している。
上記のように磁性板101を積層するためには、締結用貫通孔201〜206やこれに貫装する締結具を採用することは必須ではない。例えば磁性板101をカシメにより締結することができる。
第2貫通孔401a,401b〜406a,406bは周方向に延在する矩形である。これらは周方向に沿って湾曲しているが、本発明では周方向に延在して周方向に沿って湾曲する矩形も、矩形として説明する。これらは埋設された永久磁石の磁石極からの磁束に対する障壁として機能し、これらと第1貫通孔301〜306との相互の位置関係は磁性板101i毎に異なる。より詳細には、第2貫通孔401a,401b〜406a,406bは磁性板101i同士において形状が相互に同一であり、しかもその配置が磁性板101i同士において周方向にずれた関係にある。そして周方向において第1貫通孔301〜306との間の位置関係が磁性板101i毎に異なっている。
例えば、図1を参照して、磁性板101-mでは中心Qと、第1貫通孔301に貫装される永久磁石(図示せず)の磁石極の中心とを結ぶ線L0を二点鎖線で示している。また第1貫通孔301の端部301a,301bのそれぞれに対応して設けられた第2貫通孔401a,401bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L-mを破線で示している。線L-mは線L0に対して反時計回り方向にθ/2ずれている。
図2を参照して、磁性板1010では中心Qと、第2貫通孔401a,401bの間の中心とを結ぶ線は線L0と一致する。また図3を参照して、磁性板101+mでは第2貫通孔401a,401bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L+mを破線で示している。線L+mは線L0に対して時計回り方向にθ/2ずれている。
同様にして、磁性板101iでは線L0に対して、第2貫通孔401a,401bの間の中心と中心Qとを結ぶ線Liは、線L0に対して時計回り方向にθ/2m×iずれている。
他の第1貫通孔302〜306と、当該第1貫通孔の端部に対応して設けられた第2貫通孔402a,402b〜406a,406bとの位置関係についても同様である。
また、いずれの磁性板101iにおいても中心Qから見て、隣接する二つの第1貫通孔301,302の一方たる第1貫通孔301が他方たる第1貫通孔302側に有する端部301bと、第1貫通孔302が第1貫通孔301側に有する端部302aとの間に、第2貫通孔401bの第1貫通孔302側の端部401eと、第2貫通孔402aの第1貫通孔301側の端部402eとが配置される。換言すれば、第2貫通孔401b,402a同士の間は、中心Qから見て第1貫通孔301,302同士の間にある。他の第1貫通孔302〜306と、第2貫通孔402b,403a,403b,…,406a,406b,401aとについても同様である。
以上のことから、いずれの磁性板101iにおいても、マグネットトルクやリラクタンストルクに影響を与える部分の周方向に沿った長さが第1貫通孔301〜306と、第2貫通孔401a,401b〜406a,406bとの間の相互の位置関係に依存しない。よってリラクタンストルクはこの位置関係によって損なわれることがない。これは回転子の設計において大きな自由度を得ることになって有利である。
本実施の形態において、第1貫通孔301〜306は、全ての磁性板101についても同一に設けられる。第2貫通孔401a,401b〜406a,406bは磁性板同士において形状が相互に同一であって、これらの配置は磁性板同士において周方向にずれた関係にある。よって磁性板によらず、第1貫通孔同士、第2貫通孔同士を、それぞれ同じ金型で穿孔して設けることができる。この穿孔の具体的な態様については後述する実施の形態において説明する。
第2の実施の形態.
第2貫通孔は第1貫通孔に貫装される永久磁石の磁石極からの磁束に対して障壁となる機能を担う。よってその形状は第1の実施の形態に示されたように周方向に延在する態様の他、径方向に延在する態様を採ることもできる。
図4乃至図6は本発明の第2の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図4は第0番目の磁性板1020を、図5は第(−m)番目の磁性板102-mを、図6は第(+m)番目の磁性板102+mを、それぞれ示している。
本発明の第2の実施の形態にかかる磁性板102は、第1の実施の形態で示された磁性板101の第2貫通孔401a,401b〜406a,406bを、それぞれ第2貫通孔407a,407b〜412a,412bで置換した構成を有している。なお、本実施の形態以降、一枚の磁性板において複数の貫通孔が相互に連通する場合、連通部分においてもそれぞれの貫通孔の形状を省略することなく実線で示し、それらの形状を明確にしている。しかし実際には図面において貫通孔同士が重なっている部分は現れない。
第2貫通孔407a,407b〜412a,412bは、その対応する第1貫通孔の端部近傍から、外周へと径方向に延在する。例えば第2貫通孔407aは第1貫通孔301の第1貫通孔306側の端部近傍から外周へと径方向に延在し、第2貫通孔407bは第1貫通孔301の第1貫通孔302側の端部近傍から外周へと径方向に延在する。
同様にして、第1貫通孔302の一対の端部に対応して第2貫通孔408a,408bが、第1貫通孔303の一対の端部に対応して第2貫通孔409a,409bが、第1貫通孔304の一対の端部に対応して第2貫通孔410a,410bが、第1貫通孔305の一対の端部に対応して第2貫通孔411a,411bが、第1貫通孔306の一対の端部に対応して第2貫通孔412a,412bが、それぞれ設けられている。
そのほか、回転軸用貫通孔100、締結用貫通孔201〜206、第1貫通孔301〜306の形状、及びその配置は第1の実施の形態で説明された磁性板101iと同一である。そして全ての磁性板102に締結用貫通孔201〜206にボルトなどの締結具を貫装してこれらを締結することにより、これらはその法線方向に積層される。そして第1貫通孔301〜306のそれぞれに、全ての磁性板102について貫装され、回転軸方向に平行な磁石極を有する永久磁石(図示せず)を埋設することができる。締結用貫通孔201〜206やこれに貫挿する締結具を採用することなく、磁性板102をカシメによって締結してもよい。
第2貫通孔407a,407bは、第1貫通孔301に貫装される永久磁石の磁石極からの磁束に対する障壁として機能する。これらと第1貫通孔301との相互の位置関係は磁性板102i毎に異なる。より詳細には、第2貫通孔407a,407b〜412a,412bは磁性板102i同士において形状が相互に同一であり、しかもその配置が磁性板102i同士において周方向にずれた関係にある。そして周方向において第1貫通孔301〜306との間の位置関係が磁性板102i毎に異なっている。
例えば、図4を参照して、磁性板1020では中心Qと、第2貫通孔407a,407bの間の中心とを結ぶ線は線L0と一致する。また図5を参照して、磁性板102-mでは第2貫通孔407a,407bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L-mは線L0に対して反時計回り方向にθ/2ずれている。また図6を参照して、磁性板102+mでは第2貫通孔407a,407bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L+mは線L0に対して時計回り方向にθ/2ずれている。
同様にして、磁性板102iでは線L0に対して、第2貫通孔407a,407bの間の中心と中心Qとを結ぶ線Liは、線L0に対して時計回り方向にθ/2m×iずれている。
他の第1貫通孔302〜306と、当該第1貫通孔の端部に対応して設けられた第2貫通孔408a,408b〜412a,412bとの位置関係についても同様である。
いずれの磁性板102iにおいても中心Qから見て、隣接する二つの第1貫通孔301,302の一方たる第1貫通孔301が他方たる第1貫通孔302側に有する端部301bと、第1貫通孔302が第1貫通孔301側に有する端部302aとの間に、第2貫通孔407bの第1貫通孔302側の端部407eと、第2貫通孔408aの第1貫通孔301側の端部408eとが配置される。換言すれば、第2貫通孔407b,408a同士の間は、中心Qから見て第1貫通孔301,302同士の間にある。他の第1貫通孔302〜306と、第2貫通孔408b,409a,409b,…,412a,412b,407aとについても同様である。
以上のことから、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
第3の実施の形態.
第2貫通孔は二種の矩形で構成してもよい。図7乃至図9は本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図7は第(−m)番目の磁性板103-mを、図8は第0番目の磁性板1030を、図9は第(+m)番目の磁性板103+mを、それぞれ示している。
本実施の形態では、第1の実施の形態で示された第2貫通孔401a,401b〜406a,406bを、それぞれ第2貫通孔413a,413b〜418a,418bで置換した構成を有している。これらの第2貫通孔は二つの矩形を有している。
例えば第2貫通孔413bは相互に離隔した矩形貫通孔413b1,413b2を有している。矩形貫通孔413b1は第1貫通孔302側の第1貫通孔301の端部301bと連通し、矩形貫通孔413b2は第1貫通孔301及び矩形貫通孔413b1のいずれとも連通することなく周方向に延在する。矩形貫通孔413b2は周方向に沿って湾曲しているが、本発明では周方向に延在して周方向に沿って湾曲する矩形も、矩形として説明する。第2貫通孔413aについても同様に、相互に離隔した矩形貫通孔413a1,413a2を有している。矩形貫通孔413a1は第1貫通孔302側の第1貫通孔306の端部301aと連通し、矩形貫通孔413a2は第1貫通孔301及び矩形貫通孔413a1のいずれとも連通することなく周方向に延在する。更に第2貫通孔414a,414b〜418a,418bについても同様である。
第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様に、第1貫通孔301〜306及び第2貫通孔413a,413b〜418a,418bのそれぞれは、磁性板103i同士の間で同型に設けられる。また第2貫通孔413a,413b〜418a,418bは磁性板103i同士の間で周方向にずれた関係にあり、第1貫通孔301〜306との周方向の位置関係が磁性板103i毎に異なる。具体的には磁性板103iでは線L0に対して、第2貫通孔413a,413bの間の中心と中心Qとを結ぶ線Liは、線L0に対して時計回り方向にθ/2m×iずれている。
また第2貫通孔413b,414aの隣接する端部413e,414eは、全ての磁性板103において端部301b,302aの間にある。
以上のことから、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、図10乃至図12に(−m)番目、0番目、(+m)番目が例示された磁性板104のように、第2貫通孔413aにおいて矩形貫通孔413a1,413a2が連結して相互に連通していてもよい。他の第2貫通孔413b,414a,414b〜418a,418bについても同様である。
第4の実施の形態.
図13乃至図15は本発明の第4の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図13は第(−m)番目の磁性板105-mを、図14は第0番目の磁性板1050を、図15は第(+m)番目の磁性板105+mを、それぞれ示している。
第1貫通孔301の一対の端部の近傍には、それぞれ第3の貫通孔307a,307bが設けられる。同様にして、第1貫通孔302の一対の端部の近傍には、それぞれ第3の貫通孔308a,308bが設けられ、第1貫通孔303の一対の端部の近傍には、それぞれ第3の貫通孔309a,309bが設けられ、第1貫通孔304の一対の端部の近傍には、それぞれ第3の貫通孔310a,310bが設けられ、第1貫通孔305の一対の端部の近傍には、それぞれ第3の貫通孔311a,311bが設けられ、第1貫通孔306の一対の端部の近傍には、それぞれ第3の貫通孔312a,312bが設けられる。図では第1貫通孔と第3貫通孔とが連通しているが、両者は必ずしも連通する必要はない。
そして第1貫通孔301と第3貫通孔307a,307bは、これらの形状及び相互の位置関係が全ての磁性板105について同一である。第1貫通孔302〜306と、第3貫通孔308a,308b〜312a,312bとの相互の位置関係についても同様である。
第1の実施の形態で説明された磁性板101iと類似して、第1貫通孔301の一対の端部に対応して第2貫通孔419a,419bが設けられている。同様にして、第2貫通孔420a,420b〜424a,424bが設けられ、これら第2貫通孔は磁性板105i同士において周方向にずれた関係にある。そして周方向において第1貫通孔301〜306との間の位置関係が磁性板105i毎に異なっている。第2貫通孔419a,419b〜424a,424bは周方向に沿って湾曲しているが、本発明では周方向に延在して周方向に沿って湾曲する矩形も、矩形として説明する。
よって第3貫通孔と第2貫通孔とは相互に対応して設けられており、両者の周方向における位置関係は磁性板105i毎に異なっている。具体的には図13を参照して、磁性板105-mでは第2貫通孔419a,419bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L-mは線L0に対して反時計回り方向にθ/2ずれている。図14を参照して、磁性板1050では中心Qと、第2貫通孔419a,419bの間の中心とを結ぶ線は線L0と一致する。また図15を参照して、磁性板105+mでは第2貫通孔419a,419bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L+mは線L0に対して時計回り方向にθ/2ずれている。
同様にして、磁性板105iでは線L0に対して、第2貫通孔419a,419bの間の中心と中心Qとを結ぶ線Liは、線L0に対して時計回り方向にθ/2m×iずれている。
全ての磁性板105において、第1貫通孔301の両端に設けられた第3貫通孔307a,307b及びこれら同士の間においてのみ、第2貫通孔419a,419bが設けられる。つまり第2貫通孔419a,419bはそれぞれ第3貫通孔307a,307bよりも第1貫通孔301に対して外側にはみ出すことがない。このような配置は例えば、第3貫通孔の周方向の長さを、回転子全体のスキューθよりも大きくすれば実現することができる。
回転子全体のスキューθは、第1貫通孔301〜306に対する第2貫通孔419a,419b〜424a,424bの位置関係が最も異なる二枚の磁性板105-m,105+mの間での第2貫通孔の位置ずれ量として把握することができる。従って第3貫通孔307a,307b〜312a,312bの周方向の長さは、この位置ずれ量よりも大きくすればよい。
もちろん、本実施の形態においても、磁性板105の複数によってスキュー全体の角度θを細かく分割し、以てトルクリプルの低減を顕著にすることができる。
本実施の形態において、第1貫通孔同士、第2貫通孔同士、第3貫通孔同士は、それぞれ同じ金型で穿孔することができる。また磁性板105の法線方向に沿って第1貫通孔301〜306を揃えて積層することにより、第1貫通孔に永久磁石を貫装し、第2貫通孔420a,420b〜424a,424b及び第3貫通孔308a,308b〜312a,312bを磁束障壁として機能する、永久磁石埋設型電動機の回転子を構成することができる。
本実施の形態では、隣接する第1貫通孔同士の間で隣接する第3貫通孔同士の間隔は、いずれの磁性板105においても同一であるため、第1乃至第3の実施の形態のようなリラクタンストルクについてのスキューを得ることはできない。しかしマグネットトルクやリラクタンストルクに影響を与えるこれらの部分の周方向に沿った長さは、第1貫通孔及び第3貫通孔と第2貫通孔との相互の位置関係に依存しない。よって第1乃至第3の実施の形態と同様、マグネットトルクやリラクタンストルクがこの相互の位置関係に依存して損なわれることがない。
第5の実施の形態.
図16乃至図18は本発明の第5の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図16は第(−m)番目の磁性板106-mを、図17は第0番目の磁性板1060を、図18は第(+m)番目の磁性板106+mを、それぞれ示している。
本発明の第5の実施の形態にかかる磁性板106は、第2の実施の形態で示された磁性板102iの第2貫通孔407a,407b〜412a,412bを、それぞれ第2貫通孔425a,425b〜430a,430bで置換した構成を有している。第2貫通孔425a,425b〜430a,430bは、その対応する第1貫通孔の端部近傍から、外周へと径方向に延在し、磁束障壁として機能する。
そのほか、回転軸用貫通孔100、締結用貫通孔201〜206、第1貫通孔301〜306の形状、及びその配置は第1の実施の形態で説明された磁性板101と同一である。そして全ての磁性板106に締結用貫通孔201〜206にボルトなどの締結具を貫装してこれらを締結することにより、あるいはカシメによって、これらはその法線方向に積層される。そして第1貫通孔301〜306のそれぞれに、全ての磁性板106について貫装され、回転軸方向に平行な磁石極を有する永久磁石(図示せず)を埋設することができる。
第2貫通孔425bは、第1貫通孔301がこれと隣接する第1貫通孔302側に有する端部301bに対応して設けられる。第2貫通孔426aは、第1貫通孔302がこれと隣接する第1貫通孔301側に有する端部302aに対応して設けられる。第2貫通孔425b,426aは対を成して磁性板106の径方向に対して傾斜する。第2貫通孔425b,426aのこの傾斜は、位置51を中心として磁性板106i毎に異なる角度で傾く。位置51は、第1貫通孔301,302の間にある。
同様にして、第2貫通孔426b,427aは対を成して磁性板106の径方向に対して傾斜し、その傾斜角度は位置52を中心として磁性板106i毎に異なる。第2貫通孔427b,428aは対を成して磁性板106の径方向に対して傾斜し、その傾斜角度は位置53を中心として磁性板106i毎に異なる。第2貫通孔428b,429aは対を成して磁性板106の径方向に対して傾斜し、その傾斜角度は位置54を中心として磁性板106i毎に異なる。第2貫通孔429b,430aは対を成して磁性板106の径方向に対して傾斜し、その傾斜角度は位置55を中心として磁性板106i毎に異なる。第2貫通孔430b,425aは対を成して磁性板106の径方向に対して傾斜し、その傾斜角度は位置56を中心として磁性板106i毎に異なる。
位置52は第1貫通孔302,303の間に、位置53は第1貫通孔303,304の間に、位置54は第1貫通孔304,305の間に、位置55は第1貫通孔305,306の間に、位置56は第1貫通孔306,301の間に、それぞれ設けられる。
例えば、図16を参照して、磁性板106-mでは第2貫通孔425b,426aが対を成して磁性板106-mの径方向に対して位置51を中心として反時計回り方向にφ/2ずれて傾斜している。他の第2貫通孔についても同様である。このずれにより、第2貫通孔425a,425bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L-mは、第1貫通孔301に貫装される永久磁石(図示せず)の磁石極の中心とを結ぶ線L0に対して反時計回り方向にθ/2ずれている。また図17を参照して、磁性板1060では第2貫通孔425b,426aが対を成して磁性板1060の径方向に対して平行となっている。また図18を参照して、磁性板106+mでは第2貫通孔425b,426aが対を成して位置51を中心として磁性板106+mの径方向に対して時計回り方向にφ/2ずれて傾斜している。このずれにより、第2貫通孔425a,425bの間の中心と中心Qとを結ぶ線L+mは、第1貫通孔301に貫装される永久磁石(図示せず)の磁石極の中心とを結ぶ線L0に対して時計回り方向にθ/2ずれている。
磁性板106iにおいて、対を成す第2貫通孔425b,426aの位置51から見た傾斜角度は、時計回り方向にφ/2m×iずれ、第2貫通孔425a,425bの間の中心と中心Qとを結ぶ線は、第1貫通孔301に貫装される永久磁石の磁石極の中心とを結ぶ線L0に対して時計回り方向にθ/2m×iずれる。
しかも第2貫通孔についての傾斜中心が隣接する第1貫通孔の間にあるので、スキューの大きさを大きく採りやすく、トルクリプルが小さな電動機を設計しやすい。
なお第1貫通孔同士は全ての磁性板106において同型、同配置であるので、全ての磁性板106を同じ金型で穿孔して設けることができる。第2貫通孔についても対を成すものについては、形状自体及び磁性板内部での相互の配置関係は磁性板106i同士で同一とし、磁性板106i同士で相違して異なるのは傾斜角度のみとすることができる。よって同じ金型で穿孔して第2貫通を設けることができる。この穿孔の具体的な態様については後述する第10の実施の形態において説明する。
第6の実施の形態.
第3の実施の形態と類似して、第2貫通孔は二種の矩形で構成してもよい。図19乃至図21は本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図19は第(−m)番目の磁性板107-mを、図20は第0番目の磁性板1070を、図21は第(+m)番目の磁性板107+mを、それぞれ示している。
本実施の形態では、第5の実施の形態で示された第2貫通孔425a,425b〜430a,430bを、それぞれ第2貫通孔431a,431b〜436a,436bで置換した構成を有している。これらの第2貫通孔は二つの矩形を有している。
例えば第2貫通孔431bは相互に離隔した矩形貫通孔431b1,431b2を有している。矩形貫通孔431b1は第1貫通孔302側の第1貫通孔301の端部301bと連通し、矩形貫通孔431b2は第1貫通孔301及び矩形貫通孔431b1のいずれとも連通することなく周方向に延在する。第2貫通孔431aについても同様に、相互に離隔した矩形貫通孔431a1,431a2を有している。矩形貫通孔431a1は第1貫通孔306側の第1貫通孔301の端部301aと連通し、矩形貫通孔431a2は第1貫通孔301及び矩形貫通孔431a1のいずれとも連通することなく周方向に延在する。第2貫通孔432a,432b〜436a,436bについても同様に設けられる。
第5の実施の形態と同様に、第1貫通孔301〜306及び第2貫通孔431a,431b〜436a,436bのそれぞれの形状は、全ての磁性板107同士の間で同型に設けられる。また第2貫通孔のうち、対を成すものはそれら同士の相互の配置関係が磁性板107i同士の間で同一であり、径方向に対する傾斜角度が磁性板107i毎に異なる。具体的には磁性板107iでは径方向に対して、対を成す第2貫通孔425b,426aの位置51から見た傾斜角度は、時計回り方向にφ/2m×iずれている。他の対を成す第2貫通孔についても同様である。
以上のことから、本実施の形態においても、第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、図22乃至図24に(−m)番目、0番目、(+m)番目が例示された磁性板108のように、第2貫通孔431aにおいて矩形貫通孔431a1,431a2が連結して相互に連通していてもよい。他の第2貫通孔431b,432a,432b〜436a,436bについても同様である。
第7の実施の形態.
第5の実施の形態、第6の実施の形態において、隣接する第1貫通孔の端部同士の間に中心を有して一対の第2貫通孔が傾斜する態様が示された。しかし第2貫通孔が対を成さずに、それぞれ対応する第1貫通孔の端部を中心として傾斜してもよい。
図25乃至図27は本発明の第7の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。図25は第(−m)番目の磁性板109-mを、図26は第0番目の磁性板1090を、図27は第(+m)番目の磁性板109+mを、それぞれ示している。
磁性板109が第5の実施の形態で示された磁性板106(図16乃至図18)と異なる点は、第2貫通孔425a,425b〜430a,430bが傾斜する中心が異なっている点にある。例えば第2貫通孔425bの傾斜は、第2貫通孔425bが対応して設けられた第1貫通孔301の端部51bを中心としている。また第2貫通孔426aの傾斜は、第2貫通孔426aが対応して設けられた第1貫通孔302の端部51aを中心としている。つまり、第5の実施の形態における第2貫通孔425b,426aが、傾斜の中心を共通としていたのに対し、第7の実施の形態では傾斜の中心はそれぞれ別個となっている。
第7の実施の形態においても、第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。スキューの大きさを大きく採りやすく、トルクリプルが小さな電動機を設計しやすい。
なお第1貫通孔同士は全ての磁性板109において同型、同配置であるので、全ての磁性板109を同じ金型で穿孔して設けることができる。第2貫通孔についても、形状自体及び磁性板内部での相互の配置関係は全ての磁性板109で同一とし、磁性板109i同士で相違して異なるのは傾斜角度のみとすることができる。よって同じ金型で穿孔して第2貫通を設けることができる。この穿孔の具体的な態様については後述する第11の実施の形態において説明する。
第7の実施の形態においては、磁性板106の変形として磁性板109を説明したが、磁性板107,108についても同様に、第2貫通孔の傾斜の中心を変形することが容易であることは明白であるので、それらの場合の詳細な説明は省略する。
なお、第1乃至第7の実施の形態で示された磁性板を積層し、永久磁石を貫装して得られた回転子と、回転子と相対する固定子から生じる磁束との相互作用は、磁性板の第1貫通孔に対する第2貫通孔の配置によって異なる。より詳細には、回転子の永久磁石によって生じる磁束と固定子から生じる磁束との相互作用によるマグネットトルクのみならず、磁性板とする固定子から生じる磁束との相互作用によるリラクタンストルクについても、磁性板毎に異なる。このようにして磁性板間にスキューがある電動機を得ることができ、そのトルクリプルが軽減される。
もちろん、トルクリプルは回転子全体として発生するので、磁性板毎にスキューを考えただけでは、その積層順序は特にトルクリプルに影響を与えない。しかしながら、隣接する磁性板同士において、相互に対応する第2貫通孔同士の位置があまりに離れすぎていれば、一方の磁性板の第2貫通孔が障壁となるような磁束にとっても、他方の磁性板が当該磁束の迂回路となり、上記一方の磁性板の第2貫通孔は実質的に磁束障壁として機能しなくなる。第2貫通孔は実質的に磁束障壁として機能しなくなれば、隣接する磁性板同士の間で磁束の漏洩を防止する非磁性板を磁性板間に挟み込む必要がある。
従って第2貫通孔の磁束障壁としての機能を実効あらしめるべく、隣接する磁性板同士における第2貫通孔の配置のずれを最小とする順序で磁性板を積層することが望ましい。具体的には磁性板101iを例に取れば、磁性板101iを101-m,1011-m,…101-1,1010,101+1,…101+m-1,101+mをこの順序で積層することにより、隣接する磁性板101s,101s+1(−m≦s≦+m−1)同士の間では、第1貫通孔301と第2貫通孔401a,401bとの位置関係が、θ/2mでずれることになる。これにより、磁性板101iの複数によってスキュー全体の角度θを細かく分割し、以てトルクリプルの低減を顕著にすることができる。例えばθ=10度に設定される。他の磁性板101〜109についても同様である。
上記の各実施の形態では第1貫通孔、第2貫通孔、第3貫通孔が、それぞれ磁性体同士の間で略同一であればよいし、必ずしも全ての磁性体において略同一である必要もない。その効果が妨げられない程度に、略同一であり、あるいは一部の磁性体においては略同一ですらなくてもよい。
また、全ての磁性体が相互に異なる構造を有する必要はない。例えば磁性板101sは複数存在してもよい。この場合、例えば同じ構造の磁性板を隣接して積層すれば、実質的に磁性板の厚みが厚くなると把握することもできる。
第8の実施の形態.
本実施の形態では第1乃至第4の実施の形態に示された磁性板の製造に適した製造方法を説明する。図28は本発明の第8の実施の形態における製造工程を示す概念図であり、ここでは第1の実施の形態にかかる磁性板101を製造する方法を例示している。
磁性板101は長尺の磁性材800から切り出される。より具体的には、磁性板101を一枚製造するための領域Tが設定され、磁性材800の長手方向である移送方向Fに沿って、領域Tの長さ分で搬送される。領域Tは磁性板101の寸法よりも大きく設定される。
図28において移送方向Fに沿って上流側から、工程J1,J2,J3.J4がこの順に磁性材800に施される。工程J1,J2は公知の穿孔工程であり、工程J4は公知の打ち抜き工程であるので、ここではその詳細を省略して、工程が実行されることを単に矢印で示している。工程J1〜J4は、例えば一斉に実行でき、その一斉の実行は、磁性材800を上述のように移送することと交互に行われる。
工程J1において第1貫通孔の一部及び締結用貫通孔の一部が穿孔される。例えば第1貫通孔301,303,305及び締結用貫通孔202,204,206(図1参照)が穿孔される。
工程J2においては、工程J1において穿孔されなかった第1貫通孔及び締結用貫通孔、並びに回転軸用貫通孔が穿孔される。例えば第1貫通孔302,304,306及び締結用貫通孔201,203,205並びに回転軸用貫通孔100(図1参照)が穿孔される。
あるいは更に、磁性板105を製造する場合には、第3貫通孔307a,307b〜312a,312bを工程J1,J2のいずれか一方で、あるいは分担して、穿孔する。
第1貫通孔、締結用貫通孔、回転軸用貫通孔は磁性板101において位置が固定されているので、これらはそれぞれ同じ金型を用いて穿孔することができる。磁性板102,103,104,105のそれぞれについても同様である。第3貫通孔についても同様に、同じ金型を用いて穿孔することができる。
磁性板101i同士をカシメによって締結する場合には、もちろん、締結用貫通孔を穿孔する必要はない。
工程J3においては、第2貫通孔401a,401b〜406a,406bを穿孔する。具体的には第1金型901を用いて穿孔する。第1金型901は複数の歯901aを有し、これらはほぼ円環に沿って配置される。そして第1金型901はこの円環の周方向に沿って移動することができる。
工程J3において、ある磁性板についての第2貫通孔を第1金型901を用いて穿孔したのち、上述のように磁性材800を移送する。この移送と並行してあるいは前後して、第1金型901を円環の周方向に沿って移動させる。そして他の磁性板についての第2貫通孔を第1金型901を用いて穿孔する。
第2の貫通孔は上述のように、磁性板同士で周方向にずれた関係にあるので、同じ第1金型901を用いて複数の磁性板に第2貫通孔を穿孔することができる。
望ましくは工程J3の穿孔の際、第2金型902をも用いることが望ましい。第2金型902は歯901aと相まって磁性材800を穿孔する溝902bが複数穿たれた板902aを有している。第2金型902も第1金型901と共に周方向に移動する。第2金型902を採用することにより、長尺の磁性材800を支持しつつ、第2貫通孔を穿孔できる。このように第2金型902を採用することは穿孔の際に、磁性材800の変形を避ける観点で有利である。
工程J3の後、上述のように磁性材800を移送し、工程J4において磁性板の外周を打ち抜いて型抜きする。これにより磁性板が完成する。
第9の実施の形態.
図29は本発明の第9の実施の形態における製造工程を示す概念図であり、ここでは磁性板101を製造する方法を例示している。本実施の形態では第8の実施の形態における製造工程のうち、工程J3,J4を入れ替える。
工程J1,J2に関しては第8の実施の形態で説明した通りである。工程J2の実行後、領域Tの長さで移送方向Fに沿って移送された磁性材800は、回転治具900によって支持されてから工程J4によって磁性板の外周が打ち抜かれる。
回転治具900は突起903bの複数が配置された板903aを有している。突起903bは締結用貫通孔に貫挿可能である。板903aは突起903bにほぼ垂直な面内で回転可能である。回転治具900はまた、磁性材800に伴って移送方向Fに移動可能である。
磁性材800は工程J1,J2によって締結用貫通孔が穿孔されており、ここに回転治具900の突起903bが貫挿されて板903aによって支持される。このように支持されてから磁性板の外周が打ち抜かれるので、磁性板の落下は免れる。
なお、図29において示されるように、回転治具900が突起903cを更に有していてもよい。突起903cも突起903bと同様に板903a上で配置され、回転軸用貫通孔に貫挿可能である。
複数の突起903bが磁性板の締結用貫通孔に貫挿することにより、回転治具900の回転によって磁性板を回転させることができる。しかし突起903cが設けられている場合には、突起903bは一つであっても、回転治具900の際、回転によって磁性板を回転させることができる。
工程J4が施された磁性板は回転治具903を伴って前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、工程J3に供せられる。
回転治具900は回転可能であり、工程J4において磁性板の外周が打ち抜かれるので、磁性板も回転可能である。よって工程J3において第1金型901を回転させなくても、異なる磁性板毎に周方向にずれた第2貫通孔を穿孔することができる。
よって本実施の形態においても、同じ第1金型901を用いて複数の磁性板に第2貫通孔を穿孔することができる。
第10の実施の形態.
本実施の形態では第5及び第6の実施の形態に示された磁性板の製造に適した製造方法を説明する。図30は本発明の第10の実施の形態における製造工程を示す概念図であり、ここでは第5の実施の形態にかかる磁性板106を製造する方法を例示している。
本実施の形態では第8の実施の形態における工程J3を工程J5に置換した手法を採用する。工程J1,J2,J4に関しては、第7及び第8の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
工程J5においては、第1金型904を用いて、磁性材800に対して第2の貫通孔を穿孔する。第1金型904は板904a上にほぼ円環に沿って配置される歯部904bを複数個有する。歯部904bは円環に対する角度を変更可能である。
図31は一つの歯部904bを例示する平面図である。図31では歯部904bがほぼ並行な一対の歯V1,V2を有している場合が例示されている。歯部904bは点Pを中心に回転可能であり、点Pは板904aに固定される。例えば歯V1,V2は磁性板106の第2貫通孔425b,426a(図17参照)を並行して穿孔する。この場合、工程J5においては磁性板の平面視上、点Pが位置51と重なるように第1金型904と磁性材800の位置関係が調整される。
もちろん、これらの歯は穿孔すべき第2貫通孔の形状に応じて選択されるべきであり、第6の実施の形態にかかる磁性板107を製造する場合には、歯部904bには大きさが異なる二対の歯が設けられる。
図32は歯部904bがその配置された円環に対する角度を変更できる機構を例示する平面図である。第1金型904は、複数の歯部904bを囲む外枠904cを備えている。複数の歯部904bの外周及び外枠904cの内周は相互に接触し、当該接触によって外枠904cの回転が歯部904bに伝達される。当該接触を解する回転の伝達のため、複数の歯部904bの外周及び外枠904cの内周には相互に噛み合うギアを設けることも望ましい。外枠904cを所定角度回転させることにより、複数の歯部904bは相互に等しい角度でそれぞれの中心Pの周りで回動する。
工程J5において、ある磁性板についての第2貫通孔を第1金型904を用いて穿孔したのち、上述のように磁性材800を移送する。この移送と並行してあるいは前後して、第1金型904の歯部904bを上述のように回転させる。そして他の磁性板についての第2貫通孔を第1金型904を用いて穿孔する。
第2の貫通孔は上述のように、磁性板同士で角度がずれた関係にあるので、同じ第1金型904を用いて上記円環に対する角度を変えることにより、複数の磁性板にその径方向の傾斜が異なる第2貫通孔を穿孔することができる。
望ましくは工程J5の穿孔の際、第2金型905をも用いることが望ましい。第2金型905は板905と、歯部904bと対応して円環状に配置された溝部905bを備えている。溝部905bは歯部904bと対応して円環に対する角度を変更可能である。
溝部905bは少なくとも一対の溝を有しており、当該溝は歯部904bの歯と相まって磁性材800を穿孔する。第2金型905を採用することにより、長尺の磁性材800を支持しつつ、第2貫通孔を穿孔できる。このように第2金型905を採用することは穿孔の際に、磁性材800の変形を避ける観点で有利である。
第11の実施の形態.
本実施の形態では第7の実施の形態に示された磁性板の製造に適した製造方法を説明する。第10の実施の形態と同様にして、工程J1,J2,J5,J4が採用されるが、第11の実施の形態では第10の実施の形態とは異なる第1金型904の構成が異なる。
図33は第11の実施の形態において工程J5の穿孔に採用される第1金型904の構成を例示する平面図である。第10の実施の形態と同様に、歯部904bは円環に配置され、その配置された円環に対する角度を変更できる。
第11実施の形態においては、歯部904bには歯V1,V2が別個に設けられており、外枠904cを所定角度回転させることにより、それぞれ点P1,P2の周りで回動する。点P1,P2は板904aに固定される。例えば歯V1,V2はそれぞれ磁性板109iの第2貫通孔425b,426a(図25乃至図27参照)を並行して穿孔する。この場合、工程J5においては磁性板の平面視上、点P1,P2が位置51b,51aと重なるように第1金型904と磁性材800の位置関係が調整される。
歯V1,V2は外枠904cの回転に伴って等しい角度で回動することができ、第1金型904を共通に用いていずれの磁性板109iの第2貫通孔をも穿孔することができる。
望ましくは工程J5の穿孔の際、第10の実施の形態と同様に、第2金型905をも用いることが望ましい。第11の実施の形態で採用されるべき第2金型905は、第10の実施の形態と同様に歯部904bと対応して円環状に配置された溝部を備え、溝部は歯部904bと対応して円環に対する角度を変更可能とする。但し当該溝部は歯部904bの歯と相まって磁性材800を穿孔する溝を一つ有する。このような第2金型905を採用することにより、長尺の磁性材800を支持しつつ、第2貫通孔を穿孔でき、穿孔の際に、磁性材800の変形を避ける観点で有利である。
第12の実施の形態.
図34は本発明の第12の実施の形態にかかる磁性板の積層例を示す概念図である。磁性板101iがiの値の順序に従って磁性板101-m〜101+mへと順次に積層されている。磁性板101-m〜101+mは組1Aを構成する。
各磁性板101iの法線方向に沿って中心Qが揃えられており、各磁性板101iの回転軸用貫通孔100は法線方向に平行に連通している。また第1貫通孔(及び図示を省略したが、締結用貫通孔)も法線方向に揃えて連通する。よって第1貫通孔に貫装された永久磁石(図示せず)を設けることにより、永久磁石埋設型電動機の回転子を得ることができる。
組1Aの磁性板101-m〜101+mにおいて、隣接する磁性板同士における第2貫通孔の配置のずれを最小とする順序で積層することにより、回転子表面の磁極境界及び磁極の位置は、磁性板101iの法線方向に対して直線的に傾斜する。
具体的には例えば、第1貫通孔304の第1貫通孔305側の端部の位置を磁性板101-m〜101+mに沿って辿ると、直線K304が得られる。第1貫通孔305の第1貫通孔304側の端部の位置を磁性板101-m〜101+mに沿って辿ると、直線K305が得られる。直線K304,K305は法線方向に平行である。しかし、第1貫通孔304の第1貫通孔305側の端部に対応して設けられた第2貫通孔404bの、第1貫通孔305側の端部の位置を磁性板101-m〜101+mに沿って辿って得られる線K404は、法線方向に対して傾斜する。同様にして、第1貫通孔305の第1貫通孔304側の端部に対応して設けられた第2貫通孔405aの、第1貫通孔304側の端部の位置を磁性板101-m〜101+mに沿って辿って得られる線K405も、法線方向に対して傾斜する。
図35はこのように磁性板を積層する様子を示す概念図である。より具体的には工程J4において採用できる。ダイ701上に磁性体800が移送され、磁性体800に対してダイ701と反対側からポンチ702を押し込むことにより、磁性板101-m〜101+mが打ち抜かれる。
打ち抜かれた磁性板の集まり101Aはポンチ702の下方に配置された受け台703に積層される。第8、第10、及び第11の実施の形態で示された製造方法において、第2貫通孔を、その位置ずれを最小とする順序で穿孔することにより、線K404,K405を法線方向に対して傾斜させるべく磁性板を積層することができる。つまり工程J3(又はJ5)において、隣接する磁性板同士における第2貫通孔の配置のずれを最小とする量で、第1金型901(又は904)が移動して穿孔する。
この際、ポンチ702と受け台703によって、打ち抜かれた磁性板の集まり101Aに対し、新たに打ち抜かれた磁性板を順次にかしめることができる。このようなカシメを行う場合には、もちろん、図示を省略した締結用貫通孔は不要である。
このような工程J4を採用することにより、第8、第10、及び第11の実施の形態で示された製造方法において、組1Aの積層構造を容易に得ることも可能となる。
図36は本実施の形態の変形にかかる磁性板の積層例を示す概念図である。図34に示された積層構造(組1A)に対し、その磁性板101-m側に隣接して他の組1Bの磁性板101iをiの値の順序に従って磁性板101-m+1〜101+mへと順次に積層している。そして組1Aと組1Bとは第2貫通孔の配置がずれる方向が異なる。これにより、図36に示された構造では、線K404,K405は磁性板101-mを境界として折れ曲がる。
図34、図36のいずれの態様に記載された積層構造に対しても、第1貫通孔に永久磁石を貫挿し、回転軸用貫通孔に回転軸を貫挿することにより、電動機の回転子を得ることができる。また回転子と相対する固定子を備えることにより、磁性板が積層される方向を軸として回転子が回転する永久磁石埋設型電動機を得ることができる。上述の実施の形態で述べたように、このような電動機ではトルクリプルが低減される。
特に第2貫通孔の磁束障壁としての機能が、隣接する磁性板によって実質的に損なわれることが回避される。換言すれば、回転子表面の磁極境界及び磁極の位置が隣接する磁性板101i同士で大きくずれることがないため、磁性板101i同士の間での磁束の漏洩を防止する非磁性板を磁性板間に挟み込む必要がない。
第12の実施の形態では、第1の実施の形態で示された磁性板101を例にとって説明したが、他の実施の形態で示された磁性板についても適用可能であることは明白であるので、その場合についての詳細な説明は省略する。
本発明の第1の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる磁性板の構造を例示する正面図である。 本発明の第8の実施の形態における製造工程を示す概念図である。 本発明の第9の実施の形態における製造工程を示す概念図である。 本発明の第10の実施の形態における製造工程を示す概念図である。 歯部を例示する平面図である。 歯部の角度を変更する機構を例示する平面図である。 本発明の第11の実施の形態における製造工程に採用可能な歯部を例示する平面図である。 本発明の第12の実施の形態にかかる磁性板の積層例を示す概念図である。 本発明の第12の実施の形態にかかる磁性板の積層に採用可能な工程を示す概念図である。 本発明の第12の実施の形態の変形にかかる磁性板の積層例を示す概念図である。
符号の説明
101〜109 磁性板
201〜206 締結用貫通孔
301〜306 第1貫通孔
301b,302a (第1貫通孔の)端部
307a,307b〜312a,312b 第3貫通孔
401a,401b〜436a,436b 第2貫通孔
401e,402e (第2貫通孔の)端部
413a1,413a2 矩形
800 磁性材
900 回転治具
901,904 第1金型
901a 歯
902,905 第2金型
902b 溝
902a,903a,905a 板
903b,903c 突起
904b 歯部
Q 中心
θ スキュー全体の角度

Claims (19)

  1. 複数の磁性板であって、その各々が、
    前記磁性板の中心(Q)から見て周方向に配置された第1貫通孔(301〜306)の複数と、
    前記第1貫通孔から見て周側に設けられた第2貫通孔(401a,401b〜406a,406b;407a,407b〜412a,412b;413a,413b〜418a,418b)の複数と
    を備え、
    前記第1貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    前記第2貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    いずれの一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔に対する配置もが、他のいずれか少なくとも一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔に対する配置と、周方向において相互にずれた関係にあり、
    いずれの前記磁性板においても前記中心から見て、隣接する二つの前記第1貫通孔との間に、隣接する二つの前記第2貫通孔の少なくとも一部が配置される磁性板(101,102,103,104)。
  2. 前記第1貫通孔(301〜306)の各々は一対の端部を有し、
    前記第2貫通孔(401a,401b〜406a,406b;407a,407b〜412a,412b;413a,413b〜418a,418b)は前記第1貫通孔の前記端部の各々に対応して設けられ、
    いずれの前記磁性板においても前記中心(Q)から見て、隣接する二つの前記第1貫通孔(301,302)の一方(301)が他方(302)側に有する前記端部(301b)と、前記他方が前記一方側に有する前記端部(302a)との間に、前記一方が有する前記端部に対応して設けられた前記第2貫通孔(401b)の前記他方側の端部(401e)と、前記他方が有する前記端部に対応して設けられた前記第2貫通孔(402a)の前記一方側の端部(402e)とが配置される、請求項1記載の磁性板(101,102,103,104)。
  3. 前記第2貫通孔(401a,401b〜406a,406b)はほぼ前記周方向に延在する、請求項2記載の磁性板(101)。
  4. 前記第2貫通孔(407a,407b〜412a,412b)はほぼ前記周方向に対する径方向に延在する、請求項2記載の磁性板(102)。
  5. 前記第2貫通孔(413a,…)の各々は、二種の矩形(413a1,413a2,…)で構成される、請求項2記載の磁性板(103,104)。
  6. 前記二種の矩形は離隔して設けられる、請求項5記載の磁性板(103)。
  7. 前記二種の矩形は連結して設けられる、請求項5記載の磁性板(104)。
  8. (a)複数の磁性板であって、その各々が、
    前記磁性板の中心(Q)から見て周方向に配置された第1貫通孔(301〜306)の複数と、
    前記第1貫通孔から見て周側に設けられた第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)の複数と、
    前記第1貫通孔の両端近傍にそれぞれ設けられる第3貫通孔(307a,307b〜312a,312b)と
    を備え、
    前記第1貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    前記第2貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    前記第3貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    いずれの一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置もが、他のいずれか少なくとも一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置と、周方向において相互にずれた関係にあり、
    いずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられる、磁性板(105)の複数と
    (b)永久磁石と
    を含み、
    前記複数の磁性板はその法線方向に沿って、前記第1貫通孔を揃えて積層され、
    前記永久磁石は、前記第1貫通孔に貫装され、前記第2貫通孔には設けられない、永久磁石埋設型電動機の回転子
  9. 第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)は、前記第3貫通孔の各々に対応して設けられ、
    いずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記一対の前記第3貫通孔と対応した一対の前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられる、請求項8記載の永久磁石埋設型電動機の回転子
  10. 複数の磁性板であって、その各々が、
    前記磁性板の中心(Q)から見て周方向に配置された第1貫通孔(301〜306)の複数と、
    前記第1貫通孔から見て外周側に設けられた第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)の複数と、
    前記第1貫通孔の両端近傍にそれぞれ設けられる第3貫通孔(307a,307b〜312a,312b)と
    を備え、
    前記第1貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    前記第2貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    前記第3貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に略同一であり、
    いずれの一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置もが、他のいずれか少なくとも一つの前記磁性板の前記第2貫通孔の配置の前記第1貫通孔及び第3貫通孔に対する配置と、周方向において相互にずれた関係にあり、
    いずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられ 第2貫通孔(419a,419b〜424a,424b)は、前記第3貫通孔の各々に対応して設けられ、
    いずれの前記磁性板においても、一の前記第1貫通孔の前記両端に設けられた一対の前記第3貫通孔(307a,307b)及び前記一対の前記第3貫通孔同士の間においてのみ、前記一対の前記第3貫通孔と対応した一対の前記第2貫通孔(419a,419b)が設けられ、
    前記第3貫通孔(307a,307b〜312a,312b)の前記周方向の長さは、前記周方向における前記第1貫通孔に対する前記第2貫通孔の位置関係が最も異なる二枚の前記磁性板(105-m,105+m)の間での前記第2貫通孔の位置ずれ量(θ)よりも大きい磁性板(105)。
  11. 請求項1乃至請求項7及び請求項10のいずれか一つに記載の磁性板の組の少なくとも一つを、前記磁性板の法線方向に沿って、前記第1貫通孔を揃えて積層して有し、
    前記第1貫通孔に貫装された永久磁石を更に有する、永久磁石埋設型電動機の回転子。
  12. 前記磁性板の前記組毎に、隣接する前記磁性板同士における前記第2貫通孔の配置のずれを最小とする順序で前記磁性板が積層される、請求項11記載の永久磁石埋設型電動機の回転子。
  13. 前記組は前記法線方向に沿って複数積層され、隣接する前記組同士において、前記第2貫通孔の配置がずれる方向が異なる、請求項12記載の永久磁石埋設型電動機の回転子。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれか一つに記載の回転子と、
    前記回転子と相対する固定子と
    を備え、
    前記磁性板を積層する方向を軸として前記回転子が回転する永久磁石埋設型電動機。
  15. 請求項1記載の磁性板を製造する方法であって、
    (a)ほぼ円環に沿って配置された歯(901a)の複数を有する第1金型(901)を用いて、長尺の磁性材(800)に対して穿孔して、一の前記磁性板の前記第2貫通孔に相当する孔を穿孔し、
    (b)前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、
    (c)前記第1金型を前記円環の周方向に沿って移動させ、
    (d)前記第1金型を用いて前記磁性材に対して穿孔して、他の前記磁性板の前記第2貫通孔に相当する孔を穿孔する、
    磁性板の製造方法。
  16. 前記(a)において第2金型(902)をも用いて前記第2貫通孔に相当する孔を穿孔し、
    前記第2金型は、
    前記歯と相まって前記磁性材(800)を穿孔する溝(902b)の複数と、
    前記溝が穿たれた板(902a)と
    を有し、
    前記(c)において、前記第2金型は前記第1金型と共に前記周方向に移動する、請求項15記載の磁性板の製造方法。
  17. 請求項1記載の磁性板を製造する方法であって、
    前記磁性板は、前記磁性板を積層させて締結するための締結用貫通孔(201〜206)の複数を更に備え、
    前記締結用貫通孔は前記磁性板同士において形状が相互に同一であり、
    一の前記磁性板における前記第1貫通孔と前記締結用貫通孔との位置関係は、いずれの前記磁性板においても同一であり、
    (a)長尺の磁性材(800)に対して前記締結用貫通孔を穿孔し、
    (b)前記締結用貫通孔に貫挿可能な複数の突起(903b)が設けられ、前記突起にほぼ垂直な面内で回転可能な板(903a)を有する回転治具(900)を用い、前記突起を前記締結用貫通孔に貫挿させ、
    (c)前記磁性材を型抜きして前記一の前記磁性板を形成し、
    (d)前記一の前記磁性板及び前記回転治具を伴って前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、
    (e)前記突起を前記締結用貫通孔に貫挿させつつ前記回転治具の前記板を回転させることにより前記一の前記磁性板を回転させ、
    (f)前記一の前記磁性板に対して所定の金型(901)によって前記第2貫通孔(401a〜406b)を穿孔する、
    磁性板の製造方法。
  18. 請求項1記載の磁性板を製造する方法であって、
    前記磁性板は、前記磁性板を積層させて締結するための締結用貫通孔(201〜206)及び回転軸が貫挿される回転軸用貫通孔を更に備え、
    前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔は、前記磁性板同士において形状が相互に同一であり、
    一の前記磁性板における前記第1貫通孔と前記締結用貫通孔と前記回転軸用貫通孔との位置関係は、いずれの前記磁性板においても同一であり、
    (a)長尺の磁性材(800)に対して前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔を穿孔し、
    (b)前記締結用貫通孔に貫挿可能な第1突起(903b)と、前記回転軸用貫通孔に貫挿可能な第2突起(903c)とが設けられ、前記第1突起及び前記第2突起にほぼ垂直な面内で回転可能な板(903a)を有する回転治具(900)を用い、前記第1突起及び前記第2突起をそれぞれ前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔にそれぞれ貫挿させ、
    (c)前記磁性材を型抜きして前記一の前記磁性板を形成し、
    (d)前記一の前記磁性板及び前記回転治具を伴って前記磁性材をその長手方向に、少なくとも前記磁性板の寸法よりも大きく移送し、
    (e)前記第1突起及び前記第2突起をそれぞれ前記締結用貫通孔及び前記回転軸用貫通孔に貫挿させつつ前記回転治具の前記板を回転させることにより前記一の前記磁性板を回転させ、
    (f)前記一の前記磁性板に対して所定の金型(901)によって前記第2貫通孔(401a〜406b)を穿孔する、
    磁性板の製造方法。
  19. 隣接する前記磁性板同士における前記第2貫通孔の配置のずれを最小とする量で、前記(c)において前記第1金型(901,904)が移動し、
    (e)前記第2貫通孔が穿孔された後に前記磁性材を打ち抜いて前記磁性板を得つつ、当該磁性板を順次に積層する、
    請求項15、請求項16のいずれか一つに記載の磁性板の製造方法。
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