JPH11220846A - 磁石回転子およびそれを用いた回転電機 - Google Patents

磁石回転子およびそれを用いた回転電機

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JPH11220846A
JPH11220846A JP10021744A JP2174498A JPH11220846A JP H11220846 A JPH11220846 A JP H11220846A JP 10021744 A JP10021744 A JP 10021744A JP 2174498 A JP2174498 A JP 2174498A JP H11220846 A JPH11220846 A JP H11220846A
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magnetic flux
magnet
core
permanent magnet
magnets
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JP10021744A
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English (en)
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Satoshi Kikuchi
菊地  聡
Haruo Oharagi
春雄 小原木
Manabu Sasaki
学 佐々木
Kouchiyuu Kin
金  弘中
Kazuo Tawara
和雄 田原
Keiji Noma
啓二 野間
Masaharu Senoo
正治 妹尾
Kazuo Sato
和雄 佐藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、主磁束トルクおよびリラクタ
ンストルクを増加できる磁石回転子およびそれを用いた
回転電機を提供する。 【解決手段】磁石回転子1は、シャフト4を取り囲む固
定子鉄心5に4極の永久磁石3を配置したものである。
固定子鉄心5には、永久磁石3の磁石外周側端部31と
磁石隣接側端部32とを囲むように、L字形状スリット
2が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子鉄心に永久
磁石を有する磁石回転子およびそれを用いた回転電機に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁石回転子を用いた回転電機のトルク特
性を改善するためには、主磁束トルクとリラクタンスト
ルクを増加させることが有効である。
【0003】主磁束トルクを増加するためには、ネオジ
ム永久磁石などの高磁束密度磁性材料を用いて永久磁石
が発生する磁束を増加させたり、漏れ磁束を減少させた
りして主磁束を増加させる方法がある。
【0004】リラクタンストルクを増加するためには、
横軸磁束の通路となる鉄心部分を広くしたり、横軸磁束
の通路となる鉄心部分を通る永久磁石による漏れ磁束を
減らしたりして、電機子巻線による横軸磁束の飽和を抑
える方法がある。
【0005】特開平8−251846 号は、隣接する永久磁石
8の端部間の磁束の短絡を防止するために、永久磁石の
両端部に接する空隙を設けることを記載する。
【0006】特開平8−33246号は、回転子鉄心の永久磁
石間に、漏れ磁束防止用の抜き穴を設けることを記載す
る。
【0007】特開平9−247880 号は、主磁束トルクとリ
ラクタンストルクとを大きくするために、隣接する永久
磁石間に存在する鉄心の幅を、磁石回転子外径と永久磁
石間に存在する鉄心の幅よりも大きくすることを記載す
る。
【0008】特開平9−182331 号は、q軸磁束(横軸磁
束)の飽和を抑え、リラクタンストルクを利用するため
に、回転子鉄心の永久磁石間に、2本のスリット状の漏
洩磁束防止穴を平行に設けることを記載する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は、隣接する永久磁石間を横断する漏れ磁束およ
び永久磁石の上面と下面とを短絡する漏れ磁束を十分に
抑制できないので、主磁束トルクとリラクタンストルク
を最大限に得ることができない。
【0010】また、上記従来技術の磁石回転子を用いた
回転電機を120度通電インバータで運転する場合、最
大限に永久磁石の主磁束を利用できない。
【0011】本発明の目的は、主磁束トルクおよびリラ
クタンストルクを増加できる磁石回転子およびそれを用
いた回転電機を提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、120度通電
インバータで運転する場合に、永久磁石の磁束を最大限
に利用できる磁石回転子およびそれを用いた回転電機を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段・作
用)上記目的を達成する本発明の特徴は、磁束が通過す
る範囲を制限する磁束路制限手段が、永久磁石よりも外
周側である外周側鉄心部から隣り合う永久磁石の間であ
る隣接磁石間鉄心部へ設けられたことにある。
【0014】この特徴によれば、外周側鉄心部の磁束の
通路が制限されるので、永久磁石の磁束が隣り合う永久
磁石の間で短絡するのを防ぎ、かつ、磁束路制限手段が
外周側鉄心部から隣接磁石間鉄心部へ連続して設けられ
ているので、隣接する永久磁石の最端部どうしで磁束が
短絡するのを防ぎ、かつ、隣接磁石間鉄心部の磁束の通
路が制限されるので、永久磁石の外周側の端部と内周の
側端部を短絡するのを防ぎ、漏れ磁束を低減することが
できる。漏れ磁束が少なくなる分、主磁束が増加し、主
磁束トルクを増加することができる。加えて、外周側鉄
心部の磁束の通路が制限されるので、電機子巻線による
直軸磁束は少なくなり、リラクタンストルクを増加する
ことができる。従って、主磁束トルクおよびリラクタン
ストルクを増加することができる。
【0015】また、本発明の他の特徴は、磁束路制限手
段と永久磁石との間に磁束通路鉄心部を備えることにあ
り、この特徴によれば、永久磁石が回転子鉄心に取り囲
まれているので、回転した場合にかかる応力に対して強
度が大きく、安定して回転できる。
【0016】また、本発明の他の特徴は、第1の永久磁
石よりも外周側である第1の外周側鉄心部から、第1の
永久磁石と隣り合う第2の永久磁石との間である隣接磁
石間鉄心部へ設けられた第1の磁束路制限手段と、第2
の永久磁石よりも外周側である第2の外周側鉄心部から
隣接磁石間鉄心部へ設けられた第2の磁束路制限手段と
を備え、第1の磁束路制限手段と第2の磁束路制限手段
との間に磁束の通過する隣接磁石間磁束通路鉄心を備え
ることにある。
【0017】この特徴によれば、外周側鉄心部の磁束の
通路が制限されるので、永久磁石の磁束が隣り合う永久
磁石の間で短絡するのを防ぎ、かつ、磁束路制限手段が
外周側鉄心部から隣接磁石間鉄心部へ連続して設けられ
ているので、隣接する永久磁石の最端部どうしで磁束が
短絡するのを防ぎ、かつ、隣接磁石間鉄心部の磁束の通
路が制限されるので、永久磁石の外周側の端部と内周の
側端部を短絡するのを防ぎ、漏れ磁束を低減することが
できる。従って、漏れ磁束が少なくなる分、主磁束が増
加し、主磁束トルクを増加することができる。
【0018】加えて、外周側鉄心部の磁束の通路が制限
されるので、電機子巻線による直軸磁束φd は少なくな
り、かつ、隣接磁石間鉄心部では漏れ磁束が少ないの
で、横軸磁束φq が通りやすくなって電機子巻線による
横軸磁束φq は増加し、リラクタンストルクを増加する
ことができる。主磁束トルクおよびリラクタンストルク
を増加することができる。
【0019】また、本発明の磁石回転子を用いた回転電
機によれば、永久磁石の主磁束は外周側鉄心部において
永久磁石の磁極の中央側に偏って通るので、本発明の磁
石回転子を用いた回転電機を120度通電インバータで
駆動する場合に、主磁束φの利用率がよく、電力効率が
よく駆動することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】初めに、従来の磁石回転子10に
おける永久磁石3による磁束の流れと電機子巻線による
磁束の流れについて説明し、後に、本発明の実施の形態
について説明する。
【0021】図11は従来の磁石回転子10の回転シャ
フト4に垂直な断面図である。磁石回転子10は、シャ
フト4を取り囲む固定子鉄心5に4極の永久磁石3を配
置したものである。固定子鉄心5は、シャフト4と永久
磁石3との間の内周側鉄心部50,永久磁石3よりも外
周側の外周側鉄心部51、および、隣り合う永久磁石3
の間の隣接磁石間鉄心部52に大別される。これらの鉄
心部は連結されて、永久磁石3の回りは鉄心で囲まれて
いる。従来の磁石回転子10には、漏れ磁束の通路を制
限する手段は設けられていない。
【0022】図12に磁石回転子10における永久磁石
3による磁束の流れを示す。永久磁石3は、電機子巻線
と作用する主磁束φ、隣接する永久磁石3と短絡する漏
れ磁束φ1、および磁石外周側端部31と磁石内周側端
部33を短絡する漏れ磁束φ2を発生する。従って、永
久磁石3が発生する磁束は無駄になり、電機子巻線(図
示せず)に向かう主磁束φが少ない。
【0023】図13に電機子巻線による磁束の流れを示
す。磁石回転子10の外周側鉄心部51に直軸磁束φd
が通り、隣接磁石間鉄心部52に横軸磁束φq が通る。
このとき、隣接磁石間鉄心部52が漏れ磁束φ1および
漏れ磁束φ2で飽和していると、横軸磁束φq が通りに
くくなって、横軸磁束φq は減少する。
【0024】従って、従来の磁石回転子10は、主磁束
トルクおよびリラクタンストルクが最大限に得られな
い。
【0025】次に、本発明の実施の形態について説明す
る。
【0026】(実施例1)本発明の第1の実施例である
磁石回転子11を図1に示す。図1は、磁石回転子11
のシャフト4に垂直な断面図である。
【0027】本実施例の磁石回転子11は、シャフト4
を取り囲む固定子鉄心5に4極の永久磁石3を配置した
ものである。固定子鉄心5は、シャフト4と永久磁石3
との間の内周側鉄心部50,永久磁石3よりも外周側の
外周側鉄心部51、および、隣り合う永久磁石3の間の
隣接磁石間鉄心部52に大別される。これらの鉄心部は
連結されて、永久磁石3の回りは鉄心で囲まれている。
【0028】また、固定子鉄心5には、永久磁石3の磁
石外周側端部31と磁石隣接側端部32とを囲むよう
に、L字形状スリット2が設けられている。L字形状ス
リット2は永久磁石3との間に磁束の通過する磁束通路
鉄心部53をおいて配置されている。
【0029】永久磁石3は、固定子鉄心5に打ち抜かれ
た磁石装着用スロット6に挿入されている。本実施例で
は、永久磁石3の端部について、磁石回転子11の外周
側の端部を磁石外周側端部31,隣接する永久磁石3と
向かい合う側の端部を磁石隣接側端部32,シャフト4
側の端部を磁石内周側端部33と称する。
【0030】L字形状スリット2は固定子鉄心5よりも
透磁率が低いので、磁石回転子11における永久磁石3
による磁束の流れおよび電機子巻線による磁束の流れを
制限している。
【0031】まず、永久磁石3による磁束の流れを説明
する。図2に永久磁石3による磁束の流れを示す。永久
磁石3は、電機子巻線と作用する主磁束φ、隣接する永
久磁石3と短絡する漏れ磁束φ1、および磁石外周側端
部31と磁石内周側端部33を短絡する漏れ磁束φ2を
発生する。
【0032】L字形状スリット2によって外周側鉄心部
51の磁束の通路が制限されるので、L字形状スリット
2を設けない場合に比べて、漏れ磁束φ1は少なくな
る。特に、L字形状スリット2は永久磁石3の角を囲ん
で配置されているから、隣接する永久磁石3の最端部ど
うしで磁束が短絡するのを防ぐので、より漏れ磁束φ1
を低減することができる。
【0033】また、L字形状スリット2によって隣接磁
石間鉄心部52の磁束の通路が制限されて、漏れ磁束φ
2は磁束通路鉄心部53を通るので、L字形状スリット
2を設けない場合に比べて、漏れ磁束φ2は少なくな
る。
【0034】従って、漏れ磁束φ1および漏れ磁束φ2
が少なくなるので、その分主磁束φが増加し、主磁束ト
ルクを増加することができる。
【0035】L字形状スリット2に近い永久磁石3の主
磁束φは、外周側鉄心部51を永久磁石3の磁極の中央
側に偏って通るので、本実施例の磁石回転子11を用い
た回転電機を120度通電インバータで駆動する場合
に、主磁束φの利用率がよい。次に、電機子巻線による
磁束の流れを説明する。図3に電機子巻線(図示せず)に
よる磁束の流れを示す。磁石回転子11には、電機子巻
線(図示せず)による直軸磁束φd と横軸磁束φq が通
過する。
【0036】L字形状スリット2によって外周側鉄心部
51の磁束の通路が制限されるので、L字形状スリット
2を設けない場合に比べて、直軸磁束φd は少なくな
る。
【0037】また、隣接磁石間鉄心部52では漏れ磁束
φ2が少ないので、横軸磁束φq が通りやすくなり、L
字形状スリット2を設けない場合に比べて、横軸磁束φ
q は増加する。
【0038】従って、リラクタンストルクは(φq
φd)に比例するから、L字形状スリット2を設けない
場合に比べて、リラクタンストルクを増加することがで
きる。
【0039】本発明の磁石回転子11によれば、上述し
たように、L字形状スリット2を設けたので、主磁束ト
ルクおよびリラクタンストルクを増加することができ
る。
【0040】また、L字形状スリット2を設けたので、
主磁束φは、外周側鉄心部51を永久磁石3の磁極の中
央側に偏って通るので、本実施例の磁石回転子11を用
いた回転電機を120度通電インバータで駆動する場合
に、主磁束φの利用率がよく、電力効率がよく駆動する
ことができる。
【0041】本実施例では、永久磁石3とL字形状スリ
ット2の間に磁束通路鉄心部53を設けたが、磁束通路
鉄心部53を設けずに、永久磁石3の磁石外周側端部3
1と磁石隣接側端部32にL字形状の隙間を設けてもよ
い。この場合も、本実施例と同様の作用効果が得られる
が、本実施例のように磁束通路鉄心部53を設けた磁石
回転子11の方が、永久磁石3が固定子鉄心5に取り囲
まれているので、回転した場合にかかる応力に対して強
度が大きく、安定して回転できる。
【0042】本実施例では、アーチ型の永久磁石3を固
定子鉄心5に配置した場合を説明したが、図4に示すよ
うなD形永久磁石7を用いてもよい。この場合、アーチ
型よりも漏れ磁束φ2が発生しやすいので、隣接磁石間
鉄心部52においてL字形状スリットを永久磁石3の磁
石内周側端部33まで伸ばすとよい。D形永久磁石7は
アーチ型の永久磁石3よりも永久磁石の体積が大きいの
で、その分、主磁束φが増加する。
【0043】また、図5に示すように、矩形永久磁石8
を用いても、本実施例と同様の作用効果が得られる。
【0044】また、本実施例では、L字形状スリット2
を空隙にしたが、L字形状スリット2の部分が固定子鉄
心5よりも透磁率が低くなれば、樹脂を充填しても、空
隙であってもよい。
【0045】(実施例2)本発明の第2の実施例である
磁石回転子12を図6に示す。図6は、磁石回転子12
のシャフト4に垂直な断面図である。
【0046】本実施例の磁石回転子12は、前述した第
1の実施例のL字形状スリット2(図1参照)の代わり
に、T字形抜き穴21を設けたものである。
【0047】第1の実施例と同様に、T字形抜き穴21
は固定子鉄心5よりも透磁率が低いので、磁石回転子1
2における永久磁石3による磁束の流れおよび電機子巻
線による磁束の流れを制限している。
【0048】まず、永久磁石3による磁束の流れを説明
する。図7に永久磁石3による磁束の流れを示す。第1
の実施例と同様に、T字形抜き穴21によって外周側鉄
心部51の磁束の通路が制限されるので、T字形抜き穴
21を設けない場合に比べて、漏れ磁束φ1は少なくな
る。特に、T字形抜き穴21は永久磁石3の角を囲んで
配置されているから、隣接する永久磁石3の最端部どう
しで磁束が短絡するのを防ぐので、より漏れ磁束φ1を
低減することができる。また、T字形抜き穴21によっ
て隣接する磁石間の磁束の通路が制限されて、漏れ磁束
φ2は磁束通路鉄心部53を通るので、T字形抜き穴2
1を設けない場合に比べて、漏れ磁束φ2は少なくな
る。
【0049】従って、第1の実施例と同様に、漏れ磁束
φ1および漏れ磁束φ2が少なくなるので、その分主磁
束φが増加し、主磁束トルクを増加することができる。
【0050】また、T字形抜き穴21に近い永久磁石3
の主磁束φは、外周側鉄心部51を永久磁石3の磁極の
中央側に偏って通るので、本実施例の磁石回転子12を
用いた回転電機を120度通電インバータで駆動する場
合に、主磁束φの利用率がよい。
【0051】次に、電機子巻線による磁束の流れを説明
する。図8に電機子巻線(図示せず)による磁束の流れを
示す。第1の実施例と同様に、T字形抜き穴21によっ
て外周側鉄心部51の磁束の通路が制限されるので、T
字形抜き穴21を設けない場合に比べて、直軸磁束φd
は少なくなる。
【0052】しかし、隣接する磁石間では、T字形抜き
穴21によって、横軸磁束φq が通りにくいので、横軸
磁束φq はかなり少ない。従って、横軸磁束φq による
リラクタンストルクは少ない。
【0053】従って、本実施例の磁石回転子12によれ
ば、T字形抜き穴21を設けたので、リラクタンストル
クは小さいが、主磁束トルクを増加することができる。
【0054】また、T字形抜き穴21を設けたので、主
磁束φは、外周側鉄心部51を永久磁石3の磁極の中央
側に偏って通るので、本実施例の磁石回転子11を用い
た回転電機を120度通電インバータで駆動する場合
に、主磁束φの利用率がよく、電力効率がよく駆動する
ことができる。
【0055】本実施例の磁石回転子11は、大きなリラ
クタンストルクを必要としない回転電機に用いるのに適
している。
【0056】また、隣接する永久磁石3に接してT字形
状に隙間を設けても、本実施例と同様の作用効果が得ら
れるが、磁束通路鉄心部53を設けた磁石回転子の方
が、永久磁石3が固定子鉄心5に取り囲まれているの
で、回転した場合にかかる応力に対して強度が大きく、
安定して回転できる。
【0057】また、第1の実施例で説明したように、図
9に示すようなD形永久磁石7を用いてもよい。この場
合も、アーチ型よりも漏れ磁束φ2が発生しやすいの
で、隣接磁石間鉄心部52においてL字形状スリットを
永久磁石3の磁石内周側端部33まで伸ばすとよい。D
形永久磁石7はアーチ型の永久磁石3よりも永久磁石の
体積が大きいので、その分、主磁束φが増加する。
【0058】また、図10に示すように、矩形永久磁石
8を用いても、本実施例と同様の作用効果が得られる。
【0059】また、本実施例では、T字形抜き穴21を
空隙にしたが、T字形抜き穴21の部分が固定子鉄心5
よりも透磁率が低くなれば、樹脂を充填しても、空隙で
あってもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、外周側鉄心部および隣
接磁石間鉄心部の磁束の通路が制限されるので、漏れ磁
束を低減することができる。漏れ磁束が少なくなる分、
主磁束が増加し、主磁束トルクを増加することができ
る。加えて、外周側鉄心部の磁束の通路が制限されるの
で、電機子巻線による直軸磁束は少なくなり、リラクタ
ンストルクを増加することができる。従って、主磁束ト
ルクおよびリラクタンストルクを増加することができ
る。
【0061】また、本発明によれば、永久磁石が回転子
鉄心に取り囲まれているので、回転した場合にかかる応
力に対して強度が大きく、安定して回転できる。
【0062】また、本発明によれば、外周側鉄心部およ
び隣接磁石間鉄心部の磁束の通路が制限されるので、漏
れ磁束を低減することができる。漏れ磁束が少なくなる
分、主磁束が増加し、主磁束トルクを増加することがで
きる。加えて、外周側鉄心部の磁束の通路が制限される
ので、電機子巻線による直軸磁束φd は少なくなり、か
つ、隣接磁石間鉄心部では横軸磁束φq が通りやすくな
って電機子巻線による横軸磁束φq は増加し、リラクタ
ンストルクを増加することができる。従って、主磁束ト
ルクおよびリラクタンストルクを増加することができ
る。
【0063】また、本発明の磁石回転子を用いた回転電
機によれば、永久磁石の主磁束は外周側鉄心部において
永久磁石の磁極の中央側に偏って通るので、本発明の磁
石回転子を用いた回転電機を120度通電インバータで
駆動する場合に、主磁束φの利用率がよく、電力効率が
よく駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施例の磁石回転子11
の断面図である。
【図2】図2は磁石回転子11における永久磁石3によ
る磁束の流れを示す図である。
【図3】図3は磁石回転子11における電機子巻線によ
る磁束の流れを示す図である。
【図4】図4はD形永久磁石7を用いた磁石回転子11
の断面図である。
【図5】図5は矩形永久磁石8を用いた磁石回転子11
の断面図である。
【図6】図6は本発明の第2の実施例の磁石回転子12
の断面図である。
【図7】図7は磁石回転子12における永久磁石3によ
る磁束の流れを示す図である。
【図8】図8は磁石回転子12における電機子巻線によ
る磁束の流れを示す図である。
【図9】図9はD形永久磁石7を用いた磁石回転子12
の断面図である。
【図10】図10は矩形永久磁石8を用いた磁石回転子
12の断面図である。
【図11】図11は従来の磁石回転子10の断面図であ
る。
【図12】図12は磁石回転子10における永久磁石3
による磁束の流れを示す図である。
【図13】図13は磁石回転子10における電機子巻線
による磁束の流れを示す図である。
【符号の説明】
2…L字形状スリット、3…永久磁石、4…シャフト、
5…回転子鉄心、6…磁石装着用スロット、7…D形永
久磁石、8…矩形永久磁石、10,11,12…磁石回
転子、21…T字形抜き穴、31…磁石外周側端部、3
2…磁石隣接側端部、33…磁石内周側端部、50…内
周側鉄心部、51…外周側鉄心部、52…隣接磁石間鉄
心部、53…磁束通路鉄心部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 弘中 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 田原 和雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 野間 啓二 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 妹尾 正治 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 佐藤 和雄 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転子鉄心に複数の永久磁石を備えた磁石
    回転子において、 前記永久磁石よりも外周側である前記回転子鉄心の外周
    側鉄心部から、隣り合う前記永久磁石の間である前記回
    転子鉄心の隣接磁石間鉄心部へ設けられた、磁束が通過
    する範囲を制限する磁束路制限手段を備えることを特徴
    とする磁石回転子。
  2. 【請求項2】前記磁束路制限手段と前記永久磁石との間
    に、磁束の通過する磁束通路鉄心部を備えることを特徴
    とする請求項1の磁石回転子。
  3. 【請求項3】回転子鉄心に複数の永久磁石を備えた磁石
    回転子において、 複数の前記永久磁石のうち第1の永久磁石よりも外周側
    である前記回転子鉄心の第1の外周側鉄心部から、前記
    第1の永久磁石と隣り合う第2の永久磁石との間である
    前記回転子鉄心の隣接磁石間鉄心部へ設けられた、磁束
    が通過する範囲を制限する第1の磁束路制限手段と、 前記第2の永久磁石よりも外周側である前記回転子鉄心
    の第2の外周側鉄心部から前記隣接磁石間鉄心部へ設け
    られた第2の磁束路制限手段とを備え、 前記第1の磁束路制限手段と前記第2の磁束路制限手段
    との間に磁束の通過する隣接磁石間磁束通路鉄心を備え
    ることを特徴とする磁石回転子。
  4. 【請求項4】請求項1,請求項2または請求項3に記載
    の磁石回転子を用いた回転電機。
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