JP2010284025A - 永久磁石型回転機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】励磁コイル16を巻装した固定子3と、該固定子3と所定の空隙を隔てて対向して回転する永久磁石を有する回転子とを備えた永久磁石型回転機であって、前記固定子3は円筒状のヨーク12の円周方向に等間隔を保って半径方向内方に突出する複数の磁極ティース13を形成した固定子コア11を有し、前記磁極ティース13は先端に円周方向に突出する先細の楔状突出部13bを有し、隣接する磁極ティース13の前記楔状突出部13bを互いに接触させた。
【選択図】図2
Description
永久磁石型回転機の固定子には、励磁コイルを巻装するスロットが閉じた閉スロットタイプ(例えば、特許文献1参照)と、スロットの回転子側が開口した開スロットタイプ(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)とがある。
閉スロットタイプと開スロットタイプとを比較すると、閉スロットタイプの方が磁気抵抗の変化を抑制できるため、コギングトルクを小さくできる。
T=Pn・Ψa・iq+Pn(Ld−Lq)id・iq …………(1)
この(1)式の右辺第1項が永久磁石の作る磁束と電流の相互作用によって生じるトルク、第2項がリラクタンストルクを現している。
近年の永久磁石型回転機の高密度化に伴い、固定子と回転子とのエアギャップは非常に狭くなってきている。このことからも、特許文献2に記載された従来例のスロット開口幅は非常に小さいことが分かる。
減磁については、集中巻を採用し、特に120°導通の場合、図9(a)に示すように、互いに隣接するステータ歯がそれぞれ異なる極を形成する箇所が存在するため、ステータ歯先端部において、高い磁束密度の磁気回路が形成され、局部減磁が発生しやすくなる。減磁界が永久磁石にかかりにくくするには、図9(b)に示すように、ステータ歯先端部において、高い磁束密度の磁気回路が形成される部分から永久磁石を遠ざければよいことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、漏れ磁束を減少させながらコギングトルクを低く抑えることが可能な永久磁石型回転機を提供することを目的としている。
さらに、本発明の他の形態に係る永久磁石型回転機は、前記楔状突出部は、前記楔状突出部の前記固定子の内周円上の空隙長を1スロットピッチの0.0175倍以上で0.053倍以下に設定したことを特徴としている。
なおさらに、本発明の他の形態に係る永久磁石型回転機は、上記形態において、前記永久磁石は、磁束密度分布が台形波状に着磁された台形波状着磁領域を有し、該台形波状着磁領域の上底部角度を、電気角114度以上135度以下に設定したことを特徴としている。
さらに、本発明の他の形態に係る永久磁石型回転機は、前記永久磁石は、磁束密度分布が台形波状に着磁された台形波状着磁領域を有し、該台形波状着磁領域の上底部角度を、電気角119度以上143度以下に設定したことを特徴としている。
図1は本発明を永久磁石型同期回転機に適用した場合の第1の実施形態を示す断面図である。この図1において、永久磁石型同期回転機1は表面磁石型同期回転機で構成されている。この永久磁石型同期回転機1は、円筒状フレーム2を有する。この円筒状フレーム2の内周側には円筒状の積層鋼板で形成された固定子3が固定され、この固定子3の内周側には所定の空隙を介して対向する積層鋼板で形成された回転子4が配置されている。この回転子4は回転軸5に支持されて回転自在に配置されている。
各磁極ティース13にはその磁脚部13aに1つの励磁コイル16が巻装されて集中巻構成とされている。
また、永久磁石22は、図3に示すように、ハッチング図示の台形波状に着磁された台形波状着磁領域23を有しており、回転子コア21の中心から台形波状着磁領域23の上底部23aの円周方向の端部を通る線間の角度が上底部角度θmとして設定され、この上底部角度θmの両側の着磁傾斜部の角度がθaとして設定されている。
また、h/Pを0.018に設定するとともに、S/Pを0.018以上で0.053以下の範囲に設定することにより、コギングトルクを低減することができ、さらに回転子4の永久磁石22に台形波状着磁領域23を形成し、この台形波状着磁領域23の上底部角度θmを電気角114度以上で電気角135度以下の範囲に設定することにより、コギングトルクを極小点付近に設定することができる。
また、上記実施形態においては、隣接する磁極ティース13の楔状突出部13bの鋭角な先端同士を接触させた線接触状態とする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図7に示すように、楔状突出部13bの先端を切り落とした形状として楔状突出部13b同士を面接触させるようにしてもよい。この場合、接触面積が広くなると漏れ磁束が増加するので、接触面積をできるだけ小さくした方がコギングトルクを抑制することができる。
さらにまた、上記実施形態においては、回転子4を表面磁石型回転子で構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、回転子コア21の表面に永久磁石を埋込んで永久磁石の正面を露出させた埋込磁石型回転子で構成することもできる。
Claims (8)
- 励磁コイルを巻装した固定子と、該固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転する永久磁石を有する回転子とを備えた永久磁石型回転機であって、
前記固定子は円筒状のヨークの円周方向に等間隔を保って半径方向内方に突出する複数の磁極ティースを形成した固定子コアを有し、前記磁極ティースは先端に円周方向に突出する先細の楔状突出部を有し、隣接する磁極ティースの前記楔状突出部を互いに接触させたことを特徴とする永久磁石型回転機。 - 前記回転子の永久磁石の磁極数を2n(nは正の整数)としたとき、固定子のスロット数を3nとし、前記励磁コイルは前記磁極ティースに1つのコイルが巻装された集中巻とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石型回転機
- 前記楔状突出部は、前記楔状突出部の前記固定子の内周円上の空隙長を1スロットピッチの0.0175倍以上で0.053倍以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石型回転機。
- 前記楔状突出部は、前記固定子の内周円から当該楔状突出部の接触点までの距離を、1スロットピッチの0.018倍とし、前記楔状突出部の前記固定子の内周円上の空隙長を1スロットピッチの0.0175倍以上で0.053倍以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石型回転機。
- 前記永久磁石は、磁束密度分布が台形波状に着磁された台形波状着磁領域を有し、該台形波状着磁領域の上底部角度を、電気角114度以上135度以下に設定したことを特徴とする請求項4に記載の永久磁石型回転機。
- 前記楔状突出部は、前記固定子の内周円から当該楔状突出部の接触点までの距離を、1スロットピッチのO.04倍以上で0.062倍以下に設定し、前記楔状突出部の前記固定子の内周円上の空隙長を1スロットピッチの0.018倍以上で0.04倍以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石型回転機。
- 前記永久磁石は、磁束密度分布が台形波状に着磁された台形波状着磁領域を有し、該台形波状着磁領域の上底部角度を、電気角119度以上143度以下に設定したことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石型回転機。
- 前記永久磁石はスキューが施されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の永久磁石型回転機。
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