JP4346691B2 - ポリアミド組成物から作られた自動車部品 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミド組成物から作られた自動車部品に関し、該ポリアミドは実質的に脂肪族ジカルボン酸及びジアミンから誘導される単位からなる。
自動車技術分野では、例えば、自動車の重さを減じ、および腐食を防止する目的から金属部品がポリマー物質によってますます置きかえられつつある。自動車部品に使用されるポリマー物質には、しかし高度の要求が課せられている。該ポリマー物質は、優れた機械的物性、例えば高い剛性、耐疲労性、靭性(tenacity)および耐衝撃性を有し、ならびにクリープがほとんどないことである。該物質は高い熱変形温度を有していなければならない。高い耐酸化性、および、例えばオイル、グリースへの耐化学薬品性、をも採用される物質が満たさなければならない要求項目である。限られた吸湿性は、自動車部品の寸法安定性を得る観点から重要である。該自動車部品が究極的にどの部分で使用されるかに依存して、ポリマー組成物は上述の物性のうちのいくつかを他の物性よりもより高い程度で示さなければならず、及び/又は追加の物性を有しなければならない。仮に、部品が例えばボディワーク(バンパー、ウィング、ホイールハウジング、ドアパネル、スポイラー等)に使用される予定である場合には、ポリマー組成物の、十分な剛性および耐衝撃性、および優れた表面特性の組み合わせに、特別な注意を向けることが必要であろう。熱変形温度は、ボディーワーク部品及びボンネット下の部品の双方にとって極めて重要な要因である。ボディーワーク部品は、例えば高温での塗装の間、高温にさらされる。ボンネット下の部品は、常時エンジンの高温にさらされる。そのような部品の例は、エアインレットマニホールドおよびラジエータ−エンドキャップである。熱変形温度(HDT)は、試験対象の物質から作られたロッドが、3点荷重下で或る大きさの曲げストレスにさらされたとき、予め定められた変形を示す温度である。通常、物質の熱変形温度より高い温度では、その物質が強度および剛性を失うので、該物質を使うことができない。
従来のポリアミド物質、例えばナイロン4.6およびナイロン6.6、は自動車部品向けに多用されているが、上述の自動車部品における使用のために多々要求される特性の総てを満たすわけではない。ナイロン6.6の欠点は、例えば、多くのモーターフード(motorhood)下の自動車部品における用途向けには、その熱変形温度が十分高くないことである。脂肪族ナイロン4.6はこの限界がない。ポリアミドナイロン4.6の欠点は、しかし、それが比較的大量の湿気を吸収することであり、その結果、多くの場合その寸法安定性が不十分である。
本発明の目的は、複数の特性の良いバランスを有するポリアミド組成物から作られる自動車部品である。
この目的は、組成物の脂肪族ポリアミドの鎖単位の1〜約40重量%が、1または2以上の脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位又は1または2以上の脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位によって置換されていることにおいて達成される。
脂環式ジカルボン酸または脂環式ジアミンに基づく鎖単位を導入する結果、機械的および加工特性に関して譲歩されることなく、例えばナイロン6.6の熱変形温度が十分上昇し、および、例えばナイロン4.6の吸湿性が十分減じられることが見出された。
本発明に従う自動車部品の最も驚くべき利点は、ナイロン6.6中への脂環式ジカルボン酸または脂環式ジアミンに基づく鎖単位の導入は、靭性の増加である。本発明に従う自動車部品のもう一つの驚くべき利点は、脂環式ジカルボン酸または脂環式ジアミンに基づく鎖単位の導入は、ポリマー組成物の、普通の加工温度における流動特性における顕著な改良である。このことは、強化物質、例えばガラスファイバーをより高い比率でポリアミドに配合することをより容易にし、そして、コンパウンディングの間に熱劣化が起こらず、より固定された条件下でなく部品を射出成形することができる。
驚くことに、本発明に従う強化された、例えばガラスファイバー強化の、部品はずっと高い靭性を示すことが見出された。靭性(引張り強度と破断時伸びとの積)が高いことは、例えば乗り物に乗っている間に部品が壊れる危険性を実質的に減じるので有利である。
本発明に従う自動車部品用ポリアミド組成物は、その主鎖が60〜99重量%の脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を含み、および、残りの鎖単位は1または2以上の脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから、または1または2以上の脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導されることを特徴とする。
脂環式ジカルボン酸は、好ましくはシクロヘキサンジカルボン酸である。好適なシクロヘキサンジカルボン酸は、例えば1,3−シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。最も好ましいのは、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。なぜなら、本発明が最も効果的となるからである。
脂環式ジアミンは、好ましくはシクロヘキサンジアミンである。好適なシクロヘキサンジアミンは、例えば1,3−シクロヘキサンジアミンまたは1,4−シクロヘキサンジアミンである。最も好ましいのは1,4−シクロヘキサンジアミンである。なぜなら、本発明が最も効果的となるからである。
好適な脂肪族ジカルボン酸は、例えば1〜16個のメチレン基、より好ましくは2〜10個のメチレン基をその鎖に有するジカルボン酸である。最も好ましいのはアジピン酸である。アルキル基は好ましくは直鎖である;結晶化挙動および他の特性が損なわれ過ぎない程度の少ない分岐は、しかし、許容される。ポリアミド6.6とヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジアミンとのコポリアミドは、ところで、J.Pol.Sc.A-1、第8巻、第3089〜3111頁(1970)から公知である。しかし、自動車部品用途のための特別の可能性および傑出した特性については、言及されていない。
好適な脂肪族ジアミンはその鎖に、例えば2〜16個のメチレン基を有するものである。その鎖中に4〜10個のメチレン基を有するジアミンが好ましい。最も好ましいのは、2−メチルペンタンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミンおよび1,6−ヘキサメチレンジアミンである。
主鎖は、好ましくは実質的にテトラメチレンアジパミドまたはヘキサメチレンアジパミド単位およびそれらの組み合わせからなる。
脂環式ジカルボン酸と脂肪族アミンとから又は脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される鎖単位の割合は、1重量%以上および40重量%以下である。1重量%未満の場合には、本発明の効果が不十分であり、40重量%を超える場合には、結晶化挙動に悪い影響が及ぼされ、及び融点が高くなるので、例えば射出成形法による加工が実際上不可能になる。後者の問題点は、付随的に、第3のポリアミド単位、広くより低い融点を有するもの、例えばα,ω−アミノ酸から誘導される単位を導入することによって解決される。α,ω−アミノ酸は、好ましくは、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸またはこれらの混合物を含む群から選ばれる。
いかなる割合が最も好ましいかは、個々の場合について決定されなければならない。一般的に、脂環式ジカルボン酸または脂環式ジアミンから誘導される単位の好ましい割合は、2〜35重量%であり、最も好ましくは10〜25重量%である。脂肪族ジアミンまたはジカルボン酸は、通常、実質的に主鎖を構成する繰り返し単位におけるものと同一である。
主鎖の99〜60重量%が脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位からなり、且つ、1〜40重量%が1または2以上の脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジアミンと又は1または2以上の脂環式ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから及び任意にα,ω−アミノ酸から誘導される単位からなるポリアミドに加えて、本発明に従う自動車部品のポリアミド組成物は、少量の異種ポリマーを、該ポリアミド組成物の特性を修飾する目的で、任意に含有する。
本発明に従う自動車部品のポリアミド組成物は、好ましくはある量の強化物質、例えばガラスファイバーを含む。これらの強化物質は、一般的に、組成物全体の10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%の量で使用される。最も好ましくは25〜45重量%である。ガラスファイバーの場合、ファイバーの長さ及び直径は、一般的に部品における強化効果を決定する。部品中のファイバーの究極的な長さは一般にコンパウンディングの方法および成形技術によって決定される。短いガラスファイバーで強化された物質は、一般に、押出し成形によって得られ、その後、押出し製品は、通常の成形技術、好ましくは射出成形、に付することができる。長さ2.5〜5mmのガラスファイバーが、射出成形に広く用いられ、最終的なガラスファイバーの長さが150〜400μmとなる。長いファイバーで強化された物質は、一般に、引き抜き成形によって、例えばシートの形状で得られる。この場合のガラスファイバーの長さは、得られる形状の長さと同じである。この強化された組成物は次いで、成形工程、例えば射出成形またはプレス、に付される。コポリアミドの良い流動挙動は、連続ファイバーが完全に導入されるという利点を示す。
本発明に従う部品のためのコポリアミドを、それ自体公知の共縮重合法によって得ることができる。2段階プロセスが頻繁に使用され、該プロセスにおいて、第1工程で出発ジカルボン酸とジアミンと任意にアミノ酸またはラクタムとの縮重合が、高められた圧力で、約200〜300℃の温度で、任意に縮重合触媒の存在下で、開始される。その場合、モノマー類は、対応するナイロン塩の形態で存在しても、又はそうでなくてもよい。圧力は、一般に約1〜2MPaに維持され、および縮重合において形成される水が除去される。1/2〜3時間の反応時間の後、同時に圧力が解放されながら、温度が上昇され、その結果得られた低分子量コポリアミドは溶融状態で残る。この溶融物は、2〜5時間、該コポリアミドの融点より高い温度で、真空状態で、任意に窒素ベントを備えて、さらに縮合される。
この後縮合は、一般に、自動車部品における射出成形用途のために十分な高分子量であるコポリアミドが得られるまで継続される。通常、130ml/g以上、より好ましくは160ml/g以上、および、より好ましくさえあるのは180ml/g以上の粘度数、VN、がその際所望され、その結果加工後に得られる部品は、120ml/g以上、好ましくは130ml/g以上、さらに好ましくは150ml/g以上の粘度数を有する。該粘度数はISO 307に従い、100mlの90重量%ぎ酸中0.5gのコポリアミドの溶液を用いて決定される。溶融状態の代わりに、後縮合工程は固相状態で、不活性ガス下で、任意に真空及び/又は水蒸気の存在下で行なうこともできる。その際必要な後縮合時間は、所望される粘度数に依存して、一般に、約5〜60時間である。後縮合の継続時間は選択された温度、それは約200℃からコポリアミドの融点より約10℃低い温度の間であるが、にも依存する。必要な反応時間も、触媒が存在するか否かに依存する。それ自体公知の好適な重縮合触媒は、例えばリン酸、ほう酸、トリフェニルフォスファイト、および置換されたフェニルフォスファイトである。
出発物質として単一のジアミンと単一のジカルボン酸を重縮合に付す度に得られる個別のホモポリアミドを出発物質として用いてコポリアミドを調製することも可能である。溶融状態で、ホモポリアミドを混合すると、混合の持続時間に依存して、ブロックまたはランダムコポリアミドがもたらされる。低分子量ホモコポリアミドが出発物質として使用された場合には、溶融状態で混合した後に、得られた組成物を固相での後縮合に付することが有利である。そのような後縮合は、減じられた圧力であるか否かによらず、水蒸気の存在下であるか否かによらず、好ましくは不活性ガス雰囲気、すなわち、酸素を排除して行われる。
コポリアミドの上記製造方法は、しかし、脂環式ジカルボン酸に基づくホモポリアミドは、非常に高い融点を有する場合があり、その結果標準的な溶融混合装置による加工で問題が起きるという欠点を有する。従って、出発物質として、脂環式ジカルボン酸または脂環式ジアミンに基づくポリアミドのモノマーと他のホモポリアミドを出発物質として使用することも可能である。
ポリアミド組成物は、ポリアミド用に慣用されている添加剤、例えば安定化剤、顔料、加工助剤、例えば離型剤、難燃剤、およびフィラーを、任意に含む。多くの場合、自動車部品の寸法安定性を増すために、無機質フィラーとファイバー強化の組み合わせが使用される。
本発明は、以下の、非限定的な実施例によって、さらに説明される。
実施例I
ポリアミド4.6/4.1,4−シクロヘキサンジカルボン酸コポリマーの調製
調製において、以下の化合物を用いた:
− 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸*1(CHDA)シス:トランス=80:20、イーストマン社製
*1 80/20のシス:トランスのシクロヘキサンジカルボン酸の代わりに100%トランス又は100%シスのいずれかを含む組成物は対応する特性を示した。
− アジピン酸、アルドリッチ社製
− 1,4−テトラメチレンジアミン、約80重量%の水性溶液、日本、Koey社製
− 1,6−ヘキサメチレンジアミン(HMDA)
これらの化合物は、さらなる精製をせずに用いた。
2.4リットルの反応容器中で、窒素気流下で、584gの脱塩水中の363.62gの1,4−テトラメチレンジアミン溶液(水中81重量%)、400gのアジピン酸、および100gの1,4−シクロヘキサンジカルボン酸からなる溶液を調製した。総てが溶解したとき、反応容器をゆっくりと165℃まで加熱した。その間、該反応容器の圧力を0.2MPaに維持した。120℃と165℃の間で水を沸騰させて除去した。589mlの水が除去されたとき、反応容器を閉じ、そして反応混合物の温度を205℃まで上げ、そしてこの温度で30分間維持した。圧力は1.2MPaであった。反応容器の中身を、次いで、圧力下で、窒素下に維持された容器へと排出した。
上述の得られたプレポリマーを、すりつぶし、次いで、25/75の水蒸気/窒素混合物下、250℃で、48時間、後縮合に付した。得られた後縮合物は白色であり、及び、ISO 307に従い、25℃で、0.5g/90重量%ぎ酸100ml溶液について測定した粘度数(VN)=248ml/gを有した。融点は314〜316℃であった。
実施例II
4.6/4.1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(80/20重量/重量%)コポリアミドを得るために実施例Iの方法を用いた。
この組成物を用いてロッド試料(ISO R 527、タイプ1A)を射出成形し、そして種々の機械的特性を決定した。射出成形は22−mm Arburg Allrounderを用いて、溶融温度330℃、および金型温度120℃で行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004346691
該コポリアミドは、顕著により高い弾性係数を有し、これは示差走査熱分析(DSC)により、ポリアミド4.6と比べて低い結晶性およびより低い溶融熱が明らかにされており、それに基づけばより低い剛性が予測されるので、驚くべきことである。
実施例III
種々の組成のポリアミド6.6/6.1,4−シクロヘキサンジカルボン酸コポリマーの調製
6.6/6.CHDAコポリアミドを、2段階プロセスにより調製し、そこにおいて第1工程で、予備重合を行なった;これに続いて、固相の後縮合を行なった。
予備重合を、油によって加熱された、攪拌された1.4リットルのオートクレーブ内で行なった。400gの等モル量のナイロン塩を、出発物質として用いた。種々の組成物を、重量%を基準にして調製した。0.9×400=360gの等モル量のナイロン6.6塩と0.1×400=40gの等モル量のCHDA−HMDA塩を、例えばナイロン6.6/6.CHDA(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸−ヘキサメチレンジアミン)比90/10のコポリマー組成物を得るために用いた。塩を327.3mlの脱塩水に溶解した(55重量%水性の塩溶液)。
窒素気流下で、必要量の脱塩水の半分量を、オートクレーブに添加し、70℃までに加熱し(攪拌の開始)、その後塩を加え、次いで残りの脱塩水を加えた。0.5時間後、反応容器を180℃まで加熱した。180℃と200℃の間で、より多くの水を大気圧下で蒸留して除去した。282.8mlの水が蒸留して除去された後、反応容器を閉じ、反応混合物の温度を上げた。これにより、圧力が約1.3MPaに増大し、反応混合物の最終温度は約200℃であった。
反応混合物をこの温度で30分間維持した。次に、反応容器の中身を、窒素雰囲気下に維持された容器へと排出した。
上記得られたプレポリマーを、すりつぶし、次いで、25/75の水蒸気/窒素混合物下、240℃で、22時間、後縮合に付した。
他の組成の実施例も同様の方法で、ただし、異なるナイロン6.6/6.CHDA比、および異なる後縮合温度および時間で、合成した。
これらのコポリアミドの種々の熱的特性は、走査速度20℃/分で示差走査熱分析により求めた。融点(Tm,2)、ガラス転位温度(Tg,2)、結晶化温度(Tc)および融解および結晶エンタルピー(ΔHm,2およびΔHc)の測定は、パーキンエルマーDSC7を用いて行なった。融点、ガラス転位温度およびエンタルピーは第2の加熱曲線より定めた。結果を表2に示す。
Figure 0004346691
フィラーを配合されていない70/30重量/重量%6.6/6.CHDAポリアミドを、種々の機械的強度を測定するための射出成形試験片(ISO R 527、タイプ1A)に用いた。射出成形は、22−mm Arburg Allrounderを用いて、溶融温度330℃、および金型温度120℃で行なった。結果を表3に示す。
Figure 0004346691
実施例IV
40重量%のガラスファイバーを含むポリアミド6.6、ポリアミド6.6/6.CHDA(80/20重量/重量%)およびポリアミド4.6を、種々の特性を定めるための射出成形試験片(ISO R 527、タイプ1A)のために用いた。採用されたポリアミド6.6およびポリアミド4.6はほぼ同じ分子量を有した。射出成形は、22−mm Arburg Allrounderを用いて、表4に示す条件で行なった。結果を表4に示す。吸湿量の測定は、35℃および90%相対湿度で平衡に達するまでコンディショニングされた試験片を用いて行なった。
「ガラスファイバーを含むポリアミド6.6」は40重量%のガラスファイバーを含有するポリアミド6.6(射出成形品質)と少量の一般的な銅ベースの熱安定化剤からなる組成物であった。
「ガラスファイバーを含むポリアミド6.6/6.CHDA」は、40重量%のガラスファイバーを含有する、80/20重量/重量%のポリアミド6.6/6.1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と少量の一般的な銅ベースの熱安定化剤からなる組成物であった。
「ガラスファイバーを含むポリアミド4.6」は、40重量%のガラスファイバーを含有するポリアミド4.6と少量の一般的な銅ベースの熱安定化剤からなる組成物であった。
重量パーセントは、組成物全体に基づく。
Figure 0004346691
Figure 0004346691
コポリアミドを含有する組成物は、対応するホモポリアミド6.6よりも、良い流動挙動(溶融温度と融点との差がより小さくありつつ、金型を満たすために必要な圧力がより低い)を示すことに注意されるべきである。また、驚くことには、40重量%ガラスファイバー強化コポリアミドの、ポリアミド6.6およびポリアミド4.6の双方に比べて、顕著に高い靭性(引張強度と破断時伸びとの算術積)であり、この3種のポリマーの粘度数は実質的に同じである。
ガラスファイバー強化コポリアミドから作られた試験片は、非常に良い表面外観を有し、強化ガラスファイバーが見えない。この理由から、大変に硬いガラスファイバーで強化されたコポリアミドから成る部品は、ラッカーを塗られ且つ外にさらされるべき自動車ボディ部品にも使用できる。
そこで、表4の結果からの結論。本発明に従うコポリアミドを含有する組成物からの部品は、ポリアミド4.6から作られた部品よりも、より低い吸湿量のために改良された寸法安定性を示す。
該部品は、ポリアミド6.6に基づく部品よりも高い温度に耐える。該部品は、既に自動車部品において広い用途を見出しているポリアミド6.6およびポリアミド4.6に基づく部品よりも、加工がより容易であり、優れた表面を有し、より良い靭性を有し、より衝撃に耐えることができ、且つ、改良された又は少なくとも同等の引張り強度を有する。

Claims (10)

  1. ポリアミドが脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位60〜99重量%から実質的に成るところのポリアミド組成物から作られた自動車部品において、残りの鎖単位が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから、または、1,4−シクロヘキサンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから及び任意にα,ω−アミノ酸から誘導されることを特徴とする自動車部品。
  2. 脂肪族ジカルボン酸が2〜16個のメチレン基を含み、且つ、脂肪族ジアミンが4〜16個のメチレン基を含むことを特徴とする請求項1に従う自動車部品。
  3. 鎖単位の2〜35重量%が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジアミンから誘導されることを特徴とする請求項1または2に従う自動車部品。
  4. 鎖単位の10〜25重量%が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジアミンから誘導されることを特徴とする請求項3に従う自動車部品。
  5. 脂肪族ジカルボン酸がアジピン酸であり、且つ、脂肪族ジアミンが1,6−ヘキサメチレンジアミン、および1,4−テトラメチレンジアミン又はそれらの混合物からなる群より選ばれたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に従う自動車部品。
  6. α,ω−アミノ酸から誘導される単位も、又、存在することを特徴とする請求項5に従う自動車部品。
  7. α,ω−アミノ酸が、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドテカン酸からなる群から選ばれたことを特徴とする請求項6に従う自動車部品。
  8. ポリアミド組成物が、(組成物全体に対して)10〜60重量%の強化物質を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に従う自動車部品。
  9. ポリアミド組成物が25〜45重量%の強化物質を含有することを特徴とする請求項8に従う自動車部品。
  10. 自動車部品が射出成形により作られることを特徴とする請求項8または9に従う自動車部品。
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