JP4342065B2 - フィブリル状物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪族ポリケトンからなるフィブリル状物に関する。更に詳しくは、耐薬品性、耐熱性、強度、高弾性率、接着性、電気絶縁性に優れ、特に複合材料にした場合にこれらの性能が発揮でき、かつ安価な脂肪族ポリケトンからなるフィブリル状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙は主として木材パルプを原料とするものが一般的であり、広く多量に使われている。しかしながら木材パルプを原料とする紙は耐水性、耐熱性、電気絶縁性などの特性に劣る点があり、例えば電気機器の絶縁紙として用いるときは、これら機器の高性能化、小型化、軽量化の際に求められる性能を満たし得なくなっている。近年、合成高分子から得られるパルプやフィブリッド等のフィブリル状物が耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性に優れ、木材パルプの欠点を補う新たな紙用材料として注目され種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特公昭35―11851号公報にはポリアミド重合体、ポリエステル重合体、ポリアクリロニトリル重合体、エラストマー重合体、ビニル重合体のフィブリル状物が開示され、その製造方法と紙への応用について述べられている。ここで開示されたフィブリッドは耐薬品性、耐熱性の点で木材パルプに比較して優れたものであるが、より過酷な使用条件に対しては不十分なものであった。
また、特公昭43−20421号公報には芳香族ポリアミド重合体のフィブリル状物が開示されている。このものは更に優れた耐熱性や電気特性を示しているが、それでも過酷な化学薬品の作用特に高温時の加水分解や酸化作用に対して弱点があるものであった。
【0004】
更に、近年、芳香族ポリアミド重合体のフィブリル状物を用いその優れた耐熱性、力学物性を利用して、クラッチフェーシング、ブレーキライニング、ガスケット、シーラント、コーティング剤等のアスベスト代替材料や、パーソナルコンピューター用のプリント基板材料としての需要が急成長している。しかしながら、芳香族アミド重合体は、原料モノマーが高価であるために製造コストが高く、やはり耐薬品性や電気絶縁性においては分子構造から由来する本質的な問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、公知のフィブリル状物では達成されていなかった耐薬品性、耐熱性、強度、高弾性率、接着性、電気絶縁性に優れ、特に複合材料にした時にこれらの性能が発揮でき、かつ安価である新規なフィブリル状物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために、種々の検討を重ねた結果、脂肪族ポリケトンをフィブリル化せしめ、特定の比表面積を持たせることで、上記課題を完全に解決できる可能性を見いだし、更に検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で示される繰り返し単位が90モル%以上のポリケトンから構成され、比表面積が0.3m2 /g以上、結晶化度が30%以であることを特徴とするフィブリル状物を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】
本発明のフィブリル状物は、(1)ポリケトンからなり、(2)大きさが異なる繊維状、薄膜状又はリボン状、あるいはこれらの形状が合わさった不定形の微小な粒子からなり、(3)大抵の粒子の三次元の寸法の最大のものは他のより小さい2つの寸法よりはるかに大きく、かつ好ましくはより小さい2つの寸法は10μmを越えず、(4)好ましくは他の粒子と機械的にもつれ合うことのできる多数の触手状突起を有する繊維状、薄膜状又はリボン状構造に形づくられ、かつ(5)普通の紡糸法によって同じ重合体から作られた普通の繊維より遥かに大きい水保有能力を有することを特徴とするパルプ状の粒子である。
【0009】
本発明のフィブリル状物は、比表面積が大きく、従来の製紙機のスクリーン上に堆積させたとき絡み合って紙に似た構造物を生じる能力を有し、このときの絡み合いは得られた紙様構造物が脱水後の湿潤時及び乾燥後においてその形態を保ち、その自重を支えるに十分な紙力を与える。また、樹脂、コンクリート、金属等と混合され、一体として成型された複合材料においては、高度の微分散が達成され、得られた複合材料は優れた成形性、剛性、耐薬品性を発現する。
【0010】
本発明のフィブリル状物を構成するポリケトンは、繰り返し単位の90モル%以上が前記の式(1)で示されるポリケトンである。このポリケトン構造は分子内に水素結合を有していないので、得られたフィブリル状物に優れた電気絶縁性を付与することができる。10モル%未満、好ましくは3モル%未満、更に好ましくは1モル%未満の範囲で前記の式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位、例えば下記の式(2)に示したもの等を含有していてもよい。
【0011】
【化4】
【0012】
式中、Rはエチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えばプロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これらの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。高強度、高弾性率が達成可能で、高温での安定性が優れるという観点で繰り返し単位の98モル%以上が前記の式(1)で示されるポリケトンであることが好ましく、最も好ましくは100モル%である。
【0013】
また、これらのポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含有していてもよい。
本発明のフィブリル状物の比表面積は、0.3m2 /g以上であることが必要である。0.3m2 /g未満では分散性が悪く、紙としての強度が低くなったりアスベスト材料としての補強効果が発揮されない。好ましくは、0.7m2 /g以上であり、更に好ましくは2m2 /g以上、最も好ましくは5m2 /g以上である。フィブリル状物の比表面積の上限は特に制限はないが、比表面積が高くなりすぎると凝集が激しく取り扱いが困難になるので、通常は100m2 /g以下、好ましくは50m2 /g以下である。
【0014】
本発明のフィブリル状物は、結晶化度が30%以上であることが好ましい。結晶化度をこの範囲にすると、フィブリル状物を用いて製造した紙や複合材料は優れた力学的強度を発現する。結晶化度が30%未満ではその補強効果が十分発揮されにくくなる。好ましくは、50%以上であり、更に好ましくは60%以上である。
本発明のフィブリル状物は、ポリケトンの分散液に機械的処理を加えることで製造することができる。分散液に分散されるポリケトンの形態としては、カットした繊維、長繊維、粉体等、特に制限はないが、機械処理を施した時に容易にフィブリル化する点でカットした繊維が好ましく、また微分散させやすい点でポリケトンの溶液を貧溶剤に添加し、該ポリケトンの一部又は全部を析出させ、これに機械的処理を施して得られるものが好ましい。
【0015】
カットした繊維は、極限粘度が1.5dl/g以上のポリケトンを湿式紡糸した後、3倍以上熱延伸して長繊維状延伸糸とした後、カッター、鋏等の公知のチョップドストランドを作成できる装置を用いて0.5〜200mm、好ましくは0.5〜50mmにカットしたものが高強度、高弾性率を有していることと、分子が高度に配向しているので容易にフィブリル化しやすくアスペクト比の高いフィブリルが得られる点で特に好ましい。
【0016】
湿式紡糸に用いる溶剤としては、特開平2−12413号公報、特開平4−228613号公報及び特表平4−505344号公報などに開示されている例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、レゾルシン、ハイドロキノンやこれらの混合物を用いることができるが、これらの有機溶剤は毒性、臭気、可燃性に問題があるので工業的に好ましくはない。特に好ましくは本発明者らが提案している亜鉛塩、カルシウム塩、イソシアナート塩等の水溶液や硝酸が、毒性が低く不燃でポリケトンの溶解性が高いので特に好ましい(例えば、特願平10−236595号に記載された方法)。また、溶融紡糸で得たポリケトン繊維をカットして用いてもよいが、溶融紡糸で得られる繊維は分子の配向性が低いので、湿式紡糸で得た繊維に比較してフィブリル化しにくいという問題はある。
【0017】
また、先に述べた溶剤に溶解させたポリケトンをポリケトンの貧溶剤に添加してポリケトンの一部又は全部を析出させてもよい。この場合、やはり溶剤としては亜鉛塩、カルシウム塩、イソシアナート塩等の水溶液や硝酸等が好ましく、溶液中のポリマー濃度としては0.01〜70重量%が好ましい。貧溶剤としては特に制限はないが、特に水又は任意の水溶液が毒性、不燃性、価格の面から特に好ましい。
【0018】
以上のようにして得られた繊維状、粉体状、フィルム状のポリケトンは、任意の有機、無機溶剤に分散させることができる。用いる分散液としては特に制限はないが、ポリケトンは最も安価で安全な水又は水溶液に完全に濡れ、しかも高度な分散が達成できるので、水系の溶剤に分散させることが特に好ましい。分散液中のポリケトンの量としては特に制限はないが、通常は分散性、輸送のしやすさから0.1〜100重量%である。
【0019】
こうして得たポリケトンの分散液に機械的処理を加えて、本発明のポリケトンのフィブリル状物を得ることができる。機械的処理とは分散したポリケトンを細かく砕く力のあるものであれば特に制限はなく、例えば、攪拌、噴出、摩擦、衝突による剪断や叩解処理が挙げられる。これらの機械的処理を行う装置としては、特に制限はないが、ミキサー、攪拌機、ホモジナイザー、ニーダー、ポンプ、、ボールミル、回転カッター等を使用することができる。ポリケトンの溶液を貧溶剤に添加してポリケトンを析出させる場合は、沈殿及び/又は析出する間に上記の機械的処理を加えてもよい。
【0020】
こうして得られた本発明のフィブリル状物は、使用する前に適度な水分を有していることが貯蔵安定性、分散性の維持、静電気抑制の観点から好ましく、含水率としては通常0.01〜200%であるが、特に好ましくは含水率が2〜60%である。
こうして得られたフィブリル状物は、様々な用途に展開することができる。用途の一つとして特に有用なものとしては、シート構造体があり、フィルター、バッテリーセパレーター、樹脂、セメント、金属等を強化した複合材料等に応用できる。シート構造体は、本発明のフィブリル状物が積層した構造をしており、必要に応じて部分的に溶融させてフィブリル状物同士の一部又は全部が融着していてもよく、公知の接着剤を用いて接着されていてもよい。こうした構造体の厚みとしては通常100μm〜10mmであり、目付としては通常0.01〜200g/m2 である。
【0021】
本発明のフィブリル状物から得られるシート状物の好ましい製造方法としては、本発明のフィブリル状物を含むスラリーを調製し、次いで濾過体を用いて脱液することで該スラリーから湿潤シートを形成し、次いでこの湿潤シートを乾燥して得る方法である。スラリーとしては、操作性、安全性の観点から水にフィブリル状物が分散したスラリーが好ましく、スラリー中のフィブリル状物の含有量は任意に設定できる。
【0022】
濾過体としては、金属や樹脂性のメッシュやフィルター等、公知のものを使用してよく、シート状物を連続的に生産するために、ベルトになっているものが好ましく、水分を除去するために、ベルトの下から吸引したり、加熱してもよい。得られたシート状物は引き続き乾燥を受ける。乾燥温度としては通常50〜400℃である。こうして得たシート状物はそのまま、あるいは積層したり、プレス等を用いて部分的に接着させてもよい。プレス面の温度としては80〜300℃であり、プレス圧力としては1〜5000kg/cm2 である。
【0023】
本発明のフィブリル状物は、樹脂、セメント、金属等に混合して複合材料として用いることができる。得られた複合材料は、フィブリル状物の接着性、高強度、高弾性率、耐薬品性を反映して、剛性に富んだ耐薬品性の高い材料となる。複合材料に占める本発明のフィブリル状物の含有量としては、任意に設定できるが、通常1重量%以上である。使用できる樹脂としては特に制限はなく、例えば、公知のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ゴム等が挙げられ、必要に応じて他の充填剤を併用してもよい。
【0024】
【実施例】
本発明を以下の実施例等により更に詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた。
[η]=lim(T−t)/(t・C) 単位:dl/g
C→0
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール溶媒及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0025】
(2)比表面積
マイクロメリテックス社製フローソープ2300型を用いて、BET比表面積法により、窒素の吸収量から比表面積を求めた。試料が含水状態にある場合は、70℃、真空下で水分を除去してから測定した。
(3)含水率
以下の式に従って求めた。
【0026】
(4)結晶化度
DSC(示差走査型熱分析装置)を用いた融点測定で200〜300℃の範囲で得られる最大の吸熱ピーク面積から計算される熱量△H(J/g)より、下記式を用いて算出した。ここで、225J/gは、完全結晶の融解熱である。
結晶化度=(△H/225)×100(%)
(5)繊維の強度、伸度、弾性率
繊維の強伸度は、JIS−L−1013に準じて測定した。
【0027】
【実施例1】
エチレン/一酸化炭素の交互共重合ポリマー([η]=5.3dl/g)を8重量%、塩化亜鉛60重量%、塩化ナトリウム10重量%、純水22重量%の組成のポリマー溶液を調整し、80℃に保ちながら、直径0.1mmのノズル50穴から吐出量20g/min、エアギャップ長10mmで押し出し、ポリマーに対し非溶媒である水で凝固させることにより繊維化した。ついで2%硫酸水浴にて繊維を通し、塩化亜鉛を完全に除去し、水洗ロールにて硫酸を除去して巻き取った。巻き取り速度は6m/minで行った。次いで、200℃で乾燥後、非加熱ロールの間にあるホットプレート上で延伸温度240℃、6倍延伸後、更に268℃、2倍延伸して75d/50fのポリケトン繊維を得た。得られた繊維の強度は15.2g/d、伸度は5%、弾性率は340g/dであった。また、結晶化度は75%であった。
【0028】
得られたポリケトン繊維を5mmで定尺切断し、熊谷理機工業製PF1ミルで粉砕して比表面積が6.3m2 /gフィブリル状物を得た。得られたフィブリル状物を20℃で10時間濃硫酸に浸漬させても変化はなかった。
フィブリル状物6.0gを水3リットルに分散させた。フィブリル状物は水をはじくことなく均一に分散した。こうした分散液を用いて、15cm×15cmの大きさに抄紙した。10kg/cm2 で圧搾脱水した後、60℃で乾燥した。乾燥紙を4枚積層し、500kg/cm2 の圧力下、170℃で10min、240℃で5min、熱プレスした。こうして得た紙状物は強固であった。この紙状物をオートクレーブ中で90%の相対湿度雰囲気で200℃、60分間熱処理しても強靱さに変化はなかった。
【0029】
【比較例1】
粉砕時間を短くして、比表面積が0.23m2 /gフィブリル状物を実施例1に従って得た。実施例1と同様に紙状物を作成しようとしたが、フィブリル状物同士が接合させることができなかった。
【0030】
【比較例2】
ポリケトンの代わりに比表面積6.5m2 /gのポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)パルプを実施例1と同様に濃硫酸に浸漬したところ、パルプは非常にもろくなった。また、パルプを実施例1と同様に湿熱処理しても非常にもろくなった。
また、このパルプを用いて実施例1と同様に紙状物を作成した。得られた紙状物は強靱であったが、オートクレーブ中で90%の相対湿度雰囲気で200℃、60分間熱処理すると非常にもろくなり、紙状物の形態を保持できなかった。
【0031】
【実施例2】
エチレン/一酸化炭素の交互共重合ポリマー([η]=5.3dl/g)を8重量%、塩化亜鉛60重量%、塩化ナトリウム10重量%、純水22重量%の組成のポリマー溶液40gを予め300ミリリットルの水を入れた家庭用ミキサーで5min激しく攪拌した。得られたフィブリル状物をろ別し、水で繰り返し洗浄した。こうして得たフィブリル状物の比表面積は3.8m2 /g、結晶化度は56%であった。また、含水率は45%であった。
得られたフィブリル状物を用いて、実施例1と同様に紙状物を作成したところ、強靱なものが得られた。
【0032】
【実施例3】
プロピレンを6重量%共重合した、極限粘度1.8のエチレン/プロピレン/一酸化炭素の交互共重合ターポリマーを250℃で押出機を用いて溶融させ、0.23mm×36個の紡口から押し出し、1000m/minで巻き取った。得られた未延伸糸を15倍延伸し、強度13g/d、伸度6%、弾性率140g/dの延伸糸を得た。実施例1と同様に、カットした繊維をフィブリル化させ比表面積3.8m2 /gのフィブリル状物を得た。
【0033】
フィブリル状物の絶乾重量として6.25gに相当する含水率35%のこのフィブリル状物を、3000rpmで3min、1リットルの水に分散させた。次いで、80メッシュの金網に25cm×25cmに抄紙した。その後、120℃、2時間乾燥して、目付100g/m2 の紙状物を得た。
こうして得たポリケトン紙状物から50mm×100mmの試験片を切り出し、次いで変性レゾール型フェノール樹脂PR−SCI−3(商品名、住友デュレズ製)の22.5%メタノール溶液を希釈調合する。この樹脂液を紙状物/樹脂の重量比が44.5/56.5になるように含浸させた後、50℃にて20min、乾燥して含浸プリプレグを作成した。
【0034】
上記プリプレグを2枚積層し、0.6mmのスペーサーを配置して、180℃、6kg/cm2 にて10min、プレス成形し、その後オーブン中で180℃にて2時間処理して硬化させた。
得られた複合材料は剛性に優れたものであった。また、水中、96℃で10時間加熱しても剛性に変化はなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明のフィブリル状物は、公知のフィブリル状物では達成されていなかった耐薬品性、耐熱性、強度、高弾性率、接着性、電気絶縁性に優れ、特に複合材料にした時にこれらの性能が発揮でき、かつ安価である新規なフィブリル状物である。
特に、紙、アスベスト代替、プリント基板等の各種産業資材に用いられた時に優れた性能を発揮する全く新規なフィブリル状物である。
Claims (5)
- 含水率が0.01〜200%であることを特徴とする請求項1記載のフィブリル状物。
- 請求項1または2記載のフィブリル状物を含有してなるシート構造体。
- 請求項1または2記載のフィブリル状物を含むスラリーを調製し、次いで濾過体を用いて脱液することにより該スラリーから湿潤シートを形成し、次いでこの湿潤シートを乾燥することを含む請求項3記載のポリケトンシート状物の製造方法。
- 請求項1または2記載のフィブリル状物を少なくとも1重量%以上含有することを特徴とする複合材料。
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