JP2003142341A - キャパシタ用セパレータおよびキャパシタ - Google Patents

キャパシタ用セパレータおよびキャパシタ

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JP2003142341A
JP2003142341A JP2001339599A JP2001339599A JP2003142341A JP 2003142341 A JP2003142341 A JP 2003142341A JP 2001339599 A JP2001339599 A JP 2001339599A JP 2001339599 A JP2001339599 A JP 2001339599A JP 2003142341 A JP2003142341 A JP 2003142341A
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capacitor
pulp
acid
thermoplastic resin
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JP2001339599A
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Takashi Katayama
隆 片山
Shuhei Yorimitsu
周平 頼光
Nozomi Sugo
望 須郷
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電解液、耐熱性に優れ、地合いの均一な薄
型のキャパシタ用セパレータおよびキャパシタを提供す
る。 【解決手段】融点が200℃以上の熱可塑性ポリマーか
らなり、単繊維繊度が0.0001〜0.5デシテック
ス、繊維長0.1〜5mmの実質的に枝分かれを有しな
いパルプ状物を10質量%以上配合してなるキャパシタ
用セパレータおよび該セパレータを用いたキャパシタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャパシタ用セパレ
ータに関し、特に電解液として有機溶媒を使用する電気
二重層キャパシタに好適なセパレータ、および電気二重
層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、ニカド電池、
ニッケル水素電池、リチウムイオン電池にせまる大容量
を有することから、従来のキャパシタ(別名:コンデン
サ)の主な用途であった電源平滑化、ノイズ吸収用など
の用途以外にパーソナルコンピュータのメモリーバック
アップ電源、2次電池用の補助、代替などに用いられる
ようになってきた。従来の2次電池は高容量を有する
が、比較的寿命が短く、急速な充放電が困難であったこ
とに対して、電気2重層キャパシタは比較的大きな容量
を持ちながら、キャパシタ本来の長所である長寿命、急
速充放電が可能という好特性を併せもつ。電気二重層キ
ャパシタを構成する主な部品は、電極、電解液、セパレ
ータ、集電板などであるが、セパレータの目的は正負両
極の接触は防ぐが、イオンの流通を妨げないことであ
る。セパレータは、その厚みが大きくなるほど、電解液
の通路が長くなり、内部抵抗が増すため、厚みは薄くす
ることが望まれている。電解液には水系(硫酸水溶液な
ど)と、有機系(テトラエチルアンモニウム・テトラフ
ルオロボレートをプロピレンカーボネートに溶解したも
のなど)が用いられてきているが、有機系は分解電圧が
水の電気分解する分解電圧よりも高く、エネルギー密度
を高くできるために注目されている。有機系において水
は不純物となりキャパシター性能を低下させるために、
水分は徹底的に除去されなければならない。したがって
セパレータの乾燥も真空下でできるだけ高温でなされる
ことが望まれ、乾燥工程における耐熱性が重要な要求物
性となっている。従来、キャパシタに用いられているセ
ルロース紙のセパレータは酸素の存在下では比較的耐熱
性に優れているが、150℃で茶色に変色してしまい、
耐熱性の向上が望まれている。また、セパレータには電
解液に対して化学的に安定であることが当然要求されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電解
液に対する化学的安定性を保持し、耐熱性に優れた熱可
塑性樹脂からなるパルプ状物を含む紙で形成された薄型
のキャパシタ用セパレータおよびキャパシタを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、融
点が200℃以上である熱可塑性樹脂からなり、単繊維
繊度が0.0001〜0.5デシテックス、繊維長0.
1〜5mmの実質的に枝分かれを有しないパルプ状物が
10質量%以上含まれてなるキャパシタ用セパレータで
ある。また、本発明は、該セパレータを組み込んでなる
キャパシタである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のキャパシタ用セパレータ
は融点が200℃以上の熱可塑性樹脂からなるパルプ状
物を含むものである。有機系電解質を用いる場合にはセ
パレータの乾燥工程で水分を徹底的に除去する必要があ
り、200℃以上の真空乾燥処理が可能であることが重
要な要求物性となっている。融点が200℃未満の熱可
塑性樹脂からなるパルプ状物を用いた場合には200℃
での真空乾燥中にもセパレータが熱変形し、セパレータ
として使用できなくなる。
【0006】融点が200℃以上の熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリメチルペンテンのようなオレフィン
系、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフ
タレンテレフタレート、溶融液晶性芳香族ポリエステル
のようなポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン6−12、ナイロン4−6、芳香族ジカルボン
酸成分と脂肪族アルキレンジアミンから合成されるポリ
アミド、脂肪族アルキレンジカルボン酸成分と芳香族ジ
アミンから合成されるポリアミドのようなポリアミド
系、ポリ四ふっ化エチレン、四ふっ化エチレン-六ふっ
化プロピレン共重合体、エチレン-四ふっ化エチレン共
重合体、ポリクロロ三ふっ化エチレン等のフッ素系、ポ
リフェニルサルファイド、ポリケトンなどがある。中で
も耐熱性に優れ、熱成形し易い点でポリエチレンテレフ
タレート、溶融液晶性芳香族ポリエステル、ナイロン
6、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族アルキレンジアミ
ンから合成されるポリアミドが特に好ましい。
【0007】本発明に好ましく用いられる溶融液晶性芳
香族ポリエステルは、例えば芳香族ジオ−ル、芳香族ジ
カルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等より得られ
るものである。この樹脂は耐薬品性に優れ本発明に用い
るパルプ状物の製造に供することができる。
【0008】好ましくは、パラヒドロキシ安息香酸と2
−ヒドロキシ6−ナフトエ酸の構成単位からなる部分が
80モル%以上である溶融液晶性芳香族ポリエステルで
あり、特に両者の合計量に対する2−ヒドロキシ6−ナ
フトエ酸が5〜45モル%である芳香族ポリエステルが好
ましい。なお、本発明にいう溶融液晶性とは、溶融相に
おいて光学異方性を示すものである。このような特性
は、公知の方法、例えばホットステ−ジにのせた試料を
窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過光を観察すること
により容易に認定することができる。
【0009】また本発明に好ましく用いられる芳香族ジ
カルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンから合成される
ポリアミドは、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳
香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の6
0モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジア
ミンであるものが好ましい。
【0010】芳香族ジカルボン酸としてはキャパシタ用
セパレータの耐熱性、耐電解液性の点でテレフタル酸が
好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフ
タレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢
酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、
ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニル
メタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン
−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用し
て使用することもできる。かかる芳香族ジカルボン酸の
含有量はジカルボン酸成分の60モル%以上であり、7
5モル%以上であることが好ましい。なかでも不織布の
強度、耐電解液性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が
100%芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。
【0011】また、ジアミン成分の60モル%以上は炭
素数が6〜12のアルキレンジアミンで構成され、かか
る脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサ
ンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナ
ンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウ
ンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,
5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタン
ジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直
鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げること
ができる。なかでも耐電解液性の点で1,9−ノナンジ
アミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8
−オクタンジアミンとの併用が好ましい。この脂肪族ア
ルキレンジアミンの含有量はジアミン成分の60モル%
以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上で
あることが、耐熱性の点で好ましい。
【0012】また、本発明に使用されるポリアミドはそ
の分子鎖における〔CONH/CH 〕の比が1/2〜
1/8、特に1/3〜1/5であることが好ましい。こ
の範囲のポリアミドを使用することにより耐電解液性お
よび耐熱性に優れたキャパシタ用セパレータが得られる
のである。
【0013】これらの熱可塑性樹脂には、必要に応じて
銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑
剤、結晶化速度遅延剤などを重縮合反応時、またはその
後に添加することができる。
【0014】本発明に用いられるパルプ状物は単繊維繊
度が0.0001〜0.5デシテックスでなければなら
ない。単繊維繊度が0.0001デシテックス未満であ
ると、抄紙時の分散性が悪いためにセパレータの地合が
悪くなる。また0.5デシテックスを越えると抄紙性が
悪くなるばかりでなく、地合が悪くなりピンホールが発
生し易くなる。
【0015】本発明に用いられるパルプ状物の繊維長は
0.1〜5mmである。繊維長が0.1mm未満の場合
にはセパレータの強度が出ない。また繊維長が5mmを
越える場合には抄紙時の分散性が悪くなり、セパレータ
の地合が悪くなる。
【0016】本発明に用いられるパルプ状物は、実質的
に枝分かれを有しないもの(図1参照)であり、成形物
を叩解して得られるパルプ(図2参照)とは明らかに異
なるものである。実質的に枝分かれを有していないため
に紙力が大きく、抄紙時の分散性に優れるために均一な
地合の紙が出来るのでキャパシタ用セパレータに用いる
と電気的に優れたものが出来る。
【0017】本発明に言う枝分かれを有しない熱可塑性
樹脂からなるパルプ状物は、例えば易アルカリ減量性ポ
リエステルを海成分、熱可塑性樹脂を島成分とする海島
繊維を、長さ5mm以下にカットする前又はカットした
後に、易アルカリ減量性ポリエステルを溶解及び/又は
分解除去することにより得られる。あるいはまた例えば
熱可塑性ポリビニルアルコールを海成分、熱可塑性樹脂
を島成分とする海島繊維を、長さ5mm以下にカットす
る前又はカットした後に、熱水で熱可塑性ポリビニルア
ルコールを溶解及び/又は分解除去することにより得ら
れる。
【0018】海島繊維からパルプ状物を得る場合、海島
複合紡糸繊維を用いることもできるが、溶融液晶性芳香
族ポリエステルからなるパルプ状物を得る場合には、海
島混合紡糸繊維を用いた方が、より繊度が小さく実質的
に枝別れを有しないものが得られるため好ましい。該パ
ルプ状物は熱可塑性樹脂からなる繊度0.0001〜
0.5デシテックスでかつ繊維長0.1〜5mmの実質
的に枝分かれを有しないもので、直径のばらつきが少な
く且つほぼ均一なパルプ長を有するものである。
【0019】本発明に用いるパルプ状物は、長さ5mm
以下、好ましくは3mm以下、さらに好ましくは0.5
〜2mmにカットして得られる。カットは海成分を除去
前又は後のいずれで行ってもよい。カット方法として
は、カッタ−、ペレッタイザ−、粉砕機等いずれの方法
で行ってもよい。パルプ状物の繊維長が5mm以上であ
ると海成分を除去後にパルプ状物が絡まりやすく分散性
が悪化する。逆に繊維長が短すぎるとパルプ状物間の絡
まりが少なすぎてセパレータに加工したときに十分な強
度が得られない。
【0020】また、パルプ状物の分散性を高めるため
に、ドライ、ウエットあるいは分散剤を添加したウエッ
トの状態で、パルパ−、リファイナ−、ビ−タ−等にか
けてパルプ状物間の絡まりを低下させることも可能であ
る。
【0021】本発明のセパレータには上述の融点が20
0℃以上である熱可塑性樹脂からなるパルプ状物のみを
用いて常法により抄紙することも可能であるが、該熱可
塑性樹脂と同組成又は異なった組成のポリマ−からなる
繊維を90質量%を越えない範囲で混抄することも可能
である。90質量%以上配合すると本発明の効果が十分
に得られない。混抄することの可能な繊維とは例えば、
ポリエチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル、
ナイロン6、全芳香族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸
成分と脂肪族アルキレンジアミンから合成されるポリア
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンズオキサ
ゾール、等からなる繊維、天然セルロース繊維をマーセ
ル化したセルロース系繊維;マーセル化されたパルプ、
などを挙げることができる。これらの繊維の単繊維繊度
は、薄葉化、地合、セパレート性、強力等の点から0.
01〜3dtexであることが好ましい。繊維横断面は丸
型、繭型、中空型,T型等特に限定されるものではな
い。さらにセパレータ強力・形態安定性等を高めるため
に、バインダー、糊材等を配合してもよい。
【0022】上記記載の繊維を適宜組み合わせてシート
化後、表面平滑性の向上、シートの厚さ調整、強度、高
密度化の発現のためには熱カレンダー処理を行うことが
好ましい。また電解液のセパレータへの浸透性を高める
ために、セパレータにグラビア加工、エンボス加工を行
うこともできる。
【0023】本発明のセパレータは、繊度0.0001
〜0.5デシテックスの熱可塑性樹脂をセパレータ用部
材として用いることにより、薄型ながら低い内部抵抗、
均一な地合のセパレータを得ることも可能である。具体
的には、厚さを100μm以下にすることが可能であ
る。本発明のセパレータを用いることにより、薄型のセ
パレータを得ることができ、キャパシタの内部抵抗を下
げることができる。不織布としての機械的強力を考慮す
ると、セパレータの厚みは50μm以上が好ましく、ま
た薄型化し電池のエネルギー密度を向上させるためには
100μm以下であることが好ましい。坪量は20〜6
0g/m程度、密度0.1〜0.6g/cm程度で
あるのが好ましい。
【0024】かかるキャパシタ用セパレータ用シートを
そのまま用いて、または袋状体や渦巻状体等の所望の形
状に加工することによりキャパシタ用セパレータとする
ことができる。もちろん該シート以外のものと組み合せ
てキャパシタ用セパレータを製造してもよい。たとえば
他のシート(不織布、フィルム等)と積層したり、継ぎ
合せることができる。しかしながら、本発明の効果を効
率的に得る点からは実質的に前述のシート、特に不織布
のみからキャパシタ用セパレータを製造するのが好まし
い。本発明のキャパシタ用セパレータを組込むことによ
って諸性能に優れたキャパシタが得られる。
【0025】このようなキャパシタ用セパレータは、キ
ャパシタ用セパレータのみならず、電池セパレータ、フ
ィルター、ワイパー、包装材、研磨材、絶縁紙、耐熱紙
等に用いることができる。
【0026】本発明のキャパシタは主として上述した本
発明のセパレータと正極、負極、電解液からなるもので
ある。本発明のセパレータをキャパシタの電極に適用し
た一例を示す概略図を図3に示す。正極および負極は、
一般的に細孔を備えた活物質と導電性を確保するための
導電化材とこれらを結合するバインダとからなる。代表
的な活物質としては多数の細孔を持ち比表面積が大きな
活性炭を用いることができる。活性炭としては、粉末
状、粒状あるいは繊維状でも良く、椰子殻活性炭、木質
系活性炭、石炭系活性炭、ポリマーを原料とする活性炭
など公知の活性炭から適宜選択することができる。導電
化材としてはカーボンブラック、金属紛等を採用するこ
とができる。正極あるいは負極におけるバインダとして
は電解液に対して耐性を持つ必要があり、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロースなどの少なくとも1種
を用いることができる。電解液としては、溶媒に電解質
を溶解したものを用いることができる。溶媒としては、
例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどを用い
ることができる。電解質としては、例えばLiBF
LiPF、LiClO、(CNBF
(CH NBF、CH(CNBF
等をあげることができる。このようなキャパシタは、電
源平滑化、ノイズ吸収用などの用途以外にパーソナルコ
ンピュータのメモリーバックアップ電源、2次電池用の
補助・代替、自動車の補助動力、セルモーターの起動用
電源などに用いることができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
実施例により何等限定されるものではない。なお実施例
中の各測定値は以下の方法により測定された値である。
【0028】[融点の測定]DSC(例えばMettler社
製TA3000)装置にサンプルを5〜15mgとり、アルミ製パ
ンへ封入した後、窒素を20cc/min流し、昇温速度10℃/m
inで測定したとき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を
融点(Tm)として測定する。1st-runで明確な吸熱ピ
−クを現れない場合は、50℃/minの昇温温度で、予想さ
れる吸熱ピ−ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加
熱し完全に溶融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、し
かるのち10℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。 [厚さ(μm)]JIS P 8118「紙及び板紙の
厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。 [坪量(g/m)]JIS P 8124「紙のメー
トル坪量測定方法」に準じて測定した。 [強度(N/15mm)]JIS P 8113「紙及び板
紙の引張強さ試験方法」に準じて測定した。 [地合]20cm角のセパレータを屋内で蛍光燈にかざ
し、目視観察したときにピンホールが1個でもあった場
合には×、全く認められなかった場合には○とした。 [通気度(cm/cm/sec)]JIS L 1
096―1996「一般織物試験方法」の通気度測定方
法に準じ、株式会社東洋精機製作所製フラジール型通気
度試験機により測定した。 [耐電解液性(%)]JIS P 8113に準じて、
耐電解液性処理前後の試験片の強力(N/15mm)を測
定し、その強力保持率で表した。処理は不織布の試験片
を窒素雰囲気下で50℃のポリカーボネート(和光純薬
株式会社製)に1時間浸漬処理した。 [耐熱性(%)]23℃、65%RHで24時間調湿後
のセパレータサンプルを20cm角に切り出し、サンプ
ルを真空下で200℃に保持した乾燥機中で24時間乾
燥処理。サンプルを乾燥機から取り出した後23℃、6
5%RHで24時間調湿後、形態を測定し、縦または横
の少なくとも1方の形態変化が5%以上のものは×、2.
5%以上5%未満のものは△、2.5%未満のものは○
とした。 [電気二重層キャパシタの作製]セパレータサンプルを
200℃に保持した真空乾燥機で24時間乾燥後、−6
0℃以下の露点雰囲気のドライボックスにサンプルを持
ち込んだ。次いで、サンプルを直径13.5mmに打抜
き、テトラエチルアンモニウムテトラフロロボレートの
0.15質量%のプロピレンカーボネート溶液(水分率
20ppm以下)に浸漬した。活性炭(クラレケミカル
製BP−20)とポリテトラフロロエチレンとカーボン
ブラック(電気化学工業 デンカブラック)を80:1
0:10の質量比で混錬後、300μmの厚みまで延伸
して、直径13mmに打抜いてシート状の分極性電極を
得た。分極性電極を導電性ペースト(日本アチソン製E
B−815)を用いて集電部材に接着し、260℃の乾
燥機にて30分間乾燥後、200℃の真空乾燥機で12
時間乾燥した。乾燥した電極サンプルをドライボックス
に持込んだ。電極、および上記溶液に浸漬したセパレー
タ2枚、電極の順に重ね、図3で示したようなCR20
32タイプのコイン型キャパシタをドライボックス内に
て作製した。 [静電容量、および内部抵抗]作製したキャパシタを充
電電流3mAの定電流にて2.3Vまで充電後、電流値
が1mAになるまで定電圧充電を行い、放電電流3mA
にて放電を行った。この充電−放電サイクルの6回繰り
返し、6サイクル目の放電時の端子間電圧1.2Vから
1.0Vになるまでの時間より静電容量値を求めた。内
部抵抗値は同サイクル時の放電直後の電圧低下より求め
た。
【0029】参考例1 [1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタ
ンジアミンをジアミン成分とし、テレフタル酸をジカル
ボン酸成分とするポリアミドの製造]テレフタル酸1
9.5モル、1,9−ノナンジアミン10.0モル、2
−メチル−1,8−オクタンジアミン10.0モル、安
息香酸1.0モル、次亜リン酸ナトリウム−水和物(原
料に対して0.1質量%)および蒸留水2.2リットル
を、内容積20リットルのオートクレーブに添加し、窒
素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2
時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オート
クレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間
反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間23
0℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPa
に保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力
を1.0MPaまで下げ、さらに1時間反応を続けてプ
レポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧
下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕し
た。この粉砕物を230℃、10Pa下にて10時間固
相重合することによりポリマーを得た。得られたポリマ
ーの極限粘度(濃硫酸中30℃で測定)は0.9dl/
g、融点は263℃であった。
【0030】参考例2 参考例1と同様にして、テレフタル酸19.5モル、
1,9−ノナンジアミン14.1モル、2−メチル−
1,8−オクタンジアミン6.0モル、としたこと以外
は参考例1と同様にして、極限粘度0.8dl/g、融
点302℃のポリアミドを得た。
【0031】実施例1 溶融異方性ポリアリレ−トとして、パラヒドロキシ安息
香酸と2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸が73/27モル%
比、融点(Tm)280℃、対数粘度5.7dl/g(ペンタフル
オロフェノ−ルに溶解し、60℃の恒温槽中で測定)のも
のを用いた。易アルカリ減量性ポリエステルとして、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルが共重合ポリ
エステルを構成する全酸成分の5モル%、分子量200
0のポリエチレングリコ−ル8質量%を占め、残りがテ
レフタル酸、エチレングリコ−ルである共重合ポリエス
テル(固有粘度0.58dl/g、フェノ−ルとテトラクロロエ
タンの等量混合溶媒を用い、30℃の恒温層中で測定)を
用いた。
【0032】上記の溶融異方性ポリアリレ−トと易アル
カリ減量性ポリエステルを50:50の質量比で単軸押
出し機を用いて溶融混練し、ギヤポンプから紡糸ヘッド
に導き、ヘッド温度320℃、巻取速度1,000mの
条件で紡糸し、1,000デシテックス/100フィラ
メント、島数約200個の海島混合繊維(島成分の繊度
は約0.025デシテックス)を得た。これをギロチン
カッタ−を用いて繊維長約2mmに切断した後、沸騰し
ている40g/lの水酸化ナトリウム溶液に20分間浸漬し
た。次にこれをガ−ゼ上に移し取り酢酸で中和した後、
30分間水で洗浄し、パルプ状物を得た。粉末状物や繊
維径の極めて大きいもの、枝分かれは実質的に存在して
いなかった。短繊維として、参考例1で製造したポリア
ミドを押出機を用いて溶融押出しし、ヘッド温度300
℃、巻取速度1,000m/分で巻き取り、5mmにギ
ロチンカッターで切断した繊度1.1デシテックスの未
延伸糸を用いた。パルプ状物60質量%と短繊維40質
量%とを水中に投じ、撹拌分散させた後、この分散物を
80メッシュのステンレス製金網により抄紙し、坪量3
5g/mを得た。次いでこのシートを表面温度120
℃、2km/cmのドラム型乾燥機で処理して脱水乾
燥させた。得られた紙をロール温度220℃、線圧15
0kg/cmの条件で熱プレス処理し、キャパシター用
セパレータを得た。得られたセパレータは均一かつ耐電
解液性、耐熱性、および機械的性質が高く、キャパシタ
用セパレータとして優れた性能を有するものであった。
性能を表1に示す。
【0033】実施例2 実施例1でポリアミドの未延伸糸の短繊維を用いる代わ
りに、固有粘度0.68(フェノール/テトラクロロエ
タンの等質量混合溶媒にて30℃で測定)のポリエチレ
ンテレフタレートをヘッド温度295℃、速度1,000m/分
で巻き取り、5mmカットして得られた繊度1.1デシ
テックスのポリエステルの未延伸糸を用い、実施例1と
同様に混合抄紙し、熱プレスしてセパレータを得た。得
られたセパレータは均一かつ耐電解液性、耐熱性、およ
び機械的性質が高く、キャパシタ用セパレータとして優
れた性能を有するものであった。性能を表1に示す。
【0034】実施例3 短繊維にポリアミドを用いる代りにポリフェニレンサル
ファイド(株式会社東レ:フォートロンE2481(登
録商標))をヘッド温度300℃、速度1,000m/
分で巻き取った1.1デシテックスの未延伸糸を用い、
実施例1と同様に混合抄紙し、熱プレスしてセパレータ
を得た。得られたセパレータは均一かつ耐電解液性、耐
熱性、および機械的性質が高く、キャパシタ用セパレー
タとして優れた性能を有するものであった。性能を表1
に示す。
【0035】実施例4 参考例1のポリアミドを島成分に用い、実施例1で用い
た易アルカリ減量性ポリエステルを海成分に用いて、紡
糸ヘッド温度295℃、巻き取り速度800m/分で16島の
海島複合繊維の未延伸糸巻き取り,引き続き浴温90℃の
水浴で2段延伸して島成分の繊度0.1デシテックスの
延伸糸を得た。得られた延伸糸を実施例1と同様にして
パルプ状にし、実施例2で用いた未延伸糸と60:40
の質量割合で混合抄紙し、220℃で熱プレスして,セ
パレータを得た。得られたセパレータの性能を表1に示
す。
【0036】実施例5 実施例1で用いた参考例1のポリアミドの代りに参考例
2のポリアミドを用い、紡糸ヘッド温度325℃とした
こと以外は、実施例4と同様にして、0.1デシテック
スのポリアミドと1.1デシテックスのポリエステルと
からなるセパレータを得た。性能を表1に示す。
【0037】実施例6 実施例5で用いた未延伸糸の代わりに実施例1で用いた
ポリアミドの未延伸糸を用い,実施例5と同様にしてセ
パレータを得た。性能を表1に示す。
【0038】比較例1 実施例4で海島複合繊維の島成分にポリアミドを用いる
代りにポリプロピレン(日本ポリケム、SD2)を用い
たこと以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンから
なるパルプ状物を得た。このパルプ状物を用いて実施例
4と全く同様に抄紙し、130℃で熱プレスしてポリプ
ロピレンとポリアミドからなるセパレータを作製した。
得られたセパレータは耐電解液性には優れていたもの
の、耐熱性が低く,200℃の乾燥ではポリプロピレン
が溶融し、形態が大きく変化してセパレータとして用い
ることができないものになった。
【0039】比較例2 実施例1で用いた1.1デシテックスのポリアミドの未
延伸糸のみで、実施例1と同様に坪量35g/mの抄紙
シートを得た。次いでこのシートを表面温度120℃、
2km/cmのドラム型乾燥機で処理して脱水乾燥さ
せ、引き続きロール温度220℃、線圧150kg/c
mの条件で熱プレス処理した。得られたシートは地合が
悪く、ピンホールが20cm角に3個も目視観察される
ものであり、キャパシタ用セパレータとして使用できる
ものではなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明により、耐電解液、耐熱性に優
れ、地合いの均一なキャパシタ用セパレータを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用される枝分かれを有しないパル
プ状物を示す拡大写真である。
【図2】 成形物を叩解して得られるパルプ状物を示す
拡大写真である。
【図3】 本発明のセパレータをキャパシタに適用した
一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 集電部材 2 集電部材 3 分極性電極 4 分極性電極 5 セパレーター 6 ガスケット 7 ケース 8 圧力調整バネ 9 押え板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が200℃以上である熱可塑性樹脂
    からなり、単繊維繊度が0.0001〜0.5デシテッ
    クス、繊維長0.1〜5mmの実質的に枝分かれを有し
    ないパルプ状物が10質量%以上含まれてなるキャパシ
    タ用セパレータ。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタ
    レート、溶融液晶性芳香族ポリエステル、ナイロン6、
    芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族アルキレンジアミンか
    ら合成されるポリアミドからなる群より選ばれる少なく
    とも1種以上の熱可塑性樹脂である請求項1のキャパシ
    タ用セパレータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のセパレータを
    組み込んでなるキャパシタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007208043A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Kuraray Co Ltd キャパシタ用セパレータおよびキャパシタ
JP2009510788A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 改善されたナノファイバーセパレータを含む電気化学二重層キャパシタ
JP2012104545A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Jm Energy Corp 蓄電デバイス
EP3761331A4 (en) * 2018-02-27 2021-12-29 Nippon Kodoshi Corporation Electrochemical element separator and electrochemical element

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