JP4338181B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性高分子は、その高い導電性により、アルミニウムコンデンサ、タンタルコンデンサなどの固体電解コンデンサの固体電解質などに用いられている。
【0003】
上記導電性高分子としては、ピロール、チオフェン、アニリンまたはそれらの誘導体を化学酸化重合または電解酸化重合することによって合成したものがよく用いられている。この際の酸化重合を行うためのドーパントには、主に有機スルホン酸が用いられ、それらの中でも特に芳香族スルホン酸が多用されている。
【0004】
しかしながら、芳香族スルホン酸の出発物質であるアルキルベンゼンのアルキル鎖は、長鎖の場合、混合アルキルであって、単一化合物として一定していないため、得られる導電性高分子の導電性がばらつく原因となる。例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸(分子量326)のように単一分子量であっても、構造異性体の存在が電気特性に影響する。また、長鎖アルキル基を有する長鎖型芳香族スルホン酸は、分子サイズが大きいため、ドーピングしづらく、結果として初期重合段階では充分な導電性が得られないという問題があった。
【0005】
一方、短鎖型芳香族スルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸(分子量158)やトルエンスルホン酸(分子量172)は、分子サイズが小さく、ドーピングしやすいので初期重合段階では良好な導電性が得られるものの、その小さい分子サイズのため、脱ドーピングが起こりやすく、特に高温・高湿条件下で放置した場合には、著しく導電性が低下するという問題があった。
【0006】
上記のような状況から、初期重合段階からでも良好な導電性が得られ、しかも高温・高湿条件下で放置しても大きな導電性の低下が認められず、導電性のばらつきが少ない導電性高分子を構成することができるドーパントが求められている。
【0007】
上記要求に応えるべく、例えば、導電性高分子用ドーパントとして、カルボキシル基(−COOH)が付いた芳香族スルホン酸を用いて、電解酸化重合により導電性高分子を合成することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0008】
【非特許文献1】
”Chemistry Letters,1996,253−4,Shinji Takeoka,et al.p.254
【0009】
しかしながら、上記のような芳香族スルホン酸は、一般に乳化力が弱く、導電性高分子合成用のモノマーを完全に乳化することができないため、均一な導電性高分子を合成することができないという問題があった。また、乳化力を高めるために芳香族環に別途アルキル基を付加することも考えられるが、反応が繁雑になり、しかも、経済的でないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、導電性が優れ、しかも耐熱性が優れた導電性高分子を得、その導電性高分子を固体電解質として用いて高温・高湿条件下での信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭素数2〜19のアルコキシカルボニル基を一つ以上有し、かつスルホン酸基を一つ以上有するスルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルおよび炭素数2〜19のアルコキシカルボニル基を一つ以上有し、かつスルホン酸基を一つ以上有するスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族誘導体をドーパントとして含む導電性高分子が、導電性が優れ、しかも耐熱性が優れていて、それを固体電解質として用いて固体電解コンデンサを構成するときは、高温・高湿条件下での信頼性の高い固体電解コンデンサが得られ、上記課題を解決できることを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
炭素数が2〜19のアルコキシカルボニル基を一つ以上有し、かつスルホン酸基を一つ以上有するスルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルや同様のアルコキシカルボニル基とスルホン基を有するスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルとは、次の化学式(1)、(2)で示される官能基を有し、次の化学式(3)、(4)で示される化合物である。
【0013】
アルコキシカルボニル基:−COOCn H2n+1(n=1〜18) (1)
スルホン酸基(=スルホ基):−SO2 (OH)(=−SO3 H) (2)
スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステル:
C6 H6−x−y (−COOCn H2n+1)x (−SO3 H)y (3)
(ただし、n=1〜18で、xおよびyは自然数であり、1≦x≦5、1≦y≦5で、かつ2≦x+y≦6である)
スルホナフタレンカルボン酸アルキルエステル:
C10H8−x−y (−COOCn H2n+1)x (−SO3 H)y (4)
(ただし、n=1〜18で、xおよびyは自然数であり、1≦x≦7、1≦y≦7で、かつ2≦x+y≦8である)
【0014】
上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルまたはスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルにおいて、アルコキシカルボニル基における炭素数は2〜19(したがって、上記アルコキシカルボニル基を示す化学式におけるnは1〜18)であることが必要である。すなわち、スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルまたはスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルのアルコキシカルボニル基の炭素数が2より小さい場合は、乳化力が弱いため均一な導電性高分子膜が形成し難く、さらに分子サイズが小さいため脱ドーピングが起こりやすい。その結果、高温・高湿条件下で放置した場合には、著しく導電率が低下する。また、アルコキシカルボニル基の炭素数が19より大きい場合は、分子サイズが大きいため、ドーピングし難く、その結果、初期重合段階では充分な導電性が得られない。そして、このアルコキシカルボニル基の炭素数としては特に2〜6が好ましい。
【0015】
また、上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルにおけるベンゼンまたはナフタレン1分子に対して結合しているアルコキシカルボニル基(上記化学式におけるx)およびスルホン酸基(上記化学式におけるy)は1以上5以下が好ましく、特に1または2が好ましい。複数個のアルコキシカルボニル基がベンゼンまたはナフタレンに置換基として存在している場合、その置換位置についての制限は特になく、また、アルコキシカルボニル基とスルホン酸基との芳香族環上における置換位置関係についても特に制限はない。
【0016】
上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステル、スルホベンゼンモノカルボン酸メチルエステル、スルホベンゼンジカルボン酸ジブチルエステルなどが特に好ましいものとして挙げられ、スルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、スルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、スルホナフタレンモノカルボン酸メチルエステルなどが特に好ましいものとして挙げられる。
【0017】
そして、上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルは、例えば、アルコキシカルボニル基を有するベンゼンやナフタレンを濃硫酸と混合してスルホン化した後、苛性ソーダなどのアルカリ剤で中和し、晶析分離などの精製処理を行って合成することができる。また、上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルは、カルボキシル基を有するベンゼンやナフタレンを濃硫酸と混合してスルホン化した後、アルコールを加えてエステル化し、その後、アルカリ剤による中和、精製処理などを行うことによっても合成することができる。
【0018】
つぎに、本発明における導電性高分子の合成および上記導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサについて説明する。
【0019】
本発明において用いる導電性高分子合成用のモノマーとしては、例えば、ピロール、チオフェン、アニリンおよびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0020】
導電性高分子の合成にあたっては、まず、上記の導電性高分子合成用モノマーに対し、上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルをドーパントとして用いて、電解酸化重合を行う。
【0021】
電解酸化重合を行うにあたって、上記スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステル、スルホナフタレンカルボン酸アルキルエステル、またはそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)と、導電性高分子合成用モノマーとを、溶媒に溶解しておき、定電位または定電流条件下でモノマーの重合を進めて導電性高分子を合成する。重合に際して用いる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどが挙げられ、洗浄の際にも上記溶媒のいずれかを用いればよい。
【0022】
このようにして合成された導電性高分子は、導電性が優れ、しかも耐熱性が優れている。その理由は現在のところ必ずしも明確ではないが、本発明においてドーパントとして用いるスルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルにおいては、アルコキシカルボニル基とスルホン酸基とにより、従来のドーパント用化合物よりも強い界面活性能を有しているので、電解重合に際してモノマーをより均一に乳化することができ、それによって均一な導電性高分子が合成され、その結果として初期重合段階からでも優れた導電性が得られるようになるものと考えられる。また、導電性高分子中に取り込まれたドーパントのアルコキシカルボニル基は、長期保存中に分解されやすく、その際、アルコキシカルボニル基がカルボキシル基に変わり、そのカルボキシル基が主要因となって優れた耐熱性が得られるようになるものと考えられる。
【0023】
上記のように、本発明の導電性高分子は、導電性が優れ、しかも耐熱性が優れているので、固体電解コンデンサの固体電解質として用いたときに、ESR値が小さく、高温・高湿下での信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれら実施例のみに限定されるものではない。また、実施例に先立ち、参考例や実施例で用いる導電性高分子のドーパントとなる芳香族誘導体(炭素数が2〜19のアルコキシカルボニル基を一つ以上有し、かつスルホン酸基を一つ以上の有するスルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステル)の合成例を、合成例1〜5として示す。なお、以下の合成例、参考例、実施例などにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%は、特に基準を付記しないかぎり質量%である。
【0025】
合成例1
容器1000mlの四つ口フラスコに温度計、冷却管、ガラス製攪拌器を取り付けたものを反応容器として用いた。反応容器に28%発煙硫酸を1115g取り、よく攪拌しながらベンゼンジカルボン酸500gを徐々にそそぎ込み、液が均一になった後、マントルヒーターにより170〜220℃に加熱し、2〜4.5時間反応させ、水に溶解性のスルホン酸を得た(反応温度、反応時間は合成例によって異なる。以下同様)。このスルホン酸を室温まで冷却した後、氷360g、水260ml組成の氷水中へ冷却及び攪拌しながら徐々にそそぎ込み、スルホン酸成分を結晶化させた。氷を除き、液を吸引濾過することにより粗製スルホン酸を得た。さらにこの粗製スルホン酸をメチルアルコールに溶解し、4〜15時間環流させた。この際、エパポレーターを使用して生成する水を系外に取り出し、エステル化を完結させた(合成例によって異なるが、エステル化物500gに対し、アルコール1600〜2400gを要する)。最後にジエステル化物をメタノール性の水酸化ナトリウム(組成:水酸化ナトリウム300g、水300ml、メチルアルコール600ml)溶液で中和し、その後、吸引濾過することによりスルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を得た。
【0026】
合成例2
メチルアルコールに代えてブチルアルコールを用い、メタノール性の水酸化ナトリウムに代えてブタノール性の水酸化ナトリウム(組成:水酸化ナトリウム300g、水300ml、ブチルアルコール600ml)を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、スルホベンゼンジカルボン酸ジブチルエステルのナトリウム塩を得た。
【0027】
合成例3
ベンゼンジカルボン酸に代えてナフタレンジカルボン酸を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、スルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を得た。
【0028】
合成例4
ベンゼンジカルボン酸に代えて安息香酸(ベンゼンモノカルボン酸)を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、スルホベンゼンモノカルボン酸メチルエステルのナトリウム塩を得た。
【0029】
合成例5
ベンゼンジカルボン酸に代えてナフタレンモノカルボン酸を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、スルホナフタレンモノカルボン酸メチルエステルのナトリウム塩を得た。
【0030】
参考例1
合成例1で合成したスルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を用いて、以下に示すように、ピロールの電解酸化重合を行った。
【0031】
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を、あらかじめ濃度が0.05mol/lになるように純水で希釈して濃度調整した溶液に、ピロールを濃度が0.05mol/lになるように添加した。陽極側にステンレス鋼(SUS316)、陰極側にステンレス鋼(SUS304)をセットした電極を用い、1mA/cm2 の定電流を50分間かけることにより電解酸化重合を行い、スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルをドーパントとして取り込んだポリピロールを合成した。得られたポリピロールを電極から切り取った後、エタノールで充分に洗浄し、150℃で1時間乾燥した。乾燥後、ポリピロールの電導度をJIS K 7194に準じて4探針方式の電導度測定器〔三菱化学社製、MCP−T600(商品名)〕により測定した。上記電導度の測定は、絶縁シート上に乾燥したポリピロール膜を置き、室温(約25℃)下にて行った。その結果を表1に示す。
【0032】
参考例2
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例2で得たスルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0033】
参考例3
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例3で得たスルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
参考例4
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例4で得たスルホベンゼンモノカルボン酸メチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】
参考例5
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例5で得たスルホナフタレンモノカルボン酸メチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】
比較参考例1
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、p−トルエンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】
比較参考例2
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
比較参考例3
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、ブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、参考例1と同様に、ポリピロールを合成し、その電導度を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
上記参考例1〜5および比較参考例1〜3で得たポリピロールの電導度の測定結果を表1にそのドーパントと共に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、参考例1〜5のポリピロールは、比較参考例1〜3のポリピロールに比べて、電導度が高く、導電性が優れていた。すなわち、スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルをドーパントとする参考例1〜5のポリピロールは、p−トルエンスルホン酸、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸をそれぞれドーパントとする比較参考例1〜3のポリピロールに比べて、高い電導度を有していて、導電性が優れていた。
【0042】
つぎに、上記参考例1〜5および比較参考例1〜3のポリピロールについて、高温貯蔵による電導度の低下率を調べた。その結果を表2に示す。高温貯蔵試験の方法は次の通りである。
【0043】
高温貯蔵試験:
上記参考例1〜5および比較参考例1〜3のポリピロールのシートのそれぞれについて、前記のように電導度を測定した後、各シートを130℃の恒温槽中に貯蔵し、経時的(24時間後および48時間後)にシートを取り出して電導度を測定し、高温貯蔵による電導度の低下率を調べた。なお、電導度の低下率は、初期電導度(高温貯蔵試験前に測定した電導度値)から貯蔵後の電導度値を引いたときの差を初期電導度値で割り、パーセント(%)で示した。電導度の低下率を算出するための式を示すと次の通りである。
【0044】
【数1】
【0045】
【表2】
【0046】
表2に示す結果から明らかなように、参考例1〜5のポリピロールは、比較参考例1〜3のポリピロールに比べて、24時間貯蔵後、48時間貯蔵後とも、電導度の低下率が少なく、耐熱性が優れていた。すなわち、スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルをドーパントとする参考例1〜5のポリピロールは、p−トルエンスルホン酸、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸のそれぞれをドーパントとする比較参考例1〜3のポリピロールに比べて、高温貯蔵による電導度の低下が少なく、耐熱性が優れていた。
【0047】
参考例6
参考例1で陽極に用いたステンレス鋼(SUS316)に代えて、導電性高分子でコートしたセラミックプレートを陽極として用い、以下に示すように、ポリピロールを合成した。
【0048】
エチレンジオキシチオフェンを導電性高分子合成用のモノマーとして用い、p−トルエンスルホン酸第二鉄塩の水溶液を酸化剤として、セラミックプレート上で化学酸化重合を行い、ポリエチレンジオキシチオフェンでコートしたセラミックプレートを作製した。
【0049】
上記で作製したポリエチレンジオキシチオフェンでコートしたセラミックプレートを陽極とし、ステンレス鋼(SUS304)を陰極とした電極を用いてピロールの電解酸化重合を行い、また、洗浄、乾燥後のポリピロールに対して1.5トン(t)の荷重をかけたまま5分間放置して、膜厚を均等にする操作を付加的に行う以外は、参考例1で記載した方法と同様に操作を行ってポリピロールを合成し、その表面抵抗をJIS K 7194に準じて測定した。この表面抵抗の測定には、4探針方式の電導度測定器〔三菱化学社製のMCP−T600(商品名)〕を用い、測定は、膜圧を均等にしたポリピロールを用いて、室温(約25℃)下で行った。この表面抵抗の測定結果を表3に示す。
【0050】
参考例7
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例2で得たスルホベンゼンジカルボン酸ジブチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例6と同様にポリピロールを合成し、その表面抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
【0051】
参考例8
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例3で得たスルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例6と同様にポリピロールを合成し、その表面抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
【0052】
参考例9
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、合成例4で得たスルホベンゼンモノカルボン酸メチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、参考例6と同様にポリピロールを合成し、その表面抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
【0053】
比較参考例4
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、p−トルエンスルホン酸ナトリウム塩を用いた以外は、参考例6と同様にポリピロールを合成し、その表面抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
【0054】
比較参考例5
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、参考例6と同様にポリピロールを合成し、その表面抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
【0055】
比較参考例6
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、ブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、参考例6と同様にポリピロールを合成し、その表面抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
【0056】
上記参考例6〜9および比較参考例4〜6で得たポリピロールの表面抵抗の測定結果を表3に、そのドーパントと共に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
表3に示す結果から明らかなように、参考例6〜9のポリピロールは、比較参考例4〜6のポリピロールに比べて、表面抵抗が小さく、導電性が優れていた。すなわち、スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルをドーパントとする参考例6〜9のポリピロールは、p−トルエンスルホン酸、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸のそれぞれをドーパントとする比較参考例4〜6のポリピロールに比べて、表面抵抗が小さく、導電性が優れていた。
【0059】
つぎに、上記参考例6〜9および比較参考例4〜6のポリピロールについて、前記参考例1〜5および比較参考例1〜3の場合と同様に高温貯蔵試験を行い、表面抵抗の増加を調べた。その結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
表4に示すように、参考例6〜9のポリピロールは、比較参考例4〜6のポリピロールに比べて、24時間貯蔵後、48時間貯蔵後とも、表面抵抗の増加が少なく、耐熱性が優れていた。すなわち、p−トルエンスルホン酸をドーパントとする比較参考例4のポリピロールと分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸をドーパントとする比較参考例5のポリピロールは、表3に示すように、高温貯蔵試験前には、スルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルやスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルをドーパントとする参考例6〜9のポリピロールに比べて、表面抵抗値が約2倍程度であったが、高温貯蔵試験後には、参考例6〜9のポリピロールに比べて、表面抵抗の増加が大きく(3倍以上の増加)、耐熱性が劣っていた。また、ブチルナフタレンスルホン酸をドーパントとする比較参考例6のポリピロールは、高温貯蔵による表面抵抗の増加は約2倍とそれほど大きくなかったが、表3に示すとおり高温貯蔵試験前の表面抵抗が参考例6〜9のポリピロールに比べて既に大きく(3倍以上)、参考例6〜9のポリピロールのような優れた導電性と優れた耐熱性を兼備していなかった。
【0062】
実施例1
合成例1で合成したスルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を用いて、以下に示すように、固体電解コンデンサを作製した。
【0063】
まず、タンタル焼結体を、リン酸水溶液に浸漬した後、電圧をかけることによって電解酸化を行った。その結果、タンタル焼結体の表面に誘電体酸化被膜が形成された。次に、化学酸化重合を行うため、酸化剤およびドーパント剤としてパラトルエンスルホン酸鉄(III)を含む溶液を調製した。上記のようにして表面に誘電体酸化被膜を形成したタンタル焼結体を、上記パラトルエンスルホン酸鉄(III)を含む溶液に20分間浸漬し、その後、取り出して乾燥した後、エチレンジオキシチオフェンの単量体に30分間浸漬し、その後、取り出して約25℃で相対湿度約40%の雰囲気中で乾燥することにより化学的酸化重合を行って、誘電体酸化被膜の表面にポリエチレンジオキシチオフェンからなる陰極層を形成した。次に、電解酸化重合を行うため、ピロールの単量体と、支持電解質としてスルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩とを含む電解液(水溶媒)を調製し、前記処理を施したタンタル焼結体を、上記電解液に浸漬し、アノード電極を前記ポリエチレンジオキシチオフェンからなる陰極層に接触させ、カソード電極を上記電解液に浸漬して、アノード電極とカソード電極との間に電気を流して電解酸化重合を行い、前記ポリエチレンジオキシチオフェンからなる陰極層の表面にポリピロールからなる固体電解質層を形成した。その後、洗浄し、乾燥して、固体電解コンデンサ素子を作製した。
【0064】
以上の工程を経て作製された固体電解コンデンサ素子の陽極体と陰極層からそれぞれ陽極リードと陰極リードを取り外し、その周囲にエポキシ樹脂により外殻を形成した。最後にエージング処理を行うことによって、固体電解コンデンサを作製した。
【0065】
実施例2
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、スルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩を用いた以外は、実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
【0066】
比較例1
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、p−トルエンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
【0067】
比較例2
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
【0068】
比較例3
スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルのナトリウム塩に代えて、ブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩を用いた以外は、実施例1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
【0069】
以上のようにして作製した実施例1〜2および比較例1〜3の固体電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)の測定をした。その結果をドーパントの種類と共に表5に示す。
【0070】
【表5】
【0071】
表5に示すように、実施例1〜2の固体電解コンデンサは、比較例1〜3の固体電解コンデンサに比べて、ESR値が小さかった。
【0072】
すなわち、スルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルをドーパントとするポリピロールを固体電解質として用いた実施例1の固体電解コンデンサおよびスルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルをドーパントとするポリピロールを固体電解質として用いた実施例2の固体電解コンデンサは、p−トルエンスルホン酸をドーパントとするポリピロールを固体電解質として用いた比較例1の固体電解コンデンサ、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸をドーパントとするポリピロールを固体電解質として用いた比較例2の固体電解コンデンサおよびブチルナフタレンスルホン酸をドーパントとするポリピロールを固体電解質として用いた比較例3の固体電解コンデンサに比べて、ESR値が小さかった。そして、実施例1の固体電解コンデンサの固体電解質として用いたスルホベンゼンジカルボン酸ジメチルエステルをドーパントとするポリピロールは参考例1や参考例6で示したように耐熱性が優れているので、この実施例1の固体電解コンデンサは高温・高湿下での信頼性が高く、また、実施例2の固体電解コンデンサの固体電解質として用いたスルホナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルをドーパントとするポリピロールは参考例3や参考例8で示したように耐熱性が優れているので、この実施例2の固体電解コンデンサは高温・高湿下での信頼性が高い。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固体電解質として用いる導電性高分子が導電性が優れ、かつ耐熱性が優れているので、その導電性高分子を固体電解質と用いることによって、ESR値が小さく、かつ高温・高湿条件下における信頼性の高い固体電解コンデンサを提供することができる。
Claims (3)
- 炭素数が2〜19のアルコキシカルボニル基を一つ以上有し、かつスルホン酸基を一つ以上有するスルホベンゼンカルボン酸アルキルエステルおよび炭素数が2〜19のアルコキシカルボニル基を一つ以上有し、かつスルホン酸基を一つ以上有するスルホナフタレンカルボン酸アルキルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族誘導体をドーパントとして含む導電性高分子を固体電解質として用いたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
- 導電性高分子合成用のモノマーが、ピロール、チオフェン、アニリンおよびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の固体電解コンデンサ。
- アルコキシカルボニル基の炭素数が2〜7である請求項1記載の固体電解コンデンサ。
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