以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る立体画像データ生成方法を適用した画像形成システム50の構成の一例を示す概略ブロック図である。
このシステム50は、スキャナや、デジタルカメラの記録メディアから画像データを読取るリーダ、画像情報を印刷するホストコンピュータなど、非立体画像(2次元方向に広がる画像)の画像データを入力する画像入力装置10、画像入力装置10から入力される画像データ(原画像データ)を処理して高さ方向のデータを有する立体画像データ、あるいは高さ方向のデータを有しない非立体画像データを生成する画像処理装置20、画像処理装置20により生成された立体画像データ及び非立体画像データに基づき記録媒体上に画像を形成する画像形成装置30を具備して構成される。
画像処理装置20には、原画像データ中の例えば色相等の特徴量に基づき立体画像を形成する処理を行うことを指示(立体指示)するユーザインタフェース(UI)である立体指示部21、立体指示部21からの立体指示に基づき、当該指定された色相等の特徴量を原画像データから抽出する特徴量抽出部22、特徴量抽出部22により抽出された特徴量に基づき、抽出元である原画像データに対応する立体画像を形成するための立体画像データを生成する立体画像データ生成部23、原画像データの色彩情報から色画像データを生成する色画像データ生成部24、立体画像データ並びに色画像データの出力階調の補正を行う出力階調補正部25が備わる。
ここで、画像形成装置30は、例えば、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)等の各色のトナーを用いて色画像を記録媒体(記録用紙)上に形成する画像形成部(非立体画像形成部)と、例えば、結着樹脂と発泡剤から成り、上記各色トナーを記録媒体上に定着させる際の熱により体積膨張する熱発泡性トナー(以下、発泡トナー)を用いて立体画像を形成する立体画像形成部を併せ持つ電子写真形成装置等の装置である。
このシステム50において、印刷物などの原画像は、スキャナなどの画像入力装置10によって原画像データとして入力され、R,G,Bから成るカラーデータ、あるいはモノクロのデジタルデータとして画像処理装置20に送信される。
画像処理装置20では、立体指示部21により、ある特徴量に基づいて立体画像を形成すべき旨の立体指示がなされている場合、特徴量抽出部22が、画像入力装置10から送られてくる原画像データから当該特徴量を抽出して立体画像データ生成部23に入力する。
立体画像データ生成部23は、特徴量抽出部22により抽出された特徴量に基づき、当該原画像データに対応する立体画像を形成するための立体画像データを生成し、出力階調補正部25に送出する。
ここで、立体画像データは、画素毎に対応する高さ情報(H)を有するものであり、この高さ情報(H)は、立体画像生成部23において、原画像データの各画素の特徴量(立体指示部21から予め指示され、特徴量抽出部22により抽出される)に対応して設定されるものである。
立体画像データ生成部23において、上記高さ情報(H)は、通常の画像形成(非立体画像形成)時と同様、各画素毎の階調値として扱われる。
この階調値は、後で詳しく述べる画像形成装置30の立体画像形成部での画像形成時、各画素に対応して形成される静電潜像を発泡トナーにより現像して得た発泡トナー像の記録媒体への転写濃度(トナー量)に反映される。
この発泡トナー像の転写濃度(トナー量)は、当該発泡トナーの高さを決定する(トナー量が多いほど、立体形状の高さが高い)から、結局、立体画像データ生成部23は、立体画像データに付与する高さ情報(H)として、発泡トナーの転写濃度を指示している。
なお、立体画像データの各画素の階調値が最大(例えば、100)の時は、画像形成装置30で形成可能な立体画像の最大の高さを示し、最小(例えば、0)の時には、立体画像の最小の高さを示す。
一方、色画像データ生成部24は、非立体画像の色を画像形成するために、R,G,Bあるいはモノクロで送られてきた上記原画像データを画像形成部30で用いられる記録材料(トナー)の色に合わせて色変換し、出力階調補正部25に送出する。
出力階調補正部25は、立体画像データ生成部23から入力される立体画像データと、色画像データ生成部24から入力される色画像データの出力階調をそれぞれ補正した後、該立体画像データと色画像データとを例えば重畳させ、これにより得られる重畳画像データを画像形成装置30に送出する。
ここで、重畳とは、立体画像データと色画像データの単なる合成でも良い。また、立体画像データと色画像データを重畳させることなく、立体画像データを色画像データと色画像データとを画像形成装置30に送出しても良い。
画像形成装置30では、出力階調補正部25から入力する例えば重畳画像データに基づいて、色画像、及び立体画像を重畳させた重畳画像を記録媒体上に形成する。
また、立体画像データと色画像データを受信すると、これら各画像データに基づいて、立体画像と色画像をそれぞれ記録媒体上に形成する。
次に、画像処理装置20における立体画像データの生成処理について図2に示すフローチャートを参照して説明する。
図2に示すように、このシステム50では、画像入力装置10から原画像データが入力された画像処理装置20において、まず、立体画像を形成する立体画像領域が立体指示部21によって指定されているか否かの判断を行う(ステップS100)。
ここで、立体画像領域が指定されていると判断する(ステップS100YES)と、指定された領域の画像を切り出し(ステップS101)、同じく立体指示部21から指定された画像情報(特徴量:少なくとも色相)を特徴量抽出部22によって抽出する(ステップS102)。
また、立体画像領域が指定されていないと判断する(ステップS100NO)と、特徴量抽出部22では、全領域の画像データから上記特徴量を抽出する(ステップS102)。
そして、ユーザから指定された非立体画像の画像種(例えば、油絵・壁紙、版画・デザイン画、線図・触図、写真・自然画等)、あるいは変換時に用いる特徴量である色相、明度(B)、彩度(S)、画像の輪郭を示すエッジ(E)、画像密度(C)(ネガ・ポジ指定も含む)に応じて、当該画像種あるいは特徴量に対応して高さ情報(階調)を付与する等、立体画像を形成するための立体画像データを生成する画像データ処理を行う(ステップS103)。
なお、抽出すべき特徴量が立体指示部21から直接指定された時は、該特徴量から画像種を判断すると共に、必要に応じて階調を反転して立体画像データ生成処理を行う。
その後、生成した立体画像データの出力階調を出力階調補正部25で補正し(ステップS104)、立体画像データを完成させる(ステップS105)。
ここで、出力階調(発泡トナーの転写濃度)の補正は、立体画像の高さや立体形状など、ユーザにより立体指示部21から指定された条件に従って行われる。
例えば、実際に形成される立体画像の高さは、画像形成装置30の性能や設定により上下限が決定されるため、具体的な高さ指定、または、高、中、低等の段階指定等に応じて階調を補正する。
また、立体画像の立体形状をシャープにするという指定があった場合は、階調に対する傾きを大きくし、マイルドにするという指定があった場合には、緩やかにするなど、階調カーブの補正を行うことにより、好みに応じた形状に制御することが可能になる。
次に、画像形成装置30の画像形成動作について述べる。
画像形成装置30は、画像処理装置20から、図2に示すような画像処理を経て生成された立体画像データ〔高さ(H)成分を有する〕、及び色画像データ(非立体画像データ:Y,M,C,K成分から成る)を受信すると、これら画像データに基づき、発泡トナー(H)を用いて立体画像を形成する立体画像形成部と、Y、M、C、Kの各色成分に対応した画像形成部とによって、電子写真プロセスによる画像形成処理を行う。
まず、立体画像データについては、上述した立体画像形成部が、当該立体画像データに含まれる高さ成分の階調データ(高さ情報=濃度情報)を用いて露光走査を行うことにより感光体上に静電潜像を形成し、次いで、発泡トナーを用いて静電潜像を現像して発泡トナー像を形成し、更に、この発泡トナー像を記録媒体に転写する。
また、色画像データについては、上記各画像形成部が、当該色画像データに含まれる各々に対応する成分(Y成分、M成分、C成分、K成分)の階調データを用いて露光走査を行うことにより感光体上に静電潜像を形成し、次いで、各色成分のトナーを用いて静電潜像を現像して各色成分のトナー像を形成し、更に、この各色成分のトナー像を記録媒体に多重転写する。
上記転写プロセス完了時、上述した立体画像データに相当する画像領域については、発泡トナー像の上に各色のトナー像が多重転写された状態となる。
上記転写プロセス完了後の記録媒体は、その後、定着部に送られ、トナー像の定着が行われる。この時、立体画像データに相当する画像領域は、当該定着時の熱により最下層の発泡トナー像が発泡して立体化し、その上に各色トナー像による多色混合画像が定着された立体画像として記録媒体上に形成される。
上記定着工程において、発泡トナー像を加熱発泡させて立体画像化させた時の該立体画像の高さは、当該立体画像を形成する立体画像データの該当画素に設定された高さ情報(階調値=濃度情報)によって決まる。
上述したように、原画像データから特徴量を抽出して立体画像データを生成する処理機能(図2参照)を有する本発明の画像処理装置20によれば、立体指示部21から、例えば、抽出する特徴量として色相を指定し、画像入力装置10から入力する原画像データから当該指定された色相を抽出し、該抽出した色相に基づき当該色相を有する各画素毎に高さ情報を設定した立体画像データを生成するといった運用が可能である。
この運用を実現するため、立体指示部21は、色相をキーにして立体印刷を行う旨及び立体対象領域(色相範囲)の指示を行う立体指示機能を有している。
図3は、立体指示部21における色相をキーにした立体指示機能を実現するUI画面(立体出力指定画面)210の一例を示す図である。
この立体出力指定画面210は、特に、画像処理装置20側に、ある規則に従った色相配列を有する色相環のデータを保持し、該色相環における色相配列の中から、抽出すべき色相を指示する場合に適用されるものである。
立体出力指定画面210の詳細な説明に入る前に、まず、本発明のシステム50で用いる色相環について説明する。
本発明において、画像処理装置20は、上述した色相環として、例えば、マンセルの色相環のデータを保持している。
図4は、マンセルの色相環を示す図である。同図に示すように、マンセルの色相環においては、まず、基本として色相をR(赤)、YR(黄赤)、Y(黄)、GY(黄緑)、G(緑)、BG(青緑)、B(青)、PB(青紫)、P(紫)、RP(赤紫)の10種類に分割し、更に、一つの色相を10等分して1〜10までの数字をその頭につけて色相を環状に配列させている。
この色相環においては、例えば、Rの場合、5RがRの中心となる色を示し、5Rより小さい番号になるほどRPに近い色相になり、5Rより大きい番号になるほどYRに近い色相になる。
図4に示すマンセルの色相環を用いた場合、例えば、図5に示すように、ある色相を開始ポイントとし、他の色相を終了ポイントとして指定することにより、該開始及び終了ポイント間の角度範囲内の色相を選択することができる。
この場合、開始ポイントから終了ポイントまでの角度範囲は、右回りと左回りの両方があり、右回りの範囲とするか左回りの範囲とするかによって選択する色相が全く異なる。
従って、図5に示すように開始ポイントと終了ポイントとを指定して色相の選択範囲を指定する場合には、同図に示すように、環を右回りで計るのか左回りで計るのかの角度の割当て方向を更に指定する必要がある。
図3における立体出力指定画面210は、図5を参照して説明したように、マンセルの色相環上の開始ポイントと終了ポイント、並びに角度の割当て方向を指定することによって立体印刷する色相の範囲(立体対象範囲)を指定し、更には、この指定された色相の範囲に含まれる領域に対応して高さを指定する機能を有する。
この立体出力指示画面210には、まず、立体印刷を行う(“立体プリントする”)か否かを指示するツール211が設けられる。このツール211では、該当するチェックボックスをチェックするか否かによって立体プリントを行うか否かを指示することができる。
また、立体出力指示画面210には、本画面中の後述する“色相環による高さ割当て指定”機能部を用いて指定される立体対象範囲中の“高さ最大値”を指定するツール212が設けられる。このツール212では、該当する入力ボックスに所望の数値を入力することで該数値を高さの最大値(単位=mm)として指定できる。
また、立体出力指示画面210には、図4に示したマンセルの色相環を用い、図5に示すような方法によって立体対象範囲の色相を指定する(“色相環による高さ割当て指定”)機能部が設けられる。
この機能部には、まず、マンセルの色相環における図5に示した開始ポイントに相当する色相値(この例では、10Y)を該当する選択ボックスから選択することで立体対象範囲の色相の開始位置を指定する(“開始位置の指定”)ツール213と、同色相環における図5の終了ポイントに相当する色相値(同、5G)を該当する選択ボックスから選択することで立体対象範囲の色相の終了位置を指定(“終了位置の指定”)するツール214が設けられる。
また、同機能部には、マンセルの色相環における図5で説明した“角度割当て方向”を指定するツール215が設けられる。このツール215では、該当する選択ボックスを用いて“右回り”か“左回り”を選択することで角度割当て方向を指定できる。
また、同機能部には、上記ツール213,214を用いて指定した開始位置,終了位置間の範囲内にある色相の“高さ変化方法”を指定するツール216が設けられる。
図6は、このツール216によって指定可能な高さ変化方法(高さ変化パターン)の例を示すものであり、同図(a)は、開始ポイントから終了ポイントまでの間で色相対応の高さが中間ポイントを最大値として波型に変化するパターン(波型)を示しており、同図(b)は、開始ポイントから終了ポイントに向けて上記高さが次第に増していくように直線状に変化するパターン(直線型)を示している。
このツール216では、該当する選択ボックスから、波型の変化パターン〔図6(a)参照〕や、直線型の変化パターン〔図6(b)参照〕等を選択することによって当該高さ変化パターンを指定することができる。
また、同機能部には、上記ツール216によって、例えば、「高さ変化方法=波型」を指定した場合における波の数や、「高さ変化方法=直線型」を指定した場合における高さの漸増あるいは漸減等、高さ変化パターンを更に細かく指定するツール217が設けられる。
特に、この例では、上記ツール216での「高さ変化方法=波型」の指定に対応して、ツール217によって「波の数=1/2」を指定する例を挙げている。
また、同機能部には、上記各ツール213〜217により指定された立体対象範囲、並びに該範囲内にある色相の高さ変化パターンの指定内容をイメージ的に表示する表示領域218が設けられる。
この例では、立体対象範囲に関しては、上記ツール213,214,215からの指定に対応して、10Yを開始位置、5Gを終了位置として、右回りに立体対象範囲が設定されるイメージが表示(表示1)されている。
また、高さ変化方法については、上記ツール216,217からの指定に対応して、波型で、波の数が1/2であるような高さ変化パターンが設定されるイメージが表示(表示2)されている。
更に、この立体出力指定画面210には、本画面内の上記各ツールからの指定による設定条件で印刷を開始することを指示する「OK」ボタン219、該設定をキャンセルすることを指示する「キャンセル」ボタン220、設定を標準設定に戻すことを指示する「標準に戻す」ボタン221を備えている。
さて、ある原画像データを対象にして、上記立体出力指定画面210を用いて、例えば、図3に示す如くの内容「開始位置=10Y,終了位置=5G,角度割当て方向=右回り,高さ変化方法=波型,波の数=1/2,高さ最大値=3mm」の立体出力指定がなされた後、印刷開始の指示(“OK”ボタン押下)が与えられると、このシステム50では、図7に示すフローチャートに従い、色相抽出による立体画像データ生成処理を行う。
この立体画像データ生成処理を開始するに当たり、画像処理装置20は、上記立体出力指定画面210による立体出力指定(図3に例示した指定内容の立体出力指定+印刷開始指示)がなされたか否かを監視している(ステップS200)。
ここで、上記立体印刷指定がなされた場合(ステップS200YES)、特徴量抽出部22は、立体出力指定画面210のツール213,214,215により指定された色相環上の開始位置、終了位置および角度割当方向から、抽出対象の色相の範囲を特定し、画像入力装置10から入力される原画像データから、当該特定された色相範囲の色相に対応する色相データを抽出する(ステップS201)。
次いで、立体画像データ生成部23は、特徴量抽出部22で抽出された色相データに基づき、上記原画像データに対応する立体画像を形成するための立体画像データを生成する(ステップS202)。
このステップS202の具体的な処理として、立体画像データ生成部23は、立体出力指定画面210のツール216,17により指定されている高さ変化方法と具体的な高さ変化パターンを参照しつつ、上記特徴量抽出部22で抽出された各色相データに対応する画素に対して、当該高さ変化パターンに従って各色相に対応する高さ情報を設定する処理を行う。
この処理によって、立体画像データ生成部23では、原画像データ中の、上記立体印刷指定画面210によって指定された色相の範囲に含まれる領域(画素)に対して高さ情報(H)が設定され、かつこの高さ情報が、上記立体印刷指定画面210により上記立体対象の色相の範囲に合わせて指定された色相対高さ情報の変化パターンに応じた値を有する立体画像データが生成される。
図8は、立体画像データ生成部23における原画像データからの色相抽出に基づく立体画像データ生成イメージを示す概念図である。
図8において、上段は、立体出力指定画面210により指定された立体対象色相範囲を示しており、ここでは、図3で例示した立体出力指定内容に対応して、マンセルの色相環(図4参照)における10Yから5Gの範囲の色相が指定されている。
また、図8の中段は、立体印刷対象の文書情報の構成を示すものであり、該文書情報には、今回、立体出力指定画面210により指定された立体対象色相範囲中の10Y,4GY,8GY,2G,5Gの各色相をそれぞれに持つオブジェクトa1,a2,a3,a4,a5が含まれる様子を示している。
また、図8の下段は、図8中段に示した文書情報の原画像データから、図8上段の立体対象色相範囲の指定に応じて抽出された色相に基づき生成される立体画像データの高さ情報の構成を、図8中段の文書情報のA−A線による断面イメージとして示したものである。
なお、図8の下段において、左側は、図8上段の立体対象色相範囲の色相に対応する高さ変化パターンとして、図6(a)に示すような波型の変化パターンが設定された時の高さ情報の断面イメージ構成を示し、また、右側は、上記高さ変化パターンとして、図6(b)に示すような直線型の変化パターンが設定された時の高さ情報の断面イメージ構成を示している。
図8からも分るように、このシステム50では、図8中段の文書情報に対応する原画像データを立体印刷する際、図8上段の立体対象色相範囲が指定され、かつ当該色相範囲の高さ変化パターンとして波型〔図6(a)参照〕が指定された場合、図8下段の左側に示すように、立体対象範囲の開始位置に当たる色相10Yを持つオブジェクトa1に対応する画素と、終了位置に当たる色相5Gを持つオブジェクトa5に対応する画素とに対してそれぞれ最小の高さh01が設定され、上記立体対象範囲のほぼ中間位置に当たる色相8GYを持つオブジェクトa3に対応する画素に最大の高さh18が設定され、上記開始位置及び終了位置と中間位置の中間に当たる色相4GY,2Gを持つオブジェクトa2,a4に対応する画素に対して、それぞれ、最小高さh01と最大高さh08の中間の高さh14が設定される。
この時、立体印刷指定領域の色相を持つオブジェクトa1〜a5に設定される高さの関係は、立体出力指定画面210から指定された高さ変化パターンに対応した形状、すなわち波型となっている。
また、このシステム50では、図8中段の文書情報に対応する原画像データを立体印刷する際、図8上段の立体対象色相範囲が指定され、かつ当該色相範囲の高さ変化パターンとして直線型〔図6(b)参照〕が指定された場合、図8下段の右側に示すように、立体対象範囲の開始位置に当たる色相10Yを持つオブジェクトa1に対応する画素、開始位置から見て当該立体対象範囲のほぼ1/4の位置に当たる色相4GYを持つオブジェクトa2に対応する画素、開始位置と終了位置のほぼ中間位置に当たる色相8GYを持つオブジェクトa3に対応する画素、開始位置から見て当該立体対象範囲のほぼ3/4の位置に当たる色相2Gを持つオブジェクトa4に対応する画素、立体対象範囲の終了位置に当たる色相5Gを持つオブジェクトa5に対して、順次大きな値をとる高さh20,h24,h28,h211,h215が設定される。
この時、立体印刷指定領域の色相を持つオブジェクトa1〜a5に設定される高さの関係は、立体出力指定画面210から指定された高さ変化パターンに対応した形状、すなわち直線型(開始位置から終了位置まで漸増)となっている。
上記処理〔図7におけるステップS202、及び図8参照〕により、立体画像データ生成部23で生成された立体画像データ〔立体対象範囲として指定された色相に対応する高さ情報(H)を含む〕は、色画像データ生成部24により生成された色画像データ(高さ情報を含まない)と共に、出力階調部25での出力階調補正を経た後、画像形成装置30に送出される。
画像形成装置30では、前述したように、画像処理装置20から、立体画像データ〔高さ(H)成分を有する〕、及び色画像データ(非立体画像データ:Y,M,C,K成分から成る)を受信すると、これら画像データに基づき、発泡トナー(H)を用いて立体画像を形成する立体画像形成部と、Y、M、C、Kの各色成分に対応した画像形成部とによって、電子写真プロセスによる画像形成処理を行う。
特に、立体画像データについては、立体画像形成部が、該立体画像データに含まれる高さ成分の階調データ(H:高さ情報=濃度情報)を用いて露光走査を行うことにより感光体上に静電潜像を形成し、次いで、発泡トナーを用いて静電潜像を現像して発泡トナー像を形成し、更に、この発泡トナー像を記録媒体に転写する。
この発泡トナー像が転写された記録媒体(色画像データに基づき形成された各色のトナー像も多重転写される)は、その後、定着部に送られてトナー像の定着が行われ、その際、立体画像データに相当する画像領域は、当該定着時の熱により最下層の発泡トナー像が発泡して立体化し、その上に各色トナー像による多色混合画像が定着された立体画像として記録媒体上に形成される。
上記定着工程において、発泡トナー像を加熱発泡させて立体画像化させた時の該立体画像の高さは、当該立体画像を形成する立体画像データの該当画素に設定された高さ情報(階調値=濃度情報)によって決まる。
本発明のシステム50では、立体画像データを構成する各画素毎に高さ情報を設定する処理の一例として、立体出力指定画面210から、抽出対象の色相の範囲と、該範囲の色相に対応する高さの変化パターンを指定し、画像処理装置20では、上記指定された範囲の色相を原画像データから抽出すると共に、この抽出した色相に基づき、当該色相を有する各画素毎に、上記立体出力指定画面210から指定された高さの変化パターンに対応する高さ情報(発泡トナー濃度情報)を設定するようにしている。
これにより、画像形成像値30において、該立体画像データに基づき立体画像形成処理を行う場合には、当該立体画像データに設定された高さ情報に対応した濃度の発泡トナーを用いた立体画像が形成される。
ここで、発泡トナーの濃度は、当該画素の色相に対応して上記立体出力指定画面210から予め設定された高さ変化パターンに対応して変化するため、記録媒体上に形成された加熱発泡後の立体画像の高さは、当該立体画像領域の画素の色相に対応して高低が変化する〔図8の下段に示す高さ情報の値(h)に対応した高低差が付される〕態様となる。
これにより、本発明のシステム50では、色相が似通った画像部分を有する原画像データを用いて立体印刷を行う場合においても、立体対象の色相範囲と、該範囲の色相に対応する高さ変化パターンの指定次第によっては、これら各色相の画像部分が明確な高低差が施された立体画像を得ることができる。
従って、本発明は、例えば、地図データや洋服の柄データ等、大半が似通った色相の画像部分を有する原画像データから立体画像を形成する場合にも、これら画像部分がその色相に対応した高低差によって表現された立体画像を形成することができ、この種のデータに基づく立体印刷物の付加価値をより高めることができる。
また、本発明では、この種のデータの立体印刷を指示するためのUIとして、色相環上の開始位置、終了位置および角度割当方向を指定することにより抽出対象の色相の範囲を指定する立体出力指定画面210を備えているため、上述した地図データ等を対象に、特徴量として色相を抽出して立体画像を形成する場合の立体出力指定操作が極めて簡略で済む。
また、本発明では、非立体画像の二次元画像データ(原画像データ)から、該データに含まれるある特徴量(少なくとも色相を含む)に応じた高さ情報(H)を含む立体画像データを生成するため、これまで要していたデータ生成時間を大幅に短縮することができる。
また、この立体出力指定画面210には、上記抽出対象色相範囲と共に、該指定範囲の色相に対応する高さの変化パターンも指定できる機能が備わるため、立体画像の高さを色相に対応させて波型や直線状に変化させることが簡単な指示操作で行える。
なお、上記実施例では、立体出力指定画面210から指定する高さの変化パターンとして、開始位置と終了位置間で中間位置を最大値として高さが波型に変化するパターン〔図6(a)参照〕や、開始位置から終了位置まで一定変化量で高さが増していく直線型〔図6(b)参照〕の例を挙げているが、波型における波の数を変えたり(例えば、波の数=1,1/4,…)、直線型における高さ変化を変える(例えば、開始位置から終了位置まで一定変化量で高さが減少していく)等、任意の高さ変化パターンを指定可能にすることもできる。
また、高さ変化パターンの基本的な形状も、波型及び直線型に限らず、例えば、三角型等、様々な形状を採用することができる。
また、上記実施例では、立体出力指定画面210から、立体対象の色相範囲として1つの範囲を指定する例(図3参照)を挙げたが、該画面210から複数の色相範囲を指定できる構成としても良い。
また、上記実施例では、マンセルの色相環を用いて立体対象色相範囲を指定しているが、これに限らず、他の色相環や他の色表現ツールを用いて立体対象色相範囲を指定するようにしても良い。
例えば、この種の色表現ツールとしては、色相・明度・彩度の3つの要素を組み合わせて立体的に色彩を表現するマンセルの色立体図(明度が縦軸、色相は該縦軸を中心とする外周、彩度はその円の半径でそれぞれ表される)、色相と彩度をx(スモールx),y(スモールy)の座標でとらえ、明度Y(ラージY)はそのポイントの反射率として、%(パーセント)で表示するYxy表色系、L*(エルスター)は明度を表し、a*(エースター)、b*(ビースター)はあるL*の値で色空間を輪切りにした時の平面上(2次元)での位置を表すようにしたL*a*b*表色系等が挙げられる。
こうした色表現ツールを用いる場合は、例えば、立体出力指定画面210における高さ割当て指定機能部〔図3の例の“色相環による高さ割当て指定”に相当〕は、当該色表現方法に適合するように適宜変更する必要があることは言うまでもない。
なお、本発明に係わる画像処理装置20は、上述の如く、原画像データから特徴量を抽出し、該抽出した特徴量に基づき原画像データに対応する立体画像を形成するための立体画像データを生成する処理機能(図2参照)を有するが、抽出する特徴量として、上述した色相以外にも、例えば、明度、彩度、輪郭、密度等を対象とし、これら抽出した特徴量に基づき立体画像データを生成する構成とすることもできる。
図9は、画像処理装置20において、原画像データから明度、彩度、輪郭、密度等の特徴量を抽出する処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、画像処理装置20では、R,G,Bまたはモノクロの画像情報である原画像データが入力されると、特徴量抽出部22が、該原画像データを対象に、明度、彩度、色相で表現されるHSBモデルに基づいたカラー変換を行い(ステップS300)、明度(B)及び彩度データ(S)を抽出する(ステップS301)。
この時、明度は0(ブラック)〜100(%)(ホワイト)、彩度は0(グレー)〜100%(純色)の範囲の値をとり、この値を多値のデータとして用いる。
そして、明度(B)、彩度データ(S)から画像のエッジを検出し(ステップS302)、エッジ方向にある特定の周辺画素を輪郭とした輪郭データ(E)を生成する(ステップS303)。
ここで、エッジ検出手段としては、例えば、ある画素単位内の平均画素値(明度、あるいは彩度の平均値)を算出し、これらについて微分処理を行い、エッジ及びエッジの方向を検出する方法が挙げられる。また、輪郭データは、輪郭部を100、それ以外の領域の値を0として生成される。
一方、原画像データから画像密度の画像情報を抽出する処理としては、まず、非立体画像をある単位画素数からなる画像密度抽出領域に分割する(ステップS304)。
ここで、画像密度抽出領域は、CCD、スキャナーなどの画像入力装置の解像度より大きく、目視では判別し難い大きさとし、また、デジタルカメラなど、非立体画像がデジタル画像であるものに対しては、画像作成時に設定された解像度以上、かつ目視では判別し難い大きさとする。
そして、各画像密度抽出領域の平均密度をR,G,Bまたはモノクロの画像情報である画像データから算出し(ステップS305)、各画像密度抽出領域の平均画像密度から画像密度データを生成する(ステップS306)。
なお、平均密度とは、ある単位面積に画像が形成されている面積の割合で表されるもので、0〜100(%)の値をとる。
このように、非立体画像(原画像データ)の特徴量である明度(B)、彩度(S)、エッジ(E)、画像密度(C)を画像データから抽出することにより、0〜100までの値をとる4種類の画像情報(特徴量)が生成される。
この4種類の画像情報を生成する機能構成の下では、例えば、抽出する特徴量として明度、彩度、エッジ、画像密度のいずれが指定されたか応じて、上記生成された画像情報の中から、当該指定された画像情報を選択し、該画像情報を高さ情報に対応付けて設定することにより立体画像データを生成する運用が可能になる。
ここで、抽出すべき特徴量を指定する方法としては、例えば、図3に示した立体出力指定画面210とは別のUI画面を用意し、該UI画面を用いてユーザが抽出すべき所望の特徴量を指定する方法がある。
かかる構成において、例えば、上記UI画面から、抽出すべき特徴量として明度が指定されると、立体画像データ生成部23は、原画像データを対象に、図10に示すフローチャートに従った処理を経て立体画像データを生成する。
まず、立体画像データ生成部23は、原画像データを元に図9に示した処理手順で生成された4種類の画像情報の中から、当該原画像データの明度を示す明度情報を選択する(ステップS400)。
そして、階調(明度)を反転させ(ステップS401)、この反転させた階調(明度)の値(0〜100)に対応する高さ情報(H)を該当する各画素毎に設定することにより、明度抽出による立体画像データを生成する(ステップS402)。
このように、抽出すべき特徴量として明度を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出した明度情報に基づき立体画像データを生成する方法は、例えば、油絵や壁紙等の原画像の立体印刷時に適用できる。
油絵や、壁紙等において、その原画像は細かな立体形状を有し、絵柄とは異なる独特の質感を有する。
そして、CCDによる読取り時や、デジタルカメラによる撮影時の照明により、高さを有する凸部は反射光により周囲より明るく輝き、色も鮮やかな画像として取り込まれる。
一方、凹部は凸部の影が発生するため、同じ色の記録材で描かれていても凸部よりも暗く、また、彩度は、低下したデータとして取り込まれる。
従って、このような画像においては、明度、彩度の値が、実際の形状高さと相関関係を有している。
なお、図10においては、油絵や壁紙等の原画像データから立体画像データを生成する場合に明度を用いる方法を挙げたが、明度、彩度のどちらを用いることも可能であり、また、両方を用いて、乗算、加算処理などを行った値を用いても良い。
上述した特徴を有する油絵や壁紙等の原画像の立体印刷時に、抽出すべき特徴量として明度(あるいは、彩度)を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出した明度情報(あるいは彩度情報)に基づき立体画像データを生成する(図10参照)ことにより、立体印刷出力結果において、原画が有する立体の独特の質感を再現することができる。
また、上記構成において、例えば、UI画面から、抽出すべき特徴量として画像密度が指定されると、立体画像データ生成部23は、原画像データを対象に、図11に示すフローチャートに従った処理を経て立体画像データを生成する。
まず、立体画像データ生成部23は、原画像データを元に図9に示した処理手順で生成された4種類の画像情報の中から、当該原画像データの画像密度を示す画像密度情報を選択する(ステップS500)。
そして、密度が100%の領域を100に、50%の領域を50の値に置き換え、該置き換えた値に対応する高さ情報(H)を該当する各画素毎に設定することにより、画像密度抽出による立体画像データを生成する(ステップS501)。
このように、抽出すべき特徴量として画像密度を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出した画像密度情報に基づき立体画像データを生成する方法は、例えば、版画、デザイン画等の原画像の立体印刷時に適用できる。
版画、デザイン画は、色の有無で形が表現されるものを対象とするものであり、色付けされている領域に立体形状を形成することになる。
こうした特徴を有する版画、デザイン画等の原画像の立体印刷時に、抽出すべき特徴量として画像密度(明度も可)を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出した画像密度情報(明度情報も可)に基づき立体画像データを生成する(図11参照)ことにより、その立体印刷出力結果において、絵柄を強調し、インパクトのある画像を形成でき、より高級感のある印刷物を作成することができる。
また、上記構成において、例えば、UI画面から、抽出すべき特徴量として輪郭が指定されると、立体画像データ生成部23は、原画像データを対象に、図12に示すフローチャートに従った処理を経て立体画像データを生成する。
まず、立体画像データ生成部23は、原画像データを元に図9に示した処理手順で生成された4種類の画像情報の中から、当該原画像データの輪郭を示すエッジ情報を選択する(ステップS600)。
そして、選択した上記エッジ情報に基づき、当該エッジ情報に対応する画素毎に高さ情報を設定することにより、輪郭抽出による立体画像データを生成する(ステップS601)。
このように、抽出すべき特徴量として輪郭を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出したエッジ情報に基づき立体画像データを生成する方法は、例えば、線図や触図等の原画像の立体印刷時に適用できる。
線図は、物の輪郭が線により描かれている画像が対象であり、また、視覚障害者向けの触図は、絵柄の輪郭に沿って、充分な高さを有する凸形状が形成されていれば、指で形を認識することが可能である。
こうした特徴を有する線図、触図等の原画像の立体印刷時に、抽出すべき特徴量として輪郭を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出したエッジ情報に基づき立体画像データを生成する(図12参照)ことにより、その立体印刷出力結果において、エッジに対応した輪郭部を凸化することができ、特定の絵柄を強調すると共に、視覚障害者も認識可能なユニバーサルな印刷物を作成することができる。
また、上記構成において、例えば、UI画面から、抽出すべき特徴量として明度、彩度が指定されると、立体画像データ生成部23は、原画像データを対象に、図13に示すフローチャートに従った処理を経て立体画像データを生成する。但し、同図は、立体画像化する領域がユーザによって指定された場合の処理の例である。
この場合、立体画像データ生成部23は、原画像データから立体画像を形成する立体像領域を切り出す(ステップS700)。
次に、原画像データを元に図9に示した処理手順で生成された4種類の画像情報の中から、当該原画像データの立体画像領域の明度を示す明度情報を選択し(ステップS701)、該明度の階調を反転する(ステップS702)。
また、上記4種類の画像情報の中から、原画像データの立体画像領域の彩度を示す彩度情報を選択し、該彩度を適切な比率で階調を反転させた明度情報に乗算して明度を変換し(ステップS703)、該変換後の値に対応する高さ情報を該当する各画素毎に設定することにより、立体画像データを生成する(ステップS704)。
このように、抽出すべき特徴量として明度、彩度を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出した明度情報、彩度情報に基づき立体画像データを生成する方法は、例えば、写真や自然画等の原画像の立体印刷時に適用できる。
写真や自然画は、被写体や描画対象及び、撮影・描写時の照明条件により、絵柄の質が決定されることが多い。
こうした特徴を有する写真や自然画の原画像の立体印刷時に、抽出すべき特徴量として明度、彩度を指定し、該指定に応じて原画像データから抽出した明度情報、彩度情報に基づき立体画像データを生成する(図13参照)ことにより、撮影時において被写体が光を受ける方向によって発生する明度の傾斜を、彩度を用いて補正することにより、適切な立体画像データを生成することができ、その立体印刷出力結果において、擬似的に立体物を再現したり、画像の立体感を更に強調した画像を形成することができる。
なお、図9の処理の説明では、画像処理装置20が、原画像データから4種類の画像情報(特徴量)を無条件で生成する場合について述べたが、ユーザが適宜なUI画面を用いて指定した、原画像の画像種別(例えば、油絵・壁紙、版画・デザイン画、線図・触図、写真・自然画等)、あるいは特徴量(明度、彩度、輪郭、画像密度等:ネガ・ポジ指定も含む)に応じて必要な画像情報(特徴量)のみを原画像データからその都度抽出するように構成することもできる。
上述したように、本発明では、原画像データ(2次元画像データ)から少なくとも色相情報を含む特徴量を抽出し、この該抽出した特徴量に基づき原画像データに対応する立体画像を形成するための立体画像データを生成する処理機能を有するため、これまで要していたデータ作成時間を大幅に短縮できる。
また、立体画像データは、一般的に用いられるカラー・モノクロの画像データと同様に扱うことができるため汎用性に優れ、様々な立体形状の印刷物作成に広く用いることが可能である。
ここで、立体画像データは、高さ情報(H)を、非立体画像データの濃度情報と同様の形式で持てば良い。濃度情報が高ければ、単位面積当たりに乗る発泡トナー等の立体材料の量が多くなり、より高い立体画像が形成される。一方、濃度情報が低ければ、単位面積当たりに乗る立体材料の量が少なくなり、より低い立体画像が形成される。
更に、原画の種類や用途に応じて、最適な特徴量を用いて立体画像データを生成することができるため、ユーザの意図に沿った、意匠性の高い印刷物を提供することができる。
また、ユーザの意図や好みに応じて、立体形状や高さ、立体を形成する領域を指定することが可能で、デザイン性の高い印刷物を作成することができる。
そして、発泡トナーなど、立体形状を用いて画像形成することが可能な、電子写真方式による画像形成装置に用いることにより、オンデマンドでかつ、少量多品種の要望にも対応することができる。
更に、従来の電子写真装置と同等の簡単な操作性で立体形状の画像が作成可能となるため、エンドユーザも手軽に利用可能な立体形状画像形成装置を提供することができる。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、図1において、画像形成システム50は、画像入力装置10、画像処理装置20及び画像形成装置30の各装置で構成されるが、本発明に係わる画像形成システムは、上記画像入力装置10、画像処理装置20及び画像形成装置30の各装置に相当する機能部を一体化した装置構成でも実現できる。
10…画像入力装置、20…画像処理装置、21…立体指示部、210…立体出力指定画面、211,212,213,214,215,216,217…立体指示に用いる各ツール、218…表示領域、219…「OK」ボタン、220…「キャンセル」ボタン、221…「標準に戻す」ボタン、22…特徴量抽出部、23…立体画像データ生成部、24…色画像データ生成部、25…出力階調補正部、30…画像形成装置、50…画像形成システム