JP4077148B2 - 色再現特性表示装置および色再現特性表示プログラム記憶媒体 - Google Patents

色再現特性表示装置および色再現特性表示プログラム記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を画像データに変換する、カラースキャナやディジタルスケールカメラ等の入力デバイスや、画像データに基づいて画像を出力する印刷機やプリンタ等の出力デバイス(画像を表示画面上に出力(表示)する、ディスプレイ装置等の表示デバイスを含む)など、画像データと画像との間を媒介するデバイスに応じて定義された色再現特性を表示する色再現特性表示装置、およびコンピュータをそのような色再現特性表示装置として動作させる色再現特性表示プログラムを記憶した色再現特性表示プログラム記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばカラースキャナあるいは電子スケールカメラ等の入力デバイスで、画像(ここでは原稿画像と称する)を取り込んで画像データを得、その画像データに基づいて今度は印刷機あるいはプリンタで、あるいはディスプレイ画面上に、その原稿画像が再生された再生画像を得ることが行なわれている。この場合、入力デバイスに応じた、原稿画像上の色と画像データ上の色とを対応づける色再現特性(プロファイル)と、印刷機やプリンタ等の出力デバイスに応じた、画像データ上の色と再生画像上の色とを対応づける色再現特性(プロファイル)とを求め、入力デバイスで原稿画像から得られた画像データを、それら双方の色再現特性に基づいて出力デバイスに適合した画像データに変換し、その出力デバイス用の画像データに基づいて再生画像を出力する。こうすることにより、もともとの原稿画像と色の一致した再生画像を得ることができる。
【0003】
また、これと同様のことは、出力デバイスどうしの間でも生じる。次に、その例について説明する。
【0004】
従来より、印刷機を用いてカラー画像印刷を行なうにあたっては、印刷を行なう前に、カラープリンタ等を用いて、その印刷機で印刷される画像の色と極力同じ色に似せたプルーフ画像を作成することが行なわれている。プリンタでプルーフ画像を作成するにあたっては、印刷を行なおうとしている印刷機に対応した、画像データと実際の印刷物の色との関係を記述した色再現特性(印刷プロファイル)と、プリンタに対応した、画像データと実際にプリント出力される画像の色との関係を記述した色再現特性(プリンタプロファイル)とを知り、これらの印刷プロファイルとプリンタプロファイルとに基づいて印刷用の画像データをプリンタ用の画像データに変換し、この変換されたプリンタ用の画像データに基づいてプルーフ画像を作成する。こうすることにより、実際の印刷物と色の一致したプルーフ画像を作成することができる。
【0005】
上記のようにして色を一致させた画像を得るためには、入力デバイスや出力デバイスの色再現特性(プロファイル)を正確に求める必要がある。この色再現特性(プロファイル)を求めるにあたっては、例えば入力デバイスの場合は、カラーパッチが配列されたカラーチャートをその入力デバイスで読み取って画像データに変換し、画像データ上の色空間(デバイス色空間;例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、および黒(K)の4色からなるCMYK色空間、あるいはレッド(R)、グリーン(G)、およびブルー(B)の3色からなるRGB色空間等)の座標(CMYK値あるいはRGB値等)を求めるとともに、その同じカラーチャートを分光測色計で測色して測色色空間(例えばL***色空間あるいはXYZ色空間等)の座標(L***値あるいはXYZ値等)を求め、それらデバイス色空間上の座標と測色色空間上の座標とを対応づけることにより、その入力デバイスの色再現特性(プロファイル)が求められる。
【0006】
また、出力デバイスの色再現特性(プロファイル)を求めるにあたっては、カラーパッチが配列されたカラーチャートに相当する画像データを作成し、その画像データに基づいて出力デバイスでカラーチャートを出力し、そのカラーチャートを分光測色計で測色し、そのようにして得た画像データ上の色空間(デバイス色空間)の座標と測色色空間の座標とを対応づけることにより、その出力デバイスの色再現特性が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、そのようにして入力デバイスや出力デバイスの色再現特性を慎重に求め、それらの色再現特性に基づいて画像データを変換しても、様々な誤差や変動要因により、原稿画像と再生画像との間、あるいは印刷物とプルーフ画像との間の色が微妙に食い違うという現像が生じる。
【0008】
このような状況下にある中で、例えばカラープリンタで出力された画像の色がカラースキャナで画像データを取り込んだときの原稿画像の色を正しく再現しているか否か、あるいはカラープリンタで出力された画像の色が印刷物上の画像の色と一致しているか否か等を評価しようとしたとき、従来は、実際にプリント出力を行なってそのプリント出力画像を評価することにのみ重点が置かれ、プロファイル上では、例えば、二次元平面上に、カラースキャナとカラープリンタの双方のプロファイルの輪郭、あるいは印刷機とカラープリンタの双方のプロファイルの輪郭を表現し、その輪郭からどの色領域がカラープリンタでは再現されない、あるいは再現される、といった程度の評価が行なわれていたに過ぎず、そのような、プロファイルの輪郭の近傍ぎりぎりの領域の大雑把な評価ではなく、例えばカラースキャナとカラープリンタの双方のプロファイル、あるいは印刷機とカラープリンタの双方のプロファイルが十分重なっている中央の領域において、原稿画像上のどの色がカラープリンタで出力された再生画像上でどのように一致しあるいは相違しているか、あるいは、ある値の画像データが印刷機あるいはプリンタでどのような色に変換されるか、あるいは、印刷機とカラープリンタとで色変換がどのように一致あるいは相違しているかといった、細かい点をプロファイル上で検討し、評価するためのツールとして適当なものは見当らないのが現状である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、プロファイルデータ上で詳細な検討を行なうのに適した色再現特性表示装置および色再現特性表示プログラム記憶媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の色再現特性表示装置は、画像データ上の色を規定する第1の色空間の座標と画像上の色を規定する第2の色空間の座標との対応関係が画像データと画像との間を媒介するデバイスに応じて定義された色再現特性を表示する色再現特性表示装置において、
上記第1の色空間内の所望の座標範囲を操作に応じて指定する範囲指定部と、上記第1の色空間内を格子状に区切ったときの各格子点の座標のうちの範囲指定部で指定された座標範囲内の各座標に対応する第2の色空間上の座標点をプロットした色再現画像を表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の色再現特性表示装置は、例えばRGBあるいはCMYK等であらわされるデバイス色空間(第1の色空間)内の各格子点の座標に対応する、L***あるいはXYZ等であらわされる第2の色空間上の各座標点をプロットした色再現画像を表示するものであり、しかも第1の色空間内の指定された座標範囲のみプロットした色再現画像を表示するものであるため、プロファイルの所望の領域内の一点一点が表示され、詳細な検討、評価を行なうことができる。
【0012】
ここで、上記本発明の色再現特性表示装置において、上記画像表示部は、上記色再現画像を、操作に応じて切り換えて、二次元表示で、あるいは三次元表示で、表示するものであることが好ましい。
【0013】
その検討、評価の内容によって二次元表示の方が適している場合と三次元表示の方が適している場合があるからである。
【0014】
また、上記本発明の色再現特性表示装置において、色再現画像上にプロットされた点のうちの所望の点を操作に応じて指定する表示プロット指定部を備え、画像表示部は、色再現画像とともに、表示プロット指定部により指定された色再現画像上の点に相当する、第1の色空間上の座標値と第2の色空間上の座標値とを表示するものであることが好ましい。
【0015】
このように、色再現画像上にあらわれる多数の点のうちの所望の点を指定して、その点に関する、第1の色空間(例えばデバイス色空間)の座標値と第2の色空間(例えば測色色空間)の座標値を表示すると、色再現画像上の点と色空間上の座標値との関係が数値上で明確となり、詳細は検討、評価に一層便利となる。
【0016】
さらに、上記本発明の色再現特性表示装置において、色再現画像上にプロットされた点のうちの所望の2つの点を操作に応じて指定する表示プロット指定部を備え、
画像表示部は、色再現画像とともに、表示プロット指定部により指定された色再現画像上の2つの点の、第2の色空間における距離の情報を表示するものであることが好ましい。
【0017】
このように、色再現画像上にプロットされた点のうちの2点間の距離の情報、典型的には色差を表示することも、詳細な検討、評価に一層便利となる。
【0018】
さらに、上記本発明の色再現特性表示装置において、画像表示部は、複数の出力デバイスに相当する複数の色再現画像を重ねて表示するモードを有するものであることが好ましい。
【0019】
このように、複数の出力デバイスに相当する複数の色再現画像を重ねて表示すると、例えば、カラースキャナのプロファイルとカラープリンタのプロファイルとの間、あるいは印刷機のプロファイルとカラープリンタのプロファイルとの間の、対応する一点一点の位置関係を1つの画面上で比較することができる。
【0020】
また、本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体は、コンピュータを、画像データ上の色を規定する第1の色空間の座標と画像上の色を規定する第2の色空間の座標との対応関係が画像データと画像との間を媒介するデバイスに応じて定義された色再現特性を表示する色再現特性表示装置として動作させる色再現特性表示プログラムを記憶した色再現特性表示プログラム記憶媒体において、
そこに記憶された色再現特性表示プログラムが、
上記第1の色空間内の所望の座標範囲を操作に応じて指定する範囲指定部と、上記第1の色空間内を格子状に区切ったときの各格子点の座標のうちの範囲指定部で指定された座標範囲内の各座標に対応する上記第2の色空間上の座標点をプロットした色再現画像を表示する画像表示部とを有するものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体に記憶された色再現特性表示プログラムは、それをコンピュータにインストールして実行させたときにそのコンピュータを本発明の色再現特性表示装置として動作させるものであり、この色再現特性表示プログラムには、本発明の色再現特性表示装置の各種態様全てに相当する態様全てが含まれる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
ここでは、一例として、カラープリンタでプリント出力されるプルーフ画像上の色が印刷機で得られる印刷物上の色にどの程度一致あるいは相違しているかを評価するために、カラープリンタのプロファイルを表示すること、およびカラープリンタと印刷機との双方のプロファイルを重ねて表示することを中心に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態が適用された印刷およびプルーフ画像作成システムの全体構成図である。
【0025】
カラースキャナ10では、原稿画像11が読み取られて、その読み取った原稿画像11をあらわすCMYK4色の色分解画像データが生成される。このCMYKの画像データはワークステーション20に入力される。ワークステーション20では、オペレータにより、入力された画像データに基づく、電子的な集版が行なわれ、印刷用の画像をあらわす画像データが生成される。この印刷用の画像データは、印刷を行なう場合は、フィルムプリンタ30に入力され、フィルムプリンタ30では、その入力された画像データに対応した、CMYK各版の印刷用フィルム原版が作成される。
【0026】
この印刷用フィルム原版からは刷版が作成され、その作成された刷版が印刷機40に装着される。この印刷機40に装着された刷版にはインクが塗布され、その塗布されたインクが印刷用の用紙上に転移されてその用紙上に印刷画像41が形成される。
【0027】
このフィルムプリンタ30によりフィルム原版を作成し、さらに刷版を作成して印刷機40に装着し、その刷版にインクを塗布して用紙上に印刷を行なう一連の作業は、大がかりな作業であり、コストもかかる。このため、実際の印刷作業を行なう前に、プリンタ60により、以下のようにしてプルーフ画像61を作成し、印刷画像41の仕上りの事前確認が行なわれる。
【0028】
プルーフ画像を作成するにあたっては、ワークステーション20上の電子集版により作成された画像データがパーソナルコンピュータ50に入力される。ここで、このパーソナルコンピュータ50に入力される画像データは、いわゆるPDL(Page Description Language)で記述された記述言語データであり、パーソナルコンピュータ50では、いわゆるRIP(Raster Image Processor)により、ビットマップに展開されたCMYK4色の画像データに変換される。このCMYK4色の画像データは、実質的には、フィルムプリンタ30に入力される印刷用の画像データと同一である。
【0029】
このCMYK4色の印刷用の画像データは、このパーソナルコンピュータ50の内部で、LUT(Look Up Table)の形式を持つ色変換定義が参照され、プリンタ60に適合したCMYK4色の画像データに変換される。プリンタ60には、そのプリンタ用のCMYK4色の画像データが入力され、プリンタ60では、その入力されたプリンタ用のCMYK4色の画像データに基づくプルーフ画像61が作成される。
【0030】
ここで、印刷機40による印刷で得られた画像41とプリンタ60で得られたプルーフ画像の色の一致の程度は、パーソナルコンピュータ50内の色変換定義により定まる。この色変換定義は、プリンタごと各プリント条件ごとに作成される。
【0031】
また、この図1には印刷機は1台のみ示されているが印刷機も複数台存在していてもよく、あるいは1台の印刷機であっても異なる複数の印刷条件が存在してもよく、色変換定義は、印刷機の相異を含めた複数の印刷条件それぞれに応じて作成される。すなわち、色変換定義は、印刷条件のそれぞれとプリンタそれぞれ(1台のプリンタで複数のプリント条件が存在するときは各プリント条件それぞれ)との組合せに応じて作成されることになる。この図1に示す分光測色計70およびパーソナルコンピュータ80はその色変換定義の作成に関連するものでる。
【0032】
このようにしてプルーフ画像を作成してそのプルーフ画像を確認することにより、印刷の仕上りを事前に確認することができる。
【0033】
ここで、この図1に示すプルーフ画像作成システムにおける、本発明の一実施形態としての特徴は、パーソナルコンピュータ80の内部で実行される処理内容にあり、以下、このパーソナルコンピュータ80について説明する。
【0034】
図2は、図1にブロックで示す分光測色計70およびパーソナルコンピュータ80の外観斜視図、図3は、そのパーソナルコンピュータ80のハードウェア構成図である。
【0035】
この図2に示す分光測色計70には複数のカラーパッチが配列されたカラーチャート90が乗せられ、そのカラーチャート90を構成する複数のカラーパッチそれぞれについて測色値(ここではL***とする)が測定される。この分光測色計70での測定により得られた各カラーパッチの測色値を表わす測色データは、ケーブル91を経由してパーソナルコンピュータ80に入力される。
【0036】
このカラーチャート90は、図1に1つのブロックで示す印刷機40での印刷により、あるいはプリンタ60でのプリント出力により作成されたものであり、パーソナルコンピュータ80は、このカラーチャート90を構成する各カラーパッチに対応する色データ(デバイス色空間上の座標;CMYKあるいはRGBの各値)を知っており、このパーソナルコンピュータ80では、そのカラーチャート90の各カラーパッチの色データと分光測色計70で得られた測色データとに基づいて、印刷プロファイルやプリンタプロファイルが作成される。この点に関する詳細説明は後に譲り、ここでは、次に、パーソナルコンピュータ80のハードウェア構成について説明する。
【0037】
このパーソナルコンピュータ80は、外観構成上、本体装置81、その本体装置81からの指示に応じて表示画面82a上に画像を表示する画像表示装置82、本体装置81に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード83、および、表示画面82a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス84を備えている。この本体装置81は、外観上、フロッピィディスクを装填するためのフロッピィディスク装填口81a、およびCD−ROMを装填するためのCD−ROM装填口81bを有する。
【0038】
本体装置81の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU811、ハードディスク装置813に格納されたプログラムが読み出されCPU811での実行のために展開される主メモリ812、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置813、フロッピィディスク100が装填されその装填されたフロッピィディスク100をアクセスするFDドライバ814、CD−ROM110が装填され、その装填されたCD−ROM110をアクセスするCD−ROMドライバ815、分光測色計70(図1,図2参照)と接続され、分光測色計70から測色データを受け取るI/Oインタフェース816、プリンタ60に画像データを送るプリンタインタフェース817が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す画像表示装置82、キーボード83、マウス84は、バス85を介して相互に接続されている。
【0039】
ここで、CD−ROM110には、このパーソナルコンピュータ80を色再現特性表示装置として動作させるための色再現特性表示プログラムが記憶されており、そのCD−ROM110はCD−ROMドライバ818に装填され、そのCD−ROM110に記憶された色再現特性表示プログラムがこのパーソナルコンピュータ80にアップロードされてハードディスク装置813に記憶される。
【0040】
なお、このパーソナルコンピュータ80による、以下において説明するプロファイルや色変換定義の作成の機能は、本発明の主題ではなく、その機能を実現するために必要なプログラム等は既にパーソナルコンピュータ80にインストールされているものとする。
【0041】
ここで、CD−ROM110に本発明の色再現特性表示プログラムの一実施形態が記憶されているときは、このCD−ROM110は本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体の一実施形態に相当し、その色再現特性表示プログラムがアップロードされてハードディスク装置813に格納されたときは、その色再現特性表示プログラムが格納された状態にあるハードディスク装置813も本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体の一実施形態に相当する。さらにその色再現特性表示プログラムがフロッピィディスク100にダウンロードされたときは、その色再現特性表示プログラムを記憶した状態にあるフロッピィディスク100も、本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体の一実施形態に相当する。
【0042】
次に、このパーソナルコンピュータ80内に構築された、色変換定義の作成方法について説明する。
【0043】
ここでは、先ず印刷プロファイルが作成される。
【0044】
図1に示すワークステーションからCMYK4色の網%データを例えば0%,10%,……,100%と順次変化させ、前述の印刷手順に従って、そのようにして発生させた網%データに基づくカラーチャートを作成する。図1に示す画像41は、カラーチャートを表わしている画像ではないが、この画像41に代えて図2に示すカラーチャート90と同様なカラーチャートを印刷したものとし、そのカラーチャートを構成する各カラーパッチを分光測色計70で測定する。こうすることにより、CMYK4色の色空間上の座標値と測色色空間上の座標値との対応関係をあらわす印刷プロファイルが構築される。
【0045】
図4は、印刷プロファイルの概念図である。
【0046】
この印刷プロファイルには、CMYK(本発明にいう第1の色空間の一例)で定義された画像データが入力され、そのCMYKの画像データがL***(本発明にいう第2の色空間の一例)で定義された画像データに変換される。
【0047】
次に、プリンタプロファイルを作成する。
【0048】
このプリンタプロファイルの作成方法は、カラーチャートを出力する出力デバイスが印刷機ではなくプリンタであるという点を除き、印刷プロファイルの作成方法と同様である。すなわち、ここでは、図1に示すパーソナルコンピュータ50で、CMYK4色の網%データを各色について0%,10%,…,100%と順次変化させ、そのように順次発生させた網%データをプリンタ60に送り、プリンタ60でその網%データに基づくカラーチャートをプリント出力する。図1に示す画像61は、カラーチャートをあらわしている画像ではないが、プリンタ60では、この画像61に代えて、印刷プロファイルの作成のために印刷機40での印刷により作成したカラーチャートと同一タイプのカラーチャートを出力したものとし、そのカラーチャートを構成する各カラーパッチを分光測色計70で測色する。こうすることにより、プリンタ60についての、CMYK4色の色空間上の座標値と測色色空間(L***空間)上の座標値との対応関係をあらわすプリンタプロファイルが構築される。
【0049】
図5は、プリンタプロファイルの概念図である。
【0050】
このプリンタプロファイルには、CMYKの網%データが入力され、そのCMYKの網%データがL***の測色データに変換される。ここでは、この、CMYKの網%データをL***の測色データに変換するプリンタプロファイル(順変換プリンタプロファイル)をPであらわし、その逆変換、すなわちL***の測色データをCMYKの網%データに変換するプリンタプロファイル(逆変換プリンタプロファイル)をP-1であらわす。
【0051】
尚、ここではプリンタ60はCMYKの網%データに基づいて画像を出力するプリンタであるとして説明したが、例えばRGBのデータに基づく画像を出力するプリンタに関しても、パーソナルコンピュータ50で、RGB空間で定義されたデータを発生させてカラーチャートを出力することにより、同様にしてそのプリンタに適合したプリンタプロファイルを作成することができる。
【0052】
ただしここでは、CMYKの網%データに基づいて画像を出力するプリンタ60を使用するものとして説明する。
【0053】
図6は、印刷プロファイルとプリンタプロファイルを結合させた結合プロファイルを示す図である。
【0054】
印刷用のCMYKの網%データを印刷プロファイルTによりL***の測色データに変換し、次いでそのL***の測色データを逆変換プリンタプロファイルP-1により再び、ただし今度はプリンタ用の、CMYKの網%データに変換する。このようにして生成したプリンタ用のCMYKの網%データに基づいて、プリンタ60により、印刷と同じ色のプルーフ画像を出力することができる。この印刷プロファイルTと逆変換プリンタプロファイルP-1との結合からなる結合プロファイルは、印刷用のCMYK色空間からプリンタ用のCMYKの色空間に変換する色変換定義である。
【0055】
図1に示す印刷およびプルーフ画像作成システムを構成するパーソナルコンピュータ80でこのような色変換定義を作成し、この作成した色変換定義を図1に示す印刷およびプルーフ画像作成システムを構成するパーソナルコンピュータ50にインストールして、ワークステーション20から入力されたPDLで記述された画像データをCMYKの画像データに変換した後、そのCMYKの画像データを、その色変換定義を用いてプリンタ用のCMYKの画像データに変換し、プリンタ60により、そのプリンタ用のCMYKの画像データに基づく画像をプリント出力することにより、印刷の画像に対するプルーフ画像が作成される。
【0056】
尚、図1に示すパーソナルコンピュータ80で結合プロファイルまで作成する必要は必ずしもなく、パーソナルコンピュータ80では印刷プロファイルあるいはプリンタプロファイルを作成し、その作成された印刷プロファイルあるいはプリンタプロファイルをパーソナルコンピュータ50に入力し、パーソナルコンピュータ50で結合プロファイルを作成してもよい。
【0057】
次に、パーソナルコンピュータ80による、上記のようにして作成されたプロファイルの表示態様について説明する。
【0058】
図7は、本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体の一実施形態を示す図である。ここに示す色再現特性表示プログラム記憶媒体700は、図3に示す構成における、色再現特性表示プログラム710を記憶した状態にある、CDROM110、フロッピィディスク100、ハードディスク装置813等を代表的に示したものである。
【0059】
この図7に示す色再現特性表示プログラム記憶媒体700に記憶された色再現特性表示プログラム710は、範囲指定部711、画像表示部712、表示プロット指定部713、およびモード切替部714から構成されている。これらの各プログラム部品の作用については後述する。
【0060】
図8は、図1,図2に示すパーソナルコンピュータ80内に構成された本発明の色再現特性表示装置の一実施形態を含むプロファイル作成表示装置の機能ブロック図である。
【0061】
この図8に示すプロファイル作成表示装置800は、測色データ入力部815、プロファイル作成部816、画像表示部812、範囲指定部811、表示プロット指定部813、およびモード切替部814から構成されている。ここで、図8のプロファイル作成表示装置800の各構成要素のうち、範囲指定部811、画像表示部812、表示プロット指定部813、およびモード切替部814は、図1,図2に示すパーソナルコンピュータ80と図7に示す色再現特性表示プログラム710との複合により構成されたものであり、図8に示すプロファイル作成表示装置800の範囲指定部811、画像表示部812、表示プロット指定部813、およびモード切替部814は、図7に示す色再現特性表示プログラム710の、それぞれ、範囲指定部711、画像表示部712、表示プロット指定部713、およびモード切替部714に相当する。ただし、ここでは同一の名称が用いられていても、図8に示す各構成要素はハードウェアとソフトウェアとの複合を指しており、図7に示す色再現特性表示プログラム710の各構成要素は、そのうちのアプリケーションソフトウェアの部分のみを指している。
【0062】
以下、図8に示すプロファイル作成表示装置800の各構成要素を説明することで、図7の色再現特性表示プログラム710の各構成要素についても説明する。
【0063】
図8のプロファイル作成表示装置800の測色データ入力部815は、図1,図2に示す分光測色計70で得られた測色データを受け取って、次のプロファイル作成部816に渡す機能を有するものであり、ハードウェア上は、主に、図3に示すパーソナルコンピュータ80のI/Oインタフェース876がこれに相当する。
【0064】
またプロファイル作成部816は、図4,図5を参照して説明した印刷プロファイルやプリンタプロファイルを作成する機能を有するものであり、パーソナルコンピュータ80に不図示のプロファイル作成プログラムがインストールされることにより実現されている。ハードウェア上はそのプログラムが動作するCPU811等がこれに相当する。
【0065】
また、範囲指定部811は、CMYK色空間上の所望の座標範囲を操作に応じて指定するものであり、ハードウェア上は、主として、図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80のキーボード83やマウス84がこれに相当する。
【0066】
また画像表示部812は、基本的には、CMYK色空間内を格子状に区切ったときの各格子点の座標のうちの範囲指定部811で指定された座標範囲内の各座標に対応するL***色空間上の各座標点をプロットした色再現画像を表示するものである。この画像表示部812は、ハードウェア上は、主として、図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の画像表示部82がこれに相当する。この画像表示部812における具体的な表示態様については後述する。
【0067】
表示プロット指定部813は、画像表示部812において表示された色再現画像上にプロットされた点のうちの所望の点を操作に応じて指定するものである。この表示プロット指定部813は、ハードウェア上は、主として、マウス84がこれに相当する。表示プロット指定部813により色再現画像上の所望の点が指定されると、画像表示部812は、その色再現画像とともに、表示プロット指定部813により指定された色再現画像上の点に相当する、CMYK色空間の座標値と、L***色空間上の座標値を表示する。
【0068】
また、表示プロット指定部813は、操作に応じて、色再現画像上にプロットされた点のうちの所望の2つの点を指定することもできる。この場合、画像表示部812は、色再現画像とともに、その表示プロット指定部813により指定された色再現画像上の2つの点に相当する、L***色空間上の2つの座標内の距離の情報(ここでは色差)を表示する。
【0069】
また、画像表示部812は、1つの画面上には、基本的にはある1つの出力デバイス(ここでは図1に示す印刷機40とプリンタ60のいずれか)の色再現画像を表示するものであるが、複数の出力デバイス(ここでは印刷機40とプリンタ60との双方)の色再現画像を重ねて表示するモードも有り、モード切替部814により、操作に応じて、ある1つの出力デバイスの色再現画像を表示するモード、あるいは複数の出力デバイスの色再現画像を重ねて表示するモードに切り換えられる。
【0070】
図9は、画像表示部812に画像表示装置82の表示画面82a(図2参照)上に表示される画像の第1例を示す図である。
【0071】
この画像は、全体として、上部パネル表示部910と、色再現画像表示部920と、下部パネル表示部930で構成されている。
【0072】
色再現画像表示部920は、CMYK色空間のC,M,Y,Kそれぞれについて網%で10%きざみ(0%,10%,……,100%)の各格子点のうち、後述する下部パネル表示部930の「View Area」で指定された範囲内の各格子点の座標に対応する、L***色空間内の各座標点を指し示すポイントがプロットされた色再現画像を表示する部分である。
【0073】
上部パネル表示部910の「View」は、マウス操作により「ab Plane」と「Lab Space」(図10参照)との2つから選択でき「ab Plane」は、色再現画像表示部920にL*軸を視線としてL*軸の上側(値の大きい側)から下側(値の小さい側)を見たときの二次元表示の色再現画像を表示すること、「Lab Space」は、色再現画像表示部920に、L***の三次元表示の色再現画像を表示することを示している。
【0074】
また、上部パネル表示部910の「Show control」は、マウス操作により、下部パネル表示部930を表示するか画面上から消去するかを切り換えるものである。
【0075】
さらに上部パネル表示部910の「Show Compare」は、マウスを一回クリックするごとに、色再現画像表示部920に、図9,図10に示すような、1つの出力デバイスの色再現画像のみを表示するか、図11,図12に示すような、2つの出力デバイスの色再現画像を重ねて表示するか切り換えるものである。この「Show Compare」は、図8のプロファイル作成表示装置800のモード切替部814のGUI画面である。
【0076】
色再現画像表示部920に、1つの出力デバイスの色再現画像を表示する時は、その色再現画像を構成する各ポイントは、そのポイントのL***色空間の座標に相当する色で表現されており、色再現画像表示部920に2つの出力デバイスの色再現画像を重ねて表示するときは、1つの色再現画像内のポイントは同一色であって、2つの色再現画像間では相互に異なる色で表示される。
【0077】
下部パネル表示部930の「View Area」は、図8のプロファイル作成表示装置800の範囲指定部811のGUI画面であり、マウス操作により、C,M,Y,Kのそれぞれについて、「0%」,「10%」,……,「100%」、および「ALL」の中から選択することができる。「0%」,「10%」,……,「100%」は、網%をそれぞれ0%,10%,……,100%に固定すること、「ALL」は、0%〜100%の全てを選択することを表わしている。この図9に示す例では、C,M,Y,Kがそれぞれ「ALL」,「ALL」,「ALL」,「0%」と指定されており、これはK=0%のときのC軸,M軸,Y軸で規定される3次元色空間内の10%きざみの各格子点に対応するL***色空間内のポイントを表示することを表わしており、ここでは上部パネル表示部910の「View」により「ab Plane」が選択されているため、色再現画像表示部920には、それらのポイントがL*軸に平行に上から覗めたときの色再現画像が表示される。
【0078】
また、下部パネル表示部930の「Color」は、色再現画像表示部920の背景の色を選択する部分であり、背景の色を「White」(白)と「Black」(黒)とに切り換えることができる。また「Point」は色再現画像表示部920に表示される色再現画像を構成する各ポイントの寸法を選択するものである。
【0079】
その「Point」の下の「C:」,「M:」,「Y:」,「K:」,「L:」,「a:」,「b:」は、色再現画像を構成するいずれかのポイントにマウスカーソル921を合わせたときに、そのポイントに対応するCMYK色空間の座標(CMYKの各値)とL***色空間上の座標(L***の各値)が表示される欄である。この図9では、a**面へ投影された形状の色再現画像が表示されており、マウスカーソル921がいずれのポイントからも離れているときは、図9に「a:80」,「b:65」と示すように、現在のマウスカーソルの位置のa*値とb*値のみが表示される。
【0080】
その右隣りの「Reference Point」も、色再現画像上のポイントの、CMYK色空間の座標(CMYKの各値)とL***色空間上の座標(L***の各値)を示す欄であり、マウスカーソル921を色再現画像上のいずれかのポイントに合わせてマウスクリックを行なったときに、そのポイントが参照ポイントとして登録されるとともに、「Reference Point」の欄に、その参照ポイントのCMYKとL***の各値が表示される。このようなマウスクリックにより参照ポイントを登録しておいてマウスカーソル921を別のポイントに移動すると、その「Reference Point」の左隣りの欄に、マウスカーソル921が現在指し示しているポイントのCMYKとL***の各値が表示されるとともに、その下の「Delta E」の欄のそれら2つのポイント(参照ポイントとマウスカーソルが現在指し示しているポイント)の間の色差が表示される。
【0081】
また、「Reference Point」の欄の直上に表示されている「LAxis」は、上部パネル表示部910の「View」により「ab Plane」が選択されているときに、下部パネル表示部930の左側の「View Area」とともに、図8のプロファイル作成表示装置800の範囲指定部811のGUIを構成するものである。「View Area」の説明では、色再現画像表示部920には、CMYK色空間内の、「View Area」で指定された範囲のポイント集合からなる色再現画像が表示される旨説明したが、これは、「LAxis」のスライドバーが100.0の位置であるときであり、「LAxis」のスライドバーが100.0から動かされたときは色再現画像は以下のように変化する。
【0082】
すなわち、「LAxis」のスライドバーは、図9では100.0に合わせてあるが、この場合、L***空間をL*軸上L*=100.0(最大値)の位置で、a*−b*平面に平行に広がる面で区切ったときの、その面よりも下(L*値が小さい側)に配列されたポイントが表示される(すなわち、100.0のときはL***色空間全体が表示される)。これに対し、「LAxis」のスライドバーを、例えば50.0(中央)まで動かすと、L***色空間の、L*軸をa*−b*平面と平行にL*=50.0で切る平面の下側に配列されたポイントのみが表示される。
【0083】
図10は、画像表示部812により画像表示装置82の表示画面82a(図2参照)上に表示される画像の第2例を示す図である。
【0084】
この画像も、図9の場合と同様、上部パネル表示部910と、色再現画像表示部920と、下部パネル表示部930とで構成されている。
【0085】
この図10の色再現画像表示部920に表示されている色再現画像は、上部パネル表示部910の「View」で「Lab Space」が選択されたときに表示される、三次元表示の画像であり、立体的なイメージを演出するため、その色再現画像のまわりに三次元的な部屋が描画されている。
【0086】
上部パネル表示部910の「Show control」,「Show Compare」は図9の場合と同一であり説明は省略するが、ここでも、図9の場合と同様、「Show Compare」はマウス操作されておらず、色再現画像表示部920には、1つの出力デバイスの色再現画像が表示されている。
【0087】
下部パネル表示部930の、「View Area」,「Color」,「Point」は図9の場合とそれぞれ同一の機能を有するものであり、図9を参照して説明済であるので、ここでは説明は省略する。
【0088】
「Point」の下の「a*」,「b*」,「L*」の各スライドバーは、色再現画像表示部920に表示される色再現画像の三次元立体の姿勢を指定するものである。
【0089】
「a*」,「b*」,「L*」のいずれもがゼロの初期状態(それら3つのスライドバーのいずれもが中間位置にある状態)では、図9と同様な視点、すなわち、L***色空間をL*軸を上(値の大きい方)から下(値の小さい方)に覗めた状態の色再現画像が表示され、「a*」,「b*」,「L*」のスライドバーを動かすとそれぞれa*軸,b*軸,L*軸のまわりの回転角度が調整され、その調整された回転角度だけその軸のまわりに回転した状態の色再現画像が表示される。
【0090】
「a*」,「b*」,「L*」のスライドバーを動かした後、「Reset」をクリックすると、それらのスライドバーがいずれも初期位置に復帰する。
【0091】
ここで、例えば色再現画像表示部920に初期状態の色再現画像が表示された状態で「a*」,「b*」,「L*」のスライドバーを動かしたとき、a*軸,b*軸,L*軸のまわりの回転の順番により、すなわち、例えば先ずa*軸のまわりに回転し、次にb*軸のまわりに回転し、最後にL*軸のまわりに回転するか、あるいはそれとは異なる順番により回転するかにより、回転後の最終の色再現画像の姿勢が異なることになる。そこで、ここでは、「Follow」と「Absolute」の2つの回転タイプが用意されている。この図10では「Absolute」が指定されており、この「Absolute」を指定すると、「a*」,「b*」,「L*」のスライドバーをどの順序で操作しても、色再現画像表示部920には、必ず初期状態から、最初にa*軸のまわりに回転し、次にb*軸のまわりに回転し、最後にL*軸のまわりに回転するときの姿勢の色再現画像が表示される。
【0092】
一方「Follow」を指定すると、「a*」,「b*」,「L*」の各スライドバーを操作したとき、その操作の順序に従ってその軸のまわりにその操作量に応じた回転角度だけ回転した姿勢の色再現画像が表示される。この「Follow」では、現在ある1つの姿勢の色再現画像が表示されていたときに、例えば「a*」のスライドバーを操作すると、それまで表示されていた色再現画像がa*軸のまわりに、今回の操作量に応じた回転量だけ回転する。
【0093】
また下部パネル表示部930の右側の「Distance」は、「+」をクリックしてプラス側に動かすとその操作量に応じて色再現画像に視点が近づいた状態の色再現画像(すなわち、拡大された色再現画像)が色再現画像表示部920に表示され、「−」をクリックしてマイナス側に動かすと、色再現画像から視点が遠ざかった状態の色再現画像(すなわち、縮小された色再現画像)が色再現画像表示部920に表示される。「0」をクリックすると標準の視点位置に戻る。
【0094】
また、その下の「Eye」を構成する上下左右の三角マークと中央の「reset」は、それをマウス操作することにより、色再現画像表示部920に表示される色再現画像が、視点が上下左右に動き、あるいは元に戻ったように変化する。
【0095】
図11は、図8に示すプロファイル作成表示装置800の画像表示部812により、画像表示装置82の表示画面82a(図2参照)上に表示される画像の第3例を示す図である。
【0096】
この画像も、図9,図10の場合と同様、上部パネル表示部910と、色再現画像表示部920と、下部パネル表示部930とで構成されている。
【0097】
この図11の色再現画像表示部920に表示された色再現画像は、上部パネル表示部910の「View」で「ab Plane」が選択されていることからa*−b*面に投影された二次元表示のものである。ただし、図9の場合とは異なり、この図11では、上部パネル表示部910の「Show Compare」がクリックされ、その結果、色再現画像表示部920には、2つの色再現画像が重ねられて表示されている。さらに、この図11では、下部パネル表示部930の「View Area」の「C」,「M」,「Y」,「K」がそれぞれ「ALL」,「ALL」,「0%」,「0%」と指定されており、したがって色再現画像表示部920には、Y=0%かつK=0%のC−M平面に並ぶ各格子点に対応するL***色空間の各ポイントが表示されている。
【0098】
また、この図11では、色再現画像上のある1つのポイントにマウスカーソル921が合わせられてマウスクリックがなされた結果、そのポイントが参照ポイントとして登録されるとともに、「Reference Point」の領域に、その参照ポイントのCMYKおよびL***の各値が表示されている。さらに、その参照ポイントには矩形のマークが表示され、かつ、その矩形マーク内にその参照ポイントが拡大されて表示される。この図11では、その後さらにマウスカーソル921が別のポイントを指し示すように移動され、「Reference Point」の左隣りに、マウスカーソル921が現在指し示しているポイントのCMYKおよびL***の各値が表示され、その下の「Delta E」の欄には、それら2つのポイントの間の色差が表示されている。
【0099】
図12は、図8に示すプロファイル作成表示装置800の画像表示部812により、画像表示装置82の表示画面82a(図2参照)上に表示される画像の第4例を示す図である。
【0100】
この画像も、これまでの図9〜図11と同様、上部パネル表示部910と、色再現画像表示部920と、下部パネル表示部930とで構成されている。
【0101】
この図12の色再現画像表示部920に表示された色再現画像は、上部パネル表示部910の「View」で「Lab Space」が選択されていることからL***色空間が三次元で表示された画像であり、しかも、この図12では、上部パネル表示部910の「Show Compare」がクリックされることにより、色再現画像表示部920には、2つの出力デバイスの色再現画像が重ねられた状態(この場合立体であるので、三次元的に表現すれば相互に入り込んだ状態をいう)で表示されている。
【0102】
この図12のその他の点は、図10に示す第2例の場合と同様であり、説明は省略する。
【0103】
尚、上記実施形態では、図1に示すプリンタ60のプロファイルを表示すること、およびそのプリンタ60のプロファイルに印刷機40のプロファイルを重ねて表示することを念頭において説明したが、図1〜図3に示すパーソナルコンピュータ80内に構成された、図8に示すプロファイル作成表示装置800では、プリンタプロファイルのみでなく、印刷機40(図1参照)のプロファイルを単独で表示することもでき、カラースキャナ10のプロファイルを作成・表示することもできる。カラースキャナ10のプロファイルを表示するにあたっては、図1に示す原稿画像11に代わり、図2に示すカラーチャート90と同一フォーマットのカラーチャートをカラースキャナ10で読み取ってCMYKの画像データを得、このようにして得た画像データを、例えばフロッピーディスク等の可搬型記憶媒体を介して、あるいはカラースキャナ10をパーソナルコンピュータ80に直接に接続しておいて読み取りを行なうことなどにより、パーソナルコンピュータ80に取り込み、さらに、そのカラースキャナ10に読み取らせたカラーチャートを分光測色計70で測色しL***の測色データを得てその測色データをパーソナルコンピュータ80に取り込み、そのパーソナルコンピュータ80内に構成された図8のプロファイル作成装置800のプロファイル作成部816でそれらCMYKの画像データとL***の測色データを対応づけることにより、カラースキャナ10のプロファイルを作成し、そのようにして作成したプロファイルを、上記の説明と同様にして表示することができる。また、このカラースキャナ10のプロファイルに、印刷機40のプロファイルあるいはプリンタ60のプロファイルを重ねて表示することもできる。あるいは、プロファイルの作成方法自体は本発明の主題ではなく、図1に図示されていない別の種類の入力デバイスや出力デバイス、例えば電子スチールカメラや画像ディスプレイ装置等のプロファイルを入手して、それを表示することもできる。
【0104】
このように、本発明では、画像を入力あるいは出力(表示を含む)するデバイスの種類を問わず、どのようなデバイスの色再現特性であっても単独で、あるいは複数重ねて表示することができる。
【0105】
また、上記実施形態はCMYK色空間とL***色空間との間の変換を取り扱うプロファイルの表示形態に関するものであるが、本発明は、それに限らず、RGB色空間とL***色空間、あるいは、CMYK色空間あるいはRGB色空間とXYZ色空間等との間の関係を規定したプロファイルを表示する場合にも適用することができるものである。
【0106】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、プロファイルデータ上で詳細な検討を行なうのに適した表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された印刷およびプルーフ画像作成システムの全体構成図である。
【図2】図1にブロックで示す分光測色計およびパーソナルコンピュータの外観斜視図である。
【図3】そのパーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】印刷プロファイルの概念図である。
【図5】プリンタプロファイルの概念図である。
【図6】印刷プロファイルとプリンタプロファイルを結合させた結合プロファイルを示す図である。
【図7】本発明の色再現特性表示プログラム記憶媒体の一実施形態を示す図である。
【図8】図1,図2に示すパーソナルコンピュータ内に構成された、本発明の色再現特性表示装置の一実施形態を含むプロファイル作成表示装置の機能ブロック図である。
【図9】画像表示装置の表示画面上に表示される画像の第1例を示す図である。
【図10】画像表示装置の表示画面上に表示される画像の第2例を示す図である。
【図11】画像表示装置の表示画面上に表示される画像の第3例を示す図である。
【図12】画像表示装置の表示画面上に表示される画像の第4例を示す図である。
【符号の説明】
10 カラースキャナ
20 ワークステーション
30 フィルムプリンタ
40 印刷機
50 パーソナルコンピュータ
60 プリンタ
70 分光測色計
80 パーソナルコンピュータ
700 色再現特性表示プログラム記憶媒体
710 色再現特性表示プログラム
711,811 範囲指定部
712,812 画像表示部
713,813 表示プロット指定部
714,814 モード切替部
800 プロファイル作成装置
815 測色データ入力部
816 プロファイル作成部
910 上部パネル表示部
920 色再現画像表示部
930 下部パネル表示部

Claims (6)

  1. 画像データ上の色を規定する第1の色空間の座標と画像上の色を規定する第2の色空間の座標との対応関係が画像データと画像との間を媒介するデバイスに応じて定義された色再現特性を表示する色再現特性表示装置において、
    前記第1の色空間内の所望の座標範囲を操作に応じて指定する範囲指定部と、
    前記第1の色空間内を格子状に区切ったときの各格子点の座標のうちの前記範囲指定部で指定された座標範囲内の各座標に対応する前記第2の色空間上の座標点をプロットした色再現画像を表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする色再現特性表示装置。
  2. 前記画像表示部は、前記色再現画像を、操作に応じて切り換えて、二次元表示で、あるいは三次元表示で、表示するものであることを特徴とする請求項1記載の色再現特性表示装置。
  3. 前記色再現画像上にプロットされた点のうちの所望の点を操作に応じて指定する表示プロット指定部を備え、
    前記画像表示部は、前記色再現画像とともに、前記表示プロット指定部により指定された前記色再現画像上の点に相当する、前記第1の色空間上の座標値と前記第2の色空間上の座標値とを表示するものであることを特徴とする請求項1記載の色再現特性表示装置。
  4. 前記色再現画像上にプロットされた点のうちの所望の2つの点を操作に応じて指定する表示プロット指定部を備え、
    前記画像表示部は、前記色再現画像とともに、前記表示プロット指定部により指定された前記色再現画像上の2つの点の、前記第2の色空間における距離の情報を表示するものであることを特徴とする請求項1記載の色再現特性表示装置。
  5. 前記画像表示部は、複数の出力デバイスに相当する複数の色再現画像を重ねて表示するモードを有するものであることを特徴とする請求項1記載の色再現特性表示装置。
  6. コンピュータを、画像データ上の色を規定する第1の色空間の座標と画像上の色を規定する第2の色空間の座標との対応関係が画像データと画像との間を媒介するデバイスに応じて定義された色再現特性を表示する色再現特性表示装置として動作させる色再現特性表示プログラムを記憶した色再現特性表示プログラム記憶媒体において、
    前記色再現特性表示プログラムが、
    前記第1の色空間内の所望の座標範囲を操作に応じて指定する範囲指定部と、
    前記第1の色空間内を格子状に区切ったときの各格子点の座標のうちの前記範囲指定部で指定された座標範囲内の各座標に対応する前記第2の色空間上の座標点をプロットした色再現画像を表示する画像表示部とを有するものであることを特徴とする色再現特性表示プログラム記憶媒体。
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