JP2004242072A - 色変換定義修正装置および色変換定義修正プログラム - Google Patents

色変換定義修正装置および色変換定義修正プログラム Download PDF

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浩和 近藤
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Abstract

【課題】本発明は、ターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と上記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正装置等に関し、色変換定義を効率良く修正することのできる色変換定義修正装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】第1チャートデータを色変換定義に基づいて第2チャートデータに色変換し、この第2チャートデータを出力色再現特性に基づいて模擬測色データに変換し、第1チャートデータに基づいてターゲットデバイスによって出力されたカラーチャートのカラーパッチを測色して得られた第1測色データと模擬測色データとの差異に基づいて色変換定義を修正する。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と上記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正装置、およびコンピュータをそのような色変換定義修正装置として動作させる色変換定義修正プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばカラースキャナや電子スチールカメラ等の入力デバイスで画像(ここでは原稿画像と称する)を取り込んで画像データを得、その画像データに基づいて今度は印刷機やプリンタやディスプレイ画面等の出力デバイスでその原稿画像を再生して再生画像を得ることが行われている。この場合、入力デバイスに応じた、原稿画像上の色と画像データにおける色表現とを対応付ける色再現特性(入力プロフィル)と、印刷機やプリンタ等の出力デバイスに応じた、画像データにおける色表現と再生画像上の色とを対応付ける色再現特性(出力プロファイル)とを求め、入力デバイスで原稿画像から得られた画像データを、それら双方の色再現特性(入力プロファイルおよび出力プロファイル)を合体させた1つの色変換定義(デバイスリンクプロファイル)に基づいて出力デバイスに適合した画像データに変換し、その出力デバイス用の画像データに基づいて再生画像を出力する。こうすることにより、もともとの原稿画像と色彩的に極力同一に似せた再生画像を得ることができる。
【0003】
また、これと同様のことは、出力デバイスどうしの間でも成立する。次に、その例について説明する。
【0004】
従来より、印刷機を用いたカラー画像の印刷を行うにあたっては、印刷を行う前に、カラープリンタ等を用いて、その印刷機で印刷される画像の色と極力同じ色に似せたプルーフ画像を作成することが行われている。プリンタでプルーフ画像を作成するにあたっては、印刷を行おうとしている印刷機の、例えばC(Cyan:シアン)、M(Magenta:マゼンタ)、Y(Yellow:イエロー)、K(Black:黒)の各網%を表わす色データと、その色データに基づいて出力される実際の印刷物の色との対応を定義した色再現特性(印刷プロファイル)と、プルーフ画像を出力しようとしているプリンタの、例えばCMYKの各網%を表わす色データと、その色データに基づいて実際にプリント出力されるプルーフ画像の色との対応を定義した色再現特性(プリンタプロファイル)とを知り、これらの印刷プロファイルとプリンタプロファイルとを合体させた1つの色変換定義(デバイスリンクプロファイル)に基づいて印刷用の画像データをプリンタ用の画像データに変換し、この変換されたプリンタ用の画像データに基づいてプルーフ画像を作成する。こうすることにより、実際の印刷物と色彩的に極力同一に似せたプルーフ画像を作成することができる。
【0005】
上記のようにして色を一致させた画像を得るためには、カラースキャナや電子スチールカメラなどといった入力デバイスの色再現特性(入力プロファイル)や、印刷機やプリンタなどといった出力デバイスの色再現特性(出力プロファイル)を正確に求める必要がある。
【0006】
この色再現特性(プロファイル)を求めるにあたっては、例えば入力デバイスの場合は、カラーパッチが配列されたカラーチャートをその入力デバイスで読み取って画像データに変換し、入力デバイスに依存した、画像データ上の色空間(入力デバイス色空間;例えばC、M、Y、およびKの4色からなるCMYK色空間、あるいはR(Red:赤)、G(Green:緑)、およびB(Blue:青)の3色からなるRGB色空間等)上の座標(CMYK値あるいはRGB値等)を求めるとともに、その同じカラーチャートを構成する各カラーパッチを分光測色計で測色してデバイス非依存の色空間(測色色空間;例えばL色空間あるいはXYZ色空間等)上の測色値(L値あるいはXYZ値等)を求め、それらターゲット色空間上の座標と測色色空間上の測色値とを対応付ける。
【0007】
また、出力デバイスの色再現特性(出力プロファイル)を求めるにあたっては、例えばCMYKの4色それぞれについて網%を0%,10%,……,100%のように順次変化させた複数種類の色データそれぞれに対応するカラーパッチが配列されたカラーチャートに相当する画像データを作成し、その画像データに基づいて出力デバイスでカラーチャートを出力し、その出力されたカラーチャートを構成する各カラーパッチを分光測色計で測色し、そのようにして得た、出力デバイスに依存した、画像データ上の色空間(出力デバイス色空間)上の座標と、デバイス非依存の色空間(測色色空間)上の測色値とを対応付ける。
【0008】
基本的にはこのようにして色再現特性(プロファイル)が求められるが、カラーチャートを構成するカラーパッチの数は色再現特性(プロファイル)の一点一点に対応するほど多数ではないため、上述したような対応関係は、色空間上かなり粗い、まばらな座標に対応する対応関係であり、色再現特性(プロファイル)としては粗すぎるものである。したがって上記のようにしてカラーチャートを構成する各カラーパッチを測色することにより得られた、デバイスに依存した、画像データ上の色空間(デバイス色空間)上の座標と、デバイス非依存の色空間(測色色空間)上の測色値との対応付けに基づいて、補間演算等により、デバイス色空間上の座標と測色色空間上の測色値との対応のペアの数を増やすことなどが行なわれ、最終的に所望の色変換定義(デバイスリンクプロファイル)が生成される。
【0009】
ところが、上述したようにして入力デバイスや出力デバイスの色再現特性(プロファイル)を正確に求めても、分光測色計による測定誤差や、その色再現特性(プロファイル)を作成しようとしている対象のデバイスの特性(例えば出力色の位置依存性)に起因したカラーパッチの色誤差や、実用的なカラーマッチング精度を高めるために、肌色などといった特定の重要色のカラーパッチをカラーチャートを構成するカラーパッチとして追加することなどにより、作成した色再現特性(プロファイル)に歪みが生じ、その結果、最終的に得られる色変換定義(デバイスリンクプロファイル)に基づいて画像データを変換しても、印刷物とプルーフ画像との間の色が微妙に食い違うおそれがある。
【0010】
ここで、上述した、印刷プロファイルとプリンタプロファイルとを合体させた1つの色変換定義(デバイスリンクプロファイル)に基づく色変換におけるカラーマッチングの精度を高めるためのデバイスリンクプロファイルの修正方法について説明する。
【0011】
まず、印刷用のCMYK4色の網%データに基づくカラーチャートを印刷機で出力し、このカラーチャートを構成する各カラーパッチを分光測色計で測色する。
【0012】
次に、その印刷用のCMYK4色の網%データを、デバイスリンクプロファイルを用いてプリンタ用のCMYKの画像データに変換し、プリンタにより、そのプリンタ用のCMYKの画像データに基づくカラーチャートをプリント出力する。このカラーチャートを構成する各カラーパッチを分光測色計で測色する。
【0013】
そして、印刷機で出力されたカラーチャートを構成する各カラーパッチを測色して得られる測色値と、プリント出力されたカラーチャートを構成する各カラーパッチを測色して得られる測色値との色差に基づいてデバイスリンクプロファイルを修正することによって、実用的なカラーマッチング精度がより高められたデバイスリンクプロファイルが得られる(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−278547号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に提案された、デバイスリンクプロファイルを修正する方法によれば、分光測色計によって測色される測色値上の差異が修正されるため、デバイスリンクプロファイルの精度が上げられ、実際の印刷物と色の一致したプルーフ画像を作成することができる。
【0016】
この特許文献1に提案された、デバイスリンクプロファイルを修正する方法によれば、デバイスリンクプロファイルの修正を繰り返すことで、次第にデバイスリンクプロファイルの精度を上げることができるが、カラーチャートのカラーパッチ数が多い場合にはカラーパッチを測色する測定時間が長くなり、その結果、デバイスリンクプロファイルの修正に多大な時間を要するといった問題がある。
【0017】
また、実用的なカラーマッチング精度を高めるために、肌色に代表される特定の重要色などといった、デバイスリンクプロファイルを作成するにあたって使用されたカラーチャートを構成するカラーパッチに含まれない色に着目してデバイスリンクプロファイルを修正する場合は、最初の修正の際の色差が大きいため、デバイスリンクプロファイルの精度を上げるためにはデバイスリンクプロファイルの修正をより多く繰り返す必要があり、この場合も、デバイスリンクプロファイルの修正に多大な時間を要することとなる。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑み、色変換定義を効率良く修正することのできる色変換定義修正装置、およびコンピュータをそのような色変換定義修正装置として動作させる色変換定義修正プログラムを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の色変換定義修正装置のうちの第1の色変換定義修正装置は、
画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と上記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正装置において、
複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、上記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて上記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、上記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
上記第1チャートデータを、上記色変換定義に基づいて、上記出力デバイス色空間上の座標で色が定義された第2チャートデータに変換する第1色変換部と、
上記第1色変換部で得られた第2チャートデータを、上記出力色再現特性に基づいて、上記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
上記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、上記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて上記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の色変換定義修正装置のうちの第1の色変換定義修正装置は、第1チャートデータを色変換定義に基づいて第2チャートデータに色変換し、この第2チャートデータを出力色再現特性に基づいて模擬測色データに変換し、第1チャートデータに基づいてターゲットデバイスによって出力されたカラーチャートのカラーパッチを測色して得られた第1測色データと模擬測色データとの差異に基づいて色変換定義を修正するものである。従って、第2チャートデータに基づいて出力デバイスによって出力されるカラーチャートのカラーパッチを測色するといった長い時間を要する従来の行程による修正と同様な修正が、短時間の計算によるシミュレーションで実現されるため、このような第1の色変換定義修正装置によれば、色変換定義を効率良く修正してカラーマッチング精度の高い色変換定義を得ることができる。
【0021】
ここで、上記本発明の色変換定義修正装置のうちの第1の色変換定義修正装置は、上記第1チャートデータを、上記色変換定義が1回以上修正されてなる修正色変換定義に基づいて、上記出力デバイス色空間上の座標で色が定義された第3チャートデータに変換する第2色変換部と、
上記第2色変換部で得られた第3チャートデータに基づいて上記出力デバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、上記測色色空間上の座標で色が定義された第2測色データを取得する第2測色データ取得部と、
上記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、上記第2測色データ取得部で取得された第2測色データとの差異に基づいて、上記修正色変換定義の再修正を行う色変換定義再修正部とを備えたものであることが好ましい。
【0022】
このような第2色変換部と第2測色データ取得部と色変換定義再修正部とを備えた第1の色変換定義修正装置によれば、上述した、カラーマッチング精度の高い修正色変換定義に基づいてその修正色変換定義を再修正するため、より少ない繰り返し回数で色差が収束する。
【0023】
また、上記第2色変換部と上記第2測色データ取得部と上記色変換定義再修正部とを備えた第1の色変換定義修正装置は、上記第1測色データと上記第2測色データとの差異と、この差異に基づいて上記色変換定義再修正部によって再修正される前の修正色変換定義とを対応付けて保存する保存部と、
上記保存部によって保存された修正色変換定義のうち、上記差異が最小の修正色変換定義を選択する色変換定義選択部とを備えたものであることも好ましい形態である。
【0024】
このように、色変換定義の修正を繰り返す間、その修正の過程で得られる色差と修正色変換定義との双方を対応付けた上で保存しておくことにより、保存された色差に基づいて、最適な修正色変換定義を得ることができる。
【0025】
さらに、上記第2色変換部と第2測色データ取得部と色変換定義再修正部とを備えた第1の色変換定義修正装置において、上記出力デバイスが、網点構造の画像を出力するものであり、
上記色変換定義再修正部による修正が終わった修正色変換定義に対し、上記網点構造の特定構造に相当する上記ターゲット色空間上の特定座標と、その特定構造に相当する上記出力デバイス色空間上の特定座標とが対応するような修正を施す特定構造維持部を備えたものであることが好ましい。
【0026】
ここで、上記「網点構造の特定構造」とは、例えば1次色べた成分、2次色べた成分、1次色の補色成分、2次色の補色成分、墨版色成分などをいう。
【0027】
出力デバイスが、網点構造の画像を出力するものである場合には、例えば1次色保存、2次色保存、墨版色保存などといった、網点構造の特定構造を維持させるようなカラーマッチング以外の要素が色変換定義に含まれていることがあるが、これらの要素を外して色変換定義の修正を行うことにより、色変換定義をより一層効率良く修正することができる。また、修正が終わった修正色変換定義に対して網点構造の特定構造を維持させるような修正を施すことによって、その特定構造を修正後の色変換定義に反映させることができる。
【0028】
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義修正装置のうちの第2の色変換定義修正装置は、
画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と上記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正装置において、
複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、上記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて上記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、上記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
上記第1チャートデータを、上記ターゲット色再現特性に基づいて、上記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
上記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、上記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて上記ターゲット色再現特性を修正することによって上記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする。
【0029】
本発明の色変換定義修正装置のうちの第2の色変換定義修正装置は、第1チャートデータをターゲット色再現特性に基づいて模擬測色データに変換し、第1チャートデータに基づいてターゲットデバイスによって出力されたカラーチャートのカラーパッチを測色して得られた第1測色データと模擬測色データとの差異に基づいてターゲット色再現特性を修正することによって色変換定義を修正するものである。従って、短時間の計算によるシミュレーションによって、より精度の高いターゲット色再現特性を得ることができ、その結果、このような第2の色変換定義修正装置によれば、色変換定義を効率良く修正することができる。また、この第2の色変換定義修正装置によって修正されるターゲット色再現特性はカラーマッチング精度の高いものであるため、この修正されたターゲット色再現特性に基づいて複数の異なるデバイスリンクプロファイルを修正する場合にも効率良く修正することができる。
【0030】
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義修正プログラムのうちの第1の色変換定義修正プログラムは、
画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と上記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正プログラムにおいて、
複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、上記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて上記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、上記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
上記第1チャートデータを、上記色変換定義に基づいて、上記出力デバイス色空間上の座標で色が定義された第2チャートデータに変換する第1色変換部と、
上記第1色変換部で得られた第2チャートデータを、上記出力色再現特性に基づいて、上記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
上記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、上記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて上記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明の色変換定義修正プログラムのうちの第1の色変換定義修正プログラムは、この第1の色変換定義修正プログラムをコンピュータにインストールして動作させたときに、そのコンピュータが本発明の色変換定義修正装置のうちの第1の色変換定義修正装置として動作するように構成されたものであり、この第1の色変換定義修正プログラムには、その第1の色変換定義修正装置の各種態様に対応する全ての態様が含まれる。
【0032】
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義修正プログラムのうちの第2の色変換定義修正プログラムは、
画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と上記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正プログラムにおいて、
複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、上記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて上記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、上記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
上記第1チャートデータを、上記ターゲット色再現特性に基づいて、上記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
上記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、上記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて上記ターゲット色再現特性を修正することによって上記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明の色変換定義修正プログラムのうちの第2の色変換定義修正プログラムは、この第2の色変換定義修正プログラムをコンピュータにインストールして動作させたときに、そのコンピュータが本発明の色変換定義修正装置のうちの第2の色変換定義修正装置として動作するように構成されたものであり、この第2の色変換定義修正プログラムには、その第2の色変換定義修正装置の各種態様に対応する全ての態様が含まれる。
【0034】
なお、本発明の色変換定義修正装置と色変換定義修正プログラムとで、それぞれ構成要素に同じ名前を付したが、それらの構成要素は、色変換定義修正装置ではハードウェアおよびソフトウェアを意味し、色変換定義修正プログラムではソフトウェアのみを意味する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0036】
本実施形態では、網点構造の画像を出力するカラープリンタでプリント出力されるプルーフ画像上の色を、印刷機で得られる印刷物上の色に一致あるいは十分に近似させるための、本発明にいう色変換定義の一例であるデバイスリンクプロファイルを修正する例で説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態により修正されるデバイスリンクプロファイルが採用される印刷およびプルーフ画像作成システムの全体構成図である。ここでは、先ずこの図1を参照して、本発明の位置づけについて説明する。
【0038】
カラースキャナ10では、原稿画像11が読み取られて、その読み取った原稿画像11を表すC(Cyan:シアン)、M(Magenta:マゼンタ)、Y(Yellow:イエロー)、およびK(Black:黒)からなる4色の色分解画像データが生成される。このCMYKの画像データはワークステーション20に入力される。ワークステーション20では、オペレータにより、入力された画像データに基づく、電子的な集版が行われ、印刷用の画像を表す画像データが生成される。この印刷用の画像データは、印刷を行う場合は、フィルムプリンタ30に入力され、フィルムプリンタ30では、その入力された画像データに対応した、CMYK各版の印刷用フィルム原版が作成される。
【0039】
この印刷用フィルム原版からは刷版が作成され、その作成された刷版が印刷機40に装着される。この印刷機40に装着された刷版にはインクが塗布され、その塗布されたインクが印刷用の用紙上に転移されてその用紙上に印刷画像41が形成される。
【0040】
このフィルムプリンタ30によりフィルム原版を作成し、さらに刷版を作成して印刷機40に装着し、その刷版にインクを塗布して用紙上に印刷を行う一連の作業は、大がかりな作業であり、コストもかかる。このため、実際の印刷作業を行う前に、プリンタ60により、以下のようにしてプルーフ画像61を作成し、印刷画像41の仕上りの事前予測が行われる。
【0041】
プルーフ画像を作成するにあたっては、ワークステーション20上の電子集版により作成された画像データがパーソナルコンピュータ50に入力される。ここで、このパーソナルコンピュータ50に入力される画像データは、いわゆるPDL(Page Description Language)で記述された記述言語データであり、パーソナルコンピュータ50では、いわゆるRIP(Raster Image Processor)により、ビットマップに展開されたCMYK4色の画像データに変換される。このCMYK4色の画像データは、実質的には、フィルムプリンタ30に入力される印刷用の画像データと同一である。
【0042】
この図1に示す分光測色計70およびパーソナルコンピュータ80は、プロファイルの作成および修正に関連するものであって、パーソナルコンピュータ80は本発明にいう色変換定義修正装置の一実施形態を構成するものであり、分光測色計70は補助的に用いられる装置である。パーソナルコンピュータ50には、このパーソナルコンピュータ80を用いてあらかじめ作成・修正されたLUT(Look Up Table)の形式を持つデバイスリンクプロファイルが格納されている。上述したCMYK4色の印刷用の画像データは、このパーソナルコンピュータ50の内部で、そのデバイスリンクプロファイルが参照され、プリンタ60に適合したCMYK4色の画像データに変換される。プリンタ60には、そのプリンタ用のCMYK4色の画像データが入力され、プリンタ60では、その入力されたプリンタ用のCMYK4色の画像データに基づくプルーフ画像61が作成される。
【0043】
ここで、印刷機40による印刷で得られた画像41とプリンタ60で得られたプルーフ画像の色の一致の程度は、パーソナルコンピュータ50内のデバイスリンクプロファイルにより定まる。このデバイスリンクプロファイルは、プリンタごと各プリント条件ごとに作成される。
【0044】
また、この図1には印刷機は1台のみ示されているが印刷機も複数台存在していてもよく、あるいは1台の印刷機であっても異なる複数の印刷条件が存在してもよく、デバイスリンクプロファイルは、印刷機の相異を含めた複数の印刷条件それぞれに応じて作成される。すなわち、デバイスリンクプロファイルは、印刷条件のそれぞれとプリンタそれぞれ(1台のプリンタで複数のプリント条件が存在するときは各プリント条件それぞれ)との組合せに応じて作成されることになる。尚、このデバイスリンクプロファイルの作成方法については後述する。
【0045】
このようにしてプルーフ画像を作成してそのプルーフ画像を確認することにより、印刷の仕上りを事前に予測することができる。
【0046】
ここで、この図1に示す印刷およびプルーフ画像作成システムにおける、本発明の一実施形態としての特徴は、パーソナルコンピュータ80の内部で実行される処理内容に関連があり、以下、先ず、このパーソナルコンピュータ80について説明する。
【0047】
図2は、図1にブロックで示す分光測色計70、および本発明の色変換定義修正装置の一実施形態を構成するパーソナルコンピュータ80の外観斜視図、図3は、そのパーソナルコンピュータ80のハードウェア構成図である。
【0048】
ここでは、このパーソナルコンピュータ80のハードウェアおよびOS(Operation System)と、このパーソナルコンピュータ80にインストールされて実行される色変換定義修正プログラムとにより、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態が構成されている。
【0049】
この図2に示す分光測色計70には複数のカラーパッチが配列されたカラーチャート90が乗せられ、そのカラーチャート90を構成する複数のカラーパッチそれぞれについて測色値(ここではLとする)が測色される。この分光測色計70での測色により得られた各カラーパッチの測色値を表す測色データは、ケーブル91を経由してパーソナルコンピュータ80に入力される。
【0050】
このカラーチャート90は、図1に1つのブロックで示す印刷機40での印刷により、あるいはプリンタ60でのプリント出力により作成されたものであり、パーソナルコンピュータ80は、このカラーチャート90を構成する各カラーパッチに対応する色データ(デバイスに依存した色空間上の座標;CMYKあるいはRGBの各値)を知っており、このパーソナルコンピュータ80では、そのカラーチャート90の各カラーパッチの色データと分光測色計70で得られた測色データとに基づいて、印刷プロファイルやプリンタプロファイルが作成される。この点に関する詳細説明は後に譲り、ここでは、次に、パーソナルコンピュータ80のハードウェア構成について説明する。
【0051】
図2に示すように、このパーソナルコンピュータ80は、外観構成上、本体装置81、その本体装置81からの指示に応じて表示画面82a上に画像を表示する画像表示装置82、本体装置81に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード83、および、表示画面82a上の任意の位置を指定することにより、その指定時にその位置に表示されていた、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス84を備えている。この本体装置81は、外観上、フレキシブルディスク(FD)を装填するためのFD装填口81a、およびCD−ROMを装填するためのCD−ROM装填口81bを有する。
【0052】
本体装置81の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU811、ハードディスク装置813に格納されたプログラムが読み出されCPU811での実行のために展開される主メモリ812、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置813、FD100が装填されその装填されたFD100をアクセスするFDドライブ814、CD−ROM110が装填され、その装填されたCD−ROM110をアクセスするCD−ROMドライブ815、図1,図2に示す分光測色計70と接続され、分光測色計70から測色データを受け取るI/Oインタフェース816が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す画像表示装置82、キーボード83、マウス84は、バス85を介して相互に接続されている。
【0053】
ここで、CD−ROM110には、このパーソナルコンピュータ80を色変換定義修正装置として動作させるための色変換定義修正プログラムが記憶されており、そのCD−ROM110はCD−ROMドライブ815に装填され、そのCD−ROM110に記憶された色変換定義修正プログラムがこのパーソナルコンピュータ80にアップロードされてハードディスク装置813に記憶される。
【0054】
なお、このパーソナルコンピュータ80による、以下において説明するプロファイルの作成の機能は、本発明の主題ではなく、その機能を実現するために必要なプログラム等は既にパーソナルコンピュータ80にインストールされているものとする。
【0055】
次に、このパーソナルコンピュータ80内に構築された、プロファイルの作成機能について説明する。
【0056】
尚、一般に、以下説明するプリンタプロファイルはプリンタのメーカで既に作成され、そのプリンタとともに納品されるものであり、したがってここでは、プリンタプロファイルをあらためて作成する必要はないが、以下では、そのプリンタプロファイルを新たに作成するとした場合の基本的な作成方法について説明する。
【0057】
図4は、プロファイル作成および修正の説明図である。
【0058】
ここでは、先ず印刷プロファイルの作成方法について説明する。
【0059】
図1に示すワークステーション20で、例えば0%,10%,……,100%と順次変化させたCMYK4色の網%データを生成し、前述の印刷手順に従って、そのようにして生成した網%データに基づくカラーチャート42を作成する。このカラーチャート42を構成する各カラーパッチを分光測色計70(図2参照)で測色する。こうすることにより、CMYK4色の色空間上のCMYK値と、L色空間上のL値との対応関係を得る。
【0060】
このようにして得られた対応関係は、カラーチャートを構成するカラーパッチの数に制限があるため、CMYK色空間上のかなり粗い間隔の座標点についてのCMYK値とL値との対応関係である。このため、この対応関係を得た後、この対応関係に補間演算等を適用して、CMYK空間上での所望の細かい間隔の座標点に関する対応関係が定義された印刷プロファイル400が作成される。
【0061】
図5は、印刷プロファイル400の概念図である。
【0062】
この印刷プロファイル400には、CMYKで定義された画像データが入力され、そのCMYKの画像データがLで定義された画像データに変換される。ここでは、この、CMYKで定義された画像データをLで定義された画像データに変換する印刷プロファイル400をTで表す。
【0063】
次に、図4に戻って、プリンタプロファイルの作成方法について説明する。
【0064】
このプリンタプロファイルの作成方法は、カラーチャートを出力する出力デバイスが印刷機ではなくプリンタであるという点を除き、印刷プロファイル400の作成方法と同様である。すなわち、ここでは、図1に示すパーソナルコンピュータ50で、CMYK4色の網%データを各色について0%,10%,…,100%と順次変化させ、そのように順次発生させた網%データをプリンタ60に送り、プリンタ60でその網%データに基づくカラーチャート62をプリント出力する。ここでは、印刷プロファイル400の作成のために印刷機40での印刷により作成したカラーチャート42と同一タイプのカラーチャート62を出力したものとし、そのカラーチャート62を構成する各カラーパッチを分光測色計70(図2参照)で測色する。こうすることにより、プリンタ60についての、CMYK4色の色空間上のCMYK値と、L色空間上のL値との対応関係を得る。
【0065】
このようにして得られた対応関係は、印刷プロファイル400の作成の場合と同様、カラーチャートを構成するカラーパッチの数に制限があるため、CMYK色空間上のかなり粗い間隔の座標点についてのCMYK値とL値との対応関係であり、この対応関係に補間演算を適用して、CMYK空間上での所望の細かい間隔での座標点に関する対応関係が定義されたプリンタプロファイル500が作成される。
【0066】
図6は、プリンタプロファイル500の概念図である。
【0067】
このプリンタプロファイル500には、CMYKの網%データが入力され、そのCMYKの網%データがLの測色データに変換される。ここでは、この、CMYKの網%データをLの測色データに変換するプリンタプロファイル500(順変換プリンタプロファイル)をPで表し、その逆変換、すなわちLの測色データをCMYKの網%データに変換するプリンタプロファイル(逆変換プリンタプロファイル)をP−1で表す。
【0068】
尚、ここではプリンタ60はCMYKの網%データに基づいて画像を出力するプリンタであるとして説明しているが、例えばRGBのデータに基づく画像を出力するプリンタに関しても、パーソナルコンピュータ50で、RGB空間で定義されたデータを発生させてカラーチャートを出力することにより、同様にしてそのプリンタに適合したプリンタプロファイルを作成することができる。
【0069】
ただしここでは、CMYKの網%データに基づいて画像を出力するプリンタ60を使用するものとして説明する。
【0070】
図7は、図5に示す印刷プロファイル400と図6に示すプリンタプロファイル500とを結合させたデバイスリンクプロファイル600の概念図である。
【0071】
このデバイスリンクプロファイル600は印刷プロファイル400(T)と逆変換プリンタプロファイル(P−1)との結合からなるものであって、印刷用のCMYKの網%データを印刷プロファイル400(T)によりLの測色データに変換し、次いでそのLの測色データを逆変換プリンタプロファイル(P−1)によりプリンタ用のCMYKの網%データに変換するという2段階の変換と同等な結果を1回のデータ変換で実現するものである。つまり、このデバイスリンクプロファイル600は、印刷用のCMYK色空間で定義された画像データをプリンタ用のCMYK色空間で定義された画像データに変換するものである。このデバイスリンクプロファイル600で生成したプリンタ用のCMYKの網%データに基づいて、プリンタ60により、印刷される画像の色と極力同じ色に似せたプルーフ画像を出力することができる。
【0072】
図1に示す印刷およびプルーフ画像作成システムを構成するパーソナルコンピュータ80でこのようなデバイスリンクプロファイル600を作成し、この作成したデバイスリンクプロファイル600を図1に示す印刷およびプルーフ画像作成システムを構成するパーソナルコンピュータ50にインストールして、ワークステーション20から入力されたPDLで記述された画像データをCMYKの画像データに変換した後、その印刷用のCMYKの画像データを、そのデバイスリンクプロファイル600を用いてプリンタ用のCMYKの画像データに変換し、プリンタ60により、そのプリンタ用のCMYKの画像データに基づく画像をプリント出力することにより、図1に示す印刷機40で印刷される画像と色彩的に極力同一に似せたプルーフ画像が作成される。
【0073】
次に、図4に戻って、デバイスリンクプロファイル600に基づく色変換におけるカラーマッチングの精度を高めるためのデバイスリンクプロファイル600の従来の修正方法について説明する。
【0074】
例えば肌色などといった特定の重要色を含むカラーパッチが配列されたカラーチャート(以下、このカラーチャートを評価用カラーチャートと称する)により表される印刷用のCMYK4色の網%データに基づくカラーチャート43を、前述の印刷手順に従って作成する。このカラーチャート43を構成する各カラーパッチを分光測色計70(図2参照)で測色する。
【0075】
また、上述したようにして作成されたデバイスリンクプロファイル600を図1に示す印刷およびプルーフ画像作成システムを構成するパーソナルコンピュータ50にインストールして、上述した評価用カラーチャートにより表される印刷用のCMYK4色の網%データを、そのデバイスリンクプロファイル600を用いてプリンタ用のCMYKの画像データに変換し、プリンタ60により、そのプリンタ用のCMYKの画像データに基づくカラーチャート64をプリント出力する。このカラーチャート64を構成する各カラーパッチを分光測色計70(図2参照)で測色する。
【0076】
カラーチャート43を構成する各カラーパッチを測色して得られる測色値と、カラーチャート64を構成する各カラーパッチを測色して得られる測色値との色差に基づいてデバイスリンクプロファイル600を修正することによって、実用的なカラーマッチング精度がより高められたデバイスリンクプロファイル600が得られる。
【0077】
ここで、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、デバイスリンクプロファイル600の修正を繰り返すことで、次第にデバイスリンクプロファイル600の精度を上げることができるが、カラーチャートのカラーパッチ数が多い場合にはカラーパッチを測色する測定時間が長くなり、その結果、デバイスリンクプロファイル600の修正に多大な時間を要するといった問題がある。
【0078】
また、実用的なカラーマッチング精度を高めるために、肌色に代表される特定の重要色などといった、デバイスリンクプロファイル600を作成するにあたって使用されたカラーチャート42を構成するカラーパッチに含まれない色に着目した、例えば上述した評価用カラーチャートを用いてデバイスリンクプロファイル600を修正する場合は、最初の修正の際の色差が大きいため、デバイスリンクプロファイル600の精度を上げるためにはデバイスリンクプロファイル600の修正をより多く繰り返す必要があり、この場合も、デバイスリンクプロファイル600の修正に多大な時間を要することとなる。
【0079】
そこで、次に、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80が本発明の色変換定義修正装置の一実施形態として動作することによって実現される、色変換定義を効率良く修正することのできる色変換定義修正の一例について説明する。
【0080】
図8は、本発明の色変換定義修正プログラムの一実施形態を示した図である。
【0081】
この図8に示す色変換定義修正プログラム210は、図3に示すCD−ROM110に記憶されている。
【0082】
この色変換定義修正プログラム210は、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80内で実行され、そのパーソナルコンピュータ80を、印刷用のCMYK色空間で定義された画像データをプリンタ用のCMYK色空間で定義された画像データに変換するデバイスリンクプロファイルを修正する色変換定義修正装置として動作させる色変換定義修正プログラムである。この色変換定義修正プログラム210は、第1測色データ取得部211と、第1色変換部212と、模擬色変換部213と、デバイスリンクプロファイル修正部214と、第2色変換部215と、第2測色データ取得部216と、デバイスリンクプロファイル再修正部217と、保存部218と、デバイスリンクプロファイル選択部219と、特定構造維持部220とから構成されている。
【0083】
この色変換定義修正プログラム210の各要素の作用については後述する。
【0084】
図9は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【0085】
この図9に示す色変換定義修正装置300は、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80に、図8に示す色変換定義修正プログラム210がローディングされ、その色変換定義修正プログラム210がそのパーソナルコンピュータ80内で実行されることにより実現される。
【0086】
この図9に示す色変換定義修正装置300は、印刷用のCMYK色空間で定義された画像データをプリンタ用のCMYK色空間で定義された画像データに変換するデバイスリンクプロファイルを修正するものであって、この色変換定義修正装置300には、第1測色データ取得部311と、第1色変換部312と、模擬色変換部313と、デバイスリンクプロファイル修正部314と、第2色変換部315と、第2測色データ取得部316と、デバイスリンクプロファイル再修正部317と、保存部318と、デバイスリンクプロファイル選択部319と、特定構造維持部320とが備えられている。
【0087】
この色変換定義修正装置300に備えられている第1測色データ取得部311、第1色変換部312、模擬色変換部313、デバイスリンクプロファイル修正部314、第2色変換部315、第2測色データ取得部316、デバイスリンクプロファイル再修正部317、保存部318、デバイスリンクプロファイル選択部319、および特定構造維持部320の各要素は、それぞれ、図8に示す色変換定義修正プログラム210を構成するソフトウェア部品としての第1測色データ取得部211、第1色変換部212、模擬色変換部213、デバイスリンクプロファイル修正部214、第2色変換部215、第2測色データ取得部216、デバイスリンクプロファイル再修正部217、保存部218、デバイスリンクプロファイル選択部219、および特定構造維持部220の各要素と、それらのソフトウェア部品の各機能を実現するために必要な、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80のハードウェアとOS(Operation System)やアプリケーションプログラムとの組み合わせから構成されている。
【0088】
以下、図9に示す色変換定義修正装置300の各要素を説明することによって、図8に示す色変換定義修正プログラム210の各要素も合わせて説明する。
【0089】
なお、ここでは、この色変換定義修正装置300の各要素の概念的な作用について説明し、これら各要素の具体的な作用については後述する。
【0090】
図9に示す色変換定義修正装置300の第1測色データ取得部311は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の第1測色データ取得部211に対応する要素であり、複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、印刷用のCMYK色空間上のCMYK値で色が定義された第1チャートデータに基づいて印刷機40によって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、L色空間上のL値で色が定義された第1測色データを取得するものである。この第1測色データ取得部311は、本発明にいう第1測色データ取得部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80のI/Oインタフェース816と、プログラム部品としての第1測色データ取得部211(図8参照)を実行するCPU811等との組合せによって担われる。
【0091】
また、第1色変換部312は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の第1色変換部212に対応する要素であり、印刷用のCMYK色空間上のCMYK値で色が定義された第1チャートデータを、デバイスリンクプロファイルに基づいて、プリンタ用のCMYK色空間上のCMYK値で色が定義された第2チャートデータに変換するものである。この第1色変換部312は、本発明にいう第1色変換部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としての第1色変換部212(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0092】
また、模擬色変換部313は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の模擬色変換部213に対応する要素であり、第1色変換部312で得られた第2チャートデータを、プリンタプロファイルに基づいて、L色空間上のL値で色が定義された第1模擬測色データに変換するものである。また、この模擬色変換部313は、印刷用のCMYK色空間上のCMYK値で色が定義された第1チャートデータを、印刷プロファイルに基づいて、L色空間上のL値で色が定義された第2模擬測色データに変換することもできる。この模擬色変換部313は、本発明にいう模擬色変換部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としての模擬色変換部213(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0093】
また、デバイスリンクプロファイル修正部314は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210のデバイスリンクプロファイル修正部214に対応する要素であり、第1測色データ取得部311で取得された第1測色データと、模擬色変換部313で得られた第1模擬測色データとの差異に基づいてデバイスリンクプロファイルを修正するものである。また、このデバイスリンクプロファイル修正部314は、第1測色データ取得部311で取得された第1測色データと、模擬色変換部313で得られた第2模擬測色データとの差異に基づいて印刷プロファイルを修正することによってデバイスリンクプロファイルを修正することもできる。尚、具体的な修正方法については後述する。このデバイスリンクプロファイル修正部314は、本発明にいうデバイスリンクプロファイル修正部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としてのデバイスリンクプロファイル修正部214(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0094】
また、第2色変換部315は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の第2色変換部215に対応する要素であり、印刷用のCMYK色空間上のCMYK値で色が定義された第1チャートデータを、デバイスリンクプロファイルが1回以上修正されてなる修正デバイスリンクプロファイルに基づいて、プリンタ用のCMYK色空間上のCMYK値で色が定義された第3チャートデータに変換するものである。この第2色変換部315は、本発明にいう第2色変換部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としての第2色変換部215(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0095】
また、第2測色データ取得部316は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の第2測色データ取得部216に対応する要素であり、第2色変換部315で得られた第3チャートデータに基づいてプリンタ60によって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、L色空間上のL値で色が定義された第2測色データを取得するものである。この第2測色データ取得部316は、本発明にいう第2測色データ取得部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80のI/Oインタフェース816と、プログラム部品としての第2測色データ取得部216(図8参照)を実行するCPU811等との組合せによって担われる。
【0096】
また、デバイスリンクプロファイル再修正部317は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210のデバイスリンクプロファイル再修正部217に対応する要素であり、第1測色データ取得部311で取得された第1測色データと、第2測色データ取得部316で取得された第2測色データとの差異に基づいて、修正デバイスリンクプロファイルの再修正を行うものである。このデバイスリンクプロファイル再修正部317は、本発明にいう色変換定義再修正部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としてのデバイスリンクプロファイル再修正部217(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0097】
このように、デバイスリンクプロファイル修正部314によってデバイスリンクプロファイルが1回以上修正されてなる、カラーマッチング精度の高い修正デバイスリンクプロファイルに基づいてその修正デバイスリンクプロファイルが再修正されるため、より少ない繰り返し回数で色差が収束する。
【0098】
また、保存部318は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の保存部218に対応する要素であり、L色空間上のL値で色が定義された第1測色データと、L色空間上のL値で色が定義された第2測色データとの差異と、この差異に基づいてデバイスリンクプロファイル再修正部317によって再修正される前の修正デバイスリンクプロファイルとを対応付けて保存するものである。この保存部318は、本発明にいう保存部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80に内蔵された主メモリ812あるいはハードディスク装置813と、プログラム部品としての保存部218(図8参照)を実行するCPU811等との組合せによって担われる。
【0099】
このように、デバイスリンクプロファイルの修正を繰り返す間、その修正の過程で得られる色差と修正デバイスリンクプロファイルとの双方を対応付けた上で保存しておくことにより、保存された色差に基づいて、最適な修正デバイスリンクプロファイルを得ることができる。
【0100】
また、デバイスリンクプロファイル選択部319は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210のデバイスリンクプロファイル選択部219に対応する要素であり、保存部318によって保存された修正デバイスリンクプロファイルのうち、差異が最小の修正デバイスリンクプロファイルを選択するものである。このデバイスリンクプロファイル選択部319は、本発明にいう色変換定義選択部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としてのデバイスリンクプロファイル選択部219(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0101】
さらに、特定構造維持部320は、アプリケーションソフトウェア上は、図8に示す色変換定義修正プログラム210の特定構造維持部220に対応する要素であり、デバイスリンクプロファイル再修正部317による修正が終わった修正デバイスリンクプロファイルに対し、例えば1次色べた成分、2次色べた成分、1次色の補色成分、2次色の補色成分、墨版色成分などといった網点構造の特定構造に相当する印刷用のCMYK色空間上の特定座標と、その特定構造に相当するプリンタ用のCMYK色空間上の特定座標とが対応するような修正を施すものである。この特定構造維持部320は、本発明にいう特定構造維持部の機能の一例を示すものであり、その機能は、ハードウェア上は、プログラム部品としての特定構造維持部220(図8参照)を実行する、図1,図2,図3に示すパーソナルコンピュータ80の本体装置81に内蔵されたCPU811等によって担われる。
【0102】
本実施形態における出力デバイスは、網点構造の画像を出力するカラープリンタであるため、例えば1次色保存、2次色保存、墨版色保存などといった、網点構造の特定構造を維持させるようなカラーマッチング以外の要素がデバイスリンクプロファイルに含まれていることがあるが、これらの要素を外してデバイスリンクプロファイルの修正を行うことにより、デバイスリンクプロファイルをより一層効率良く修正することができる。また、修正が終わった修正デバイスリンクプロファイルに対して網点構造の特定構造を維持させるような修正を施すことによって、その特定構造を修正デバイスリンクプロファイルに反映させることができる。
【0103】
以下、本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。尚、以下の説明において、上述した、パーソナルコンピュータ80による印刷プロファイル、プリンタプロファイル、およびデバイスリンクプロファイルを作成する機能についての説明と重複する詳細な説明は省略する。
【0104】
図10〜図14は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順を示した模式図であり、図15は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第2手順を示した模式図である。
【0105】
図10は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第1行程を示した模式図である。
【0106】
まず、図4を参照して説明したように、カラーチャート42を構成する各カラーパッチを分光測色計70(図2参照)で測色することにより、CMYK4色の色空間上のCMYK値と、L色空間上のL値との対応関係が得られ、パーソナルコンピュータ80(図1,図2,図3参照)内に構築された、印刷プロファイルおよびプリンタプロファイルを作成するデバイスプロファイル作成機能710によって、デバイスプロファイル(図4に示す印刷プロファイル400およびプリンタプロファイル500)が作成される。
【0107】
図11は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第2行程を示した模式図である。
【0108】
次に、パーソナルコンピュータ80内に構築されたプロファイル結合機能720によって、図10に示すデバイスプロファイル作成機能710により作成された印刷プロファイル400とプリンタプロファイル500とを結合させた1つのデバイスリンクプロファイル600が作成される。
【0109】
図12は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第3行程を示した模式図である。
【0110】
次に、パーソナルコンピュータ80内に構築された色変換機能730によって、図11に示すプロファイル結合機能720により作成されたデバイスリンクプロファイル600に基づいて、図4に示す評価用のカラーチャート43により表される印刷用のCMYK色空間上のターゲットチャートデータ(CMYK)が、そのデバイスリンクプロファイル600を用いてプリンタ用のCMYK色空間上のプリンタ出力データ(C´M´Y´K´)に変換される。ここでいう色変換機能730は、図9に示す色変換定義修正装置300の第1色変換部312の機能を表すものである。
【0111】
図13は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第4行程を示した模式図である。
【0112】
次に、パーソナルコンピュータ80内に構築された再現色算出機能740によって、図12に示す色変換機能730により得られたプリンタ出力データ(C´M´Y´K´)から、図10に示すデバイスプロファイル作成機能710により作成されたプリンタプロファイル500の逆変換、すなわちLの測色データをCMYKの網%データに変換する逆変換プリンタプロファイルに基づいて、L色空間上のプリンタ再現色(L´a´b´)が算出される。ここでいう再現色算出機能740は、図9に示す色変換定義修正装置300の模擬色変換部313が有する2つの機能のうちの1つを表すものである。
【0113】
図14は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第5行程を示した模式図である。
【0114】
次に、図9に示す色変換定義修正装置300の第1測色データ取得部311により得られる、図4に示すカラーチャート43により表される印刷用のCMYK色空間上のターゲットチャートデータ(CMYK)に対応するL色空間上のターゲットチャート測定値(L)と、図13に示す再現色算出機能740により算出されたプリンタ再現色(L´a´b´)との差異に基づいて、パーソナルコンピュータ80内に構築されたデバイスリンクプロファイル修正機能750によって、図11に示すプロファイル結合機能720により作成されたデバイスリンクプロファイルが修正され、カラーマッチング精度の高い修正済みデバイスリンクプロファイルを得ることができる。ここでいうデバイスリンクプロファイル修正機能750は、図9に示す色変換定義修正装置300のデバイスリンクプロファイル修正部314が有する2つの機能のうちの1つを表すものである。
【0115】
このようにして修正済みデバイスリンクプロファイルが求められる色変換定義修正の第1手順によれば、プリンタ出力データ(C´M´Y´K´)に基づいてプリンタによって出力されるカラーチャートのカラーパッチを測色するといった長い時間を要する従来の行程による修正と同様な修正が、短時間の計算によるシミュレーションで実現される。従って、このような、パーソナルコンピュータ80が本発明の色変換定義修正装置の一実施形態として動作する色変換定義修正装置によれば、カラーマッチング精度の高い色変換定義を効率良く修正することができる。
【0116】
また、図15は、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第2手順の第3行程を示した模式図である。
【0117】
尚、この第2手順の第1行程は図10に示すデバイスプロファイル作成機能710によって実現され、この第2手順の第2行程は図13に示す再現色算出機能740によって実現されるので、第2手順の第1行程および第2行程は図10,図13を参照して説明する。
【0118】
まず、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第2手順の第1行程として、図4を参照して説明したように、カラーチャート42を構成する各カラーパッチを分光測色計70(図2参照)で測色することにより、CMYK4色の色空間上のCMYK値と、L色空間上のL値との対応関係が得られ、パーソナルコンピュータ80(図1,図2,図3参照)内に構築された、印刷プロファイルおよびプリンタプロファイルを作成するデバイスプロファイル作成機能710(図10参照)によって、デバイスプロファイル(ここでは図4に示す印刷プロファイル400)が作成される。
【0119】
次に、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第2手順の第2行程として、パーソナルコンピュータ80内に構築された再現色算出機能740(図13参照)によって、図4に示す評価用のカラーチャート43により表される印刷用のCMYK色空間上のターゲットチャートデータ(CMYK)から、図10に示すデバイスプロファイル作成機能710により作成された印刷プロファイル400に基づいて、L色空間上の印刷再現色(L´a´b´)が算出される。ここでいう再現色算出機能740は、図9に示す色変換定義修正装置300の模擬色変換部313が有する2つの機能のうちの1つを表すものである。
【0120】
次に、図15に示す、本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第2手順の第3行程として、図9に示す色変換定義修正装置300の第1測色データ取得部311により得られる、図4に示すカラーチャート43により表される印刷用のCMYK色空間上のターゲットチャートデータ(CMYK)に対応するL色空間上のターゲットチャート測定値(L)と、図13に示す再現色算出機能740により算出された印刷再現色(L´a´b´)との差異に基づいて、パーソナルコンピュータ80内に構築されたデバイスプロファイル修正機能810によって、図10に示すデバイスプロファイル作成機能710により作成された印刷プロファイルが修正され、修正済み印刷プロファイルを得ることができる。ここでいうデバイスプロファイル修正機能810は、図9に示す色変換定義修正装置300のデバイスリンクプロファイル修正部314が有する2つの機能のうちの1つを表すものである。
【0121】
この色変換定義修正の第2手順によって得られる印刷プロファイルは精度の高いものであるため、この修正された印刷プロファイルに基づいてデバイスリンクプロファイルを効率良く修正することができ、その結果、カラーマッチング精度の高い修正済みデバイスリンクプロファイルを得ることができる。
【0122】
尚、本実施形態の説明では、本発明にいう「出力デバイス」の一例として「網点構造の画像を出力するカラープリンタ」を挙げたが、本発明にいう「出力デバイス」は、例えば「電子写真方式のカラープリンタ」であってもよく、「インクジェット方式のカラープリンタ」であってもよく、「変調されたレーザ光で印画紙を露光してその印画紙を現像する方式のプリンタ」であってもよく、そのプリント方式の如何を問うものではない。さらには、本発明にいう「出力デバイス」としては、プリンタに限定されるものではなく、例えば、「表示画面上に画像を表示出力するCRTディスプレイ装置」、「プラズマディスプレイ装置」などといった画像表示装置であってもよい。
【0123】
また、本実施形態は、CMYK色空間とL色空間との間の変換を取り扱うデバイスリンクプロファイルの修正に関するものであるが、本発明は、それに限らず、RGB色空間とXYZ色空間、あるいは、CMYK色空間あるいはRGB色空間とL色空間等との間の変換を取り扱うデバイスリンクプロファイルの修正にも適用することができる。
【0124】
さらに、本実施形態の説明では、実用的なカラーマッチング精度を高めるために、肌色に代表される特定の重要色などといった、デバイスリンクプロファイルを作成するにあたって使用されたカラーチャートを構成するカラーパッチに含まれない色に着目した、評価用のカラーチャートを用いてデバイスリンクプロファイルを修正する例を示したが、本発明は、これに限られるものではなく、デバイスリンクプロファイルを作成するにあたって使用されたカラーチャートを用いてデバイスリンクプロファイルを修正するものであってもよい。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、色変換定義を効率良く修正することのできる色変換定義修正装置、およびコンピュータをそのような色変換定義修正装置として動作させる色変換定義修正プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態により修正されるプロファイルが採用される印刷およびプルーフ画像作成システムの全体構成図である。
【図2】図1にブロックで示す分光測色計、および本発明の色変換定義修正装置の一実施形態を構成するパーソナルコンピュータの外観斜視図である。
【図3】図2に示すパーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】プロファイル作成および修正の説明図である。
【図5】印刷プロファイルの概念図である。
【図6】プリンタプロファイルの概念図である。
【図7】図5に示す印刷プロファイルと図6に示すプリンタプロファイルとを結合させたデバイスリンクプロファイルの概念図である。
【図8】本発明の色変換定義修正プログラムの一実施形態を示した図である。
【図9】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第1行程を示した模式図である。
【図11】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第2行程を示した模式図である。
【図12】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第3行程を示した模式図である。
【図13】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第4行程を示した模式図である。
【図14】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第1手順の第5行程を示した模式図である。
【図15】本発明の色変換定義修正装置の一実施形態における色変換定義修正の第2手順の第3行程を示した模式図である。
【符号の説明】
10 カラースキャナ
11 原稿画像
20 ワークステーション
30 フィルムプリンタ
40 印刷機
41 印刷画像
42,43,62,63,64,90 カラーチャート
50 パーソナルコンピュータ
60 プリンタ
61 プルーフ画像
70 分光測色計
80 パーソナルコンピュータ
81 本体装置
81a FD装填口
81b CD−ROM装填口
811 CPU
812 主メモリ
813 ハードディスク装置
814 FDドライブ
815 CD−ROMドライブ
816 I/Oインタフェース
82 画像表示装置
82a 表示画面
83 キーボード
84 マウス
85 バス
91 ケーブル
100 FD
110 CD−ROM
210 色変換定義修正プログラム
300 色変換定義修正装置
211,311 第1測色データ取得部
212,312 第1色変換部
213,313 模擬色変換部
214,314 デバイスリンクプロファイル修正部
215,315 第2色変換部
216,316 第2測色データ取得部
217,317 デバイスリンクプロファイル再修正部
218,318 保存部
219,319 デバイスリンクプロファイル選択部
220,320 特定構造維持部
400 印刷プロファイル
500 プリンタプロファイル
600 デバイスリンクプロファイル
710 デバイスプロファイル作成機能
720 プロファイル結合機能
730 色変換機能
740 再現色算出機能
750 デバイスリンクプロファイル修正機能
810 デバイスプロファイル修正機能

Claims (5)

  1. 画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と前記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正装置において、
    複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、前記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて前記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、前記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
    前記第1チャートデータを、前記色変換定義に基づいて、前記出力デバイス色空間上の座標で色が定義された第2チャートデータに変換する第1色変換部と、
    前記第1色変換部で得られた第2チャートデータを、前記出力色再現特性に基づいて、前記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
    前記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、前記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて前記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする色変換定義修正装置。
  2. 前記第1チャートデータを、前記色変換定義が1回以上修正されてなる修正色変換定義に基づいて、前記出力デバイス色空間上の座標で色が定義された第3チャートデータに変換する第2色変換部と、
    前記第2色変換部で得られた第3チャートデータに基づいて前記出力デバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、前記測色色空間上の座標で色が定義された第2測色データを取得する第2測色データ取得部と、
    前記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、前記第2測色データ取得部で取得された第2測色データとの差異に基づいて、前記修正色変換定義の再修正を行う色変換定義再修正部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の色変換定義修正装置。
  3. 前記第1測色データと前記第2測色データとの差異と、該差異に基づいて前記色変換定義再修正部によって再修正される前の修正色変換定義とを対応付けて保存する保存部と、
    前記保存部によって保存された修正色変換定義のうち、前記差異が最小の修正色変換定義を選択する色変換定義選択部とを備えたことを特徴とする請求項2記載の色変換定義修正装置。
  4. 画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と前記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正装置において、
    複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、前記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて前記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、前記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
    前記第1チャートデータを、前記ターゲット色再現特性に基づいて、前記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
    前記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、前記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて前記ターゲット色再現特性を修正することによって前記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする色変換定義修正装置。
  5. 画像データに基づく画像を出力するターゲットデバイスに依存したターゲット色空間上の座標とデバイス非依存の測色色空間上の座標との対応を表わすターゲット色再現特性と、画像データに基づく画像を出力する出力デバイスに依存した出力デバイス色空間上の座標と前記測色色空間上の座標との対応を表わす出力色再現特性との結合からなる色変換定義を修正する色変換定義修正プログラムにおいて、
    複数のカラーパッチが配列されたカラーチャートを表わす、前記ターゲット色空間上の座標で色が定義された第1チャートデータに基づいて前記ターゲットデバイスによって出力されてなるカラーチャートのカラーパッチを測色することによって得られた、前記測色色空間上の座標で色が定義された第1測色データを取得する第1測色データ取得部と、
    前記第1チャートデータを、前記色変換定義に基づいて、前記出力デバイス色空間上の座標で色が定義された第2チャートデータに変換する第1色変換部と、
    前記第1色変換部で得られた第2チャートデータを、前記出力色再現特性に基づいて、前記測色色空間上の座標で色が定義された模擬測色データに変換する模擬色変換部と、
    前記第1測色データ取得部で取得された第1測色データと、前記模擬色変換部で得られた模擬測色データとの差異に基づいて前記色変換定義を修正する色変換定義修正部とを備えたことを特徴とする色変換定義修正プログラム。
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