JP4333487B2 - コンクリート構造体 - Google Patents
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Description
(1)全固形分を基準にして、1〜50重量%のエポキシ樹脂と5〜99重量%のセメントを含有し、かつこれらの合計量が40重量%以上である組成物。
(2)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体、(メタ)アクリル酸及びグリシジル(メタ)アクリレートを必須構成単量体とし、かつガラス転移点は−20℃以下である重合体が、界面活性剤により水に乳化分散されているエマルションと、無機質水硬性物質とからなる組成物。
(1)特定のアルキル(メタ)アクリレート、メチルアクリレート又はエチルアクリレート及び(メタ)アクリル酸を必須構成単量体とする重合体のエマルションと、無機質水硬性物質からなる組成物。
(2)特定のアルキル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドを必須構成単量体とし、かつTg点が−20℃以下である重合体のエマルションと、無機質水硬性物質からなる組成物。
(1)ポリマーセメント組成物がアルミナセメント及びエマルジョンを含む組成物であり、
(2−1)粒子層(D1)が、BET比表面積2m2/g以上の粒子を含む層である
ことを特徴とするコンクリート構造体を提供することを目的とする。
(1)ポリマーセメント組成物がアルミナセメント及びエマルジョンを含む組成物であり、
(2−2)ワックスサスペンションが、パラフィンワックスサスペンション、フィシャートロプッシュワックスサスペンション及びオレフィンワックスサスペンションから選ばれる成分を1つ以上含むワックスサスペンションであることを特徴とするコンクリート構造体を提供することを目的とする。
(1)ポリマーセメント組成物がアルミナセメント及びエマルジョンを含む組成物であり、
(2)プライマーがエマルジョンであり、
(3−1)粒子層(D1)が、BET比表面積2m2/g以上の粒子を含む層である
ことを特徴とするコンクリート構造体を提供することを目的とする。
セメントコンクリート層(A)に、プライマーの硬化物層(B)、ポリマーセメント組成物の硬化物層(C)、ワックスサスペンションの硬化物層(D2)の順に積層したコンクリート構造体であり、
(1)ポリマーセメント組成物がアルミナセメント及びエマルジョンを含む組成物であり、
(2)プライマーがエマルジョンであり、
(3−2)ワックスサスペンションが、パラフィンワックスサスペンション、フィシャートロプッシュワックスサスペンション及びオレフィンワックスサスペンションから選ばれる成分を1つ以上含むワックスサスペンションであることを特徴とするコンクリート構造体を提供することを目的とする。
ポリマーセメント組成物は、硬化後の40℃タック荷重が2500gf以上のポリマーセメント組成物であることが好ましい。
ポリマーセメント組成物は、硬化後の−10℃での下地ひび割れ伸び2mm以上のポリマーセメント組成物であることが好ましい。
ポリマーセメント組成物が、エマルジョンの固形分100質量部に対し、アルミナセメント3〜175質量部を含むことが好ましい。
ポリマーセメント組成物は、さらに充填材を含み、エマルジョンの固形分100質量部に対し、アルミナセメント3〜175質量部を含み、かつアルミナセメントと充填材との合計量20〜350質量部を含むことが好ましい。
エマルジョンが、アクリル系エマルジョンであることが好ましい。
エマルジョンが、ガラス転移温度0℃以下のエマルジョンであることが好ましい。
エマルジョンが、ガラス転移温度0℃以下のアクリル系エマルジョンであることが好ましい。
ポリマーセメント組成物は、乾燥時間が、1時間以上、かつ4時間45分以下であることが好ましい。
接着性及び−10℃での下地ひび割れ追従性に優れるポリマーセメント組成物の硬化物層をコンクリート上に施工して得られる構造体において、構造体表面のタックを低減させ、作業性に優れ、歩行可能な表面を有するコンクリート構造体を得ることが出来る。
コンクリート構造体1は、セメントコンクリート層2に、ポリマーセメント組成物の硬化物層3、粒子層4の順に積層されている。
(1)コンクリート又はモルタルを屋上、床面又は壁に打設し、コテ、機械等で仕上げた後、コンクリート又はモルタルを硬化させてコンクリート層2を形成させ、(2)コンクリート層2表面に、ポリマーセメント組成物をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で施工し、その後ポリマーセメント組成物を硬化させた硬化物層3を形成させ、
(3)ポリマーセメント組成物の硬化物層3表面に、粒子を散布などの方法で蒔くことにより粒子層(D1)4を設けることにより、コンクリート構造体1を得ることができる。
コンクリート構造体7は、セメントコンクリート層2に、ポリマーセメント組成物の硬化物層3、ワックスサスペンションの硬化物層5の順に積層されている。
(1)コンクリート又はモルタルを屋上、床面又は壁に打設し、コテ、機械等で仕上げた後、コンクリート又はモルタルを硬化させてコンクリート層2を形成させ、(2)コンクリート層2表面に、ポリマーセメント組成物をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で施工し、その後ポリマーセメント組成物を硬化させた硬化物層3を形成させ、
(3)ポリマーセメント組成物の硬化物層3表面に、ワックスサスペンション(ワックスサスペンションの希釈液又は希釈水溶液)をローラー及びスプレーなどを用いる一般的方法で塗布又は吹き付けを行い、その後ワックスサスペンションを硬化させた硬化物層(D2)5を形成させることにより、コンクリート構造体を得ることができる。
コンクリート構造体8は、セメントコンクリート層2に、プライマーの硬化物層6、ポリマーセメント組成物の硬化物層3、粒子層4の順に積層されている。
(1)コンクリート又はモルタルを屋上、床面又は壁に打設し、コテ、機械等で仕上げた後、コンクリート又はモルタルを硬化させてコンクリート層2を形成させ、(2)コンクリート層2表面に、プライマー(エマルジョンの希釈液又は希釈水溶液)をローラー及びスプレーなどを用いる一般的方法で塗布又は吹き付けを行い、その後プライマーを硬化させた硬化物層6を形成させ、
(3)プライマーの硬化物層6表面に、ポリマーセメント組成物をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で施工し、その後ポリマーセメント組成物を硬化させた硬化物層3を形成させ、
(4)ポリマーセメント組成物の硬化物層3表面に、粒子を散布などの方法で蒔くことにより粒子層(D1)4を設けることにより、コンクリート構造体を得ることができる。
コンクリート構造体9は、セメントコンクリート層2に、プライマーの硬化物層6、ポリマーセメント組成物の硬化物層3、ワックスサスペンションの硬化物層5の順に積層されている。
(1)コンクリート又はモルタルを屋上、床面又は壁に打設し、コテ、機械等で仕上げた後、コンクリート又はモルタルを硬化させてコンクリート層2を形成させ、(2)コンクリート層2表面に、プライマー(エマルジョンの希釈液又は希釈水溶液)をローラー及びスプレーなどを用いる一般的方法で塗布又は吹き付けを行い、その後プライマーを硬化させた硬化物層6を形成させ、
(3)プライマーの硬化物層6表面に、ポリマーセメント組成物をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で施工し、その後ポリマーセメント組成物を硬化させた硬化物層3を形成させ、
(4)ポリマーセメント組成物の硬化物層3表面に、ワックスサスペンション(ワックスサスペンションの希釈液又は希釈水溶液)をローラー、コテ及びスプレーなどを用いる一般的方法で塗布又は吹き付けを行い、その後ワックスサスペンションを硬化させた硬化物層(D2)5を形成させることにより、コンクリート構造体を得ることができる。
本発明のコンクリート構造体は、タック荷重の大きなポリマーセメント組成物を使用しても、作業性に優れ、歩行可能な表面を有する構造体を得ることができる。
本発明のコンクリート構造体は、−10℃での下地ひび割れ伸びの大きなポリマーセメント組成物を使用しても、作業性に優れ、歩行可能な表面を有する構造体を得ることができる。
プライマーとして公知のエチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョンなどの樹脂系エマルジョンを用い、これらの硬化物からなる層である。
プライマーの硬化物層は、ポリマーセメント組成物に含まれるエマルジョンと同じ樹脂成分を用いることが、プライマー層とポリマーセメント組成物の硬化物層との層間の接着強度が優れるために好ましい。
アルミナセメント、充填材或いは添加剤などは、単独で添加しても良いし、予め他の数種と混合したものを添加しても良く、添加順序は特に選ばない。また、攪拌機は、一般的な固液攪拌機など撹拌機能を有するものを問題なく用いることが出来る。
本発明のコンクリート構造体は、エマルジョンの配合量の多いポリマーセメント組成物を使用しても、作業性に優れ、歩行可能な表面を有する構造体を得ることができる。
エマルジョンの固形分100質量部に対し、アルミナセメントを好ましくは3〜175質量部、さらに好ましくは5〜150質量部、より好ましくは7〜120質量部、特に好ましくは10〜100質量部含むことにより、
(1)水和反応により組成物の乾燥を促進させ、硬化した塗膜(硬化物)の耐水性及び強度確保に優れ、
(2)エマルジョンの固形分100質量部に対し、アルミナセメントの含有量が、上記範囲より小さい場合は塗膜の乾燥時間、強度が不十分となり、また上記範囲より大きい場合ポットライフが短く、また粘度が上昇して作業性、施工性に支障を来す場合があり好ましくない。
硬化物層(C)のポリマーセメント組成物において、エマルジョンの固形分100質量部に対し、アルミナセメントと充填材との合計量が、好ましくは20〜350質量部、さらに好ましくは35〜300質量部、より好ましくは55〜275質量部、特に好ましくは90〜250質量部を含むことが好ましい。
エマルジョンの固形分100質量部に対して、アルミナセメントと充填材との合計量の配合量が、上記範囲より大きい場合、得られるポリマーセメント組成物の粘度が高くなり施工性が低下するとともに、十分な下地ひび割れ追従性が得られないため好ましくなく、上記範囲より小さい場合、十分な下地ひび割れ追従性が得られるが、塗膜強度が低下すること、塗膜のタックが強くなるなど好ましくない。
アルミナセメントは、鉱物組成が異なるものが数種知られ市販されているが、何れも主成分はモノカルシウムアルミネートであり、市販品はその種類によらず使用することができる。
エマルジョンに含まれるポリマー成分のガラス転移温度は、どのようなものでも用いることができるが、−10℃での下地ひび割れ追従性に優れる組成物としては好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−60〜0℃、より好ましくは−50−10℃、特に好ましくは−45〜−25℃の範囲内を有するものであれば特に制限はなく用いることが出来る。
乳化剤としては、公知のものを用いることができ、アニオン性、ノニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤やポリビニルアルコール等の保護コロイドなどを挙げることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンに含まれるポリマー成分は、ガラス転移温度が好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−60〜0℃、より好ましくは−50−10℃、特に好ましくは−45〜−25℃の範囲内を有するものであれば特に制限はなく用いることが出来る。
エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンとしては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などの水溶性高分子を乳化剤や保護コロイドとして用いる物を好ましく用いることが出来る。特にエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、保護コロイドとしてポリビニルアルコールを用いたものが好ましい。
添加剤としては、一般的に用いられる凝結遅延剤、凝結促進剤などの凝結速度調整剤、消泡剤、増粘剤、減水剤又は流動化剤などを挙げることが出来る。
本発明の防水用ポリマーセメント組成物は、硬化膜の強度を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維や有機繊維を含むことができる。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテル、フッ素系などの合成物質または植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、アルミナセメント及びエマルジョンの固形分と、必要に応じて添加されるタルクや珪砂などの固形分との合計量100質量部に対して、2質量部以下、特に0.2質量部以下が好ましい。消泡剤の添加量は、上記より多く添加する場合、消泡効果の向上がみとめられない場合がある。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜2質量部、さらに0.05〜1.5質量部、特に0.1〜1質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
凝結速度調整剤としては、凝結促進剤及び凝結遅延剤を併用して用いることが好ましい。凝結促進剤と凝結遅延剤を併用添加することで、例えば、30分以上の可使時間を可能とする流動保持性と、その後の速やかな硬化により、即日の軽歩行及び翌日の仕上材施工を可能とする速硬性・速乾性が確保できる。さらに、低温から高温の広範囲において上記の超速硬性、流動保持性及び優れた硬化体性状の両立が可能である。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
特にリチウム塩を用いる場合、リチウム塩の粒径は50μm以下、さらに30μm以下、特に10μm以下が好ましく、粒径が上記範囲より大きくなるとリチウム塩の溶解度が小さくなるために好ましくなく、特に顔料添加系では微細な多数の斑点として目立ち、美観を損なう場合がある。
凝結速度調整剤は、流動性及び可使時間を調整に用いる場合、リチウム塩とナトリウム塩の合量が、水硬性成分100質量部に対して0.05〜5質量部、さらに0.1〜2質量部、特に0.3〜0.7質量部の範囲で添加することが好ましい。
減水剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜0.2質量部、さらに0.02〜0.2質量部、特に0.05〜0.2質量部が好ましい。
流動化剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性成分100質量部に対して0.01〜1.0質量部、さらに0.02〜0.50質量部、特に0.05〜0.50質量部が好ましい。
粒子層(D1)の粒子としては、珪砂、スラグ粉、フライアッシュ、石灰石粉、タルク、カオリン、アルミナ粉、酸化チタン、水酸化アルミニウム、マイカ、パイロフィライト、ゼオライト、シリカゲル、硫酸バリウム、ガラス、使用済みFCC触媒などの無機系の使用済みの触媒などの公知の無機粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホンなどの高分子粒子などの有機粒子などを用いることが出来る。高分子粒子は、架橋したもの、架橋していないものの双方を用いることが出来る。
粒子の使用方法(層の形成方法)及び使用量について、本発明の特性を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。粒子は、ポリマーセメント組成物の硬化物層(C)の上を、ほぼ均一に被うように用いることが好ましい。
(1)粒子の80%重量累積粒径の測定:
粒子200gを16メッシュ(1000μm残留)、20メッシュ(850μm残留)、24メッシュ(710μm残留)、28メッシュ(600μm残留)、35メッシュ(425μm残留)、48メッシュ(300μm残留)、70メッシュ(212μm残留)、100メッシュ(150μm残留)、150メッシュ(106μm残留)、200メッシュ(75μm残留)、270メッシュ(53μm残留)の篩を用いて、振動篩機にて20分間振盪させ、分別した。各メッシュに残留する骨材の重量を測定し、残留量と篩の関係より得られる線分より、80%重量累積の粒径を求める。
パラフィンワックスサスペンションとしては、n−パラフィンを主成分とするパラフィンワックスのサスペンションを用いることが出来る。
オレフィンワックスサスペンションとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの低中分子量のポリオレフィンのサスペンションを用いることが出来る。
ワックスサスペンションの使用方法(層の形成方法)及び使用量について、本発明の特性を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。ワックスサスペンションの硬化物層は、ポリマーセメント組成物の硬化物層(C)の上を、ほぼ均一に被うように用いることが好ましい。
また40℃の場合、好ましくは200gf以下、さらに好ましくは150gf以下、より好ましくは100gf以下、特に好ましくは70gf以下である。
(1)タックの評価法1(引張荷重の測定): 5mm厚スレート板(50×150mm)に、予めプライマー(各実施例及び比較例と同じエマルジョンを用い、エマルジョンに水を添加し10倍に希釈した液)を0.4kg/m2の量で塗布する。このスレート板のプライマー塗布面に、ポリマーセメント組成物を1.8kg/m2の量で塗布し、20±3℃、湿度65±5%の条件で24時間養生後、塗膜表面に積層材料を塗布し、20±3℃、湿度65±5%の条件で24時間養生後試験体Aを得る。なお、積層材料は粉体及び液体とも通常の刷毛で塗布する。
◎:全く感じない、○:殆ど感じない、×:タックが強く歩行できない。
試験体Dの伸びの測定は、測下地ひび割れ追従性の評価は、目視観察で塗膜に亀裂などの欠陥が生じる時の伸びを測定し、その伸びを下地ひび割れ追従性の伸び量とする。
DSCの測定条件は、室温から150℃に10分間で昇温し、150℃を10分間保持した後に計算で得られた試料のTgより50℃低い温度まで下げ、再度150℃まで10分間で昇温するさいに、1回目のTgの測定を行う。次に1回目で測定したTgより50℃低い温度まで下げるさいに、2回目のTgの測定を行い、2回目のTgの値をガラス転移温度とした。
(1)ポリマーセメント組成物の原料は、以下の物を用いた。
・エマルジョン:アクリル系樹脂エマルジョン(ポリマー固形分:55重量%、ガラス転移温度:−39℃、樹脂成分:メチルメタアクリレート 23重量%、2−エチルヘキシルアクリレート 44重量%、n−ブチルアクリレート 33重量%)。
・アルミナセメント:市販アルミナセメント(JIS・R−2511による第3種)。
・珪砂:市販6号珪砂。
(2)粒子層(D1)に使用する粒子は、表1に示す材料を用いた。
・FCC粉:石油改質用の使用済みFCC触媒。
(3)ワックスサスペンションは、以下の物を用いた。
・PS:パラフィンワックスサスペンション(フタバファインケミカル社製、商品名:フェニックスEW−1000、固形分50重量%)。
・FS:フィシャートロプッシュワックスサスペンション(フタバファインケミカル社製、商品名:FT−100、固形分45重量%)。
・OS:オレフィンワックスサスペンション(フタバファインケミカル社製、商品名:KSL245、固形分40重量%)。
予め、容器にイオン交換水420部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王社製、エマルゲン935)28部、メチルメタクリレート392部、2−エチルヘキシルアクリレート616部、n−ブチルアクリレート392部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート49部、メタクリル酸7部を秤量し、単量体乳化混合液を調整する。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下装置及び窒素ガス導入管を備えた3Lの反応容器に、イオン交換水560部、アクアロン RN−20(第一工業製薬社製)7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート11部、アクリルアミド7部を仕込み、窒素ガスで置換し、攪拌しながら内温が83℃になるまで加温する。
次に、5%過硫酸ナトリウム70部を添加して、約30分間初期重合を行う。
同温で、先に調整した単量体乳化混合液と5%過硫酸ナトリウム70部を同時に滴下しながら、5時間重合反応を行う。
滴下終了後、さらに1時間、83℃を保ったまま、攪拌を持続する。
その後、70℃まで温度を下げ、有機過酸化物と還元剤を用いて、未反応モノマーの重合を完結する。
その後、室温まで下げ、消泡剤、防腐剤、光安定剤、紫外線吸収剤を添加し、アンモニア水、イオン交換水でpH、不揮発分を調整し、エマルジョンを得る。
2Lのポリ容器にエマルジョン、ワックスサスペンション、アルミナセメント及び珪砂を、表2に示す配合割合(合計1250g)で加え、0.15KW攪拌機を使用し1300rpmの条件下で3分間混合し、ポリマーセメント組成物を得た。
2:コンクリート層(A)、
3:ポリマーセメント組成物の硬化物層(C)、
4:粒子層(D1)、
5:ワックスサスペンションの硬化物層(D2)、
6:プライマーの硬化物層(B)。
Claims (5)
- セメントコンクリート層(A)に、ポリマーセメント組成物の硬化物層(C)、粒子層(D1)又はワックスサスペンションの硬化物層(D2)の順に積層したコンクリート構造体であり、
(1)ポリマーセメント組成物は、アルミナセメント及びアクリル系樹脂エマルジョンを含む組成物であり、
硬化後の−10℃での下地ひび割れ伸びが2mm以上であり、硬化後の40℃タック荷重が2500gf以上であるポリマーセメント組成物であり、
アクリル系樹脂エマルジョンは、エマルジョンに含まれるポリマー成分が、ポリマー内又はポリマー間で架橋していないポリマーであり、ポリマー成分のガラス転移温度が、−45〜−25℃の範囲のポリマーであり、
(2−1)粒子層(D1)が、BET比表面積2m2/g以上且つ80%重量累積粒径が100μm以下である粒子を含む層であり、
(2−2)ワックスサスペンションが、パラフィンワックスサスペンション、フィシャートロプッシュワックスサスペンション及びオレフィンワックスサスペンションから選ばれる成分を1つ以上含むワックスサスペンションであること
を特徴とするコンクリート構造体。 - セメントコンクリート層(A)に、プライマーの硬化物層(B)、ポリマーセメント組成物の硬化物層(C)、粒子層(D1)又はワックスサスペンションの硬化物層(D2)の順に積層したコンクリート構造体であり、
(1)ポリマーセメント組成物は、アルミナセメント及びアクリル系樹脂エマルジョンを含む組成物であり、
硬化後の−10℃での下地ひび割れ伸びが2mm以上であり、硬化後の40℃タック荷重が2500gf以上であるポリマーセメント組成物であり、
アクリル系樹脂エマルジョンは、エマルジョンに含まれるポリマー成分が、ポリマー内又はポリマー間で架橋していないポリマーであり、ポリマー成分のガラス転移温度が、−45〜−25℃の範囲のポリマーであり、
(2−1)粒子層(D1)が、BET比表面積2m2/g以上且つ80%重量累積粒径が100μm以下であるの粒子を含む層であり、
(2−2)ワックスサスペンションが、パラフィンワックスサスペンション、フィシャートロプッシュワックスサスペンション及びオレフィンワックスサスペンションから選ばれる成分を1つ以上含むワックスサスペンションであること
を特徴とするコンクリート構造体。 - コンクリート構造体は、コンクリート構造体の表面のタック荷重が、20℃の場合に35gf以下で、40℃の場合に70gf以下であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリート構造体。 - 粒子層(D1)の粒子はタルク粉であり、80%重量累積粒径が50μm以下で、かつBET比表面積が3m2/g以上であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート構造体。 - ポリマーセメント組成物は、さらに充填材を含み、エマルジョンの固形分100質量部に対し、アルミナセメント3〜175質量部を含み、かつアルミナセメントと充填材との合計量20〜350質量部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリート構造体。
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