JP4331672B2 - 熱可塑性樹脂用フィラー分散剤 - Google Patents

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Description

本発明は、フィラー分散剤に関する。さらに詳しくは熱可塑性樹脂用のフィラー分散剤に関する。
シリカなどのフィラーを熱可塑性樹脂へ分散させる技術としては例えば、(i)カップリング剤で表面処理されたフィラーを樹脂に分散させる方法(例えば、特許文献−1参照)や、(ii)界面活性剤を用いてフィラーを樹脂中に分散させる方法(例えば、特許文献−2参照)が知られている。
特公平7−98657号公報 特公平8−13938号公報
しかし、上記の方法であっても十分な効果を示さない場合があった。特に、ポリα−オレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴムなどの疎水性の樹脂に、例えばシリカなどの親水性が高いフィラーを分散させようとしてもフィラーが非常に凝集しやすいため、これらのフィラーを分散させるには上記の(i)または(ii)の方法では十分に分散できないという問題があった。
本発明の課題は、熱可塑性樹脂用の優れたフィラー分散性を有する分散剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的のため鋭意検討した結果、特定のアミン化合物が熱可塑性樹脂に対して優れたフィラー分散性を有することを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5及び6−n−アルキル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7からなる群から選ばれる1種以上のアミン化合物(A)および/またはその塩(B)を有効成分とする、熱可塑性樹脂いる湿式法シリカ用分散剤;並びに、該分散剤と熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂および熱可塑性天然樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂および/またはフィラーを含有してなる熱可塑性樹脂成型用マスターバッチ;である。
本発明のフィラー分散剤は、熱可塑性樹脂中にフィラーを分散させる効果が大である。
特にシリカなどの親水性フィラーの分散に優れている。
また、フィラー分散性が良好であるため樹脂の混練加工時の流動性が優れている。
本発明におけるアミン化合物(A)は、一般式(1)で表される。
式中、mは2〜5の整数であり、R 1 、R 3 およびR 4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル基、R 2 は炭素数1〜10のアルキル基であるか、またはR 1 とR 2 が結合して2〜11個のメチレン基を有する環を形成していてもよく、該環におけるメチレン基は置換基として炭素数1〜14のアルキル基を有していてもよい。
1〜R4が炭素数1〜10のアルキル基の場合のアルキル基としては、直鎖または分岐のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。
1およびR2のうち好ましいのはR1とR2が結合して2〜11個、好ましくは3〜7個、さらに好ましくは3〜5個のメチレン基を有する環を形成しているものである。
1とR2から環が形成される場合において、メチレン基のうち少なくとも1つは置換基として炭素数1〜14、好ましくは6〜12のアルキル基を有していてもよい。
3およびR4のうち好ましいのは、水素原子およびメチル基である。mは好ましくは2〜4、さらに好ましくは3である。
(A)の具体例としては、特公昭46−37503号公報に記載の下記のシクロアミジン類等が挙げられる。
1およびR2が環を形成しないもの
1−メチルイミダゾリン
1,2−ジメチルイミダゾリン
1−メチル−2−エチルイミダゾリン
1−メチル−2−オクチルイミダゾリン
1,2−ジエチル−イミダゾリン
1−メチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1−メチル−2−エチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1,2−ジエチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1−メチル−2−プロピル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1−メチル−2−ブチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1−メチル−2−オクチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1−エチル−2−オクチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1,2,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1,2,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1,2,6−トリメチル−1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン
1とR2が結合して2〜11個のメチレン基を有する環を形成するもの
5−ジアザ−ビシクロ(4,2,0)オクテン−5
1,8−ジアザ−ビシクロ(7,2,0)ウンデセン−8
1,4−ジアザ−ビシクロ(3,3,0)オクテン−4
3−メチル−1,4−ジアザ−ビシクロ(3,3,0)オクテン−4
3,6,7,7−テトラメチル−1,4−ジアザ−ビシクロ(3,3,0)オクテン−4
7,8,8−トリメチル−1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5
1,8−ジアザ−ビシクロ(7,3,0)ドデセン−8
1,7−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−6
1,5−ジアザ−ビシクロ(4,4,0)デセン−5
1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5(以下DBNと略記)
1,8−ジアザ−ビシクロ(7,4,0)トリデセン−8
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,3,0)デセン−7
9−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,3,0)デセン−7
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUと略記)
1,6−ジアザ−ビシクロ(5,5,0)ドデセン−6
1,7−ジアザ−ビシクロ(6,5,0)トリデセン−7
1,8−ジアザ−ビシクロ(7,5,0)テトラデセン−8
1,10−ジアザ−ビシクロ(7,3,0)ドデセン−9
1,10−ジアザ−ビシクロ(7,4,0)トリデセン−9
1,14−ジアザ−ビシクロ(11,3,0)ヘキサデセン−13
1,14−ジアザ−ビシクロ(11,4,0)ヘプタデセン−13
1とR2から環が形成される場合において、メチレン基のうち少なくとも1つは置換基としてアルキル基を有しているものとしては例えば6−n−アルキル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下6−n−アルキルDBUと略記)等であり、以下のようなものが挙げられる
6−エチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−n−プロピル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−n−ブチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下6−n−ブチルDBUと略記)
6−n−ペンチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−n−ヘキシル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−n−ヘプチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−n−オクチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下6−n−オクチルDBUと略記)
6−n−ノニル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−n−デシル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
6−ラウリル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
(A)のうち最も好ましいのはDBU、DBNおよび6−n−アルキル−DBU、特にDBU、6−n−ブチルDBUおよび6−n−オクチルDBUである。
本発明における塩(B)としては、上記(A)と酸(a)とで形成された中和塩(B1)および(A)から誘導される第4級アンモニウム塩(B2)が挙げられる。(B)のうち、フィラー分散性の観点から好ましいのは(B1)である。
(B1)を形成する酸(a)には有機酸および無機酸が含まれる。
有機酸としてはカルボン酸類(a1)、有機スルホン酸類(a2)、有機硫酸エステル類(a3)、有機燐酸エステル類(a4)および有機ホスホン酸エステル類(a5)などが挙げられ、無機酸としては塩酸、硫酸、燐酸、硝酸、フッ化水素酸、HBrおよびHIなどが挙げられる。
(a)のうち好ましいのはフィラー分散性の観点から有機酸であり、さらに好ましいのは(a1)および(a2)、特に(a1)である。
カルボン酸類(a1)としては、脂肪族モノカルボン酸(a11)、脂肪族ポリカルボン酸(a12)、芳香族カルボン酸(a13)、不飽和カルボン酸の重合体(a14)およびアミノ酸(a15)から選ばれる1種以上の酸、例えば下記の酸が挙げられる。
(a11)脂肪族モノカルボン酸
(a111)炭素数2〜22の脂肪族飽和カルボン酸;
酢酸、プロピオン酸、チオプロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、へプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸など。
(a112)炭素数3〜22の脂肪族不飽和カルボン酸;
アクリル酸、メタクリル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノエライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、パリナリン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、オレオイルサルコシンなど。
(a113)脂肪族飽和カルボン酸および脂肪族不飽和カルボン酸の混合物;
アマニ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、コメヌカ油脂肪酸、ダイズ油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、落花生油脂肪酸、牛脂油脂肪酸、羊脂肪酸、イワシ油脂肪酸、硬化イワシ油脂肪酸、ナガス鯨油脂肪酸、硬化ニシン油脂肪酸、マッコウ鯨油脂肪酸など天然油脂からの脂肪酸。
(a12)脂肪族ポリカルボン酸
(a121)炭素数3〜22の脂肪族ポリカルボン酸
(a1211)脂肪族飽和ジカルボン酸;
マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など。
(a1212)アルケニルコハク酸;
オクテニルコハク酸、ノネニルコハク酸、デセニルコハク酸、ウンデセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、トリデセニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、ヘプタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など。
(a1213)マレイン化脂肪酸;
マレイン化オレイン酸、マレイン化ヒマシ油脂肪酸など。
(a13)芳香族カルボン酸
(a131)炭素数7〜22の芳香族カルボン酸;
安息香酸、フェニル酢酸、フェニル・メチル酢酸、桂皮酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘリメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ベンゼンポリカルボン酸、サリチル酸、o−オキシ桂皮酸、プロトカテキユ酸、バニリン酸類、レゾルシル酸類など。
(a14)不飽和カルボン酸の重合体
(a141)炭素数8〜22の不飽和カルボン酸の重合体(重合度2または3);
ダイマー酸、トリマー酸、マレイン化ダイマー酸など。
(a15)アミノ酸
(a151)炭素数7〜22のアミノ酸;
フェニルアラニン、チロシン、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸など。
(a1)のうち好ましいのは(a11)および(a12)、さらに好ましいのは(a111)、(a112)、(a1212)および(a1213)であり、特に好ましいのはステアリン酸およびオレイン酸である。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
有機スルホン酸類(a2)としては、脂肪族スルホン酸(エチルスルホン酸、オクチルスルホン酸およびドデシルスルホン酸などの炭素数2〜24のアルカンスルホン酸;ビニルスルホン酸およびオクテニルスルホン酸などの炭素数2〜24のアルケンスルホン酸;ジオクチルスルホコハク酸などのスルホコハク酸)および芳香環含有スルホン酸(p−トルエンスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸などの炭素数1〜24のアルキル基を有するベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸並びにフェノールスルホン酸など)が挙げられる。
有機硫酸エステル類(a3)としては、脂肪族硫酸エステル(メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステルおよびドデシル硫酸エステルなどの炭素数1〜24のアルキル硫酸エステル、ドデシルアルコールエチレンオキサイド付加物硫酸エステルなどの炭素数1〜24のアルコールもしくは不飽和カルボン酸のアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル並びに硫酸化オレフィンなど)並びに芳香環含有硫酸エステル(アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物硫酸エステルなど)が挙げられる。
有機燐酸エステル類(a4)および有機ホスホン酸エステル類(a5)としては上記(a3)の硫酸エステル基をリン酸エステル基またはホスホン酸エステルに置き換えた構造のものが挙げられる。
中和塩(B1)は、(A)と(a)を等しい当量割合で十分に混合して得ることができ、必要により溶媒を使用して混合したのち溶媒を除去する方法も行うことができる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、ベンゼン、クロロホルムなどが使用できる。
第4級アンモニウム塩(B2)としては、(A)を4級化剤と反応させて得られるもの、またはさらに有機酸とアニオン交換反応することにより得られるものが挙げられる。
4級化剤としては、ジアルキルカーボネート(アルキル基は炭素数4〜24、例えばステアリル基、ベへニル基など)、ハロゲン化アルキルもしくはハロゲン化アルケニル(アルキル基およびアルケニル基の炭素数4〜24、ハロゲンは塩素、臭素、ヨウ素など)、およびジアルキル硫酸(アルキル基は炭素数4〜24)などが挙げられる。アニオン交換に供される有機酸としては前述のカルボン酸が挙げられる。(B2)の具体例としては、5−オクタデシル−1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネノニウムブロマイドの他、米国特許第3,652,564号明細書記載のものが挙げられる。
本発明の分散剤は(A)のみ、(B)のみ、または(A)と(B)を含むもののうちいずれでもよい。
(A)と(B)を含む場合の、(A)の重量に基づく(B)の割合(B)/(A)は、通常は任意の混合割合で用いられるが、フィラー分散性の観点から好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜10である。
本発明の分散剤は(A)および/または(B)のみでも良好なフィラー分散性が得られるが、必要によりポリエーテル鎖含有化合物(E)を含有してもよい。(E)を加えることにより、分散性を損なうことなく、再凝集防止に優れ、さらに混練加工性が向上し、成形時の離型性もよくなる。
(E)としてはポリエーテル(E1)およびその誘導体(E2)が挙げられ、(E1)は下記一般式(2)で表されるものである。
5−{(OA)n−OH}q (2)
式中R5は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つの水酸基を除いた残基、Aは炭素数2〜24のアルキレン基であり、qは1〜6の整数、nは1〜600の整数である。
5は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つ、好ましくは全ての水酸基を除いた残基であり、直鎖、分岐もしくは脂環式の脂肪族1〜6価のアルコールの残基、1〜6価のフェノール類の残基、及び1〜6価の芳香脂肪族アルコールの残基が挙げられ、これらのアルコールおよびフェノール類としては以下の(e1)〜(e6)が挙げられる。
(e1)脂肪族1価アルコール
直鎖もしくは分岐の炭素数1〜24の脂肪族飽和モノオール:
メタノール、エタノール、プロパノール(n−プロパノール、イソプロパノール)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール(n−オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール)、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール(n−トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール)、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ドコシルアルコール、トリコシルアルコール及びテトラコシルアルコール等;
直鎖もしくは分岐の炭素数3〜24の脂肪族不飽和モノオール(cis−もしくはtrans−):
アルケニルアルコール(1−,2−及びiso−プロペニルアルコール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、ヘプテニルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコール、ノナデセニルアルコール、エイコセニルアルコール、ヘンエイコセニルアルコール、ドコセニルアルコール、トリコセニルアルコール及びテトラコセニルアルコール等);並びにアルキニルアルコール( ペンチニルアルコール等)。
炭素数4〜24の脂環式モノオール:
シクロペンタノール及びシクロヘキサノール等。
(e2)脂肪族2価アルコール
炭素数2〜24の脂肪族ジオール:
アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−、1,4−及び1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−及び1,8−オクタンジオール、イソブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール等);
炭素数4〜18の脂環式ジオール:
シクロアルキレングリコール(1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等)および水添ビスフェノール類(水添ビスフェノールA及び水添ビスフェノールF等);
及び複素環ジオール:
1,4,3,6−ソルバイド等。
(e3)脂肪族3〜6価アルコール
炭素数3〜24の3価アルカントリオール(グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパン等);炭素数5〜24の4〜6価のアルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物(ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、1,5−、3,6−及び1,4−ソルビタン並びにジグリセリンなど);並びに糖類およびその誘導体(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース及びメチルグルコシド等)。
(e4)1価フェノール類
炭素数6〜24の1価フェノール類[フェノール、アルキルフェノール(o、m又はp−メチルフェノール、m、p−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、o、m又はp−エチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール及びp−ノニルフェノール等)、モノスチリルフェノール及びモノベンジルフェノール等]。
(e5)2〜6価フェノール類
炭素数6〜24の2〜6価のフェノール類[単環多価フェノール{2価フェノール(カテコール、レゾルシンおよびヒドロキノン等)、単環3〜6価フェノール(トリオキシベンゼン、テトラオキシベンゼンおよびヘキサオキシベンゼン等)}およびビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビスフェノールF等)。
(e6)1〜6価芳香脂肪族アルコール
炭素数7〜24のアラルキルアルコール(ベンジルアルコールおよびフェネチルアルコール等);炭素数8〜24の置換アラルキルアルコール(o、m又はp−メチルベンジルアルコールおよびp−n−ブチルフェネチルアルコール等)。
これらのうち好ましいのは(e1)〜(e3)であり、さらに好ましいのはこれらのうちの炭素数1〜20のもの、特に好ましいのは脂肪族1〜3価アルコール、とりわけ好ましいのは疎水性の熱可塑性樹脂との相溶性が良好という点で炭素数3〜18の直鎖又は分岐の脂肪族飽和又は不飽和1価アルコールである。炭素数が24以下であると流動特性が良好なことから混練加工性に優れる。
一般式(2)におけるAは炭素数2〜24のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、1,2−及び1,3−プロピレン基、1,2−、2,3−および1,4−ブチレン基及びイソブチレン基等が挙げられる。これらの二種以上の混合であってもよく、重合形式はランダムでもブロックでもよいが、流動特性が優れるという点でランダム重合部分を有することが好ましい。これらのうち好ましいのは炭素数2〜16のアルキレン基であり、さらに好ましいものはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,4−ブチレン基であり、特に好ましいのは、混練加工性の観点から1,2−プロピレン基及び1,4−ブチレン基である。
一般式(2)におけるnは1〜600、好ましくは2〜300、さらに好ましくは3〜100である。qは好ましくは1〜3、特に疎水性の熱可塑性樹脂との相溶性が良好という観点で1が好ましい。qが6以内であると流動特性に優れる。
(E1)は、好ましくは200〜30,000、さらに好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜6,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
Mwが200以上であればフィラー分散性が優れ、30,000以下であれば低粘度になりやすく、取り扱いの点で好都合である。Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による(カラム:TSKgel G2000、G3000、G4000HXL、溶媒:テトラヒドロフラン)ものである。
(E1)の製造法としては、R5(OH)qで表される炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物に、触媒の存在下、好ましくは温度30〜120℃、好ましくは圧力0〜0.6MPaで炭素数2〜24の一種以上のアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)を単独、ランダムまたはブロックで付加させる方法が挙げられる。必要により触媒を除去することにより得る方法が挙げられる。
触媒としては公知の触媒が使用できるが、AOのうち、4員環(オキセタン)または5員環(テトラヒドロフラン)を有するAOを単独付加反応または3員環(エチレンオキサイド、プロピレンオキシド等)と共重合付加反応させる場合と、3員環を有するAOどうしの単独付加反応では好ましい触媒の範囲が異なる。
4または5員環を有するAOの単独付加反応、もしくは4または5員環を有するAOと3員環を有するAOとの共重合付加反応の場合の触媒としては、例えばBF3、BCl3、AlCl3、FeCl3およびSnCl3等のルイス酸並びにそれらの錯体[例えばBF3エーテル錯体、BF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)];H2SO4、HClO4等のプロトン酸;KClO4、NaClO4等のアルカリ金属の過塩素酸塩;Ca(ClO42、Mg(ClO42等のアルカリ土類金属の過塩素酸塩;Al(ClO43等の前記以外の金属の過塩素酸塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、BF3エーテル錯体及びBF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)である。
3員環を有するAOどうしの付加反応の場合の触媒としては、上記の触媒のほかアルカリ触媒、例えば水酸化物[KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物];酸化物(K2O 、CaO、BaO等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物);アルカリ金属(Na、K等)及びその水素化物(NaH、KH等);トリエチルアミン、トリメチルアミン等のアミン類等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはKOH、NaOH、CsOH、BF3エーテル錯体及びBF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)である。
AOのうち好ましいのは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイドであり、さらに好ましいのはプロピレンオキサイドおよび1,4−ブチレンオキサイドである。
本発明における(E1)の誘導体(E2)としては、上記の(E1)のアルキルエーテル化物(E21)もしくはエステル化物(E22)、または(E1)とポリイソシアネートとの反応物(E23)もしくは(E1)とポリハロゲン化物との反応物(E24)が挙げられる。
(E21)のうち好ましいのは炭素数1〜8のアルキルエーテル化物、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基またはn−オクチル基等を有するエーテル化物が挙げられ、好ましいのはメチルエーテル化物である。
(E21)の製造は、(E1)をアルカリ(KOH、NaOH及びCsOH等のアルカリ金属の水酸化物等)の存在下にハロゲン化アルキル(炭素数1〜8)と反応させることで製造できる。ハロゲン化アルキルの量は、(E1)の水酸基に対し、当量比でハロゲン化アルキル/水酸基=1/1〜5/1が好ましく、特に1.2/1〜4/1が好ましい。また、アルカリの添加量は、(E1)の水酸基に対し、当量比でアルカリ/水酸基=1/1〜10/1が好ましく、特に1.2/1〜5/1が好ましい。反応には必要によりトルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エーテル化反応は、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。エ−テル化反応の進行状況は、反応系のアルカリ価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
(E22)は、(E1)と、炭素数2〜22のカルボン酸、カルボン酸無水物、炭素数1〜4のアルキル基を有するカルボン酸アルキルエステルおよび炭素数2〜22のカルボン酸ハロゲン化物からなる群から選ばれる1種以上のエステル化剤(b)とのエステル化物である。
エステル化剤(b)としては下記のものが挙げられる。
(b1)炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸;
酢酸、プロピオン酸、チオプロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等。
(b2)炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸;
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、プロパンジカルボン酸、チオジプロピオン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハイミック酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸等。
(b3)炭素数3〜22の脂肪族3〜4価又はそれ以上のカルボン酸;
プロパントリカルボン酸、メチルシクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキセントリカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸等。
(b4)芳香族モノカルボン酸;
安息香酸、フェニル酢酸、ナフタレンカルボン酸。
(b5)芳香族ジカルボン酸
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸等。
(b6)芳香族3〜4価又はそれ以上のカルボン酸。
ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸等。
(b7)上記(b2)、(b3)、(b5)または(b6)の酸無水物;
(b8)上記(b1)〜(b6)の低級アルキル(炭素数1〜4、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)エステル:
(b9)上記(b1)〜(b6)の酸ハロゲン(塩素、臭素等)化物。
(b)には、1〜3個、好ましくは1個のヘテロ原子(硫黄、燐等)を含んでいてもよい。
(b)うちで好ましいものは(b2)、(b5)および(b7)であり、さらに好ましいものは、シュウ酸(無水物)、マロン酸(無水物)、コハク酸(無水物)、プロパンジカルボン酸(無水物)、チオジプロピオン酸、テトラヒドロフタル酸(無水物)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(無水物)、ハイミック酸(無水物)、ノルボルネンジカルボン酸(無水物)、フタル酸(無水物)、イソフタル酸およびテレフタル酸であり、特に好ましいものはシュウ酸(無水物)、マロン酸(無水物)、コハク酸(無水物)、プロパンジカルボン酸(無水物)およびチオジプロピオン酸である。
これらを使用した(E2)は粘度が低くなり、取り扱いが容易となる。
(E1)と(b)との反応条件は一般のエステル化反応の条件で行うことが出来る。例えば1段階合成法の場合、エステル化触媒、好ましくは酸触媒(例えばパラトルエンスルホン酸、硫酸等)を使用し、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃で8〜20時間で合成することができる。(E1)と(b)との官能基の当量比(E1)/(b)は、好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.9〜1.5である。0.5以上であると未反応の(b)が多量に残らず水洗等の処理が不必要となり、2.0以下であると(E2)の潤滑性が良好である。また反応には必要により、トルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エステル化反応は、常圧、減圧、加圧のいずれでも行うことができるが、減圧下の方が反応時間が短くなるため好ましい。減圧度は、反応の最終段階で、好ましくは30mmHg以下、特に好ましくは10mmHg以下である。エステル化反応の進行状況は、反応系から留出する水、低級アルコールの量、反応系の酸価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
(E23)において使用するポリイソシアネート(c)としては、2〜6価またはそれ以上のポリイソシアネートが用いられ、従来からポリウレタン製造に使用されているものが挙げられ具体的には以下の(c1)〜(c4)が挙げられる。
(c1)芳香族ポリイソシアネート
1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン等;
(c2)脂肪族ポリイソシアネート
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート等;
(c3)脂環式ポリイソシアネート イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等;
(c4)芳香脂肪族ポリイソシアネート
m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等;
これらのうちで好ましいものは(b−1)、(b−2)であり、さらに好ましいものは1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)である。
(E1)と(c)との反応条件は一般のウレタン化反応の条件で行うことが出来る。例えば、ウレタン化触媒、好ましくは遷移金属触媒(例えば、ジブチルチンジラウレート等)を使用し、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃で8〜20時間で合成することができる。(E1)と(c)との官能記の当量比(E1)/(c)は、好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.9〜1.5である。0.5以上及び2.0以下であると(E2)の潤滑性が良好となる。また、反応には必要により、トルエン、キシレン、ジメチルフォルムアミド、酢酸ブチル等の溶剤を使用することができる。ウレタン化反応は、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。ウレタン化反応の進行状況は、反応系のイソシアネート基含量、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
(E24)において使用できるポリハロゲン化物 (d)としては2〜4価又はそれ以上の炭素数1〜5の塩化物又は臭素化物が挙げられ、具体的には下記の(d1)および(d2)が挙げられる。
(d1)炭素数1〜2のポリハロゲン化物;
ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモメタン、ジブロモエタン、トリクロロエチレン等。
(d2)炭素数3以上のポリハロゲン化物;
1,3−ジクロロプロパン、1,3−トリクロロプロパン、1,2ジブロモブタン等。
(d)のうちで好ましいものは(d1)であり、特にジクロロメタンまたはジクロロエタンを使用した(E2)は粘度が低くなり、取り扱いが容易となる。
(E1)と(d)との反応条件は一般のエーテル化反応の条件で合成できる。例えば、アルカリ、好ましくは無機のアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)をハロゲンに対し0.9〜1.5当量を加え、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃で6〜24時間で合成することができる。(E1)と(d)との官能基の当量比(E1)/(d)は好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.9〜1.5である。0.5以上及び2.0以下であると(E2)の潤滑性が良好となる。また。反応には必要により、トルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エーテル化反応は、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。エ−テル化反応の進行状況は、反応系のアルカリ価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
本発明の分散剤における(E)の好ましい含有量は、分散剤の重量に基づいて10〜95重量%、さらに好ましくは15〜85重量%である。
本発明において、熱可塑性樹脂へのこれらの分散剤の添加の方法としては、以下の方法が挙げられる。
(i);(A)のみを必須成分とする場合は、熱可塑性樹脂に(A)を添加・混合する。
(ii);(B)のみを必須成分とする場合には予め製造された(B)を添加するか、または、(A)と当量の(a)を熱可塑性樹脂に添加・混合し、樹脂中で(B)を形成する。
(iii);(A)と(B)を必須成分とする場合は、予め製造された(B)と別に(A)を添加するか、または、(a)よりも過剰当量の(A)を熱可塑性樹脂に添加・混合し、樹脂中で(A)の一部を(B)に変換する。
これらの方法において、必要により(A)および/または(B)を(E)で溶解もしくは分散させて用いることができる。
本発明の分散剤は、合成または天然樹脂のフィラーとして用いられている公知のフィラーに使用でき、フィラーとしては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩、金属窒化物、炭素類及びその他フィラーが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ及び酸化アンチモン等が挙げられる。
金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられる。
金属炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト及びハイドロタルサイト等が挙げられる。
金属硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び石膏繊維等が挙げられる。
金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラス繊維、ガラスビーズ及びシリカ系バルーン等が挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び窒化ケイ素等が挙げられる。
炭素類としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末及びフラーレン等が挙げられる。
その他のフィラーとしては、例えば、その他各種金属粉(金、銀、銅、スズ等)、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、スラグ繊維、テフロン粉、木粉、パルプ、ゴム粉及びアラミド繊維、でんぷん等が挙げられる。
これらは単独でも、2種以上併用してもよい。
これらのフィラーのうち好ましいのはアミンとの親和性の観点から金属酸化物であり、さらに好ましいのはシリカである。シリカの中では、湿式法シリカが好ましく、特に沈降シリカを用いることが好ましい。
フィラーの形状は特に限定されないが、繊維状、針状、板状、球状、粒状(不定形、以下同じ意味である。)、テトラポット状及びバルーン状等が挙げられる。またフィラーは、必要により、処理剤により表面処理されていてもよい。
表面処理剤としては、公知の表面処理剤が使用でき、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、油脂、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、ワックス、脂肪酸、カルボン酸カップリング剤及びリン酸カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキッシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタン等が挙げられる。
アルミネートカップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等のフィラーカップリング剤を使用する場合の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜20重量部であり、さらに好ましくは2〜10重量部である。
油脂としては、例えば、ココナッツ油、米カス油、大豆油、アマニ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油及び桐油等が挙げられる。
ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価アルコール型非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル及びアルカノールアミンの脂肪族アミド等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、マレイン化ポリプロピレン及びマレイン化ポリエチレン等が挙げられる。
脂肪酸は混練時の滑剤もしくは成形後に架橋する際の架橋促進助剤として用いられ、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びエレオステアリン酸等が挙げられる。但し、本発明において、(B)を含有し(A)を含有しない分散剤を使用する場合は、脂肪酸は上記の滑剤もしくは架橋促進助剤として用いられるが、一方、(A)を含有する分散剤を使用する場合は、(A)と当量割合以下の脂肪酸は中和剤(a)として作用して(B)を形成するために消費され、過剰当量の(a)を使用する場合は過剰分の脂肪酸が滑剤もしくは架橋促進助剤として作用する。
カルボン酸カップリング剤としては、例えば、カルボキシル化ポリブタジエン及びカルボキシル化ポリイソプレン等が挙げられる。
リン酸カップリング剤としては、例えば、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノ(2,6−ジメチル−7−オクテニル)エステル、リン酸モノ(6−メルカプトヘキシル)エステル及びリン酸モノ(2−メタクリロキシプロピル)エステル等のリン酸系カップリング剤等が挙げられる。
なお、カルボン酸カップリング剤およびリン酸カップリング剤においても上記の脂肪酸と同様に、(B)を含有し(A)を含有しない分散剤を使用する場合は、これらのカップリング剤はカップリング剤として用いられるが、一方、(A)を含有する分散剤を使用する場合は、(A)と当量割合以下のこれらのカップリング剤は中和剤(a)として作用して(B)を形成するために消費され、過剰当量の(a)を使用する場合は過剰分がカップリング剤として作用する。
また、本発明の分散剤が適用できる熱可塑性樹脂(C)としては特に制限はないが、例えば、熱可塑性ビニル樹脂(C1)、熱可塑性ポリアミド(C2)、熱可塑性ポリエステル(C3)、熱可塑性ポリアセタール(C4)、熱可塑性ポリカーボネート(C5)、熱可塑性ポリウレタン(C6)、熱可塑性天然樹脂(C7)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。(C)は高芳香族系油および/またはナフテン系油等で油展されていてもよい。
(C1)には、以下のビニルモノマー(m1)〜(m7)を公知の重合法(ラジカル重合法、チーグラー触媒重合法、メタロセン触媒重合法等)により(共)重合させて得られる樹脂が挙げられる。
(m1)脂肪族炭化水素ビニルモノマー;
炭素数2〜30(好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜10)のアルケン(エチレン、プロピレン、1−オクテンなど)および炭素数4〜30(好ましくは4〜12、さらに好ましくは4〜5)のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン)等。
(m2)芳香族ビニルモノマー;
スチレン及びその同族体、例えば、スチレン、o−、m−若しくはp−アルキル(炭素数1〜10)スチレン(例えば、ビニルトルエン等)、α−アルキル(炭素数1〜10)スチレン(例えば、α−メチルスチレン等)及びハロゲン化スチレン(例えば、クロロスチレン等 )等。
(m3)(メタ)アクリル系モノマー;
アルキル(炭素数1〜20)(メタ)アクリレート{例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等}、モノ−若しくはジ−アルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート{例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等}、(メタ)アクリロニトリル及び(メタ)アクリルアミド等]。
(m4)その他の不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸;
炭素数2〜30(好ましくは3〜20、さらに好ましくは4〜15)の不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸等[クロトン酸、マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等]およびその誘導体[モノ−若しくはジ−アルキル(炭素数1〜20)エステル、酸無水物(例えば、無水マレイン酸等)及びイミド(例えば、マレイン酸イミド)等]。
(m5)不飽和アルコールのカルボン酸エステル;
ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール等のカルボン酸(炭素数2〜4)エステル(酢酸ビニル等)。
(m6)不飽和アルコールのアルキルエーテル;
ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール等のアルキル(炭素数1〜20)エーテル等。
(m7)ハロゲン含有ビニルモノマー;
塩化ビニル、塩化ビニリデン及びクロロプレン等。
(C1)の例としては、ポリオレフィン系樹脂(C11)、ポリスチレン系樹脂(C12)、アクリル系樹脂(C13)、およびフッ素系樹脂(C14)等が挙げられる。
(C11)としては、アルケンの1種以上の(共)重合体及びアルケンの1種以上と(m2)〜(m7)の1種以上(重量比;通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体(C111);並びにアルカジエンの1種以上の(共)重合体及びアルカジエンと(m2)〜(m7)の1種以上との共重合体(C112)が挙げられる。
(C111)としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン及び/又はエチレンと他のアルケンの1種以上との共重合体(ランダム又はブロック)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、およびエチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)等が挙げられる。
(C111)のうち好ましいのは、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体である。
(C112)としては、例えば、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、好ましいのはSBRである。
(C12)としては、(m2)の1種以上の(共)重合体及び(m2)の1種以上と(m3)〜(m7)の1種以上(重量比;通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体が挙げられる。
(C12)としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等;(m2)とメチルメタクリレート、アクリロニトリル及びブタジエンからなる群より選ばれる1種以上のモノマーとの共重合体[例えば、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)]等が挙げられる。
(C13)としては、(m3)の1種以上の(共)重合体(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート等)及び(m3)の1種以上と(m4)〜(m7)の1種以上(重量比通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体が挙げられる。
フッ素系樹脂(C14)としてはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン、さらにテトラフルオロエチレンとの二元または三元共重合体、(m1)とテトラフルオロエチレンの交互共重合体等が挙げられる。
熱可塑性ポリアミド(C2)としては、
例えば、ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合によるナイロン610、11−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11、ω−ラウロラクタムの開環重合又は12−アミノドデカン酸の縮重合によるナイロン12、及び前記ナイロンのうち2種類以上の成分を含有する共重合ナイロン等が挙げられる。
熱可塑性ポリエステル(C3)としては、
例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノール等のジオールと、テレフタル酸及びアジピン酸等のジカルボン酸の重縮合によるポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル、並びにポリブチレンアジペート及びポリエチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル、ε−カプロラクトン等の開環重合によるポリ−ε−カプロラクトン等の脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
熱可塑性ポリアセタール(C4)としては、ホルムアルデヒド又はトリオキサンのホモポリマー、例えば、ポリオキシメチレンホモポリマー、及びホルムアルデヒド又はトリオキサンと環状エーテル(前記アルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ジオキソラン等)との共重合体、例えば、ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレンコポリマー(ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレン重量比90〜99/1〜10ブロック共重合体)等が挙げられる。
熱可塑性ポリカーボネート(C5)としては、ビスフェノール骨格を有するポリカーボネート、例えば、ビスフェノールAとホスゲンとの縮合物及びビスフェノールAと炭酸ジエステルとの縮合物等が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタン(C6)としては、前記有機ジイソシアネートと、高分子ジオール及び鎖伸長剤、必要により反応停止剤を、ワンショット法又はプレポリマー法により得られるポリウレタン等が含まれる。
高分子ジオールとしては、Mn500〜5,000のジオール、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等が用いられる。
ポリエステルジオールとしては、ジオール及び/又はポリエーテルジオールと、炭素数4〜20(好ましくは4〜18、さらに好ましくは6〜12)のジカルボン酸又は前記ラクトンとを反応させて得られるポリエステルジオール等が挙げられる。
熱可塑性天然樹脂(C7)としてはグッタペルカ、バラタおよび天然ゴム(NR)が挙げられる。
(C7)のうち好ましいのは天然ゴムである。
(C)のうち、本発明の分散剤がフィラーの分散効果を発揮しやすいという観点から、好ましいのは(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C7)及びこれらの混合樹脂であり、さらに好ましいのは(C1)および(C7)、特に好ましいのは(C1)のうちの(C11)および(C12)、とりわけ(C112)、(C7)のうちの天然ゴムおよび(C112)と天然ゴムの混合樹脂である。
(C)のMnは、10,000〜1,000,000が好ましく、さらに好ましくは15,000〜800,000、特に好ましくは20,000〜700,000である。
(C)100重量部に対するフィラーの重量割合は、好ましくは1〜180重量部であり、さらに好ましくは2〜120重量部である。
また、(C)100重量部に対する分散剤の重量割合は、好ましくは1〜20重量部さらに好ましくは1〜10重量部である。
また、フィラーの重量に基づく本発明の分散剤の重量割合は、樹脂組成物に要求される性能に応じて種々変えることができるが、樹脂組成物のコスト、機械強度または流れ特性の観点から、フィラー100重量部に対し、分散剤が、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂成型用マスターバッチは、上記の分散剤、並びに熱可塑性樹脂および/またはフィラーを含有してなるものであり、好ましいのは熱可塑性樹脂と分散剤からなるマスターバッチである。
マスターバッチを一旦製造し、該マスターバッチを熱可塑性樹脂に配合することによりさらにフィラーの分散性が向上する。
マスターバッチの重量に基づく分散剤の配合割合は、好ましくは1〜80重量%、さらに好ましくは1〜50重量%である。
マスターバッチの製造、または熱可塑性樹脂組成物(分散剤、フィラーおよび熱可塑性樹脂からなる組成物、またはマスターバッチと熱可塑性樹脂からなる組成物)の製造に際して、混合・混練する方法としては、通常の公知の方法が用いられ、一般的にはペレット状又は粉体状の成分を適切な混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて混合することができる。
上記マスターバッチおよび樹脂組成物は、さらに必要に応じ、架橋促進剤(アルデヒド・アンモニア−アミン系、チオウレア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、キサントゲン酸塩系、ジチオリン酸塩系等)、架橋剤(イオウ等)、スコーチ防止剤(有機酸、N−ニトロソ化合物等)、着色剤、紫外線吸収剤、汎用の可塑剤(フタル酸系、トリメリット酸系、リン酸系、エポキシ系等)、軟化剤、老化防止剤、有機過酸化物等を適宜添加することができる。
混練時の各成分の添加順序には特に限定はなく、予め分散剤をフィラーと混合し、樹脂に配合しても、分散剤とフィラーと樹脂を同時に混合しても良い。
得られたマスターバッチまたは樹脂組成物は、成型される場合もあり、さらにペレタイザーなどによりペレット化または粉末化されることもある。
本発明の分散剤またはマスターバッチを使用して得られる樹脂成型品は、上記の熱可塑性樹脂組成物を成型して得られる。成形方法としては、射出成型、圧縮成型、カレンダ成型、スラッシュ成型、回転成型、押出成型、ブロー成型、フィルム成型(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)、加硫プレス成型等が挙げられ、目的に応じて任意の方法で成型できる。
<実施例>
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を示す。
実施例1〜12、比較例1〜4
表1および表3に示す配合割合(部)に基づいて、各成分を配合した後、十分に混合してA1〜A12、及びB1〜B4のフィラー分散剤を得た。
なお、用いた成分は以下の通りである。
DBU;サンアプロ社製「DBU]
ステアリン酸:ナカライテスク社製の試薬「ステアリン酸」
6−n−オクチルDBU;
以下の合成例1で合成されたもの。
合成例1:J.Heterocycl.Chem.(1986)、23(3)、885−7に記載されている合成方法に準じて、約75%の収率で粗製6−n−オクチルDBUを合成した。さらに130℃/1mmHgで蒸留し、純度99.3%に向上させた。
DMOA:東京化成社製の試薬「N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン」
PP−2000:三洋化成工業社製のポリプロピレングリコール「ニューポールPP−2000」
PEG−4000S:三洋化成工業社製のポリエチレングリコール「PEG−4000S」
ポリエーテルE1:
下記合成例−2で合成された1,4−ブタンジオールのTHF14.3モル/EO20.4モルランダム付加物
合成例−2:
ガラス製オートクレーブに1,4−ブタンジオール90部(1.0モル)とTHF1,032部(14.3モル)及びBF3・THFを12.8部を仕込み、耐圧滴下ロートからEO896部(20.4モル)を35〜50℃で10時間かけて滴下した。その後、50℃で5時間反応し、冷却した。さらに48%NaOH水溶液を7.4部添加した後、30mmHg以下で未反応物を留去した。その後、吸着処理剤〔協和化学工業社製 キョーワード600及びキョーワード1000。以下同様とする。〕を用いて処理後、濾過し、減圧脱水後(130℃、30mmHg以下、1時間、以下同様とする。)、1,4−ブタンジオールのTHF14.3モル/EO20.4モルランダム付加物(ポリエーテルE1)2,000部を得た。
ポリエーテルE2:
下記合成例−3で合成されたブタノールPO25モル付加物とコハク酸から得られるエステル
合成例−3:
ブタノールPO25モル付加物(三洋化成工業社製「ニューポールLB−385」)1,524部(1.0モル)とコハク酸59部(0.5モル)、パラトルエンスルホン酸1水和物4.8部及び次亜リン酸3.2部を仕込みを100〜120℃で液中窒素通気および反応生成水を除去しながら12時間反応(エステル化)させ、吸着処理剤〔協和化学工業社製;キョーワード1000及びキョーワード600〕で処理し、濾過することによりパラトルエンスルホン酸1水和物及び次亜リン酸を除去し、減圧脱水後、室温で液状であり、酸価(JIS K 1557に従って測定。)3.0のポリエ−テル化合物(ポリエーテルE2)1,400部を得た。
熱可塑性樹脂組成物の作製;
分散剤(A1)〜(A12)および(B1)〜(B4)のうちのいずれか1種を2.2部、フィラーとして「ニップシールAQ」(日本シリカ工業社製)28部および下記熱可塑性樹脂のいずれか1種35部をラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて混練して、取り出した後に室温まで冷却しブロック状の樹脂組成物を得た。混練条件は熱可塑性樹脂の種類により以下のように変えた。
熱可塑性樹脂(I):「PM771M」(サンアロマー社製、ポリプロピレン樹脂)
熱可塑性樹脂(II):「SBR1712」(JSR社製、SBR)
熱可塑性樹脂(I)使用時の混練条件;
温度:200℃
回転数 :10rpm
樹脂仕込み:1分
樹脂素練り:1分
フィラーおよび分散剤混合:10分
混練:10分
熱可塑性樹脂(II)使用時の混練条件;
温度:140℃
回転数 :30rpm
樹脂仕込み:1分
樹脂素練り:1分
フィラーおよび分散剤混合:10分
混練:10分
得られた樹脂組成物のフィラーの分散状態を目視(下記評価基準)およびSEM観察(下記評価条件)で評価した。評価結果を表1、表2および表3に示す。
目視による評価基準;
以下の4段階評価で行った。
◎:シリカ粒子が視認できず、かつ、透明感がある。
○:シリカ粒子が視認できないが、不透明である。
△:シリカ粒子が樹脂中に散在しているのが視認でき、かつ、不透明である。
×:シリカ粒子が樹脂中に散在しているのが視認でき、かつ、不透明であり、樹脂組成物 表面にひび割れが見られる。
SEM[走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)]による評価;
樹脂組成物(約1g)の表面をクライオマイクロトームを用いて平滑にし、平滑面をSEM観察した。単位面積あたりの粒径50nm以上の凝集粒子を計数することにより、分散性を評価した。50nm以上の粒子が少ないほど分散性良好である。
樹脂成型品の作製
熱可塑性樹脂(II)を用いた上記樹脂組成物100重量部に下記重量部の添加剤を添加し、下記条件で混練した後、添加剤含有樹脂組成物を得た。その後、500kgf/cm2、165℃で20分間加圧プレス機にてシート状に架橋成型した後、前記と同様にSEM観察による分散性評価およびオートグラフ(島津製作所製AGS−500B)を用いた引張試験(JIS K6301、室温25℃、3号ダンベル使用)を行った。
(1)添加剤
ステアリン酸 :1
酸化亜鉛 :1.5
イオウ :0.7
架橋促進剤 :0.5
(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド)
(2)混練条件
温度:60〜80℃
回転数 :10rpm
樹脂仕込み:2分
樹脂素練り:1分
添加剤混合:1分
混練:20分
得られた樹脂組成物のフィラーの分散状態〔SEM観察(前記評価条件)〕および引張試験結果(引張強さおよび伸び)を評価例1〜7、比較評価例1〜4としてそれぞれ表4および表5に示す。表4、表5から熱可塑性樹脂を架橋成型しても本発明の分散剤を用いた評価例1〜7はシリカ分散性が優れ、フィラーが微分散したことで引張強度が高くなることがわかる。
本発明のフィラー分散剤は、各種の熱可塑性樹脂にフィラーを分散させるために使用でき、得られた熱可塑性樹脂成型品は、家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器用のハウジング製品、各種ゴム製品、ICトレー等の各種プラスチック容器、各種包材用フィルム、床材用シート、人工芝、マット、並びに自動車部品等に使用できる。

Claims (5)

  1. 1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5及び6−n−アルキル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7からなる群から選ばれる1種以上のアミン化合物(A)および/またはその塩(B)を有効成分とする、熱可塑性樹脂いる湿式法シリカ用分散剤。
  2. (B)が、炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸、炭素数6〜22の脂肪族ポリカルボン酸、炭素数7〜22の芳香族カルボン酸、不飽和カルボン酸(炭素数8〜22)の重合体(重合度2または3)および炭素数7〜22のアミノ酸から選ばれる1種以上の酸と(A)との中和塩である請求項1記載の 分散剤。
  3. さらにポリエーテル鎖含有化合物(E)を分散剤の重量に基づいて10〜95重量%含有する請求項1または2記載の 分散剤。
  4. ポリエーテル鎖含有化合物(E)が下記一般式(2)で表されるポリエーテル(E1)および/またはその誘導体(E2)である請求項記載の 分散剤。
    5−{(OA)n−OH}q (2)
    [式中R5は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つの水酸基を除いた残基、Aは炭素数2〜24のアルキレン基であり、qは1〜6の整数、nは1〜600の整数である。]
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の分散剤、並びに熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂および熱可塑性天然樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂および/またはフィラーを含有してなる熱可塑性樹脂成型用マスターバッチ。
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