JP5895515B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物およびその成形体と、この熱可塑性樹脂組成物を用いた自動車ウィンドモールに関する。より詳しくは、本発明は、自動車のウインドモール等に用いられる比較的低硬度な材料で、耐寒性および低温柔軟性に優れ、塩素系樹脂本来の成形加工性を損なわずに成形品表面の光沢範囲を幅広く(艶のあるものからないものまで)設定することが可能な熱可塑性樹脂組成物およびその成形体と、この熱可塑性樹脂組成物を用いた自動車ウィンドモールに関する。
車両用の窓ガラスの周囲に設置されるモール用材料としては、従来より種々の材料が検討されている。その中でも塩化ビニル樹脂は、成形加工の容易さ、他樹脂との接着性、硬度設定の自由度の高さ、表面光沢等の意匠性の制御のしやすさから、同用途として幅広く使用されてきた。
しかしながら、従来の塩化ビニル系樹脂組成物では、自動車などの車両、特に自動車の開閉不可能な窓ガラスに設置されるモール材として用いると、自動車走行中、特に冬場などの低温時における自動車走行中に、本部位からしばしば風切り音やキシミ音と呼ばれる異音が発生し、車内の快適性を阻害することが問題となっていた。即ち、塩化ビニル樹脂は先述のような優れた性能を持っているが、低温領域で硬化しやすく、柔軟性や衝撃強度が低下してしまうことから、寒冷地での使用に不具合が生じるという問題があった。
塩化ビニル樹脂の耐寒性を改良方法としては、一般的に脂肪酸エステル類を可塑剤に用いることが知られているが、この方法は、性能面として耐熱性や耐ブリード性が低下することや、低温耐衝撃性は改良されるものの低温柔軟性は大きく改善されないこと、経済面として高コストになってしまう等の問題があった。
このような問題を解決する方法として、ゴム弾性、低温柔軟性に優れ、軟質ポリ塩化ビニルとの共押出が可能であるとの観点から、塩素化エチレン架橋体アロイを用いた重合体組成物が、特許文献1および特許文献2おいて提案されている。しかしながら、これらの組成物は従来の塩化ビニル樹脂に比べて成形加工性に劣り、経済面としては高コストになるという問題があった。
一方、塩化ビニル樹脂の耐寒性、低温柔軟性を改良する目的で、塩化ビニル樹脂と相溶性が良好なポリエステル系エラストマーをブレンドする試みが行なわれている。しかしながら、ポリエステル系エラストマーは溶融時において金属に対する親和性が大きいため、塩化ビニル樹脂にポリエステル系エラストマーを混合する際、従来の加熱式混練機、例えばミルロール、加圧ニーダー、バンバリミキサー等を使用した場合、溶融したポリエステル系エラストマーがこれらの装置内に粘着ないし付着するため、加工の際に低温混練することや添加する量に制限があるという問題があった。
その改良として、ポリエステル系エラストマーと同様に低温特性が良好で塩化ビニル樹脂と相溶性が良好な塩素化ポリエチレンを併用する方法が特許文献3において提案されている。
特開平07−109390号公報 特開平09−176409号公報 特開平08−104788号公報
しかしながら、本発明者の詳細な検討により、前記特許文献3において記載されている配合比率でそのまま実施しようとした場合、車両用ウインドモールに用いるような低硬度の配合組成領域では、成形加工時に塩素系樹脂とポリエステル系エラストマーとの溶融特性(溶融開始温度および溶融粘度)の差が大きいことから十分な混練性が得られず、成形性が低下すること、ポリエステル系エラストマーの割合が少ないことから十分な低温特性が得られないこと等の問題が見出された。
本発明の課題は、従来技術における上記問題点を解決し、自動車ウインドモール等に用いられる比較的低硬度な配合組成領域でも、耐寒性や低温柔軟性等の低温特性、成形加工性のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物、並びにそれからなる成形体および自動車ウィンドモールを提供することにある。
本発明者は上記課題を鑑みて鋭意検討した結果、塩化ビニル樹脂および塩素化ポリエチレン樹脂よりなる塩素系樹脂成分、ポリエステル系エラストマーおよび可塑剤を特定の配合割合で含む熱可塑性樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出した。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[6]に存する。
[1] 塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる塩素系樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー(B)25〜75重量部および可塑剤(C)45〜110重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
[2] 前記ポリエステル系エラストマー(B)が、ポリブチレンテレフタレートからなるハードセグメントと、ポリオキシテトラメチレングリコールからなるソフトセグメントとを有するものである[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3] 前記可塑剤(C)が、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4] デュロA硬度が55〜75であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
] [1]乃至[]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
] [1]乃至[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を押出成形してなる成形体。

[1]乃至[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車ウィンドモール。
本発明によれば、耐寒性に優れ、低硬度の配合組成の材料であっても低温柔軟性および成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記の特性に優れるため、特に、自動車ウィンドモールに好適であり、更には電線や建材分野などの押出成形品などに好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を越えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。
尚、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
1.熱可塑性樹脂組成物
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる塩素系樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー(B)25〜75重量部および可塑剤(C)45〜110重量部を含むことを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の硬度は、JIS K6253に基づく硬度測定(デュロ−A)で30〜90が好ましく、50〜80がより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は耐寒性に優れたものである。本発明において耐寒性はJIS K7261に基づき、低温脆化試験機を用いて低温での50%衝撃脆化温度により評価することができる。JIS K7261に基づく50%衝撃脆化温度は、その値が低いほど耐寒性に優れたものと評価され、好ましくは−50℃以下、より好ましくは−55℃以下である。
2.塩素系樹脂成分(A)
1−1.塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含有される塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)は、原料ポリエチレンとして高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)等のエチレン単独重合体、あるいはエチレンと共重合可能な単量体の1種又は2種以上とを共重合して得られるエチレン系共重合体を塩素化して得られるものである。なお、この塩素化の方法は限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
原料ポリエチレンのうち、エチレン系共重合体としては、例えばエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体(以下、エチレン−α−オレフィン共重合体);エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を挙げることができる(ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する)。エチレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数3から20のα−オレフィンが好ましい。具体的には、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテン等を挙げることができる。
これらのエチレン系共重合体において、エチレン以外の他の単量体の割合は、エチレン系共重合体の構成成分中、15重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。
塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)の原料ポリエチレンの重量平均分子量が10万より小さいと、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械的な物性の低下を招くだけでなく、ポリエステル系エラストマーの金属ロール等への粘着を防止する働きがなくなる傾向にあり、一方、50万を超えるとブレンド時に塩化ビニル系樹脂(A−2)中への分散性が低下し、得られる成形品の表面が外観不良となる傾向にある。このため、原料ポリエチレンの重量平均分子量としては、10〜50万、特に15万〜40万が好適である。
また、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)の塩素含有量としては20〜50重量%が好ましく、特に25〜40重量%の範囲にあるのが好適である。塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)の塩素含有量が上記下限値以上であると、可塑剤(C)との親和性が向上し、可塑剤ブリードが起こりにくくなる傾向にある。一方、塩素含有量が上記上限値以下であると、低温特性が向上し、脆化温度が高くなる傾向にあり好ましい。
また、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)は、DSC(示差走査熱量計)法により測定した結晶融解熱量が好ましくは20cal/g以下、より好ましくは15cal/g以下である。結晶融解熱量が上記上限値以下であると、塩化ビニル樹脂(A−2)の分散性が向上する傾向にあるため好ましい。
本発明に用いる塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)は、また、可塑剤(C)との親和性を向上させることで可塑剤ブリードを抑制し、低温特性の改良効果をより高めるために、JIS K5101に準じて測定されるジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)の吸油量が25ml以上であるものが望ましい。DOP吸油量とは、23℃の温度条件下で塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)粉末100gにDOPを少しずつ加えながら攪拌し、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)粉末が団子状の塊になるDOPの添加容量を表したものであり、DOP吸油量25ml以上とは、DOP25mlを添加しても塊にならず粉末状を呈しているもの、又は固化しているように見えても僅かな力、衝撃で分散するものを意味している。
1−2.塩化ビニル樹脂(A−2)
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含有される塩化ビニル樹脂(A−2)としては、塩化ビニル又は塩化ビニルとこれに共重合可能な単量体との混合物を懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法又は乳化重合法等の通常の方法によって製造された重合体又は共重合体から、任意に選択して使用しうる。
該単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類;ジブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン類;塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデン又はハロゲン化ビニル類;ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体が挙げられるが、使用される単量体は、上述のものに限定されるものではない。これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。塩化ビニル樹脂(A−2)の製造に、上記の単量体を用いる場合、該単量体は塩化ビニル樹脂(A−2)の構成成分中、30重量%以下の範囲となるように用いることが好ましく、20重量%以下の範囲となるように用いることがより好ましい。塩化ビニル樹脂(A−2)には、上述の方法によって製造されたものを後塩素化した後塩素化ポリ塩化ビニルを含み、また重合時に架橋剤を添加することにより架橋させたテトラヒドロフラン(以下THFという)に不溶解の架橋ゲル分を含む架橋塩化ビニル樹脂も含まれる。
塩化ビニル樹脂(A−2)の平均重合度は、その加工性、成形性、物理特性から、JIS K6721に基づいた平均重合度が700〜3800の範囲であることが好ましく、より好ましくは1300〜3000の範囲である。平均重合度が上記下限値以上になると得られる塩素系熱可塑性樹脂組成物の物理特性がより良好となる傾向にあり、また上記上限値以下であると加工性、成形性がより良好となる傾向にあるからである。
本発明において成形品の意匠面を制御する目的で塩化ビニル樹脂(A−2)として、先述の架橋ゲル分を含む架橋塩化ビニル樹脂を使用することができる。架橋塩化ビニル樹脂がTHF不溶解の架橋ゲル分を含むとき、架橋ゲル分は60重量%以下、好ましくは50重量%以下であるのが望ましく、かつTHFに溶解した部分の平均重合度が上述の範囲にあるのが望ましい。なお、架橋塩化ビニル樹脂は、前記架橋ゲル分のものをそのまま使用してもよいし、または上記ゲル分を超えるものを製造し、これを適宜塩化ビニル樹脂と配合して架橋ゲル分の含有率を調整してもよい。上記架橋ゲル分が上記上限値を超えると引張強さ等の機械的物性が低下する傾向がある。なお、本発明において、THF不溶解の架橋ゲル分は、塩化ビニル樹脂2gをTHF30mlに攪拌しながら投入し、25℃の温度で24時間放置する。その後テフロン(登録商標)濾紙(メッシュサイズ1μm)を用いて濾過し、この操作を3回繰り返した後の不溶解分重量を求めた百分率である。
なお、塩化ビニル樹脂(A−2)として、未架橋の塩化ビニル樹脂を使用すると、艶のある外観の成形体を得ることができる。また、塩化ビニル樹脂(A−2)として架橋塩化ビニル樹脂を使用すると、艶のない外観の成形体を得ることができる。これらは本発明の熱可塑性樹脂組成物を適用する用途に合わせて適宜選択して使用すると良い。
1−3.塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル樹脂(A−2)の配合割合
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、塩素系樹脂成分(A)は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる(塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル樹脂(A−2)の合計で100重量%)。
塩素系樹脂成分(A)が塩化ビニル樹脂(A−2)を含むことにより成形性や傷付き性が損なわれないことや意匠性の制御がしやすい。ただし、塩化ビニル樹脂(A−2)が多過ぎると、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)を含有することによる溶融粘度増加効果が得られず、混練時に十分な分散・混練効果が悪くなる傾向にある。このため、加工性の観点からより好ましくは塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)60〜90重量%、塩化ビニル樹脂(A−2)10〜40重量%である。
2.ポリエステル系エラストマー(B)
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、高融点ポリエステルセグメント(以下、ハードセグメントということがある。)と低融点重合体セグメント(以下、ソフトセグメントということがある。)とからなるブロック共重合体であって、通常80℃以上の結晶融点を有するものである。なお、ポリエステル系エラストマー(B)は以下のハードセグメントの構成成分とソフトセグメントの構成成分を原料として、公知の方法により重合することができる。
ハードセグメントは、その構成成分だけで高重合体を形成した場合の融点が150℃以上であるのが望ましく、このようなハードセグメントを構成するポリエステルは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4−スルホニルジ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸残基とエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−キシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール残基とからなるポリエステル、これらジカルボン酸及びジオールのそれぞれを2種類以上を反応させたコポリエステル、p−(βーヒドロキシエトキシ)安息香酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸及びそれらの残基から誘導されるポリエステル、ポリピバロラクトンなどのポリラクトン、1,4−ビス(4,4’−ジカルボキシジフェノキシ)エタンなどの芳香族エーテルジカルボン酸の残基と前述のジオール残基とからなるポリエーテルポリエステル、更に以上述べたジカルボン酸、オキシ酸、ジオール類などを任意の組成比で含む共重合ポリエステル類が挙げられる。本発明においては、ハードセグメントとして、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとからなるポリエステルが望ましく、特にポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルエラストマーを構成する一方の成分、ソフトセグメントは、ポリエステルエラストマーの中で常温で実質的に非晶の状態を示すものであり、そのセグメント構成成分のみで測定した場合の融点又は軟化点が、通常、80℃以下のものであり、その数平均分子量は400〜6000の範囲が適当である。代表的なソフトセグメント構成成分としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類又はこれらの混合物;更にはアルキレンオキサイドの2種以上を共重合した共重合ポリオキシアルキレングリコール類;炭素原子数2〜10の脂肪族又は脂環族グリコールと炭素原子数2〜12の脂肪族又は脂環族ジカルボン酸からなる、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレート等のポリエステルグリコール;ポリ−ε−カプロラクトン等の開環重合し、末端を水酸基にした脂肪族ポリエステルグリコール;上記ポリオキシアルキレングリコール類と二塩基酸とからなるポリエステルグリコール;脂肪族又は脂環族ジカルボン酸の2種以上と脂肪族或いは脂環族グリコール又はポリオキシアルキレングリコール類の2種以上を用いて得られる共重合ポリエステルグリコール等を挙げることが出来る。これらソフトセグメントの内でも、本発明においては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリ−ε−カプロラクトンが好ましく、特にポリオキシテトラメチレングリコールを使用するのが好ましい。
ポリエステル系エラストマー(B)は、その結晶融点が200℃以下が好ましく、より好ましくは120℃〜190℃の範囲のものである。
ポリエステル系エラストマー(B)の結晶融点が過度に低いと熱により軟化し易く、一方200℃を超えると組成物製造時の混練温度を高くする必要があり、その際塩素系樹脂成分(A)が分解しやすくなる。また、結晶融点の高いポリエステル系エラストマーを低温で混練すると熱可塑性樹脂としての物性が充分発現せず、成形に際しては成形品表面に未溶融物が異物となって現われ、外観上問題となる。結晶融点は、DSCを用い昇温速度10℃/minで測定したDSCチャートの全結晶ピーク中の最高ピークを示す温度である。
また、温度200℃における剪断速度1200sec−1の時の見掛けの溶融粘度(以下、単に「溶融粘度」と称す。)が好ましくは50〜500Pa・s、より好ましくは100〜400Pa・sである。溶融粘度が前記下限値以上であると、混練時に加工機金属表面への粘着しにくくなるために加工性が良好となり、一方、前記上限値以下であると、溶融時における塩素系樹脂成分(A)との粘度の差が小さくなることにより均一分散しやすくなる傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のポリエステル系エラストマー(B)の含有量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して25〜75重量部、好ましくは30〜70重量部、より好ましくは40〜60重量部である。ポリエステル系エラストマー(B)の含有量が上記下限値以上であることにより、ポリエステル系エラストマーを配合したことによる耐寒性、低温柔軟性の改良の効果が得られる。ポリエステル系エラストマー(B)の含有量が上記上限値以下であることにより加工時に塩素系樹脂成分(A)との溶融粘度差が小さくなり、十分に混練することができ、ポリエステル系エラストマーが溶け残りにくくなるために、成形時に異物等が生じにくくなる。
3.可塑剤(C)
可塑剤(C)は熱可塑性樹脂組成物に柔軟性を付与する成分である。可塑剤(C)としては、下記に例示する公知の可塑剤から、1種又は2種以上の可塑剤を組み合わせて、任意に選択して使用しうる。
例えば、使用しうる可塑剤(C)としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジウンデシルフタレート(DUP)、又は炭素原子数10〜13程度の高級アルコール又は混合アルコールのフタル酸エステル等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペート、ジ−n−デシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;トリブチルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラヘプチルエステル等のビフェニルテトラカルボン酸テトラアルキルエステル系可塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油、液状エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;塩素化パラフィン;五塩化ステアリン酸アルキルエステル等の塩素化脂肪酸エステル等を挙げることができる。
塩化ビニル樹脂との相溶性が良好であるという観点から極性基を有する可塑剤を用いることが好ましく、更に好ましくはフタル酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤が可塑化効率と耐ブリード性が良好であり好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の可塑剤(C)の含有量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して、45〜110重量部の範囲である。可塑剤(C)の含有量が45重量部以上であると、得られる成形体を自動車のモール等に用いた場合、シール材としての充分な密閉効果を得ることができ、また、110重量部以下であると軟質化した塩素系樹脂成分(A)とポリエステル系エラストマー(B)の溶融特性の差が小さくなり、混練し易くなる。これらの効果をより高めるため、可塑剤(C)の含有量は、望ましくは、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して50〜90重量部であり、より好ましくは60〜80重量部である。
4.その他の添加剤
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、前述の必須成分の他、安定剤、潤滑材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、発泡剤、衝撃改良剤等の各種添加剤、塩素系樹脂成分(A)及びポリエステル系エラストマー(B)以外の熱可塑性樹脂等を本発明の効果を著しく阻害しない限り、必要に応じて配合することができる。
安定剤としては三塩基性硫酸鉛、ケイ酸鉛、塩基性炭酸鉛等の無機塩類、鉛、カドミウム、バリウムカルシウム、亜鉛等金属の有機酸塩を主体とする金属石ケン、前述金属を少なくとも2種含むもの、例えばBa−Zn、Ca−Zn、Cd−Ba等の脂肪酸コンプレックス又は脂肪酸(ホスファイト)系、カルボキシレート(ホスファイト)系の複合金属石ケン又は複合液状金属石ケン、有機スズ系化合物等の1種又は2種以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に安定剤を配合する場合、安定剤の配合量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して0.1〜30重量部、特に1〜15重量部とすることが好ましい。
難燃剤としては、三酸化アンチモン、ホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、塩素化ポリエチレン、その他ハロゲン系難燃剤などの1種又は2種以上が使用される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に難燃剤を配合する場合、難燃剤の配合量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して1〜30重量部、特に1〜15重量部とすることが好ましい。
さらに、本発明の塩素系熱可塑性樹脂組成物には充填材を添加することができる。充填材の添加は樹脂部材の剛性を確保するほか、材料から発生する揮発成分の捕捉や材料自体のコストダウンに貢献するものもある。充填材としては、特に限定しないが、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、クレー、シリカ、ホワイトカーボン等を例示できる。これらの充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に充填材を配合する場合、充填材の配合量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して1〜100重量部、特に5〜50重量部とすることが好ましい。充填材の配合量が少な過ぎると上記添加効果を得ることができなくなる傾向にあり、多過ぎると機械的物性や成形性が損なわれる傾向にある。
5.熱可塑性樹脂組成物の製造方法
本発明の塩素系熱可塑性樹脂組成物は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル系樹脂(A−2)とからなる塩素系樹脂成分(A)、ポリエステル系エラストマー(B)、可塑剤(C)、およびその他の各種添加剤を所定の混練機又は混合機に投入し、塩化ビニル系樹脂(A−1)が劣化しない温度範囲、例えば、100〜230℃、好ましくは130〜200℃の温度に加熱しながら、均一に混合又は混練することにより、容易に調製することができる。なお、塩素系樹脂成分(A)は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル系樹脂(A−2)とを予め混合しておいて、ポリエステル系エラストマー(B)、可塑剤(C)、およびその他の各種添加剤と混合しても、すべての成分を一括で混合しても、いずれの方法を用いてもよい。上述の配合成分の混合又は混練に用いる混合機又は混練機は、実質的に配合物を均一に混合、混練できる装置であればよく特に限定されるものではない。混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミキサー等が挙げられ、混練機としては、例えば、単軸押出機、2軸押出機、ミルロール、バンバリーミキサー、ニーダー、インテンシブミキサー等、加熱しながら剪断力下で混練できるものが挙げられる。
6.用途
本発明の熱可塑性樹脂組成物は押出成形、射出成形といった代表的な各種の成形方法で成形することが可能で、特に好ましくは押出成形にて熱可塑性樹脂成形体とすることができる。押出成形条件としては特に制限はないが成形温度130〜220℃が適当であり、上記下限値より低い温度であると十分に樹脂が溶融できない状態で成形することになり意匠性や成形性が悪くなる傾向にある。一方、上記上限値より高いと塩素系樹脂成分が分解しやすくなる傾向にある。
この成形体は、比較的低硬度の配合組成領域でも耐寒性、低温柔軟性等に優れるものであることから、各種の産業分野において好適に用いることができ、特に、ウィンドモール、ドア下モール、サイドモール等の自動車外装材、ノブ、グリップ等の自動車内装材、パッキン、シール材、ガスケット等の建材、電線被覆材として好適に使用することができ、とりわけ自動車ウィンドモールに好適である。なお、先に「1−2.塩化ビニル樹脂(A−2)」において説明したように、塩化ビニル樹脂(A−2)として、塩化ビニル樹脂を使用すると、艶のある外観の成形体が得られ、光沢の高い金属塗装面と調和する必要のある自動車外装材に使用するのに特に好適であり、また、塩化ビニル樹脂(A−2)として架橋塩化ビニル樹脂を使用すると、艶のない外観の成形体が得られ、高級感が求められる自動車内装材に使用するのに特に好適である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
以下の実施例および比較例において、熱可塑性樹脂組成物の製造に用いた原料および得られた熱可塑性樹脂組成物の評価方法は以下の通りである。
[使用原料]
<塩素系樹脂成分(A)>
塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)
(a−1):昭和電工社製、重量平均分子量35万の原料ポリエチレンを塩素化した塩素
化ポリエチレン、
塩素含有率:30重量%
結晶融解熱量:7cal/g
DOP吸油量:28ml
塩化ビニル樹脂(A−2)
(a−2a):信越化学工業社製、塩化ビニル樹脂、
平均重合度:2500
(a−2b):信越化学工業社製、架橋ゲル分を含む架橋塩化ビニル樹脂、
平均重合度:2400
ゲル分:20(重量%)
<ポリエステル系エラストマー(B)>
(b):ポリブチレンテレフタレートプレポリマー(ハードセグメント)とポリテトラメチレングリコール(ソフトセグメント)の共重縮合によって得られたポリエステル系エラストマー(LG CHEM社製)
結晶融点:165℃
溶融粘度:200Pa・s(200℃における剪断速度1200sec−1の時の見掛けの溶融粘度)
<可塑剤(C)>
(c):ジイソノニルフタレート(ジェイ・プラス社製 DINP)
[評価方法]
1)硬度
JIS K6253に基づき硬度測定(デュロ−A)を実施し、接触後10秒後の値を測定した。
2)加工性
配合成分を混練機であるバンバリーミキサーに投入し、排出温度(168℃)に達した後、排出状況を観察し、下記基準で評価した。
○:バンバリーミキサーに付着なく、排出が良好に実施できた
△:バンバリーミキサー内壁およびローターに若干の付着があるも、大半は良好に排
出できた
×:バンバリーミキサー内壁およびローターに大量に付着し、排出が著しく困難であ
3)耐寒性
JIS K7261に基づき、低温脆化試験機を用いて低温での50%衝撃脆化温度を測定した。
4)低温柔軟性
JIS K6261に基づき、低温ねじり試験を実施し、−55℃〜25℃でのねじりモジュラス変化を測定し、以下基準で評価を実施した。
○:−30℃〜25℃領域においてねじりモジュラスが殆ど変化しない
△:−30℃〜25℃領域においてねじりモジュラスが若干変化する
×:測定領域すべてでねじりモジュラスが著しく変化する
5)押出外観
ペレットを加熱乾燥(90℃×1時間)した後、40φ押出機(スクリューにはフルフライトスクリューを用いた)を用いてダイス温度160℃で2.5cm×1mmのベルト状に成形した。成形後、ベルト外観を観察し、以下基準で評価を実施した。
○:異物等無く滑らかである
△:異物は無いが、波打ちし外観が悪い
×:ポリエステル系エラストマー由来の異物が無数に存在する
[実施例1〜8、比較例1〜9]
表−1及び表−2に示す配合原料のうち、ポリエステル系エラストマー(B)以外の成分を表−1に記載した配合量でヘンシェルミキサーに投入し、110℃になるまで攪拌して排出した。排出した混合物にポリエステル系エラストマー(B)を表−1及び表−2に記載した配合量で加え、バンバリーミキサーにて混練し、168℃に到達したところで排出を行なった。この排出状況を評価し、加工性の評価を実施した。
硬度、耐寒性および低温柔軟性の試験サンプルについては、この組成物を150℃のミルロールでシート状にし、このシートをプレス成形機にて成形温度180℃、成形圧力200kg/cmで成形し、評価用シートを作成した。
また、押出外観試験に用いるペレットについてはバンバリーミキサー混練後、二軸押出機を用いて押出したストランドをカッターでペレット化して調製した。
各評価結果を表−1及び表−2に示す。
Figure 0005895515
Figure 0005895515
[考察]
表−1及び表−2に示す通り、実施例1〜8の熱可塑性樹脂組成物は、自動車ウインドモール材に適用可能な低硬度領域(硬度55〜75)において耐寒性および低温柔軟性に優れ、塩素系樹脂の有する加工性および押出外観のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物であった。
比較例1〜3では、特許文献3に記載の配合量で検討しているが、いずれにおいても可塑剤量が少ないため高硬度であり、ポリエステル系エラストマー(B)の添加量が少ないために低温柔軟性が十分でなく、添加量が多いと加工性に不具合を生じるという問題点があった。
比較例4では塩素系樹脂成分(A)として塩素化ポリエチレン(A−1)のみを用いているが高粘度であるため押出外観が悪いことや傷付き性が低下する問題点があった。
比較例5では実施例1の配合に対して塩素化ポリエチレン系樹脂(A−1)およびポリエステル系エラストマー(B)を除いた配合となっているが、十分な低温特性が得られなかった。
比較例6では、塩素系樹脂成分(A)として塩化ビニル系樹脂(A−2)のみを用いているが、加工時にポリエステル系エラストマー(B)との溶融粘度差が大きいため、十分な混練分散ができず押出外観も劣る結果となった。
比較例7では、塩素化ポリエチレン系樹脂(A−1)の量が十分でない為、比較例5と同様加工性および成形性が劣る結果となった。
比較例8では、ポリエステル系エラストマー(B)の量が十分でないため、加工性は良好であるが低温柔軟性が若干低下した。
比較例9では、可塑剤(C)の量が十分でないため、ウインドモールに用いられるような硬度よりも高い硬度になった。
なお、実施例1〜5、7及び8の成形体では塩化ビニル樹脂(A−2)として塩化ビニル樹脂を使用しているため、外観に艶があり光沢の高い金属塗装面と調和する必要のある自動車外装材に使用するのに適していることがわかる。これに対し、実施例6の成形体では塩化ビニル樹脂(A−2)として架橋塩化ビニル樹脂を使用しているため、外観の艶が消え、高級感が求められる自動車内装材に使用するのに適していることがわかる。
本発明の塩素系熱可塑性樹脂は、耐寒性、低温柔軟性および成形加工性等に優れるため、各種の産業分野において好適に用いることができ、特に、ウィンドモール、ドア下モール、サイドモール等の自動車外装材、ノブ、グリップ等の自動車内装材、パッキン、シール材、ガスケット等の建材、電線被覆材として好適に使用することができ、とりわけ自動車ウィンドモールに好適である。

Claims (7)

  1. 塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる塩素系樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー(B)25〜75重量部および可塑剤(C)45〜110重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記ポリエステル系エラストマー(B)が、ポリブチレンテレフタレートからなるハードセグメントと、ポリオキシテトラメチレングリコールからなるソフトセグメントとを有するものである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記可塑剤(C)が、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. デュロA硬度が55〜75であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を押出成形してなる成形体。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車ウィンドモール。
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