JP5895515B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[6]に存する。
[5] [1]乃至[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
[1]乃至[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車ウィンドモール。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記の特性に優れるため、特に、自動車ウィンドモールに好適であり、更には電線や建材分野などの押出成形品などに好適に用いることができる。
尚、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる塩素系樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー(B)25〜75重量部および可塑剤(C)45〜110重量部を含むことを特徴とする。
1−1.塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含有される塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)は、原料ポリエチレンとして高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)等のエチレン単独重合体、あるいはエチレンと共重合可能な単量体の1種又は2種以上とを共重合して得られるエチレン系共重合体を塩素化して得られるものである。なお、この塩素化の方法は限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含有される塩化ビニル樹脂(A−2)としては、塩化ビニル又は塩化ビニルとこれに共重合可能な単量体との混合物を懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法又は乳化重合法等の通常の方法によって製造された重合体又は共重合体から、任意に選択して使用しうる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、塩素系樹脂成分(A)は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる(塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル樹脂(A−2)の合計で100重量%)。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、高融点ポリエステルセグメント(以下、ハードセグメントということがある。)と低融点重合体セグメント(以下、ソフトセグメントということがある。)とからなるブロック共重合体であって、通常80℃以上の結晶融点を有するものである。なお、ポリエステル系エラストマー(B)は以下のハードセグメントの構成成分とソフトセグメントの構成成分を原料として、公知の方法により重合することができる。
ポリエステル系エラストマー(B)の結晶融点が過度に低いと熱により軟化し易く、一方200℃を超えると組成物製造時の混練温度を高くする必要があり、その際塩素系樹脂成分(A)が分解しやすくなる。また、結晶融点の高いポリエステル系エラストマーを低温で混練すると熱可塑性樹脂としての物性が充分発現せず、成形に際しては成形品表面に未溶融物が異物となって現われ、外観上問題となる。結晶融点は、DSCを用い昇温速度10℃/minで測定したDSCチャートの全結晶ピーク中の最高ピークを示す温度である。
可塑剤(C)は熱可塑性樹脂組成物に柔軟性を付与する成分である。可塑剤(C)としては、下記に例示する公知の可塑剤から、1種又は2種以上の可塑剤を組み合わせて、任意に選択して使用しうる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、前述の必須成分の他、安定剤、潤滑材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、発泡剤、衝撃改良剤等の各種添加剤、塩素系樹脂成分(A)及びポリエステル系エラストマー(B)以外の熱可塑性樹脂等を本発明の効果を著しく阻害しない限り、必要に応じて配合することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に安定剤を配合する場合、安定剤の配合量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して0.1〜30重量部、特に1〜15重量部とすることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に難燃剤を配合する場合、難燃剤の配合量は、塩素系樹脂成分(A)100重量部に対して1〜30重量部、特に1〜15重量部とすることが好ましい。
本発明の塩素系熱可塑性樹脂組成物は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル系樹脂(A−2)とからなる塩素系樹脂成分(A)、ポリエステル系エラストマー(B)、可塑剤(C)、およびその他の各種添加剤を所定の混練機又は混合機に投入し、塩化ビニル系樹脂(A−1)が劣化しない温度範囲、例えば、100〜230℃、好ましくは130〜200℃の温度に加熱しながら、均一に混合又は混練することにより、容易に調製することができる。なお、塩素系樹脂成分(A)は、塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)と塩化ビニル系樹脂(A−2)とを予め混合しておいて、ポリエステル系エラストマー(B)、可塑剤(C)、およびその他の各種添加剤と混合しても、すべての成分を一括で混合しても、いずれの方法を用いてもよい。上述の配合成分の混合又は混練に用いる混合機又は混練機は、実質的に配合物を均一に混合、混練できる装置であればよく特に限定されるものではない。混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、プラネタリーミキサー等が挙げられ、混練機としては、例えば、単軸押出機、2軸押出機、ミルロール、バンバリーミキサー、ニーダー、インテンシブミキサー等、加熱しながら剪断力下で混練できるものが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は押出成形、射出成形といった代表的な各種の成形方法で成形することが可能で、特に好ましくは押出成形にて熱可塑性樹脂成形体とすることができる。押出成形条件としては特に制限はないが成形温度130〜220℃が適当であり、上記下限値より低い温度であると十分に樹脂が溶融できない状態で成形することになり意匠性や成形性が悪くなる傾向にある。一方、上記上限値より高いと塩素系樹脂成分が分解しやすくなる傾向にある。
<塩素系樹脂成分(A)>
塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)
(a−1):昭和電工社製、重量平均分子量35万の原料ポリエチレンを塩素化した塩素
化ポリエチレン、
塩素含有率:30重量%
結晶融解熱量:7cal/g
DOP吸油量:28ml
塩化ビニル樹脂(A−2)
(a−2a):信越化学工業社製、塩化ビニル樹脂、
平均重合度:2500
(a−2b):信越化学工業社製、架橋ゲル分を含む架橋塩化ビニル樹脂、
平均重合度:2400
ゲル分:20(重量%)
(b):ポリブチレンテレフタレートプレポリマー(ハードセグメント)とポリテトラメチレングリコール(ソフトセグメント)の共重縮合によって得られたポリエステル系エラストマー(LG CHEM社製)
結晶融点:165℃
溶融粘度:200Pa・s(200℃における剪断速度1200sec−1の時の見掛けの溶融粘度)
(c):ジイソノニルフタレート(ジェイ・プラス社製 DINP)
1)硬度
JIS K6253に基づき硬度測定(デュロ−A)を実施し、接触後10秒後の値を測定した。
配合成分を混練機であるバンバリーミキサーに投入し、排出温度(168℃)に達した後、排出状況を観察し、下記基準で評価した。
○:バンバリーミキサーに付着なく、排出が良好に実施できた
△:バンバリーミキサー内壁およびローターに若干の付着があるも、大半は良好に排
出できた
×:バンバリーミキサー内壁およびローターに大量に付着し、排出が著しく困難であ
る
JIS K7261に基づき、低温脆化試験機を用いて低温での50%衝撃脆化温度を測定した。
JIS K6261に基づき、低温ねじり試験を実施し、−55℃〜25℃でのねじりモジュラス変化を測定し、以下基準で評価を実施した。
○:−30℃〜25℃領域においてねじりモジュラスが殆ど変化しない
△:−30℃〜25℃領域においてねじりモジュラスが若干変化する
×:測定領域すべてでねじりモジュラスが著しく変化する
ペレットを加熱乾燥(90℃×1時間)した後、40φ押出機(スクリューにはフルフライトスクリューを用いた)を用いてダイス温度160℃で2.5cm×1mmのベルト状に成形した。成形後、ベルト外観を観察し、以下基準で評価を実施した。
○:異物等無く滑らかである
△:異物は無いが、波打ちし外観が悪い
×:ポリエステル系エラストマー由来の異物が無数に存在する
表−1及び表−2に示す配合原料のうち、ポリエステル系エラストマー(B)以外の成分を表−1に記載した配合量でヘンシェルミキサーに投入し、110℃になるまで攪拌して排出した。排出した混合物にポリエステル系エラストマー(B)を表−1及び表−2に記載した配合量で加え、バンバリーミキサーにて混練し、168℃に到達したところで排出を行なった。この排出状況を評価し、加工性の評価を実施した。
硬度、耐寒性および低温柔軟性の試験サンプルについては、この組成物を150℃のミルロールでシート状にし、このシートをプレス成形機にて成形温度180℃、成形圧力200kg/cm2で成形し、評価用シートを作成した。
また、押出外観試験に用いるペレットについてはバンバリーミキサー混練後、二軸押出機を用いて押出したストランドをカッターでペレット化して調製した。
各評価結果を表−1及び表−2に示す。
表−1及び表−2に示す通り、実施例1〜8の熱可塑性樹脂組成物は、自動車ウインドモール材に適用可能な低硬度領域(硬度55〜75)において耐寒性および低温柔軟性に優れ、塩素系樹脂の有する加工性および押出外観のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物であった。
Claims (7)
- 塩素化ポリエチレン樹脂(A−1)35〜90重量%と塩化ビニル樹脂(A−2)10〜65重量%とからなる塩素系樹脂成分(A)100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー(B)25〜75重量部および可塑剤(C)45〜110重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ポリエステル系エラストマー(B)が、ポリブチレンテレフタレートからなるハードセグメントと、ポリオキシテトラメチレングリコールからなるソフトセグメントとを有するものである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記可塑剤(C)が、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- デュロA硬度が55〜75であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を押出成形してなる成形体。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車ウィンドモール。
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