JP2005320492A - 熱可塑性樹脂用フィラー分散剤 - Google Patents

熱可塑性樹脂用フィラー分散剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂用の優れたフィラー分散性を有する分散剤を提供する。
【解決手段】
下記一般式(1)で示されるポリエーテル鎖含有アミノ化合物(E1)および/またはその塩(E1’)を有効成分とする、熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂または熱可塑性ポリウレタン樹脂用のフィラー分散剤。
【化5】

式中、R1は水素原子、炭素数1〜22の1価の炭化水素基または炭素数1〜22のアシル基;A1は炭素数2〜18のアルキレン基;A2は炭素数2〜4のアルキレン基;nは0または1〜10の整数;mは0または1〜600の整数であり、R1がアシル基であるR1−(OA2)m−におけるmは0ではなく、1分子中のmの総和は4〜600であり;複数個のR1、A1、A2およびmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィラー分散剤に関する。さらに詳しくは熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂用のフィラー分散剤に関する。
シリカなどのフィラーを熱可塑性樹脂などへ分散させる技術としては例えば、(i)カップリング剤で処理して分散性を向上させた無機フィラーを樹脂に分散させる方法(例えば、特許文献−1参照)や、(ii)界面活性剤を用いて無機フィラーを樹脂中に分散させる方法(例えば、特許文献−2参照)等が知られている。
特公平7−98657号公報 特公平8−13938号公報
しかし、熱可塑性樹脂へのフィラーの分散に使用される分散剤は十分な効果を示さない場合があり、特にポリα−オレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂などの疎水性の樹脂に、親水性のフィラー、例えばシリカなどの親水性が高いフィラーを分散させようとしてもフィラーが非常に凝集しやすいため、これらのフィラーを分散させるには上記の(i)または(ii)などの方法では十分に分散できないという問題があった。
本発明の課題は、熱可塑性樹脂用の優れたフィラー分散性を有する分散剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的のため鋭意検討した結果、特定のアミン化合物が熱可塑性樹脂に対して優れたフィラー分散性を有することを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示されるポリエーテル鎖含有アミノ化合物(E1)および/またはその塩(E1’)を有効成分とする、熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂または熱可塑性ポリウレタン樹脂用のフィラー分散剤(第一発明);
下記一般式(2)で示されるポリエーテル鎖含有アミノ化合物(E0)と、ポリハロゲン化アルキル、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸無水物、ポリカルボン酸低級アルキルエステル、ポリカルボン酸ハロゲン化物およびポリイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上の化合物から得られる重合体(E2)、および/またはその塩(E2’)を有効成分とする、熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂または熱可塑性ポリウレタン樹脂用のフィラー分散剤(第2発明);該分散剤、並びに熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂、および/またはフィラーを含有してなる熱可塑性樹脂成型用マスターバッチ;並びに該分散剤およびフィラーを含有する、熱可塑性ビニル樹脂成型品、熱可塑性ポリアミド樹脂成型品、熱可塑性ポリエステル樹脂成型品、熱可塑性ポリアセタール樹脂成型品、熱可塑性ポリカーボネート樹脂成型品または熱可塑性ポリウレタン樹脂成型品;である。
式中、R1は水素原子、炭素数1〜22の1価の炭化水素基または炭素数1〜22のアシル基;A1は炭素数2〜18のアルキレン基;A2は炭素数2〜4のアルキレン基;nは0または1〜10の整数;mは0または1〜600の整数であり、R1がアシル基であるR1−(OA2)m−におけるmは0ではなく、1分子中のmの総和は4〜600であり;複数個のR1、A1、A2およびmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
式中、R2は水素原子、炭素数1〜22の1価の炭化水素基または炭素数1〜22のアシル基;1分子中のR2のうち少なくとも1個は水素原子であり;A3は炭素数2〜18のアルキレン基;A4は炭素数2〜4のアルキレン基;qは0または1〜10の整数、pは0または1〜600の整数であり、R2がアシル基であるR2−(OA4)p−におけるpは0ではなく、1分子中のpの総和は2〜600であり;複数個のR2、A3、A4およびpはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
本発明のフィラー分散剤は、熱可塑性樹脂中にフィラーを分散させる効果が大である。特にシリカなどの親水性フィラーの分散に優れている。
また、フィラー分散性が良好であるため樹脂の混練加工時の流動性が優れている。
本発明の第一発明におけるポリエーテル鎖含有化合物(E)は一般式(1)で表され、R1としては水素原子、炭素数1〜22の炭化水素基および炭素数1〜22のアシル基が挙げられる。炭化水素基としては、炭素数1〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、例えばアルキル基(メチル基、エチル基、n−及びiso−プロピル基、n−、iso−、sec−及びtert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、パルミチル基、ステアリル基等)、アルケニル基(エテニル基、1−、2−及びiso−プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、オレイル基等)、アルキニル基(ブチン基等)及びアルカジエニル基(リノレイル基等);脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基(シクロペンチル、シキロヘキシル基等);アラルキル基、例えばベンジル、エチルフェニル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アシル基としては、炭素数1〜22の直鎖または分岐の脂肪族アシル基(例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ラウロイル基、ステアロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基オレオイル基など)および芳香族アシル基(例えばベンゾイル基、シンナモイル基など)が挙げられる。
1のうち好ましいものは水素原子、炭化水素基(特にアルキル基、アルケニル基およびシクロアルキル基)であり、特に好ましいのは水素原子並びに炭化水素基のうちのアルキル基およびシクロアルキル基である。
1分子中の複数個のR1は同一でも異なっていてもよいが、同一の場合に好ましいR1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
1には炭素数2〜18(好ましくは2〜8)の直鎖及び分岐のアルキレン基が含まれ、例えばエチレン基、1,2−及び1,3−プロピレン基、1,2−、2,3−、1,3−、1,4−及びiso−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキサデシレン基及びオクタデシレン基が挙げられる。これらのうち好ましいものは直鎖のアルキレン基である。
2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、1、2−プロピレン基、1,2−、2,3−ブチレン基及びイソブチレン基が挙げられる。これらの二種以上の混合であってもよく、重合形式はランダムでもブロックでもよいが、流動特性が優れるという点でランダム重合部分を有することが好ましい。これらのうち好ましいのはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基であり、さらに好ましいのは、樹脂の混練加工性の観点から1,2−プロピレン基単独、エチレン基と1,2−プロピレン基の混合である。また、樹脂の混練加工時の流動性の観点から、A2のうち好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上が1,2−プロピレン基である。
nは0または1〜10の整数であり、好ましくは0または1〜6、更に好ましくは0または1〜3、特に1である。10を越えるとフィラー分散性が悪くなる。
また、nが0の時は、フィラー分散性の観点から、1分子中のA2のうち少なくとも1個は炭素数3もしくは4、好ましくは3、特に1,2−プロピレン基であることが好ましい。
mは0または1〜600の整数であり、好ましくは2〜500、さらに好ましくは3〜400、特に好ましくは4〜300である。
また、R1がアシル基であるR1−(OA2)m−におけるmは0ではなく、この場合のmが0であるとフィラー分散性が悪くなる。
複数個のmは同一でも異なっていてもよいが、1分子中のmの総和は4〜600の整数であり、好ましくは6〜500、さらに好ましくは8〜400である。mの総和が4より小さいと、フィラーの分散性が悪くなることにより、混練後の樹脂の外観が悪くなる。600を超えると樹脂が高粘度になり、混練加工性が悪くなる。
また、nが0の時、好ましいのは、3個のmのうち1個が0で残りは2〜300(好ましくは2〜100)で、N原子に直結したR1は好ましくは炭素数6〜22のアルキル基もしくはシクロアルキル基で、残りのR1は水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基である。
(E1)の例としては、nが0の場合は、例えば、ドデシルアミンエチレンオキシド(以下、EOと略記)3〜30モル/プロピレンオキシド(以下、POと略記)1〜10モル付加物、ジエタノールアミンEO1〜30モル/PO1〜5モル付加物、トリエタノールアミンEO1〜30モル/PO1〜5モル付加物およびこれらの末端メトキシ化物など;並びに、nが1〜10の場合は、例えば、エチレンジアミンEO4〜100モル/PO4〜100モル付加物、ジエチレントリアミンEO4〜200モル/PO4〜100モル付加物およびこれらの末端部分メトキシ化物など;が挙げられる。
本発明における(E1)は、好ましくは250〜30,000、さらに好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜6,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
Mwが250以上であれば分散性が優れ、30,000以下であれば低粘度になりやすく、取り扱いの点で好都合である。Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による(カラム:TSKgel G2000、G3000、G4000HXL、溶媒:テトラヒドロフラン)ものである。
(E1)の製造は、炭素数1〜22の炭化水素基を有する1級アミン、炭素数1〜22の炭化水素基を2個有する2級アミン、炭素数2〜4のアルカノール基を有するアルカノールアミンまたは(ポリ)アルキレンポリアミンに、一種以上の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)を単独、ランダムまたはブロックで付加させ、必要により末端の水酸基をエーテル化またはアシル化反応することにより行うことができる。AOの付加反応は、必要により、特に付加反応の後半の段階において触媒の存在下に行われ、好ましくは温度70〜180℃、好ましくは圧力0〜0.6MPa、反応時間2〜15時間で行うことができる。使用した触媒は必要により反応後に除去することもできる。
該1級アミンとしては、例えば炭素数1〜22の直鎖及び分岐の脂肪族炭化水素基を1個有するアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−及びiso−プロピルアミン、n−、iso−、sec−及びtert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン、エテニルアミン、1−、2−及びiso−プロペニルアミン、ブテニルアミン、ヘキセニルアミン、オクテニルアミン、オレイルアミン等のアルケニルアミン、ブチニルアミン等のアルキニルアミン及びリノレイルアミン等のアルカジエニルアミン);
脂環式炭化水素基を1個有するアミン(シクロペンチルアミン、シキロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン);アラルキル基を1個有するアミン(ベンジルアミン、エチルフェニルアミン等);アリール基を有するアミン(アニリン、ナフチルアミン等)が挙げられる。
2級アミンとしては、例えば炭素数1〜22の直鎖及び分岐の脂肪族炭化水素基を2個有するアミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−及びイソプロピルアミン、ジn−、iso−、sec−及びtert−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジドデシルアミン、ジステアリルアミン等のジアルキルアミン、ジブテニルアミン、ジオクテニルアミン等のジアルケニルアミン);
脂環式炭化水素基を2個有するアミン(ジシクロペンチルアミン、ジシキロヘキシルアミン等のジシクロアルキルアミン);アラルキル基を2個有するアミン(ジベンジルアミン等))が挙げられる。
炭素数2〜4のアルカノール基を有するアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどが挙げられる。
(ポリ)アルキレンポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、デシレンジアミン及びドデシレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン等のポリアルキレンポリアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等);並びにこれらのN−モノアルキル(炭素数1〜22)置換体、(例えばメチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、ブチルアミノエチルアミン、ブチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、ステアリルアミノプロピルアミン等)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは炭素数1〜22の炭化水素基を有する1級アミンおよび(ポリ)アルキレンポリアミン、さらに好ましいものはアルキル(炭素数2〜18)アミン、アルケニルアミン(炭素数4〜18)、シクロヘキシルアミン及び(ポリ)アルキレン(炭素数2〜18)ポリアミンであり、特にアルキレンジアミンである。
上記の触媒としては、アルカリ触媒、例えば水酸化物[KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等]、酸化物(K2O 、CaO、BaO等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物等)、アルカリ金属(Na、K等)及びその水素化物(NaH、KH等)並びにアミン類(トリエチルアミン、トリメチルアミン等)が挙げられる。
炭素数2〜4のAOにはEO、PO、1,4−、2,3−及びイソ−ブチレンオキサイドが挙げられ、重合形式はランダムでもブロックでもよいが、流動特性が優れるという点でランダムに付加重合させることが好ましい。さらに好ましいのは熱可塑性樹脂の混練加工性の観点からPO単独またはEOとPOの併用であり、AOのうちPOを好ましくは10重量%以上、さらに30重量%以上含有することがさらに好ましい。
AO付加反応の後に必要により行うことができるエーテル化反応は、上記のAO付加物に、さらに必要によりアルカリ(KOH、NaOH及びCsOH等のアルカリ金属の水酸化物等)を添加し、モノハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)を用いてエーテル化反応させることで行うことができる。モノハロゲン化アルキルの量は、AO付加物の水酸基に対し、当量比でモノハロゲン化アルキル/水酸基=1/1〜5/1が好ましく、特に1.2/1〜4/1が好ましい。また、アルカリの添加量は、AO付加物の水酸基に対し、当量比でアルカリ/水酸基=1/1〜10/1が好ましく、特に1.2/1〜5/1が好ましい。反応には必要によりトルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エーテル化反応は、50〜150℃で、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。エ−テル化反応の進行状況は、反応系のアルカリ価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
AO付加反応の後に必要により行うことができるアシル化反応は、上記のAO付加物に、さらに必要により炭素数1〜22のカルボン酸、カルボン酸無水物、炭素数1〜4のアルキル基を有するカルボン酸アルキルエステルおよびカルボン酸ハロゲン化物からなる群から選ばれる1種以上のアシル化剤を反応させることにより行うことができる。
一般式(1)におけるmが0である基であって、R1がアシル基の場合はアミド基が生成し、mが0以外の場合の基であって、R1がアシル基の場合はエステル基が生成する。
アシル化剤としては炭素数1〜24の脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、チオプロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等)および芳香族モノカルボン酸(安息香酸、フェニル酢酸、ナフタレンカルボン酸など)が挙げられる。
AO付加物とアシル化剤との反応条件は一般のアシル化反応の条件で行うことが出来る。例えば1段階合成法の場合、アシル化触媒、好ましくは酸触媒(例えばパラトルエンスルホン酸、硫酸等)を使用し、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃で8〜20時間で合成することができる。AO付加物とアシル化剤との官能基の当量比(AO付加物)/(アシル化剤)は、好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.9〜1.5である。0.5以上であると未反応のアシル化剤が多量に残らず水洗等の処理が不必要となり、2.0以下であるとAO付加物の潤滑性が良好である。また反応には必要により、トルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。アシル化反応は、常圧、減圧、加圧のいずれでも行うことができるが、減圧下の方が反応時間が短くなるため好ましい。減圧度は、反応の最終段階で、好ましくは30mmHg以下、特に好ましくは10mmHg以下である。アシル化反応の進行状況は、反応系から留出する水、低級アルコールの量、反応系の酸価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
本発明の第2発明における(E2)は、一般式(2)で示される化合物(E0)における少なくとも1個有する水酸基をジョイント剤で2個以上重合して重合体としたものである。
一般式(2)における、R2は水素原子、炭素数1〜22の1価の炭化水素基または炭素数1〜22のアシル基であり、前述のR1で挙げた基と同様の基が挙げられ、好ましい基も同様である。なお、1分子中のR2のうち少なくとも1個は水素原子である。A3は炭素数2〜18のアルキレン基であり、A4は炭素数2〜4のアルキレン基であり、これらはいずれも前述のA1およびA2で挙げたものと同様の基が挙げられ、好ましい基も同様である。qは0または1〜10の整数、pは0または1〜600の整数であり、R2がアシル基であるR2−(OA4)p−におけるpは0ではなく、1分子中のpの総和は2〜600、好ましくは4〜600であり、複数個のR2、A3、A4およびpはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
ジョイント剤としては、ポリハロゲン化アルキル(j1)、ポリカルボン酸(j2)、ポリカルボン酸無水物(j3)、ポリカルボン酸低級アルキルエステル(j4)、ポリカルボン酸ハロゲン化物(j5)およびポリイソシアネート(j6)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
使用できるポリハロゲン化アルキル(j1)としては2〜4価又はそれ以上の炭素数1〜5の塩化物又は臭素化物が挙げられ、具体的には下記の(j11)および(j12)が挙げられる。
(j11)炭素数1〜2のポリハロゲン化アルキル;
ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロモメタン、ジブロモエタンおよびトリクロロエチレン等。
(j12)炭素数3以上のポリハロゲン化アルキル;
1,3−ジクロロプロパン、1,3−トリクロロプロパンおよび1,2ジブロモブタン等。
(j1)のうちで好ましいものは(j11)であり、特にジクロロメタンまたはジクロロエタンを使用した(E2)は粘度が低くなり、取り扱いが容易となる。
(E0)と(j1)との反応条件は、一般のエーテル化反応の条件で合成できる。例えば、アルカリ、好ましくは無機アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)をハロゲンに対し0.9〜1.5当量を加え、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃で6〜24時間で合成することができる。(E0)の水酸基と(j1)のハロゲン原子との当量比(E0)/(j1)は好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.9〜1.5である。0.5以上及び2.0以下であると(E2)の潤滑性が良好となる。また。反応には必要により、トルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エーテル化反応は、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。エ−テル化反応の進行状況は、反応系のアルカリ価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
(E2)の製造に使用できるポリカルボン酸(j2)としては下記の炭素数2〜22のポリ(2〜10価)カルボン酸が挙げられる。
(j21)炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸;
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、プロパンジカルボン酸、チオジプロピオン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハイミック酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸等。
(j22)炭素数3〜22の脂肪族3〜4価又はそれ以上のカルボン酸;
プロパントリカルボン酸、メチルシクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキセントリカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸等。
(j23)芳香族ジカルボン酸
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸等。
(j24)芳香族3〜4価又はそれ以上のカルボン酸。
ベンゼントリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸等。
(j2)うちで好ましいものは(j21)および(j23)であり、さらに好ましいものは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、プロパンジカルボン酸、チオジプロピオン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸であり、特に好ましいものはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、プロパンジカルボン酸およびチオジプロピオン酸である。これらを使用した(E2)は粘度が低くなり、取り扱いが容易となる。
(E2)の製造に使用できるポリカルボン酸無水物(j3)としては上記の(j2)の無水物が挙げられ、好ましいものは(j21)または(j23)の無水物である。
(E2)の製造に使用できるポリカルボン酸低級アルキルエステル(j4)としては上記の(j2)の炭素数1〜4のアルキルエステルが挙げられ、好ましいものは(j21)または(j23)の低級アルキルエステルである。
(E2)の製造に使用できるポリカルボン酸ハロゲン化物(j5)としては上記の(j2)の塩化物および臭化物などが挙げられ、好ましいものは(j21)または(j23)のハロゲン化物である。
(j2)〜(j5)には、1〜3個、好ましくは1個のヘテロ原子(硫黄、燐等)を含んでいてもよい。
(E0)と(j2)〜(j5)との反応条件は一般のアシル化反応の条件で行うことができ、例えば前述のアシル化の条件で可能である。
(E2)の製造において使用できるポリイソシアネート(j6)としては、2〜6価またはそれ以上のポリイソシアネートが用いられ、従来からポリウレタン製造に使用されているものが挙げられ具体的には以下の(j61)〜(j64)が挙げられる。
(j61)芳香族ポリイソシアネート
1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等;
(j62)脂肪族ポリイソシアネート
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等;
(j63)脂環式ポリイソシアネート
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等;
(j64)芳香脂肪族ポリイソシアネート
m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等;
これらのうちで好ましいものは1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、TDI、MDI、テトラメチレンジイソシアネートおよびHDIである。
(E0)と(j6)との反応条件は一般のウレタン化反応の条件で行うことが出来る。例えば、ウレタン化触媒、好ましくは遷移金属触媒(例えば、ジブチルチンジラウレート等)を使用し、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜130℃で8〜20時間で合成することができる。(E0)と(j6)との官能記の当量比(E0)/(j6)は、好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.9〜1.5である。0.5以上及び2.0以下であると(E2)の潤滑性が良好となる。また、反応には必要により、トルエン、キシレン、ジメチルフォルムアミド、酢酸ブチル等の溶剤を使用することができる。ウレタン化反応は、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。ウレタン化反応の進行状況は、反応系のイソシアネート基含量、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
本発明における(E1’)および(E2’)[以下において、(E1’)と(E2’)を含めて(E’)と記す]としては、上記(E1)もしくは(E2)[以下において、(E1)と(E2)を総称して(E)と記す]と酸(a)とで形成された中和塩および(E)から誘導される第4級アンモニウム塩が挙げられる。
中和塩を形成する(a)としては脂肪族モノカルボン酸(a1)、脂肪族ポリカルボン酸(a2)、芳香族カルボン酸(a3)、不飽和カルボン酸の重合体(a4)およびアミノ酸(a5)から選ばれる1種以上の酸、例えば下記の酸が挙げられる。
(a1)脂肪族モノカルボン酸
(a11)炭素数2〜22の脂肪族飽和カルボン酸;
酢酸、プロピオン酸、チオプロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、へプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸など。
(a12)炭素数3〜22の脂肪族不飽和カルボン酸;
アクリル酸、メタクリル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノエライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、パリナリン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、オレオイルサルコシンなど。
(a13)脂肪族飽和カルボン酸および脂肪族不飽和カルボン酸の混合物;
アマニ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、コメヌカ油脂肪酸、ダイズ油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、落花生油脂肪酸、牛脂油脂肪酸、羊脂肪酸、イワシ油脂肪酸、硬化イワシ油脂肪酸、ナガス鯨油脂肪酸、硬化ニシン油脂肪酸、マッコウ鯨油脂肪酸など天然油脂からの脂肪酸。
(a2)脂肪族ポリカルボン酸
(a21)炭素数3〜22の脂肪族ポリカルボン酸
(a211)脂肪族飽和ジカルボン酸;
マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など。
(a212)アルケニルコハク酸;
オクテニルコハク酸、ノネニルコハク酸、デセニルコハク酸、ウンデセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、トリデセニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、ヘプタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など。
(a213)マレイン化脂肪酸;
マレイン化オレイン酸、マレイン化ヒマシ油脂肪酸など。
(a3)芳香族カルボン酸
(a31)炭素数7〜22の芳香族カルボン酸;
安息香酸、フェニル酢酸、フェニル・メチル酢酸、桂皮酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘリメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ベンゼンポリカルボン酸、サリチル酸、o−ヒドロ・クマル酸、o−オキシ桂皮酸、プロトカテキユ酸、バニリン酸類、レゾルシル酸類、ピロガロール・カルボン酸類など。
(a4)不飽和カルボン酸の重合体
(a41)炭素数8〜22の不飽和カルボン酸の重合体(重合度2または3);
ダイマー酸、トリマー酸、マレイン化ダイマー酸など。
(a5)アミノ酸
(a51)炭素数7〜22のアミノ酸;
フェニルアラニン、チロシン、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸など。
(a)のうち好ましいのは(a1)および(a2)、さらに好ましいのは(a11)、(a12)、(a212)および(a213)であり、特に好ましいのはステアリン酸およびオレイン酸である。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
中和塩は、(E)と(a)を等しい当量割合で十分に混合して得ることができ、必要により溶媒を使用して混合したのち溶媒を除去する方法も行うことができる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、ベンゼン、クロロホルムなどが使用できる。
第4級アンモニウム塩としては、(E)を4級化剤と反応させて得られるもの、またはさらに有機酸とアニオン交換反応することにより得られるものが挙げられる。
4級化剤としては、ジアルキルカーボネート(アルキル基は炭素数4〜24、例えばステアリル基、ベへニル基など)、ハロゲン化アルキルもしくはハロゲン化アルケニル(アルキル基およびアルケニル基の炭素数4〜24、ハロゲンは塩素、臭素、ヨウ素など)、およびジアルキル硫酸(アルキル基は炭素数4〜24)などが挙げられる。アニオン交換に供される有機酸としては前述のカルボン酸が挙げられる。
本発明における塩のうち、分散性の観点から好ましいのは中和塩である。
本発明の分散剤は(E)のみ、(E’)のみ、または(E)と(E’)を含むもののうちいずれでもよい。
(E)と(E’)を含む場合の、(E)の重量に基づく(E’)の割合(E’)/(E)は、通常は任意の混合割合で用いられるが、フィラー分散性の観点から好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜10である。
本発明の分散剤は、本発明の分散剤の効果を損なわない範囲においてさらに他の成分として下記一般式(3)で示されるポリエーテル(F)および/またはその誘導体(F’)を含有してもよい。(F)またはその誘導体(F’)を加えることにより、分散性を損なうことなく、混練加工性が向上し、成形時の離型性もよくなる。
3−{(OA5)k−OH}r (3)
式中R3は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つの水酸基を除いた残基、A5は炭素数2〜24のアルキレン基であり、rは1〜6の整数、kは1〜600の整数である。
3は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つ、好ましくは全ての水酸基を除いた残基であり、直鎖、分岐もしくは脂環式の1〜6価のアルコールの残基、1〜6価のフェノール類の残基、及び1〜6価の芳香脂肪族アルコールの残基が挙げられ、これらのアルコールおよびフェノール類としては以下の(f1)〜(f6)が挙げられる。
(f1)1価アルコール
直鎖もしくは分岐の炭素数1〜24の脂肪族飽和モノオール[メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、オクタデシルアルコールおよびテトラコシルアルコール等];直鎖もしくは分岐の炭素数3〜24の脂肪族不飽和モノオール[アルケニルアルコール(1−,2−及びiso−プロペニルアルコール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、オクタデセニルアルコール等];炭素数4〜24の脂環式モノオール[シクロペンタノール及びシクロヘキサノール等]
(f2)2価アルコール
炭素数2〜24の脂肪族ジオール[アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−及び1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール等)];炭素数4〜18の脂環式ジオール[シクロアルキレングリコール(1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等)および水添ビスフェノール類(水添ビスフェノールA及び水添ビスフェノールF等)];及び複素環ジオール[1,4,3,6−ソルバイド等]。
(f3)3〜6価アルコール
炭素数3〜24の3価アルカントリオール[グリセリン、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパン等];炭素数5〜24の4〜6価のアルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、1,5−、3,6−及び1,4−ソルビタン並びにジグリセリンなど];並びに糖類およびその誘導体[ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース及びメチルグルコシド等]。
(f4)1価フェノール類
炭素数6〜24の1価フェノール類[フェノール、アルキルフェノール(o、m又はp−メチルフェノール、m、p−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、o、m又はp−エチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール及びp−ノニルフェノール等)、モノスチリルフェノール及びモノベンジルフェノール等]。
(f5)2〜6価フェノール類
炭素数6〜24の2〜6価のフェノール類[単環多価フェノール{2価フェノール(カテコール、レゾルシンおよびヒドロキノン等)、単環3〜6価フェノール(トリオキシベンゼン、テトラオキシベンゼンおよびヘキサオキシベンゼン等)}およびビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビスフェノールF等)。
(f6)1〜6価芳香脂肪族アルコール
炭素数7〜24のアラルキルアルコール[ベンジルアルコールおよびフェネチルアルコール等];炭素数8〜24の置換アラルキルアルコール[o、m又はp−メチルベンジルアルコールおよびp−n−ブチルフェネチルアルコール等]。
これらのうち好ましいのは(f1)〜(f3)であり、さらに好ましいのはこれらのうちの炭素数1〜20のもの、特に好ましいのは1〜3価アルコール、とりわけ好ましいのは疎水性の熱可塑性樹脂との相溶性が良好という点で炭素数3〜18の直鎖又は分岐の脂肪族飽和又は不飽和1価アルコールである。炭素数が24以下であると流動特性が良好なことから混練加工性に優れる。
一般式(3)におけるA5は炭素数2〜24のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、1,2−及び1,3−プロピレン基、1,2−、2,3−および1,4−ブチレン基、イソブチレン基および炭素数6〜24の1,2−アルキレン基等が挙げられる。これらの二種以上の混合であってもよく、重合形式はランダムでもブロックでもよいが、流動特性が優れるという点でランダム重合部分を有することが好ましい。これらのうち好ましいのは炭素数2〜16のアルキレン基であり、さらに好ましいものはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,4−ブチレン基であり、特に好ましいのは、混練加工性の観点から1,2−プロピレン基及び1,4−ブチレン基である。
一般式(3)におけるkは1〜600、好ましくは2〜300、さらに好ましくは3〜100である。rは好ましくは1〜3、特に疎水性の熱可塑性樹脂との相溶性が良好という観点で1が好ましい。rが6以内であると流動特性に優れる。
(F)は、好ましくは200〜30,000、さらに好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜6,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
Mwが200以上であればフィラー分散性が優れ、30,000以下であれば低粘度になりやすく、取り扱いの点で好都合である。Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による(カラム:TSKgel G2000、G3000、G4000HXL、溶媒:テトラヒドロフラン)ものである。
(F)の製造法としては、R5(OH)kで表される炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物に、触媒の存在下、好ましくは温度30〜120℃、好ましくは圧力0〜0.6MPaで炭素数2〜24の一種以上のアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)を単独、ランダムまたはブロックで付加させる方法が挙げられる。必要により触媒を除去することにより得る方法が挙げられる。
触媒としては公知の触媒が使用できるが、AOのうち、4員環(オキセタン)または5員環(テトラヒドロフラン)を有するAOを単独付加反応または3員環(エチレンオキサイド、プロピレンオキシド等)と共重合付加反応させる場合と、3員環を有するAOどうしの単独付加反応では好ましい触媒の範囲が異なる。
4または5員環を有するAOの単独付加反応、もしくは4または5員環を有するAOと3員環を有するAOとの共重合付加反応の場合の触媒としては、例えばBF3、BCl3、AlCl3、FeCl3およびSnCl3等のルイス酸並びにそれらの錯体[例えばBF3エーテル錯体、BF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)];H2SO4、HClO4等のプロトン酸;KClO4、NaClO4等のアルカリ金属の過塩素酸塩;Ca(ClO42、Mg(ClO42等のアルカリ土類金属の過塩素酸塩;Al(ClO43等の前記以外の金属の過塩素酸塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、BF3エーテル錯体及びBF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)である。
3員環を有するAOどうしの付加反応の場合の触媒としては、上記の触媒のほかアルカリ触媒、例えば水酸化物[KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物];酸化物(K2O 、CaO、BaO等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物);アルカリ金属(Na、K等)及びその水素化物(NaH、KH等);トリエチルアミン、トリメチルアミン等のアミン類等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはKOH、NaOH、CsOH、BF3エーテル錯体及びBF3テトラヒドロフラン錯体(BF3・THF)である。
AOのうち好ましいのは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイドであり、さらに好ましいのはプロピレンオキサイドおよび1,4−ブチレンオキサイドである。
本発明における(F’)としては、上記の(F)のアルキルエーテル化物(F’1)もしくはエステル化物(F’2)、または(F)とポリイソシアネートとの反応物(F’3)もしくは(F)とポリハロゲン化物との反応物(F’4)が挙げられる。
(F’1)のうち好ましいのは炭素数1〜8のアルキルエーテル化物、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基またはn−オクチル基等を有するエーテル化物が挙げられ、好ましいのはメチルエーテル化物である。
(F’1)の製造は、前述のAO付加物のエーテル化と同様の方法で行うことができる。
(F’2)は、(F)と、炭素数1〜22のカルボン酸、カルボン酸無水物、炭素数1〜4のアルキル基を有するカルボン酸アルキルエステルおよびカルボン酸ハロゲン化物からなる群から選ばれる1種以上のエステル化剤とのエステル化物である。
エステル化剤としては前述のアシル化剤と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。また、(F)とエステル化剤との反応条件も前述と同様である。
(F’3)において使用するポリイソシアネートおよびポリハロゲン化アルキルとしては前述の(j6)および(j1)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
(F)および/または(F’)の好ましい含有量は分散剤の重量に基づいて0〜95重量%、さらに好ましくは10〜80重量%である。
本発明において、熱可塑性樹脂へのこれらの分散剤の添加の方法としては、以下の方法が挙げられる。
(i);(E)のみを必須成分とする場合は、熱可塑性樹脂に(E)を添加・混合する。
(ii);(E’)のみを必須成分とする場合には予め製造された(E’)を添加するか、または、(E)と当量の(a)を熱可塑性樹脂に添加・混合し、樹脂中で(E’)を形成する。
(iii);(E)と(E’)を必須成分とする場合は、予め製造された(E’)と別に(E)を添加するか、または、(a)よりも過剰当量の(E)を熱可塑性樹脂に添加・混合し、樹脂中で(E)の一部を(E’)に変換する。
これらの方法において、必要により(E)および/または(E’)を(F)もしくは(F’)で溶解もしくは分散させて用いることができる。
本発明の分散剤は、合成または天然樹脂のフィラーとして用いられている公知のフィラーに使用でき、フィラーとしては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属ケイ酸塩、金属窒化物、炭素類及びその他フィラーが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ及び酸化アンチモン等が挙げられる。
金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられる。
金属炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト及びハイドロタルサイト等が挙げられる。
金属硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び石膏繊維等が挙げられる。
金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラス繊維、ガラスビーズ及びシリカ系バルーン等が挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び窒化ケイ素等が挙げられる。
炭素類としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末及びフラーレン等が挙げられる。
その他のフィラーとしては、例えば、その他各種金属粉(金、銀、銅、スズ等)、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、スラグ繊維、フッ素系樹脂粉末、木粉、パルプ、ゴム粉及びアラミド繊維、でんぷん等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上併用してもよい。
これらのフィラーのうち好ましいのはアミンとの親和性の観点から金属酸化物であり、さらに好ましいのはシリカである。
フィラーの形状は特に限定されないが、繊維状、針状、板状、球状、粒状(不定形、以下同じ意味である。)、テトラポット状及びバルーン状等が挙げられる。またフィラーは、必要により、処理剤により表面処理されていてもよい。
表面処理剤としては、公知の表面処理剤が使用でき、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、油脂、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、ワックス、脂肪酸、カルボン酸カップリング剤及びリン酸カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばγ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタン等が挙げられる。
アルミネートカップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等のフィラーカップリング剤を使用する場合の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜20重量部であり、さらに好ましくは2〜10重量部である。
油脂としては、例えば、ココナッツ油、米カス油、大豆油、アマニ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油及び桐油等が挙げられる。
ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物及びポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価アルコール型非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル及びアルカノールアミンの脂肪族アミド等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、マレイン化ポリプロピレン及びマレイン化ポリエチレン等が挙げられる。
脂肪酸は混練時の滑剤もしくは成形後に架橋する際の架橋促進助剤として用いられ、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びエレオステアリン酸等が挙げられる。但し、本発明において、(E’)を含有し(E)を含有しない分散剤を使用する場合は、脂肪酸は上記の滑剤もしくは架橋促進助剤として用いられるが、一方、(E)を含有する分散剤を使用する場合は、(E)と当量割合以下の脂肪酸は中和剤(a)として作用して(E’)を形成するために消費され、過剰当量の(a)を使用する場合は過剰分の脂肪酸が滑剤もしくは架橋促進助剤として作用する。
カルボン酸カップリング剤としては、例えば、カルボキシル化ポリブタジエン及びカルボキシル化ポリイソプレン等が挙げられる。
リン酸カップリング剤としては、例えば、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノ(2,6−ジメチル−7−オクテニル)エステル、リン酸モノ(6−メルカプトヘキシル)エステル及びリン酸モノ(2−メタクリロキシプロピル)エステル等のリン酸系カップリング剤等が挙げられる。
なお、カルボン酸カップリング剤およびリン酸カップリング剤においても上記の脂肪酸と同様に、(E’)を含有し(E)を含有しない分散剤を使用する場合は、これらのカップリング剤はカップリング剤として用いられるが、一方、(E)を含有する分散剤を使用する場合は、(E)と当量割合以下のこれらのカップリング剤は中和剤(a)として作用して(E’)を形成するために消費され、過剰当量の(a)を使用する場合は過剰分がカップリング剤として作用する。
また、本発明の分散剤が適用できる熱可塑性樹脂(C)としては熱可塑性ビニル樹脂(C1)、熱可塑性ポリアミド樹脂(C2)、熱可塑性ポリエステル樹脂(C3)、熱可塑性ポリアセタール樹脂(C4)、熱可塑性ポリカーボネート樹脂(C5)、熱可塑性ポリウレタン樹脂(C6)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられ、高芳香族系油および/またはナフテン系油等で油展されていてもよい。
熱可塑性ビニル樹脂(C1)としては、ポリオレフィン系樹脂(C11)、ポリスチレン系樹脂(C12)、アクリル系樹脂(C13)、およびフッ素樹脂(C14)などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂(C11)には、脂肪族炭化水素ビニルモノマーの1種以上の(共)重合体及び脂肪族炭化水素ビニルモノマーの1種以上と共重合可能な他のビニルモノマーの1種以上(重量比;通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体が挙げられる。(C11)としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレン及び/又はエチレンと他のα−オレフィンの1種以上との共重合体(ランダム又はブロック)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)等が挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレン及び/又はエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンの1種以上との共重合体(ランダム又はブロック、重量比9:1〜1:9)が好ましい。
ポリスチレン系樹脂(C12)としては、前記芳香族ビニルモノマーの1種以上の(共)重合体及び芳香族ビニルモノマーの1種以上と共重合可能な他のビニルモノマーの1種以上(重量比;通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体が挙げられる。(C12)としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等;芳香族ビニルモノマーとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル及びブタジエンからなる群より選ばれる1種以上のモノマーとの共重合体、例えば、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)及びスチレン/ブタジエン共重合体等が挙げられる。
アクリル系樹脂(C13)としては、前記(メタ)アクリル系モノマーの1種以上の(共)重合体(例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル等)及びアクリルモノマーの1種以上と共重合可能な他のビニルモノマーの1種以上(重量比通常5/95〜95/5、好ましくは50/50〜90/10)との共重合体が挙げられる。
熱可塑性ポリアミド樹脂(C2)としては、例えば、ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合によるナイロン610、11−アミノウンデカン酸の重縮合によるナイロン11、ω−ラウロラクタムの開環重合又は12−アミノドデカン酸の縮重合によるナイロン12、及び前記ナイロンのうち2種類以上の成分を含有する共重合ナイロン等が挙げられる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(C3)としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノール等のジオールと、テレフタル酸及びアジピン酸等のジカルボン酸の重縮合によるポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル、並びにポリブチレンアジペート及びポリエチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル、ε−カプロラクトン等の開環重合によるポリ−ε−カプロラクトン等の脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
熱可塑性ポリアセタール樹脂(C4)としては、ホルムアルデヒド又はトリオキサンのホモポリマー、例えば、ポリオキシメチレンホモポリマー、及びホルムアルデヒド又はトリオキサンと環状エーテル(前記アルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ジオキソラン等)との共重合体、例えば、ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレンコポリマー(ポリオキシメチレン/ポリオキシエチレン重量比90〜99/1〜10ブロック共重合体)等が挙げられる。
熱可塑性ポリカーボネート樹脂(C5)としては、ビスフェノール骨格を有するポリカーボネート、例えば、ビスフェノールAとホスゲンとの縮合物及びビスフェノールAと炭酸ジエステルとの縮合物等が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂(C6)としては、前記有機ジイソシアネートと、高分子ジオール及び鎖伸長剤、必要により反応停止剤を、ワンショット法又はプレポリマー法により得られるポリウレタン等が含まれる。
高分子ジオールとしては、数平均分子量(以下、Mnと略記、GPCによる測定)500〜5,000のジオール、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等が用いられる。
ポリエステルジオールとしては、ジオール及び/又はポリエーテルジオールと、炭素数4〜20(好ましくは4〜18、さらに好ましくは6〜12)のジカルボン酸又は前記ラクトンとを反応させて得られるポリエステルジオール等が挙げられる。
(C)のうち、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)及びこれらの混合樹脂が好ましく、さらに好ましいのは(C1)、特に(C11)および(C12)である。
また、(C)のうち好ましいのは、フィラー分散性の観点から、非ゴム系の熱可塑性樹脂である。
(C)のMnは、10,000〜1,000,000が好ましく、さらに好ましくは15,000〜800,000、特に好ましくは20,000〜700,000である。
(C)100重量部に対するフィラーの重量割合は、好ましくは1〜180重量部であり、さらに好ましくは2〜120重量部である。
また、(C)100重量部に対する分散剤の重量割合は、好ましくは1〜20重量部さらに好ましくは1〜10重量部である。
また、フィラーの重量に基づく本発明の分散剤の重量割合は、樹脂組成物に要求される性能に応じて種々変えることができるが、樹脂組成物のコスト、機械強度または流れ特性の観点から、フィラー100重量部に対し、分散剤が、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂成型用マスターバッチは、上記の分散剤、並びに熱可塑性樹脂および/またはフィラーを含有してなるものであり、好ましいのは熱可塑性樹脂と分散剤からなるマスターバッチである。
マスターバッチを一旦製造し、該マスターバッチを熱可塑性樹脂に配合することによりさらにフィラーの分散性が向上する。
マスターバッチの重量に基づく分散剤の配合割合は、好ましくは1〜80重量%、さらに好ましくは1〜50重量%である。
マスターバッチの製造、または熱可塑性樹脂組成物(分散剤、フィラーおよび熱可塑性樹脂からなる組成物、またはマスターバッチと熱可塑性樹脂からなる組成物)の製造に際して、混合・混練する方法としては、通常の公知の方法が用いられ、一般的にはペレット状又は粉体状の成分を適切な混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて混合することができる。
上記マスターバッチおよび樹脂組成物は、さらに必要に応じ、架橋促進剤(アルデヒド・アンモニア−アミン系、チオウレア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、キサントゲン酸塩系、ジチオリン酸塩系等)、架橋剤(イオウ等)、着色剤、紫外線吸収剤、汎用の可塑剤(フタル酸系、トリメリット酸系、リン酸系、エポキシ系等)等を適宜添加することができる。
混練時の各成分の添加順序には特に限定はなく、予め分散剤をフィラーと混合し、樹脂に配合しても、分散剤とフィラーと樹脂を同時に混合しても良い。
得られたマスターバッチまたは樹脂組成物は、さらにペレタイザーなどによりペレット化または粉末化される。
本発明の熱可塑性樹脂成型品は、上記の熱可塑性樹脂組成物を成型して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて任意の方法で成形できる。
<実施例>
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部は重量部を示す。
製造例1
ガラス製オートクレーブにヘキサメチレンジアミン116部(1.0モル)を仕込み、耐圧滴下ロートからPO232部(4.0モル)を80〜130℃で4時間かけて滴下した。その後、120℃で5時間反応し、冷却した。さらに水酸化カリウムを0.8部仕込み、減圧脱水後(130℃、30mmHg以下、1時間、以下同様とする。)、耐圧滴下ロートからPO464部(8.0モル)を90〜130℃で10時間かけて滴下した。その後、130℃で5時間反応し、冷却した。その後、吸着処理剤〔協和化学工業社製 キョーワード600。以下同様とする。〕を用いて処理後、濾過し、減圧脱水後、ヘキサメチレンジアミンのPO12モル付加物800部(E1−1)を得た。
製造例2
ガラス製オートクレーブにエチレンジアミンPO4モル付加物(三洋化成工業社製「ニューポールNP−300」)292部(1.0モル)及び水酸化カリウム4.0部を仕込み、減圧脱水後、耐圧滴下ロートからEO1848部(42.0モル)とPO1856部(32.0モル)の混合物を80〜130℃で10時間かけて滴下した。その後、130℃で5時間反応し、冷却した。その後、吸着処理剤を用いて処理後、濾過し、減圧脱水後、エチレンジアミンのEO42モル/PO36モル付加物3900部(E1−2)を得た。
製造例3
ガラス製オートクレーブにシクロヘキシルアミン99部(1.0モル)を仕込み、耐圧滴下ロートからPO116部(2.0モル)を80〜130℃で4時間かけて滴下した。その後、120℃で5時間反応し、冷却した。さらに水酸化カリウムを0.8部仕込み、減圧脱水後、耐圧滴下ロートからPO580部(10.0モル)を90〜130℃で10時間かけて滴下した。その後、130℃で5時間反応し、冷却した。さらに水酸化ナトリウム200部を仕込み、激しく攪拌しながら、耐圧滴下ロートから塩化メチルを202部を60〜90℃で3時間かけて滴下した。その後60〜90℃で10時間かけて反応した後、ゆっくりと減圧にしながら(最終圧力 30mmHg以下)過剰の未反応塩化メチルを除去した。さらに、激しく攪拌しながら水を1000部添加し、静置して分液後、下層水を除去することにより水洗した。その後、吸着処理剤を用いて処理後、濾過し、減圧脱水後、シクロヘキシルアミンのPO12モル付加物のジメチルエーテル化物780部(E1−3)を得た。
実施例1〜7、比較例1〜4
表1および表2に示す配合割合に基づいて、各成分を配合した後、十分に混合してA1〜A7、及びB1〜B5のフィラー分散剤を得た。
なお、表中の略号は下記成分である。
PP−2000:三洋化成工業社製のポリプロピレングリコール「ニューポールPP−2000」
PEG−4000S:三洋化成工業社製のポリエチレングリコール「PEG−4000S」
DMOA:東京化成社製の試薬「N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン」
また、「ラウリン酸」および「ステアリン酸」は、ナカライテスク社製の試薬を使用した。
樹脂組成物の作製;
上記の分散剤、フィラーおよび熱可塑性樹脂を下記の条件で混練して、取り出した後に室温まで冷却しブロック状の樹脂組成物を得た。
分散剤2.2部、フィラー28部および熱可塑性樹脂35部をラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて以下の条件で混練した。
(i)使用した熱可塑性樹脂およびフィラー
熱可塑性樹脂:サンアロマー社製ポリプロピレン樹脂「PM771M」
フィラー:日本シリカ工業社製シリカ「ニップシールAQ」
(ii)混練条件
温度:200℃
回転数 :10rpm
樹脂仕込み:1分
樹脂素練り:1分
フィラーおよび分散剤混合:10分
混練:10分
得られた樹脂組成物のフィラーの分散状態を目視(下記評価基準)およびSEM観察(下記評価条件)で評価した。評価結果を表1および表2に示す。
目視による評価基準;
以下の4段階評価で行った。
◎:混練後の樹脂に透明感があり、シリカ粒子が視認できない。
○:混練後の樹脂が不透明であり、シリカ粒子が視認できない。
△:混練後の樹脂が不透明であり、シリカ粒子が樹脂中に散在しているのが視認できる。
×:混練後の樹脂が不透明で脆く、シリカ粒子が樹脂中に散在しているのが視認できる。
SEM[走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)]による評価;
樹脂組成物(約1g)の表面をクライオマイクロトームを用いて平滑にし、平滑面をSEM観察した。単位面積あたりの粒径50nm以上の凝集粒子を計数することにより、分散性を評価した。50nm以上の粒子が少ないほど分散性良好である。
本発明のフィラー分散剤は、各種の熱可塑性樹脂にフィラーを分散させるために使用でき、得られた熱可塑性樹脂成型品は、家電・OA機器、ゲーム機器及び事務機器用のハウジング製品、ICトレー等の各種プラスチック容器、各種包材用フィルム、床材用シート、人工芝、マット、並びに自動車部品等に使用できる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で示されるポリエーテル鎖含有アミノ化合物(E1)および/またはその塩(E1’)を有効成分とする、熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂または熱可塑性ポリウレタン樹脂用のフィラー分散剤。
    [式中、R1は水素原子、炭素数1〜22の1価の炭化水素基または炭素数1〜22のアシル基;A1は炭素数2〜18のアルキレン基;A2は炭素数2〜4のアルキレン基;nは0または1〜10の整数;mは0または1〜600の整数であり、R1がアシル基であるR1−(OA2)m−におけるmは0ではなく、1分子中のmの総和は4〜600であり;複数個のR1、A1、A2およびmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  2. 一般式(1)におけるA2で示されるアルキレン基のうち10重量%以上が1,2−プロピレン基である請求項1記載のフィラー分散剤。
  3. 下記一般式(2)で示されるポリエーテル鎖含有アミノ化合物(E0)と、ポリハロゲン化アルキル、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸無水物、ポリカルボン酸低級アルキルエステル、ポリカルボン酸ハロゲン化物およびポリイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上の化合物から得られる重合体(E2)、および/またはその塩(E2’)を有効成分とする、熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂または熱可塑性ポリウレタン樹脂用のフィラー分散剤。
    [式中、R2は水素原子、炭素数1〜22の1価の炭化水素基または炭素数1〜22のアシル基;1分子中のR2のうち少なくとも1個は水素原子であり;A3は炭素数2〜18のアルキレン基;A4は炭素数2〜4のアルキレン基;qは0または1〜10の整数、pは0または1〜600の整数であり、R2がアシル基であるR2−(OA4)p−におけるpは0ではなく、1分子中のpの総和は2〜600であり;複数個のR2、A3、A4およびpはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  4. (E1’)または(E2’)が、炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸、炭素数6〜22の脂肪族ポリカルボン酸、炭素数7〜22の芳香族カルボン酸、不飽和カルボン酸(炭素数8〜22)の重合体(重合度2または3)、および炭素数7〜22のアミノ酸から選ばれる1種以上の酸による中和塩である請求項1〜3のいずれか記載のフィラー分散剤。
  5. さらに、下記一般式(3)で表されるポリエーテル(F)および/またはその誘導体(F’)を含有する請求項1〜4のいずれか記載のフィラー分散剤。
    3−{(OA5)k−OH}r (3)
    [式中R3は炭素数1〜24の1〜6個の水酸基を有する化合物から少なくとも1つの水酸基を除いた残基、A5は炭素数2〜24のアルキレン基であり、rは1〜6の整数、kは1〜600の整数である。]
  6. 誘導体(F’)が、(F)のアルキルエーテル化物もしくはカルボン酸エステル化物、または(F)とポリイソシアネートもしくはポリハロゲン化物との反応物である請求項5記載のフィラー分散剤。
  7. フィラーがシリカである請求項1〜6いずれか記載のフィラー分散剤。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の分散剤、並びに熱可塑性ビニル樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリカーボネート樹脂および熱可塑性ポリウレタン樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂、および/またはフィラーを含有してなる熱可塑性樹脂成型用マスターバッチ。
  9. 分散剤をマスターバッチの重量に基づいて1〜80重量部含有する請求項7記載の熱可塑性樹脂成型用マスターバッチ。
  10. 請求項1〜7いずれか記載の分散剤およびフィラーを含有する、熱可塑性ビニル樹脂成型品、熱可塑性ポリアミド樹脂成型品、熱可塑性ポリエステル樹脂成型品、熱可塑性ポリアセタール樹脂成型品、熱可塑性ポリカーボネート樹脂成型品または熱可塑性ポリウレタン樹脂成型品。
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