JP4328451B2 - システムキッチンレンジ用汁受け皿覆い - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いに関し、特にシステムキッチンレンジのバーナー部周りのガードプレートの底面を覆うシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆い及びシステムキッチンレンジ用汁受け皿の被覆方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は一般のシステムキッチンレンジの概略構成を示す平面図である。
【0003】
図を参照して、システムキッチンレンジ70はレンジトッププレート47に埋め込まれて設置されたガードプレート48を主体として構成されている。ガードプレート48の底面49には図において上方側にバーナー71が設置され、その下方側に並列的に2つのバーナー53及びバーナー73が設置されている、いわゆる3口形式のレンジである。バーナー71の周辺にはバーナーリング72が取付けられ、バーナー53の周辺にはバーナーリング54が、バーナー73の周辺にはバーナーリング74が各々底面49の上に設置されている。ガードプレート48の平坦面52とバーナー71等が取付けられている底面49との境界部は段部51となっており、この段部51に五徳56及び五徳75の枠体が取外し自在に設置されている。
【0004】
ガードプレート48の上方部には、レンジトッププレート47の下方に設置されている調理用グリル(図示せず)からの熱気を排出するためのグリル排気口76が取付けられている。
【0005】
図11は図10で示したシステムキッチンレンジ70に対して設置されるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いの外観形状を示した平面図である。
【0006】
図を参照して、システムキッチンレンジ用の汁受け皿覆い78はアルミニウム箔のプレス成形によって形成され、ガードプレート48の底面49に対応する形状の底部16と、底部16の外周縁から立上るようにして形成されている側壁部17と、側壁部17の上端縁から水平方向に伸びる平坦部79と、平坦部79の外周縁から立上る立上り部80と、立上り部80の外周縁から水平方向に延びるフランジ部81と、フランジ部81の外周縁に形成された縁巻24とによって構成されている。
【0007】
汁受け皿覆い78の底部16の図における上方部には、システムキッチンレンジ70のバーナー71の開口に対応した丸穴23が形成されている。又、底部16の図における下方部には、システムキッチンレンジ70のバーナー53及びバーナー73の各々の開口に対応した丸穴82及び丸穴83が形成されている。尚、丸穴23、丸穴82及び丸穴83は各々その周辺の底部16の部分が立上げられ、その端部に縁巻加工が施されて形成されている。
【0008】
又、汁受け皿覆い78の中央部を水平方向に横切るように蛇腹部19が形成されており、この蛇腹部19と側壁部17の下方部分との間の底部16の領域には、丸穴82と丸穴83とを隔離するような堰部20が形成されている。
【0009】
図12は図11に示した汁受け皿覆い78を図10に示したシステムキッチンレンジ70に設置した状態の平面図であり、図13は図12のXIII−XIIIラインの端面図である。
【0010】
これらの図を参照して、汁受け皿覆い78をシステムキッチンレンジ70に設置する際には、まず五徳56(75)を取外し、更にバーナー53(71,73)周りのバーナーリング54(72,74)を取外す。この状態で汁受け皿覆い78をシステムキッチンレンジ70のガードプレート48の上に設置する。具体的には、ガードプレート48の底面49の上に汁受け皿覆い78の底部16が載置され、汁受け皿覆い78の丸穴82を構成する縁巻84がガードプレート48のバーナー用開口55に対応する位置となるように調整される。
【0011】
汁受け皿覆い78は、設置しようとするガードプレート48の寸法に対応した大きさとなっている。そのため、丸穴82をバーナー用開口55に合わせた状態において汁受け皿覆い78の平坦部79はガードプレート48の段部51上に設置され、フランジ部81はガードプレート48の平坦面52上に設置される。次に、取外していたバーナーリング54をバーナー53周りの元の位置に設置し、更に取外していた五徳56をその枠体の底部が段部51上の平坦部79の上に位置するように設置する。
【0012】
このようにして汁受け皿覆い78をガードプレート48に対して設置することによって、バーナー53を用いた調理時における煮汁等の汚れは汁受け皿覆い78上に落下することになり、ガードプレート48の上面を汚すことはない。汁受け皿覆い78の汚れが目立ってきた場合には、五徳56及びバーナーリング54を取外して汁受け皿覆い78を新たなものに取り代えることによって、常にガードプレート48の上面を保護した状態でシステムキッチンレンジ70を使用することが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いにあっては、設置しようとするシステムキッチンレンジのガードプレートの並列するバーナー間距離と、それに対応する汁受け皿覆いの丸穴間の距離とが一致していれば特に問題はない。図11に示されているように丸穴23と丸穴82又は丸穴83との距離については、蛇腹部19を伸縮させることによってある程度の調整は可能である。しかし、丸穴82と丸穴83との距離Wは、堰部20によっては調整できず汁受け皿覆い78によって固定的なものとなり、それを調整することは困難である。
【0014】
一方、この寸法Wに対応するバーナー53とバーナー73との距離Wは、製造されるシステムキッチンレンジ70によって265〜320mmの範囲でばらつきが大きいものである。従って、取付け対象であるシステムキッチンレンジ70のバーナー間距離Wに合致させた丸穴82及び丸穴83間の距離Wを有する汁受け皿覆い78を製造しなければならない。そのため、汁受け皿覆い78として距離Wが異なった製品を多く作らざるを得ず、コスト的に不利なものとなっていた。
【0015】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、バーナー間距離が異なるシステムキッチンレンジにあっても、バーナー用開口周りを確実に塞ぐことを可能とするシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数のバーナーを有するシステムキッチンレンジのガードプレートを覆うためのシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いであって、ガードプレートの底面を覆うように形成され、隣接する2つのバーナー用開口に対応する位置にバーナー用開口の各々を露出させるのに必要な穴より大きな2つの本体穴が形成された底部を含む本体マットと、本体穴の各々を塞ぐような大きさに形成され、塞いだ状態で対応するバーナー用開口のみを露出させるのに必要な補助穴が形成された2つの補助マットとからなり、補助マットは、隣接するバーナー同士の隣接方向への移動を可能とすると共に本体マットに対する移動位置のいずれにおいても本体穴を覆う大きさに形成され、補助マットを移動させることによって補助穴の各々の中心間距離が変動するものである。
【0017】
このように構成すると、本体マットと補助マットとによってバーナー用開口の周辺が覆われる。又、補助マットの移動によって補助穴同士の中心間距離が変動する。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、本体穴の各々は、隣接方向に長い長穴形状を有し、補助マットは本体穴の大きさにより隣接方向に対して所定寸法だけ大きく形成されているものである。
【0019】
このように構成すると、補助マットは本体穴を塞いだ状態で隣接方向に所定寸法だけ移動可能となる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、本体穴は本体マットの底部から立上る立上り部によって形成され、補助マットには、その底部から立上るように形成され、立上り部が当接した状態で隣接方向への補助マットの所定範囲の移動を可能とする平坦部が形成されるものである。
【0021】
このように構成すると、補助マットの移動が平坦部によって所定範囲に規制される。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、補助マットは、その底部の外周縁から立上る立上り部と、立上り部の上端から水平方向に伸びるフランジ部とを更に備えたものである。
【0023】
このように構成すると、補助マット上に落下した煮こぼれ等が本体マットへ流出しない。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、本体マットに対する補助マットの移動中心位置において、補助穴の軸は本体穴の軸に対して補助マットの移動方向に対して偏心しているものである。
【0025】
このように構成すると、補助マットを本体マットに対して反転させて設置した場合を含めた補助穴の移動可能範囲が拡大する。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、本体マットと補助マットとによってバーナー用開口の周辺が覆われる。又、補助マットの移動によって補助穴同士の中心間距離が変動するので、バーナーの位置が製品によってずれていても、バーナーの周辺を確実に覆うことが可能となる。従って従来のように製品ごとにシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを製造する必要がなくコスト的に有利となる。
【0029】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、隣接するバーナー同志の間隔の相違に応じて所定寸法を決定することによって効率的な補助マットの大きさとなる。
【0030】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、補助マットが不用意に本体マットに対してずれる虞がなく、確実にバーナーの周辺を覆うことが可能となる。
【0031】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、汚れた補助マットを重点的に取替えることによって本体マットの使用寿命を長くすることが可能となり、効率的な汁受け皿覆いとなる。
【0032】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、補助穴の本体穴に対する調整代が飛躍的に拡大し、より使い勝手が向上する。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを構成する本体マットの概略構成を示す平面図であり、図2は図1のII−IIラインの断面図である。
【0035】
これらの図を参照して、本体マット15はこれを取付けるべき対象となるシステムキッチンレンジのガードプレートの底面の形状に対応する底部16と、底部16の外周縁から斜め上方に立上る側壁部17と、側壁部17の上端縁から水平方向に伸びるフランジ部18と、フランジ部18の外周縁に形成された縁巻24とから構成される。尚、この本体マット15は、3口用のシステムキッチンレンジに対応したものであり、底部16の図における上方部には、上部のバーナー用開口を露出するに必要な丸穴23が、立上り部29と立上り部29の端部に形成された縁巻30によって形成されている。
【0036】
一方、底部16の図における下方部には、横方向に並列的に位置するバーナー用開口に対応する長穴21及び長穴22が各々、立上り部25及び立上り部25の端部に形成された縁巻26と、立上り部27及び立上り部27の端部に形成された縁巻28とによって形成されている。尚、長穴21及び長穴22ともに対応するバーナー用開口を露出させるのに必要な穴より十分大きな穴となっている。具体的には、長穴21及び長穴22は対応するバーナー同志の隣接方向に特に長く形成されたものとなっており、長穴21及び長穴22は本体マット15の本体穴を構成する。尚、長穴21及び長穴22の機能的な特徴については後述する。
【0037】
本体マット15の中央部には水平方向に蛇腹部19が形成されており、丸穴23が形成されている区画と長穴21及び長穴22が形成されている区画とを仕切っている。蛇腹部19は伸縮機能を有するため、上方部のバーナー用開口と下方部の2つのバーナー用開口との距離に対して成形時の本体マット15の対応する距離が一致していない場合には、蛇腹部19によってその相違を調整することが可能である。
【0038】
又、蛇腹部19から本体マット15の下方領域において、長穴21が形成されている区画と長穴22が形成されている区画とを仕切るための堰部20が形成されている。このように蛇腹部19及び堰部20が形成されて3つの区画が仕切られているため、各々の区画に落下した調理時の煮汁等は他の区画へ流出することがない。
【0039】
尚、本体マット15のフランジ部18の形状は従来例で示した汁受け皿覆い78の形状と異なっているが、この実施の形態においては本体マット15のフランジ部18はガードプレート48の平坦面52に載置せずに、段部51に載置するためである。従って、従来例のような設置の方法を採用する場合には、フランジ部18の形状は図13に示したような従来例の形状と同様にしてもよい。
【0040】
図3はこの発明の第1の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを構成する補助マットの外観形状を示す平面図であり、図4は図3のIV−IVラインの断面図である。
【0041】
これらの図を参照して、補助マット35は長穴形状から円形状を引いた三日月形状の内周底部39が形成され、内周底部39から図において左方向に円環形状に立上る立上り部38と立上り部38の端部に形成された縁巻37とによって丸穴36が構成されている。丸穴36は、対応するバーナー用開口のみを露出させるのに必要な大きさの円形状となっており、本体マットの本体穴に対する補助穴を構成する。
【0042】
一方、内周底部39の右側及び上下側にはその下部が隆起した平坦部40が長円環状に形成されており、その外方部は内周底部39と同一レベルの外周底部41が平面状に形成されている。外周底部41の外周端は斜め上方に立上って立上り部42を形成し、立上り部42の上端部には水平方向に伸びるフランジ部43が接続され、フランジ部43の外周端には縁巻44が形成されている。
【0043】
図4に示されているように使用時には、二点鎖線で示されている本体マット15の上に補助マット35を設置する。このとき本体マット15の長穴22を構成する立上り部27a,立上り部27bは、補助マット35の平坦部40a,平坦部40bに当接することになる。平坦部40a,平坦部40bの各々は、図4に示されているように隣接するバーナー方向に一定の幅Lで形成されている。そして縁巻28を含む立上り部27の平坦部は図3に破線で示されているように平坦部40のほぼ中央に位置するような大きさに形成されているため、補助マット35を本体マット15の上に載置された状態で矢印で示す方向にスライドさせることが可能となる。
【0044】
又、平坦部40aは内周底部39及び外周底部41の面から隆起しているため、矢印の方向に補助マット35を移動させた場合の立上り部27に対するストッパーとしての機能も果たし、本体マット15の縁巻28から平坦部40a,平坦部40bが脱落する虞はない。
【0045】
次に図4を参照して、補助マット35の丸穴36の調整可能な範囲について説明する。
【0046】
図において、Xは本体マット15の長穴22の中心軸を表し、Yは補助マット35の丸穴36の中心軸を表したものである。この場合、補助マット35における丸穴36のスライド方向の長さをSとすると、先に説明したように平坦部40a,平坦部40bに当接する立上り部27a,立上り部27bの関係から補助マット35の丸穴36は軸Yを中心としてSの範囲に移動させることが可能となる。
【0047】
次に、軸Yは補助マット35を左右反転させた場合の丸穴36の中心軸を表したものである。この状態においては補助マット35の丸穴36は軸Yを中心としてSの範囲に移動可能となる。このように補助マット35を正立時及び反転時においての各々の調整可能範囲を考慮するとSの範囲とSとの範囲とを重ね合わせたSの範囲が補助マット35の丸穴36の長穴22に対する移動可能な範囲となる。図から明らかのように、この範囲Sは本体マット15の長穴22の範囲Cの大部分をカバーしている。
【0048】
従って、本体マット15の長穴22内から露出するバーナー用開口に対しては、補助マット35をスライド、反転等させることによってその開口のみを露出するようにほぼすべて被覆することが可能となる。このように補助マット35の丸穴36の中心軸Yを本体マット15の長穴22の中心軸Xに対して偏心させることによって丸穴36の調整代が飛躍的に拡大することになる。
【0049】
図5はこの発明の第1の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを使用した状態の端面図である。
【0050】
図を参照して、レンジトッププレート47に対して埋め込まれるように設置されたガードプレート48の底面49に形成された、バーナー53のためのバーナー用開口55を露出させるように本体マット15を設置する。この場合本体マット15の長穴22は図1において示したようにバーナー用開口55に対して十分大きな寸法に形成されているため、バーナー用開口55の位置が製品によって多少異なっていてもこれを問題なく露出させることができる。この状態で本体マット15のフランジ部18は、ガードプレート48の周壁面50と平坦面52との境界部に形成された段部51の上に載置される。
【0051】
次に、本体マット15の上に補助マット35を、本体マット15の縁巻28に補助マット35の平坦部40が当接するようにして載置する。この状態で上述のように補助マット35は本体マット15に対して矢印方向に調整することが可能である。補助マット35の丸穴36はガードプレート48のバーナー用開口55を露出させるのに必要な最小寸法となっているため、矢印方向に補助マット35を移動させて、丸穴36をバーナー用開口55に整列させるように調整する。
【0052】
補助マット35の調整が終了すると、補助マット35の上にバーナー53の周りを囲うバーナーリング54を設置して補助マット35を安定化させる。補助マット35のフランジ部43の外方端部は本体マット15のフランジ部18の上に位置しており、これらの上に五徳56を設置することによって本体マット15及び補助マット35が固定される。
【0053】
図5においては図1に示した左側の長穴22周りの取付け状態を示しているが、長穴21に対しても同様に補助マット35を設置すればよい。これによって、取付けるべきシステムキッチンレンジのバーナー間距離が異なったものであっても同一形状の本体マット15を設置して、これに補助マット35を重ねることによってそのバーナー用開口周りを確実に覆うことが可能となり、その周辺の汚れを防止する。図5に示されているように調理時の煮汁等はバーナーリング54及び補助マット35によって確実に補集され、本体マット15へ流出することはない。従って、使用によって補助マット35が汚れた場合には、コスト的に低い補助マット35のみを取替えることによってコスト的に高い本体マット15の製品寿命を長くすることが可能となる。
【0054】
図6はこの発明の第2の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いに用いられる補助マット61の外観形状を示す平面図であり、図7は図6のVII−VIIラインの断面図である。
【0055】
これらの図を参照して、補助マット61は、長円形状から偏心した位置の円形状を取除いた環状形状の平坦部65と、平坦部65の内方部に形成された円環形状の立上り部64と、立上り部64の端部に形成された縁巻63と、平坦部65の外方部から立ち下がって水平方向に形成された底部66と底部66の端部に形成された縁巻67とによって構成されている。補助マット61の縁巻63によって形成された丸穴62は、対応するバーナー用開口のみが露出する寸法となっている。
【0056】
使用時には、図7に示されているように補助マット61の平坦部65a及び平坦部65bの下面に二点鎖線で示した本体マット15の立上り部27a及び立上り部27bの各々が当接する。これによって、先の第1の実施の形態による補助マット35と同様に補助マット61を矢印の方向に移動させることが可能となる。また同様に補助マット61の丸穴62の中心軸Yは、本体マット15の長穴22の中心軸Xから偏心した位置となっている。そのため、先の第1の実施の形態において説明したように、補助マット61の丸穴62の調整範囲によって、本体マット15の長穴22の大部分をカバーすることが可能となる。
【0057】
図8は図7で示した補助マット61の使用状態を示した端面図である。
【0058】
図を参照して、取付け時には、バーナーリング54及び五徳56を取外して、ガードプレート48の底面49上に本体マット15を設置する点は先の第1の実施の形態と同様である。次に補助マット61を本体マット15の上に設置して、その丸穴62が底面49のバーナー用開口55に整列するようにしてその位置を調整する。補助マット61の調整が完了した後、バーナーリング54及び五徳56を元の位置に戻すことによって取付けは完了する。
【0059】
このように、この実施の形態による補助マット61を用いることによって、取付けるべきガードプレート48のバーナー間の距離が異なっていても、同一寸法の本体マット15及び補助マット61によってバーナー53のバーナー用開口55周りを確実に塞ぐことができる。その結果、ガードプレート48の底面49の上面を調理時の煮汁等の汚れから確実に防止することが可能となる。
【0060】
図9はこの発明の第2の実施の形態による補助マット61を用いた使用例の他の例を示した端面図である。
【0061】
図を参照して、この使用例にあっては、先の使用例とは異なりバーナーリング54の上に補助マット61を設置している。本体マット15の立上り部27によって構成される長穴22は、取付けるべきガードプレート48のバーナー用開口55に対して十分大きく形成されている。従って、本体マット15の長穴22によって露出したガードプレート48の底面49の部分にバーナーリング54を載置することが可能である。この状態で補助マット61を本体マット15及びバーナーリング54の上に設置して、丸穴62をバーナー用開口55に整列するように調整する。これによって、バーナーリング54も補助マット61によってカバーされることになり、底面49の上面とともに調理時の煮汁等の汚れから保護されることが可能となる。このようにして取付けるべきガードプレート48のバーナー間距離が異なったものであっても、バーナー用開口55周りを同一寸法の本体マット15及び補助マット61によって全面的に被覆することが可能となる。
【0062】
尚、上記の実施の形態においては本体マット15の長穴21及び長穴22を隣接するバーナー方向に長く伸びる長円形状としているが、形状はこれに限らず又その大きさもバーナー用開口に対していずれの方向に対しても大きなものとしてもよい。
【0063】
又、上記の実施の形態においては、隣接する2つのバーナーに対して適用しているが、本体マットと補助マットとを組み合わせてバーナー用開口周りを確実に塞ぐという思想は、1つのバーナー用開口に対しても適用できることはいうまでもない。
【0064】
更に、上記の実施の形態においては、3口形式のレンジを対象としているが、他の4口形式等のレンジにも本発明を適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを構成する本体マットの外観形状を示した平面図である。
【図2】図1のII−IIラインの断面図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを構成する補助マットの外観形状を示した平面図である。
【図4】図3のIV−IVラインの断面図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いの使用状態を示した端面図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを構成する補助マットの外観形状を示した平面図である。
【図7】図6のVII−VIIラインの断面図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いの使用状態を示した端面図である。
【図9】この発明の第2の実施の形態によるシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いの使用状態の他の例を示す端面図である。
【図10】一般のシステムキッチンレンジの概略構造を示した平面図である。
【図11】従来のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いの外観形状を示した平面図である。
【図12】従来のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いを使用した状態のシステムキッチンレンジの平面図である。
【図13】図12のXIII−XIIIラインの端面図である。
【符号の説明】
15…本体マット
16…底部
21,22…長穴
25,27…立上り部
35…補助マット
36…丸穴
39…内周底部
40…平坦部
41…外周底部
42…立上り部
43…フランジ部
48…ガードプレート
49…底面
53…バーナー
55…バーナー用開口
61…補助マット
62…丸穴
65…平坦部
70…システムキッチンレンジ
71,73…バーナー
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. 複数のバーナーを有するシステムキッチンレンジのガードプレートを覆うためのシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆いであって、
    ガードプレートの底面を覆うように形成され、隣接する2つのバーナー用開口に対応する位置に前記バーナー用開口の各々を露出させるのに必要な穴より大きな2つの本体穴が形成された底部を含む本体マットと、
    前記本体穴の各々を塞ぐような大きさに形成され、塞いだ状態で対応する前記バーナー用開口のみを露出させるのに必要な補助穴が形成された2つの補助マットとからなり、
    前記補助マットは、隣接するバーナー同志の隣接方向への移動を可能とすると共に前記本体マットに対する移動位置のいずれにおいても前記本体穴を覆う大きさに形成され、前記補助マットを移動させることによって、前記補助穴の各々の中心間距離が変動する、システムキッチンレンジ用汁受け皿覆い。
  2. 前記本体穴の各々は、前記隣接方向に長い長穴形状を有し、
    前記補助マットは、前記本体穴の大きさより前記隣接方向に対して所定寸法だけ大きく形成されている、請求項1記載のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆い。
  3. 前記本体穴は前記本体マットの底部から立上る立上り部によって形成され、
    前記補助マットには、その底部から立上るように形成され、前記立上り部が当接した状態で前記隣接方向への前記補助マットの所定範囲の移動を可能とする平坦部が形成される、請求項2記載のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆い。
  4. 前記補助マットは、その底部の外周縁から立上る立上り部と、前記立上り部の上端から水平方向に伸びるフランジ部とを更に備えた、請求項3記載のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆い。
  5. 前記本体マットに対する前記補助マットの移動中心位置において、前記補助穴の軸は前記本体穴の軸に対して前記補助マットの移動方向に対して偏心している、請求項3又は請求項4記載のシステムキッチンレンジ用汁受け皿覆い。
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