JP4327187B2 - 生物試料からPrPresを精製する方法とその応用 - Google Patents
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Description
これらの疾病の結果は常に死であり、現在、有効な治療法はない。
ある試料中に存在するPrPresを検出可能とするためには、その試料から正常PrPを除く一方、PrPresを豊富に含むものとするために、その試料に対して複数の操作を行なうことが必要であり、そのようにして、初めて、
・正常PrP又は他の不純物の存在によって、擬陽性( false positives)を示すこと や、
・最終的な生物試料に含まれるPrPresの濃度が不充分であるために、擬陰性( f alse nagatives)を示すこと
を惹起することなく、何れの適当な特異的方法によっても検出され得るようになる。
このように、動物の堵殺に際して伝播性亜急性海綿状脳症の存在/不存在を迅速に証明する必要性が存在する。
−実施が容易であり、
−信頼性が高く、
−解釈が容易である。即ち、擬陽性(正常PrP及び他の不純物)をなくすことによって、PrPresの検出感度閾値を高め、また、大量の生物試料を、80%を超える精製歩留まりで処理することが出来るので、絶対的な意味での実質的な量のPrPresの取得を可能とすることによって、擬陰性をなくことが出来る。このことは、堵殺場において特に価値あることであり、簡易な診断テストで、PrPresが容易に検出され得る試料を提供する。
(1)前記生物試料を、30秒から2時間の間、好ましくは30秒から10分の間、80℃よりも低い温度において、その生物試料の重量の1/4〜4倍の間の量の、好ましくは1/4倍〜1.5倍の間の量の少なくとも1種類の界面活性剤を含むバッファ( buffer )Aを用いてインキュベーションし、また場合により、それに先立ち、その後に、またはそれと同時に、プロテアーゼを用いてインキュベーションすることによって、オパール様乃至は濁った状態のミセル状又は層状(ラメラ)の懸濁液S1を得る工程と;上記の温度及び量的条件の下では、如何なる界面活性剤又は界面活性剤混合物であっても、それは殆どPrPresを可溶化せず、PrPresは懸濁液中に留まるが、他方、正常PrPは可溶化され、プロテアーゼが添加されれば、破壊されさえする;本インキュベーションは、前記生物試料の重量の1/4倍と1.5倍との間の量の界面活性剤の存在下では、50℃より低い温度で行なわれる;本発明によれば、前記プロテアーゼは、前記界面活性剤よりも前、若しくは後、またはそれと同時に添加される、
(2)上記の(1)で得られたミセル状又は層状の懸濁液S1に、その懸濁液S1を清澄化させる[例えば、マイクロエマルジョン( microemulsion)又はマイクロサスペンション( microsuspension)とすることによって]ために適当な量の、前記PrPresを可溶化せず且つ誘電率が10〜25の溶媒又は溶媒混合物からなるバッファBを加える工程と;これにより、肉眼には透明な懸濁液S2が得られる、
(3)かかる(2) の工程で得られた懸濁液S2を遠心分離する工程と;この遠心分離は、例えば2分間〜10分間、20,000gより低い速度、好ましくは3,500gと17,500gの間の速度で行なわれる;その結果得られる遠心分離残渣に含まれるPrPresの精製歩留まりは、驚くべきことに、80〜100%に達する;この遠心分離の時間と速度は、同じ結果、即ち、精製歩留まり80〜100%のPrPresを得ることが出来るように、調整され得る、
(4)得られた残渣を、0.1%と5%との間の濃度、好ましくは0.25%と1%との間の濃度[バッファCの体積に基づく(w/v)]の、前記(1) で定義された少なくとも1種類の界面活性剤、及び/又は0.1Mと8Mの間の濃度の少なくとも1種類のカオトロピック剤( chaotropic agent )を含むバッファCに、室温と100℃の間の温度、好ましくは80℃以上の温度において、可溶化させる工程と;それらの温度条件下においては、前記界面活性剤、好ましくはイオン性界面活性剤及び/又は前記カオトロピック剤がPrPresを可溶化する、
を必須的に含むことを特徴とする方法に関する。
上記の工程(1)と工程(2)は、同時に行なってもよく、あるいは、連続的に行なってもよいが、連続的に行なうほうが好ましい。
−SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、サルコシル(ラウロイルサルコシン)、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤と、
−SB3−10(デシルスルホベタイン)、SB3−12(ドデシルスルホベタイン)、SB3−14、SB3−16(ヘキサデシルスルホベタイン)、CHAPS、デオキシ(deoxy )CHAPS等の両性界面活性剤A、
−C12E8(ドデシルオクタエチレングリコール)、トリトン(Triton)X100、トリトンX114、トイーン(Tween )20、トイーン80、MEGA9(ノナノイルメチルグルカミン)、オクチルグリコシド、LDAO(酸化ドデシルジメチルアミン)、NP40等の非イオン性界面活性剤と、
−SDS/トイーン80混合物、サルコシル/トリトンX100混合物等のイオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合物、SDS/デオキシコール酸塩混合物等の2種類のイオン性界面活性剤の混合物、イオン性界面活性剤と両性( zwitterionic )界面活性剤との混合物等の界面活性剤混合物と、
からなる群から選択された界面活性剤を含む。
このように定義された液体の誘電率は、『化学と物理学のCRCハンドブック』( David R. Lide 著、75版、1994、CRC出版)に詳細に記述されている。
溶媒混合物の場合、平均理論誘電率とは、複数の溶媒のそれぞれの誘電率を混合物中のそれぞれの割合で重み付けして得られる平均値を意味する。
有利なことに、前記懸濁液S2の遠心分離の後に回収される残渣の量に対する、その固体相に含まれるPrPresの精製歩留まりの比率は、最初の試料が100mgの脳に相当する場合に、10より大きくすることが出来る。
尿素の濃度は、好ましくは、0.25Mと8Mの間であり、グアニジンの濃度は、好ましくは、0.1Mと6Mの間である。
−上記のように定義された前記試料を処理する工程と、
−得られた試料を、必要に応じて、希釈する工程と、
−前記PrPresを、特異的な信号を発生させる、免疫検定法(ELISA法、ウェ スタン・ブロッティング法等)等の何れかの適当な分析法を用いて検出する工程と
を含むことを特徴とする方法に関する。
上記の希釈工程は、ELISA法によるPrPresの検出を可能にするためのバッファCの中和を可能にする。この希釈は、例えば、最終アルブミン濃度が2%と10%(w/v)の間の値となるようなアルブミンを含むバッファ、または、1%デオキシコール酸等に基づくバッファを用いて、実施される。
(1)前記生物試料を、30秒から2時間の間、好ましくは30秒から10分の間、80℃よりも低い温度において、その生物試料の重量の1/4倍と4倍との間の量の、好ましくは1/4倍と1.5倍の間の量の、少なくとも1種類の界面活性剤を含むバッファAを用いてインキュベーションし、また場合により、それに先立ち、その後に、またはそれと同時に、プロテアーゼを用いてインキュベーションすることによって、オパール様乃至は濁った状態のミセル状又は層状の懸濁液S1を得る工程と;本発明によれば、前記プロテアーゼは、実際には、前記界面活性剤よりも前、若しくは後、またはそれと同時に添加される、
(2)かかる(1)の工程で得られたミセル状又は層状の懸濁液S1に、相分離を生じさせるために適当な量の、前記PrPresを可溶化せず且つ誘電率が10〜25の溶媒又は溶媒混合物からなるバッファBを加える工程と、
(3)この(2) の工程で得られた懸濁液を遠心分離する工程と;この遠心分離は、例えば2分間〜10分間、20,000gより低い速度、好ましくは3,500gと17,500gの間の速度で行なわれる;前記PrPresは、最終的に界面に現れる、
(4)その界面に存在する薄膜を回収する工程と、
(5)プロテアーゼを加えないバッファAで、前記薄膜を再可溶化させる工程と、
(6)該工程(5) で得られた懸濁液を遠心分離する工程と;この遠心分離は、例えば2分間〜10分間、20,000gより低い速度、好ましくは3,500gと17,500gの間の速度で行なわれる;その結果、得られる遠心分離残渣に含まれるPrPresの精製歩留まりは、驚くべきことに、70〜100%となる;この遠心分離の時間と速度は、同じ結果、即ち、精製歩留まり70〜100%のPrPresを得ることが出来るように、調整され得る、
(7)得られた残渣を、0.1%と5%の間の濃度、好ましくは0.25%と1%の間の濃度[バッファCの体積に基づく(w/v)]の、前記(1) で定義された少なくとも1種類の界面活性剤及び/又は0.1Mと8Mの間の濃度の少なくとも1種類のカオトロピック剤を含むバッファCに、室温と100℃の間の温度、好ましくは80℃以上の温度において、可溶化させる工程と;それらの温度条件下においては、前記界面活性剤、好ましくはイオン性界面活性剤及び/又は前記カオトロピック剤がPrPresを可溶化する、
を必須的に含むことを特徴とする方法に関する。
−ウシの脳500mgの試料をすり潰し、5%グルコース溶液中の濃度が25%(w/v)となるように均質化する。
この均質化を行なうために、先ず、脳試料(500mg)とグルコース1mlとをセラミック・ビーズを入れた試験管に投入して、攪拌する。その上澄み(約1.5ml)を回収した後、ビーズを500μlのグルコースに懸濁させて濯ぎ、攪拌する。この得られた上澄みを回収し、先に得られた上澄みと混合する(2ml)。
−0〜1000μlのブタノール(バッファB)を添加せしめる[工程(2)]。
この図によれば、ブタノールが10%と53%の間では、PrPresは懸濁状態に維持され、30%と50%の間では、100%に近い精製歩留まりと10mgより少ない残渣が得られる。
・0.5%SDSと0.5M尿素、若しくは、
・レムリ・バッファ、若しくは、
・0.5%サルコシルと6M尿素
を含むバッファCの80〜100μlに、5分間、100℃において、溶解させる[工程(4)]。
・実際に、バッファAのみが加えられた場合には、PrPresの歩留まりは40%程度に過ぎず、固体相と液体相との分離等の理由によって、PrPresの60%程度の損失が観察される。また、実質的な量の残渣が観察される。このことは、従来技術に記載されたプロトコールがサルコシルを使用する理由となっている。サルコシルは、残渣の量を減少させるが、充分な歩留まりを得るためには、面倒な超遠心分離を必要とする。
・工程(2)によって、固体相中のPrPresの歩留まりが増加する。上記の如く、懸濁液S2の固体相において、80〜100%程度の歩留まりが得られると同時に、残渣の量が減少する。
−均質化工程は、実施例1で記載された工程と同じである。
−その後、500mgのウシの脳から得られたホモジネートの2mlを、実施例1で記載された条件と同一の条件下で、バッファAの2mlを用いてインキュベートする[工程(1)]。
−さらに、実施例1で記載された条件と同一の条件下でバッファBの3mlを添加する[工程(2)]。
−残りの工程は、実施例1と同じである。
−ウシの脳の250mgの試料をすり潰し、5%グルコース溶液中の濃度が25%(w/v)となるように均質化する。
試料は、バッファBの量が600μlであることを除いて、実施例1で記載された条件と同一の条件下で処理される。
本方法は、実施例4に記載された条件下で行なわれる。
13y+25(1−y)=17
但し、yはヘキサノールの百分率であり、13はヘキサノールの誘電率であり、25はエタノールの誘電率である。
*プロトコル:
1)ウシの脳の25%(重量/体積)ホモジネートの400mgを、25%(w/v)SDSと25%(v/v)トイーン80の等部(50/50)づつ(v/v)の混合物の400μlと、プロテアーゼK(PK:濃度−0.1mg/mlバッファA)とを含むバッファAの400μlを用いて、5分間を2回、37℃で、インキュベートする。
2)ブタノール−1−オールからなるバッファBの600μl(レーン7と8の試料についてのみバッファBの1、000μl)を、添加する。
3)この混合物を、15,000rpm(約17,000g)で、5分間、遠心分離する。
4)遠心分離によって得られる残渣を、4%のSDSを含むレムリ・バッファの100μlに取り、100℃で、5分間、加熱する。
得られた試料は、SDS−PAGEを行なうために使用され、トービン(Towbin)ら( Proc. Natl. Acad. Sci. 、USA、1979,76,4350−4354)又は C.I. ラスメサス( Lasmeszas)ら(J. Gen. Virol.、1996、前掲)によって記載された条件下で、ニトロセルロース膜に移される。
図4において、レーン1〜6は、バッファBとして異なるプロパノール/ヘキサノール混合物を使用して処理された試料に対応し、異なる平均理論誘電率に対応する。レーン8と9は、バッファBとして1000μlのブタノールを使用する方法に従った生物試料に対応する(図1の横軸上の53%)。この場合には、すべてのPrPresが最終的に界面に現れることが、観察される。レーン9と10は、バッファBとして600μlのブタノールを使用する方法に従った生物試料に対応する(図1の横軸上の43%)。この場合には、すべてのPrPresが最終的に残渣に現れることが、観察される(レーン10)が、他方、同じ条件下で処理された負のコントロールでは、如何なる信号も検出されなかった(レーン9)。
以下の条件下で、試料が調製される:
−実施例1に記載された条件と同じ条件下において、ウシの脳400mgの試料をすり潰し、5%グルコース溶液(1.6ml)中の濃度が20%となるように均質化する。
−こうして得られたホモジネートの500μlを、10%のサルコシルと10%のトリトンX100及びプロテナーゼK(80μg/ml)を含むバッファAの500μlを用いて、37℃で、10分間(5分間を2回行ない、その中間に攪拌を行なう)、インキュベートする。
−500μlのバッファB(ブタノール)を添加する。
−この混合物を、17,608gを適用することが可能なロータを用いて、15,000rpmで5分間、遠心分離する。20,627gで、4分間遠心分離することによっても、同じ結果が得られる。
−上澄みを捨て、PrPresを含む残渣を回収し、その残渣を、6M尿素と0.5%サルコシルを含むバッファCの100μlに、5分間、100℃において、溶解させる。
−この混合物を、17,608gを適用することが可能なロータを用いて、15,000rpmで5分間、遠心分離する。20,627gで4分間遠心分離することによっても、同じ結果が得られる。この上澄みを、EIAバッファ(0.5%デオキシコール酸塩を含む燐酸塩バッファ)を用いて、3分の1に希釈する。
検査される試料は、EIAデポー(depot )バッファ中に希釈される(3分の1の希釈であり、因数3である)。
採用された試料処理プロトコルは、実施例7のものと同じである。
図7は、得られた結果を示す。
Claims (15)
- 生物試料から異常な形態のプリオンタンパク質(PrPres)を精製する方法であって、
(1)前記生物試料を、30秒から2時間の間、80℃よりも低い温度において、該生物 試料の重量の1/4〜4倍の量で少なくとも1種類の界面活性剤を含むバッファA を用いてインキュベーションし、更にそれに先立ち、その後に、またはそれと同時 に、プロテアーゼを用いてインキュベーションすることによって、懸濁液S1を得 る工程と、
(2)かかる(1)の工程で得られた懸濁液S1に対して、相分離を生じさせるに適した 量において、前記PrPresを可溶化することなく、相分離を形成し得る、(i) ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチルプロパン−1−オール、イ ソプロパノール、及びペンタノールからなる群より選択されたC3 〜C6 アルコー ル、又は(ii)(a)イソプロパノールとペンタノール、(b)エタノールとヘキ サノール、(c)ブタノールとペンタノール、(d)プロパノールとヘキサノール 、及び(e)プロパノールとペンタノールの各組合せからなる群より選択されたア ルコール混合物からなるバッファBを、加える工程と、
(3)相分離を生じるように、該(2) の工程で得られた懸濁液S2を遠心分離する工程
と、
(4)その界面に存在する薄膜を回収する工程と、
(5)懸濁液を形成するために、プロテアーゼを加えることなくバッファAで前記薄膜を 再可溶化させる工程と、
(6)残渣を形成するために、かかる工程(5)で得られた懸濁液を遠心分離する工程と
、
(7)得られた残渣を、(i)0.1%〜5%の間の濃度[バッファCの体積に基づく(w /v)]の、前記(1)で定義された界面活性剤、(ii)0.1M〜8Mの間の濃 度のカオトロピック剤、及び(iii)該(i)で定められる化合物と該(ii)で定め られる化合物との混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含 むバッファCに、室温〜100℃の間の温度において、可溶化させる工程と、
を必須的に含むことを特徴とする方法。 - 生物試料から異常な形態のプリオンタンパク質(PrPres)を精製する方法であって、
(1)前記生物試料を、30秒から2時間の間、80℃よりも低い温度において、少なく とも1種類の界面活性剤を含むバッファAを用いてインキュベーションし、そして それに先立ち、その後に、またはそれと同時に、プロテアーゼを用いてインキュベ ーションすることによって、懸濁液S1を得る工程と、
(2)かかる(1)の工程で得られた懸濁液S1に対して、相分離を生じさせるに適した 量において、前記PrPresを可溶化することなく、相分離を形成し得る、(i) ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチルプロパン−1−オール、イ ソプロパノール、及びペンタノールからなる群より選択されたC3 〜C6 アルコー ル、又は(ii)(a)イソプロパノールとペンタノール、(b)エタノールとヘキ サノール、(c)ブタノールとペンタノール、(d)プロパノールとヘキサノール 、及び(e)プロパノールとペンタノールの各組合せからなる群より選択されたア ルコール混合物からなるバッファBを加える工程と
(3)相分離を生じるように、該(2) の工程で得られた懸濁液を遠心分離する工程と、
(4)その界面に存在する薄膜を回収する工程と、
(5)懸濁液を形成するために、プロテアーゼを加えることなく、バッファAを用いて前 記薄膜を再可溶化させる工程と、
(6)残渣を形成するために、かかる工程(5)で得られた懸濁液を遠心分離する工程と
、
(7)得られた残渣を、(i)0.1%〜5%の間の濃度[バッファCの体積に基づく(w /v)]の、前記(1)で定義された界面活性剤、(ii)0.1M〜8Mの間の濃 度のカオトロピック剤、及び(iii)該(i)で定められる化合物と該(ii)で定め られる化合物との混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含 むバッファCに、室温〜100℃の間の温度において、可溶化させる工程と、
を必須的に含むことを特徴とする方法。 - 前記生物試料が組織又は器官である場合に、かかる試料が、中性バッファと等張性バッファからなる群から選択された均質化バッファ中において、前記工程(1)の前に、均質化されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
- 前記工程(1)のインキュベーションの時間が、30秒〜10分の間であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の方法。
- 前記バッファA及び/又は前記バッファCが、
−SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、サルコシル(ラウロイルサルコシン)、コール 酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム等の陰イオ ン性界面活性剤と、
−SB3−10(デシルスルホベタイン)、SB3−12(ドデシルスルホベタイン) 、SB3−14、SB3−16(ヘキサデシルスルホベタイン)、CHAPS、デオ キシCHAPS等の両性界面活性剤と、
−C12E8(ドデシルオクタエチレングリコール)、トリトンX100、トリトンX 114、トイーン20、トイーン80、MEGA9(ノナノイルメチルグルカミン) 、オクチルグリコシド、LDAO(ドデシルジメチルアミンオキシド)、NP40等 の非イオン性界面活性剤と、
−イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物、2種類のイオン性界面活性剤 の混合物、イオン性界面活性剤と両性界面活性剤の混合物等の界面活性剤混合物と、からなる群から選択された少なくとも1種の界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の方法。 - 前記工程(1)で採用される温度が、室温〜50℃の間の温度であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
- 前記工程(1)で採用される温度が、37℃であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記工程(1)において、バッファA中に存在する界面活性剤の量が、前記生物試料の重量の1/4〜1.5倍の間であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の方法。
- 前記工程(7)の可溶化において、バッファCにおける前記界面活性剤の濃度が、0.25%〜1%の間の濃度[バッファCの体積を基準にして(w/v)]であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
- 前記工程(7)の可溶化が、80℃或いはそれ以上の温度で行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
- 前記工程(3)と前記工程(6)の遠心分離が、2分間〜10分間、20,000g以下の速度で行なわれることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の方法。
- 前記工程(3)及び工程(6)の遠心分離が、3,500g〜17,500gの間の速度で行なわれることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 前記バッファCが、尿素及びグアニジン又はそれらの混合物からなる群の中から選択されたカオトロピック剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
- 前記バッファCにおける前記工程(7)の可溶化が、5分間〜10分間、80℃或いはそれ以上の温度で加熱し、その後、遠心分離を行なうことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1つに記載の方法。
- 生物試料中のPrPresを検出する方法であって、
−前記請求項1乃至14の何れか1つに従って前記試料を処理する工程と、
−得られた試料を、必要に応じて、希釈する工程と、
−前記PrPresを所定の分析法を用いて検出する工程と
を含むことを特徴とする方法。
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