JP4323214B2 - ドアロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に設けられ、扉のロックを行なうドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最初に、図12を用いてドアロック装置の基本的な構成を説明する。図12(a)はアンロック状態、図12(b)はハーフロック状態、図12(c)はフルロック状態を示している。図において、車体とドアのうちの一方に設けられたボデー1には、車体とドアのうちの他方に設けられたストライカ2が進入可能なストライカ挿入溝3が形成されている。ストライカ挿入溝3の一方の側のボデー1には、ピン5を用いてフック7が回転可能に設けられている。ストライカ挿入溝3の他方の側のボデー1には、ピン9を用いてラチェット11が回転可能に設けられている。フック7には、ストライカ2が進入可能な係合溝13が形成されている。更に、フック7の周面には、2つの係止部が形成されている。1つは、フック7がアンロック位置とフルロック位置との中間位置であるハーフロック位置にある時(図12(b)参照)に、ラチェット11の係止部15が係合する段状のハーフロック係止部17と、他の1つは、フルロック位置にある時(図12(c)参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するフルロック係止部19とである。
【0003】
そして、フック7は図示しない第1付勢手段により矢印I方向(アンロック位置方向)へ、又、ラチェット11は図示しない第2付勢手段により矢印II方向(フック7に係合する方向)へそれぞれ付勢されている。
【0004】
次に、上記構成の作動を説明する。図12(a)に示すアンロック状態で、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7の係合溝13にストライカ2が進入し、ストライカ2が係合溝13の壁面を押すことにより、フック7は第1付勢手段の付勢力に抗してロック方向(矢印I方向と反対方向)へ回転する。フック7が回転すると、ラチェット11の係止部15はフック7の段状のハーフロック係止部17を通過し、図12(b)に示すハーフロック状態となる。このハーフロックは、フック7がアンロック方向に回転しようとしてもラチェット11の係止部15がフック7のハーフロック係止部17に係合(当接)し、フック7のそれ以上のアンロック方向の回転を禁止する状態である。更に、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7は更に回転し、ラチェット11の係止部15はフック7のフルロック係止部19に係合し、図12(b)に示すフルロック状態となる。
【0005】
このロック状態を解除するには、図12(c)において、ラチェット11を矢印II方向と逆方向に回転させ、ラチェット11の係止部15と、フック7のフルロック係止部19との係合を解除する。フック7は、図示しない第1付勢手段の付勢力により、アンロック位置方向に回転し、図12(a)のアンロック状態に復帰する(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−220960号公報(第2頁、第3頁、図4、図5、図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図12に示すドアロック装置においては、アンロック状態のフック7が回転し、ラチェットの係止部15が段状のハーフロック係止部17を通過する際に、即ち、フック7がハーフロック状態となる際に、第2付勢手段で付勢されているラチェット11の係止部15がハーフロック係止部17とフルロック係止部19との間のフック7の周面に当たり、大きな打撃音が発生する問題点がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、ロック時に静かなドアロック装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、車体、扉のうちの一方に設けられたストライカと、車体、扉のうちの他方に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能で、ハーフロック係止部およびフルロック係止部が形成されたフックと、車体、扉のうちの他方に回転可能に設けられ、前記フックのフルロック係止部に係合することにより、ロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するフルロックラチェットと、車体、扉のうちの他方に前記ハーフロック係止部の移動軌跡を横切ることが可能なように回転可能に設けられ、前記ハーフロック係止部の移動軌跡を遮ることにより、前記アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するハーフロックラチェットと、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段と、前記フルロックラチェットを前記フックの周面方向へ付勢する第2付勢手段と、前記ハーフロックラチェットを前記フックのハーフロック係止部の移動軌跡方向へ付勢する第3付勢手段と、を備え、前記フルロックラチェットと前記ハーフロックラチェットとが同軸にあることを特徴とするドアロック装置である。
【0010】
アンロック状態で、第2付勢手段の付勢力によりフルロックラチェットはフックの周面方向に、第3付勢手段の付勢力により、ハーフロックラチェットはフックのハーフロック係止部の周面に当接する方向に付勢されている。ストライカとフックとを相対的に近づけていくと、フックの係合溝にストライカが進入し、ストライカが係合溝の壁面を押すことにより、フックは第1付勢手段の付勢力に抗してロック方向へ回転する。フックが回転すると、ハーフロックラチェットがフックのハーフロック係止部の周面上を摺接し、ハーフロック係止部が前記ハーフロックラチェットより離れると、ハーフロックラチェットは第3付勢手段の付勢力により、前記ハーフロック係止部の移動軌跡を横切る方向に回転する。そして、ハーフロックラチェットはハーフロック係止部の移動軌跡を横切る位置で停止し、それ以上の移動が禁止される。この状態でフックがアンロック方向に回転すると、フックのハーフロック係止部がハーフロックラチェットに当接し、それ以上のアンロック方向への回転が禁止されるハーフロック状態となる。
【0011】
更に、フックが回転すると、第2付勢手段の付勢力によりフルロックラチェットがフックのフルロック係止部に係合し、フルロック状態となる。
【0012】
このフルロック状態を解除するには、第2付勢手段、第3付勢手段の付勢力に抗してフルロックラチェット、ハーフロックラチェットをフックから離す。すると、第1付勢手段の付勢力によりフックはアンロック方向に回転し、アンロックとなる。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記フルロックラチェットが前記フックのフルロック係止部に係合している状態で、前記フルロックラチェット、前記ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックから離れる方向に移動させた場合、他方もフックから離れる方向に移動させる連動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のドアロック装置である。
【0015】
前記フルロックラチェット、前記ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックから離れる方向に移動させた場合、他方もフックから離れる方向に移動させる連動手段を設けたことにより、ロック解除する際に、フルロックラチェット、ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックより離れる方向に移動させれば、他方もフックより離れる方向に移動するので、ロック解除をするための機構が簡素化できる。
【0016】
具体的な構成としては、前記フルロックラチェット、前記ハーフロックラチェットのうちのどちらか一方に設けられ、他方に当接可能な突起がある。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
【0018】
最初に、本実施の形態例のドアロック装置の分解斜視図である図1、図1のドアロック装置を組付け、アッパボデーを一部破断した状態で、矢印B方向から見た図である図2を用いて全体構成を説明する。本実施の形態例のドアロック装置は、自動車のバックドア用ドアロック装置であり、ボデー側に取り付けられるものである。尚、図1は見やすいように天地を逆にしている。又、本実施の形態例のフック、ラチェット等のドアロック装置の基本部分は、従来例と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0019】
図において、プレート101、ロアボデー103、アッパボデー105が積層されている。プレート101とロアボデー103との間には、モータ107が設けられる。このモータ107の出力軸にはウォーム109が取り付けられている。シャフト111は、ロアボデー103の穴113を挿通し、プレート101、アッパボデー105に支持される。このシャフト111には、プレート101とロアボデー103との間に配設され、ウォーム109に螺合するヘリカルギア115と、カム201と、カム201を付勢する第3付勢手段としてのスプリング203とが回転可能に取り付けられている。尚、モータ107と、ウォーム109と、ヘリカルギア115とで駆動手段が形成されている。
【0020】
ロアボデー103の上面側には、ストライカ147(図2参照)が挿通するストライカ係合溝119が形成されている。アッパボデー105にも、ロアボデー103のストライカ係合溝119と対向する部分に、ストライカ係合溝121が設けられている。シャフト123は、ロアボデー103のストライカ係合溝119の一方の側の穴125を挿通し、プレート101、アッパボデー105に回転可能に支持される。又、シャフト127は、ロアボデー103のストライカ係合溝119の他方の側の穴129を挿通し、プレート101、アッパボデー105に回転可能に支持される。シャフト123には、ロアボデー103とアッパボデー105との間に配設される2枚のラチェットが取り付けられる。この2枚のラチェットは、ロアボデー103側からハーフロックラチェット301とフルロックラチェット303とである。シャフト127には、ロアボデー103とアッパボデー105との間に配設されたフック133が取り付けられている。そして、フック133の周面とフルロックラチェット303とが略同じ高さになるように設定されている。
【0021】
又、一方の端部側がロアボデー103に係止され、他方の端部側がハーフロックラチェット301に係止される第3付勢手段であるスプリング305により、ハーフロックラチェット301はフック133、ヘリカルギア115のカム201に係合する方向に付勢されている。更に、中間部がシャフト123に巻回され、一方の端部側がロアボデー103に係止され、他方の端部側がフルラチェット303に係止される第2付勢手段であるスプリング307により、フルロックラチェット303はフック133に係合する方向に付勢されている。同様に、中間部がシャフト127に巻回され、一方の端部側がロアボデー103に係止され、他方の端部側がフック133に係止される第1付勢手段であるスプリング137により、フック133はアンロック方向に付勢されている。
【0022】
次に、図1、図2のフック133を説明する図である図3を用いて、フック133を説明する。図3(a)はアッパボデー105側から見た上面図、図3(b)は図3(a)の右側面図、図3(c)は図3(a)の下面図、図3(d)は図3(a)の切断線C−Cの断面図である。フック133は芯金132と樹脂からなり、フック133の周面には、ストライカ147が進入可能な係合溝149が形成されている。又、フック133の係合溝149近傍の周面には、フルロックラチェット303が係合可能なフルロック係止部145が形成されている。更に、フック133の下面には、ハーフロックラチェット301が係合可能なフック133の回転軸方向に延びた突起状のハーフロック係止部143が形成されている。更に、フック133の周面には、突起133aが形成されている。
【0023】
次に、図1、図2のハーフロックラチェット301を説明する図である図4を用いて、ハーフロックラチェット301を説明する。図4(a)はアッパボデー105側から見た上面図、図4(b)は図4(a)の右側面図である。ハーフロックラチェット301は芯金351と樹脂とからなり、射出成形法等により製造されるものである。ハーフロックラチェット301の周面には、ハーフロック係止部143の移動軌跡を横切ることが可能な係止部341が形成されている。又、ハーフロックラチェット301の下面には、後述するヘリカルギア115のストッパ部163が当接するストッパ当接部353が形成されている。又、ハーフロックラチェット301のカム201が当接するカム当接部354には、後述するカム201のストッパ部207が当接するカムストッパ部355が形成されている。
【0024】
又、本実施の形態例のハーフロックラチェット301には、スプリング305により付勢されているハーフロックラチェット301の係止部341が、フック133のハーフロック係止部143に係合した場合、それ以上のハーフロックラチェット301の回転を禁止するために、ロアボデー103に設けられた弾性体でなるハーフロックラチェットストッパ108(図2参照)に当接するストッパアーム部302が形成されている。更に、ハーフロックラチェット301には、フルロックラチェット303方向に突出する連動手段としての連動突起304が形成されている。この連動突起304は、フルロックラチェット303の周面に当接可能で、ハーフロックラチェット301をフック133から離れる方向に移動させた場合、フルロックラチェット303をフック133から離れる方向に移動させる連動手段として機能する。
【0025】
次に、図1、図2のフルロックラチェット303を説明する図である図5を用いて、フルロックラチェット303を説明する。図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)の右側面図である。フルロックラチェット303も芯金361と樹脂とからなり、射出成形法等により製造されるものである。フルロックラチェット303の周面には、フック133のフルロック係止部145に係合する係止部363が形成されている。
【0026】
次に、図6、図7を用いてヘリカルギア115の説明を行う。図6はヘリカルギアの斜視図、図7(a)はヘリカルギアの上面図、図7(b)は図7(a)の切断線A−Aでの断面図、図7(c)は図7(a)の下面図、図7(d)は図7(c)の右側面図である。ヘリカルギア115の上面には、ハーフラチェット301のストッパ当接部353に当接可能なストッパ部163と、側面の一部を切り欠いた切欠165aを有する円柱状のコア165とが一体的に形成されている。ヘリカルギア115のストッパ部163、コア165と、前述したカム201とはロアボデー103の穴113を介して、ロアボデー103とアッパボデー105との間の空間に突出している。そして、ヘリカルギア115のストッパ部163と、ハーフラチェット301のストッパ当接部353とで、フック133がアンロック状態のときに、駆動手段であるヘリカルギア115の初期位置からの移動を禁止する第2ストッパ手段を構成している。
【0027】
次に、図8を用いてカム201の説明を行う。図8(a)はカムの上面図、図8(b)は図8(a)の右側面図、図8(c)は図8(a)の下面図である。カム201の下面には、舌部201aが形成されている。このカム201の舌部201aは、コア165の切欠165a内に挿入される。ここで、コア165の切欠165aと、カム201の舌部201aとで、駆動手段であるヘリカルギア115とカム201とがヘリカルギア115の回転方向に遊びがあるようにした係合手段が構成されている。
【0028】
図8(a)で、範囲Bで示す範囲が、ハーフロックラチェット301のカム当接部354に当接するカム201のカム面205である。このカム面205は、ヘリカルギア115の回転軸からカム面205までの距離が徐々に長くなる形状となっている。又、カム面205には、ハーフロックラチェット301のカムストッパ部355に当接可能なストッパ部207が形成されている。カム201のストッパ部207と、ハーフロックラチェット301のカムストッパ部355とで、ハーフロックラチェット301をフック133から離反する方向に移動させた後に、カム201の移動を禁止するストッパ手段が構成されている。
【0029】
そして、スプリング203の一方の端部はヘリカルギア115の下面に形成されたスプリング係止部115b(図7(c)、(d)参照)に係止され、他方の端部は、ヘリカルギア115の下面から上面にかけて形成された貫通長穴115cを挿通し、カム201の貫通穴201b(図8(a)、(c)参照)に係止され、カム201をヘリカルギア115の回転方向に付勢している。
【0030】
次に、図9を用いて上記構成のドアロック装置のアンロック状態→ロック状態にする作動を説明する。尚、アンロック状態→ロック状態においては、モータ107は駆動されず、ヘリカルギアのコア165,ストッパ部163及びカム201は図9(a)の位置を保持し続ける。
【0031】
アンロック状態を示す(a)図にて、スプリング(第2付勢手段)307によりフルロックラチェット303はその係止部363がフック133の周面方向に、スプリング(第3付勢手段)305の付勢力により、ハーフロックラチェット301はその係止部341がフック133のハーフロック係止部143の周面に当接する方向に付勢されている。ストライカ147とロアボデー103とを相対的に近づけていく。すると、フック133の係合溝149にストライカ147が進入し、ストライカ147が係合溝149の壁面を押すことにより、フック133はスプリング(第1付勢手段)137の付勢力に抗してロック方向へ回転する。フック133が回転すると、(b)図に示すように、ハーフロックラチェット301の係止部341がフック133のハーフロック係止部143の周面から離れ、ハーフロックラチェット301はスプリング305の付勢力により、ハーフロック係止部143の移動軌跡を横切る方向回転する。そして、弾性体でなるハーフロックラチェットストッパ108により、ハーフロックラチェット301はハーフロック係止部143の移動軌跡を横切る位置で停止し、それ以上の移動が禁止される。この状態でフック133がアンロック方向に回転すると、フック133のハーフロック係止部143がハーフロックラチェット301に当接し、それ以上のアンロック方向への回転が禁止されるハーフロック状態となる。更に、ストライカ147とロアボデー103とを相対的に近づけていくと、フック133は更に回転し、今度は、フルロックラチェット303の係止部363がフック133のフルロック係止部145に係合し、図9(c)に示すフルロック状態となる。
【0032】
次に、上記構成のドアロック装置をフルロック状態→アンロック状態にするロック解除時の作動を説明する。図10、図11はロック解除時の作動を説明する図である。尚、本実施の形態例では、ハーフロックラチェット301に連動手段としての連動突起304を形成したことにより、例えば、図9(c)に示すように、ハーフロックラチェット301をフック133から離れる方向に移動させた場合、連動突起304を介してフルロックラチェット303もフック133から離れる方向に移動する。従って、図10、図11ではフルロックラチェット303を省略して示している。
【0033】
フック133の係合溝149にストライカ147が進入し、フック133のフルロック係止部145にフルロックラチェット303の係止部341が係止したフルロック状態を示す図10(a)において、ヘリカルギア115は初期位置にあり、カム201はスプリング203の付勢力により、ヘリカルギア115の回転方向(本実施の形態例では図において反時計方向)に付勢されているので、カム201の舌部201aはヘリカルギア115のコア165の切欠165aの一方の壁面165bに当接している。即ち、カム201の舌部201aとヘリカルギア115のコア165の切欠165aとは、ヘリカルギア115の回転方向に遊びがない係合となっている。
【0034】
ここで、モータ107を駆動してヘリカルギア115を図において反時計方向に回転させると、ヘリカルギア115とカム201とは共に回転する。カム201の回転により、カム201のカム面205がハーフロックラチェット301のカム当接部354に当接する(図10(b)参照)。その摩擦力によりカム201の回転は停止する。ヘリカルギア115のみが回転すると、コア165の切欠165aの他方の壁面165cがカム201の舌部201aを押す、即ち、カム201の舌部201aとヘリカルギア115のコア165の切欠165aとは、ヘリカルギア115の回転方向と反対方向に遊びがない係合となり、再びカム201は回転する(図10(c)参照)。このカム201の回転により、カム201のカム面205がハーフロックラチェット301のカム当接部354を押し、ハーフロックラチェット301の係止部341がフック133のフルロック係止部145より離脱を始める(図11(a)参照)。
【0035】
ハーフロックラチェット301の係止部341がフック133のフルロック係止部145より完全に離脱した後、ヘリカルギア115は初期位置にあり、ヘリカルギア115ののストッパ部163がハーフロックラチェット301のストッパ当接部353に当接して、それ以上の回転が禁止され、モータ107の駆動が停止する。更に、カム201のストッパ部207がハーフロックラチェット301のカムストッパ部155に当接し、カム201の移動が禁止される(図11(b)参照)。
【0036】
ハーフロックラチェット301の係止部341がフック133のフルロック係止部145より完全に離脱することにより、フック133はスプリング137(第1付勢手段)の付勢力により、アンロック状態に復帰する。この時、フック133に形成された突起133aがハーフロックラチェット301の係止部341を押し、カム201のストッパ部207と、ハーフロックラチェット301のカムストッパ部155との当接を解除する(図11(c)参照)。この解除により、カム201はスプリング203の付勢力により回転し、カム201の舌部201aがヘリカルギア115のコア165の切欠165aの一方の壁面165bに当接する。フック133はアンロック位置まで回転し(図9(a)参照)、ロック解除を終了する。
【0037】
上記構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ハーフロックを行うために、フック133にその回転軸方向に延びる突状のハーフロック係止部143と、ハーフロック係止部143の移動軌跡を横切ることが可能なように回転可能に設けられ、ハーフロック係止部143の移動軌跡を遮ることにより、アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にあるフック133のアンロック方向への回転を禁止するハーフロックラチェット301と、ハーフロック係止部143の移動軌跡上にあるハーフロックラチェット301のそれ以上のフック方向への回転を禁止する弾性体でなるハーフロックラチェットストッパ108と、ハーフロックラチェット301をフック133のハーフロック係止部143の移動軌跡方向へ付勢するスプリング(第3付勢手段)305とを備えたことにより、フック133がハーフロック状態となる場合、ハーフロックラチェット301が何かに当たって打撃音を発することがなくなる。よって、ロック時に静かとなる。
(2)ハーフロックラチェット301に連動手段としての連動突起304を形成したことにより、ロック解除をするための機構が簡素化できる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ハーフロックを行うために、フックにその回転軸方向に延びる突状のハーフロック係止部と、前記ハーフロック係止部の移動軌跡を横切ることが可能なように回転可能に設けられ、前記ハーフロック係止部の移動軌跡を遮ることにより、前記アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するハーフロックラチェットと、前記ハーフロック係止部の移動軌跡上にある前記ハーフロックラチェットのそれ以上のフック方向への回転を禁止する弾性体でなるハーフロックラチェットストッパと、前記ハーフロックラチェットを前記フックのハーフロック係止部の移動軌跡方向へ付勢する第3付勢手段とを備えたことにより、フックがハーフロック状態となる場合、ハーフロックラチェットが何かに当たって打撃音を発することがなくなる。よって、ロック時に静かとなる。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、前記フルロックラチェット、前記ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックから離れる方向に移動させた場合、他方もフックから離れる方向に移動させる連動手段を設けたことにより、ロック解除する際に、フルロックラチェット、ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックより離れる方向に移動させれば、他方もフックより離れる方向に移動するので、ロック解除をするための機構が簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例のドアロック装置の分解斜視図である。
【図2】図1のドアロック装置を組付け、アッパボデーを一部破断した状態で、矢印B方向から見た図である図である。
【図3】図1、図2のフックを説明する図であり、(a)図はアッパボデー側から見た上面図、(b)図は(a)図の右側面図、(c)図は(a)図の下面図、(d)図は(a)図の切断線C−Cの断面図である。
【図4】図1、図2のハーフロックラチェットを説明する図で、(a)図はアッパボデー側から見た上面図、(b)図は(a)図の右側面図である。
【図5】図1、図2のフルロックラチェットを説明する図であり、(a)図は正面図、(b)図は(a)図の右側面図である。
【図6】ヘリカルギアの斜視図である。
【図7】(a)図はヘリカルギアの上面図、(b)図は(a)図の切断線A−Aでの断面図、(c)図は(a)図の下面図、(d)図は(c)図の右側面図である。
【図8】(a)図はカムの上面図、(b)図は(a)図の右側面図、(c)図は(a)図の下面図である。
【図9】アンロック→ロック時の作動を説明する図である。
【図10】ロック解除時の作動を説明する図である。
【図11】ロック解除時の作動を説明する図である。
【図12】ドアロック装置の基本的な構成を説明する図で、(a)図はアンロック状態、(b)図はハーフロック状態、(c)図はフルロック状態を示す図である。
【符号の説明】
108 ハーフロックラチェットストッパ
133 フック
137 スプリング(第1付勢手段)
143 ハーフロック係止部
147 ストライカ
149 係合溝
301 ハーフロックラチェット
303 フルロックラチェット
Claims (3)
- 車体、扉のうちの一方に設けられたストライカと、
車体、扉のうちの他方に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能で、ハーフロック係止部およびフルロック係止部が形成されたフックと、
車体、扉のうちの他方に回転可能に設けられ、前記フックのフルロック係止部に係合することにより、ロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するフルロックラチェットと、
車体、扉のうちの他方に前記ハーフロック係止部の移動軌跡を横切ることが可能なように回転可能に設けられ、前記ハーフロック係止部の移動軌跡を遮ることにより、前記アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するハーフロックラチェットと、
前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記フルロックラチェットを前記フックの周面方向へ付勢する第2付勢手段と、
前記ハーフロックラチェットを前記フックのハーフロック係止部の移動軌跡方向へ付勢する第3付勢手段と、
を備え、
前記フルロックラチェットと前記ハーフロックラチェットとが同軸にあることを特徴とするドアロック装置。 - 前記フルロックラチェットが前記フックのフルロック係止部に係合している状態で、前記フルロックラチェット、前記ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックから離れる方向に移動させた場合、他方もフックから離れる方向に移動させる連動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のドアロック装置。
- 車体、扉のうちの一方に設けられたストライカと、
車体、扉のうちの他方に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能で、ハーフロック係止部およびフルロック係止部が形成されたフックと、
車体、扉のうちの他方に回転可能に設けられ、前記フックのフルロック係止部に係合することにより、ロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するフルロックラチェットと、
車体、扉のうちの他方に前記ハーフロック係止部の移動軌跡を横切ることが可能なように回転可能に設けられ、前記ハーフロック係止部の移動軌跡を遮ることにより、前記アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある前記フックのアンロック方向への回転を禁止するハーフロックラチェットと、
前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記フルロックラチェットを前記フックの周面方向へ付勢する第2付勢手段と、
前記ハーフロックラチェットを前記フックのハーフロック係止部の移動軌跡方向へ付勢する第3付勢手段と、
を備え、
前記フルロックラチェットが前記フックのフルロック係止部に係合している状態で、前記フルロックラチェット、前記ハーフロックラチェットのうち、いずれか一方をフックから離れる方向に移動させた場合、他方もフックから離れる方向に移動させる連動手段を設けたことを特徴とするドアロック装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102741344B (zh) * | 2010-02-03 | 2014-03-05 | Dic株式会社 | 酚醛树脂组合物、其制造方法、固化性树脂组合物、其固化物以及印刷电路基板 |
-
2003
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