JP4323061B2 - ディスクブレーキ用摩擦パッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばライニングが摩耗限界に達したときに摩耗検知音を発する摩耗検知板を備えてなるディスクブレーキ用摩擦パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両に用いられるディスクブレーキには、ディスクの両面にそれぞれ対向してシリンダが形成されたキャリパと、該キャリパのシリンダ内に摺動可能に挿嵌されたピストンと、該ピストンによってディスクの表面に押圧される摩擦パッドとを備えた対向ピストン型のディスクブレーキがある。また、前記摩擦パッドは、裏金および該裏金の一側面に固着されるライニングにより構成されるものである。
【0003】
この種の従来技術によるディスクブレーキでは、ブレーキ操作時にシリンダ内に外部からブレーキ液圧が供給されてピストンが摺動変位し、これにより摩擦パッドをディスクの表面に押圧し、ディスクに対し制動力を与える構成となっている。
【0004】
また、このディスクブレーキのキャリパには、シリンダの開口端側に位置してシリンダとピストンとの間をシールする保護ブーツが装着されている。そして、この保護ブーツは、シリンダとピストンとの摺動面間に外部からの異物が侵入するのを防止する機能を有するものである。
【0005】
さらに、摩擦パッドの裏金には摩耗検知板が設けられ、該摩耗検知板は、ブレーキ操作を繰返すうちにライニングが摩耗限界に達したときにディスクと接触し、このときに発する振動音、金属音等を摩耗検知音として運転者に伝えるものである(例えば特開平10−238566号公報等)。
【0006】
ここで、前記摩耗検知板は細長い金属板からなり、裏板のうちライニングの固着面とは反対側となる他側面に一体に取付けられている。そして、摩耗検知板は、その両端側を略L字状に折曲げてディスクに接触させる構成となっている。
【0007】
一方、他の従来技術によるディスクブレーキとして、摩耗検知板を裏金のうちライニングの固着面とは反対側となる他側面に取付けると共に、裏金には摩耗検知板の近傍に位置して貫通穴を設け、摩耗検知板の途中を裏金の他側面から突出する方向に折曲げてから前記貫通穴内に向けて折返すことにより、摩耗検知板を貫通穴からディスク側に向けて突出させる構成としたものが知られている(例えば実開平3−118333号公報等)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるディスクブレーキは、ライニングとは反対側となる裏金の他側面に突部を設け、摩耗検知板をこの突部により裏金の他側面にかしめ固定する構成としている。
【0009】
このため、例えば摩擦パッドの交換時等において摩擦パッドをディスクとピストンとの間の隙間から挿入するようにキャリパに組付けるときには、裏金の他側面に設けた前記突部がピストン用の保護ブーツと干渉し易くなり、該保護ブーツに傷がつく虞れがあるという問題がある。
【0010】
また、この従来技術にあっては、摩耗検知板の両端側をディスクに向けて略L字状に屈曲させる構成としているに過ぎず、この摩耗検知板がディスクと接触したときには、摩耗検知板の両端側の撓み量(振動レベル)が小さくなり、摩耗検知音が運転者に伝わりにくいという問題がある。
【0011】
一方、実開平3−118333号公報等に記載された他の従来技術では、摩耗検知板の途中部分を略U字状に折曲げる構成としているので、摩耗検知板がディスクと接触したときには、この摩耗検知板の折曲部分を大きく撓ませることができ、摩耗検知音を大きくすることは可能である。
【0012】
しかし、この従来技術のものを対向ピストン型のディスクブレーキに適用する場合には、摩耗検知板の途中部分に設けた略U字状の折曲部分が、裏金の他側面から板厚方向に向けて大きく突出するため、前述した摩擦パッドの交換時には摩耗検知板の折曲部分がピストン用の保護ブーツと干渉する可能性があり、保護ブーツに傷がつく可能性が生じるという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題を鑑みなされたもので、本発明の目的は、摩擦パッドの交換時等に摩耗検知板がピストン用の保護ブーツ等と干渉する虞れをなくし、保護ブーツの耐久性、寿命等を高められると共に、摩耗検知板から発する摩耗検知音を運転者にとって適切な音量に設定できるようにしたディスクブレーキ用摩擦パッドを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明によるディスクブレーキ用摩擦パッドは、裏金と該裏金の一側面に固着されたライニングとからなり、前記ライニングが摩耗限界に達したときにディスクと接触して摩耗検知音を発する摩耗検知板を備えている。
【0015】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記裏金には前記ライニングの固着部位外の位置に該裏金の板厚方向へ延びる検知板挿入穴を設け、前記摩耗検知板は、基端側が前記裏金の前記ライニング固着面と同側の一側面にかしめ部により固定される固定板部と、該固定板部の先端側から延びて前記検知板挿入穴内で折返され先端側が前記かしめ部よりも前記ディスク側に突出して前記ディスクに接触可能な折曲板部とにより構成したことにある。
【0016】
このように構成したことにより、摩耗検知板の取付時には、折曲板部を摩擦パッドの裏金に設けた検知板挿入穴内に挿入し、この状態で固定板部を裏金のライニング固着面と同側の一側面にかしめ部により固定する。そして、この摩耗検知板の折曲板部は、検知板挿入穴内で折返しているから、この折曲板部が検知板挿入穴から外部に突出するのを抑えることができる。
【0017】
また、摩耗検知板の折曲板部は、固定板部の先端側から延びて検知板挿入穴内で折返され先端側が前記かしめ部よりもディスク側に突出して前記ディスクに接触可能な構成であるから、ブレーキ操作時にライニングが摩耗限界に達したときには、この折曲板部の先端をディスクと接触させることができる。そして、このときに摩耗検知板は折曲板部を振動させ、摩耗検知音を大きくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキ用摩擦パッドを、対向ピストン型のディスクブレーキに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0019】
1は二輪車の車輪と共に回転するディスク、2は該ディスク1の近傍で二輪車のフロントフォーク(図示せず)等に取付けられるキャリパで、該キャリパ2は、ディスク1のアウタ側に配設されたアウタキャリパ部3と、ディスク1のインナ側に配設されたインナキャリパ部4とによって構成されている。
【0020】
ここで、アウタキャリパ部3は、ディスク1の回転方向に対して長尺に形成され、その中央部には後述の摩擦パッド10を収容するパッド収容部3Aが凹設されている。また、アウタキャリパ部3には、ディスク1の回転方向に離間してパッド収容部3A内に開口する一対のシリンダ3B,3Bと、パッド収容部3Aの両側に位置してディスク1の軸方向に突出した衝合部3C,3Cと、前記フロントフォークにボルト(図示せず)等を介して一体に取付けられる取付ブラケット3D,3Dとが設けられている。
【0021】
また、インナキャリパ部4についても、アウタキャリパ部3とほぼ同様に構成され、後述の摩擦パッド13を収容するパッド収容部4A、一対のシリンダ4B,4Bおよび衝合部4C,4C等を有している。
【0022】
そして、これらアウタキャリパ部3とインナキャリパ部4は、衝合部3C,4C同士を互いに衝合させ、この状態で後述の締結ボルト19,20等を介して一体に締結されている。また、キャリパ2のパッド収容部3A,4Aは、図1に示すように両者の間で略長方形状の開口部を構成し、これらパッド収容部3A,4Aからなる開口部は、後述する摩擦パッド10,13の交換時等に摩擦パッド10,13を抜き差しするための作業窓を構成している。また、アウタキャリパ部3とインナキャリパ部4との間にはディスク1の回転方向に離間して軸方向に延びる一対の支持ピン5,5が着脱可能に固定して設けられている。
【0023】
6,6はアウタキャリパ部3のシリンダ3B内に摺動可能に挿嵌されたアウタ側のピストンで、該ピストン6は、ブレーキ操作時にシリンダ3B内に供給されるブレーキ液圧によりこのシリンダ3B内を摺動し、摩擦パッド10をディスク1の表面に押圧するものである。
【0024】
また、インナキャリパ部4のシリンダ4B内にもインナ側のピストン7,7が摺動可能に挿嵌され、該ピストン7は、摩擦パッド13をディスク1の表面に押圧するものである。
【0025】
8,8は摩擦パッド10の近傍に位置してアウタキャリパ部3のシリンダ3Bとピストン6との間に設けられたアウタ側の保護ブーツで、該保護ブーツ8は、シリンダ3Bとピストン6との間をシールし、両者の摺動面間に外部からの異物が侵入するのを防止している。また、図2に示す如くインナキャリパ部4のシリンダ4Bとピストン7との間には、インナ側の保護ブーツ9,9が装着されている。
【0026】
10はアウタキャリパ部3のパッド収容部3A内に後述のパッドスプリング18を介して摺動可能に設けられたアウタ側の摩擦パッドで、該摩擦パッド10は、裏金11およびライニング12により構成されている。
【0027】
ここで、摩擦パッド10の裏金11は鉄板等により略長方形状に形成され、ライニング12が固着される一側面となる前面11Aと、ピストン6が当接される他側面となる背面11Bとを有している。また、裏金11の前面11Aには、図4に示す如く後述する検知板挿入穴16の近傍に位置して突状のかしめ部11Cが突設されている。
【0028】
さらに、裏金11には、ライニング12よりもディスク1の径方向外側に位置して長円形状をなす一対のピン穴11D,11Dが穿設されている。そして、摩擦パッド10は、ピン穴11D内に支持ピン5が挿入され、この支持ピン5により軸方向に移動可能に支持されている。
【0029】
また、ライニング12はディスク1の回転方向に沿って延び、全体として略扇形状に形成されている。そして、扇形状をなすライニング12の径方向内側部位には、検知板挿入穴16の周囲に位置して略コ字状の切欠部12Aが設けられている。
【0030】
一方、インナキャリパ部4のパッド収容部4A内にも、インナ側の摩擦パッド13がパッドスプリング18を介して摺動可能に設けられ、該摩擦パッド13は、裏金14およびライニング15により構成され、支持ピン5により軸方向に沿って摺動可能に支持されている。
【0031】
16は摩擦パッド10の長手方向中間に位置して裏金11に穿設された検知板挿入穴で、該検知板挿入穴16は、裏金11の前面11Aのうちライニング12の固着部位から離れた位置で、この裏金11を板厚方向に貫通して延びる円形または略四角形状の貫通穴として形成されている。そして、検知板挿入穴16は、ライニング12の切欠部12Aと対応した位置で裏金11の前面11Aに開口し、その内部には後述する摩耗検知板17のU字状折曲板部17Bが挿入される。
【0032】
17は摩擦パッド10の裏金11に設けられた摩耗検知板で、該摩耗検知板17は、ばね性を有する細長い金属板にプレス加工等を施すことにより図4、図5に示す如く形成されている。そして、摩耗検知板17は、基端側がライニング12の切欠部12A内に位置して裏金11の前面11Aに固定された固定板部17Aと、該固定板部17Aの先端側に設けられ検知板挿入穴16内に挿入されたU字状折曲板部17Bとにより構成されている。
【0033】
また、この摩耗検知板17のU字状折曲板部17Bは、固定板部17Aの先端側から検知板挿入穴16内に向けて略L字状に折曲げることにより形成された一側板部17B1 と、該一側板部17B1 の先端側から検知板挿入穴16内で略U字状に折返して形成された折返し板部17B2 と、該折返し板部17B2 からディスク1に向けて延びた他側板部17B3 とにより構成されている。
【0034】
また、この摩耗検知板17の固定板部17A基端側には円形の取付穴17A1が穿設され、該取付穴17A1 は、かしめ部11Cにより裏金11の前面11Aに一体に取付けられている。そして、摩耗検知板17は、U字状折曲板部17Bの折返し板部17B2 が検知板挿入穴16内に完全に収容され、該折返し板部17B2 が裏金11の背面11Bから外側に突出することはなくなる。
【0035】
さらに、摩耗検知板17は、図3に示すようにライニング12の径方向寸法W(以下、ライニング幅Wという)内に収められると共に、他側板部17B3 は、その板幅方向がディスク1の回転方向に対して直交した状態におかれている。
【0036】
そして、摩耗検知板17は、他側板部17B3 の先端17B4 側が固定板部17Aの板厚よりも大きな突出寸法Dをもってディスク1側に突出すると共に、当該先端17B4 側がかしめ部11Cよりもディスク1側に突出するように位置決めされる。このため、ブレーキ操作によりライニング12が徐々に摩耗後退して設計上の許容限度(摩耗限界)に達したときには、摩耗検知板17は他側板部17B3 の先端17B4 がディスク1と摺接することにより、摩耗検知音を発するものである。
【0037】
なお、18,18はキャリパ2のパッド収容部3A,4Aと摩擦パッド10,13の裏金11,14との間に介在して設けられたパッドスプリングで、該パッドスプリング18は、摩擦パッド10,13をディスク1の軸方向に沿って摺動可能にガイドするものである。また、19,20はアウタキャリパ部3とインナキャリパ部4とを一体に締結するための締結ボルトである。
【0038】
本実施の形態による対向ピストン型のディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0039】
まず、運転者がブレーキ操作を行なうと、外部からのブレーキ液圧がキャリパ2のシリンダ3B,4B内に供給されることにより、ピストン6,7がシリンダ3B,4B内をディスク1側に向けて摺動する。そして、ピストン6,7は摩擦パッド10,13を押圧して、ディスク1に制動力を与える。
【0040】
また、ブレーキ操作時に、摩擦パッド10,13のライニング12,15が摩耗限界に達したときには、摩擦パッド10に設けた摩耗検知板17の他側板部17B3 がディスク1と接触し、このときに発する摩耗検知板17からの振動音、金属音等を摩耗検知音として運転者に伝える。
【0041】
ところで、摩擦パッド10の交換時には、支持ピン5をキャリパ2から抜き取り、この状態で摩擦パッド10を、図3中に示す矢印の如くパッド収容部3Aから抜取ったり、差込んだりする。そして、このときに摩擦パッド10に設けた摩耗検知板17が保護ブーツ8と干渉すると、保護ブーツ8に傷がつく虞れがある。
【0042】
そこで、本実施の形態では、摩耗検知板17のU字状折曲板部17Bを摩擦パッド10の裏金11に穿設した検知板挿入穴16内に挿入し、この状態で固定板部17Aを保護ブーツ8とは反対側に位置する裏金11の前面11Aに固定する構成としている。
【0043】
このため、摩耗検知板17を固定するためのかしめ部11Cを、固定板部17Aと一緒に裏金11の前面11Aに配置できると共に、U字状折曲板部17Bをを折返し板部17B2 を含めて検知板挿入穴16内に収容することができる。
【0044】
かくして、本実施の形態では、摩耗検知板17の一部分(例えば折返し板部17B2 )が従来技術で述べたように裏金11の背面11Bからピストン6側に突出するのを抑えられ、摩擦パッド10の交換時に摩耗検知板17が保護ブーツ8と干渉する虞れをなくし、該保護ブーツ8の耐久性、寿命等を高めるこができる。
【0045】
また、本実施の形態では、摩耗検知板17のU字状折曲板部17Bを、固定板部17Aから略U字状に折返すように折曲げて形成したから、前述の如くブレーキ操作時に他側板部17B3 の先端17B4 がディスク1と接触したときには、一側板部17B1 と他側板部17B3 との間で折返し板部17B2 を大きく撓ませ、U字状折曲板部17B全体を振動させることができる。これにより、摩耗検知板17から発する摩耗検知音を適切な周波数(例えば3〜8KHz程度)に設定し、この検知音を運転者に良好に伝えることができる。
【0046】
しかも、摩耗検知板17は、他側板部17B3 の板幅方向をディスク1の回転方向に対して直交する向きに配向したので、他側板部17B3 がディスク1と接触したときの摩擦抵抗を、例えば他側板部17B3 の板幅方向をディスク1の回転方向と平行に配向した場合と比較して大きくでき、他側板部17B3 をより円滑に振動させ、安定した摩耗検知音を発することができる。
【0047】
また、ディスク1の表面に錆びが発生した場合、この錆びの一部分はブレーキ操作時にライニング12,15によって除去されるものの、ディスク1のうちライニング12,15が接触しない部分には錆びが残ることになる。このため、摩耗検知板17がディスク1の錆びの部分に接触すると、ライニング12,15が摩耗限界に達する前に、摩耗検知板17がディスク1と接触する不具合が生じる。
【0048】
然るに、本実施の形態では、ライニング12の径方向内側部位に切欠部12Aを設け、この切欠部12Aのスペースを利用して摩耗検知板17を裏金11の前面11Aに配置しているので、摩耗検知板17をライニング幅W内に収めることができ、これによって摩耗検知板17が前述の如くディスク1の錆びの部分と接触することはなく、摩耗検知板17による検知精度を高めることができる。また、このように摩耗検知板17が錆びの部分と接触することがなくなることにより、摩耗検知板17が早期に破損する等の不具合を防止することができる。
【0049】
なお、実施の形態では、検知板挿入穴16は、裏金11を板厚方向に貫通して延びる貫通穴として形成する場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、検知板挿入穴を、例えば裏金11の前面11Aに開口する有底穴として形成してもよい。
【0050】
また、実施の形態では、摩耗検知板17のU字状折曲板部17Bを、固定板部17Aの先端からU字状に折返して折曲げることにより形成する場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、U字状折曲板部は例えば固定板部からV字状に折返して形成してもよいし、コ字状に折返して形成してもよい。
【0051】
また、実施の形態では、摩耗検知板をアウタ側の摩擦パッドに設ける場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えばインナ側の摩擦パッドに摩耗検知板を設ける構成としてもよい。
【0052】
さらに、実施の形態では、ディスクブレーキを二輪車に適用するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば自動車等の車両に適用してよい。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、摩擦パッドの裏金に検知板挿入穴を設け、摩耗検知板の固定板部を摩擦パッドの裏金のライニング固着面と同側の一側面にかしめ部により固定し、この状態で折曲板部を検知板挿入穴内に挿入すると共に、該折曲板部は、前記検知板挿入穴内で折返され先端側が前記かしめ部よりもディスク側に突出して該ディスクに接触可能な構成としたので、摩耗検知板の一部分が裏金の他側面からこの裏金の外側に突出するのを抑えることができ、例えば摩擦パッドの交換時に摩耗検知板がピストン用の保護ブーツ等に干渉する虞れをなくし、該保護ブーツの耐久性、寿命等を高めることができる。
【0054】
また、摩耗検知板の折曲板部は、先端側が前記かしめ部よりもディスク側に突出して前記ディスクに接触可能な構成としたので、この折曲板部の先端がディスクと接触したときには、折曲板部を撓ませて大きく振動させることができ、摩耗検知音を大きくし摩擦パッドの交換時期を運転者に良好に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるディスクブレーキの正面図である。
【図2】実施の形態によるディスクブレーキの背面図である。
【図3】アウタキャリパ部、摩擦パッドおよび摩耗検知板等を図1中の矢示 III−III方向からみた断面図である。
【図4】図1中の検知板挿入穴、摩耗検知板等を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図5】図4中の摩耗検知板を単体で示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 キャリパ
6,7 ピストン
10,13 摩擦パッド
11,14 裏金
11A 前面(一側面)
12,15 ライニング
16 検知板挿入穴
17 摩耗検知板
17A 固定板部
17B U字状折曲板部
D 突出寸法
Claims (1)
- 裏金と該裏金の一側面に固着されたライニングとからなり、前記ライニングが摩耗限界に達したときにディスクと接触して摩耗検知音を発する摩耗検知板を備えてなるディスクブレーキ用摩擦パッドにおいて、
前記裏金には前記ライニングの固着部位外の位置に該裏金の板厚方向へ延びる検知板挿入穴を設け、
前記摩耗検知板は、基端側が前記裏金の前記ライニング固着面と同側の一側面にかしめ部により固定される固定板部と、該固定板部の先端側から延びて前記検知板挿入穴内で折返され先端側が前記かしめ部よりも前記ディスク側に突出して前記ディスクに接触可能な折曲板部とにより構成したことを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド。
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