JP4321177B2 - 架橋高分子薄膜およびその形成方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の高分子薄膜は、エレクトロニクス分野、特に大規模集積回路(LSI)の層間絶縁膜、パッシベーション膜、液晶ディスプレーの配向膜などに用いられる。
これを解決するため、空孔のサイズと材料の形状をナノメートルレベルで制御することにより、機械強度と低誘電率を両立させようとする試みがいくつか行われている。例えば、疑似ダイヤモンド構造を有する三次元有機高分子の構成単位間に、分子レベルのナノ空孔を規則的に形成することで、極限的な低誘電率化と高強度化が可能であるとの提案が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、かかる高分子薄膜を用い、低誘電率と機械強度を両立した新規な低誘電率材料を提供することである。
(1) 式(1)で示される化合物の三次元架橋反応で得られる高分子化合物。
Yに使用される1価有機基に特別の限定条件はないが、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、へプチル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基を挙げることができる。また、これらの基の炭素をケイ素で置き換えた基、例えばトリアルキルシリル基でもよい。トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
また、これらの溶液を塗布した後の溶媒の乾燥に要する加熱処理などにおいても、通常の層間絶縁膜で使用している手法と同様な方法で実施することが可能である。例えば、オ−ブン、ホットプレ−ト、赤外炉中などが使用できる。溶液を塗布した後は、比較的低温で溶媒を蒸発させた後、200〜500℃程度の温度で、好ましくは250〜400℃で加熱処理することが好ましい。加熱温度は一定でも段階的に昇温しても良い。加熱時間は基質によって異なるが、30〜180分程度が好ましく、さらに好ましくは約60〜120分である。
実施例で得られた化合物の物性は以下の方法で測定した。
赤外吸収スペクトル(IR):日本分光株式会社製FT/IR−7000型を用い、室温でKBr法にて測定した。
プロトンNMRスペクトル(1H−NMR):日本電子株式会社製EX−90Aを使用し、90MHzで溶媒にクロロホルム−dを用い、内部標準物質にテトラメチルシランを用いて室温で測定した。
熱分解温度:セイコー電子工業社製、TG/DTA−220型を用い、空気中で毎分10℃の昇温速度で測定し、5%重量減少を示した点を分解温度とした。
誘電率:ヒューレットパッカード社製、4263B型LCRメーターを用い、1KHzでの電気容量と別途測定した膜厚から算出した。
弾性率:島津製作所製、DUH−W201S型ダイナミック超微小硬度計を用いて測定した。
前述の非特許文献3記載に準拠し、テトラキス(4−エチニルフェニル)メタン(化合物4)を合成した。
以下、工程毎に詳細な説明を行う。
温度計、冷却管、撹拌装置を付けた500mlの三ツ口フラスコに、トリフェニルクロロメタン28.0g(0.10mol)とアニリン25ml(0.27mol)をとり、素早く220℃へ昇温した。反応液が結晶化し始めたら直ちに加熱を停止し、激しく撹拌した。反応液を約100℃まで冷却し、希塩酸(2mol/L)120mlとメタノール100mlを順次加え、還流下で30分間激しく撹拌した。室温に戻して析出物をろ集し、メタノールと純水で洗浄した。粗結晶を減圧乾燥して、アニリンが縮合した中間体を得た。この化合物はこれ以上精製せず、直ちに次の反応に用いた。
温度計、撹拌装置、ガス排気管を付けた300ml三ツ口フラスコに、(1)で合成した化合物12.3g(0.038mol)と鉄粉2.55g、および四塩化炭素100mlをとり、臭素29g(0.18mol)を加えて室温下12時間撹拌した。反応液を大量の水に加えて析出物をろ集し、得られた固体を減圧乾燥した。粗結晶をDMFで再結晶し、鉄粉は熱時ろ過で除去して微黄色結晶の化合物2を15.8g(収率65.5%)を得た。
この化合物のNMRスペクトルは文献値と一致した。ケミカルシフトは、δ6.95、7.05、7.37,7.45(AA’BB’、16H)であった。
温度計、撹拌装置、冷却管、窒素導入管を付けた500ml三ツ口フラスコに、前記[1]−(2)で得られた化合物2を8.0g(12.0mmol)、臭化銅(I)0.10gをとり、乾燥トリエチルアミン140mlと乾燥ベンゼン40mlの混合溶媒に溶解した。この溶液にトリメチルシリルアセチレン10ml(70.0mmol)と、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド0.50gを加え、窒素雰囲気下18時間加熱還流した。反応終了後溶媒を減圧下で留去し、残査に10%塩酸を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去して、得られた黒色粗結晶をシリカゲルカラム(トルエン/n−ヘキサン)で精製した。得られた黄色結晶をトルエンで再結晶し、淡黄色結晶の化合物3を7.2g得た(収率81%)。
この化合物のNMRスペクトルは文献値と一致した。ケミカルシフトは、δ0.21(s、36H)、6.97、7.06、7.27、7.37(AA’BB’、16H)であった。
前記[1]−(3)の合成によって得られた、テトラキス(4−トリメチルシリルエチニルフェニル)メタン6.50g(9.0mmol)をベンゼン100mlとアセトニトリル200mlの混合溶媒に溶かし、テトラブチルアンモニウムフロリド12.0g(40.0mmol)を加えて室温下2時間撹拌した。反応液を大量の水中に加えトルエンで2回抽出した。有機層を水洗し、乾燥剤で乾燥後溶媒を留去して白色固体を得た。この固体をトルエンで再結晶して、針状の無色結晶3.2gを得た(収率85%)。この化合物のIRスペクトルを図1に示す。また、この化合物のNMRスペクトルは文献値と良く一致した。ケミカルシフトは、δ3.06(s、4H)、7.07、7.15、7.34、7.43(AA’BB’、16H)であった。
冷却管を付けた30mlナスフラスコに、実施例[1]−(4)で合成した化合物4を1.0gとり、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)4.0gに溶かして窒素気流下170℃、1時間撹拌した。この溶液を室温に戻し、シクロヘキサノン1.66gを加え、0.2μmのメンブランフィルターでろ過して濃度15重量%のオリゴマー溶液を得た。この溶液をスピンナー法でガラス基板に塗布し、100℃のホットプレート上で3分間加熱した。続いて窒素雰囲気下250℃で1時間、300℃で30分間焼成し、膜厚720nmの均一な燈色薄膜が得られた。
薄膜を基板から一部削り落とし、IRスペクトルを測定したところ、三重結合の吸収(3300、2100、700cm-1付近)が消滅し、約1600cm−1に三置換ベンゼンを示す弱い吸収が確認された。このIRスペクトルを図2に示す。また、薄膜を削って得た粉末の熱分解温度は453.3℃であった。さらに、薄膜の弾性率を測定したところ9.4GPaの高い値を示した。
基板を4インチシリコンウエハ(三菱住友シリコン(株)製、比抵抗0.02Ω以下、N型)に変える以外は、実施例[2]と同一操作で厚さ720nmの薄膜を形成した。この薄膜表面にマスクを介してアルミニウムを真空蒸着し、直径5mmの電極を作成した。続いて、LCRメーターで電気容量を測定したところ701.65pF(1KHz)であり、以上の結果から誘電率を算出すると2.96であった。
化合物4を0.40gサンプルビンにとり、NMP1.60gに室温で溶解した。この溶液を実施例[2]と同様にシクロヘキサノンで濃度15%に希釈後シリコンウエハに塗布し、100℃のホットプレート上で3分間加熱したところ、原料が固体のまま析出し薄膜を得ることはできなかった。固体状態のまま実施例[2]と同一条件で加熱した結果、粉末状の架橋高分子が得られた。この化合物は不溶不融であり、再溶解して塗布製膜は不可能であった。
冷却管付きのナスフラスコに化合物4を0.40gとり、NMP1.60gに溶かして窒素気流下加熱還流した。約4時間後、反応液から多量の不溶成分が析出したため、この反応液を塗布、再溶解、製膜する事はできなかった。
Claims (6)
- 請求項2記載の薄膜を用いる事を特徴とする絶縁膜。
- 請求項2記載の薄膜を用いる事を特徴とする保護膜。
- 式(1)示される化合物、または式(1)で示される化合物を溶媒に溶解させた溶液を加熱し、加熱後の化合物または溶液を基板に塗布後、焼成して得ることを特徴とする、請求項2記載の薄膜形成方法。
- 請求項3記載の絶縁膜を用いる事を特徴とする電気的固体装置。
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