JP4320255B2

JP4320255B2 - 体液を採取するための携帯型器具

Info

Publication number: JP4320255B2
Application number: JP2003541466A
Authority: JP
Inventors: ピーペレス、エドワード
Original assignee: エフホフマン−ラロッシュアクチェンゲゼルシャフト
Priority date: 2001-09-26
Filing date: 2002-09-25
Publication date: 2009-08-26
Anticipated expiration: 2022-09-25
Also published as: CA2461370A1; US20040059256A1; EP1432353A1; US7758516B2; JP2005507733A; US20070060845A1; WO2003039369A1; US20040267160A9

Description

［先行出願］
本願の請求項に示した発明は次に記載した米国仮出願または非仮出願の米国特許出願にかかる発明をさらに改良するものである。また、これら特許出願を記載することで同特許出願にかかる文書の各々に記載された技術内容を本願明細書における従来技術の記述の一部とするものである。
仮出願第６０／２９６，９５０号、第６０／２９７，０４５号、および第６０／２９７，０９８号、以上出願日２００１年６月８日、第６０／２６３，５３３号、以上出願日２００１年１月２２日、
米国特許出願第０９／５２８，０９７号、以上出願日２０００年３月１７日、米国特許出願第９７／０８４０１号、以上出願日１９９７年５月１６日、米国特許出願第９７／０８４００号、以上出願日１９９７年５月１６日、第０９／８８７，５７４号、以上出願日２００１年６月２１日、第０９／５８６，９６９号、以上出願日２０００年６月５日、第０９／１８０，８３９号、以上出願日１９９８年１１月１６日、第０９／５４２，０４０号、以上出願日２０００年３月３１日、第０９／５６７，０５４号、以上出願日２０００年５月８日
［発明の分野］

本願発明は、何らかの分析あるいは処理を加えるための試料として人体から血液ないしその他の体液を採取するための切開用器具ならびに採取する方法に関するものである。

［発明の背景］
今日採用される医学的処方においては、必要とされる血液試料の量が３〜５０ｍｌ程度といった比較的少ない量である場合が多い。この様な試料が採血担当者が静脈から採血するのでなく、指のような特定の部位の皮膚をランシングするとか皮膚に針をさすとかにより採取可能な１〜２滴の量の血液ですますことが出来れば、患者にとって費用の面からのみならず加えられる傷の程度の点からもより有利である。血液中のグルコース濃度を自身でモニターするといったように自宅における血液検査が実行できるようになったことをきっかけとして、どのような環境にいようと、検査を必要とする個人自らが実行できるような簡便な手段が求められるようになってきている。

一般に用いられるランセットは、通常しっかりとした本体部とその一端に消毒済の針が突き出る形式のものである。このランセットとは皮膚に突き刺すものであり、そうすることによって血液試料を採取するための開口部を作るための器具である。採取された同血液は試験実施器具または血液採集容器に移される。採取に必要な量の血液が指先には十分に存在するため、同血液は指先から採取されるのが最も一般的である。しかし、当該患者が検査を毎日数回実行しなければならないといった場合には、同指先が過敏になったり、皮膚表面が厚く硬くなったりして、試料の採取が困難になることがある。また、この部位には神経が集まっているためかなりの痛みを感じる患者は多い。この様な事情から、指先に替えて別の部所、たとえば耳たぶ、腕あるいは脚から体液の試料を採取することも行われる。

皮膚に針を刺したりすることへの嫌悪感や針を刺すことによる痛みを和らげるため様々に工夫をこらしたバネ組込み式の器具が開発されてきた。その代表的なものとしては次に掲げる２件の特許がある。これらは家庭用診断試験器具として１９８０年代に開発されたものである。

そのひとつ、コーネル（Ｃｏｒｎｅｌｌ）らの米国特許第４，５０３，８５６号はバネ式のランセット刺しこみ器具を開示している。繰返し使用を前提とする本体部分に使い捨てのランセットを装着するもので、ランセットの支持器はそれが内部側に引き込まれたときに爪に引っ掛かるようになっている。同器具の使用者が、つめの解放ボタンを触るとパネが外れ高速でランサー（切開用器具）を押出し皮膚に穴をあけるとすぐにまた内部に引き込まれるように構成されている。皮膚に穴があけられる時の痛さを低減するのにランセットの動きの速さが重要である。

もう一つ、レビン（Ｌｅｖｉｎ）らの米国特許第４，５１７，９７８号は血液試料採取機器を開示している。この機器に採用された器具は、前者同様にバネ式であるが、標準型の使い捨て式ランセットを使用するものである。指先上での位置決めが簡単かつ正確になるようにデザインされていてその結果、刺しこむ位置を任意に特定し易くなっている。同ランセットが皮膚に穴を開けた後は、はね戻し用バネが同ランセットを同器具内部の安全な位置まで引っ込めるように作られている。

医療関連施設において使用される場合にあっては、多くの場合、患者から採取した試料を一定の場所に移動しそこで同試料を然るべき管理の元に試験器具に投入する様な手順がとられる。たとえば、血液中のグルコース濃度モニター設備のある種の構成にあっては、血液試料を試験計器に接して設置された試験器具に投入しなければならないことになる。この様な条件下にあっては、患者の指を直接試験器具の位置まで持ってきて採血すると、それ以前の患者の血液による汚染の危険性が生じる。したがってこの様な条件下、病院は特にこの様な条件下にあるが、にある設備にあっては患者にランセットで皮膚を開口し、毛管現象効果を利用しマイクロピペット中に血液を採取し、同マイクロピペットをへて当該試料を当該試験器具に投入するといった手順が採用される。

ヘインズ（Ｈａｙｎｅｓ）の米国特許第４，９２０，９７７号はランセットと微細採取管（マイクロコレクションチューブ）で構成される血液の採取器具を開示している。この器具では、ランセット一本と収集容器がひとつに合体されひとつの使い捨て器具を構成し、これでふたつ別々の工程である皮膚の開口と血液の採取とを賄うものであり、試料を使用する段階と切り離して事前に試料の採取を行う手順を採用する場合に便利である。同様の器具はサリン（Ｓａｒｒｉｎｅ）の米国特許第４，３６０，０１６号ならびにオブライアン（Ｏ’ｒｉｅｎ）の米国特許第４，９２４，８７９号にも開示がある。

ジョーダン（Ｊｏｒｄａｎ）らの米国特許第４，８５０，９７３号ならびに第４，８５８，６０７号にはその部品の配置構成を替えることでシリンジ型注射器と使い捨て型針状ランセットを持つ皮膚の開口器具のいずれとしても使える組み合わせ型器具を開示している。

ラング（Ｌａｎｇｅ）らの米国特許第５，３１８，５８４号は診断目的で血液を回収するためのランセット器具を開示している。この発明にあっては、皮膚を切開する時の痛みを緩和するために回転ないしスライド動作を行わせるシステムが採用されている。本発明によると切開される部分の深さを各ユーザーの都合に合わせて簡単かつ精密に調節することが可能である。

スズキ（Ｓｕｚｕｋｉ）らの米国特許第５，３６８，０４７号、ダムロウスキ（Ｄｏｍｂｒｏｗｓｋｉ）の米国特許第４，６５４，５１３号およびイシバシ（Ｉｓｈｉｂａｓｈｉ）らの米国特許第５，３２０，６０７号の各々は吸引型の血液採取器具を開示している。これらの器具においては、皮膚の切開が終わり、当該ランセットの保持具が元の位置に引き戻される際に、同切開部分と同器具の先端とのあいだに吸引圧が生じる。前記した器具の先端部分には可撓性のガスケットが配置され、皮膚に形成された開口部分の周囲とその箇所に対応する同期具先端部分を所定の量の試料が同開口部から採取されるまであるいは同ユーザーが同器具を開口部から引き離すまでシールする。

ガルシア（Ｇａｒｃｉａ）らの米国特許第４，６３７，４０３号とハーバー（Ｈａｂｅｒ）らの米国特許第５，２１７，４８０号は皮膚の切開と血液の採取の双方をひとつで行うためのものであって、かつその為にダイヤフラムを用いて傷口の上部を真空に引く（減圧状態にする）構成の器具を開示している。

エリクソン（Ｅｒｉｃｋｓｏｎ）らの米国特許第５，５８２，１８４号は体液を採取し測定する手段を開示している。同開示になるシステムでは同軸型シリンジと毛細管とがスペーサー部品の内部に配置される。同スペーサーは同シリンジが皮膚内へ侵入する深さを制限する役目を果たすと共に皮膚に刺しこまれた同シリンジの周りの細胞組織を抑えつけ、シリンジ内へ細胞組織中の体液のシリンジ内に向かう流れを増強する。これには同体液をシリンジからさらに毛細管の方へ吸引するための吸引具も備わっている。

家庭でのコレステロール試験のように試験を一回ずつしか行えないタイプの試験用として、あるいは医療施設での使用にあって複数の患者間での患者間汚染を防止するために使い捨て型の器具も多々開発されている。クロスマン（Ｃｒｏｓｓｍａｎ）らの米国特許第４，８６９，２４９号ならびにスワーチェック（Ｓｗｉｒｃｚｅｋ）の米国特許第５，４０２，７９８号は使い捨てがたの皮膚切開器具を開示している。米国特許第５，４２１，８１６号、第５，４４５，６１１号および第５，４５８，１４０号は切開などをせずそのままの皮膚から直接に細胞組織内部の体液を浸出させるために超音波にポンプの役目をさせることを開示している。しかし、これによって採取できる体液の量はごく限られた量にしか過ぎない。

以上記載した特許については引用による本願明細書への追加事項とするものである。

これまでに開発改善を加えられたにもかかわらず、なお多くの患者が皮膚の切開に伴う痛みを問題視していることは事実である。糖尿病と診断された人々の内、血中のグルコース濃度モニターをそれに伴う痛みの勢で行わない人々が何百万人もいるが、彼らにとっては、血液の採取の必要性に加えてそれに伴う痛みえの恐怖が大きな問題として立ちはだかっていることになる。さらに、これ以外の診断への利用を目的として皮膚を切開し採血する技術が益々日常的に利用されるようになってきている。それに伴いこの技術の応用分野をより広げまた同技術を一層受いれられ易いものとするために、痛みの少ない、傷口を一層小さいものとする器具が必要とされている。

本願発明の目的のひとつは、したがって、実質的に痛みを伴わないでかつ傷口が最小となる様な皮膚表面からの体液の採取器具ならびに採取方法を提供することである。

また、したがって、上記した従来技術の欠点を克服できるランセット支持具を提供することをもうひとつの目的とする。

本願発明のさらなる目的は、試料の採取箇所として決定した採取位置あるいは同採取箇所の皮膚表面からの侵入深さに応じて、血液あるいは組織液を採取できるような試料採取方法を提供することにある。現状では、組織液（ＩＦＳ）を利用できる器具が市販されるには至っていないが分析対象とする種々の成分、その一例はグルコースであるが、これらのＩＳＦ内における測定値と全血液内における測定値との相関関係を種々の成分に関して明確化しようとする活発な研究が進行中である。もし、ＩＳＦが簡単に採取可能となり前記相関関係が明確になれば、赤血球による妨害やヘマトクリットを調整する必要性が発生しないＩＳＦが試料物質として血液よりも便利であるとされる事にも成り得るものである。

本願発明のさらなる目的は、少量の試料を任意に特定した量どおりに、たとえば３マイクロリットルをある試験用にそして８マイクロリットルを別の試験用に等として、採取できる方法を提供することにある。

本願発明のさらに別の目的は、試料を採取する身体の部位が何処であるかに関係なく必要な試料を採取し所用の試験器具に簡単に投入できる方法を提供することにある。このような方向から発明される試料採取方法は、ひとつの試験計器を多人数で共用する場合にあってもこれら患者同志が接触することにならないため伝染防止の観点から有用となるものである。あるいはこれに替えて、試験器具の然るべき部分を使い捨て部分として構成しその部品を試料容器に物理的に接続し、試料を採取する時に同時に同試料を当該試験器具に直接投入出来るように構成することである。このようにすることで、状況が許すなら試験器具は次の段階で試験計器により判読できるようになるし、あるいは試験システム全体を試料容器に一体化し同試験器具が直接試験結果を患者に対し表示出来るようにすることである。

加えて本願発明のさらなる目的は、繰返し使用できる試料容器と使い捨て試料採取部品からなる、最小限の傷口しか作らない試料採取用器具を提供することにある。

本願発明のさらなる目的は、試料として採取できる体液の量を多くする方法を提供することである。

［発明の要約］
以上述べた本願発明の目的にとどまらずそれら以外の本願発明の目的をも含めた種々の目的を本願発明は達成するものである。本願発明の一局面にあっては、本発明は試料血液を採取する方法に関するものであり、少なくとも次の工程を含むものである。収納ケースの前端を皮膚表面に当て、中空部を持つ形状の切開用刃先を前記皮膚表面に突きさすように押出し開口部をつくり、そして同開口部の周囲を広げる方向に同開口部まわりを押しつけ、体液が同開口部の周囲から押し集められ同開口部から押し出されるようにする。これと同時に前記切開用刃先を同開口部内で動かし同開口部が閉じてしまうのを防ぐようにする。この間、前記体液が前記開口部に集まり易いように当該皮膚表面を真空に引いて（減圧状態にすること）も良い。さらには同開口部に集まった体液を同切開用刃先から同切開用刃先に接続したチューブの中に採集するために同切開用刃先の中空部を真空に引いて（減圧状態にすること）も良い。

本願発明のもうひとつ別の局面にあっては、本願発明は体液試料を採取するための試料採取用器具に関するものであり、少なくとも次の構成部分を含んで構成される。収納ケース内に収納され、中空部を持つ形状の切開用刃先が取りつけられた刃先支持具、切開用刃先に接続されたチューブ、皮膚を切開し開口部を形成すると共に同開口部内に前記切開用刃先の先端を保持するため前記シリンジ保持具を皮膚側に前進させる、前記収納ケース内に取りつけられた駆動機構、体液が前記開口部に向かう流れが増大するように同開口部の切開壁を押し広げるため、同開口部のまわりの細胞組織をリング状に押しつける、前記収納ケース内に設けられた刺激付与機構、前記刺激付与機構が体液を前記開口部に向かって押し流している間、同開口部が閉じるのを防ぐため前記切開用刃先の先端を開口部内で動かし続ける、前記収納ケース内に収納されたシリンジ駆動機構、および体液が集合するように切開される箇所を真空に引く（減圧状態にする）、前記収納ケース内に収納された当該詳細が後述される通りである吸引機構。ただし本試料採取器具にあっては前記吸引機構機能部品を前記したチューブに作用させ当該体液が前記切開用刃先を通して同チューブ内に引きこまれるようにしても良い。

本願発明のさらに別の局面にあっては、本願発明は、皮膚表面からある種の体液の試料を採集する器具に関わるものであり、少なくとも次の構成要素を含んでいる。皮膚を切開する中空部をもつ形状の切開用刃先を収納した収納ケース部、前記皮膚を切開し開口部を形成するのに十分なだけ前記収納ケース部の先端から前記切開用刃先を高速で飛び出させる、前記収納ケース部に設置された第一のスプリング部、前記切開用刃先が侵入する最大の深さを限定するストッパー部、前記切開用刃先を同切開用刃先の先端を前記開口部に中に一時保持する間、同切開用刃先を途中まで引っ込める、前記収納ケース部に設置された第二のスプリング部、前記切開用刃先の後端に接続するチューブ、および体液が前記切開用刃先を通して引きこまれるように同チューブを真空に引く（減圧状態にする）吸引機構。

本願発明の目的ならびに同発明がもたらす利点は後述される発明の至適実施例の図面をも利用した詳細開示によって明確になるが、同図面にあっては互いに別な図面であっても同一の標識番号は同一の構成要素を示すものであり、図面各々は次の通りである。

いくつかの実施例を示し本願発明の基本原理の理解を図るための参考に供する。これら実施例の記載にあっては具体的なあるいは関連分野に限定された用語を用いることとする。しかしながら、これらの記載が発明の範囲を限定するものでないこと、また本願発明が関わる分野の技術を有する者にはここに示した実施例を実現するような本願発明の基本原理の変更、変形あるいは応用に思い至ることは通常可能であると判断されるものである旨は理解されたい

図１から図３に示すのはシリンダー型の外形を持つ収納ケース１２をもつ、体液試料採取用器具１０である。同収納ケース１２の下端には上側と下側の凹部１６と１８が形成された固定用スリーブ１４がネジ式に取りつけられている。同上側の凹部１６には内側にネジ溝があり外側にネジ溝を切ったストッパーリング２０がネジで繋がっており前記収納ケースとの相対的な意味での同ストッパーの垂直方向位置を必要に応じて選択的に設定できる。

前記固定用スリーブ１４の中には中空部をもつ駆動ロッド２２が長手方向にスライド移動できる様な形式で設置されている。同駆動ロッド２２の下端にはシリンジ保持具２４がネジ止めされている。シリンジ２６は同シリンジ保持具２４の下側部分に装着されるが、同シリンジ２６は長手方向の毛細管２８が形成されているタイプのものである（図４参照）。同毛細管は当該シリンジの中心軸を外し、同中心軸に平行に走る位置に配置するのが望ましい。同シリンジに替えて中空部をもつ切開用刃先であれば、たとえば針や鋭利な先端を持つカニューレなど、どの用なタイプのものでも装着可能ではある。同シリンジの上端は試料採取チューブ３０に連結すると共に同試料採取チューブの上端は駆動ロッド２２内に形成した下側凹部３２の中に収納される。

その上端と下端の中間部に前記駆動ロッド２２は径が大きく膨らんだ部分３３を持っておりそこには第一の引き金３８のピン３６が入りこむようにサイズを合わせた環に沿うように配置された溝３４が作られている。

前記試料採取チューブ３０の中には同試料採取チューブの内壁との隙間をキッチリとシールするための柔らかいチップ４２を持つプランジャー４０がスライド移動が出来るような方法で取りつけられている。同プランジャー４０の上端は前記駆動ロッド２２内部の空洞をスライド移動する吸引バー４６の下端に固定される。

前記駆動ロッド２２の上端には取り付け用スリーブ４８がネジ式で接続されており、平行方向にスライドする動きに関わった第二の引き金５０が取りつけられている。同第二の引き金５０には吸引バー４６の外径よりも大きい径の中心孔５２が開けられている。前記吸引バー４６には前記中心孔５２の側壁を受容できるサイズに調整された凹部５４が設けられている。

駆動バネ５６はコイル型の圧縮バネであり、前記駆動ロッドにあってその径が大きく膨らんだ部分３３と固定用スリーブ１４とのあいだで作用する。同固定用スリーブ１４の上に配置されているのが引き込み用バネ５８であり、同バネ５８はコイル型の圧縮バネである。径が大きく膨らんだ前記の部分３３とプランジャー４０の上端とのあいだには吸引用バネ６０が配される。同吸引用バネもコイル型の圧縮バネである。

前記シリンジ保持具２４には圧電型トランスデューサ６６が設置されておりバッテリ６８に電気的に接続されている。同圧電型トランスデューサは一般的なデザインのもので設置方向を変える事でどの様な方向の往復運動をも発生できる。同圧電型トランスデューサ６６は前記シリンジを往復運動させる目的でその下端が同シリンジと接する様な位置に配置され、垂直方向（長手方向）、横方向あるいは楕円を描くように（垂直方向と横方向の双方の組み合わせた）往復運動を加える。

前記収納ケース１２の下端には刺激付与具スリーブ７０が配置される。同スリーブは円環状の下方側下端面７２を持ちフルストコニカル型をしており、スリーブ保持具７４にねじ込み同保持具に固定される。前記収納ケース１２に形成された複数個の垂直方向のスロット７８内を同スロットに沿ってスライドする動きが出来る位置に配置されて、かつ同スリーブ保持具７４の直径上に互いに反対側となる位置から複数のピン７６が突き出ている。

前記収納ケース１２の外円の直径上で互いに反対側となる位置に一対の同等形状の駆動ギア８０が回転可能な形式で設置される（図３Ａも参照のこと）。前記ピン７６がひとつずつその先端を差し込むように、各駆動ギア８０の内側表面にはカムを形成する彫りこみ８２が形成されている。前記駆動ギアの上には前記収納ケースの長手方向の中心軸を回転の中心とするリングギア８４が配置され、電気モーター８８のピニオン８６によって回転力を得る。同リングギア８４の下面にはギアの歯が形成されており、その歯は前記駆動ギア８０の外周に形成されたギア歯と噛合う。すなわちピニオンギア８６の回転は双方の駆動ギア８０に伝わり双方の駆動ギアを回転させる。前記双方駆動ギアの内部壁に形成された偏心した溝８２はそれに伴って回転し複数のピン７６およびそれが固定されているスリーブ保持具７４を刺激付与具スリーブと共に垂直方向に往復運動させる。

本試料採取器具１０の操作について以下に説明する。本器具の使用に当りまず、本器具を緊張状態にする必要がある。ユーザーは取り付け用スリーブ４８を、駆動ロッド２２の径拡張部３３のベベル面９０が第一の引き金３８に横からかつ外側において引っ掛かるまで引き上げる。前記径の拡張部の溝３４がカム機構により外にそれた前記第一の引き金３８とちょうど一致すると、この時、当該引き金は内側にバネ（図示されていない）により引きこまれ、前記溝３４に前記ピン３６がはまり込み、駆動ロッド２２は緊張状態になる（図１）。これと同時に駆動バネ５６は弛緩状態から圧縮が加わった緊張状態になり、シリンジ保持具２４はそれに保持されたシリンジ２６と共に引き上げられた位置をとる。吸引バー４６は圧縮された緊張状態にある吸引用バネ６０の力を受けながらも第二の引き金５０によってその位置に維持されている。

前記収納ケース１２をその下端７２が皮膚表面Ｓに接触する位置にくるように、望ましくは、末梢神経の分布量が多い指先などでなく末梢神経の分布量が少ない身体の部位を選んで、保持する。たとえば前腕部（肘から先で腕首に至るまでの部分）がこの様な部位である。この時点で皮膚表面Ｓに真空に引いて（減圧状態にすること）も良いが、この後前記シリンジによって皮膚が切開されるまで減圧状態に維持しても良いし、維持しなくても良い。この後、引き金３８を引くことになる。同引き金３８をバイアスバネに抗して引き、駆動ロッド２２と圧縮され緊張状態にある駆動バネ５６を解放する。この結果、同駆動ロッド２２、前記シリンジ保持具２４およびシリンジ２６は下方に撃ち出され、図２に示されたようにシリンジが皮膚表面Ｓを切開し開口部Ｉを形成する。

前記駆動ロッド２２の下方へ移動の間に取り付け用スリーブ４８引き込み用バネ５８の上端と噛合いストッパーリング２０に接近する。この位置で前記切開部の深さが制限されると共に前記引き込み用バネ５８にはごく少しだけ圧縮する方向に力が作用する。同引き込み用バネ５８はこれによって前記駆動ロッド２２をごく少しだけ、すなわち前記シリンジ２６が前記前記の開口部Ｉから離れることにならない程度に、上部方向に引き上げる。この時点でモーター８８を手動式で駆動する。あるいは、シリンジが前記の上部方向への動きを始めるのに合わせて自動的にモーターを駆動するようにしても良い。同モーターの駆動によって前記刺激付与具スリーブ７０を垂直方向に往復振動させるものである。この結果、当該下端面７２は繰返し皮膚の切開開口部まわりの円環部分にある細胞組織を押しつけることになる。本願と同一の出願人に認可された米国特許第５，８７９，３１１号や第５，５９１，４９３号にも開示されているように当該円環部分を押しつけられる度に同切開開口部は上方に押し上げられ、開口部周囲を広げる方向に加圧をうけることになり、血液や細胞組織間液などの体液を前記切開開口部Ｉの方向へさらにはその外に向かって移動するのを加速する。

前記切開開口部にあって内部方向に移動するように力が加わった体液を同開口部に、後で試料として採取する目的で留めおくためには、前記シリンジ２６に圧電型トランスデューサ６６にて比較的低速な振動を与え、前記開口部が閉口するのを防ぐことである。前述した通り、本振動の方向は、当該トランスデューサ６６の設置方向で変更することができ、ある実施例では長手方向または垂直方向ともいえる方向に振動を加えたが（図４参照）、別の実施例では横方向に振動を加え（図５参照）さらに別の実施例では横方向と垂直方向の双方の振動をある基準で組み合わせ、たとえば、一般的表現として楕円形の振動を加えた（図６参照）。

ちなみに、もしここでシリンジを当該開口部内では動かさないことにしたならば、同開口部内に静止したシリンジが留め置かれたとしても、当該皮膚内のコラーゲンによって同開口部は閉鎖されてしまうこととなり、前記体液がこの開口部に集まることにはならないことに留意されたい。

少しの時間を置いた後、とはいっても体液が前記開口部に十分量集まるのに必要な時間の経過後、吸引用バー４６を解放するために前記第二の引き金５０を手動で引くことになる。第二の引き金を引くことで前記バネ６０が前記チューブ３０の中にある前記プランジャー４０を押し上げるものである。この行為によって同チューブ３０内の同プランジャー４０の下側領域が真空に引かれ（減圧状態にされ）、その減圧状態によって体液である試料９１が前記シリンジ２６を経由して吸い上げられる（図３）。

この後は当該器具を皮膚から離し、採取した試料は試験を実施する場所に届けることになる。あるいは、前述の試料採取器具が試験器具をも併せ持つ場合もありえる。このように試料採取器具と併せて一体化するのに適した試験器具については本特許出願と同時に出願される米国特許出願番号（後日記入の予定）に詳述している。

当該シリンジを前述のごとく振動させる替わりに、同シリンジを前記開口部Ｉ内に位置させる間、その中心軸を回転の中心として回転させても良い。このようにするに当り、図８および９に図示した器具１０’に装着する形で、図７に示す回転可能型シリンジ９２を使用することが出来る。同器具１０’は図１−３に示したものと同様のものであるが、それに加えられているのがロータリーギア９４であり、第二のモーター９６に接続されたピニオン９５によって駆動される。本ロータリーギア９４は上方に向かって解放した凹部９８を持っており、同凹部９８はシリンジ９２を内包するチューブ３０の下端１００がちょうど隙間を残さずはさまるサイズに調製されている。したがって、シリンジの保持具２４’が皮膚に向かって撃ち出された時、前記チューブ３０の下端部分１００は前記凹部９８にはまり込み、前記チューブ３０と前記ギア９４は摩擦力で固定的に噛合することになる（図９参照）。一方その時までには前記ピニオン９５の回転動は開始され、前記ギア９４、前記チューブ３０および前記シリンジ９２はそれらに共通の中心軸である前記シリンジ９２の中心軸を回転中心として、前記支持具２４’に対して回転運動を始めていることになる。本シリンジ９２には尖った先端１０２が形成されており、同先端１０２は三角錐を二等分した形状をしている。同シリンジがその中心軸のまわりに回転することで、前記刺激付与具スリーブ７０が往復運動を続ける間、擬似コニカル形の部分１０２は前記開口部の中にコニカル形の凹部１０４を切り開き、同開口部が閉鎖してしまうのを防ぐ働きをする。

以上述べたシリンジのいずれにあっても前記ストッパーリング２０に替えてストッパーを持つようにしても良い。ここでいうストッパー１１０とは前記シリンジ９２と接続されて形で図１０および１１に示されている。本ストッパー１１０は同シリンジに固定的に繋がった円盤からなる。本円盤が皮膚の表面に接触すると、それ以上の深さまでは同シリンジは侵入する事がなくなる。体液が集まるのを加速するために切開開口部を広げたり閉じたりする目的で前記ストッパーリング２０を使用することも可能である。

ここで、本願発明によると使用者が被る痛みが最小になることを認識されたい。これは本願発明になる器具は身体の内、指先のように末端神経が高密度で存在する箇所でなく、末端神経の分布が低い箇所において体液の試料を採取し確保するために使用できるものであるからである。前記シリンジを当該開口部に対し相対的に動かしながら同開口部を取り巻く身体の細胞組織を刺激することで、同開口部内に体液が浸出し、その結果同シリンジを経由して収集用チューブまで吸引するに充分な量の試料溜まることになる。このようにして痛みに対してより鈍感な身体部位を体液の供給箇所とすることが出来るようになる。

前記刺激付与具部品７０は円環形状の面を皮膚と直接接触する面としている、すなわち、直接皮膚と接触する同面は同刺激付与具部品の中心点を円対称の中心とすることをすでに記述したが、同部品７０はそのような形状に限らず、その端末面を楕円形状あるいは多角形形状のものとしても良い。その結果それで押しつけられる皮膚側の環状形がそれに伴い異なる形状となるものである。

本願発明になるもうひとつの方法にあっては、前記切開用器具の使用に先だって吸引具を使用することになる。前記収納ケース１２の下端を皮膚表面Ｓに、望ましくは同皮膚表面Ｓがそのまま試料を採取する箇所そのものであるように選んで、そこにあてがう。そのような試料採取箇所としてはたとえば前腕がある。真空に引く（減圧状態にする）機構を作動し、前記収納ケース１２の下端に接する皮膚Ｓをフルストコニカル形の先端チップ内に吸い込む。この吸引によって同皮膚の内部側ある体液は試験器具１０と接触している皮膚Ｓの部分に集まる。真空に引かれた（減圧状態にされた）状態が開放され、これによって皮膚が解放される。その後で引き金３８をバイアスバネに逆らって引き、前記駆動ロッド２２と共に前記緊張状態の圧縮された駆動バネ５６を解放する。その結果、同駆動ロッド２２、同シリンジ保持具２４およびシリンジ２６が下方に向かって発射され、同シリンジが皮膚表面Ｓを切開し開口部Ｉを形成する。同駆動ロッド２２が下方に移動している間に前記取り付け用スリーブ４８は引き込み用バネ５８の上端と噛合い結合し、そして前記ストッパーリング２０と接する位置をとる。これによって、同開口部の深さに制限が働きまた引き込み用バネ５８を少しだけ圧縮することになる。同引き込み用バネ５８はその後前記駆動ロッド２２を、前記シリンジ２６が同開口部Ｉから離れることにならない程度に、すこしだけ上方に引き揚げる。次に前記モーター８８を、前記刺激付与具スリーブ７０を往復運動させるために、手動で、あるいはシリンジが発射されるのに反応する形で自動的に起動する。以上の結果、前記開口部を取り巻く皮膚の円環状部分、すなわちその部分の細胞組織は下端面７２によって繰返し押しつけられることになる。同円環部分が押しつけられることは同開口部まわりの皮膚は押し上げられ、同開口部の側面は外側に押し広げられることになり、もって体液は同負荷される力に反応して同開口部から追い出されることになる。

少しの時間を置いた後、とはいっても体液が前記開口部に十分量集まるのに必要な時間の経過後であるが、吸引用バー４６を解放するために前記第二の引き金５０を手動で引くことになる。第二の引き金を引くことで前記バネ６０が前記チューブ３０の中にある前記プランジャー４０を押し上げるものである。この行為によって同チューブ３０内の同プランジャー４０の下側領域が真空に引かれ（減圧状態にされ）、その減圧状態によって体液である試料９１が前記シリンジを経由して吸い上げられる。同試料はその後、前述した通り、然るべき試験用担体あるいは試験器具に移される。

さらに、すでに記述した通り、開口部Ｉを形成するためにニードルを使用するより前の段階で当該皮膚が繰返し真空に引かれ（減圧状態にされ）ても良い。同皮膚Ｓが繰返し真空に引かれ（減圧状態にされ）ることで、その後開口部を形成させることになる箇所の近傍部位への体液の集合が促進される。開口部Ｉが形成される前から本部位に体液がこのように集まっており、同部位には多量の液が存在することになり、同開口部Ｉが形成されるとすぐに試料として必要な量程度の体液は簡単に集めることができる。

さらには、前記開口部が形成された後の段階で前記真空（減圧状態）発生機構を働かせ、さらなる量の体液を放出させることも考えられる。また体液の放出量の増大を図るためには、前記真空に引く（減圧状態にする）ことの他に、振動的に力を加えること、熱による力を加えること、超音波による力を加えることが考えられる。さらには、前記開口部Ｉが形成された後、当該皮膚を繰返し真空に引く（減圧状態にする）ことにより体液の放出量の増加を図っても良い。同開口部が形成された後に繰返し真空に引かれ（減圧状態にされ）ることは同開口部近傍の部位に継続的に体液が集まることを促進し当該体液の採取を助けることになる。

ここで、本願発明のさらに別なる実施例に関係する図１２に関して述べる。図１２に示した通り、試験装置１００は少なくとも本体部１２０、試験用片保持部兼チップアセンブリ部１３０および切開器具１５０を含めてこれらを一体化してなる装置である。同試験装置１００は、試験器具１０を参照しながら前述したものと同様である。ただし、同試験装置１００はまず使い捨てのランセットと試験用片双方の保持具を、次に試験用片を前記切開器具１５０に装着する形式の使用を念頭に構成されている。同切開器具１５０は、一方、その使用に当りまず最初に図示されていない駆動バネを圧縮するために、これも図示されていない駆動機構を引き上げることになる。切開しようとしている箇所を覆うように同装置１００を置き、同本体部１２０の中に設置され、かつ前記チップアセンブリ部１３０に繋げられた真空に引く（減圧状態にする）機構を起動する。すると同装置１００の末端部に皮膚Ｓが吸い上げられる。一旦真空に引かれ（減圧状態にされ）た後は同真空に引く（減圧状態にする）機構を働かせないことによって同皮膚の真空に引かれた減圧状態を解除しても良いし、減圧状態の解放を繰返しても良い。

前記減圧状態発生器具を動作させた後、同装置１００は駆動バネを解放し、ランセットを打ち出す。同ランセットは当該患者の皮膚を切開し、開口部Ｉを形成する。その後、同ランセットを同開口部Ｉから引き戻しても良いが、前述した理由によって同開口部内あるいは同開口部に接した位置に留めておくのが望ましい。この間、加えて同開口部を形成した後も継続して同減圧状態発生器具を動作させておいても良いし、しばらく動作させ続けた後解放しても良いし、あるいは動作と解放を繰り返しても良い。さらには、同ランセットには、振動的力を加えても良く、同振動的に加える力の方向について、それが垂直方向であっても、水平方向であっても、これら方向を適宜に合成した方向のいずれであっても良い。

体液の試料は同開口部から採取され試験実施場所に移される。同試料の採取に関しては同開口部から、前記試験装置１００の端部に繋げられた毛細管の一端に同試料を導き、同毛細管の中を通過するようにして収集することとして良く、この場合はもう一方の端を試験用片の試薬含浸パッドに接続したり、電気化学的分析機器に接続したりする。また別の方法として、前記試験用片にかえて同試験用片自身が毛細管や毛細管カスケードの様な種々形状の毛細管相当手段を併せ持つ製品を利用しても良い。さらなる別の実施例としては、同試験用片を前記試験装置の端部に配置し、同試験用片に形成した孔を通過して前記ランセットが打ち出されるようにしても良い。同試験用片は、ガスケットおよび／または皮膚面を奥に圧迫する仕掛け物などであって良い。さらには、当該体液を開口部から試験用片まで毛細管を通して送出するのに替えるべく、同試験用片を患者の当該部分の皮膚に副って配置しそれを撃ち抜くようにして前記ランセットを発射しても良い。本方法によると試料採取に要する時間の短縮になるばかりか、加えて試料の採取可能量が少なすぎ試験実施が不可能になる可能性を極小化できることにもなり得る。

さらなる別の実施例に関しては、図１３と１４に示したように、試験装置２００として試験用片（図示されていない）とランセット２２０を一体化した部品を設置する。同ランセット２２０としては極率半径をＲとして湾曲を加えられ、かつ液体の入口孔２２３を持つアンチコアリング性ニードルを採用する。本ニードルは、本願と同時に出願した仮出願第６０／２９７，０９８号、出願日２００１年６月８日において開示されているものと同等のものとする。ちなみにここに引用することで同仮出願番号の出願文書にある全ての開示を本願明細書における開示に追加するものである。ここに記述する実施例にあっては、当該試験器具は切開し、開口部を形成しようとする個所の上に覆い被さるように配置し、同試験器具の近傍の皮膚内に存在する体液を増やすべく同皮膚面が真空に引かれ（減圧状態にされ）る。次に減圧状態を解放し、その後前記ランセットを撃ち出し患者の当該皮膚部分に開口部を形成する。体液はその結果、同開口部より採取可能となる。同体液は上記のいずれの器具を使用して採取しても良い。必要充分量の試料を採取し次第、同試験器具は患者の同皮膚部分から分離されるが、この分離できるタイミングの告知を音や光を発することで実施しても良い。同試験器具が示す試験結果は当該患者自身で目視確認できる。

ここに示した図面ならびにここまでの記述によって本願発明の詳細を開示したがこれらはあくまでも説明的なものであって、決して本願発明の範囲を限定するものではない。ここに示した図面やここまでの記述はあくまでも至的実施例の図示や好ましい実施例の記述である旨、また本願発明の思想に基づく限り、本願発明に変更や改良を加えてもそれらはすべて本願発明に属するものとして権利保護の対象に含められることを主張するものである。

図１は本発明になる試料採取用器具の長手方向の断面図である。同器具のシリンジは切開の行為を行う前の状態にある。図２は図１と同様であるが、前記シリンジは発射用引き金がすでに引かれ皮膚表面に開口部を形成した後の状態にある。図３は図２と同様であるが、前記シリンジを経由して体液を吸い込むべく吸引機構が起動され作動中の状態にある。図３Ａは図３に示した３Ａ−３Ａの線分を切断せんとする断面図である。図４は本発明にしたがってシリンジを切開された開口部内でシリンジの長手方向に往復運動させられている状態を示す概念図である。図５は本発明にしたがってシリンジを切開された開口部内でシリンジの横方向に往復運動させられている状態を示す概念図である。図６は本発明にしたがってシリンジを切開された開口部内で楕円を描くように反復運動させられている状態を示す概念図である。図７は本発明にしたがってシリンジを切開された開口部内で回転運動させられている状態を示す概念図である。図８は変更を加えられた試料採取用器具の先端側部分を長手方向に切断した断面図である。本図においてシリンジは引っ込められた状態にある。図９は図８と同様であるが、当該シリンジは高速度で前方に撃ち出された後の状態にある。図１０は本発明にしたがうものであり、シリンジの先端側部分の側面図である。ストッパー部品が設けられている。図１１は図１０中に１１−１１で示した線分を切断面とする断面図である。図１２は本発明の実施例のひとつにしたがうものであり、開口部切開から試験実施までの工程用器具を一体化した装置の上面図である。図１３は本願発明にしたがうものであり、切開用刃先・試験片複合ホルダーを示す側方断面図である。図１４は本発明にしたがう切開用器具に使用するアンチコアリング性（細胞組織を抉り取らない形状の）の針を示す側面図である。

Claims

皮膚面の切開開口部から体液を採取するための携帯型器具であって、
開口部が存在する位置の周りの皮膚に接面するように配置できる先端面を持つ本体と、
当該本体の先端面を真空に引くための当該本体と一体化された吸引手段と、
前記本体に接続され、前記皮膚面から離れて位置する第一の場所と前記皮膚面に形成された切開開口部がある箇所の皮膚内部である第二の場所とのあいだを移動できる切開用部品と、
前記開口部から体液を採取するために配置される液体採取用部品と
を有し、
前記皮膚面に前記切開用部品が接触する前に、前記吸引手段が前記本体の先端面を真空に引き、
前記皮膚に前記切開用部品が接触する前の段階で、前記吸引手段は真空に引かれた状態を解放する
ことを特徴とする携帯用器具。
前記皮膚に前記切開用部品が接触した後の段階で、前記吸引手段は真空に引くことを特徴とする請求項１記載の携帯用器具。
前記吸引手段は一旦前記のとおり真空に引き、続いて真空に引かれた状態を解放することを特徴とする請求項１記載の携帯用器具。
前記吸引手段が前記液体採取用部品を真空に引くことを特徴とする請求項１記載の携帯用器具。
前記本体がさらに試験用部品を有し、前記液体採取用部品が採取した液体を前記試験用部品上に送出することを特徴とする請求項１記載の携帯用器具。
前記切開用部品が中空を有することを特徴とする請求項１記載の携帯用器具。