JP4316445B2 - 基板搬送装置および基板搬送方法、並びにそれらの利用 - Google Patents

基板搬送装置および基板搬送方法、並びにそれらの利用 Download PDF

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Description

本発明は、基板搬送装置および基板搬送方法、並びにそれらの利用に関するものであり、より詳細には、剥離帯電を低減することにより、ひどい帯電の場合に問題となる基板割れおよびESD不良を抑制する基板搬送装置および基板搬送方法、並びにそれらの露光装置への利用に関するものである。
従来から、液晶パネルなどの半導体装置の回路パターンを形成するために、フォトリソグラフィーが広く使われている。そして、この露光には、形成する回路パターンの10倍または5倍等の大きさのパターンを縮小あるいは等倍あるいは拡大用のフォトマスク(レチクル)を用い、投影レンズ系にて上記マスクを通した回路パターンを縮小等して、基板(ウエハ)上のレジストに順次繰返し転写するステッパと称される露光装置(順次繰返型投影露光装置と呼ぶことにする)が用いられている。
この露光装置では、ステージに載置された基板に対して、露光処理が施される。そして、露光処理が終了した基板は、リフトによってステージから持ち上げられ、後続の工程へと搬送するためのアームに受け渡される。つまり、この構成では、ステージ上の基板は、アームまで、連続的に持ち上げられる。(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−233355号公報(1998年9月2日公開)
しかしながら、従来のように、ステージに載置された基板を連続的に急上昇させると、剥離帯電が発生するため、基板表面電位(基板帯電量)が高くなる。そして、その結果生じる静電気の放電によって、配線間リークや断線等の欠陥が生じ、ひどい時には基板に割れが発生するという問題がある。このような、剥離帯電(静電気)による放電現象が原因となる破壊現象は、ESD(Electro-Static Discharge; Electro-Static Destroy)とも称される。
このように、従来の構成では、剥離帯電により基板の電位が高くなるため、基板割れ(基板貼り付き)およびESDによる不良(ESD不良)が発生するという問題がある。
尚、帯電静電気量を抑制するためには、ある程度基板の移動スピード(上昇スピード)を遅くすることも効果はあるが、ESDが多い場合、例えば、10秒あるいは20秒以上、通常よりも余分に移動時間を伴い、生産効率が低下する場合もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良の抑制、あるいは基板の移動時間の短縮が可能な、基板搬送装置および基板搬送方法、並びにそれらの利用方法を提供することにある。
本発明の基板搬送装置(本基板搬送装置)は、上記の課題を解決するために、ステージに載置された基板を除電しながら搬送する基板搬送装置において、基板と、基板を載置するステージと、ステージに載置された基板に面接触する接触面を有し、基板を昇降させる昇降部材と、基板の静電気を除電する除電器とを備え、上記昇降部材は、基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止させるとともに、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止させることを特徴としている。
基板とステージとが接触している状態では、剥離帯電は起こらない。ステージから基板が剥がれていく過程である瞬間に、基板は最も帯電し、時として剥離放電が起こる。特に、ステージからの移動距離がある程度までは大きくなるほど、剥離帯電が大きくなる。そして、基板が帯電した状態で、基板の上昇を続けると、放電が起こる場合もある。
上記の構成によれば、昇降部材が、第1の停止位置で基板の上昇を停止させ、停止状態で除電が行われる。これにより、停止期間中、僅かな除電電位差であっても、その後帯電電圧を大きく低減できる(後述の例では約1/4)。また、上昇途中に停止期間を設けず、低速で低速で昇降部材を上昇させる場合よりも、短時間の除電が可能となる。
上記の構成によれば、上昇の途中で基板を停止させながら、多段階で、基板を上昇させている。このため、基板に帯電していた電荷量と、ステージと基板の間の容量とのバランスが取れた状態で、除電することができる。このため、は静電破壊の原因となる放電も防止できる。その結果、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良を抑制できる。さらに、高スループットも実現できる。
なお、上記面接触とは、昇降部材が、基板面の最低約10%以上の平面で、基板を指示する(受ける)ことを示す。また、第1の停止位置は、ステージから近接した位置ともいえる。
本基板搬送装置は、第1の停止位置は、基板の剥離帯電が始まる高さ以上、基板を停止させない場合に基板に帯電した静電気量が最大となる高さ未満であることが好ましい。
上記の構成によれば、第1の停止位置を、基板の剥離帯電量が始まる高さ以上、基板を停止させない場合に基板に帯電した静電気量が最大となる高さ未満とすることによって、より確実に、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良を抑制できる。
本基板搬送装置は、上記除電器が、基板の側方から除電を行うものであり、第2の停止位置は、除電領域の中心高さと基板表面とがほぼ同一平面上となる位置であることが好ましい。
上記の構成によれば、第2の停止位置を、除電器と基板表面とが同一平面上となる位置、特に、除電領域の中心高さと基板表面とがほぼ同一平面上となる位置としている。除電領域の中心は、最も除電効果が得られる位置であり、上記の構成では、そのような除電効果が最も得られる位置で、基板を停止させている。従って、特に高い除電効果が得られる。
本基板搬送装置は、上記除電器が、軟X線を用いるものであることが好ましい。
これにより、軟X線が照射された空気は、すべてイオン化されるため、より効果的に、基板の除電を行うことができる。
本基板搬送方法は、上記の課題を解決するために、ステージに載置された基板を、除電器によって除電しながら搬送する基板搬送方法において、基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止する第1の停止工程と、第1の停止工程の後に、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止する第2の停止工程とを有することを特徴としている。
これにより、本基板搬送装置と同様の効果が得られる。
本発明の露光装置は、前記いずれかの基板搬送装置と、基板のレジスト膜上に回路パターン光を投影するための露光部とを有することを特徴としている。また、本発明の順次繰返型投影露光装置(ステッパ)は、前記いずれかの基板搬送装置と、基板のレジスト膜上に回路パターン光を投影するための露光部とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、精密なパターニングの精度が要求される露光装置、とりわけ、ステッパにおいて、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良を抑制できる。さらに、高スループットも実現できる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の基板搬送装置、または、本発明の基板搬送方法によって基板を搬送する基板搬送工程を有することを特徴としている。
上記の構成によれば、本基板搬送装置と同様の効果が得られるとともに、液晶表示装置の製造歩留まりを向上し、高効率に生産することができる。
本発明に係る基板搬送装置は、以上のように、ステージに載置された基板を除電しながら搬送する基板搬送装置において、基板と、基板を載置するステージと、ステージに載置された基板に面接触する接触面を有し、基板を昇降させる昇降部材と、基板の静電気を除電する除電器とを備え、上記昇降部材は、基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止させるとともに、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止させる構成である。それゆえ、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良を抑制できる。さらに、高スループットも実現できるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の露光装置は、ステージ上の基板を段階的に持ち上げて搬送することにより、剥離帯電を抑制し、高い除電効果を得るものである。
図1(a)〜図1(e)は、本実施形態の露光装置の概略構成と、露光処理後の基板搬送工程を示す図である。
本実施形態の露光装置(本露光装置)は、2次元に移動できるステージ上に載置された基板(ウェハ)に露光処理を施し、回路パターンを転写するステッパである。本露光装置は、図1(a)〜図1(e)に示すように、基板2を露光する露光部1と、基板2を保持(載置)するステージ3と、ステージ3上の基板2を持ち上げるリフト5と、除電器7とを備えている。そして、この露光装置は、ステージ3に保持(載置)された基板2に対して、露光処理を施すものである。なお、本露光装置は、ステージ3上に吸着した基板2を、除電しながらアーム6に搬送する基板搬送装置を備えているともいえる。
露光部1は、主に、露光のための光源と、実際に基板に2に形成する回路パターン(配線パターン)よりも数倍小さいフォトマスク(レチクル)と、そのフォトマスクを縮小するための投影レンズ系とを備えている。露光部1では、投影レンズ系によって、フォトマスクが、実際に基板2に形成する大きさの回路パターン4に拡大される。
基板2は、露光処理が施されるべき基板(ウェハ)である。例えば、液晶パネルや半導体装置などを形成するために、金属層および絶縁層が積層された基板である。ステージ3は、基板2を保持(載置)するものであり、ステージ3上で、露光処理が行われる。ステージ3は、2次元(XY方向)に移動するようになっている。また、通常、ステージ3は、基板2を吸着して保持している。回路パターン4は、露光部1によって拡大された、基板2に形成する回路パターンである。ステージ3の移動に伴い基板2が移動することによって、基板2には回路パターン4が形転写される。
リフト5は、ステージ3上の基板2を持ち上げる(上昇させる)ものである。また、リフト5は、アーム6によって搬送された基板2を受け取り、ステージ2に搬送する。つまり、リフト5は、ステージ3とアームとの間で基板2を昇降させる昇降手段である。
リフト5は、露光処理後の基板2を露光処理に後続する工程に導くためのアーム6の位置(図1(e)高さh4)まで、基板2を持ち上げる。本実施形態では、リフト5は、基板2の中央部に対して対称な位置に配置されており、基板2を均一に持ち上げる。リフト5は、高精度のパターニングを得るために、基板2(詳細には基板2の裏面;露光面とは反対の面)に、面接触するようになっている。すなわち、リフト5は、基板2を持ち上げるための平坦な面を有している。そして、後述のように、特に、リフト5は、基板2を搬送する際に、ステージ2とアーム6との間で、基板2の搬送を停止して基板2を所定の高さで待機させることを特徴としている。すなわち、リフト5は、基板2の上昇および停止を繰り返し、段階的に基板2を上昇させ、多段階で基板2をアーム6まで搬送する。
除電器7は、基板2に蓄積された静電気を除去するためのものである。本実施形態では、基板2の上方に、露光部1が設けられているため、除電器7は、基板2の表面(露光面)に対して略平行となる位置(基板2の側方)に設置されている。すなわち、ここでは、2つの除電器7が、基板2の両側方に、対向配置されている。本実施形態では、除電器7として、軟X線除電器(軟X線イオナイザ)を用いている。軟X線イオナイザは、また、ステージ3上の基板2がリフト5による上昇を開始すると略同時に、除電器7がオン状態となるようになっている。
なお、ステージ3およびリフト5は、図示しない駆動装置によって駆動される。
ここで、図1(a)〜図1(e)に基づいて、本実施形態の露光装置における、基板2の搬送方法について説明する。図1(a)は、基板2に露光処理を施す工程であり、図1(b)〜図1(e)は、露光処理後の基板2を、アーム6に搬送する工程である。ここでは、ステージ3とアーム6との間で、基板2の上昇を3回停止させている(1段目〜3段目)。
まず、ステージ3に載置された基板2に、露光部1に投影された回路パターン4を転写する露光処理が行われる(図1(a))。なお、基板2は、真空吸着などにより、ステージ3に吸着されている。
露光処理の終了後、基板2は、アーム6まで搬送される。すなわち、まず、リフト5が上昇することにより、ステージ3から基板2を持ち上げる。ここで、注目すべきは、ステージ3からアーム6まで、基板2を連続的に一気に持ち上げるのではなく、基板2を持ち上げた直後に、リフト5の上昇を中止し、所定の高さ(h1)で、基板2を停止させることである(図1(b))。すなわち、ステージ3から基板2を持ち上げたところで、基板2の上昇を待機する工程を行う。なお、この高さh1(第1の停止位置)は、基板2の少なくとも一部がステージ3から離れた位置(ステージ3に近接した位置)であればよく、特に、基板2の剥離帯電が始まる高さ以上、基板2を停止させない場合に基板2に帯電した静電気量が最大となる高さ未満であることが好ましい。また、ステージ3から基板2を持ち上げるのと略同時に、除電器7・7の電源がオンとなる。
そして、このような、基板2の上昇と停止(待機)とを繰り返して、最終的に、アーム6の高さまで、基板2を搬送し、基板2をアーム6に受け渡す(図1(c)〜図1(e))。基板2を受け取ったアーム6は、後続の工程へとその基板2を搬送する。また、アーム6は、露光処理を行うための新たな基板2を搬送してリフト5に受け渡す。そして、リフト5を下降して、再び図1(a)のように、基板2をステージ3に載置し、露光処理および除電処理が行われる。ここで、図1(c)では、2回目の基板2の停止位置、すなわち、リフトアップ高さh2(第2の停止位置)が、除電器7の除電領域の中心高さとほぼ等しくなっている。これにより、2段目の停止位置では、特に効率的に基板2を除電できる。
このように、本実施形態では、多段階で基板2を搬送している。そして、1段階目の基板2の停止は、基板2がステージ3から離れた直後に行われる。ここで、ステージ3から基板2を持ち上げるとき、剥離帯電が生じる。その結果、基板の電位が高くなるため、基板割れ(基板貼り付き)およびESDによる不良(ESD不良)が発生しやすい。しかしながら、本実施形態では、基板2の上昇を停止しても、除電器7・7による基板2の除電は行われている。このため、基板2とステージ3とを剥離した時に生じる、剥離帯電を防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良を抑制できる。さらに、高スループットも実現できる。
なお、図1(b)において、1段階目に基板2を停止させる位置、すなわち、リフト5によるリフトアップの高さ(リフト量;h1(第1の停止位置))は、基板2に剥離帯電が生じた位置から、その帯電により放電するまでの位置であればよい。例えば、基板2のサイズが、600mm〜1m,厚み約0.3〜1.1mmの場合、この高さh1は、1mm〜20mm、好ましくは1〜10mmである。なお、高さh1が、20mmを越えると、基板2に帯電した容量を保持できなくなるため、放電が起こりやすく、ESDが起こりやすい。さらに、高い除電効果も得られない。また、1mm未満では、ほとんどステージ3から離れていないため、ステージ3と基板2とが接触している部分が存在し、剥離帯電が起こらない。なお、高さh1は、基板2の種類およびサイズによって、設定すればよい。
また、リフト6によって基板2をリフトアップする速度(言い換えれば基板の剥離速度)は、特に限定されるものではない。ただし、この速度が速いと剥離帯電量も大きくなる。
また、基板2を搬送途中で停止しておく時間は、基板2の帯電状態、および、除電器7の性能によって異なるため、特に限定されるものではない。例えば、0.5秒〜3.5秒、好ましくは、1秒〜2.55秒(タイマー設定値)である。
なお、図1(a)〜図1(e)では、基板2を異なる高さの3段階で停止するようになっている。しかし、基板2の停止回数は、2回以上あれば特に限定されるものではない。
ここで、2段階目以降に基板2を停止させる場合、除電器7・7の設置位置と略同じ高さで、基板2の上昇を停止することが好ましい(図1(c)では2段階目)。この位置で基板2を停止すれば、除電器7・7による除電効果が最も得られる。このため、特に効果的な除電を行うことができる。
ところで、本実施形態の露光装置であるステッパは、他の露光装置に比べて、特に、高いパターニング精度が要求される。特に、基板2が大型化するにつれ、基板2とリフト6との接触面積を広くとることが要求される。しかしながら、接触面積が広すぎると、剥離帯電が大きくなる。また、接触面積を狭すぎると、平坦度が落ちてパターニング精度が落ちる。ここで、リフト6による基板2の接触は面接触である。すなわち、複数のピンで、基板を点接触によって持ち上げるものを示すものではない。複数のピンなどにより、基板2に点接触して、基板2を持ち上げる方式では、高精度のパターニングが得られない。なお、接触面積は、リフト6により基板2を持ち上げた時の、基板2とリフト6とが接触する面積である。本実施形態では、例えば、約20%以上の接触面積であればよい。
また、シリンダ方式のリフト5を用いた場合、基板2の昇降の高さと速度とを調整するために、センサを設けてもよい。
なお、除電器7の配置位置は、特に限定されるものではない。すなわち、除電器は、基板2の表面(露光面;処理面)に対して、垂直にエネルギー線を照射するもの(電磁波などの光照射方式)であっても、平行にエネルギー線を照射するものであってもよい。また、除電器の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、フォトイオナイザ(光照射方式式イオナイザ)、コロナ放電を利用したイオナイザ(コロナ放電式イオナイザ)、電気力線を利用したイオナイザ(電気力イオナイザ)、高周波を離床したイオナイザ(高周波イオナイザ)なども利用できる。
ところで、各種表示装置(液晶表示装置など)および半導体装置などの製造工程には、前述のような露光工程が含まれることが多い。従って、この製造工程を、前述と同様の方法で行うことにより、剥離帯電を低減し、基板の除電を効果的に行うことができる。
また、それ以外にも、特に、基板に静電気が蓄積され得る工程、例えば、全面吸着された基板を上昇させる工程に、前述した方法を好適に適用できる。これにより、基板の静電気を効果的に取り除く、高い除電効果が得られる。また、基板上に、金属層(例えば金属配線層)と絶縁層とが積層されており、さらにレジストが形成された基板に対して、フォトレジスト工程を行う場合には、本発明を好適に利用できる。これにより、絶縁層の破壊による不良を抑制できる。例えば、基板上に形成されたトランジスタとして素子が破壊されるのを抑制できる。また、金属配線層上の絶縁層が破壊され、絶縁不良になるのを抑制できる。それゆえ、液晶表示装置や半導体装置などの製造歩留まりを向上できる。
さらに、露光装置以外にも、基板の静電気を除去する必要がある装置、例えば、洗浄工程、現像工程、などに用いる装置にも適用できる。また、基板の静電気を除去すべき工程においても本発明を適用できる。特に、リフトが面接触により基板を吸着する工程には、好適である。これにより、高いスループットを維持すると共に、除電効果も得られる。
次に、このような基板搬送装置(または露光装置)を用いて、除電効果(基板表面電位、静電気による不良)を検討した。多段階で基板を持ち上げる効果を確認するため、ここでは2段階で基板を持ち上げ、1段階目は、リフトアップ量を1mm、待機時間(停止時間)を2秒とした。また、2段階目は、リフトアップ量を30mmとし、基板表面電位を測定した。比較として、1段階で基板を持ち上げた。基板は、約600mm×約900mm×0.5mm〜1.1mm(厚み)を用いた。その結果を、図2〜図6および表1〜表2に示す。
その結果、図2(本実施形態)および図3(比較例)を比較すればわかるように、本実施形態のように、2段階で基板を持ち上げることにより、基板表面電位が1/4程度に減少し、2段階による除電効果が確認された。
また、表1に示すように、コーニング社製1737を当社仕様に一部改良して作成した基板表面および構成する多層の絶縁または導電層(Si,PD,SE,JAS,GE,RE(各々の記号は社内の略号)の違いによる、2段階と1段階の場合の基板表面電位(ピーク値)を比較した。その結果、2段階による除電効果が確認された。
Figure 0004316445
さらに、図4および表2に示すように、2段階と1段階との場合の静電気による不良についても、検討した。その結果、2段階による除電効果が確認された。また、図4のそれぞれについて、基板表面電位を測定したところ,図5(1段階)および図6(2段階)に示すように、2段階の場合に、基板表面電位が低くなることが確認された。
Figure 0004316445
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の基板搬送装置およびそれを備えた露光装置は、剥離帯電による基板の電位を低減することにより、基板割れおよびESD不良を抑制することができるから、基板に蓄積された静電気を除去する種々の用途に適用できる。
図1(a)〜図1(e)は、本発明の実施形態を示すものであり、基板の搬送方法を示す工程図である。 本発明の実施形態による基板表面電位を示すグラフである。 従来技術による基板表面電気を示すグラフである。 本発明の実施形態と従来技術との静電気による不良率を比較するグラフである。 図4において、従来技術の基板表面電位を示すグラフである。 図4において、本実施形態の基板表面電位を示すグラフである。
符号の説明
1 露光部
2 基板
3 ステージ
4 回路パターン
5 リフト(昇降部材)
6 除電器

Claims (9)

  1. ステージに載置された基板を除電しながら搬送する基板搬送装置において、
    基板と、基板を載置するステージと、ステージに載置された基板に面接触する接触面を有し、基板を昇降させる昇降部材と、基板の静電気を除電する除電器とを備え、
    上記昇降部材は、基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止させるとともに、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止させ
    上記第1の停止位置は、基板の剥離帯電が始まる高さ以上、基板を停止させない場合に基板に帯電した静電気量が最大となる高さ未満であることを特徴とする基板搬送装置。
  2. 上記除電器は、基板の側方から除電を行うものであり、
    第2の停止位置は、除電領域の中心高さと基板表面とが同一平面上となる位置であることを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
  3. ステージに載置された基板を除電しながら搬送する基板搬送装置において、
    基板と、基板を載置するステージと、ステージに載置された基板に面接触する接触面を有し、基板を昇降させる昇降部材と、基板の静電気を除電する除電器とを備え、
    上記昇降部材は、基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止させるとともに、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止させ、
    上記除電器は、基板の側方から除電を行うものであり、
    第2の停止位置は、除電領域の中心高さと基板表面とが同一平面上となる位置であることを特徴とする基板搬送装置。
  4. 上記除電器が、軟X線を用いるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板搬送装置。
  5. ステージに載置された基板を、除電器によって除電しながら搬送する基板搬送方法において、
    基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止する第1の停止工程と、
    第1の停止工程の後に、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止する第2の停止工程とを有し、
    上記第1の停止位置は、基板の剥離帯電が始まる高さ以上、基板を停止させない場合に基板に帯電した静電気量が最大となる高さ未満であることを特徴とする基板搬送方法。
  6. ステージに載置された基板を、除電器によって除電しながら搬送する基板搬送方法において、
    基板の少なくとも一部がステージから離れた第1の停止位置で基板の上昇を停止する第1の停止工程と、
    第1の停止工程の後に、少なくとも1回、第1の停止位置よりも高い第2の停止位置で基板の上昇を停止する第2の停止工程とを有し、
    上記除電器は、基板の側方から除電を行うものであり、
    第2の停止位置は、除電領域の中心高さと基板表面とが同一平面上となる位置であることを特徴とする基板搬送方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板搬送装置と、基板のレジスト膜上に回路パターン光を投影するための露光部とを有することを特徴とする露光装置。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板搬送装置と、基板のレジスト膜上に回路パターン光を投影するための露光部とを有することを特徴とする順次繰返型投影露光装置。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板搬送装置を用いて、または、請求項5又は6に記載の基板搬送方法によって、基板を搬送する基板搬送工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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