JP2006049390A - 基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006049390A
JP2006049390A JP2004224862A JP2004224862A JP2006049390A JP 2006049390 A JP2006049390 A JP 2006049390A JP 2004224862 A JP2004224862 A JP 2004224862A JP 2004224862 A JP2004224862 A JP 2004224862A JP 2006049390 A JP2006049390 A JP 2006049390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
soft
unit
holding
lift pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004224862A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsunanori Kito
綱範 鬼頭
Hiroshi Okamoto
宏志 岡本
Yasunobu Tagusa
康伸 田草
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004224862A priority Critical patent/JP2006049390A/ja
Publication of JP2006049390A publication Critical patent/JP2006049390A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】 軟X線を放射することによって基板を除電する除電手段を備えたステッパ(基板保持装置)1において、静電気破壊を確実に防止しつつ、軟X線の放射時間を削減して、安全性を向上させるとともに、メンテナンスサイクルを延ばす。
【解決手段】 軟X線イオナイザ13のON/OFFの切り替えを、露光ステージ11に基板100を搬入・搬出するためのリフトピン12の動作に連動させて切り替える。これにより、露光ステージ11から基板100をリフトアップする際には軟X線イオナイザ13をONにして基板100の除電を行い、剥離帯電に伴う基板100の静電気破壊を防止するとともに、基板100が搬入されていない場合や基板100を露光ステージ11に吸着保持している場合には軟X線イオナイザ13をOFFにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体や液晶表示素子等の基板を保持する基板保持装置、特に、軟X線を放射して基板の除電を行う除電手段を備えた基板保持装置、当該基板保持装置における基板の除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体に関する。
近年、半導体集積回路や液晶表示素子等の微細化、高密度化、高集積化が目覚しい速度で進んでいる。このような半導体集積回路や液晶表示素子等の微細化、高集積化を牽引してきた技術の一つとして、シリコン基板(ウェハ)等の上にレジストを塗布し、塗布したレジストをステッパ等の露光装置でマスクパターンを介して露光し、それを現像して所望のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、基板のエッチング、ドーピング、薄膜の成膜等の処理を行う、リソグラフィー技術があげられる。
ところで、近年では、半導体集積回路や表示素子等の微細化、高集積化のために、半導体集積回路や液晶表示素子等における、隣接する導電部同士の間隔がより短く、すなわち導電部同士を隔てる絶縁膜の膜厚がより薄くなってきている。このため、製造工程において基板に生じる静電気により、絶縁膜の絶縁性が破壊されるといった、静電気破壊(ESD)が大きな問題となっている。
特に、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(ステッパ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(スキャニング・ステッパ)等の露光装置では、精密なパターニング精度が要求されるため、基板を吸着保持するのが一般的であるが、吸着保持後の剥離工程で生じる剥離帯電による静電気破壊が大きな問題となっている。より詳細には、ステッパ等の精密なパターニングが要求される装置では、通常、ピンなど微小な受けは、補助的保持などの特段の目的で用いる場合を除き、基板面積の約20%以上をステージの平面で受けて吸着保持する、いわゆる全面吸着による基板保持が行われるが、パターニング後の基板搬送のために吸着面を剥離させる際、剥離によって生じる静電気によって基板が帯電し、帯電した電荷が基板周囲の雰囲気あるいは基板内に放電することによって絶縁膜が破壊されてしまうという問題がある。また、基板の帯電により、描画不良、異物付着が起こるという不具合も生じる。
そこで、このような静電気の影響を防止するために、基板を除電することが考えられる。例えば、特許文献1には、図形データを用い基板上のレジスト部を電離放射線にて選択的に露光描画する方式の露光描画装置であって、基板の除電を行うための除電手段を備えた露光描画装置が開示されている。また、特許文献1には、基板を取り巻く雰囲気を軟X線(EUV; extreme ultra violet)照射によってイオン化させることによって、基板の除電を行うことが記載されている。
特開平10−233355号公報(1998年9月2日公開)
しかしながら、特許文献1のように軟X線照射によって基板の除電を行う場合には、軟X線に対する十分な安全対策が必要である。このため、通常、例えば、軟X線を透過しない所定の厚さの鋼板,塩化ビニル板,アクリル板等で装置内を安全区画化するなどの処置が施される。
ところが、装置内を周囲と遮断して安全区画化しても、例えばメンテナンス等のために装置を開放して作業することが必要になる場合もあり、安全対策としては区画化だけでは必ずしも十分でない場合がある。
また、軟X線除電装置(軟X線イオナイザ)におけるヘッド部の電球の寿命は、運転時間、すなわち軟X線の放出時間に依存する。このため、軟X線の放出を常時継続すると、軟X線除電装置(軟X線イオナイザ)の寿命(メンテナンスサイクル)が短くなるという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軟X線を放射することによって基板を除電する除電手段を備えた基板保持装置において、静電気破壊を確実に防止しつつ、軟X線の放射時間を削減して、安全性を向上させるとともに、メンテナンスサイクルを延ばすことにある。
本発明の基板保持装置は、上記の課題を解決するために、基板を保持する保持手段と、軟X線を放射することによって上記基板を除電する除電手段とを備えた基板保持装置であって、上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御する制御手段を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御する。このため、例えば、除電処理が必要な場合にのみ除電手段を起動し、除電処理が必要でない場合には除電手段を停止させるように制御できる。
したがって、基板に帯電した静電気によって静電気破壊が生じることを確実に防止しつつ、軟X線の放射時間を削減することができる。これにより、静電気破壊を防止して製造歩留りを向上させるとともに、軟X線に対する安全性を向上させることができ、また、除電手段のメンテナンスサイクルを延ばすことによってメンテナンスコストの削減と製造効率の向上とを図ることができる。
また、上記保持手段上に上記基板を搬出入する搬送手段を備え、上記制御手段は、上記除電手段の起動および停止を、上記搬送手段の搬出入動作に応じて制御する構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記除電手段の起動および停止を、上記搬送手段の搬出入動作に応じて制御する。このため、例えば、除電処理が必要な場合にのみ除電手段を起動し、除電処理が必要でない場合には除電手段を停止させるように制御できる。
したがって、基板に帯電した静電気によって静電気破壊が生じることを確実に防止しつつ、軟X線の放射時間を削減することができる。
また、上記保持手段は上記基板を吸着保持するものであり、上記搬送手段は上記吸着保持後の基板を上記保持手段から剥離させて搬出するものであって、上記制御手段は、上記除電手段を起動させた後に、上記搬送手段による上記剥離動作を開始させる構成としてもよい。また、この場合、例えば、上記保持手段は、上記基板における基板面の20%以上の面積を設計面として受けて接触保持するものであってもよい。
保持手段によって基板を吸着保持する構成基板を保持手段から剥離させる際に生じる剥離帯電によって、基板が静電気破壊されるおそれがある。特に、基板面の20%以上の面積を設計面として受けて接触保持する構成では、剥離時に生じる剥離帯電の影響が大きい。
そこで、上記の構成では、上記制御手段が、上記除電手段を起動させた後に、上記搬送手段による上記剥離動作を開始させる。これにより、上記保持手段から基板を剥離させる際に生じる剥離帯電を確実に防止することができる。
また、上記制御手段は、上記保持手段によって上記基板を吸着保持している期間中、上記除電手段を停止させる構成としてもよい。また、上記制御手段は、上記搬送手段によって上記基板を上記保持手段上に搬入する期間中、上記除電手段を停止させる構成としてもよい。
上記保持手段によって上記基板を吸着保持している期間中、および、上記搬送手段によって上記基板を上記保持手段上に搬入する期間中は、例えば基板を保持手段から剥離するときに比べて、静電気の発生量が少ない。そこで、これらの期間中、上記除電手段を停止させておくことにより、静電気破壊の危険性を誘発することなく、軟X線の放射時間を削減することができる。このため、製造歩留りを低下させることなく、軟X線に対する安全性を向上させることができ、また、除電手段のメンテナンスサイクルを延ばすことによってメンテナンスコストの削減と製造効率の向上とを図ることができる。
本発明の除電方法は、上記の課題を解決するために、基板を保持する保持手段と、軟X線を放射することによって上記基板を除電する除電手段とを備えた基板保持装置における上記基板の除電方法であって、上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御することを特徴としている。
上記の方法によれば、上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御する。このため、例えば、除電処理が必要な場合にのみ除電手段を起動し、除電処理が必要でない場合には除電手段を停止させるように制御できる。
したがって、基板に帯電した静電気によって静電気破壊が生じることを確実に防止しつつ、軟X線の放射時間を削減することができる。これにより、静電気破壊を防止して製造歩留りを向上させるとともに、軟X線に対する安全性を向上させることができ、また、除電手段のメンテナンスサイクルを延ばすことによってメンテナンスコストの削減と製造効率の向上とを図ることができる。
本発明の基板保持装置制御プログラムは、基板保持装置に備えられたコンピューターを、上記した基板保持装置の制御手段として機能させるためのものである。
上記のようなコンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、基板保持装置における制御手段の機能を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体をコンピューターに読み込ませることで、コンピューターによって、基板保持装置における制御手段の処理を実施できる。
本発明の基板保持装置は、上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御する制御手段を備えている。また、本発明の除電方法は、上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御する。
それゆえ、例えば、除電処理が必要な場合にのみ除電手段を起動し、除電処理が必要でない場合には除電手段を停止させるように制御できる。したがって、基板に帯電した静電気によって静電気破壊が生じることを確実に防止しつつ、軟X線の放射時間を削減することができる。これにより、静電気破壊を防止して製造歩留りを向上させるとともに、軟X線に対する安全性を向上させることができ、また、除電手段のメンテナンスサイクルを延ばすことによってメンテナンスコストの削減と製造効率の向上とを図ることができる。
本発明の基板保持装置制御プログラムは、基板保持装置に備えられたコンピューターを、上記した基板保持装置の制御手段として機能させるためのものである。
上記のようなコンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、基板保持装置における制御手段の機能を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体をコンピューターに読み込ませることで、コンピューターによって、基板保持装置における制御手段の処理を実施できる。
本発明の一実施形態について説明する。図2は、本実施形態にかかるステッパ(露光装置、基板保持装置)1の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、ステッパ1は、露光ステージ(保持手段)11、リフトピン(搬送手段)12、軟X線イオナイザ(除電手段、軟X線除電装置)13、投影レンズユニット14、光源ユニット15、入力部16、ドア開閉センサ17、制御部(制御手段)20を備えている。
露光ステージ11は、基板保持面に載置された基板100を吸着保持しつつ、投影レンズユニット14を介して照射される光に垂直、かつ、互いに直交する2方向にそれぞれ独立して移動可能となっている。なお、吸着保持とは、例えば露光ステージ11に設けた複数個の穴部や溝部を減圧することにより、露光ステージ11と基板100とを吸着させて保持することを意味している。本実施形態にかかるステッパ1では、基板100における基板面の約20%以上を設計面として受けて接触させ、吸着保持する、いわゆる全面吸着を行うようになっている。これにより、露光ステージ11上で基板100を精密に保持した状態で、基板100の表面に、図示しないレチクル(またはマスク)のパターンをステップ・アンド・リピート方式で高精度に転写できるようになっている。
リフトピン12は、露光ステージ11内に複数個設けられている。各リフトピン12は、露光ステージ11内に格納された状態と、露光ステージ11の基板保持面に対して垂直な方向に突出した状態とに変化するように動作する。これにより、リフトピン12を突出させた状態で基板100を受け取り、リフトピン12を露光ステージ11内に格納することによって受け取った基板100を露光ステージ11上に搬送(搬入)する。また、露光処理後の基板100を、リフトピン12を突出させることによって露光ステージ11から剥離させて持ち上げ、基板100をステッパ1の外部に搬出するためのアーム(図示せず)に受け渡す位置まで基板100を搬送(搬出)する。
軟X線イオナイザ13は、軟X線を放射することによって基板100の周囲の雰囲気をイオン化させることにより、基板100を除電するためのものである。
図3は、ステッパ1における除電処理中の状態を示す断面図である。この図に示すように、ステッパ1では、露光ステージ11の両側に軟X線イオナイザ13をそれぞれ備えている。軟X線イオナイザ13の除電能力は、軟X線イオナイザ13から除電対象物までの距離が増大するにつれて低下するが、ステッパ1では、軟X線イオナイザを基板100の両側に備えることにより、基板100から軟X線イオナイザ13までの距離は、露光ステージ11がいずれの方向に移動しても、20mm〜50mmの範囲内に保たれ、基板100を確実かつ高速に除電することが可能となっている。
投影レンズユニット14は、光源ユニット15から、ミラー、ハーフミラー、シャッター、レチクル(またはマスク)など(いずれも図示せず)を介して入射した光を、基板100上に所定の倍率で投影するものである。
光源ユニット15は、基板100に照射するための光を供給するものである。ステッパ1では、光源ユニット15から発射される光を基板100に照射することによって基板100に対するフォトリソグラフィ工程を行うようになっている。
入力部16は、ステッパ1に対するユーザからの指示を受け付け、制御部20に伝達するものである。なお、入力部1は複数の操作キーからなるが、これに限らず、例えば、パソコンなどの外部機器と接続可能なインターフェースを備え、接続された外部機器を介してユーザからの指示を受け付ける構成としてもよい。
ドア開閉センサ17は、ステッパ1が備えられるクリーンルーム(チャンバ)のドアの開閉を検知し、その情報を制御部20に伝達する。
制御部20は、ステッパ1における各部の動作を制御する制御手段であり、駆動制御部21、露光ステージ駆動部22、リフトピン駆動部23、タイマー24、リフトピン駆動信号検出部25、軟X線イオナイザ駆動部26、光学系駆動部27、記憶部28を備えている。
駆動制御部21は、入力部16を介して入力された指示に基づいて、ステッパ1の各部の動作を統括的に制御するものである。また、駆動制御部21は、各部を制御するための情報やプログラムなどを記憶部28に記憶させ、また、それを読み出すことが可能になっている。また、駆動制御部21は、ドア開閉センサ17が、ステッパ1が備えられるクリーンルーム(チャンバ)のドアが開操作されたことを検知した場合、軟X線イオナイザ13の動作を直ちにOFFするとともに、他の動作を中断するようになっている。
露光ステージ駆動部22は、駆動制御部21からの指示に応じて、露光ステージ11の動作、すなわち投影レンズユニット14からの照射光の光軸(Z軸方向)に略垂直で、かつ、互いに直交する2方向(X軸方向およびY軸方向)に露光ステージ11を移動させ、基板100にマスクパターンを転写させる。
リフトピン駆動部23は、駆動制御部21からの指示に応じて、リフトピン12の動作を制御し、適切なタイミングで露光ステージ11の基板保持面に略垂直な方向にリフトピン12を突出させ、また、リフトピン12を露光ステージ11内に格納する。なお、リフトピン駆動部23はタイマー24に接続されており、駆動制御部21からリフトピン12を駆動させるように指示(駆動信号)を受けると、タイマー24による計時を開始し、計時時間が所定の時間経過した後にリフトピン12を駆動させる。これにより、ステッパ1では、軟X線イオナイザ13のON(起動)/OFF(停止)の切り替えと、リフトピン12の動作とが、適切なタイミングでなされるようになっている(詳細は後述する)。
リフトピン駆動信号検出部25は、駆動制御部21からリフトピン駆動部23に伝送されるリフトピン駆動信号を検出し、検出結果を軟X線イオナイザ駆動部26に伝送する。
軟X線イオナイザ駆動部26は、リフトピン駆動信号の検出結果に応じて、軟X線イオナイザ13のON/OFFを切り替える。
光学系駆動部27は、駆動制御部21からの指示に応じて、投影レンズユニット14、光源ユニット15、シャッター(図示せず)などの動作を制御する。
記憶部28は、駆動制御部21が各部を制御するための情報、プログラムなどを記憶する。
次に、軟X線イオナイザ13の動作とリフトピン12の動作との関係について、図1(a)〜図1(d)および図4を用いて説明する。図1(a)〜図1(d)は、リフトピン12の状態と軟X線イオナイザのON/OFF状態との関係を示した断面図である。また、図4は、ステッパ1における動作の流れを示すフロー図である。
図1(a)はステッパ1の初期状態、すなわち、露光ステージ11上に基板が搬送されていない状態を示している。この状態では、リフトピン12は露光ステージ11内に格納されており、軟X線イオナイザ13の動作はOFFとなっている。つまり、軟X線イオナイザ13は軟X線を放射していない状態である。
まず、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23にリフトピン12を駆動(突出)させるように指示(リフトピン駆動信号)を伝送する(S1)。
リフトピン駆動部23は、リフトピン12を突出させるリフトピン駆動信号を受信すると、タイマー24による計時を開始する(S2)。
また、駆動制御部21からリフトピン駆動部23にリフトピン駆動信号が伝送されると、リフトピン駆動信号検出部25がこの信号を検出し、検出結果を軟X線イオナイザ駆動部26に伝送する。軟X線イオナイザ駆動部26は、リフトピン駆動信号検出部25がリフトピン駆動信号を検出すると、軟X線イオナイザ13をONにする(S3)。これにより、軟X線イオナイザ13からの軟X線の放射が開始される。
一方、リフトピン駆動部23は、タイマー24による計時時間が、所定の時間に達したか否かを判断する(S4)。そして、所定の時間に達していない場合には、所定の時間に達するまで待機する。
タイマー24の計時時間が所定時間に達すると、リフトピン駆動部23はリフトピン12を駆動させて、露光ステージ11から突出(リフトアップ)させる(S5)。これにより、ステッパ1では、リフトピン12を突出させる際には、必ず、軟X線イオナイザ13をONにして除電を開始し、所定時間経過した後に、リフトピン12の突出動作が開始されるようになっている。
次に、リフトピン12を突出させた状態で、基板100をリフトピン12上に載置する(S6)。図1(b)は、リフトピン12を突出させ、リフトピン12上に基板100を載置した状態を示している。
そして、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23にリフトピン12を駆動(格納)させるように指示(リフトピン駆動信号)を伝送する(S7)。
リフトピン駆動部23は、リフトピン駆動信号を受信すると、リフトピン12を露光ステージ11内に格納するように駆動する(S8)。また、これと並行して、リフトピン駆動信号検出部25が、駆動制御部21からリフトピン駆動部23へのリフトピン駆動信号を検出し、検出結果を軟X線イオナイザ駆動部26に伝送する。軟X線イオナイザ駆動部26は、リフトピン駆動信号検出部25がリフトピン駆動信号を検出すると、軟X線イオナイザ13をOFFにする(S9)。これにより、軟X線イオナイザ13からの軟X線の放射が停止される。
そして、リフトピン12が格納され、露光ステージ11上に載置されると、駆動制御部21は、露光ステージ駆動部22を制御して、露光ステージ11上に基板100を吸着保持させ、露光工程を行わせる(S10)。図1(c)は露光ステージ11上に基板100を吸着保持している状態を示している。
次に、駆動制御部21は、S1〜S5と同様の処理によって、軟X線イオナイザ13による除電処理を行いながら、リフトピン12を突出させるように駆動し、露光ステージ11上に吸着保持されていた基板100をリフトアップする(S11)。なお、上記したように、ステッパ1では、リフトピン12を突出させる際には、必ず、軟X線イオナイザ13をONにして除電を開始し、所定時間経過した後に、リフトピン12の突出動作が開始されるようになっているので、基板100の剥離帯電を確実に防止できるようになっている。図1(d)は露光ステージ11上から基板100を搬出するために、リフトピン12を突出(リフトアップ)させた状態を示している。
次に、駆動制御部21は、次の基板100があるか否かを判断する(S12)。そして、次の基板100がある場合(次の基板100を搬入する場合)には、S6以降の処理を繰り返す。一方、次の基板100がない場合(次の基板100を搬入しない場合)には、S7〜S9の処理を行い(S13)、動作を終了する。
以上のように、本実施形態にかかるステッパ1では、駆動制御部21からリフトピン駆動部23にリフトピン12を突出させるためのリフトピン駆動信号が伝送されると、リフトピン駆動信号検出部25がこの信号を検出し、軟X線イオナイザ駆動部26が軟X線イオナイザ13をONさせる。
これにより、リフトピン12の駆動時には必ず軟X線イオナイザ13がONされる。このため、露光ステージ11上に吸着保持されていた基板100を剥離させる場合には、必ず、軟X線イオナイザ13による除電が行われるので、基板100に剥離帯電に伴う静電気破壊が生じることを確実に防止できる。すなわち、基板100の状態に応じて、軟X線イオナイザ13がONされ、基板100に剥離帯電に伴う静電気破壊が生じることを確実に防止できる。
また、本実施形態にかかるステッパ1では、駆動制御部21からリフトピン駆動部23にリフトピン12を格納させるためのリフトピン駆動信号が伝送されると、リフトピン駆動信号検出部25がこの信号を検出し、軟X線イオナイザ13がOFFされる。
これにより、除電の必要がない状態では軟X線イオナイザ13の動作を停止させることができる。したがって、軟X線の放射時間および放射量を削減して安全性の向上を図ることができる。また、軟X線イオナイザにおけるヘッド部の電球の寿命は、軟X線の放出時間に依存するので、軟X線の放射時間を低減することによってメンテナンスサイクルを延ばし、メンテナンス費用の削減および製造効率の向上を図ることができる。すなわち、基板100の状態に応じて、軟X線イオナイザ13がOFFすることによって、軟X線の放射時間および放射量を削減し、安全性の向上とメンテナンスサイクルの延長を図ることができる。
また、ステッパ1では、駆動制御部21からリフトピン駆動部23にリフトピン12を突出させるためのリフトピン駆動信号が伝送された場合、リフトピン駆動部23が、タイマー24による計時を開始し、所定時間経過した後にリフトピン12の突出動作を開始させる。
このため、計時開始からリフトピン12の動作開始までの時間を適切に設定しておくことで、軟X線イオナイザ13による除電が開始した後に、リフトピン12の突出動作を開始させることができる。また、軟X線イオナイザ13による除電が開始され、所定の時間が経過した後にリフトピン12の突出動作を開始させるように設定することで、基板100に対する除電効果が最大となるように設定することもできる。
また、本実施形態にかかるステッパ1は、ステッパ1が備えられるチャンバのドアの開閉状態を検出するドア開閉センサ17を備えており、ドアが開操作された場合には、駆動制御部21が直ちに軟X線イオナイザ13をOFFさせ、軟X線の放射を停止させる。これにより、安全性をより向上させることができる。
また、本実施形態にかかるステッパ1では、リフトピン駆動信号検出部25が、駆動制御部21からリフトピン駆動部23へのリフトピン駆動信号(突出指示または格納指示)を検出し、検出した信号に応じて、軟X線イオナイザ駆動部26が軟X線イオナイザ13をONまたはOFFさせる。つまり、検出したリフトピン駆動信号がリフトピン12を突出させる指示である場合には軟X線イオナイザ13をONにし、検出したリフトピン駆動信号がリフトピン12を格納させる指示である場合には軟X線イオナイザ13をOFFにする。
このように、リフトピン駆動信号を検出し、それに応じて軟X線イオナイザ13のON/OFFを切り替える場合、例えば、駆動制御部21とリフトピン駆動部23との間の配線に信号取り出し用の端子を設け、この端子にリフトピン駆動信号検出部25を接続するとともに、軟X線イオナイザ駆動部26をリフトピン駆動信号検出部25の検出結果に応じて軟X線イオナイザ13のON/OFFさせるように設定するだけで、リフトピン12の動作に応じた軟X線イオナイザ13のON/OFFの切り替えが可能になる。したがって、従来のステッパに簡単な構成を付加するだけで、基板100の露光処理工程(露光シーケンス)に連動させ、基板100の状態に応じた軟X線イオナイザ13のON/OFF制御を行うことができる。
また、本実施形態にかかるステッパ1では、リフトピン12の突出動作について、露光ステージ11内に格納された位置から、基板100の受け渡し位置まで突出させる動作を1段階の動作で行っているが、これに限るものではない。例えば、リフトピン12の突出動作を所定の高さで停止し、所定時間経過後に再度動作させて基板の受け渡し突出させる、2段階の動作を行うようにしてもよい。あるいは、リフトピン12をさらに多段階で動作させてもよい。
これにより、例えば、大きな除電効果が得られる高さで基板100を停止させて所定の時間除電を行い、除電効果を高めることができる。ここで、大きな除電効果が得られる高さとは、例えば基板100と露光ステージ11との間隔(例えば露光ステージ11からの基板100の剥離状態)によって決まる高さ、あるいは、軟X線イオナイザ13の設置位置と基板100との相対位置によって決まる高さ(例えば軟X線イオナイザ13との相対位置が最小となる高さ)など、複数の位置が考えられる。
図6は、リフトピン12の突出動作を多段階とした場合の動作タイミングの一例を示すフロー図である。なお、図6に示す各ステップのタイミング制御は、例えば駆動制御部21が、タイマー24による計時時間に基づいて行うようにすればよい。
図6に示すように、まず、駆動制御部21は、露光ステージ駆動部22を制御し、露光ステージ11を基板100の受け渡し位置まで移動させる(S21)。
次に、駆動制御部21は、露光ステージ駆動部22を制御し、基板100の吸着保持を解除させる(S22)。すなわち、露光ステージ11に備えられたプレートホルダー(図示せず)のバキューム(Vac.)をOFFさせる。なお、露光ステージ11を基板100の受け渡し位置まで移動させた後、基板100の吸着保持を解除させるまでの間隔は、例えば0.5秒に設定すればよい。
次に、駆動制御部21は、軟X線イオナイザ駆動部26を制御し、軟X線イオナイザ(フォトイオナイザ)13をONさせる(S23)。なお、基板100の吸着保持が解除されてから、軟X線イオナイザ26をONにするまでの間隔は、例えば0.5秒以内とすればよい。
次に、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23を制御し、リフトピン12を1段目の設定高さ(例えば露光ステージ11から10mm)まで突出(センターアップ)させる(S24)。なお、軟X線イオナイザ13をONさせてから、リフトピン12を1段目の突出位置まで突出させるまでの時間は、例えば1秒に設定すればよい。また、1段目の設定高さは上記の例に限らず、基板100のサイズや材質等に応じて、良好な除電効果が得られる高さに適宜設定すればよい。
次に、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23を制御し、リフトピン12を1段目の設定高さで停止させ、その位置で所定時間(例えば2.55秒)待機させる(S25)。なお、1段目の設定高さでの待機時間は、必要とする除電効果が得られるまでの所要時間に応じて、適宜設定すればよい。
次に、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23を制御し、リフトピン12を払い出し高さ(2段目の設定高さ)まで突出させる(S26)。なお、1段目の設定高さから払い出し高さまでの突出動作に要する時間は、例えば1秒に設定すればよい。
その後、ステッパ1から基板100を搬出するためのアンロードスライダー(図示せず)によって基板100が払い出される(S27)。なお、リフトピン12を払い出し高さまで突出させた後、アンロードスライダーによって基板100を払い出すまでの時間は、例えば1秒に設定すればよい。リフトピン12を払い出し高さまで突出させた後、アンロードスライダーによって基板100を払い出すまでの期間も軟X線イオナイザ13による除電を継続することにより、基板100の除電を確実に行うことができる。
その後、ステッパ1に基板100を搬入するためのロードスライダー(図示せず)によって、次に露光処理を行う基板100がリフトピン12による受け取り位置まで搬送されてくる(S28)。なお、アンロードスライダーによって露光処理後の基板100を払い出した後、ロードスライダーによって次に処理する基板100が受け取り位置に搬送されてくるまでの間隔は、例えば1秒に設定すればよい。
次に、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23を制御してリフトピン12をさらに突出させ、搬送されてきた基板100を持ち上げて受け取る(S29)。また、リフトピン12によって基板100が受け取られた後、ロードスライダーは退避する。なお、ロードスライダーによって、次に露光処理を行う基板100が受け取り位置まで搬送されてから、リフトピン12によって基板100を持ち上げるまでの間隔は、例えば1秒に設定すればよい。
次に、駆動制御部21は、リフトピン駆動部23を制御し、リフトピン12を露光ステージ11内の格納位置まで下降させる(S30)。なお、リフトピン12によって基板100を持ち上げてから、リフトピン12の下降を開始するまでの間隔は、例えば1秒に設定すればよい。
また、駆動制御部21は、軟X線イオナイザ駆動部26を制御し、軟X線イオナイザ13をOFFさせる(S31)。なお、リフトピン12の下降を開始してから、軟X線イオナイザ13をOFFするまでの間隔は、例えば1秒に設定すればよい。
次に、駆動制御部21は、露光ステージ駆動部22を制御し、基板100の吸着保持を開始させる(S32)。すなわち、露光ステージ11に備えられたプレートホルダー(図示せず)のバキュームをONさせる。なお、軟X線イオナイザ13をOFFしてから、吸着保持開始までの時間は、例えば0.5秒に設定すればよい。
その後、ステッパ1による所定の露光工程を開始する(S32)。そして、露光工程が収容すると、再びS21からの処理を行う。なお、S27で露光処理後の基板100を払いだした後、次に処理する基板100がない場合には、駆動制御部21が、軟X線イオナイザ13をOFFにさせ、リフトピン12を露光ステージ11内に格納して動作を終了するようにすればよい。
このように、基板100のリフトアップ(リフトピン12の突出動作)を多段階にすることにより、1段目の設定高さで十分に基板100の除電を行うことができ、払い出し高さ(2段目の設定高さ)における基板100の帯電量を大幅に低減することができる。また、通常、基板100の帯電量が10kVを超えると静電破壊(静電気破壊)が起きやすくなるが、このように基板100のリフトアップを多段階にすることによって、基板100の除電を効果的に行い、静電破壊を防止することができる。
また、基板100の払い出し時における搬送タクトへの影響を低減するためには、リフトピン12の突出動作が完了してからアンロードスライダーに基板100を渡すまでの間に、基板100の除電を急速に行う必要がある。つまり、アンロードスライダーと基板100が接触する際に基板100の除電が十分になされていないと、静電破壊が発生するおそれがある。このため、従来のように基板100を露光ステージ11から剥離させる際に生じる剥離帯電によって基板100が帯電した後、基板100を除電しない構成では、静電破壊の問題が顕著であった。また、除電のために放電式イオナイザを用いる場合、十分な除電速度が得られず、静電破壊を十分に防止することができなかった。
そこで、本実施形態にかかるステッパ1では、軟X線イオナイザ13を用いることにより、放電式イオナイザでは実現できなかった急速の除電が可能となっており、基板100の静電破壊を効果的に防止することができるようになっている。
図7は、ステッパ1において、除電処理を行わなかった場合の基板100の帯電量を示すグラフである。また、図8は、ステッパ1において、図6に示した動作を行った場合の基板100の帯電量を示すグラフである。
図7に示すように、除電処理を行わない場合、基板100の帯電量は約−6kVであった。これに対して、図6のような動作を行うことにより、基板100の帯電量は約−2kVまで減少した。
また、軟X線イオナイザ13のON/OFFの切り替え方法は上記した方法に限るものではない。すなわち、基板100の露光ステージ11からの剥離を開始する前に軟X線イオナイザ13による除電を開始させて、剥離帯電に伴う静電気破壊を適切に防止するとともに、軟X線イオナイザ13をOFFさせても剥離帯電による静電気破壊が生じるおそれがないときには軟X線イオナイザ13をOFFさせることができる構成であればよい。
例えば、駆動制御部21が、リフトピン駆動部23および軟X線イオナイザ駆動部26の動作タイミングを一括して制御するようにしてもよい。図5は、この場合のステッパ1の構成例を示すブロック図である。この図に示す例では、図2の場合と異なり、タイマー24およびリフトピン駆動信号検出部25が備えられていない。また、駆動制御部21、リフトピン駆動部23、軟X線イオナイザ駆動部26に代えて、駆動制御部21a、リフトピン駆動部23a、軟X線イオナイザ駆動部26aが備えられている。
この図に示す例では、リフトピン12を突出させる際、まず駆動制御部21aが軟X線イオナイザ駆動部26aに軟X線イオナイザ13をONさせる。そして、軟X線イオナイザ13がONされると、次に、駆動制御部21aはリフトピン駆動部23aにリフトピン12を突出するように駆動させる。
なお、この際、軟X線イオナイザ13がONされ、除電が開始された後にリフトピン12の駆動がなされるように、駆動制御部21aが図示しないタイマーによって軟X線イオナイザ駆動部26aに軟X線イオナイザ13をONさせるための指示を送信してからの経過時間を計時し、所定時間経過後にリフトピン12の駆動を開始させるようにしてもよい。あるいは、軟X線イオナイザ駆動部26aが、軟X線イオナイザ13の起動が正常に完了したことを示す信号を駆動制御部21aに伝達し、駆動制御部21aがこの信号を受信した後にリフトピン12の突出動作を開始させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、軟X線イオナイザ13をステッパ1に備える構成において、軟X線イオナイザ13のON/OFFを露光工程に応じて(連動させて)制御する構成ついて説明したが、本発明の適用対象はステッパに限るものではない。すなわち、ステッパに限らず他の露光装置に適用してもよく、また、露光装置に限らず、半導体集積回路や液晶表示素子等に用いられる基板について、基板の除電が必要なあらゆる装置(基板保持装置)に適用できる。これらの装置において、軟X線イオナイザ13のON/OFFを、当該装置における処理工程に連動させ、基板の状態に応じて制御することにより、必要な除電を適切に行うとともに、軟X線の放射時間を低減し、安全性の向上、および、メンテナンスサイクルの延長によるメンテナンスコストの低減と製造効率の向上とを図ることができる。
なお、例えばステッパ1のように、吸着支持した基板を剥離させる工程を伴う装置において、軟X線イオナイザ13のON/OFFの切り替えを剥離工程に連動させて制御することにより、剥離帯電に伴う静電気破壊を確実に防止するとともに、軟X線イオナイザ13による軟X線の放射時間を低減し、安全性を向上させ、かつ、メンテナンスサイクルを延ばすことによってメンテナンスコストの低減と製造効率の向上とを図ることができる。
また、軟X線イオナイザ13を、例えばコーターやデベロッパー塗布などの溶剤雰囲気中で処理を行う装置に用いることもできる。すなわち、溶剤などの可燃性雰囲気中では、引火防止のために放電式イオナイザを用いることができないが、軟X線イオナイザのように電離空気を用いて除電することにより、防爆区域に設置しても引火の危険性を伴うことなく、基板の除電を行うことができる。
また、放電式イオナイザを用いる場合、放電式イオナイザを基板の側方に設置する構成では、基板全面に対する十分な除電効果が得られなかった。このため、露光装置のように基板面の上方にイオナイザを設置することが困難な場合、基板の除電を十分にできなかった。これに対して、本実施形態のように、軟X線照射方式のイオナイザを用いる場合、ダウンフローなどの環境の影響をうけにくいので、軟X線イオナイザを基板の横方向へ設置しても、高い除電効果が得られる。また、軟X線イオナイザは、本質的に、放電式イオナイザよりもはるかに高い除電効果を奏し、また除電速度も速い。また、軟X線イオナイザは、構造的に発塵する部分がないので、クリーンルームへの適用にも適している。
また、本実施形態では、軟X線イオナイザ13を露光ステージ11の両側にそれぞれ備えているが、軟X線イオナイザ13の設置台数および設置位置はこれに限るものではない。ただし、軟X線イオナイザ13の除電能力は、除電対象物である基板100と軟X線イオナイザ13との距離に反比例するため、除電対象物までの距離が増大すると、除電が不十分になったり、除電に要する時間が増加する場合がある。このため、各製造工程における除電対象物と軟X線イオナイザ13との距離が、必要な除電能力および除電速度を得るために十分近い距離となるよう、軟X線イオナイザ13の設置台数および設置位置を決定することが好ましい。
また、本実施形態では、リフトピン12が突出動作をする際には必ず軟X線イオナイザ13をONにするようになっているが、これに限るものではない。例えば、1枚目の基板100を搬入するためにリフトピン12を突出させる場合のように、露光ステージ11上に基板を保持していない状態からリフトピン12を突出させる場合には、軟X線イオナイザ13をOFFにしたままでリフトピン12を突出させてもよい。
また、本実施形態では、複数の基板100を連続してステッパ1に搬出入し、露光処理を行う場合、露光処理後の基板100を露光ステージ11から剥離させて搬出するためにリフトピン12を突出させる動作と、次に露光処理を行う基板100を露光ステージ11上に搬入するためにリフトピン12を突出させる動作とが共通になっている。このため、リフトピン12を突出させる前に軟X線イオナイザ13がONにされた後、リフトピン12に次に露光処理を行う基板100が載置される際にも軟X線が照射されている。これにより、露光ステージ11から剥離させて搬出する基板100の除電を行うとともに、リフトピン12上に載置される、次に露光処理を行う基板100の除電を併せて行うことができる。
ただし、これに限らず、例えば、次に露光処理を行う基板100をステッパ1に搬入する前に除電処理しておき、ステッパ1では露光処理前に除電処理を行わないようにしてもよい。したがって、例えば、露光処理後の基板100を露光ステージ11から剥離させる工程でのみ、軟X線イオナイザ13をONにするようにしてもよい。
また、本実施形態では、ステッパ1における全ての処理を、制御部20の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御部20に代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。したがって、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリー(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリーなどを適用できる。また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、基板を保持するあらゆる基板保持装置に適用できる。特に、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(ステッパ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(スキャニング・ステッパ)等に備えられる、基板を精密に保持するために吸着保持する基板保持装置に好適である。また、溶剤雰囲気中での処理を伴う基板保持装置に適用することもできる。
(a)〜(d)は本発明の一実施形態にかかる露光装置の断面図であり、(a)は露光ステージ上に基板を保持していない状態、(b)は露光ステージ上に基板を搬送中の状態、(c)は露光ステージ上に基板を吸着保持している状態、(d)は露光ステージ上から基板を搬送中の状態、をそれぞれ示している。 本発明の一実施形態にかかる露光装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる露光装置における除電処理中の状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる露光装置における動作の流れを示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる露光装置の変形例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる露光装置における、動作タイミングの一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる露光装置において、基板の除電処理お行わなかった場合の基板の帯電量を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる露光装置において、図6に示した動作を行った場合の基板の帯電量を示すグラフである。
符号の説明
1 ステッパ(基板保持装置)
11 露光ステージ(保持手段)
12 リフトピン(搬送手段)
13 軟X線イオナイザ(除電手段)
14 投影レンズユニット
15 照明ユニット
16 入力部
17 ドア開閉センサ
20 制御部(制御手段)
21,21a 駆動制御部(制御手段)
22 露光ステージ駆動部
23,23a リフトピン駆動部(制御手段)
24 タイマー(制御手段)
25 リフトピン駆動信号検出部(制御手段)
26,26a 軟X線イオナイザ駆動部(制御手段)
27 光学系駆動部
28 記憶部
100 基板

Claims (9)

  1. 基板を保持する保持手段と、軟X線を放射することによって上記基板を除電する除電手段とを備えた基板保持装置であって、
    上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御する制御手段を備えていることを特徴とする基板保持装置。
  2. 上記保持手段上に上記基板を搬出入する搬送手段を備え、
    上記制御手段は、上記除電手段の起動および停止を、上記搬送手段の搬出入動作に応じて制御することを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 上記保持手段は上記基板を吸着保持するものであり、上記搬送手段は上記吸着保持後の基板を上記保持手段から剥離させて搬出するものであって、
    上記制御手段は、上記除電手段を起動させた後に、上記搬送手段による上記剥離動作を開始させることを特徴とする請求項2に記載の基板保持装置。
  4. 上記保持手段は、上記基板における基板面の20%以上の面積を設計面として受けて接触保持することを特徴とする請求項3に記載の基板保持装置。
  5. 上記制御手段は、上記保持手段によって上記基板を吸着保持している期間中、上記除電手段を停止させることを特徴とする請求項3または4に記載の基板保持装置。
  6. 上記制御手段は、上記搬送手段によって上記基板を上記保持手段上に搬入する期間中、上記除電手段を停止させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  7. 基板を保持する保持手段と、軟X線を放射することによって上記基板を除電する除電手段とを備えた基板保持装置における上記基板の除電方法であって、
    上記除電手段の起動および停止を、上記基板の状態に応じて制御することを特徴とする除電方法。
  8. 基板保持装置に備えられたコンピューターを、請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御手段として機能させるための基板保持装置制御プログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを記録したコンピューターによって読取可能な記録媒体。
JP2004224862A 2004-07-30 2004-07-30 基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体 Withdrawn JP2006049390A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004224862A JP2006049390A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004224862A JP2006049390A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006049390A true JP2006049390A (ja) 2006-02-16

Family

ID=36027627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004224862A Withdrawn JP2006049390A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006049390A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009013799A1 (ja) * 2007-07-20 2009-01-29 Hirata Corporation 基板の吸着ステージ装置
JP2010113295A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Hitachi High-Technologies Corp プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板ロード/アンロード方法、及び表示用パネル基板の製造方法
JP2015191819A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置
WO2016077076A1 (en) * 2014-11-13 2016-05-19 Moxtek, Inc. Flat-panel-display, bottom-side, electrostatic-dissipation
US9779847B2 (en) 2014-07-23 2017-10-03 Moxtek, Inc. Spark gap X-ray source
US9826610B2 (en) 2014-07-23 2017-11-21 Moxtek, Inc. Electrostatic-dissipation device
US9839107B2 (en) 2014-07-23 2017-12-05 Moxtek, Inc. Flowing-fluid X-ray induced ionic electrostatic dissipation
CN109388035A (zh) * 2018-10-31 2019-02-26 武汉华星光电技术有限公司 曝边机及曝光方法
US10524341B2 (en) 2015-05-08 2019-12-31 Moxtek, Inc. Flowing-fluid X-ray induced ionic electrostatic dissipation
CN112400215A (zh) * 2018-07-18 2021-02-23 东京毅力科创株式会社 显影处理装置以及显影处理方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009013799A1 (ja) * 2007-07-20 2009-01-29 Hirata Corporation 基板の吸着ステージ装置
JP2010113295A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Hitachi High-Technologies Corp プロキシミティ露光装置、プロキシミティ露光装置の基板ロード/アンロード方法、及び表示用パネル基板の製造方法
JP2015191819A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置
US9839107B2 (en) 2014-07-23 2017-12-05 Moxtek, Inc. Flowing-fluid X-ray induced ionic electrostatic dissipation
US9779847B2 (en) 2014-07-23 2017-10-03 Moxtek, Inc. Spark gap X-ray source
US9824787B2 (en) 2014-07-23 2017-11-21 Moxtek, Inc. Spark gap x-ray source
US9826610B2 (en) 2014-07-23 2017-11-21 Moxtek, Inc. Electrostatic-dissipation device
US9839106B2 (en) 2014-07-23 2017-12-05 Moxtek, Inc. Flat-panel-display, bottom-side, electrostatic-dissipation
WO2016077076A1 (en) * 2014-11-13 2016-05-19 Moxtek, Inc. Flat-panel-display, bottom-side, electrostatic-dissipation
US10524341B2 (en) 2015-05-08 2019-12-31 Moxtek, Inc. Flowing-fluid X-ray induced ionic electrostatic dissipation
CN112400215A (zh) * 2018-07-18 2021-02-23 东京毅力科创株式会社 显影处理装置以及显影处理方法
CN112400215B (zh) * 2018-07-18 2024-03-26 东京毅力科创株式会社 显影处理装置以及显影处理方法
CN109388035A (zh) * 2018-10-31 2019-02-26 武汉华星光电技术有限公司 曝边机及曝光方法
WO2020087865A1 (zh) * 2018-10-31 2020-05-07 武汉华星光电技术有限公司 曝边机及曝光方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1329770A1 (en) Lithographic apparatus and device manufacturing method
KR101327671B1 (ko) 파티클 부착 방지 방법 및 피처리 기판의 반송 방법
JP2006049390A (ja) 基板保持装置、除電方法、基板保持装置制御プログラムおよびその記録媒体
EP0448316B1 (en) Substrate holding device
JP2001144013A (ja) リトグラフ投影装置
TW200949458A (en) Lithographic apparatus, device manufacutring method, cleaning system and method for cleaning a patterning device
US10274844B1 (en) Lithography apparatus and method for protecting a reticle
JP2005505147A (ja) ワークピースを機械的にマスクするための方法および装置
JP4079861B2 (ja) 基板処理装置
JP2002353096A (ja) 基板搬送方法、露光装置及び露光方法
JP5031186B2 (ja) 基板処理方法、基板処理システム及び基板処理プログラム
US7430037B2 (en) Reticle cassette and exposure apparatus using reticle cassette
US6573979B2 (en) Cleaning method for use in exposure apparatus
JP2020013823A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2006229122A (ja) チャック表面の異物除去方法、容器、及びテーブル
JP2006005318A (ja) 基板搬送装置および露光装置
JP2010147294A (ja) 基板保持方法及び基板保持装置、それを用いた露光装置及びデバイスの製造方法
JP4316445B2 (ja) 基板搬送装置および基板搬送方法、並びにそれらの利用
JP2006005240A (ja) 基板搬送装置、基板搬送方法および露光装置
JP3167089B2 (ja) 露光装置及び方法
JP2010186996A (ja) リソグラフィー装置、及びそれを用いたデバイスの製造方法
JP2002158277A (ja) 基板ホルダ、基板搬送アーム、露光装置及び基板露光処理装置
JP2001343755A (ja) 静電チャック保護方法及びデバイス製造方法
JPH08316284A (ja) フォトマスクの搬送装置
JPH10326767A (ja) 処理装置および処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002