JP2004299814A - 除電された絶縁体基板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

除電された絶縁体基板の製造方法及び製造装置 Download PDF

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仁 稲葉
Tadahiro Omi
忠弘 大見
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Abstract

【課題】ガラス基板などの絶縁体基板Gが載置台やロボットアーム,ローラ等の支持手段11から離脱する際に,今まで支持手段11と接触していた側の絶縁体基板Gの表面に偏って発生する静電荷を効率良く除電する。
【解決手段】任意の支持手段11に支持されていた絶縁体基板Gを,支持手段11から離脱させる際に,支持手段11と接触していた側の絶縁体基板Gの表面から垂直方向に離れた位置より,支持手段11と接触していた側の絶縁体基板Gの表面近傍に向けて,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,除電された例えばガラス基板などの如き絶縁体基板を製造する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,ノートブック型のパソコンあるいは液晶テレビの普及とともに,TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス液晶ディスプレイ(AM−LCD)の量産技術の確立が要求されている。AM−LCD製造工程は,ガラス基板上にアモルファスシリコン,絶縁体,導電体などの各種薄膜を堆積しパターン加工してTFTや液晶駆動用の表示電極や配線を形成するTFT工程,TFT基板とカラーフィルタ(CF)基板とを位置合わせして重ね隙間に液晶を注入するパネル工程,パネル周辺に駆動回路ICを接続しバックライトなどを実装するモジュール工程などからなる。また,これらの各工程において,ガラス基板を載置,搬送させる真空チャック,搬送のためのローラ,ロボットアーム等が用いられる。このような工程は,液晶ディスプレイのみならず,有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなど,フラットパネルディスプレイの製造工程にて同様に用いられている。
【0003】
ところで,LCDの量産を押し進めるためには,静電気対策が,類似の製造工程を有するLSI製造の場合よりも,遥かに重要で,歩留まり確保のための最大の問題点である。すなわち,LCDの基板材料は絶縁性のガラスであるため,LSIの基板材料であるシリコン単結晶(半導体)と比べて,静電気による帯電が遥かに生じやすく,パーティクルの吸着や,金属配線,導電膜などといった堆積膜の絶縁破壊を招きやすいからである。
【0004】
そこで従来より,真空チャックやロボットアーム等にガラス基板を授受させる際や,ローラ搬送する際に,絶縁体基板に発生する静電荷の中和が行われている。中和手段としては,特許第3184676号の如き,高電圧が印加された放電電極でコロナ放電を発生させることで放電電極近傍の空気をイオン化し,生成された正負イオンおよび電子により帯電電荷を中和する,コロナ放電を利用したイオナイザが知られている。また最近では,帯電基板に軟X線を照射して帯電基板の周囲雰囲気を電離・イオン化し,帯電を中和する方法も知られている。例えば特開2001−211044号には,設置台に置かれたウェハの上面に,軟X線を照射する手段が示されている。また,特許第2749202号には,軟X線照射によってイオン化させた空気を基板に供給する手段が示されている。更に,特開2001−319916号には,基板の上下両面に,軟X線を照射してイオン化したガスをエアーナイフによって吹付ける手段が示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3184676号公報
【特許文献2】特開2001−211044号公報
【特許文献3】特許第2749202号
【特許文献4】特開2001−319916号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,先ずコロナ放電によるイオナイザでは,イオンの生成が放電電極の先端近傍でしか行われないから,帯電基板にイオンを運ぶ気流が必要となる。通常,LCD製造は,塵埃の速やかな排除のためにダウンフロー下で行われるので,イオナイザは帯電基板の上方にしか設置できない。このため,基板表面(上面)しか電荷の中和ができない。
【0007】
ここで,自らイオン風を吹き付けるイオナイザを用いることにより,基板の裏面に向けて斜め下方からイオン風を吹き付けることで,原理上は裏面の電荷中和も可能である。しかし,LCD製造の清浄度を維持すべく形成されている清浄空気の下降気流と逆向きにイオナイザから気流を供給したのでは,基板周辺に滞留あるいは蓄積されている塵埃を舞い上げると共に,内部で発生した塵埃の装置外への速やかな排除ができなくなる。つまり,清浄度レベルを大幅に悪化させ静電気障害以上に大きな問題である粒子汚染を引き起こすことになることから,事実上このような使用はできない。また,イオナイザを用いた場合,イオナイザでせっかく発生させたイオンが基板に搬送される過程で激減してしまうため高い電荷中和性能は得られない。
【0008】
また,軟X線照射で帯電を中和する従来の方法は,いずれの場合も,設置台に置かれた基板の上面のみ,もしくは,基板の上下両面に軟X線を照射するか,あるいは,軟X線照射によってイオン化した空気を供給する方法である。
【0009】
しかし,設置台に基板を置た場合,基板を載置台上から持ち上げて離脱する際に発生する静電荷が最も問題となる。しかも,静電荷が発生するのは,載置台上面と接していた側の基板の表面,つまり基板の裏面側(下面側)である。ところが,ガラス基板などの絶縁体基板にあっては,このように基板の裏面側が帯電した状態でその上面に軟X線を照射した場合,基板の裏面側の帯電を除去することができないばかりか,基板の表面側(上面側)が裏面側と反対の極性に帯電してしまう。その結果,絶縁体基板の表裏面間に強い電界が生じ,基板面に形成された金属回路や導電膜などが絶縁破壊される危険性が生ずる。そのような問題は,基板の上下両面を同時に除電した場合についても,同様に懸念されることである。このように,ガラス基板などの絶縁体基板を除電する場合は,ウェハなどの導電性基板を除電する場合と異なる独特の問題がある。
【0010】
加えて,軟X線照射によってイオン化させた空気をダウンフローやエアーナイフなどの気流によって基板に供給する方法では,軟X線照射によってせっかく発生させたイオンが基板に搬送される過程で激減してしまうという,イオナイザと同様の問題がある。
【0011】
本発明の目的は,ガラス基板などの絶縁体基板が載置台やロボットアーム,ローラ等の支持手段から離脱する際に,絶縁体基板の下面などに偏って発生する静電荷を効率良く除電することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため,本発明によれば,任意の支持手段に下面を支持されていた絶縁体基板を,支持手段から離脱させる際に,絶縁体基板の下方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射して,絶縁体基板の下面近傍の雰囲気をイオン化させることを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造方法が提供される。前記支持手段は,例えば,絶縁体基板を載せて支持する載置台もしくはロボットアームであり,絶縁体基板を載置台もしくはロボットアームから相対的に上方に持ち上げて離脱させる際に,絶縁体基板の下方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。また,前記支持手段は,例えば,絶縁体基板を載せて回転することにより絶縁体基板を搬送する複数のローラであり,搬送に伴って各ローラから絶縁体基板が離脱する際に,絶縁体基板の下方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。
【0013】
また,本発明によれば,任意の支持手段に上面を支持されていた絶縁体基板を,支持手段から離脱させる際に,絶縁体基板の上方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射して,絶縁体基板の上面近傍の雰囲気をイオン化させることを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造方法が提供される。前記支持手段は,例えば,絶縁体基板の上面を吸着して支持する吸着ロボットアームであり,絶縁体基板を吸着ロボットアームから離脱させる際に,絶縁体基板の上方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。
【0014】
これら除電された絶縁体基板の製造方法において,軟X線源のターゲット電流Q(μA),照射時間T(秒),絶縁体基板の電位V(kV),絶縁体基板の周辺接地導体部材間との平均静電容量をC(pF/m),絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さをH(cm)をパラメータとして軟X線の照射条件を定めるようにしても良い。
【0015】
また,本発明によれば,絶縁体基板を載せて支持する任意の支持手段と,この支持手段に載せられていた絶縁体基板を,支持手段から上方に押し上げて離脱させる押上げピンを備え,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する軟X線源を,支持手段から上方に押し上げられた絶縁体基板よりも下方に配置し,これら支持手段,押上げピン及び軟X線源を,軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなるケーシングの中に収納したことを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造装置が提供される。
【0016】
また,本発明によれば,絶縁体基板を載せて回転することにより絶縁体基板を搬送する複数のローラを備え,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する軟X線源を,ローラに載せられて搬送される絶縁体基板よりも下方に配置し,これら複数のローラ及び軟X線源を,軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなるケーシングの中に収納したことを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造装置が提供される。
【0017】
本発明にあっては,載置台やロボットアーム,ローラなどといった支持手段から絶縁体基板が離脱する際に,絶縁体基板の帯電面の側にのみ軟X線を照射し,帯電面と反対となる面に対しては,軟X線を照射しない。つまり,載置台やローラなどによって絶縁体基板の下面を支持している場合には,それらから離脱する際に絶縁体基板の下面側にのみ軟X線が照射されるようにする。また,吸着ロボットアームなどによって絶縁体基板の上面を支持している場合には,それらから離脱する際に絶縁体基板の上面側にのみ軟X線が照射されるようにする。なお,絶縁体基板の帯電面に対して軟X線を照射する軟X線源は,軟X線を照射する時に絶縁体基板の下方もしくは絶縁体基板の上方にあれば良く,除電を行う際に,帯電面となる絶縁体基板の下面もしくは上面の一方にのみ軟X線を照射できればよい。こうして,帯電面の近傍雰囲気を選択的に電離,イオン化させ,絶縁体基板の離脱時や搬送時に摩擦によって生じた静電荷を絶縁体基板の表面から速やかに除去する。このため,絶縁体基板の上下面間で正負の電荷が対に残留することによる電界の発生を防止でき,金属回路や導電膜の静電破壊を回避できる。また,軟X線を絶縁体基板の下面もしくは上面の近傍に向けて照射することにより,帯電面近傍の空気を直接電離させることができ,イオンを気流に乗せて搬送するイオナイザのようにせっかく発生したイオンが搬送途中で結合・中和し減衰するといった心配も無い。軟X線による電荷中和の長所である「帯電物近傍雰囲気に直接照射することで,生成イオンの消滅を最小限に抑えることができ,電荷の中和速度を飛躍的に高めることができる」という能力を生かすことができ,短時間かつ低エネルギで除電できるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を図面を参考にして説明する。図1〜3に示すように,本発明の第1の実施の形態にかかる除電された絶縁体基板の製造装置1(以下「製造装置1」)は,ケーシング10の内部に,ガラス基板などの絶縁体基板Gを載せて支持する支持手段としての載置台11を備えている。載置台11は導電性の材料で構成されており,アース12されている。
【0019】
この例では,絶縁体基板Gと載置台11は,平面視でいずれも矩形状をなしており,平面視において絶縁体基板Gよりも載置台11の方が面積が大きい。また,載置台11の上面は水平であり,載置台11の中央に絶縁体基板Gを載せて水平に支持するようになっている。
【0020】
載置台11の上面には,複数箇所に孔13が開口している。各孔13は,載置台11の内部に設けられた流路15に連通しており,図示しない吸引手段によって,流路15を通じて各孔13から吸引することにより,載置台11の上に載せた絶縁体基板Gを吸着して保持するようになっている。
【0021】
また,載置台11を上下に貫通する貫通孔16が少なくとも3ヶ所に設けられており,各貫通孔16の内部には,昇降自在な押上げピン17がそれぞれ挿入された状態になっている。各押上げピン17は,図示しない昇降機構の稼動によって,一緒に昇降させられ,図2に示すように,各押上げピン17の上端が載置台11の上面よりも下方に引込んだ状態と,図3に示すように,各押上げピン17の上端が載置台11の上面よりも上方に突出し,絶縁体基板Gを載置台11の上方に持ち上げた状態にされる。
【0022】
載置台11の側方には,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する軟X線源としての軟X線ランプ20が設けてある。図示の例では,矩形状をなす載置台11の対角線方向に向き合うように,一対の軟X線ランプ20が設けてあり,平面視では,図1に示すように,これら一対の軟X線ランプ20から載置台11のほぼ中央に向って軟X線を照射するように設定されている。また,各軟X線ランプ20は,押上げピン17の上昇によって載置台11の上方に持ち上げられた絶縁体基板Gの下面よりも低い位置に配置されており,側面視において,図3に示すように,押上げピン17によって上方に持ち上げられた絶縁体基板Gの下面近傍に向って平行もしくは水平よりも上向きに軟X線を照射するように設定されている。
【0023】
これら載置台11,押上げピン17及び軟X線ランプ20は,ケーシング10の中に収納されている。ケーシング10は,軟X線ランプ20から照射される波長域が1〜100オングストロームの軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなり,この実施の形態では,ケーシング10の素材は,厚さ0.5mm以上の硬質塩ビ系素材,厚さ0.1mm以上の金属素材,厚さ0.2mm以上のガラス素材のいずれかで構成されている。
【0024】
さて,以上のように構成された本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置1にあっては,載置台11の上に置かれた絶縁体基板Gに対し,任意の処理工程などを終了後,製造装置1から絶縁体基板Gを搬出するために,押上げピン17が上昇し,絶縁体基板Gを載置台11の上方に持ち上げた状態にする。このように絶縁体基板Gが載置台11上から持ち上げて離脱する際には,静電荷が発生する。
【0025】
そこで,絶縁体基板Gを載置台11上から離脱して持ち上げられた際に,今まで載置台11と接触していた側の絶縁体基板Gの表面近傍,即ち,絶縁体基板Gの下面近傍に向け,軟X線ランプ20から波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。これにより,絶縁体基板Gの下面近傍の雰囲気をイオン化させ,絶縁体基板Gの離脱時に摩擦よって生じた静電荷を絶縁体基板Gの下面から速やかに除去することができる。この場合,軟X線の照射によって,絶縁体基板Gの下面近傍の空気を直接電離させることができ,従来のイオナイザのようなイオンの減衰といった心配も無い。軟X線による電荷中和法の長所である「帯電物近傍雰囲気に直接照射することで,生成イオンの消滅を最小限に抑えることができ,電荷の中和速度を飛躍的に高めることができる」という能力を生かすことができ,短時間かつ低エネルギで除電できるようになる。
【0026】
また,このように波長域が1〜100オングストロームの軟X線を絶縁体基板Gの下面近傍に照射するに際しては,図3に示したように,軟X線ランプ20が押上げピン17で持ち上げられた絶縁体基板Gの下面よりも低く配置され,かつ,軟X線ランプ20からは平行もしくは水平よりも上向きに軟X線が照射されることにより,絶縁体基板Gの下面近傍には,軟X線が水平よりも上向きに指向した状態で照射される。このため,軟X線ランプ20から照射された軟X線は,そのほとんどが絶縁体基板Gの下面近傍に到達することとなる。また,仮に載置台11と接触していなかった側の絶縁体基板Gの表面を越えた位置に,即ち,絶縁体基板Gの上面よりも更に上方の位置に,軟X線ランプ20から照射された軟X線が漏れ出たとしても,絶縁体基板Gが邪魔となることにより,絶縁体基板Gの上面近傍には,軟X線がほとんど到達することが無い。
【0027】
このように,この実施の形態の製造装置1によれば,絶縁体基板Gを載置台11上から離脱させた際に,今まで載置台11と接触していた側となる絶縁体基板Gの下面近傍にだけ軟X線を照射し,載置台11と接触していなかった絶縁体基板Gの上面近傍に対しては,軟X線を照射しないことにより,絶縁体基板Gの下面近傍においてのみ雰囲気を選択的にイオン化させ,中和を施すことができる。このため,載置台11と接触していなかった絶縁体基板Gの上面が絶縁体基板Gの下面と反対の極性に帯電するといった事態を回避でき,絶縁体基板Gの上下両面間で正負の電荷が対に残留することによる電界の発生を防止できるようになる。
【0028】
また,この実施の形態の製造装置1は,載置台11,押上げピン17及び軟X線ランプ20が,軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなるケーシング10の中に収納されているので,軟X線がケーシング10の外部に漏れ出ることが無く,製造装置1を扱う作業者の安全が確保される。
【0029】
なお,図1で説明したように軟X線源としての軟X線ランプ20を,矩形状をなす絶縁体基板Gの対角線方向に向き合うように,対をなして2台設置する場合,軟X線ランプ20が対抗配置されている対角線と交差する対角線方向にある絶縁体基板Gの角部G’が軟X線ランプ20から最も遠くなるので,各軟X線ランプ20から絶縁体基板Gまで最遠照射距離は,これら角部G’にまで軟X線を照射できるように設定すれば良い。そのためには,例えば,軟X線ランプ20のターゲット電流Q(μA),軟X線の照射時間T(秒),絶縁体基板Gの電位V(kV),絶縁体基板Gの周辺接地導体部材間との平均静電容量(絶縁体基板Gと載置台11の平均静電容量)をC(pF/m),絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さH(cm)とした時に,絶縁体基板Gまで最遠照射距離(各軟X線ランプ20から角部G’までの照射距離)が次の関係を満足するように,軟X線の照射条件を定めると良い。
押上げピン17で持ち上げられた際に絶縁体基板Gの下面近傍に形成される軟X線の照射空間の平均厚さHが5cm以上の時;
軟X線ランプ20から角部G’までの照射距離(m)<(Q/0.25)0.33÷V0.33×(T/5)0.33/(C/200)0.33
押上げピン17で持ち上げられた際に絶縁体基板Gの下面近傍に形成される軟X線の照射空間の平均厚さHが5cm未満の時;
軟X線ランプ20から角部G’までの照射距離(m)<(Q/1.25×H)0.33÷V0.33×(T/5)0.33/(C/200)0.33
【0030】
ここで,ターゲット電流Qとは,軟X線源である軟X線ランプ20から軟X線を発生させる際に必要な励起電流をいう。また,絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さH(cm)とは,絶縁体基板Gの除電側,即ちこの例でいえば絶縁体基板Gの下面側近傍に軟X線が照射されて,その雰囲気中に生成されたイオンが絶縁体基板Gの帯電面である下面の除電に機能する空間の絶縁体基板Gの帯電面(下面)からの距離をいう。
【0031】
次に,本発明の別の実施の形態を図面を参考にして説明する。図4,5に示すように,本発明の第2の実施の形態にかかる除電された絶縁基板の製造装置2(以下「製造装置2」)は,ケーシング本体30の内部に,ガラス基板などの絶縁体基板Gを載せて回転することにより絶縁体基板Gを搬送する複数のローラ31を備えている。
【0032】
この製造装置2は,図4,5中において,左半分が絶縁体基板Gの搬入位置32に構成され,右半分が絶縁体基板Gの搬出位置33に構成されている。各ローラ31は,これら搬入位置32と搬出位置33の間に渡って水平方向に並べて並列に配置されており,ローラ31の上に載せた絶縁体基板Gを,水平の姿勢を保ちながら,図4,5中において右向きに,搬入位置32から搬出位置33に向って搬送するようになっている。
【0033】
搬出位置33には,ローラ31の隙間を通って昇降する少なくとも3本の押上げピン34が配置されている。各押上げピン34は,図示しない昇降機構の稼動によって,一緒に昇降させられ,図5中の実線34で示したように,各押上げピン34の上端がローラ31の上面よりも下方に引込んだ状態と,図5中の二点鎖線34’で示したように,各押上げピン34の上端がローラ31の上面よりも上方に突出し,絶縁体基板Gをローラ31の上方に持ち上げた状態にされるようになっている。
【0034】
ケーシング本体30の側面には,搬入位置32に対応する窓35と,搬出位置33に対応する窓36が設けてある。これら窓35,36は,いずれも波長域が1〜100オングストロームの軟X線に対する透過能が1/10以上の材質からなる。これら窓35,36の材質としては,例えば厚さ0.01mm以上のポリイミド系素材,シクロオレフィン樹脂,アクリル系素材,ポリプロピレン,フッ素樹脂,ポリエチレン樹脂などが例示される。
【0035】
各窓35,36の外側には,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する軟X線源としての軟X線ランプ37,38が設けてある。この静電荷中和装置2では,軟X線の照射範囲をより広くするために,軟X線ランプ37,38を,それぞれケーシング本体30の外側に配置し,軟X線に透過な窓35,36を介してケーシング本体30内部に軟X線を照射するように構成している。
【0036】
平面視では,図4に示すように,窓35の外側に配置された軟X線ランプ37は,窓35を通じて,搬入位置32にある絶縁体基板Gに向って側方から軟X線を照射するように配置されている。また,窓36の外側に配置された軟X線ランプ38は,窓36を通じて,搬出位置33にある絶縁体基板Gに向って軟X線を照射するように配置されている。一方,図5に示すように,窓35の外側に配置された軟X線ランプ37は,ローラ31に載せられて搬送される絶縁体基板Gの下面よりも低い位置に配置されており,側面視において,ローラ31に載せられて搬送される絶縁体基板Gの下面近傍に向って平行もしくは水平よりも上向きに,窓35を通じて軟X線を照射するように設定されている。また,窓36の外側に配置された軟X線ランプ38は,搬出位置33において押上げピン34によってローラ31の上方に持ち上げられた絶縁体基板Gの下面より低く配置されており,側面視において,押上げピン34によって上方に持ち上げられた絶縁体基板Gの下面近傍に向って平行もしくは水平よりも上向きに,窓36を通じて軟X線を照射するように設定されている。
【0037】
ローラ31及び押上げピン34は,ケーシング本体30の中に収納されている。また,搬入位置32の絶縁体基板Gに向って軟X線を照射する軟X線ランプ37は,窓35を除く面を,ランプケーシング40によって覆われている。同様に,搬出位置33の絶縁体基板Gに向って軟X線を照射する軟X線ランプ38は,窓36を除く面を,ランプケーシング41によって覆われている。このように,ローラ31及び押上げピン34,軟X線ランプ37,38は,ケーシング本体30及びランプケーシング40で構成されるケーシングの中に収納されている。ケーシングを構成しているケーシング本体30及びランプケーシング40は,軟X線ランプ37,38から照射される波長域が1〜100オングストロームの軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなり,この実施の形態では,ケーシング本体30及びランプケーシング40の素材は,厚さ0.5mm以上の硬質塩ビ系素材,厚さ0.1mm以上の金属素材,厚さ0.2mm以上のガラス素材のいずれかで構成されている。
【0038】
さて,以上のように構成された本発明の第2の実施の形態にかかる製造装置2にあっては,搬入位置32においてローラ31の上に載せた絶縁体基板Gは,水平な姿勢を保ちながら,ローラ31の回転によって図4,5中において右向きに移動し,搬入位置32から搬出位置33に向って搬送される。そして,このように絶縁体基板Gが搬送される際には,絶縁体基板Gは複数のローラ31の間を順次受け渡されて行くこととなり,それに伴って,各ローラ31から絶縁体基板Gが離脱する毎に静電荷が発生する。
【0039】
そこで,絶縁体基板Gを搬送している間,各ローラ31から離脱を繰り返すこととなる絶縁体基板Gの表面近傍,即ち,絶縁体基板Gの下面近傍に向け,軟X線ランプ37から波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。これにより,絶縁体基板Gの下面近傍の雰囲気をイオン化させ,絶縁体基板Gが各ローラ31から離脱する際に摩擦よって生じる静電荷を,絶縁体基板Gの下面から速やかに除去することができる。この場合も同様に,軟X線の照射によって絶縁体基板Gの下面近傍の空気を直接電離させることにより,イオナイザのようなイオンの減衰といった心配も無く,軟X線による電荷中和法の長所を享受できる。
【0040】
また,このようにローラ31に載せられて搬送される絶縁体基板Gの下面近傍に軟X線を照射するに際しては,図5に示したように,軟X線ランプ37が絶縁体基板Gの下面よりも低い位置に配置されており,かつ,軟X線ランプ37からは平行もしくは水平よりも上向きに軟X線が照射されることにより,絶縁体基板Gの下面近傍には,軟X線が水平よりも上向きに指向した状態で照射される。このため,軟X線ランプ37から照射された軟X線は,そのほとんどが絶縁体基板Gの下面近傍に到達することとなる。また,ローラ31と接触していなかった側の絶縁体基板Gの表面を越えた位置に,即ち,絶縁体基板Gの上面よりも更に上方の位置に,仮に軟X線ランプ37から照射された軟X線が漏れ出たとしても,絶縁体基板Gが邪魔となるので,絶縁体基板Gの上面近傍には,軟X線がほとんど到達することが無い。このため,先に説明した本発明の第1の実施の形態と同様に,ローラ31との離脱を繰り返すことによって静電荷が発生する絶縁体基板Gの下面近傍にだけ軟X線を照射し,ローラ31と接触していなかった絶縁体基板Gの上面近傍に対しては,軟X線を照射せず,絶縁体基板Gの下面近傍においてのみ雰囲気を選択的にイオン化させ,中和を施すことができる。これにより,絶縁体基板Gの上下両面間で正負の電荷が対に残留することによる電界の発生を防止できるようになる。
【0041】
そして,この製造装置2において,絶縁体基板Gが搬出位置33まで搬送されると,ローラ31の回転が停止し,絶縁体基板Gは搬出位置33に一旦停止する。この場合,ローラ31の回転停止と同時に軟X線ランプ37からの軟X線照射を停止させても良い。
【0042】
そして,搬出位置33に停止した絶縁体基板Gを,静電荷中和装置2から搬出等するために,押上げピン34が上昇し,搬出位置33において,絶縁体基板Gをローラ31の上方に持ち上げた状態にする。このように絶縁体基板Gがローラ31上から持ち上げられて離脱する際にも,静電荷が発生する。
【0043】
そこで,搬出位置33において,絶縁体基板Gをローラ31上から離脱させる際には,今までローラ31と接触していた側の絶縁体基板Gの表面近傍,即ち,絶縁体基板Gの下面近傍に向け,軟X線ランプ38から波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する。これにより,絶縁体基板Gの下面近傍の雰囲気をイオン化させ,絶縁体基板Gがローラ31から離脱する際に摩擦よって生じる静電荷を,絶縁体基板Gの下面から速やかに除去することができる。この場合も同様に,軟X線の照射によって絶縁体基板Gの下面近傍の空気を直接電離させることにより,イオナイザのようなイオンの減衰といった心配も無く,軟X線による電荷中和法の長所を享受できる。
【0044】
また,このように波長域が1〜100オングストロームの軟X線を絶縁体基板Gの下面近傍に照射するに際しては,図5に示したように,軟X線ランプ38が押上げピン34で持ち上げられた絶縁体基板Gの下面よりも配置され,かつ,軟X線ランプ38からは平行もしくは水平よりも上向きに軟X線が照射されることにより,絶縁体基板Gの下面近傍には,軟X線が水平よりも上向きに指向した状態で照射される。このため,軟X線ランプ38から照射された軟X線は,そのほとんどが絶縁体基板Gの下面近傍に到達することとなる。また,仮に軟X線ランプ38から照射された軟X線が,絶縁体基板Gの上面よりも更に上方の位置に漏れ出たとしても,絶縁体基板Gが邪魔となるので,絶縁体基板Gの上面近傍には,軟X線がほとんど到達することが無い。このため,先に説明した本発明の第1の実施の形態と同様に,ローラ31との離脱を行うことによって静電荷が発生する絶縁体基板Gの下面近傍にだけ軟X線を照射し,絶縁体基板Gの上面近傍に対しては,軟X線を照射せず,絶縁体基板Gの下面近傍においてのみ雰囲気を選択的にイオン化させ,中和を施すことができる。これにより,絶縁体基板Gの上下両面間で正負の電荷が対に残留することによる電界の発生を防止できるようになる。
【0045】
また,この実施の形態の製造装置2にあっても,ローラ31及び押上げピン34,軟X線ランプ37,38は,いずれも軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなるケーシング本体30及びランプケーシング40で構成されるケーシングの中に収納されているので,軟X線がケーシング(ケーシング本体30及びランプケーシング40)の外部に漏れ出ることが無く,静電荷中和装置2を扱う作業者の安全が確保される。
【0046】
なお,図4で説明したように,軟X線源としての軟X線ランプ37,38を,搬入位置32と搬出位置33にそれぞれ1台ずつ設置した場合は,各軟X線ランプ37,38が配置されている位置と反対側となる絶縁体基板Gの角部G”が軟X線ランプ37,38からそれぞれ最も遠くなるので,各軟X線ランプ37,38から絶縁体基板Gまで最遠照射距離は,これら角部G”にまで軟X線を照射できるように設定すれば良い。そのためには,例えば,各軟X線ランプ37,38のターゲット電流Q(μA),軟X線の照射時間T(秒),絶縁体基板Gの電位V(kV),絶縁体基板Gの周辺接地導体部材間との平均静電容量(絶縁体基板Gと載置台11の平均静電容量)をC(pF/m),絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さをH(cm)とした時に,絶縁体基板Gまで最遠照射距離(各軟X線ランプ37,38から角部G”までの照射距離)が次の関係を満足するように,軟X線の照射条件を定めると良い。
搬入位置32においてローラ31上に載せた絶縁体基板Gの下面近傍に形成される軟X線の照射空間の平均厚さHが5cm以上の時,もしくは,搬出位置33において押上げピン34で持ち上げられた際に絶縁体基板Gの下面近傍に形成される軟X線の照射空間の平均厚さHが5cm以上の時;
各軟X線ランプ37,38から角部G”までの照射距離(m)<(Q/0.5)0.33÷V0.33×(T/5)0.33/(C/200)0.33
搬入位置32においてローラ31上に載せた絶縁体基板Gの下面近傍に形成される軟X線の照射空間の平均厚さが5cm未満の時,もしくは,搬出位置33において押上げピン34で持ち上げられた際に絶縁体基板Gの下面近傍に形成される軟X線の照射空間の平均厚さが5cm未満の時;
各軟X線ランプ37,38から角部G”までの照射距離(m)<(Q/2.5×H)0.33÷V0.33×(T/5)0.33/(C/200)0.33
(なお,ターゲット電流Q,絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さH(cm)等の定義は,先と同様である。)
【0047】
以上,本発明の好ましい実施の形態を例示したが,本発明は以上に説明した形態に限定されない。例えば,図1〜3で説明した製造装置1のように絶縁体基板Gを吸着して保持する載置台11は,絶縁体基板Gを静置させる場合に限られず,絶縁体基板Gを吸着したまま載置台11ごと移動して,絶縁体基板Gを搬送するように構成しても良い。また,絶縁体基板Gを支持あるいは搬送する支持手段として,図6,7に示す如き,ロボットアーム40についても,本発明は適用できる。このようなロボットアーム40の上から絶縁体基板Gを持ち上げて離脱させる場合にも,絶縁体基板Gの下面近傍に向けて軟X線を照射することにより,絶縁体基板Gの上下両面間で正負の電荷を対に残留させることなく,絶縁体基板Gの下面の静電荷を中和することができる。
【0048】
また,絶縁体基板Gを支持あるいは搬送する支持手段として,図8,9に示す如き,絶縁体基板Gの表面を吸着して支持する吸盤45を備えた吸着ロボットアーム45についても,本発明は適用できる。このような吸着ロボットアーム45を用いた場合は,絶縁体基板Gを上に載せるだけではなく,図8,9に示すように,吸着ロボットアーム45によって絶縁体基板Gの上面を吸着保持し,搬送することも可能である。そして,このように絶縁体基板Gの上面を吸着保持した場合は,絶縁体基板Gを吸着ロボットアーム45から離脱させる場合に,吸着ロボットアーム45で吸着されていた側の絶縁体基板Gの表面である絶縁体基板Gの上面よりも上方の位置から,絶縁体基板Gの上面近傍に向けて,軟X線を照射すれば良い。そうすれば,図1〜3で説明した製造装置1などと同様に,絶縁体基板Gの上下両面間で正負の電荷を対に残留させることなく,絶縁体基板Gの上面の静電荷を中和することができる。
【0049】
その他,図示はしないが,絶縁体基板Gを適当な保持手段の上方に浮上させて非接触で支持もしくは搬送するような場合にも,本発明は適用できると考える。本発明における支持手段には,液晶ディスプレイ製造における成膜工程,ドライエッチング工程,フォトリソ工程,配向膜形成工程,スペーサ散布工程,貼り合わせ工程,カッティング工程,偏向板貼り付け工程,各種検査工程,保管用ストッカーでの搬出入工程,各工程間の搬送工程等で使用される,絶縁体基板Gを保持もしくは搬送させる各種保持手段が含まれる。
【0050】
いずれの場合も,載置台11,ローラ31,ロボットアーム40,吸着ロボットアーム45などの保持手段から,絶縁体基板Gが離脱する際に静電荷が発生する。従って,絶縁体基板Gの帯電面近傍へに対する軟X線の照射時間は,絶縁体基板Gが保持手段から離脱した直後,もしくは離脱した後に行う。軟X線の照射有効時間は1μsec以上であることが好ましい。
【0051】
また,例えば図1〜3で説明した本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置1においてケーシング10内を圧力1〜1000Torrの空気あるいは窒素ガスとし,あるいは,図4,5で説明した本発明の第2の実施の形態にかかる製造装置2において,ケーシング本体30内を圧力1〜1000Torrの空気あるいは窒素ガスとすることにより,絶縁体基板Gの周辺雰囲気を圧力1〜1000Torrの不活性雰囲気に保つことが好ましい。
【0052】
なお,以上のように軟X線の照射によって静電除去を行う場合,絶縁体基板Gに金属配線や導電膜が形成されている場合とそうでない場合とで,静電荷の中和方法を異ならしめることも可能である。例えば,金属配線や導電膜が形成されている絶縁体基板Gについては,静電気障害をより完全に防止するために,本発明に従って静電荷の中和を行い,一方,金属配線や導電膜が形成されていない絶縁体基板Gについては,従来公知の方法によって静電荷の中和を行うようにしても良い。
【0053】
例えば搬送用のロボットアームに絶縁体基板Gを載せて搬送し,絶縁体基板Gを所定の基板静置場所に複数枚積層して順次置いていく場合,各絶縁体基板Gを基板静置場所に置く段階で確実に電荷の中和を行うと良い。つまり,絶縁体基板Gは上から順番に基板静置場所に入れていき,その際に,軟X線を基板静置場所において下方より基板下面に向けて照射する。絶縁体基板Gの帯電はロボットアームからの離脱時に基板下面側に生じることから,下方から直接周辺空気に照射することで通常1秒以下で発生電荷の中和は完了する。次の絶縁体基板Gが運び込まれると,その絶縁体基板Gによって軟X線は遮蔽され,上の絶縁体基板Gには軟X線は照射されなくなり,電荷の中和は停止するが,それまでに中和は完了しているため何ら問題ない。全ての絶縁体基板Gが基板静置場所が運び込まれ,次の処理が始まる前には,全ての絶縁体基板Gの除電は完了しており,次の処理を行う際に除電する必要は全くなくなる。次に,所定の処理完了後,搬出される際に,新たな帯電が生じるが,これに関しても搬入時と同様の方法で短時間での除電ができる。つまり,最下部の絶縁体基板Gから順番に搬出し,搬出の際に軟X線を下方より基板下面に向けて照射することで,全ての絶縁体基板Gに対して直接帯電面近傍の空気に軟X線を照射できることから,帯電電荷は完全に中和できる。このように,本発明を実施することにより,絶縁体基板Gの帯電面側から短時間での電荷の中和が可能であり,かつ帯電面側からの中和であることから,絶縁体基板Gを挟んで表裏に正負の電荷が残留するという従来の課題も解決できる。
本発明によって静電荷を中和されて製造される除電された絶縁体基板Gは,液晶ディスプレイのみならず,有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなど,フラットパネルディスプレイの製造などに用いられる絶縁体基板を広く含む概念である。そのような製造工程において,除電されるべき絶縁体基板は,大型ガラス基板,大型樹脂基板等,透明で絶縁性のある基板である場合が多い。本発明は,ガラス基板,樹脂基板等,絶縁性のある基板に対して広く適用される。
本発明の「除電された絶縁体基板の製造方法」は,「絶縁体基板の静電荷中和方法」としても適用することができ,また,本発明の「除電された絶縁体基板の製造装置」は,「絶縁体基板の静電荷中和装置」としても適用することができる。その場合,実施の形態で説明した除電された絶縁体基板の製造装置1,2は,絶縁体基板の静電荷中和装置1,2と読みかえればよい。
【0054】
【実施例】
(実施例1)
先ず,軟X線ランプ20のターゲット電流Qを150μA,照射時間Tを0.2秒,絶縁体基板Gの初期電位Vを10kV(このVの値は,これまでの経験より予測した),絶縁体基板Gと周辺接地導体部材(即ち,載置台11)との間の平均静電容量Cを225pF/m(このCの値は,机上で計算した),絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さHを4cmとし,これらをパラメータとして,基板電位を初期電位の1/10まで除電するために必要な絶縁体基板Gまで最遠照射距離を演算したところ,次のようになった。
軟X線源としての軟X線ランプを1台設置して除電を行う場合の最遠照射距離=0.9m
軟X線源としての軟X線ランプを2台設置して除電を行う場合の最遠照射距離=1.5m
【0055】
そして,図1〜3で説明した本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置1を用いて1mの液晶用ガラス基板からなる絶縁体基板Gの除電を行った。この実施例1の製造装置1では,先に説明したように,絶縁体基板Gの対角線方向に向き合うように2台の軟X線ランプ20を設置している。よって,各軟X線ランプ20の最遠照射距離は,1.5mである。
【0056】
なお,実施例1では,絶縁体基板Gを吸着(真空チャック)して保持した状態で水平方向に移動可能な載置台11を用い,所定の位置において押上げピン17が上昇し,絶縁体基板Gを載置台11の所定の高さに上方に持ち上げたところで停止させた。この一連の操作において,絶縁体基板Gに静電気が発生するのは載置台11から絶縁体基板Gを上方に離脱させる際に,絶縁体基板Gの下面においてである。
【0057】
実施例1の製造装置1では,絶縁体基板Gが載置台11ステージから持ち上げられ,絶縁体基板G下面が載置台11上面から5cm上昇した時点で0.2秒間,絶縁体基板G下面と載置台11上面との間の雰囲気に軟X線を照射した。絶縁体基板Gの各測定位置G1,G2,G3,G4,G5においてそれぞれ電位を測定し,軟X線を照射しない場合と比べて,除電効果を評価した。その結果を表1に示す。なお,電位の各測定位置G1,G2,G3,G4,G5を,図1中に記載した。即ち,測定位置G1は絶縁体基板Gの中央であり,測定位置G2,G3は,軟X線ランプ20に最も近い絶縁体基板Gの各角部であり,測定位置G4,G5は,軟X線ランプ20から最も遠くなる絶縁体基板Gの各角部(G’)である。これら各測定位置G1,G2,G3,G4,G5でのそれぞれの測定電位の平均値で示した。最も除電条件として厳しい測定位置G4,G5において,非照射時に比べて1/17,1/18程度まで除電されており,机上での設計が確度の高いものであることを示している。
【0058】
【表1】
Figure 2004299814
【0059】
(実施例2)
図1〜3で説明した本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置1を用いて液晶用ガラス基板からなる絶縁体基板Gの除電を行った。なお,実施例2では,絶縁体基板Gを吸着(真空チャック)して保持した状態で水平方向に移動可能な載置台11を用い,所定の位置において押上げピン17が上昇し,絶縁体基板Gを載置台11の所定の高さに上方に持ち上げたところで停止させた。この一連の操作において,絶縁体基板Gに静電気が発生するのは載置台11から絶縁体基板Gを上方に離脱させる際に,絶縁体基板Gの下面においてである。
【0060】
実施例2の製造装置1では,絶縁体基板Gが載置台11ステージから持ち上げられ,絶縁体基板G下面と載置台11上面との間の雰囲気に軟X線を照射できる時点になってから照射を1秒間行い,十分に電位を下げるようにした。なお,本発明の実施例では,軟X線照射時において,絶縁体基板Gが軟X線を遮蔽するため,非帯電面である絶縁体基板Gの上面近傍の雰囲気には軟X線は照射されず,絶縁体基板Gの表裏間で正負電荷が対で残留することはない。
【0061】
一方,比較のため,従来法として絶縁体基板Gの中心真上から絶縁体基板Gの上面全体に照射できる位置に軟X線ランプを設置し,軟X線を照射した。
【0062】
絶縁体基板Gとして,金属配線が基板上面側に形成されているものを使用し,軟X線を照射しない場合と,絶縁体基板Gを載置台11上面から離脱させた後,軟X線を基板上面側から1秒照射した場合,及び,本発明の実施例である絶縁体基板Gを載置台11上面から離脱させた後,下面側に1秒間軟X線を照射した場合について,絶縁体基板G全体の電位(基板電位)と,絶縁体基板Gの両面の表面電荷密度を基板中付近においてそれぞれ測定した。評価結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 2004299814
【0064】
軟X線を照射しない場合は,基板電位は11kVにも達した。一方,軟X線を照射した場合は,上方及び下方のいずれの場合も基板電位は0.01kV以下と十分に下がっている。しかし,絶縁体基板Gの両面の表面電荷密度を見ると,基板上方より照射した場合は,載置台11ステージからの離脱時に基板下面に発生した電荷(+0.10nC/cm)はそのまま残留し,上面側に逆極性の電荷(−0.10nC/cm)が軟X線照射により供給されたことが分かる。基板電位を見る限りにおいては,上面からの照射により基板自身の電位は十分下がっていることから,静電気障害のリスクは完全に排除されたかに誤解されるが,これは,非帯電面側に帯電電荷とは逆極性の電荷が同量供給されたことにより下がっただけであり,非中和時と同量の電荷が残存していることには変わりなく,基板内には強い電界が生じるばかりか,金属配線側に導体が接触した場合,金属配線などに蓄積されている電荷が一気に移動することで,微細な金属配線は破壊に至る危険性を有している。これに対して,本発明による実施例2のように基板下面側から軟X線を照射した場合は,基板電位はもちろん,電荷も残留していないことから,載置台11からの離脱時に発生した静電気による障害発生の危険性は完全に排除された。
【0065】
(実施例3)
図4,5で説明した本発明の第2の実施の形態にかかる製造装置2を用いて液晶用ガラス基板からなる絶縁体基板Gの除電を行った。各軟X線ランプ37,38から絶縁体基板Gまで最遠照射距離(軟X線ランプ37から搬入位置32にある絶縁体基板Gの角部G”までの距離,及び,軟X線ランプ38から搬出位置33にある絶縁体基板Gの角部G”までの距離)は,1.2mに設定した。この値は,先に説明した,各軟X線ランプ37,38のターゲット電流Q(μA),軟X線の照射時間T(秒),絶縁体基板Gの電位V(kV),絶縁体基板Gの周辺接地導体部材間との平均静電容量(絶縁体基板Gと載置台11の平均静電容量)をC(pF/m),絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さH(cm)をパラメータとして定められる,絶縁体基板Gまで最遠照射距離(各軟X線ランプ37,38から角部G”までの照射距離)の関係を満足している。
【0066】
絶縁体基板Gの電位は,ローラ31による搬送時に連続的に帯電を生じる搬入位置32と,絶縁体基板Gを上昇させて所定の高さに停止させる搬出位置33の2ヶ所で測定した。搬入位置32では,搬送中の絶縁体基板Gの電位を3秒間測定した。搬出位置33では,絶縁体基板Gをローラ31上から離脱させるまでの2.5秒間と,絶縁体基板Gをローラ31の上方に上昇させきるまでの1秒間,搬送中の絶縁体基板Gの電位を測定した。なお,この実施例3では,基板表裏間の電荷の残留に関しては実施例2と同じ効果が得られるものと判断し,評価を省略した。
【0067】
軟X線非照射時と比較したところ,図10に示すように,非照射時の電位は,搬送時には最大1.7kV程度まで上昇しており,停止後引き上げ開始と共に電位は急激に上昇している。搬送時の緩やかな上昇は繰り返し帯電によるもので,一方,引き上げ時の電位上昇は新たな帯電によるものではなく,単に絶縁体基板Gの静電容量が減少したことによる。次に,軟X線照射時の帯電電位の変化を見ると,ローラ搬送時の電位は非常に低く0.1kV以下,基板停止後はゼロとなっている。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば,ガラス基板などの絶縁体基板が支持手段から離脱する際に,絶縁体基板の下面もしくは上面に偏って発生する静電荷を効率良く除電できる。本発明によれば,帯電面側から中和することで,基板の電位の削減だけでなく,基板内の正負電荷の残留そのものを削減できるから,静電気による絶縁体基板上の金属配線や導電膜への障害を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる製造装置の側面図であり,絶縁体基板を載置台の上方に持ち上げた状態を示している。
【図4】発明の第2の実施の形態にかかる製造装置の平面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる製造装置の側面図である。
【図6】絶縁体基板を載せて支持するロボットアームの平面図である。
【図7】絶縁体基板を載せて支持するロボットアームの側面図である。
【図8】絶縁体基板を吸着して支持する吸着ロボットアームの平面図である。
【図9】絶縁体基板を吸着して支持する吸着ロボットアームの側面図である。
【図10】実施例2における絶縁体基板の電位の変化を,軟X線非照射時と比較して示したグラフである。
【符合の説明】
G 絶縁体基板
1,2 製造装置
10 ケーシング
11 載置台
17,34 押上げピン
20,37,38 軟X線ランプ
30 ケーシング本体
31 ローラ
32 搬入位置
33 搬出位置
35,36 窓
40,41 ランプケーシング

Claims (8)

  1. 任意の支持手段に下面を支持されていた絶縁体基板を,支持手段から離脱させる際に,絶縁体基板の下方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射して,絶縁体基板の下面近傍の雰囲気をイオン化させることを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造方法。
  2. 前記支持手段は,絶縁体基板を載せて支持する載置台もしくはロボットアームであり,絶縁体基板を載置台もしくはロボットアームから相対的に上方に持ち上げて離脱させる際に,絶縁体基板の下方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射することを特徴とする,請求項1に記載の除電された絶縁体基板の製造方法。
  3. 前記支持手段は,絶縁体基板を載せて回転することにより絶縁体基板を搬送する複数のローラであり,搬送に伴って各ローラから絶縁体基板が離脱する際に,絶縁体基板の下方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射することを特徴とすることを特徴とする,請求項1に記載の除電された絶縁体基板の製造方法。
  4. 任意の支持手段に上面を支持されていた絶縁体基板を,支持手段から離脱させる際に,絶縁体基板の上方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射して,絶縁体基板の上面近傍の雰囲気をイオン化させることを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造方法。
  5. 前記支持手段は,絶縁体基板の上面を吸着して支持する吸着ロボットアームであり,絶縁体基板を吸着ロボットアームから離脱させる際に,絶縁体基板の上方からのみ波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射することを特徴とする,請求項4に記載の除電された絶縁体基板の製造方法。
  6. 軟X線源のターゲット電流Q(μA),照射時間T(秒),絶縁体基板の電位V(kV),絶縁体基板の周辺接地導体部材間との平均静電容量をC(pF/m),絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さをH(cm)をパラメータとして軟X線の照射条件を定めることを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5に記載の絶縁体基板の静電荷中和方法。
  7. 絶縁体基板を載せて支持する任意の支持手段と,この支持手段に載せられていた絶縁体基板を,支持手段から上方に押し上げて離脱させる押上げピンを備え,
    波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する軟X線源を,支持手段から上方に押し上げられた絶縁体基板よりも下方に配置し,
    これら支持手段,押上げピン及び軟X線源を,軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなるケーシングの中に収納したことを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造装置。
  8. 絶縁体基板を載せて回転することにより絶縁体基板を搬送する複数のローラを備え,
    波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する軟X線源を,ローラに載せられて搬送される絶縁体基板よりも下方に配置し,
    これら複数のローラ及び軟X線源を,軟X線に対する透過能が1/100以下の素材からなるケーシングの中に収納したことを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造装置。
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