JPWO2010047060A1 - 荷電粒子線装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、試料表裏面に付着した帯電の除去に好適な除電機構を備えた荷電粒子線装置の提供を目的とする。上記目的を達成するために、試料の表面の除電を行うための第1のイオナイザと、試料の裏面の除電を行うための第2のイオナイザを備えた除電機構を提案する。第1と第2のイオナイザは、ミニエンの中に配置され、当該ミニエンのダウンフローに沿って、第1のイオナイザと第2のイオナイザを配列すると共に、当該2つのイオナイザ間を試料が通過するように、試料搬送機構を設置する。
Description
本発明は、荷電粒子線装置に関し、特に試料の搬送を行う際に、除電機構による除電を行った上で、試料を荷電粒子線装置内に搬送する装置に関する。
半導体製造に用いられる試料を測定,検査するための装置として走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)に代表される荷電粒子線装置(荷電粒子顕微鏡)が知られている。このような荷電粒子線を絞って試料に走査する装置では、試料に帯電が付着していると、光学条件調整(例えばフォーカス調整)を適正に行うことが困難となることがある。
昨今の半導体デバイスに用いられる材料の変遷に伴い、半導体の製造工程や試料の搬送経路等において、試料に帯電が付着する例が散見されるようになってきた。このような帯電の存在は、SEM等を用いた試料の測定,検査工程において、フォーカスずれ等の原因となり、スループット低下等の一因となることがある。特許文献1には、SEM等の検査装置に試料を導入する前に、イオナイザによる除電を行い、帯電を除去する機構が説明されている。
特許文献2には、基板を処理する処理部に、基板を搬送する基板搬送ロボットを、フィルタファンユニット(Filter Fan Unit:FFU)のダウンフローが形成される空間に配置すると共に、イオナイザを搬送ロボット上部に設置することで、イオンを効率良く、基板に供給する例が説明されている。
半導体デバイスの中でもフォトマスクは、石英基板上に、回路設計パターンに相当するクロム膜からなる遮光パターンが形成されている。このような試料は、試料表面(上面)のみならず、試料裏面にも帯電が付着することがある。フォトマスク裏面は全面が絶縁体で形成されているため、試料表面よりも大きな帯電が付着することがある。特許文献1の開示によれば、2以上のイオナイザを用いて、試料を除電することについての説明があるものの、2以上のイオナイザを用いて試料の裏面の除電を行うことについては何も説明されていない。
また、特許文献2にも、試料裏面の帯電の除電を行うことについては何も説明されていない。
以下に、特に試料表裏面に付着した帯電の除去に好適な除電機構を備えた荷電粒子線装置について説明する。
試料表裏面に付着した帯電を除去するために、試料の表面の除電を行うための第1のイオナイザと、試料の裏面の除電を行うための第2のイオナイザを備えた除電機構を提案する。第1と第2のイオナイザは、ミニエンの中に配置され、当該ミニエンのダウンフローに沿って、第1のイオナイザと第2のイオナイザを配列すると共に、当該2つのイオナイザ間を試料が通過するように、試料搬送機構を設置する。
以上のような構成によれば、試料の表側に対しては、ミニエンのダウンフローを利用したイオンの試料に対する方向付けが可能となり、更に裏面に対しては、試料がダウンフローに対する遮蔽部材となるため、試料裏面に対するイオンの到達が容易になることから、試料表裏面の除電を高効率に実現することが可能となる。
以下に、半導体製造・検査現場におけるフォトマスクやウェハ上のパターンを測長するための電子顕微鏡について、図面を用いて説明する。主にフォトマスクのパターン測定を行うために、試料室に搬送されるフォトマスクを搬送経路上において、イオナイザによる除電を行いながら、フォトマスクの除電の様子をモニタリングする装置を例にとって説明する。
半導体製造で使用されるフォトマスクやフォトマスクを使用して作製されるウェハは、昨今の高集積化に伴い、形成されるパターンの微細化が進んでいる。これらのパターンを測定するために、パターンの寸法を測定するいわゆるCD−SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)が使用されている。
測定対象となるフォトマスクやウェハは、その製造過程や搬送過程において帯電が付着する場合がある。また、帯電の付着の有無や程度は、試料の保管方法によっても変化する。
このように、製造過程等で付着する帯電は、照射される電子ビームやイオンビームに影響を与えるため、フォーカスずれや倍率変動等の光学条件を変化させ、結果として、測長精度を低下させる一因となる可能性がある。このような試料に付着する帯電を除去するためにイオナイザを用いる手法がある。
以下に、特にフォトマスクを測長するCD−SEMについて図面を用いて説明する。フォトマスクは帯電し易く、帯電した状態でビーム走査を行うとすると、ビーム条件の調整を困難ならしめたり、測定結果に影響を与えることによる精度低下の原因となる可能性がある。
これを解決するための手法として、イオン照射による除電があるが、イオンを発生させている電極の磨耗による異物の発生や、搬送中のフォトマスクを停止させイオン照射を行うため、搬送に相当の時間を要する場合がある。
以下の実施例では、フォトマスクの搬送経路近傍に、イオナイザを設置し、搬送中にイオナイザを用いた除電を行うと共に、フォトマスクの帯電量をモニタすることで、イオナイザからのイオン照射時間を抑制しつつ、帯電を効果的に抑制することが可能な走査電子顕微鏡、及び試料の除電方法を提案する。
〔実施例〕
図1,図2は、半導体デバイス測定,検査用のSEMの概要を説明する図である。特に図1,図2は半導体デバイス測定,検査用SEMの一種である、パターンの寸法測定用のCD−SEM(Critical Dimension−SEM)を例示している。試料観察室3は、観察されるフォトマスク8を電子銃と電子光学系から構成されるカラム2の直下に正確に移動するステージを備えている。カラム2には、フォトマスク8からの二次電子信号を検出する検出器があり、二次電子信号を制御装置に送っている。
〔実施例〕
図1,図2は、半導体デバイス測定,検査用のSEMの概要を説明する図である。特に図1,図2は半導体デバイス測定,検査用SEMの一種である、パターンの寸法測定用のCD−SEM(Critical Dimension−SEM)を例示している。試料観察室3は、観察されるフォトマスク8を電子銃と電子光学系から構成されるカラム2の直下に正確に移動するステージを備えている。カラム2には、フォトマスク8からの二次電子信号を検出する検出器があり、二次電子信号を制御装置に送っている。
試料観察室3の前段には試料を高真空の観察に高速に搬送するために大気から真空状態にするためのロードロック室4があり、試料観察室3および外気とそれぞれゲート弁およびで仕切られている。また、ロードロック室4と試料観察室3には排気装置が接続されており、それぞれの室内を電子線が通過できるのに十分な高真空に保持している。
ロードロック室4にフォトマスク8を搬送する機構はロードポート7とマスクストッカ5,搬送ロボット6を備え、フォトマスク8が搬送される部分は局所的にクリーン度を高める必要があるため、全体をミニエン1と呼ばれる箱状のもので覆っている。ミニエン1の上にはFFU11が備えてあり、FFU11を通してクリーン度の高い空気を外部よりも陽圧状態で供給している。このようなミニエンバイロメントシステムからなる空気清浄機構は、FFUに設けられたフィルタを通して、外部から空気の導入し、その状態を継続することで、内部気圧を外部と比較して相対的に高めるように構成されている。FFUはミニエンの上部に設置されており、FFUから導入された空気は、ダウンフローとなって、下方に移動する。
搬送動作を含めた上記各構成要素は、コンピュータを内蔵した制御部13により制御され、オペレータはマウスやキーボード、表示装置であるLCDディスプレイ画面上のボタンといったユーザーインターフェースを使って搬送動作の指示を出す。
図3,図4にロードロック室4へフォトマスク8を搬送する構成を示す。フォトマスク8はマスクストッカ5より、搬送ロボット6にてロードロック室4へと搬送される。この搬送ロボット6は、フォトマスク8を保持する際にフォトマスク8の表面及び裏面を覆わない構造を有している。
搬送経路に帯電除去装置(以後イオナイザと呼ぶ)9とフォトマスク8の帯電量を確認するために表面電位センサ10を有する。フォトマスク表面及び裏面より除電,帯電量のモニタを行うためにイオナイザ9と表面電位センサ10は搬送軌道の上下に配置されている。
図5にイオナイザ9の概略を示す。イオナイザ9はイオンを生成する電極針12をもつ。電極針12は、被除電物(フォトマスク8)の帯電量に応じて、プラス及びマイナスのイオンを生成し放出する機能をもつ。
図6にイオナイザ9の使用方法の概略図を示す。図6に図示する構成では、イオナイザ照射時のミニエン1のダウンフローを利用する。ミニエン1のダウンフローの効果により、上部のイオナイザ9が生成するイオンを加速させているので、フォトマスク8の表面をイオナイザにエアを供給しなくとも効果的な除電が行える。
さらに、下部のイオナイザ9は、フォトマスクが真上にくることでダウンフローの影響を受けないので、フォトマスク8の裏面にイオンを吹き上げることができる。試料裏面は絶縁体であり、パターンが形成された試料表面と比べると、付着する帯電が大きいことがある。上述のように、下部のイオナイザに対するダウンフローの影響を極力排することで、試料裏面に対する除電効果を高めることが可能となり、結果として、装置全体のスループットの向上に寄与することが可能となる。
なお、図8に示すように、下部のイオナイザに対するダウンフローの影響を極力排除するために、搬送ロボット6のハンドの通過軌道外であって、FFUと下部イオナイザとの間に、遮蔽部材18を設けることもできる。図8(a)は、搬送ロボットのハンド部の上視図であり、図8(b)は、ハンドの正面図である。
遮蔽部材18は、FFU側から見て、上部イオナイザによる除電効果の妨げとならないようフォトマスク8と重ならないように配置される。また、搬送ロボット6の第1アーム15,第2アーム16と重なる(フォトマスク8の除電位置)ように形成することで、FFUと下部イオナイザが直接的に対面しないようにした。
図8に図示する搬送ロボット6は、第1アーム15,第2アーム16、及び第3アーム17によって、フォトマスク8を保持する。これら3つのアームは、それぞれ図8の矢印方向に移動するように構成され、フランジ17は、フォトマスク8を吊り下げるように保持する。
3つのアームはいずれもフォトマスク8の上部と下部をフランジによって支持される部分を除き、極力覆わないように形成されているので、イオナイザによる除電効果を最大化することが可能となる。
図7にフォトマスク8を搬送時のフローチャートを示す。フォトマスク8の表面及び裏面を覆わない搬送ロボット6はマスクストッカ5よりフォトマスク8を保持し搬送を開始する。搬送ロボット6が搬送経路中の指定された位置に移動した際、イオナイザ9を動作させイオン照射を始める。イオン照射開始後、フォトマスク8を保持した搬送ロボット6が搬送経路の上下にあるイオナイザ9の間を移動する。表面電位センサ10は、フォトマスク8の除電及び帯電量をモニタしている。表面電位センサ10には、あらかじめ閾値を設定されている。この閾値は、マスクCD−SEMにてパターンを測長時の再現性を劣化させない電圧値を設定してある。表面電位センサ10は設定されている閾値をもとに判定信号を出力する。この判定出力が制御部13に送られ、閾値以下であればパターン測長に影響がないのでイオナイザ9の照射を行わない。表面電位センサ10がモニタした帯電量が閾値以上であれば、イオン照射時間を変化させてパターン測長に影響のない閾値以下まで、適切なイオン照射を行う。この時、異常な電圧を認識した場合や設定された最大のイオン照射の時間を越えるもの認識したときには、フォトマスク8の異常もしくはイオナイザ9のイオン照射レベルの低下をオペレータにアラームを表示する。
図9は、帯電除去プロセスの他の例を説明するフローチャートである。搬送ロボットにてフォトマスクを指定の位置(2つのイオナイザを結ぶ直線上)に搬送し、その状態において、イオナイザをオンにして、除電を開始する点は、図7のフローと同じである。このように、フォトマスクが指定位置に到達した段階で、イオナイザをオンにすることで、下部に設けられたイオナイザの除電効果を低下させることなく、フォトマスク表裏面の除電を実施することが可能となる。
FFUが形成するダウンフローは、フォトマスク上部に設けられたイオナイザが発生するイオン雰囲気を、フォトマスク上面に供給する観点から見れば、有効に作用するが、下部に設けられたイオナイザにとっては、逆風となる。そこで、図7,図9のフローチャートにて説明する例においては、フォトマスクが上記指定位置に位置付けられたときに(下部のイオナイザへのダウンフローが、フォトマスクによって遮断されたときに)、下部に設けられたイオナイザからイオンを放出するようにした。
指定位置に位置付けられたフォトマスクは、下部に設けられたイオナイザにとって、ダウンフローに対する遮蔽部材となるため、イオン雰囲気を乱されることなく、安定してイオンをフォトマスク裏面に供給することができる。
なお、表面にイオンを供給する上部のイオナイザにとって、ダウンフローは順風となるため、除電効率を向上するためには、例えば下部のイオナイザに対し、上部のイオナイザからのイオン放出を早めに行い、フォトマスク近傍をイオン雰囲気状態にした上で、フォトマスクを上記指定位置に位置付けるようにしても良い。
上述のように、特にフォトマスクの場合、試料表面に比べて、試料裏面の方が大きな帯電が付着する場合がある。これは、クロム膜等が形成されている表面に比べ、裏面は全体がほぼ絶縁体で構成されていることがその理由であると考えられる。更に、SEMなどによる測定,検査対象は、パターンが形成された試料表面であるため、表面をSEMの電子源側に対向するように配置する必要があり、特許文献2に説明されているような上部からのみの除電では、裏面に付着した帯電を除去することは困難である。
更に、SEM等の荷電粒子線装置では、電子ビーム等を試料表面上に集束させるために、対物レンズや試料に印加される負電圧(以下、リターディング電圧と称することもある)によって形成される磁界型レンズや静電レンズが用いられる。しかしながら、試料に帯電が付着していると、ビームの集束状態が変化してしまう。このような試料表面の帯電をキャンセルするように、例えば上記リターディング電圧を調整することで、適正なフォーカシングを行うことが知られている。
ところが、昨今、試料裏面に付着した帯電が、電子ビームによる測定,検査を行うための試料ホルダや試料ステージに配置したときに、試料表面側に浮かび上がってくるという現象が見出されるようになってきた。このような現象は特に、試料裏面の帯電量が大きいフォトマスクに顕著であり、試料表面と裏面の帯電が重畳されたような帯電分布となる場合がある。このような試料裏面に付着する帯電を除去し、SEMの光学条件調整を容易に実現するために、試料裏面に対向して、当該裏面の帯電を除去するための第2のイオナイザを設けた。
イオナイザによって除電を行った後、その除電状況を表面電位センサによってモニタする。除電状況のモニタは、フォトマスクの表面の電位を計測する第1の表面電位センサと、フォトマスク裏面の電位を計測する第2の表面電位センサを用いて行う。
第1と第2の表面電位センサは、ミニエンとロードロック室の間に配置されているため、フォトマスクを真空室に導入する前に、除電後の帯電量を確認することが可能となる。
図9のフローチャートでは、2つの表面電位センサによって測定された2つの帯電量が所定のしきい値以下になった場合に、搬送ロボット制御部に除電完了の信号を伝送する例を説明している。
一方、先に説明したように、電子ビームを用いた測定,検査時に問題となるのは、試料表面に形成される帯電であり、その帯電は、試料表面に付着した帯電量(Xs)と試料裏面に付着した帯電量(Xr)の合算値(Xs+Xr)となる場合がある(帯電の極性によっては減算値となることも考えられる)。このような場合は、図10のフローチャートにて説明するように、当該合算値(或いは減算値)にしきい値を設定するようにしても良い。また、試料裏面の帯電量(Xr)が試料表面に浮かび上がってくるときに、減衰することも考えられるので、その減衰比をkとし、Xs+kXrにしきい値を設定するようにしても良い。試料の種類や厚さ等によっては、減衰率が変動することも考えられるので、kは調整可能とすることが望ましい。
更に、図9に図示するように、試料表面と裏面の帯電量の合算値ではなく、それぞれの帯電量に、固有のしきい値を設定しておき、両方の帯電量がいずれもしきい値以下となったときに、試料を搬送するように制御しても良い。この場合、試料の種類や厚さなどによっては、試料裏面に付着した帯電が、試料表面にもたらす影響が変化する場合があるので、特に試料裏面のしきい値は調整可能にすることが望ましい。
また、先に説明したように、試料表面に付着する帯電に比べて、試料裏面に付着する帯電は大きいことがあるので、試料裏面の帯電量のみにしきい値を設定しておき、試料裏面の帯電量がしきい値以下となったときに、試料を搬送するようにしても良い。
更に、図9に図示するように2つのしきい値を設定する場合であっても、そのしきい値は、最終的に試料表面側に生じる電位の大きさに応じて決定することが望ましい。よって、例えば裏面の帯電量のしきい値Xrthを、Xrth≦Xsrth・kのように設定する。この場合、Xsrthはフォーカス調整への妨げや測長精度への影響を許容できる試料表面帯電量であり、kは試料裏面の帯電が試料ホルダ等への配置によって、試料表面に現れたときの減衰比である。試料裏面で検出された帯電量とほぼ同じ電位が、試料表面に現れるのであれば、kは1.0となる。この“k”は、試料の種類等に応じて変化することが考えられるので、測定対象試料ごとにkを記憶しておくことも考えられる。
更に、フォトマスクの出来、不出来を判定するために、多点測定が行われることがある。多点測定時には、試料に対する電子ビーム照射によって徐々に、帯電が蓄積することがあるため、この帯電を消去するために、一旦、電子ビームを照射するための試料室(真空チャンバ)からフォトマスクを取り出し、当該フォトマスクをイオナイザによる除電を行うことが考えられる。この場合には、電子ビーム照射起因で帯電が発生するため、試料室内において、エネルギーフィルタ等の試料表面電位測定装置を用いて、試料表面電位を測定し、試料表面電位が所定値を上回った場合に、イオナイザによる除電を行うようにすると良い。
また、フォトマスク裏面の除電を適正に行うために、フォトマスク裏面側のイオナイザから放出されるイオンをフォトマスク裏面に高効率に到達させるための気体噴出機構を、イオナイザとは別に設け、イオンを試料裏面に導くようにしても良い。この場合、当該気体はミニエンのダウンフローとは逆の方向に気体を噴出することになるため、イオナイザ上にフォトマスクが位置づけられているときに、選択的に、気体を噴出するように制御することによって、ダウンフローの流れを乱すことなく、裏面にイオンを到達させることが可能となる。
更に、除電を短時間で終わらせるためには、試料の電位計測、除電を繰り返すのではなく、一度で除電を完了することが望ましい。そこで、過去の除電に要した時間(或いはイオナイザの強度等)を記録しておき、当該時間を除電時間とすることが考えられる。例えば、除電→電位測定→除電→電位測定→…を繰り返したような場合には、除電時間を累積加算し、合計の除電時間を求め、当該時間を次のフォトマスクの除電時間とすることによって、除電時間の短縮を図ることができる。また、フォトマスク表面と裏面では、帯電量が異なることがあるため、イオナイザの強度を予めコントロールしておき、表裏面の除電が同時に終わるように、制御することが望ましい。
更に、フォトマスク裏面の帯電量が大きいことが考えられるため、裏面側に配置されるイオナイザの数や強度を、試料表面側のイオナイザに対して、増加しておくことによって、帯電量の大きいフォトマスク裏面の除電を高速に終了させることができる。
また、搬送用のアームに併せて、フォトマスク裏面側のイオナイザが移動するような機構を設けることによって、アームによって試料を保持している間は、イオナイザから放出されるイオンが、ダウンフローによって遮られることがなくなるため、フォトマスク裏面の除電を高効率に行うことが可能となり、また、ミニエン内の搬送中にイオナイザによる除電を行うことができるため、除電時間短縮にも効果がある。
1 ミニエン
2 カラム
3 試料観察室
4 ロードロック室
5 マスクストッカ
6 搬送ロボット
7 ロードポート
8 フォトマスク
9 イオナイザ
10 表面電位センサ
11 FFU(フィルタファンユニット)
12 電極針
13 制御部
2 カラム
3 試料観察室
4 ロードロック室
5 マスクストッカ
6 搬送ロボット
7 ロードポート
8 フォトマスク
9 イオナイザ
10 表面電位センサ
11 FFU(フィルタファンユニット)
12 電極針
13 制御部
Claims (7)
- 荷電粒子ビームが照射される試料を包囲する真空試料室と、前記荷電粒子ビームの照射対象となる試料を搬送する搬送機構と、当該搬送機構による搬送工程中に空気清浄空間を形成する空気清浄機構を備えた荷電粒子線装置において、
前記空気清浄機構は、当該空気清浄機構外部から導入された空気によって、内部気圧を高めるためのフィルタファンユニットと、前記試料の搬送軌道上下に、前記搬送機構によって搬送される試料の表面と裏面をそれぞれ除電するための第1と第2の除電機構とを備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記第1の除電機構は、前記試料の搬送軌道の上部に配置され、前記第2の除電機構は、前記試料の搬送軌道の下部に配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項2において、
前記第2の除電機構は、前記フィルタファンユニットによってもたらされるダウンフローの到達が、前記搬送軌道を通過する試料によって遮断される位置に配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項2において、
前記第2の除電機構は、前記フィルタファンユニットがもたらすダウンフローの下流側であって、前記フィルタファンユニットと、前記第2の除電機構の間に、前記試料の搬送軌道が形成されるように配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項2において、
前記搬送機構によって、前記試料が前記第2の除電機構上に位置づけられたときに、当該第2の除電機構による除電を開始することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 荷電粒子ビームが照射される試料を包囲する真空試料室と、前記荷電粒子ビームの照射対象となる試料を搬送する搬送機構と、当該搬送機構による搬送工程中に空気清浄空間を形成する空気清浄機構を備えた荷電粒子線装置において、
前記試料の表面と裏面の電位をそれぞれ計測する第1と第2の電位センサと、当該2つの電位センサの計測結果に基づいて、前記搬送機構を制御する制御装置を備え、
前記空気清浄機構は、当該空気清浄機構外部から導入された空気によって、内部気圧を高めるためのフィルタファンユニットと、前記試料の搬送軌道上下に、前記搬送機構によって搬送される試料の表面と裏面をそれぞれ除電するための第1と第2の除電機構を備え、
前記制御装置は、前記第1と第2の電位センサによって計測される電位が、当該第1と第2の電位センサのそれぞれに設定されたしきい値以下となった場合に、前記試料を前記真空試料室に向かって搬送することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 荷電粒子ビームが照射される試料を包囲する真空試料室と、前記荷電粒子ビームの照射対象となる試料を搬送する搬送機構と、当該搬送機構による搬送工程中に空気清浄空間を形成する空気清浄機構を備えた荷電粒子線装置において、
前記試料の表面と裏面の電位をそれぞれ計測する第1と第2の電位センサと、当該2つの電位センサの計測結果に基づいて、前記搬送機構を制御する制御装置を備え、
前記空気清浄機構は、当該空気清浄機構外部から導入された空気によって、内部気圧を高めるためのフィルタファンユニットと、前記試料の搬送軌道上下に、前記搬送機構によって搬送される試料の表面と裏面をそれぞれ除電するための第1と第2の除電機構を備え、
前記制御装置は、前記第1と第2の電位センサによって計測される電位の合算値が、所定のしきい値以下となった場合に、前記試料を前記真空試料室に向かって搬送することを特徴とする荷電粒子線装置。
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