JP4316061B2 - 自動車防犯用合わせガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に用いる合わせガラスに関し、防犯性に優れると共に、事故等の緊急時には比較的容易に破壊可能であるが、良好な耐防湿性、耐貫通性等も有する透明度の高い自動車防犯用合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車に用いるガラス、特にフロントガラスには、合わせガラスが使用されている。合わせガラスとは、通常2枚のガラス板の間に樹脂膜が中間膜として挟持された構成を有するものである。合わせガラスは、外部からの衝撃に対し、ガラス板自体は破損するが破片は中間膜に貼着されたままとなるので、盗難や侵入等を目的として合わせガラスが破壊されても窓の開放を自由にすることができない。
【0003】
上記フロントガラスに使用される合わせガラスの中間膜として、ポリビニルブチラール系樹脂(以下、「PVB」と言う)が、従来最も一般的に使用されているが、熱可塑性樹脂であるPVBは、水分の影響を受けやすく高湿度雰囲気下で長時間放置すると、周辺部から次第に白色化する等の問題がある。このようなPVBは耐水性が低いため、例えば特開昭57−196747号明細書に記載されているように、PVBの代わりに耐水性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と言う)を用いた中間膜をガラス板の間に介在させた合わせガラスが提案されている。しかし、EVAを介在させた合わせガラスは、高い透明度を確保するという点においてPVBに及ばない場合がある。また、フロントガラスに合わせガラスを使用する際、衝撃時の安全性及び防犯の観点から、例えばECE標準規格R43又はJIS規格によるヘッドフォーム衝撃試験を満足する必要がある。
【0004】
一方、特にドアガラス及び嵌め込み用のガラスは、事故で破壊されることが少ないため、一般に上記フロントガラス程の耐貫通性等は必要とせず強度の低い単一ガラス板が使用されている。しかし、単一ガラス板は、盗難や侵入等を目的として破壊されると割れて多数の破片となり窓の開放が自由となる。従って、ドアガラス及び嵌め込み用のガラスにも、上記のような合わせガラスの使用が望まれている。
【0005】
ところがドアガラス等には、上記フロントガラス用合わせガラスのような強度、厚さ等が通常必要とされない。即ち、フロントガラスのように直接事故等により破壊されることは少ないが、例えば事故の際、外部からドアガラスを破壊して負傷者を救助する必要があるため、ある程度容易に破壊できる必要がある。しかしながら、他方では盗難及び侵入等の防犯の観点から、サイドガラス等にも上記標準規格に適合する合わせガラスを用いる必要がある。
【0006】
この条件に適する自動車用ガラス、特にドアガラスとして、例えば特開平6−321857号公報に、予め強化した珪酸塩ガラスの外側プレートとポリカーボネートプレート心材を有し、外側プレートは熱可塑性ポリウレタン層でポリカーボネート心材プレートを覆った5層構造の自動車用合わせガラスが提案されている。ところが、該合わせガラスは多層構造のため製造が繁雑であると共に、合わせガラス縁部からの水の侵入が懸念されるため、このような課題を回避する合わせガラスが要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、防犯性に優れると共に、事故等の緊急時に比較的容易に破壊可能であるが、良好な耐湿性、耐貫通性等を損なうことなく長期間に亘って高い透明性も有する自動車防犯用合わせガラスを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、ガラス板の周縁部または該ガラス板の周辺部の少なくとも上側縁部にEVAを、該ガラス板の周縁部以外の領域にPVBを、それぞれ含む有機樹脂膜を中間膜として介在させる合わせガラスを用いることにより、防犯性及び防音性にも優れると共に、緊急時に比較的容易に破壊可能であるが、良好な耐湿性、耐貫通性等を損なうことなく長期間に亘って高い透明性を有する自動車防犯用合わせガラスを得るに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、合わせガラス板の間に挟持する中間膜として、特定の有機樹脂膜を使用する。その中間膜は、2種類の樹脂領域、即ち、外側のEVA領域及び内側のPVB領域からなるものであり、各領域は可塑剤及び有機過酸化物等の添加剤を含むことができる。
【0010】
以下、図1及び図3に従い本発明の自動車防犯用合わせガラスについて詳述する。
【0011】
図1において、ガラス板1及び3が、有機樹脂膜2を介して貼り合わせられている。有機樹脂膜2は、ガラス板の周縁部2AにおいてはEVAを主成分とする膜であり、これらの部分以外の中央部2BではPVBを主成分とする膜である。即ち、ガラス周縁部2Aにおいて透明性にやや劣るものの耐水性に優れたEVAが使用され、合わせガラスの耐久性の向上が図られている。一方、中央部2Bには、耐水性はEVAより劣るものの透明性に優れたPVBを用いてガラス本来の諸機能を保持するようにされている。
【0012】
図3において、ガラス板11及び13が、有機樹脂膜12を介して貼り合わせられている。図1と同様の趣旨で、ガラス周縁部12AにはEVAを主成分とする膜が使用されるが、該周縁部とは下端縁部が除かれている。即ち、中間膜の製造を容易にすること、製造コストを抑えること等の理由から、上記EVAを主成分とする膜は、少なくとも該ガラス板周縁部の一部分、特に該ガラス板の上側縁部に使用される。ここで上側縁部とは、例えばドアガラスにおいて、ガラスの上下動により窓枠と接触するガラス板の最上部分を言い、自動車の窓枠構造等により、即ち、例えばガラスの縁部の露出部分に応じて適宜、EVAを主成分とする膜を、裁置範囲を変えて形成することができる。また上記EVAを主成分とする膜は、特に図3に示すように、該ガラス板の下側周縁端部を除いた全てに使用されることが好ましい。
【0013】
これらの部分以外の中央部12Bには、図1の場合と同様にPVBが使用される。即ち、下端縁部を除いたガラス周縁部12Aにおいて透明性にやや劣るものの耐水性に優れたEVAが使用され、合わせガラスの耐久性の向上が図られている。一方、中央部12Bには、耐水性はEVAより劣るものの透明性に優れたPVBを用いてガラス本来の諸機能を保持するようにされている。
【0014】
本発明のガラス板1と3及び11と13は、自動車に通常用いる珪酸塩ガラスであり、該ガラス板厚は、特にサイドガラス、リヤガラス等の用途を考慮すると、フロントガラスのように厚くする必要はなく、1〜10mmが一般的であり、好ましくは、3〜5mmである。また前記ガラス板1と3及び11と13は、熱的に、又は化学的に強化されたものである。
【0015】
本発明の有機樹脂膜2及び12は、それぞれの厚さが薄いと耐貫通強度が低下し、厚いと透明度が低下することを鑑み、また特にサイドガラス、リヤガラス等に用いることを考慮すると、フロントガラスに用いる場合のように厚くする必要はなく、0.1〜10mmとすることが好ましい。
【0016】
この有機樹脂膜2及び12を有する合わせガラスの作製は、一方のガラス板に周縁形状がガラス板と同じ幅の枠状に裁断されたEVAを裁置し、EVAのない表面が露出したガラス中央部2B及び12BにはPVBを裁置し、もう一方のガラス板を貼り合わせ等により積層することにより行われる。EVA領域の大きさは、耐湿性を確保しつつ透明性を損なわない程度でよい。
【0017】
上記EVAを含む樹脂組成物をガラス板の周縁部2A及び12Aに形成することにより、合わせガラスのガラス間の剥離を防止することができる。即ち、上記EVAを含む樹脂組成物を例えば自動車のドアガラスに用いた場合、ガラスを自由に上下させる周縁部、特に上側縁部が頻繁に窓枠と接触するが、EVAを含む樹脂を用いることにより耐湿性が向上していることから、ガラス間の剥離を顕著に防止することができる。またガラス板の周縁部以外の中央部2B及び12BにはPVBが裁置されていることから、上述したように透明性を確保することが可能となる。さらに本発明の合わせガラスは、2枚のガラス板1と3及び11と13の間に有機樹脂膜2及び12が挟持された構成を有するものであるから、犯罪を目的としてガラスが破壊されてもガラスの破片は有機樹脂膜2及び12に貼着されたままとなり、窓の開放を自由にしないことから防犯用合わせガラスとして使用することができる。
【0018】
本発明で有機樹脂膜2及び12として、ガラス板の周縁部2A及び12Aを形成するために使用される有機樹脂の1つEVAは、酢酸ビニル含有率が10〜50重量%、特に15〜40重量%であることが好ましい。この酢酸ビニル含有率が、10重量%未満であると、高温で架橋硬化させる場合に得られる樹脂の透明度が充分でなく、逆に50重量%を超えると合わせガラスにした場合の耐衝撃性、耐貫通性が不足する傾向となる。
【0019】
ガラス板の中央部2B及び12Bを形成するために使用されるもう1つの上記有機樹脂PVBは、ビニルブチラール単位を主成分とするポリビニルアセタール樹脂であり、ビニルブチラール単位が50〜70モル%、ビニルアルコール単位が15〜50モル%、そして酢酸ビニル単位が20モル%以下(特に0.5〜20モル%以下)の組成を有するものが好ましい。ビニルブチラール単位が上記範囲未満である場合は、可塑剤との相溶性が低下し、上記範囲を超える場合は耐貫通性が悪化する。また酢酸ビニル単位が上記範囲を超えた場合、透明性が低下する。
【0020】
また、上記樹脂の重合度は600〜2000の範囲が好ましい。重合度が600未満の場合は膜の強度が低下し、耐衝撃性が充分ではない。重合度が2000を超えた場合は、粘度が高すぎるため加工性が低下し、中間膜形成の作業が困難となる。
【0021】
上記樹脂には、可塑剤、有機過酸化物、接着向上剤等の種々の添加剤を含有させることができる。
【0022】
EVAに使用できる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。その含有量はEVA100重量部に対し5重量部以下の範囲が好ましい。
【0023】
本発明の有機樹脂膜2は、ガラス1及び3との接着性調整剤として有機過酸化物を含有している。有機過酸化物を含有する樹脂は、加熱による硬化性が向上しているので、得られる中間膜の膜強度も向上する。
【0024】
EVAに使用できる有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化(貼り合わせ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
【0025】
EVAに使用できる有機過酸化物の例としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、コハク酸パーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレーオ及び2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドを挙げることができる。有機過酸化物は一種使用してもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。有機過酸化物の含有量は、EVA100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲が好ましい。
【0026】
本発明の中間膜には、膜の種々の物性(機械的強度、接着性、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物を含んでいることが好ましい。
【0027】
EVAに使用するアクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
【0028】
アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。
【0029】
多官能化合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等に複数のアクリル酸あるいはメタクリル酸をエステル化したエステルも挙げることができる。
【0030】
エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0031】
本発明では、上記有機樹脂膜とガラス板との接着力をさらに高めるために、接着向上剤として、シランカップリング剤を使用することができる。EVAに使用するシランカップリング剤の例として、γ−クロロプロピルメトキシ、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。シランカップリング剤の含有量は、EVA100重量部に対して5重量部以下であることが好ましい。
【0032】
本発明の合わせガラスの中間膜は、例えば、通常の押出成形、カレンダー成形等によりシート状物を得る方法により製造することができる。また、上記樹脂組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。
【0033】
本発明の合わせガラスは、上記シート状の中間膜を用いて、例えば、その中間膜の両面にガラス板を貼り付け、その際、EVAは該ガラス板の周縁部または下側縁部を除いた周縁部2Aに、PVBはこれらの部分以外の中央部2Bにそれぞれ貼り付け、このサンドイッチ構造の積層体を脱気したのち、加熱下に押圧することにより得ることができる。図に示したように、端部が正確に接合していなくても加圧処理により一体化は可能である。即ち、例えば、EVA領域及びPVB領域は、それぞれの端部が多少重なりがあっても一体化することができる。また両者の隙間が1mm以下であれば溶融して圧着可能となる。
【0034】
合わせガラスのガラス板表面には、金属及び/又は金属酸化物からなる透明の導電層を設けても良い。
【0035】
こうして得られた合わせガラスは、自動車のリヤガラス、ドアガラス及び嵌め込みガラスに使用することができ、好ましくはドアガラス及び嵌め込みガラス、特にドアガラスに有用である。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明についてさらに詳述する。
【0037】
<合わせガラスの作製>
[実施例1]
予め洗浄乾燥した2枚の3mm厚のフロートガラス板一方に、まず周縁形状がガラス板と同じで幅20mmの枠状に裁断されたEVAを裁置し、次いで上記PVB中間膜をEVAのない表面が露出したガラス中央部に裁置し、この上にもう一方のガラス板を置いて三層の積層体を形成し、これをゴム袋に入れて真空脱気し、80℃の温度で予備圧着した(図1の構成のもの)。次に、この予備圧着合わせガラスをオーブン中に入れ、温度150℃、圧力5kg/cm2の条件下で30分間加圧処理した。得られた合わせガラスは透明度が高く、光学的に歪みのないもので、また耐湿性、耐貫通性にも優れたものであった。
【0038】
[実施例2]
予め洗浄乾燥した2枚の3mm厚のフロートガラス板間に、まず周縁形状がガラス板と同じで幅20mmの枠状に裁断されたEVAを下側縁部を除いたガラス板周縁に裁置し、次いで上記PVB中間膜をEVAのない表面が露出したガラス中央部に裁置し、この上にもう一方のガラス板を置いて三層の積層体を形成し、これをゴム袋に入れて真空脱気し、80℃の温度で予備圧着した(図3の構成のもの)。次に、この予備圧着合わせガラスをオーブン中に入れ、温度150℃、圧力5kg/cm2の条件下で30分間加圧処理した。得られた合わせガラスは透明度が高く、光学的に歪みのないもので、また耐湿性、耐貫通性にも優れたものであった。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した本発明の自動車防犯用合わせガラスによると、ガラス板の周縁部または該周縁部の少なくとも上側縁部にEVAを、該ガラス板の周縁部以外の領域にPVBを、それぞれ含む有機樹脂膜を中間層としてガラス板の間に介在させることにより、防犯性及び防音性に優れると共に、事故等の緊急時には比較的容易に破壊可能であるが、良好な耐湿性、耐貫通性等を有するため、本発明の合わせガラスは自動車防犯用合わせガラスに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車防犯用合わせガラスの実施の形態を説明する斜視図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A´の断面図である。
【図3】同じく、該ガラス板下端縁部以外の該周縁部にEVAを使用する場合の斜視図である。
【図4】同じく、図3におけるA−A´の断面図である。
【符号の説明】
1、11 ガラス板(外側)
2、12 有機樹脂膜
2A、12A 周縁部
2B、12B 中央部
3、13 ガラス板(内側)
Claims (7)
- 2枚のガラス板の間に有機樹脂膜を挟持してなる自動車防犯用合わせガラスであって、
前記挟持された有機樹脂膜のガラス板周縁部に位置する部分はエチレン酢酸ビニル共重合体を含み、それ以外の領域に位置する部分はポリビニルブチラール系樹脂を含むことを特徴とする自動車防犯用合わせガラス。 - 2枚のガラス板の間に有機樹脂膜を挟持してなる自動車防犯用合わせガラスであって、
前記挟持された有機樹脂膜のガラス板の少なくとも上側縁部に位置する部分がエチレン酢酸ビニル共重合体を含み、それ以外の領域に位置する部分はポリビニルブチラール系樹脂を含むことを特徴とする自動車防犯用合わせガラス。 - 前記挟持された有機樹脂膜のエチレン酢酸ビニル共重合体を含む部分とポリビニルブチラール系樹脂を含む部分は、それぞれ別体のシート状に形成され、それぞれ所定位置に圧着して設けられることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の自動車防犯用合わせガラス。
- 前記挟持された有機樹脂膜のエチレン酢酸ビニル共重合体を含む部分とポリビニルブチラール系樹脂を含む部分は、それぞれ所定領域にそれらの液を塗布することにより設けられることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の自動車防犯用合わせガラス。
- 有機樹脂膜の厚さが、0.1〜1.0mmである請求項1から4の何れかに記載の自動車防犯用合わせガラス。
- ガラス板の厚さが、1〜10mmである請求項1から4の何れかに記載の自動車防犯用合わせガラス。
- ドアガラス又は嵌め込みガラス用である請求項1から6の何れかに記載の自動車防犯用合わせガラス。
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