JP4315453B2 - 撓み軸継手における弾性体の厚み設定方法 - Google Patents

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本発明は、第一伝動軸に一体回転可能に連結される第一連結部材と第二伝動軸に一体回転可能に連結される第二連結部材との間にゴムなどの弾性体を介在させた撓み軸継手において、その弾性体の厚みを設定する方法に関するものである。
下記特許文献1にかかる撓み軸継手においては、図7(b)に示す第一連結部材1と図7(c)に示す第二連結部材2とに対しそれぞれ偏心位置で3個の伝動爪20,21が回転方向Xへ等間隔で並設され、図7(a)に示すように、回転方向Xで互いに隣接する第一連結部材1の両伝動爪20間に第二連結部材2の伝動爪21が挿入されるとともに、回転方向Xで互いに隣接する第二連結部材2の両伝動爪21間に第一連結部材1の伝動爪20が挿入され、これらの各伝動爪20,21のうち回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20,21間に弾性体3が介在されている。回転中心線10a,18aを通って回転方向Xの両側で外周側へ延びる両基準線Lを想定した場合、伝動爪20,21はこの両基準線L上に設けられた側面26を有し、弾性体3は回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20,21の側面26間に介在された円周部分3aを有している。
特開2002−327774号公報
一般に、このような撓み軸継手においては、弾性体3の円周部分3aで回転方向Xの厚みがねじりばね定数の大小を左右し、応答性に悪影響を及ぼす。
この発明は、撓み軸継手において両伝動爪間の弾性体の厚み設定方法を改良することにより、ねじりばね定数を大きくして応答性を高めることを目的としている。
後記実施形態の図面(図1,2,8及び図9に示す第1実施形態、図3に示す第2実施形態、図4に示す第3実施形態、図5に示す第4実施形態、図6に示す第5実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる撓み軸継手における弾性体の厚み設定方法は下記のように構成されている。
この撓み軸継手においては、第一の伝動軸10に一体回転可能に連結される第一の連結部材1と第二の伝動軸18に一体回転可能に連結される第二の連結部材2とに対しそれぞれ伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対する偏心位置で複数の伝動爪20,21を回転方向Xへ並設し、回転方向Xで互いに隣接する第一の連結部材1の両伝動爪20間に第二の連結部材2の伝動爪21を挿入するとともに、回転方向Xで互いに隣接する第二の連結部材2の両伝動爪21間に第一の連結部材1の伝動爪20を挿入し、これらの各伝動爪20,21のうち回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20,21間に弾性体3を介在させている。
また、請求項1の発明において、前記伝動爪20,21は、回転方向Xの両側で伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対し近い側にある内端部26aと伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対し遠い側にある外端部26bとの間に設けられた側面26と、この両側面26の内端部26a間を結ぶ内周面27と、この両側面26の外端部26b間を結ぶ外周面28と、この両側面26と内周面27と外周面28とで囲まれる端面29とを有している。例えば、この内周面27及び外周面28については、伝動軸10,18の回転中心線10a,18aを中心とする円弧面になっているが、平面などの形態に適宜変更してもよい。また、この端面29については、伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに直交する平面になっているが、凸面や凹面などの形態に適宜変更してもよい。
また、請求項1の発明において、伝動軸10,18の回転中心線10a,18aを通って回転方向Xの両側で外周側へ延びる第一の基準線L0と、伝動軸10,18の回転中心線10a,18aと伝動爪20,21の内周面27との間で伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対する偏心位置にある偏心中心線Cを通って回転方向Xの両側で外周側へ延びて前記第一の基準線L0に対し平行移動距離Gだけ平行移動させた第二の基準線Lとを想定した場合、前記伝動爪20,21の側面26はこの第二の基準線L上に設けられ、弾性体3は回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20,21の側面26間に介在された円周部分3aを少なくとも有している。
前記両基準線Lは、前記伝動軸10,18の回転中心線10a,18aと前記偏心中心線Cとを結ぶ想定半径線Nを挟んだ互いに反対側でその想定半径線Nに対し所定円周角度α,βをなす。
前記第一の基準線L0に対する第二の基準線Lの平行移動距離Gに応じて弾性体3の円周部分3aにおける回転方向Xの厚みを変化させる。
例えば、伝動爪20,21は想定半径線Nを線対称軸とする線対称形状をなし、前記両基準線Lのうち一方の基準線Lが通る偏心中心線Cと他方の基準線Lが通る偏心中心線Cとが互いに一致するとともに、前記両基準線Lのうち一方の基準線Lが前記想定半径線Nに対しなす所定円周角度αと他方の基準線Lが前記想定半径線Nに対しなす所定円周角度βとが互いに同一になっている。
請求項1の発明において、両伝動爪20,21の側面26間に介在された弾性体3の円周部分3aで回転方向Xの厚みについては、後記実施形態で詳述するように、従来の撓み軸継手よりも大きくすることができる。従って、弾性体3のねじりばね定数を大きく設定することができる。
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記第一の連結部材1及び第二の連結部材2で各伝動爪20,21は伝動軸10,18の回転中心線10a,18aを中心とする同心円上で回転方向Xへ等間隔(円周角度γ)をあけて並設されている。すなわち、回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20,21の想定半径線Nが互いになす円周角度γを等しくしている。請求項2の発明では、回転力の伝動を円滑に行うことができる。
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記第一の連結部材1の伝動爪20は二本または三本または四本であり、前記第二の連結部材2の伝動爪21はこの第一の連結部材1と同数である。請求項3の発明では、各伝動爪20,21を設けた連結部材1,2を簡単にすることができる。
本発明の撓み軸継手と従来の撓み軸継手とを同一条件で比較した場合、ねじりばね定数を大きく設定して応答性を高めることができる。
まず、本発明の第1実施形態にかかる撓み軸継手について図1,2,8及び図9を参照して説明する。
図1(b)(c)及び図2(a)に示す撓み軸継手は、図1(a)及び図2(b)に示すようにアルミニウムやステンレスなどにより成形された第一連結部材1と、図1(a)及び図2(c)に示すようにアルミニウムやステンレスなどにより成形された第二連結部材2と、この第一連結部材1及び第二連結部材2を金型にインサートした状態でゴムやエラストマーや樹脂などを供給してこの両連結部材1,2間で成形された弾性体3とを備えている。
前記第一連結部材1において、円柱状のハブ4は円形状の外周面5と円形状の内外両端面6,7とを有し、この内外両端面6,7の中心部には円形状の内周面8aを有する連結孔8が内外両端面6,7間で貫設されている。このハブ4には外周面5と内周面8aと内端面6とにわたりスリット9が形成されている。第一伝動軸10は、この連結孔8に外端面7側から挿嵌され、連結ねじ11によりハブ4をスリット9の範囲で締め付けることにより連結孔8を縮径してハブ4に対し一体回転可能に連結されている。また、第二連結部材2において、円柱状のハブ12は円形状の外周面13と円形状の内外両端面14,15とを有し、この内外両端面14,15の中心部には円形状の内周面16aを有する連結孔16が内外両端面14,15間で貫設されている。このハブ12には外周面13と内周面16aと内端面14とにわたりスリット17が形成されている。第二伝動軸18は、この連結孔16に外端面15側から挿嵌され、連結ねじ19によりハブ12をスリット17の範囲で締め付けることにより連結孔16を縮径してハブ12に対し一体回転可能に連結されている。
前記第一連結部材1のハブ4において内端面6には、第一伝動軸10の回転中心線10a(連結孔8の回転中心線8b)に対する偏心位置で3本の伝動爪20が第一伝動軸10の回転中心線10aを中心とする同心円上で回転方向Xへ等間隔をあけて並設されている。また、前記第二連結部材2のハブ12において内端面14には、第二伝動軸18の回転中心線18a(連結孔16の回転中心線16b)に対する偏心位置で3本の伝動爪21が第二伝動軸18の回転中心線18aを中心とする同心円上で回転方向Xへ等間隔をあけて並設されている。第一連結部材1において回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20間に生じる円周空間22でその両伝動爪20間の中央部には第二連結部材2の伝動爪21が挿入されているとともに、第二連結部材2において回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪21間に生じる円周空間23でその両伝動爪21間の中央部には第一連結部材1の伝動爪20が挿入されている。前記弾性体3は、前記インサート成形により、第一連結部材1のハブ4の内端面6と第二連結部材2のハブ12の内端面14との間に埋め込まれて円筒状をなしている。その弾性体3の外周面24はこの両ハブ4,12の外周面5,13にほぼ面一で連続し、その弾性体3の内周面25はこの両ハブ4,12の連結孔8,16の内周面8a,16aにほぼ面一で連続している。前記各伝動爪20,21は、この弾性体3内に埋設され、弾性体3の内周面25で露出している。
前記各伝動爪20,21は同一の形態(同一形状及び同一サイズ)をなしている。その形態については、図8にも示すように、伝動軸10,18の回転中心線10a,18aを通って回転方向Xの両側で外周側へ延びる基準線L0と、伝動軸10,18の回転中心線10a,18aと伝動爪20,21との間で伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対し偏心距離Eだけ偏心させた位置にある偏心中心線Cを通って回転方向Xの両側でハブ4,12の外周面5,13側へ延びて前記基準線L0に対し平行移動距離Gだけ内側へ平行移動させた基準線Lを想定した場合、各伝動爪20,21はこの両基準線L上で伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対し近い側にある内端部26aと伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに対し遠い側にある外端部26bとの間に設けられた側面26を有している。さらに、この各伝動爪20,21は、両側面26のほかに、この両側面26の内端部26a間を結ぶ内周面27と、この両側面26の外端部26b間を結ぶ外周面28と、この両側面26と内周面27と外周面28とで囲まれる端面29とを有している。この内周面27及び外周面28は伝動軸10,18の回転中心線10a,18aを中心とする円弧面になっており、この端面29は伝動軸10,18の回転中心線10a,18aに直交する平面になっている。各伝動爪20,21は伝動軸10,18の回転中心線10a,18aと偏心中心線Cとを結ぶ想定半径線Nを線対称軸とする線対称形状をなしている。両基準線Lは想定半径線Nを挟んだ互いに反対側に位置し、両基準線Lのうち一方の基準線Lが通る偏心中心線Cと他方の基準線Lが通る偏心中心線Cとが互いに一致し、一方の基準線Lが想定半径線Nに対しなす円周角度αと他方の基準線Lが想定半径線Nに対しなす円周角度βとが互いに同一になっており、この円周角度αと円周角度βとの和が両基準線Lがなす拡開角度θ(α+β)になっている。
第一連結部材1において回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20の想定半径線Nが互いになす円周角度γと、第二連結部材2において回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪21の想定半径線Nが互いになす円周角度γとは、それぞれ120度に設定されて互いに等しくなっており、各伝動爪20の想定半径線Nと各伝動爪21の想定半径線Nとが互いに回転方向Xへ60度ずれている。前記弾性体3は回転方向Xで互いに隣接する両伝動爪20,21の側面26間に介在された円周部分3aを有している。
第一伝動軸10とともに第一連結部材1のハブ4が回転すると、その回転は第一連結部材1の各伝動爪20から弾性体3を経て第二連結部材2の各伝動爪21に伝わり、第二連結部材2のハブ12とともに第二伝動軸18が回転する。第一伝動軸10と第二伝動軸18との間の偏心は上記弾性体3の弾性変形により吸収される。また、第一伝動軸10と第二伝動軸18との間の回転抵抗に伴う相対回転により、各伝動爪20と各伝動爪21との間で弾性体3の円周部分3aに回転方向Xの応力(圧縮応力や引張応力)が生じる。
図7に示す従来の撓み軸継手においては、両基準線Lが通る中心線が回転中心線10a,18aに一致しているため、図8に示すように前記偏心距離Eが0になる。第1実施形態の撓み軸継手において、偏心距離Eを例えばE1,E2,E3,E4(0<E1<E2<E3<E4)とした場合、図8に示すように、両基準線L上にある各伝動爪20,21の側面26がその偏心距離Eに応じて内側へ平行移動する。従って、前記弾性体3の円周部分3aで回転方向Xの厚みについては、その平行移動距離Gの増加に応じて、第1実施形態の撓み軸継手が従来の撓み軸継手よりも大きくなる。その平行移動距離Gは偏心距離Eが大きくなるほど大きくなって円周部分3aの厚みも大きくなる。その厚みが大きいほど弾性体3のねじりばね定数も大きくなる。
図9(a)では、前記両側面26間の拡開角度θをθ1,θ2,θ3,θ4,θ5(θ1<θ2<θ3<θ4<θ5)に変化させて各偏心距離E(0,E1,E2,E3,E4)ごとに弾性体3のねじりばね定数を測定した結果を表す。その結果、各拡開角度θ(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5)において、偏心距離Eが大きくなるほど弾性体3のねじりばね定数も大きくなることが分かる。また、各拡開角度θが大きくなるほど円周部分3aの厚みが小さくなって弾性体3のねじりばね定数も小さくなることが分かる。そのため、ねじりばね定数については、いずれの拡開角度θにおいても、第1実施形態の撓み軸継手が従来の撓み軸継手よりも大きくなる。従って、振動による弾性体3の撓みについては、第1実施形態の撓み軸継手が従来の撓み軸継手よりも生じにくくなり、ひいては応答性や振動吸収性を高めることができる。
図9(b)では、前記両側面26間の拡開角度θをθ1,θ2,θ3,θ4,θ5(θ1<θ2<θ3<θ4<θ5)に変化させて各偏心距離E(0,E1,E2,E3,E4)ごとに弾性体3に生じる最大応力を測定した結果を表す。その結果、各拡開角度θ(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5)において、偏心距離Eが0の場合よりもE1,E2,E3,E4の場合で、弾性体3に生じる最大応力が小さくなる傾向にある。
図3に示す第2実施形態にかかる撓み軸継手の第一連結部材1及び第二連結部材2においては、それぞれ、2本の伝動爪20,21が等間隔(180度の円周角度γ)をあけて並設されている点で、第1実施形態と異なる。
図4に示す第3実施形態にかかる撓み軸継手の第一連結部材1及び第二連結部材2においては、それぞれ、4本の伝動爪20,21が等間隔(90度の円周角度γ)をあけて並設されている点で、第1実施形態と異なる。
次に、図5に示す第4実施形態にかかる撓み軸継手について第1実施形態との相違点を中心に説明する。
両基準線L(LL,LR)のうち一方の基準線LLが通る偏心中心線CLと他方の基準線LRが通る偏心中心線CRとはいずれも想定半径線N上にあって、一方の偏心中心線CLの偏心距離ELと他方の偏心中心線CRの偏心距離ERとが想定半径線N上で互いに異なる。また、一方の基準線LLが想定半径線Nに対しなす円周角度αと他方の基準線LRが想定半径線Nに対しなす円周角度βとが互いに同一になっているとともに、両想定半径線Nが互いになす円周角度γがそれぞれ120度に設定されて互いに等しくなっている。
次に、図6に示す第5実施形態にかかる撓み軸継手について第1実施形態との相違点を中心に説明する。
両基準線L(LL,LR)が通る偏心中心線C(CL,CR)の偏心距離E(EL,ER)のうち、一方の基準線LLが通る偏心中心線CLの偏心距離ELと他方の基準線LRが通る偏心中心線CRの偏心距離ERとが想定半径線N上で互いに一致しているが、一方の基準線LLが想定半径線Nに対しなす円周角度αと他方の基準線LRが想定半径線Nに対しなす円周角度βとが互いに異なる。また、両想定半径線Nが互いになす円周角度γがそれぞれ120度に設定されて互いに等しくなっている。
(a)は第1実施形態にかかる撓み軸継手において第一連結部材及び第二連結部材を示す分解斜視図であり、(b)はこの撓み軸継手を示す正面図であり、(c)は(b)の撓み軸継手を正面側から見た断面図である。 (a)は図1(b)の撓み軸継手を側面側から見た断面図であり、(b)は図1(a)に示した第一連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(c)は図1(a)に示した第二連結部材において各伝動爪を示す側面図である。 (a)は第2実施形態にかかる撓み軸継手の第一連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(b)は同じく第二連結部材で各伝動爪を示す側面図である。 (a)は第3実施形態にかかる撓み軸継手の第一連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(b)は同じく第二連結部材で各伝動爪を示す側面図である。 (a)は第4実施形態にかかる撓み軸継手の第一連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(b)は同じく第二連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(c)は(a)の各伝動爪を拡大して示す部分側面図であり、(d)は(b)の各伝動爪を拡大して示す部分側面図である。 (a)は第5実施形態にかかる撓み軸継手の第一連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(b)は同じく第二連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(c)は(a)の各伝動爪を拡大して示す部分側面図であり、(d)は(b)の各伝動爪を拡大して示す部分側面図である。 (a)は従来の撓み軸継手を側面側から見た断面図であり、(b)はこの撓み軸継手の第一連結部材において各伝動爪を示す側面図であり、(c)は同じく第二連結部材において各伝動爪を示す側面図である。 第1実施形態において第一連結部材及び第二連結部材の各伝動爪を拡大して示す部分側面図である。 (a)(b)はそれぞれ第1実施形態の撓み軸継手と従来の撓み軸継手とを比較して示すグラフである。
符号の説明
1…第一連結部材、2…第二連結部材、3…弾性体、3a…円周部分、10…第一伝動軸、10a…回転中心線、18…第一伝動軸、18a…回転中心線、20…第一連結部材の伝動爪、21…第二連結部材の伝動爪、26…伝動爪の側面、26a…内端部、26b…外端部、27…伝動爪の内周面、28…伝動爪の外周面、29…伝動爪の端面、X…回転方向、C…偏心中心線、L0…第一の基準線、L…第二の基準線、N…想定半径線、α,β,γ…円周角度、θ(α+β)…拡開角度。

Claims (3)

  1. 第一の伝動軸に一体回転可能に連結される第一の連結部材と第二の伝動軸に一体回転可能に連結される第二の連結部材とに対しそれぞれ伝動軸の回転中心線に対する偏心位置で複数の伝動爪を回転方向へ並設し、回転方向で互いに隣接する第一の連結部材の両伝動爪間に第二の連結部材の伝動爪を挿入するとともに、回転方向で互いに隣接する第二の連結部材の両伝動爪間に第一の連結部材の伝動爪を挿入し、これらの各伝動爪のうち回転方向で互いに隣接する両伝動爪間に弾性体を介在させた撓み軸継手において、
    前記伝動爪は、回転方向の両側で伝動軸の回転中心線に対し近い側にある内端部と伝動軸の回転中心線に対し遠い側にある外端部との間に設けられた側面と、この両側面の内端部間を結ぶ内周面と、この両側面の外端部間を結ぶ外周面と、この両側面と内周面と外周面とで囲まれる端面とを有し、
    伝動軸の回転中心線を通って回転方向の両側で外周側へ延びる第一の基準線と、伝動軸の回転中心線と伝動爪の内周面との間で伝動軸の回転中心線に対する偏心位置にある偏心中心線を通って回転方向の両側で外周側へ延びて前記第一の基準線に対し平行移動距離だけ平行移動させた第二の基準線とを想定した場合前記伝動爪の側面はこの第二の基準線上に設けられ、弾性体は回転方向で互いに隣接する両伝動爪の側面間に介在された円周部分を少なくとも有し
    前記第二の基準線は、前記伝動軸の回転中心線と前記偏心中心線とを結ぶ想定半径線を挟んだ互いに反対側でその想定半径線に対し所定円周角度をなし、
    前記第一の基準線に対する第二の基準線の平行移動距離に応じて弾性体の円周部分における回転方向の厚みを変化させる
    ことを特徴とする撓み軸継手における弾性体の厚み設定方法
  2. 前記第一の連結部材及び第二の連結部材で各伝動爪は伝動軸の回転中心線を中心とする同心円上で回転方向へ等間隔をあけて並設され、回転方向で互いに隣接する両伝動爪の想定半径線が互いになす円周角度を等しくしていることを特徴とする請求項1に記載の撓み軸継手における弾性体の厚み設定方法
  3. 前記第一の連結部材の伝動爪は二本または三本または四本であり、前記第二の連結部材の伝動爪はこの第一の連結部材と同数であることを特徴とする請求項2に記載の撓み軸継手における弾性体の厚み設定方法
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