JP4312711B2 - ヘテロ環式スルホンアミドc型肝炎ウイルス阻害剤 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、概して、抗ウイルス化合物を対象とし、より具体的には、C型肝炎ウイルス(HCV)によってコードされているNS3プロテアーゼの機能を阻害する化合物、前記化合物を含む組成物、およびNS3プロテアーゼの機能を阻害する方法を対象とする。
(背景技術)
HCVは、1型ヒト免疫不全ウイルスによる感染者数のほぼ5倍に相当する1億7000万人が世界中で感染していると推定される、主要なヒト病原体である。これらのHCV感染者のうちかなりの部分が、肝硬変や肝細胞癌を含む重篤な進行性肝疾患を発症する(Lauer,G.M.;Walker,B.D.,N. Engl. J. Med.(2001)345,41-52)。
現時点で最も有効なHCV治療法はα-インターフェロンとリバビリンを併用する方法であり、40%の患者で持続的な効力が得られている(Poynard,T.ら,Lancet(1998)352,1426-1432)。最近の臨床結果では、ペグ化α-インターフェロンの方が無修飾α-インターフェロンよりも単剤治療として優れていることが実証されている(Zeuzem,S.ら,N. Engl. J. Med.(2000)343,1666-1672)。しかし、ペグ化α-インターフェロンとリバビリンとを併用する実験的治療計画でさえ、ウイルス量の持続的減少が認められない患者は、かなりの割合に上る。したがって、HCV感染処置用の有効な治療薬を開発することが長年にわたって求められていることは、明白である。
HCVはプラス鎖RNAウイルスである。推定アミノ酸配列と、5'非翻訳領域の著しい類似性とに基づいて、HCVはフラビウイルス科の独立した一属として分類されている。フラビウイルス科のメンバーはいずれも、エンベロープを有するウイルス粒子を持ち、その中に、単一の連続したオープンリーディングフレームの翻訳によって既知のウイルス特異的タンパク質をすべてコードしているプラス鎖RNAゲノムが含まれている。
ヌクレオチド配列とコードされているアミノ酸配列には、HCVゲノムの全体にわたって、かなりの不均質性が認められる。少なくとも6つの主要遺伝子型が特徴づけられ、50を超えるサブタイプが記載されている。HCVの主要遺伝子型はその世界的分布が異なり、HCVの遺伝的不均質性が持つ臨床的意義は、遺伝子型が病原性および治療法に及ぼす可能性のある影響に関する数多くの研究にもかかわらず、今なお理解しがたい状態である。
一本鎖HCV RNAゲノムは約9500ヌクレオチド長で、約3000アミノ酸の大きな単一ポリタンパク質をコードする単一のオープンリーディングフレーム(ORF)を持っている。感染細胞では、このポリタンパク質が細胞性プロテアーゼおよびウイルスプロテアーゼによって複数の部位で切断されて、構造タンパク質および非構造(NS)タンパク質が生成する。HCVの場合、成熟非構造タンパク質(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5B)の生成は、2つのウイルスプロテアーゼによって達成される。そのうちの1つは、今のところまだよく特徴づけられていないが、NS2-NS3接合部を切断する。もう1つは、NS3のN末端領域に含まれているセリンプロテアーゼ(それゆえNS3プロテアーゼと呼ばれる)であり、NS3の下流にあるそれ以降の切断のすべてを、NS3-NS4A部位ではシスに、また、残りのNS4A-NS4B、NS4B-NS5A、NS5A-NS5B部位ではトランスに媒介する。NS4Aタンパク質は複数の機能を果たすらしく、NS3プロテアーゼの補因子として作用すると共に、NS3および他のウイルスレプリカーゼ成分の膜局在化も補助するようである。プロセシング事象にとってはNS3タンパク質とNS4Aとの複合体形成が必要であるらしく、この複合体形成により、全ての部位でタンパク質分解効率が向上する。NS3タンパク質はヌクレオシドトリホスファターゼ活性およびRNAヘリカーゼ活性も示す。NS5BはHCVの複製に関与するRNA依存性RNAポリメラーゼである。
選択的HCVセリンプロテアーゼ阻害剤としてHCV複製を阻害する効力を持つことが実証されている化合物には、米国特許第6,323,180号に開示されているペプチド化合物がある。
(発明の概要)
本発明は、以下の式Iの構造を有する化合物(医薬的に許容できるその塩、溶媒和物またはプロドラッグを含む)または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
Figure 0004312711
[式中、
(a)R1は、無置換Hetまたは置換Hetであり、前記Het置換基は同じであるか、異なっていて、1〜3個のハロ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミド、C1-6アルカノイルアミノ、アミノ、フェニルまたはフェニルチオから選択され、前記フェニルまたはフェニルチオのフェニル部分は無置換であるか、またはハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミドまたはフェニルから選択される1〜3個の同じまたは異なる置換基で置換され;
(b)mは1または2であり;
(c)nは1または2であり;
(d)R2は、それぞれ適宜ハロゲンで1〜3回置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC3-7シクロアルキルであるか、R2はHであるか、またはR2はそれが結合している炭素と共に全体として、3、4または5員環を形成し;
(e)R3は、適宜ハロ、シアノ、アミノ、C1-6ジアルキルアミノ、C6-10アリール、C7-14アルキルアリール、C1-6アルコキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アリールオキシ、C7-14アルキルアリールオキシ、C2-6アルキルエステル、C8-15アルキルアリールエステルで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、C3-12アルケニル、C3-7シクロアルキル、またはC4-10アルキルシクロアルキルであり、前記シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキルは、適宜、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよく、あるいは、R3はそれが結合している炭素原子と共に全体として、適宜C2-6アルケニルで置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基を形成し;
(f)Yは、H、ニトロで置換されたフェニル、ニトロで置換されたピリジル、または適宜シアノ、OHもしくはC3-7シクロアルキルで置換されていてもよいC1-6アルキルであるが、ただし、R4またはR5がHである場合、YはHであるものとし;
(g)Bは、H、C1-6アルキル、R4-(C=O)-、R4O(C=O)-、R4-N(R5)-C(=O)-、R4-N(R5)-C(=S)-、R4SO2-、またはR4-N(R5)-SO2-であり;
(h)R4は、(i)適宜フェニル、カルボキシル、C1-6アルカノイル、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、-OC(O)C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノ、アミド、または(低級アルキル)アミドで置換されていてもよいC1-10アルキル、(ii)それぞれ適宜ヒドロキシ、カルボキシル、(C1-6アルコキシ)カルボニル、適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノ、アミド、もしくは(低級アルキル)アミドで置換されていてもよい、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルコキシ、またはC4-10アルキルシクロアルキル、(iii)それぞれ適宜C1-6アルキル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミド、(低級アルキル)アミド、もしくは適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい、C6-10アリールまたはC7-16アリールアルキル、(iv)Het、(v)ビシクロ(1.1.1)ペンタン、または(vi)-C(O)OC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;および
(i)R5は、Hであるか、適宜1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキルであるか、またはR4がC1-10アルキルであるという条件でC1-6アルコキシである]。
また本発明は、上記の化合物または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物も提供する。特に本発明は、治療有効量の本発明の化合物または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、医薬的に許容できる担体とを含む、HCV NS3の阻害に役立つ医薬組成物を提供する。
さらに本発明は、HCVに感染した患者を処置する方法であって、その患者に、治療有効量の本発明の化合物または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法も提供する。また本発明は、有効量の本発明の化合物を患者に投与することによって、HCV NS3プロテアーゼを阻害する方法も提供する。
本発明により、HCVに感染した患者の処置に有効でありうる、本発明の化合物を含む改良された薬物を提供することが可能になった。具体的には、本発明は、NS3プロテアーゼ(例えばNS4Aプロテアーゼと結合したNS3プロテアーゼ)の機能を阻害することができるペプチド化合物を提供する。
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用する立体化学に関する定義および慣例は、概して、S.P.Parker編「McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms」(McGraw-Hill Book Company,ニューヨーク,1984)ならびにEliel,E.およびWilen,S.「Stereochemistry of Organic Compounds」(John Wiley & Sons,Inc.,ニューヨーク,1994)に従う。多くの有機化合物は光学活性体として存在する。すなわち多くの有機化合物は平面偏光の平面を回転させる能力を持つ。光学活性化合物を記述する際には、接頭記号DおよびLまたはRおよびSを使って、そのキラル中心に関する分子の絶対配置を表す。接頭記号dおよびlまたは(+)および(-)は、その化合物による平面偏光の回転の符号を示すために使用される。この場合、(-)またはlはその化合物が左旋性であることを意味し、(+)またはdはその化合物が右旋性であることを意味する。ある与えられた化学構造に関して、立体異性体と呼ばれるこれらの化合物は、それらが互いの鏡像である点を除けば同一である。一対の鏡像の特定の立体異性体はエナンチオマーと呼ぶこともでき、そのような異性体の混合物はしばしばエナンチオマー混合物(enantiomeric mixture)と呼ばれる。
炭化水素や置換炭化水素などの有機基を記述するために使用する命名法は、特に別段の定義がない限り、概して、当技術分野で知られている標準的な命名法に従う。基の組合せ(例えばアルキルアルコキシアミンなど)には、特に別段の表示がない限り、安定な配置のすべてが包含される。例示のために、いくつかの基および組合せを、以下に定義する。
「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性を欠く、2つのエナンチオマー分子種の等モル混合物を指す。
「キラル」という用語は、鏡像体とは重ね合わせることができない性質を持つ分子を指し、「アキラル」という用語は、鏡像体に重ね合わせることができる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、同じ化学組成を持つが、原子または基の空間的配置が異なっている化合物を指す。
「ジアステレオマー」という用語は、エナンチオマーではない立体異性体、例えばキラル中心を2つ以上持っていて、その分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、例えば融点、沸点、光学的性質および反応性などの物理的性質が異なっている。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動やクロマトグラフィーなどの高分解能分析法で分離することができる。
「エナンチオマー」という用語は、ある化合物の2つの立体異性体であって、重ね合わせることができない互いの鏡像であるものを指す。
「医薬的に許容できる塩」という用語は、塩基性部分または酸性部分を持つ化合物から従来の化学的方法によって合成される無毒性塩を包含するものとする。一般に、そのような塩は、遊離酸型または遊離塩基型の当該化合物を、化学量論量の適当な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中またはそれら2つの混合物中で反応させることによって、製造することができる。一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒質が好ましい。適切な塩の一覧が「Remington's Pharmaceutical Sciences」(第18版,Mack Publishing Company,ペンシルバニア州イーストン,1990)の1445頁に記載されている。本発明の化合物は遊離塩基もしくは遊離酸の形態で、または医薬的に許容できるその塩の形態で有用である。いずれの形態も本発明の範囲に包含される。
「治療有効量」という用語は、意味のある患者の利益、例えばウイルス量の持続的な減少などを示すのに足りる、各活性成分の総量を意味する。単独で投与される個々の活性成分に対してこの用語を用いる場合は、その成分のみを指す。活性成分の組合せに対してこの用語を用いる場合は、それらが混合して投与されるか、逐次的に投与されるか、同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分の全体量を指す。
「本発明の化合物」という用語およびこれと等価な表現は、式Iの化合物ならびに医薬的に許容できるその塩および溶媒和物、例えば水和物を包含するものとする。同様に、中間体という場合も、その文脈からみて可能であれば、それらの塩および溶媒和物を包含するものとする。本発明の化合物という用語には、好ましい化合物、例えば式II-VIの化合物なども包含される。
「誘導体」という用語は、化学修飾された化合物であって、通常の技術を持つ化学者にはその修飾が日常的な修飾(例えば酸のエステルまたはアミド、保護基、例えばアルコールまたはチオールにとってのベンジル基や、アミンにとってのtert-ブトキシカルボニル基など)であるとみなされるものを意味する。
「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子(有機分子であるか無機分子であるかを問わない)との物理的な会合を意味する。この物理的会合には水素結合が含まれる。例えば結晶性固体の結晶格子中に1つ以上の溶媒分子が組み込まれている場合のように、溶媒和物を単離することができることもある。「溶媒和物」には、液相溶媒和物と単離可能な溶媒和物の両方が包含される。溶媒和物の典型例には、水和物、エタノール和物、メタノール和物などがある。
本明細書で使用する「プロドラッグ」という用語は、本発明の化合物の誘導体であって、化学的または代謝的に切断されうる基を持ち、加溶媒分解によってまたは生理的条件下で、インビボで医薬的に活性な本発明の化合物になるものを意味する。ある化合物のプロドラッグは、その化合物の官能基、例えばアミノ基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基などの存在するものを使って、従来の方法で形成させることができる。プロドラッグ誘導体は、哺乳類生物中では、溶解度、組織適合性または遅延放出の面で有利であることが多い(Bundgard,H.「Design of Prodrugs」(Elsevier,アムステルダム,1985)の7〜9頁および21〜24頁を参照されたい)。プロドラッグには、当業者に周知の酸誘導体、例えば酸親化合物と適当なアルコールとの反応によって製造されるエステルや、酸親化合物と適当なアミンとの反応によって製造されるアミドなどが含まれる。
「患者」という用語にはヒトも他の哺乳動物も含まれる。
「医薬組成物」という用語は、投与様式および剤形の性質に応じて、少なくとも1つの追加医薬担体、すなわちアジュバント、賦形剤またはビヒクル、例えば希釈剤、保存剤、充填剤、流動性調節剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、着香剤、芳香剤、抗細菌剤、抗真菌剤、潤滑剤および調剤剤などと組み合わされた本発明の化合物を含む組成物を意味する。例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」(第18版,Mack Publishing Company,ペンシルバニア州イーストン,1999)に列挙されている成分を使用することができる。
「医薬的に許容できる」という表現は、本明細書では、根拠の確かな医学的判断に基づいて、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、その他の問題または合併症を伴わずに合理的な危険/便益比を示す、患者の組織と接触させて使用するのに適した化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
「処置(治療)(する)」という用語は、(i)ある疾患、障害および/または状態の素因を持ちうるが、まだその疾患、障害および/または状態であるとは診断されていない患者において、その疾患、障害または状態が発生するのを防止すること、(ii)前記疾患、障害または状態を阻害すること、すなわちその発達を停止させること、および(iii)前記疾患、障害または状態を和らげること、すなわちその疾患、障害および/または状態の軽減を引き起こすことを指す。
本明細書で使用する「置換(された)」という用語は、特に別段の表示がない限り、置換基を結合させる核(例えば有機基)上の考えうる結合部位のうちの1箇所〜最多箇所での置換、例えば一置換、二置換、三置換または四置換などを包含する。
本明細書で使用する「ハロ」という用語は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードから選択されるハロゲン置換基を意味する。「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロ置換基で置換されているアルキル基を意味する。
本明細書で使用する「アルキル」という用語は、非環式直鎖または分枝鎖アルキル置換基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ヘキシル、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチルなどがこれに含まれる。したがってC1-6アルキルは1〜6個の炭素原子を持つアルキル基を指す。「低級アルキル」という用語は、1〜6個(好ましくは1〜4個)の炭素原子を持つアルキル基を意味する。「アルキルエステル」という用語は、さらにエステル基を持っているアルキル基を意味する。一般に、表示する炭素数範囲(例えばC2-6アルキルエステル)は、その基内のすべての炭素原子を含む。
本明細書で使用する「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を持つアルキル基、例えばエテニル(ビニル)などを意味する。
本明細書で使用する「アルコキシ」という用語は、酸素原子に結合した、表示した数の炭素原子を持つアルキル基を意味する。アルコキシには、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシおよび1,1-ジメチルエトキシなどが含まれる。最後の基は当技術分野ではtert-ブトキシと呼ばれる。「アルコキシカルボニル」という用語は、さらにカルボニル基を持っているアルコキシ基を意味する。
本明細書で使用する「ハロアルコキシ」という用語は、基:-O(ハロアルキル)を意味する(式中のハロアルキルは上に定義したとおりである)。
本明細書で使用する「アルカノイル」という用語は、表示した数の炭素原子を持つ直鎖または分枝鎖1-オキソアルキル基を意味し、例えばホルミル、アセチル、1-オキソプロピル(プロピオニル)、2-メチル-1-オキソプロピル、1-オキソヘキシルなどが、これに含まれる。
本明細書で使用する「シクロアルキル」という用語は、表示した数の炭素原子を持つシクロアルキル置換基を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルや、スピロシクロプロピルおよびスピロシクロブチルなどのスピロ環式基が、これに含まれる。本明細書で使用する「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子に結合したシクロアルキル基、例えばシクロブチルオキシまたはシクロプロピルオキシなどを意味する。「アルキルシクロアルキル」という用語は、アルキル基に結合したシクロアルキル基を意味する。表記の炭素数範囲には、特に別段の表示がない限り、その基内の炭素の総数が含まれる。したがってC4-10アルキルシクロアルキルは、例えばシクロプロピルメチルやシクロヘキシルエチルのように、アルキル中に1〜7個の炭素原子を含み、環内に3〜9個の炭素原子を含むことができる。
本明細書で使用する「アリール」という用語は、表示した数の炭素原子を持つ芳香族部分、例えばフェニル、インダニルまたはナフチルなど(ただしこれらに限らない)を意味する。例えばC6-10アリールとは、6〜10個の炭素原子を持つ芳香族部分を指し、その芳香族部分は単環構造または二環構造の形をとりうる。本明細書で使用する「ハロアリール」という用語は、1つ以上のハロゲン原子で一置換、二置換または三置換されているアリールを指す。「アルキルアリール」「アリールアルキル」および「アラルアルキル(aralalkyl)」という用語は、1つ以上のアルキル基で置換されているアリール基を意味する。したがってC7-14アルキルアリール基は、単環式芳香族の場合はアルキル基中に1〜8個の炭素原子を含むことができ、縮合芳香族の場合はアルキル基中に1〜4個の炭素原子を含むことができる。アリール基には、当業者に知られている典型的な置換基、例えばハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボニル、ニトロ、スルホ、アミノ、シアノ、ジアルキルアミノハロアルキル、CF3、ハロアルコキシ、チオアルキル、アルカノイル、SH、アルキルアミノ、アルキルアミド、ジアルキルアミド、カルボキシエステル、アルキルスルホン、アルキルスルホンアミドおよびアルキル(アルコキシ)アミンなどで置換されているものが含まれる。アルキルアリール基の例には、ベンジル、ブチルフェニルおよび1-ナフチルメチルなどがある。「アルキルアリールオキシ」および「アルキルアリールエステル」という用語は、それぞれ酸素原子およびエステル基を持つアルキルアリール基を意味する。
本明細書で使用する「カルボキシアルキル」という用語は、上に定義したアルキル基を介して結合しているカルボキシル基(COOH)を意味し、例えば酪酸などが、これに含まれる。
本明細書で使用する「アルカノイル」という用語は、表示した数の炭素原子を持つ直鎖および分枝鎖1-オキソアルキル基を意味し、例えばホルミル、アセチル、1-オキソプロピル(プロピオニル)、2-メチル-1-オキソプロピル、1-オキソヘキシルなどが、これに含まれる。
本明細書で使用する「アミノアラルキル」という用語は、アラルキル基で置換されたアミノ基、例えば以下のアミノアラルキルなどを意味する。
Figure 0004312711
本明細書で使用する「アルキルアミド」という用語は、アルキルで一置換されたアミド、例えば
Figure 0004312711
などを意味する。
本明細書で使用する「カルボキシアルキル」という用語は、上に定義したアルキル基を介して結合しているカルボキシル基(COOH)を意味し、例えば酪酸などが、これに含まれる。
本明細書で使用する「ヘテロ環」という用語は、本明細書では「Het」とも表記し、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員、6員または7員の飽和または不飽和(芳香族を含む)ヘテロ環から水素を除去することによって誘導される一価の基を意味する。また、ヘテロ環という用語には、1つ以上の他の環構造に縮合している上記のヘテロ環も包含される。窒素を含有するヘテロ環の場合、その窒素はC1-6アルキル、特にメチルで置換されていてもよい。硫黄を含有するヘテロ環には、SOまたはSO2を含有する酸化硫黄ヘテロ環も包含されるものとする。本発明のヘテロ環には、環炭素原子のいずれかが当業者に知られる典型的置換基(例えば1〜3個の置換基)で置換されているものが包含される。そのような置換基の例には、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-7シクロアルコキシ、ハロ-C1-6アルキル、CF3、モノ-またはジ-ハロ-C1-6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、NO2、SH、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1-6)カルボキシエステル、C1-6アルキルスルホン、C1-6アルキルスルホンアミド、C1-6アルキルスルホキシド、ジ(C1-6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6-10アリール、C7-14アルキルアリール、および単環式5〜7員ヘテロ環などがある。好適なヘテロ環の例には、以下に挙げるものがあるが、これらに限るわけではない:
Figure 0004312711
Figure 0004312711
本明細書で使用する「アルキル-ヘテロ環」という用語は、直鎖または分枝鎖アルキル基を介して結合している上記ヘテロ環基を意味し、この場合、上に定義したアルキル基は表示した数の炭素原子を含有する。C1-6アルキル-Hetの例として、
Figure 0004312711
が挙げられる。
本発明の化合物を名付ける際に本明細書で使用する「P1'、P1、P2、P3およびP4」という名称は、天然ペプチド切断基質の結合を基準とした、プロテアーゼ阻害剤結合のアミノ酸残基の相対的位置を表す。天然基質ではP1とP1'の間で切断が起こる。この場合、プライム記号を持たない位置が、ペプチド天然切断部位のC末端から始まってN末端に向かうアミノ酸を示すのに対して、プライム符号付きの位置は、切断部位のN末端から始まってC末端に向かう。例えばP1'が切断部位のC末端の右側に向かって最初の位置(すなわちN末端の最初の位置)を指すのに対して、P1はC末端切断部位の左側から番号付けを開始する(例えばP2はC末端から2番目の位置である)[Berger A.およびSchechter I.,Transactions of the Royal Society London series(1970)B257,249-264を参照されたい]。
したがって式Iの化合物では、分子の「P1'〜P4」部分が、以下のように示される。
Figure 0004312711
本明細書で使用する「1-アミノシクロプロピル-カルボン酸」(Acca)という用語は、式:
Figure 0004312711
の化合物を指す。
本明細書で使用する「tert-ブチルグリシン」という用語は、式:
Figure 0004312711
の化合物を指す。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体に関して、「残基」という用語は、対応するα-アミノ酸から、カルボキシ基のヒドロキシルとα-アミノ酸基の水素の1つとを除去することによって誘導される基を意味する。例えば、Gln、Ala、Gly、Ile、Arg、Asp、Phe、Ser、Leu、Cys、Asn、SarおよびTyrという用語は、それぞれL-グルタミン、L-アラニン、グリシン、L-イソロイシン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-フェニルアラニン、L-セリン、L-ロイシン、L-システイン、L-アスパラギン、サルコシンおよびL-チロシンの「残基」を表す。
アミノ酸またはアミノ酸残基に関して、「側鎖」という用語は、α-アミノ酸のα-炭素原子に結合している基を意味する。例えば、R-基側鎖は、グリシンの場合は水素であり、アラニンの場合はメチルであり、バリンの場合はイソプロピルである。α-アミノ酸のR基または側鎖の詳細については、生化学に関するA.L. Lehningerの教科書を参照されたい(第4章参照)。
本発明の化合物に関して、mは2であることが好ましい。nが1であることも好ましい。また、R2はエチルまたはエテニルであることが好ましい。
本発明によれば、R1は、無置換Hetまたは置換Hetであることができ、前記Het置換基は同じであるか、異なっていて、1〜3個のハロ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミド、C1-6アルカノイルアミノ、アミノ、フェニルまたはフェニルチオから選択され、前記フェニルまたはフェニルチオのフェニル部分は無置換であるか、またはハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミドまたはフェニルから選択される1〜3個の同じまたは異なる置換基で置換されている。好ましくは、R1は、
Figure 0004312711
Figure 0004312711
である。
本発明によれば、R2は、それぞれ適宜ハロゲンで1〜3回置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC3-7シクロアルキルであることができる。あるいは、R2はHである。あるいは、R2は、それが結合している炭素と共に全体として、3、4または5員環を形成する。好ましくは、R2はC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC3-7シクロアルキルである。より好ましくは、R2はエチルまたはビニルである。
本発明によれば、R3は、適宜ハロ、シアノ、アミノ、C1-6ジアルキルアミノ、C6-10アリール、C7-14アルキルアリール、C1-6アルコキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アリールオキシ、C7-14アルキルアリールオキシ、C2-6アルキルエステル、C8-15アルキルアリールエステルで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、C3-12アルケニル、C3-7シクロアルキル、またはC4-10アルキルシクロアルキルであることができ、前記シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキルは、適宜、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよく、あるいは、R3はそれが結合している炭素原子と共に全体として、適宜C2-6アルケニルで置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基を形成する。好ましくは、R3は、適宜C6アリール、C1-6アルコキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アリールオキシ、C7-14アルキルアリールオキシ、C2-6アルキルエステル、C8-15アルキルアリールエステルで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、C3-12アルケニル、C3-7シクロアルキル、またはC4-10アルキルシクロアルキルである。より好ましくは、R3は、適宜C1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、またはC3-7シクロアルキルである(例えばC1-6アルキル)。最も好ましくは、R3はt-ブチルである。
本発明によれば、Yは、H、ニトロで置換されたフェニル、ニトロで置換されたピリジル、または適宜シアノ、OHもしくはC3-7シクロアルキルで置換されていてもよいC1-6アルキルであることができる。ただし、R4またはR5がHである場合、YはHであるものとする。
本発明によれば、Bは、H、C1-6アルキル、R4-(C=O)-、R4O(C=O)-、R4-N(R5)-C(=O)-、R4-N(R5)-C(=S)-、R4SO2-、またはR4-N(R5)-SO2-であることができる。好ましくは、Bは、R4-(C=O)-、R4O(C=O)-、またはR4-N(R5)-C(=O)-である。
本発明によれば、R4は、(i)適宜フェニル、カルボキシル、C1-6アルカノイル、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、-OC(O)C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノ、アミド、または(低級アルキル)アミドで置換されていてもよいC1-10アルキル、(ii)それぞれ適宜ヒドロキシ、カルボキシル、(C1-6アルコキシ)カルボニル、適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノ、アミド、もしくは(低級アルキル)アミドで置換されていてもよい、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルコキシ、またはC4-10アルキルシクロアルキル、(iii)それぞれ適宜C1-6アルキル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミド、(低級アルキル)アミド、もしくは適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい、C6-10アリールまたはC7-16アリールアルキル、(iv)Het、(v)ビシクロ(1.1.1)ペンタン、または(vi)-C(O)OC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであることができる。好ましくは、R4は、(i)適宜フェニル、カルボキシル、C1-6アルカノイル、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-10アルキル、(ii)C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルコキシ、またはC4-10アルキルシクロアルキル、または(iii)それぞれ適宜C1-6アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい、C6-10アリールまたはC7-16アリールアルキルである。より好ましくは、R4は、(i)適宜1〜3個のハロゲンまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-10アルキル、または(ii)C3-7シクロアルキルもしくはC4-10アルキルシクロアルキルである。最も好ましくは、R4はt-ブチルである。
本発明によれば、R5は、Hであるか、適宜1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキルであるか、またはR4がC1-10アルキルであるという条件でC1-6アルコキシであることができる。好ましくは、R5はHであるか、適宜1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキルである。より好ましくは、R5はHである。
置換基は各群から個別に選択することができ、安定な本発明の化合物をもたらす任意の組合せで、組み合わせることができる。また、十分な数の結合部位を利用できるのであれば、各群から選択した2つ以上の置換基で核基を置換してもよい。
好ましい一態様として、本発明の化合物は、式II:
Figure 0004312711
[式中、R3、R1、BおよびYは式Iで定義したとおりであり、R12はC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはHである]
の構造を有する。さらに本発明は、式IIの化合物の塩および溶媒和物を包含すると共に、式IIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を包含する。
もう一つの好ましい態様として、本発明の化合物は、式III:
Figure 0004312711
[式中、R3、R1、BおよびYは式Iで定義したとおりである]
の構造を持つ。さらに本発明は、式IIIの化合物の塩または溶媒和物を包含すると共に、式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を包含する。
もう一つの好ましい態様として、本発明の化合物は、式IV:
Figure 0004312711
[式中、R3、R1、BおよびYは式Iで定義したとおりである]
の構造を有する。さらに本発明は、式IVの化合物の塩または溶媒和物を包含すると共に、式IVの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を包含する。
もう一つの好ましい態様は、式V:
Figure 0004312711
[式中、R3、R1、n、BおよびYは式Iで定義したとおりであり、
pは1〜5である]
の化合物である。
本発明の化合物には、式Vの化合物のらせん状(spiral)官能基のジアステレオマーが包含され、それらのジアステレオマーは混合物として存在するか、または個別に製造された単一ジアステレオマーもしくはジアステレオマー混合物から単離された単一ジアステレオマーである。
さらに本発明は、式Vの化合物の塩および溶媒和物を包含すると共に、式Vの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を包含する。
さらにもう一つの好ましい態様として、本発明の化合物は以下の構造式を有する:
Figure 0004312711
[式中、
(a)R1は、無置換Hetまたは置換Hetであり、前記Het置換基は同じであるか、異なっていて、1〜3個のハロ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミド、C1-6アルカノイルアミノ、アミノ、フェニルまたはフェニルチオから選択され、前記フェニルまたはフェニルチオのフェニル部分は無置換であるか、またはハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミドまたはフェニルから選択される1〜3個の同じまたは異なる置換基で置換され;
(b)nは1または2であり;
(c)R32は、H、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C3-7シクロアルキル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニルであり、これらの基はいずれも、適宜ハロゲンで置換されていてもよく;
(d)R33は、C1-8アルキル、C3-12アルケニル、C3-C7シクロアルキル、C4-13シクロアルケニル、またはC4-C10(アルキルシクロアルキル)であり、これらの基はいずれも、適宜ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6チオアルキル、アミノ、アミド、(低級アルキル)アミド、C6もしくはC10アリール、またはC7-C16アラルキルで置換されていてもよく;
(e)Y2は、HまたはC1-C6アルキルであり;
(f)B2は、H、R14-(C=O)-、R14O(C=O)-、R14-N(R15)-C(=O)-、R14-N(R15)-C(=S)-、R14SO2-、またはR14-N(R15)-SO2-であり;
(g)R14は、(i)適宜カルボキシ、C1-6アルカノイル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、適宜C1-6アルキルで一置換または二置換されていてもよいアミノ、アミド、または(低級アルキル)アミドで置換されていてもよいC1-10アルキル、(ii)いずれも適宜ヒドロキシ、カルボキシル、(C1-6アルコキシ)カルボニル、適宜C1-6アルキルで一置換または二置換されていてもよいアミノ、アミド、もしくは(低級アルキル)アミドで置換されていてもよい、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルコキシ、またはC4-10アルキルシクロアルキル、(iii)適宜C1-6アルキルで一置換または二置換されていてもよいアミノ、またはアミド、または(低級アルキル)アミド、(iv)いずれも適宜C1-6アルキル、ヒドロキシ、アミド、(低級アルキル)アミド、もしくは適宜C1-6アルキルで一置換もしくは二置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい、C6もしくはC10アリールまたはC7-16アラルキル、または(v)どちらも適宜C1-6アルキル、ヒドロキシ、アミド、(低級アルキル)アミド、もしくは適宜C1-6アルキルで一置換もしくは二置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい、Hetまたは(低級アルキル)-Hetであり;
(h)R15は、HまたはC1-6アルキルである]。
より好ましい本発明の化合物群は、以下の式を有するものである:
Figure 0004312711
[式中、R1'は
Figure 0004312711
Figure 0004312711
である]。
さらに本発明は、式VIの化合物の塩および溶媒和物を包含すると共に、式VIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を包含する。
本発明の化合物が塩基型である場合は、医薬的に許容できる酸を添加することにより、塩を形成させることができる。この酸付加塩は、式Iの化合物と、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などの医薬的に許容できる無機酸、またはトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、スルファミン酸、もしくは酒石酸などの医薬的に許容できる有機酸とから形成される。したがって、そのような医薬的に許容できる塩の例として、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、スルファミン酸塩、および酒石酸塩が挙げられる。
アミン基の塩には、アミノ窒素がアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキル部分などの適当な有機基を保持している4級アンモニウム塩も含めることができる。
酸性基で置換されている本発明の化合物は、塩基付加によって形成される塩として存在することができる。そのような塩基付加塩には無機塩基から得られるもの、例えばアルカリ金属塩(例:ナトリウム塩およびカルシウム塩)、アルカリ土類金属塩(例:カルシウム塩およびマグネシウム塩)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩などがある。また、好適な塩基付加塩には、生理学的に許容できる有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、トリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン(dehydroabietylamine)、N,N'-ビスヒドロアビエチルアミン(N,N'-bishydroabietylamine)、グルカミン、N-メチルグルカミン、コリジン、キニン、キノリン、エチレンジアミン、オルニチン、コリン、N,N'-ベンジルフェネチルアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび水酸化テトラメチルアンモニウム、ならびにリジン、アルギニンおよびN-メチルグルタミンなどの塩基性アミノ酸などの塩も含まれる。これらの塩は当業者に知られている方法によって製造することができる。
一部の本発明化合物およびそれらの塩は、水との溶媒和物、例えば水和物の形で存在するか、またはメタノール、エタノールもしくはアセトニトリルとの溶媒和物の形で、それぞれメタノール和物、エタノール和物またはアセトニトリル和物を形成して存在することもできる。本発明は各溶媒和物およびその混合物を包含する。
また、本発明の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、多形を示す場合もある。本発明はそのような多形体をいずれも包含する。
本発明の化合物は2つ以上のキラル中心も持っている。例えば本化合物は、式:
Figure 0004312711
[式中、C1およびC2は、それぞれ、シクプロピル環の1位および2位の不斉炭素原子を表す]
のP1シクロプロピル要素を含みうる。本化合物の他の部分に存在する可能性のある他の不斉中心とは関わりなく、これら2つの不斉中心の存在は、本化合物がジアステレオマーのラセミ混合物(例えば以下に示すようにR2がアミドに対してsynに配置するジアステレオマーまたはR2がカルボニルに対してsynに配置するジアステレオマーなど)として存在できることを意味している。
Figure 0004312711
本発明は、エナンチオマーも、エナンチオマーの混合物、例えばラセミ混合物なども包含する。
エナンチオマーは当業者に知られている方法によって分割することができる。例えばエナンチオマーは、結晶化によって分離することができるジアステレオ異性体塩の形成、気液クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、一方のエナンチオマーとエナンチオマー特異的試薬との選択的反応などによって、分割することができる。所望のエナンチオマーが、ある分離技術によって別の化学物質に変換される場合は、前記所望のエナンチオマー体を形成させるために追加のステップが必要であることは、理解されるだろう。もう一つの選択肢として、光学活性な試薬、基質、触媒または溶媒を用いる不斉合成によって、または一方のエナンチオマーを不斉変換によって他方のエナンチオマーに変換することによって、特定のエナンチオマーを合成することもできる。
本発明の化合物はプロドラッグの形態をとりうる。本発明の化合物上に酸性基が存在する場合、その酸性基から誘導される簡単な脂肪族エステルまたは芳香族エステルは、好ましいプロドラッグである。(アシルオキシ)アルキルエステルまたは(アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを製造することが望ましい場合もある。
いくつかの本発明化合物は、異なる安定配座異性体として存在する場合もあり、それらは分離可能な場合もある。例えば立体障害または環の歪みなどによって不斉単結合をめぐる回転が制限されているために生じるねじれ不斉は、各配座異性体の分離を可能にする場合がある。本発明はこれらの化合物の各配座異性体およびその混合物を包含する。
いくつかの本発明化合物は両性イオン体として存在する場合もあり、本発明はそれらの化合物の各両性イオン体およびその混合物を包含する。
本発明化合物の合成に役立つ出発物質は当業者に知られており、容易に製造することができるか、または市販されている。
本発明の化合物は当業者に知られている方法によって製造することができる。例えば米国特許第6,323,180号および米国特許出願公開番号20020111313 A1などを参照されたい。以下に説明する下記の方法は例示を目的として記載するものであって、本願発明の範囲を限定しようとするものではない。ある官能基を従来の保護基で保護し、次にその保護基を除去することによって本発明の化合物が得られるような化合物を製造することが好ましいか、またはそうする必要がありうることは、理解されるだろう。本発明での保護基の使用に関する詳細は当業者には知られている。
本発明の化合物は、例えば反応式Iに図解する一般製造法に従って、合成することができる(式中、CPGはカルボキシル保護基であり、APGはアミノ保護基である)。
Figure 0004312711
簡単に述べると、P1、P2およびP3は、周知のペプチドカップリング技術によって連結することができる。P1基、P2基およびP3基は、最終化合物が本発明のペプチドに該当する限り、どのような順序で連結してもよい。例えば、P3をP2-P1に連結することも、P1をP3-P2にすることもできる。
一般にペプチドは、記載されている方法を使って、N末端残基のα-アミノ基を脱保護し、次の適切にN保護されたアミノ酸の無保護カルボキシル基と、ペプチド結合を介してカップリングすることによって、伸長される。この脱保護およびカップリング操作を所望の配列が得られるまで繰り返す。このカップリングは反応式Iに図示するように構成アミノ酸を使って段階的に行うことができる。
2つのアミノ酸、1つのアミノ酸と1つのペプチド、または2つのペプチド断片の間のカップリングは、例えばアジド法、混合炭酸-カルボン酸無水物(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(o-ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)法、ウッドワード試薬K法、カルボニルジイミダゾール法、リン試薬または酸化還元法などの標準的なカップリング法を使って行うことができる。これらの方法のいくつか(特にカルボジイミド法)は、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは4-DMAPを添加することによって促進することができる。これらのカップリング反応は溶液中(液相)または固相で行うことができる。
さらに明確に述べると、カップリングステップでは、一方の反応物の遊離カルボキシルと他方の反応物の遊離アミノ基との脱水的カップリングが起こって、両者を連結するアミド結合が形成される。そのようなカップリング剤の説明は、一般に、ペプチド化学の教科書、例えばM.Bodanszky「Peptide Chemistry」(第2改定版,Springer Verlag,ドイツ・ベルリン,1993)などに見いだされる。好適なカップリング剤の例は、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、またはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドもしくはN-エチル-N'-[(3-ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド存在下の1-ヒドロキシベンゾトリアゾールである。実用的で有用なカップリング剤は、市販されているヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス-(ジメチルアミノ)ホスホニウム(単独または1-ヒドロキシベンゾトリアゾールもしくは4-DMAPの存在下)である。もう一つの実用的で有用なカップリング剤は、市販されているテトラフルオロホウ酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムである。さらにもう一つの実用的で有用なカップリング剤は、市販されているヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムである。カップリング反応は、例えばジクロロメタン、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で行われる。反応混合物をpH約8に保つために、過剰量の3級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピロリジンまたは4-DMAPなどを加える。反応温度は通常0℃〜50℃の範囲であり、反応時間は通常15分〜24時間の範囲である。
一般に、構成アミノ酸の官能基は、望ましくない結合の形成を避けるために、カップリング反応中は保護しておかなければならない。使用することができる保護基は、例えばGreene「Protective Groups in Organic Chemistry」(John Wiley & Sons,ニューヨーク,1981)および「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology」(第3巻,Academic Press,ニューヨーク,1981)などに列挙されており、その開示は参考文献として本明細書の一部を構成するものとする。
成長するペプチド鎖にカップリングしようとする各アミノ酸のα-アミノ基は保護しておかなければならない(APG)。当技術分野で知られる任意の保護基を使用することができる。そのような基の例として、1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、およびp-トルエンスルホニルなどのアシル基、2)ベンジルオキシカルボニル(CbzまたはZ)および置換ベンジルオキシカルボニルならびに9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメート基、3)tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルなどの脂肪族カルバメート基、4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカルバメート基、5)トリフェニルメチルおよびベンジルなどのアルキル基、6)トリメチルシリルなどのトリアルキルシリル、および7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルなどのチオール含有基が挙げられる。好ましいα-アミノ保護基はBocまたはFmocである。ペプチド合成用に適切に保護されたアミノ酸誘導体は数多く市販されている。新たに付加されたアミノ酸残基のα-アミノ保護基は、次のアミノ酸のカップリングに先立って切断される。Boc基を使用する場合に好んで用いられる方法は、トリフルオロ酢酸(ニートまたはジクロロメタン中)、またはジオキサン中もしくは酢酸エチル中のHClである。次に、生成したアンモニウム塩をカップリングに先立って中和するか、水性緩衝液またはジクロロメタン中もしくはアセトニトリル中もしくはジメチルホルムアミド中の3級アミンなどの塩基性溶液により、インシトゥー(in situ)で中和する。Fmoc基を使用する場合に好んで使用される試薬類は、ジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換ピペリジンであるが、任意の二級アミンを使用することができる。脱保護は、0℃〜室温(rtまたはRT)、通常は20〜22℃の温度で行われる。
側鎖官能基を持つアミノ酸はいずれも、ペプチドの製造中は、上述した基のいずれかを使って保護しておかなければならない。これらの側鎖官能基に適した保護基の選択とその使用が、そのアミノ酸とペプチド中の他の保護基の存在とに依存することは、当業者には理解されるだろう。そのような保護基の選択は、その基がα-アミノ基の脱保護およびカップリング中に除去されてはならないので、重要である。
例えばBocをα-アミノ保護基として使用する場合は、以下の側鎖保護基が適切である。p-トルエンスルホニル(トシル)部分はLysおよびArgなどのアミノ酸のアミノ側鎖を保護するために使用することができる。アセトアミドメチル、ベンジル(Bn)またはtert-ブチルスルホニル部分は、システインのスルフィド含有側鎖を保護するために使用することができる。ベンジル(Bn)エーテルはセリン、スレオニンまたはヒドロキシプロリンのヒドロキシ含有側鎖を保護するために使用することができる。また、ベンジルエステルは、アスパラギン酸およびグルタミン酸のカルボキシ含有側鎖を保護するために使用することができる。
α-アミノ保護にFmocを選択した場合、通常はtert-ブチル系の保護基を使用することができる。例えばBocはリジンおよびアルギニンに、tert-ブチルエーテルはセリン、スレオニンおよびヒドロキシプロリンに、そしてtert-ブチルエステルはアスパラギン酸およびグルタミン酸に使用することができる。トリフェニルメチル(トリチル)部分は、システインのスルフィド含有側鎖を保護するために使用することができる。
ペプチドの伸長が完了したら、すべての保護基を除去する。液相合成法を使用した場合は、選択した保護基によって決まる任意の方法で、保護基を除去する。これらの方法は当業者にはよく知られている。
また、本発明の化合物を製造する際には、以下の指針に従うことができる。例えば、BがR4-C(O)-またはR4-S(O)2-である化合物を形成させるには、保護されたP3またはペプチド全体もしくはペプチドセグメントを、市販されているかその合成方法が当技術分野でよく知られている適当な塩化アシルまたは塩化スルホニルにそれぞれカップリングする。BがR4O-C(O)-である化合物を製造する場合は、保護されたP3またはペプチド全体もしくはペプチドセグメントを、市販されているかその合成方法が当技術分野でよく知られている適当なクロロギ酸エステルにカップリングする。Boc誘導体には(Boc)2Oを使用する。
例えば
Figure 0004312711
シクロペンタノールをホスゲンで処理して、対応するクロロギ酸エステルを得る。
このクロロギ酸エステルを、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、所望のNH2-トリペプチドで処理して、シクロペンチルカルバメートを得る。
BがR4-N(R5)-C(O)-またはR4-NH-C(S)-である化合物を製造する場合は、SynLett. Feb 1995;(2);142-144に記載されているように、保護されたP3またはペプチド全体もしくはペプチドセグメントをホスゲンで処理してからアミンと反応させるか、市販のイソシアネートおよびトリエチルアミンなどの適当な塩基と反応させる。
BがR4-N(R5)-S(O2)である化合物を製造する場合は、特許Ger. Offen.(1998)84pp. DE19802350またはWO 98/32748に記載されているように、保護されたP3またはペプチド全体もしくはペプチドセグメントを、新たに調製した塩化スルファミルまたは市販の塩化スルファミルで処理してから、アミンと反応させる。
C末端残基のα-カルボキシル基は通常、切断してカルボン酸を生成させることができるエステル(CPG)として保護される。使用できる保護基としては、1)メチル、トリメチルシリルエチルおよびt-ブチルなどのアルキルエステル、2)ベンジルおよび置換ベンジルなどのアラルキルエステル、または3)穏和な塩基処理もしくは穏和な還元手段によって切断することができるトリクロロエチルエステルやフェナシルエステルなどのエステルが挙げられる。
得られたα-カルボン酸(穏和な酸、穏和な塩基処理または穏和な還元手段によって生成するもの)を、CDIまたはEDACなどのペプチドカップリング剤の存在下、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)および/または1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)などの塩基の存在下で、R1SO2NH2[R1SO2Clをアンモニア飽和テトラヒドロフラン溶液中で処理することによって調製]とカップリングすることにより、P1'部分が組み込まれて、トリペプチドP1'-P1-P2-P3-APGが効果的に生成する。通例、この工程では、1〜5当量のP1'カップリング剤を使用する。
また、P3保護基APGを除去し、上述の方法によってB部分で置き換え、切断によって得られるα-カルボン酸(穏和な酸、穏和な塩基処理または穏和な還元手段によって生成するもの)を、CDIまたはEDACなどのペプチドカップリング剤の存在下、4-ジメチルアミノピリジン(4-DMAP)および/または1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)などの塩基の存在下で、R1SO2NH2[R1SO2Clをアンモニア飽和テトラヒドロフラン溶液中で処理することによって調製するか、または本明細書に記載する代替方法によって調製]とカップリングすることによってP1'部分を組み込むと、トリペプチドP1'-P1-P2-P3-Bが製造される。通例、この工程では、1〜5当量のP1'カップリング剤を使用する。
本発明の化合物は、下記の実施例に記載する方法や、米国特許第6,323,180号および米国特許出願第10/001,850号(2001年11月20日出願)に記載の方法を含む多くの方法によって製造することができる。米国特許第6,323,180号および米国特許出願第10/001,850号の教示内容は、参照をもって、そのまま本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、本発明の化合物または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、医薬的に許容できる担体とを含む組成物も提供する。本発明の医薬組成物は、治療有効量の本発明化合物または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、医薬的に許容できる担体を、医薬的に許容できる担体、例えば賦形剤またはビヒクル希釈剤と共に含む。
そのような組成物中の活性成分、すなわち活性化合物は、典型的には、当該組成物の0.1重量%〜99.9重量%を占め、多くの場合、約5〜95重量%を構成する。
本発明の医薬組成物は、経口投与するか、非経口投与するか、または植込型レザバー(implanted reservoir)によって投与することができる。経口投与または注射による投与が好ましい。場合によっては、調剤された化合物またはその送達型の安定性を高めるために、医薬的に許容できる酸、塩基または緩衝剤で製剤のpHを調節してもよい。本明細書で使用する非経口という用語には皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内および病巣内注射または注入技術が包含される。
本医薬組成物は、例えば滅菌注射用水性または油性懸濁剤などの滅菌注射製剤の形態をとりうる。この懸濁剤は当技術分野で知られている技術に従い、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使って製剤化することができる。そのような配合物の製造に関する詳細は、当業者には知られている。
経口投与する場合、本発明の医薬組成物は、例えばカプセル剤、錠剤ならびに水性の懸濁剤および溶液剤など、経口的に許容できる任意の剤形で投与することができる。経口投与用錠剤の場合、よく使用される担体として、乳糖およびトウモロコシデンプンが挙げられる。通例、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も加えられる。カプセル剤型で経口投与する場合は、有用な希釈剤として乳糖および乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁剤を経口投与する場合は、活性成分を乳化および懸濁化剤と混合する。所望であれば、一定の甘味剤および/または着香剤および/または着色剤を加えてもよい。
上記の組成物に適した他の担体は、標準的な薬学の教科書、例えば「Remington's Pharmaceutical Sciences」(第19版,Mack Publishing Company,ペンシルバニア州イーストン,1995)などに見いだすことができる。本発明の医薬組成物の好適な送達形態の設計および製造に関するさらなる詳細は、当業者には知られている。
HCVによる疾患を予防および処置するための単剤療法では、1日あたり体重1キログラムあたり約0.01〜約1000ミリグラム(「mg/kg)」、好ましくは1日あたり約0.5〜約250mg/kgの本発明化合物という投与量レベルが典型的である。通例、本発明の医薬組成物は、1日につき約1回〜約5回投与されるか、または持続注入として投与されるだろう。そのような投与は急性期治療または慢性期治療として用いることができる。1個の剤形を製造するために担体材料と混合することができる活性成分の量は、処置対象である受容者およびその投与様式に依存して変化するだろう。
当業者には理解されるだろうが、上記の用量より低い用量または高い用量が必要な場合もある。どの特定患者についても、具体的な投与量および処置計画は、使用する特定化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食餌、投与時間、排泄速度、併用薬、感染の重症度および経過、感染に対する患者の素因および処置医の判断を含むさまざまな要因に依存するだろう。一般的には、ペプチドの至適用量よりもかなり少ない低投与量で処置を開始する。その後、その条件下で最適な効果が得られるまで、投与量を少しずつ増加させる。一般に、化合物は、危険なまたは有害な副作用を何も引き起こさずに抗ウイルス剤として有効な結果を通常もたらす濃度レベルで投与することが、最も望ましい。
本発明の組成物が本発明の化合物と1つ以上の追加の治療剤または予防剤との組合せを含む場合は、本化合物と追加剤はどちらも、通常は、単剤治療計画で通常投与される投与量の約10〜100%、より好ましくは約10〜80%の投与量レベルで存在する。
これらの化合物または医薬的に許容できるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを医薬的に許容できる担体と一緒に製剤化した場合、得られた組成物は、HCV NS3プロテアーゼを阻害するために、またはHCVウイルス感染を処置もしくは予防するために、人間などの哺乳動物にインビボ投与することができる。そのような処置は、本発明の化合物を、例えばインターフェロンなどの免疫調節剤、リバビリン、アマンタジンなどの他の抗ウイルス剤、HCV NS3プロテアーゼの他の阻害剤、HCV生活環中の他の標的(例えばヘリカーゼ、ポリメラーゼ、メタロプロテアーゼもしくは内部リボソーム結合部位)の阻害剤またはそれらの組合せなどの薬剤と併用することによって達成することもできる。追加の薬剤は本発明の化合物と組み合わせて単一の剤形にすることができる。もう一つの選択肢として、これら追加の薬剤は、複数の剤形の一部として、哺乳動物に個別に投与してもよい。
したがって本発明は、もう一つの側面として、上に定義した置換基を持つ本発明の化合物または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を投与することによって、患者におけるHVC NS3プロテーゼ活性を阻害する方法を提供する。
好ましい一態様として、これらの方法は、患者におけるHCV NS3プロテアーゼ活性を低下させるのに役立つ。医薬組成物が活性成分として本発明の化合物だけを含む場合、上記の方法は、免疫調節剤、抗ウイルス剤、HCVプロテアーゼ阻害剤、またはHCV生活環中の他の標的(例えばヘリカーゼ、ポリメラーゼまたはメタロプロテアーゼなど)の阻害剤から選択される薬剤を前記患者に投与するステップを、さらに含みうる。そのような追加の薬剤は、本発明化合物の投与に先立って、または本発明化合物の投与と同時に、または本発明化合物の投与後に、患者に投与することができる。
もう一つの好ましい側面として、これらの方法は、患者におけるウイルス複製を阻害するのに役立つ。そのような方法はHCV疾患の処置または予防に役立ちうる。
本発明の化合物は実験用試薬として使用することもできる。本化合物は、HCV疾患機序の知識をさらに深めることを目的として、ウイルス複製アッセイの設計、動物アッセイ系の検証および構造生物学の研究を行うための研究ツールを提供するのに役立ちうる。
本発明の化合物は、物質のウイルス汚染を処置または防止するためにも使用することができる。したがって本発明の化合物は、そのような物質、例えば血液、組織、手術具および手術着、実験具および実験着、ならびに採血および輸血用の装置および材料などと接触する実験もしくは医療関係者または患者がウイルスに感染する危険を低下させるために使用することができる。
(実施例)
以下の具体例は本発明化合物の合成を例示するものであり、これらが本発明の領域または範囲を限定するとみなしてはならない。本発明に包含されるが具体的には開示されていない化合物を製造するために、これらの方法には変更を加えることができる。また、同じ化合物を多少異なる方法で製造するための変法も、当業者には明白になるだろう。
別段の表示がない限り、溶液百分率は重量対体積の関係を表し、溶液比は体積対体積の関係を表す。核磁気共鳴(NMR)スペクトルはBruker 300、400または500MHz分光計で記録した。化学シフトはppmの単位で記載する。フラッシュクロマトグラフィーは、Stillのフラッシュクロマトグラフィー技術に従って、シリカゲル(SiO2)で行った(W.C.Stillら,J. Org. Chem.(1978)43,2923)。
液体クロマトグラフィー(LC)データはすべて、SPD-10AV UV-Vis検出器を使って島津製作所LC-10AS液体クロマトグラフで記録し、質量分析(MS)データは、LC用Micromass Platformを使って、エレクトロスプレーモード(ES+)で決定した。
別段の表示がない限り、以下の条件を持つ7つの方法論のうちの1つを使って、LC-MSによって各化合物を分析した。MSキャリブレーションが分子量900以下の化合物に限られるので、一部の化合物については、LC-MSという用語がLCに短縮されていることに注意されたい。
カラム:
(方法A)−YMC ODS S7 C18 3.0×50mm
(方法B)−YMC ODS-A S7 C18 3.0×50mm
(方法C)−YMC S7 C18 3.0×50mm
(方法D)−YMC Xterra ODS S7 3.0×50mm
(方法E)−YMC Xterra ODS S7 3.0×50mm
(方法F)−YMC ODS-A S7 C18 3.0×50mm
(方法G)−YMC C18 S5 4.6×50mm
勾配:100%溶媒A/0%溶媒B→0%溶媒A/100%溶媒B
勾配時間:2分(A、B、D、F、G)、8分(C、E)
保持時間:1分(A、B、D、F、G)、2分(C、E)
流速:5mL/分
検出器波長:220nm
溶媒A:10%MeOH/90%H2O/0.1%TFA
溶媒B:10%H2O/90%MeOH/0.1%TFA
以下の実施例で説明する本発明の化合物および化学中間体は、以下の方法に従って製造した。
本願で使用する略号、特に以下の具体例で使用する略号は、当業者によく知られている。使用する略号の一部は以下のとおりである。
rt 室温
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
t-BuOK カリウムt-ブトキシド
Et2O ジエチルエーテル
TBME tert-ブチルメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
CDI カルボニルジイミダゾール
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] -7-ウンデセン
TFA トリフルオロ酢酸
NMM N-メチルモルホリン
HATU O-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル
HBTU ヘキサフルオロリン酸O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム
HOBT N-ヒドロキシベンゾトリアゾール
PyBrop ヘキサフルオロリン酸ブロモ-ビス-ピロリジン-ホスホニウム
DMF ジメチルホルムアミド
MeOH メタノール
EDTA エチレンジアミン四酢酸
HRMS 高分解能質量分析
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
実施例1
(鍵中間体の製造)
Boc-(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン(下式)をステップ1a〜cで説明するように製造した。
Figure 0004312711
ステップ1a:4-ヒドロキシ-2-フェニル-7-メトキシキノリン(下式)の製造
Figure 0004312711
m-アニシジン(300g,2.44モル)およびベンゾイル酢酸エチル(234.2g,1.22モル)のトルエン(2.0L)溶液に、HCl(4.0Nジオキサン溶液,12.2mL,48.8ミリモル)を加えた。得られた溶液を、ディーン・スターク装置を使って、6.5時間還流した(約56mlの水溶液が集まった)。その混合物を室温まで冷却し、HCl水溶液(10%、500mL×3)、NaOH水溶液(1.0N,200mL×2)、水(200mL×3)で複数回分配し、有機層を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して、油状残渣(329.5g)を得た。その粗生成物を、ディーン・スターク装置を使って、油浴(280℃)中で80分間加熱した(約85mLの液体が集まった)。反応混合物を室温まで冷却し、固形残渣をCH2Cl2(400mL)で摩砕し、得られた懸濁液を濾過し、濾過ケーキを新たなCH2Cl2(150mL×2)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥することにより(50℃、1torr、1日)、分析的に純粋な4-ヒドロキシ-7-メトキシ-2-フェニルキノリンを淡褐色固体として得た(60.7g,全体で20%)。
1H NMR δ(DMSO):3.86(s,3H),6.26(s,1H),6.94(dd,J=9.0,2.4Hz,1H),7.21(d,J=2.4Hz,1H),7.55-7.62(m,3H),7.80-7.84(m,2H),8.00(d,J=9.0Hz,1H),11.54(s,1H)。
13C NMR(DMSO-d6)δ 55.38,99.69,107.07,113.18,119.22,126.52,127.17,128.97,130.34,134.17,142.27,149.53,161.92,176.48。
LC-MS(保持時間:1.26,方法D)。MS m/z 252(M++1)。
ステップ1b:4-クロロ-7-メトキシ-2-フェニルキノリン(下式)の製造
Figure 0004312711
ステップ1aの生成物(21.7g,86.4ミリモル)をPOCl3(240mL)に懸濁した。その懸濁液を2時間還流した。POCl3を減圧下で除去した後、残渣をEtOAc(1L)と冷NaOH水溶液(200mLの1.0N NaOHと20mLの10.0N NaOHから調製したもの)とに分配し、15分間撹拌した。有機層を水(200mL×2)、食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮することにより、4-クロロ-2-フェニル-7-メトキシキノリン(21.0g,90%)を淡褐色固体として得た。
1H NMR(DMSO-d6)δ 3.97(s,3H),7.36(dd,J=9.2,2.6Hz,1H),7.49-7.59(m,4H),8.08(d,J=9.2Hz,1H),8.19(s,1H),8.26-8.30(m,2H)。
13C NMR(DMSO-d6)δ:55.72,108.00,116.51,119.52,120.48,124.74,127.26,128.81,130.00,137.58,141.98,150.20,156.65,161.30。
LC-MS(保持時間:1.547,方法D)。MS m/z 270(M++1)。
ステップ1c:Boc-(4R)-(2-フェニル-7-メトキシ-キノリン-4-オキソ)-S-プロリン(下式)の製造
Figure 0004312711
DMSO(250mL)に懸濁したBoc-4R-ヒドロキシプロリン(16.44g,71.1mmol)に、0℃で、t-BuOK(19.93g,177.6mmol)を加えた。生成した混合物を1.5時間撹拌した後、ステップ1bの生成物(21.02g,77.9mmol)を3回に分けて1時間かけて加えた。その反応系を1日撹拌してから、反応混合物を冷水(1.5L)に注ぎ込み、Et2O(200mL×4)で洗浄した。水溶液をpH4.6に酸性化し、濾過し、得られた白色固体を減圧下で乾燥することにより、生成物Boc(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)プロリン(32.5g,98%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ 1.32, 1.35(2本のs(回転異性体)9H),2.30-2.42(m,1H),2.62-2.73(m,1H),3.76(m,2H),3.91(s,3H),4.33-4.40(m,1H),5.55(m,1H),7.15(dd,J=9.2,2.6Hz,1H),7.37(d,J=2.6Hz,1H),7.42-7.56(m,4H),7.94-7.99(m,1H),8.25,8.28(2s,2H),12.53(brs,1H)。
LC-MS(保持時間:1.40,方法D)。MS m/z 465(M++1)。
実施例2
(鍵中間体の製造)
1-{[1-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3,3-ジメチルブチリル)-4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸の(1R,2S)P1異性体(下式)を、ステップ2a〜eで説明するように製造した。
Figure 0004312711
ステップ2a:(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩(下式)の製造
Figure 0004312711
上記の化合物を以下の方法AおよびBのそれぞれによって製造した。
方法A
A.1)グリシンエチルエステルのN-ベンジルイミン(下式)の製造
Figure 0004312711
グリシンエチルエステル塩酸塩(303.8g,2.16モル)をtert-ブチルメチルエーテル(1.6L)に懸濁した。ベンズアルデヒド(231g,2.16モル)および無水硫酸ナトリウム(154.6g,1.09モル)を加え、その混合物を氷水浴で0℃まで冷却した。トリエチルアミン(455mL,3.26モル)を30分かけて滴下し、その混合物を室温で48時間撹拌した。次に、氷冷水(1L)を加えることによって反応を停止し、有機層を分離した。水相をtert-ブチルメチルエーテル(0.5L)で抽出し、合わせた有機相を飽和NaHCO3水溶液(1L)と食塩水(1L)の混合液で洗浄した。その溶液をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮することにより、392.4gのN-ベンジルイミン生成物を濃厚な黄色油状物として得て、それをそのまま次のステップに使用した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ 1.32(t,J=7.1Hz,3H),4.24(q,J=7.1Hz,2H),4.41(d,J=1.1Hz,2H),7.39-7.47(m,3H),7.78-7.81(m,2H),8.31(s,1H)。
A.2)ラセミ型N-Boc-(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの製造
Figure 0004312711
乾燥トルエン(1.2L)に懸濁したリチウムtert-ブトキシド(84.06g,1.05mol)に、乾燥トルエン(0.6L)中の、グリシンエチルエステルのN-ベンジルイミン(100.4g,0.526mol)とtrans-1,4-ジブロモ-2-ブテン(107.0g,0.500mol)との混合物を、60分間かけて滴下した。添加が完了してから、水(1L)とtert-ブチルメチルエーテル(TBME,1L)とを添加することによって、その深赤色混合物をクエンチした。水相を分離し、TBME(1L)で2回抽出した。有機相を合わせ、1N HCl(1L)を加えて、その混合物を室温で2時間撹拌した。有機相を分離し、水(0.8L)で抽出した。次に、水相を合わせ、塩(700g)で飽和させ、TBME(1L)を加え、その混合物を0℃に冷却した。次に、撹拌した混合物を10N NaOHの滴下によってpH14まで塩基性にし、有機層を分離し、水相をTBME(500mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、体積が1Lになるまで濃縮した。この遊離アミンの溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(131.0g,0.6mol)を加え、その混合物を室温で4日間撹拌した。二炭酸ジ-tert-ブチル(50g,0.23mol)を反応系に追加し、その混合物を3時間還流した後、室温まで一晩放冷した。反応混合物をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮することにより、80gの粗製物を得た。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(2.5KgのSiO2,1%〜2%MeOH/CH2Cl2で溶出)で精製することにより、57g(53%)のラセミ型N-Boc-(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを黄色油状物として得た。この油状物を冷蔵庫に静置しておくと固化した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ 1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.46(s,9H),1.43-1.49(m,1H),1.76-1.82(br m,1H),2.14(q,J=8.6Hz,1H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),5.12(dd,J=10.3,1.7Hz,1H),5.25(br s,1H),5.29(dd,J=17.6,1.7Hz,1H),5.77(ddd,J=17.6,10.3,8.9Hz,1H)。
MS m/z 254.16(M+-1)。
A.3)ラセミ型(1R,2S)/(1S,2R)1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩の製造
Figure 0004312711
N-Boc-(1R,2S/1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(9.39g,36.8mmol)を4N HCl/ジオキサン(90ml,360mmol)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮することにより、(1R,2S/1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩を定量的収率で得た(7g,100%)。
1H NMR(メタノール-d4)δ 1.32(t,J=7.1,3H),1.72(dd,J=10.2,6.6Hz,1H),1.81(dd,J=8.3,6.6Hz,1H),2.38(q,J=8.3Hz,1H),4.26-4.34(m,2H),5.24(dd,10.3,1.3Hz,1H),5.40(d,J=17.2,1H),5.69-5.81(m,1H)。
方法B
Figure 0004312711
カリウムtert-ブトキシド(11.55g,102.9mmol)のTHF(450mL)溶液に、78℃で、THF(112mL)中のグリシンエチルエステルのN,N-ジベンジルイミン(市販品)(25.0g,93.53mmol)を加えた。反応混合物を0℃まで温め、40分間撹拌した後、再び−78℃まで冷却した。この溶液に、trans-1,4-ジブロモ-2-ブテン(20.0g,93.50mmol)を加え、その混合物を0℃で1時間撹拌し、再び−78℃まで冷却した。カリウムtert-ブトキシド(11.55g,102.9mmol)を加え、その混合物を直ちに0℃まで温めて、さらに1時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。粗生成物をEt2O(530mL)にとりだし、1N HCl水溶液(106mL,106mmol)を加え、得られた二相混合物を室温で3.5時間撹拌した。層を分離し、水層をEt2Oで洗浄(2回)し、飽和NaHCO3水溶液で塩基性にした。所期のアミンをEt2Oで抽出(3回)し、合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮することにより、遊離アミンを得た。この物質を4N HCl/ジオキサン溶液(100mL,400mmol)で処理し、濃縮することにより、(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩を褐色半固体として得た(5.3g,収率34%)。これは、未同定の芳香族不純物が少量(8%)存在する点以外は、方法Aで得た物質と同じだった。
ステップ2b:2-(1-エトキシカルボニル-2-ビニルシクロプロピルカルバミル-4-(7-メトキシル-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体、別名2(S)-(1(R)-エトキシカルボニル-2(S)-ビニルシクロプロピルカルバモイル)-4(R)-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
ステップ1cで得たBoc-4(R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)プロリン(11.0g,23.7ミリモル)、ステップ2bで得た(1R,2S)および(1S,2R)P1誘導体ジアステレオマー(カルボキシ基がビニル部分に対してsynであるもの)のラセミ混合物のHCl塩(5.40g,28.2ミリモル)、NMM(20.8mL,18.9ミリモル)を500mLの50%CH2Cl2/THFに溶解した溶液に、0℃で、カップリング試薬PyBrop、すなわちヘキサフルオロリン酸ブロモトリスピロリジノ-ホスホニウム(16.0g,34.3ミリモル)を、3回に分けて10分間で加えた。その溶液を室温で1時間撹拌した後、pH4.0の緩衝液(50mL×4)で洗浄した。有機層を飽和NaHCO3(100mL)で洗浄し、その水性洗液を酢酸エチル(150mL)で抽出し、有機層をpH4.0の緩衝液(50mL)および飽和NaHCO3水溶液(50mL)で逆洗浄した。有機溶液を乾燥(MgSO4)し、濃縮し、Biotage 65Mカラム(50%EtOAc/ヘキサン類で溶出)を使って精製することにより、2-(1-エトキシカルボニル-2-ビニルシクロプロピルカルバミル-4-(7-メトキシル-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)および(1S,2R)P1異性体の1:1混合物7.5g(全体で50%)を得るか、あるいは15%→60%EtOAc/ヘキサン類勾配を使ってBiotage 65Mカラムから溶出させることにより、高いRfで溶出する(1R,2S)P1異性体3.54g(25%)と、低いRfで溶出する(1S,2R)P1異性体3.54g(25%)を得た。
(1R,2S)P1異性体のデータ:
1H NMR(CDCl3)δ 1.21(t,J=7Hz,3H),1.43(s,9H),1.47-1.57(m,1H),1.88(m,1H),2.05-2.19(m,1H),2.39(m,1H),2.88(m,1H),3.71-3.98(m,2H),3.93(s,3H),4.04-4.24(m,2H),4.55(m,1H),5.13(d,J=10Hz,1H),5.22-5.40(m,1H),5.29(d,J=17Hz,1H),5.69-5.81(m,1H),7.02 (brs, 1H),7.09(dd,J=9, 2Hz,1H),7.41-7.52(m,4H),7.95(d,J=9Hz,1H),8.03,8.05(2s,2H)。
13C NMR(CDCl3)δ:14.22,22.83,28.25,33.14,33.58,39.92,51.84,55.47,58.32,61.30,75.86,81.27,98.14,107.42,115.00,117.84,118.27,122.63,123.03,127.50,128.72,129.26,133.39,140.06,151.23,159.16,160.34,161.35,169.78,171.68。
LC-MS(保持時間:1.62,方法D)。MS m/z 602(M++1)。
(1S,2R)P1異性体のデータ:
1H NMR δ 1.25(t,J=7Hz,3H),1.44(s,9H),1.46-1.52(m,1H),1.84(m,1H),2.12-2.21(m,1H),2.39(m,1H),2.94(m,1H),3.82(m,2H),3.97(s,3H),4.05-4.17(m,2H),4.58(m,1H),5.15(d,J=10.8Hz,1H),5.33(d,J=17Hz,1H),5.30-5.43(m,1H),5.72-5.85(m,1H),7.05(s,1H),7.13(dd,J=9,2Hz,1H),7.46-7.60(m,4H),7.98(d,J=9,1H),8.06-8.10(m,2H)。
LC-MS(保持時間:1.66,方法D)。MS m/z 602(M++1)。
Figure 0004312711
代替ステップ2b:2(S)-(1(R)-エトキシカルボニル-2(S)-ビニルシクロプロピルカルバモイル)-4(R)-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(下式)の製造
ステップ2aの生成物(7.5g,39.1mmol)をジクロロメタン(150mL)中のジイソプロピルエチルアミン(32.5mL,186mmol)と混合した。得られた混合物に、HOBT水和物(6.85g,44.7mmol)およびステップ1cの生成物(17.3g,37.3mmol)を加えてから、HBTU(16.96g,44.7mmol)を添加した。直ちにわずかな発熱が起こった。その混合物を室温で終夜撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(600mL)に再溶解した。その溶液を水(200mL×2)で洗浄した後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL×2)で洗浄し、次に水(150mL)で洗浄し、最後に食塩水(150mL)で洗浄した。有機分を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、ベージュ色のガラス質固体を得た。Biotage Flash 75Mカートリッジ(66%ヘキサン類/酢酸エチル)でのフラッシュクロマトグラフィーにより、複数のバッチ(各7g)に分けて精製を行った結果、最初に溶出する異性体としてBOC-NH-P2-P1-COOEtの(1R,2S)ビニルacca P1異性体(合計9.86g,収率44.0%)が得られ、続いて、2番目に溶出する異性体としてBOC-NH-P2-P1-COOEtの(1S,2R)ビニルacca P1異性体(合計10.43g,収率46.5%)を得た。合計1.97gの混合画分が回収されたので、2つのジアステレオマーへの総変換率は99.3%になった。
(1R,2S)異性体−
1H NMR:(メタノール-d4)δ 1.23(t,J=7.2Hz,3H),1.4(s,4H),1.45(s,6H),1.73(dd,J=7.9,1.5Hz,0.4H),1.79(dd,J=7.8,2.4Hz,0.6H),2.21(q,J=8.2Hz,1H),2.44-2.49(m,1H),2.66-2.72(m,0.4H),2.73-2.78(m,0.6H),3.93-3.95(m,2H),3.96(s,3H),4.10-4.17(m,2H),4.44(q,J=7.8Hz,1H),5.13(d,J=10.7Hz,1H),5.31(d,J=17.7Hz,0.4H),5.32(d,J=17.4Hz,0.6H),5.49(bs,1H),5.66-5.82(m,1H),7.16(dd,J=9.2,2.5Hz,1H),7.26(s,1H),7.42(d,J=2.4Hz,1H),7.48-7.55(m,3H),8.02-8.05(m,3H)。
MS m/z 602(M++1)。
ステップ2c:1-{[4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-2-カルボニル]-1-アミノ}-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル二塩酸塩の(1R,2S)P1ジアステレオマー(下式)の製造
Figure 0004312711
ステップ2bの生成物(5.88g,9.77mmol)をHCl/ジオキサン(4.0M,200ml)に溶解し、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮することにより、標題の生成物を得た。
1H NMR(メタノール-d4)δ 1.24(t,J=7Hz,3H),1.50(dd,J=10,5Hz,1H),1.78(dd,J=8.4,5.5Hz,1H),2.24-2.33(m,1H),2.56-2.66(m,1H),3.05(dd,J=14.6,7.3Hz,1H),3.98(s,2H),4.06(s,3H),4.15(q,J=7Hz,2H),4.76(dd,J=10.6,7.3Hz,1H),5.13(dd,J=10.2,1.8Hz),5.32(dd,J=17,2Hz),5.70-5.83(m,1H),6.05(m,1H),7.48(dd,J=9,2Hz,1H),7.65-7.79(m,5H),8.12-8.15(m,2H),8.54(d,J=9.5Hz,1H)。
13C NMR(メタノール-d4)δ:14.77,23.23,34.86,37.25,41.19,43.90,52.66,60.35,62.32,62.83,68.27,72.58,73.70,81.21,100.70,102.44,116.13,118.67,122.25,126.93,130.27,130.94,133.19,134.14,134.89,143.79,158.39,166.84,167.44,169.57,171.33。
LC-MS(保持時間:1.55,方法D)。MS m/z 502(M++1)。
ステップ2d:1-{[1-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3,3-ジメチル-ブチリル)-4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)p-ピロリジン-2-カルボニル]-アミノ}-2-ビニル-シクロプロパンカルボン酸エチルエステルの(1R,2S)P1異性体(下式)の製造
Figure 0004312711
DMF(15mL)に懸濁したステップ12cの生成物(1.95g,3.4mmol)、N-BOC-L-tert-ロイシン(0.94g,4.08mmol)、NMM(1.87ml,17mmol)に、0℃でHATU(1.55g,4.08mmol)を加えた。2日間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、pH4.0の緩衝液(30mL×2)、飽和NaHCO3(30mL)、食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、Biotage 40Mカラム(15%→60%EtOAc/ヘキサン類で溶出)で精製することにより、標題の化合物を白色固体として得た(2.21g,90%)。
1H NMR(CDCl3)δ 1.05(s,9H),1.20(t,J=7Hz,3H),1.38-1.43(m,1H),1.41(s,9H),1.80-1.85(m,1H),2.08-2.16(m,1H),2.39-2.47(m,1H),2.90-2.99(m,1H),3.90-4.01(m,1H),3.93(s,3H),4.12(q,J=7Hz,2H),4.36(d,J=10Hz,1H),4.45(d,J=12Hz,1H),4.75-4.85(m,1H),5.09-5.13(m,1H),5.21-5.34(m,2H),5.69-5.81(m,1H),7.00-7.09(m,2H),7.42-7.54(m,5H),8.01-8.05(m,3H)。
13C NMR(CDCl3)δ 14.30,22.85,26.40,28.25,32.20,34.09,35.39,39.97,53.86,55.47,58.28,58.96,61.29,75.94,79.86,97.98,107.43,115.06,117.98,118.38,123.03,127.52,128.76,129.24,133.40,140.26,151.44,155.74,159.16,160.09,161.32,169.55,170.64,172.63。
LC-MS(保持時間:1.85,方法D)。MS m/z 715(M++1)。
ステップ2e:標題の生成物、すなわち1-{[1-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3,3-ジメチルブチリル)-4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸の(1R,2S)P1異性体の製造
THF(150mL)、CH3OH(80mL)およびH2O(20mL)に懸濁したステップ12dの生成物(2.63g,3.68mmol)に、LiOH(1.32g,55.2mmol)を加えた。反応混合物を2日間撹拌し、中性pHまで酸性化し、水層だけが残るまで減圧下で濃縮した。得られた水性残渣を1.0N HCl水溶液の添加によってpH3.0に酸性化し、EtOAc(200mL×4)で抽出した。合わせた有機溶媒を食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧下で濃縮することにより、標題の生成物を白色固体として得た(2.41g,96%)。
1H NMR(CDCl3/メタノール-d4)δ 0.98,1.01(2本のs(回転異性体)9H),1.40,1.42(2本のs(回転異性体)9H),1.35-1.47(m,1H),1.89-1.93(m,1H),2.03-2.14(m,1H),2.45-2.52(m,1H),2.64-2.78(m,1H),3.94(s,3H),3.96-4.12(m,1H),4.34(d,J=10Hz,1H),4.52(d,J=11Hz,1H),4.58-4.64(m,1H),5.10(d,J=12Hz,1H),5.24(d,J=16Hz,1H),5.34(m,1H),5.68-5.86(m,2H),7.02-7.05(m,1H),7.32(m,1H),7.40-7.54(m,4H),7.97-8.03(m,3H)。1H NMR(メタノール-d4)δ 1.03(s,9H),1.26(s,9H),1.39-1.47(m,1H),1.68(dd,J=8,5Hz,1H),2.15-2.23(m,1H),2.40-2.51(m,1H),2.71(dd,J=14,7Hz,1H),3.95(s,3H),4.01-4.10(m,1H),4.22(d,J=9Hz,1H),4.53-4.64(m,1H),5.08(dd,J=10,2Hz,1H),5.24(dd,J=17,2Hz,1H),5.56(m,1H),5.77-5.89(m,1H),7.08(dd,J=9,2Hz,1H),7.27(s,1H),7.36-7.41(m,1H),7.48-7.58(m,3H),8.03-8.12(m,3H)。
LC-MS(保持時間:1.64,方法D)。MS m/z 687(M++1)。
このステップ2eに記載した加水分解法は、ステップ2dの生成物をはじめとするすべてのN-BOCトリペプチド含有ビニルAccaに使用することができる。
実施例3
化合物1、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニルチオフェン)、別名、化合物1、(1-{4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)-2-[1-(チオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル]-ピロリジン-1-カルボニル}-2,2-ジメチルプロピル)カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(下式)を、以下のように製造した。
Figure 0004312711
化合物1の製造.方法A.CDI(0.0165g,0.10mmol)およびステップ2eの生成物(0.050g,0.0728mmol)のTHF(2mL)溶液を30分間還流し、室温まで冷ました。合計0.0594g(0.36mmol)の2-チオフェンスルホンアミド(Aldrichから購入した2-チオフェンスルホニルクロリドから、SteinkopfおよびHoepner,Justus Liebigs Ann. Chem.,501,1933,p.174-182の方法を使って製造したもの)を加え、次に、ニートDBU(0.025mL,0.167mmol)の溶液を添加した。その反応系を18時間撹拌し、EtOAc(30mL)で希釈し、pH4.0の緩衝液(10mL×3)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮し、Analtech製の1枚の1000μM分取用TLCプレート(20×40cm,CH2Cl2中の0%→6%MeOHで逐次的に溶出)で精製することにより、化合物1(0.0298g,49%)を得た。
1H NMR(メタノール-d4,500MHz)δ 1.02(s,9H),1.26(s,9H),1.31-1.32(m,1H),1.75-1.78(m,1H),2.03-2.08(m,1H),2.44-2.53(m,1H),2.62-2.66(m,1H),3.91(s,3H),4.07-4.09(m,1H),4.23(s,1H),4.47(d,J=12Hz,1H),4.52-4.56(m,1H),4.88-4.91(m,1H),5.11(d,J=17Hz,1H),5.45(m,1H),5.78-5.90(m,1H),6.95(m,1H),7.04(d,J=9Hz,1H),7.19(s,1H),7.34(s,1H),7.43-7.65(m,4H),7.62(s,1H),8.02-8.09(m,3H)。
LC-MS(保持時間:1.91,方法D)。MS m/z 832(M++1)。
Figure 0004312711
実施例4
化合物2、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-5-クロロチオフェン)、別名、化合物2、(1-{4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)-2-[1-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル]-ピロリジン-1-カルボニル}-2,2-ジメチルプロピル)カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、以下のように製造した。
化合物2の製造.方法B.CDI(0.0165g,0.10mmol)およびステップ2eの生成物(0.035g,0.050mmol)のTHF(2mL)溶液を30分間還流し、室温まで冷ました。合計0.0403g(0.20mmol)の5-クロロ-2-チオフェンスルホンアミド(Aldrichから購入した2-チオフェンスルホニルクロリドから、SteinkopfおよびHoepner,Justus Liebigs Ann. Chem.,501,1933,p.174-182の方法と同様の方法で製造したもの)を加え、次に、ニートDBU(0.0194mL,0.13mmol)の溶液を添加した。その反応系を18時間撹拌し、EtOAc(100mL)で希釈し、pH4.0の緩衝液(10mL×3)、食塩水(10mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をまずIsco 10gカラム(0%→10%MeOH/CH2Cl2で溶出)で精製した後、Analtech製の1枚の1000μM分取用TLCプレート(20×40cm,CH2Cl2中の2.5%→5%MeOHで溶出)で最終精製を行うことにより、化合物2(0.0159g,37%)を得た。
1H NMR(メタノール-d4,500MHz)δ 1.03,1.04(2s,合計9H),1.26,1.28(2s,合計9H),1.33-1.46(m,1H),1.76-1.79(m,1H),2.11-2.16(m,1H),2.40-2.50(m,1H),2.69(dd,J=14,7Hz,1H),3.96(s,3H),4.04-4.14(m,1H),4.19-4.24(m,1H),4.53-4.58(m,2H),4.97(d,J=10Hz,1H),5.17(d,J=17Hz,1H),5.60-5.66(m,2H),7.00(d,J=4Hz,1H),7.13(dd,J=9,2Hz,1H),7.32(s,1H),7.40(d,J=2Hz,1H),7.53-7.58(m,4H),8.04-8.05(m,2H),8.13-8.17(m,1H)。
LC-MS(保持時間:1.76,方法A)。MS m/z 866(M++1)。
Figure 0004312711
実施例5
化合物3、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-5-ニトロチオフェン)、別名、化合物3、(1-{4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)-2-[1-(5-ニトロチオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル]ピロリジン-1-カルボニル}-2,2-ジメチルプロピル)カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Salorから購入した5-ニトロチオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
LC-MS(保持時間:5.19,方法E)。MS m/z 878(M++1)。
Figure 0004312711
実施例6
化合物4、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニル Acca)-CONH(2-スルホニル-5-ブロモチオフェン)、別名、化合物4、(1-{4-(7-メトキシ-2-フェニルキノリン-4-イルオキシ)-2-[1-(5-ブロモチオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル]ピロリジン-1-カルボニル}-2,2-ジメチルプロピル)カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Oakwoodから購入した5-ブロモチオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.02(s,9H),1.26(s,9H),1.43(m,1H),1.78(dd,J=8,5Hz,1H),2.05-2.11(m,1H),2.46-2.55(m,1H),2.63-2.72(m,1H),3.91,3.93 (2s, 3H),4.05-4.14(m,1H),4.23(s,1H),4.46-4.62(m,2H),4.90-4.94(m,1H),5.13(d,J=17.2Hz,1H),5.43-5.48(m,1H),5.66-5.88(m,1H),6.96-6.99(m,1H),7.03-7.06(m,1H),7.20(s,1H),7.34-7.37(m,2H),7.47-7.55(m,3H),8.01-8.11(m,3H)。
HRMS(C42H49N5O9S2として)計算値:910.2155,実測値:910.2164。LC(保持時間:1.75,方法A)。
Figure 0004312711
実施例7
化合物5、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-5-[4-クロロフェニルスルファニル]チオフェン)、別名、化合物5、{1-[2-{1-[5-(4-クロロフェニルスルファニル)-チオフェン-2-スルホニルアミノ-カルボニル]-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した5-ブロモチオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.01(s,9H),1.27(s,9H),1.43(m,1H),1.77(dd,J=8, 5Hz,1H),2.00-2.10(m,1H),2.50-2.63(m,2H),3.92(s,3H),4.07-4.10(m,1H),4.22(s,1H),4.44-4.58(m,2H),5.12(d,J=17Hz,1H),5.43(m,1H),5.76-5.89(m,1H),7.02-7.23(m,7H),7.35(m,1H),7.45-7.53(m,4H),8.01-8.11(m,3H)。
HRMS(C48H53ClN5O9S3として)計算値:974.2694,実測値:974.2696。LC(保持時間:1.95,方法A)。
Figure 0004312711
実施例8
化合物6、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-4-クロロ-5−ブロモチオフェン)、別名、化合物6、{1-[2-{1-[5-ブロモ-4-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-カルボニル]-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した5-ブロモ-4-クロロ-チオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.02(s,9H),1.27(s,9H),1.43(m,1H),1.78(dd,J=8,5Hz,1H),2.00-2.10(m,1H),2.49-2.58(m,1H),2.69(dd,J=14,8Hz,1H),3.91(s,3H),4.09(m,1H),4.22(s,1H),4.47(d,J=12Hz,2H),4.58(t,J=9Hz,1H),4.94(dd,J=10,2Hz,1H),5.14(d,J=17Hz,1H),5.48(m,1H),5.78-5.91(m,1H),7.04(dd,J=9.2,2.2Hz,1H),7.21(s,1H),7.34-7.40(m,2H),7.44-7.53(m,3H),8.01-8.07(m,3H)。
HRMS(C42H48BrClN5O9S2として)計算値:944.1765,実測値:944.1763。LC(保持時間:1.87,方法A)。
Figure 0004312711
実施例9
化合物7、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-4-ブロモ-5-クロロチオフェン)、別名、化合物7、{1-[2-{1-[4-ブロモ-5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-カルボニル]-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した4-ブロモ-5-クロロ-チオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.02(s,9H),1.27(s,9H),1.43(m,1H),1.78(dd,J=7.7,5.1Hz,1H),2.03-2.12(m,1H),2.49-2.59(m,1H),2.66-2.78(m,1H),3.91(s,3H),4.09-4.12(m,1H),4.22(s,1H),4.48(d,J=11.7Hz,1H),4.56(t,J=8.6Hz,1H),4.94(dd,J=10.4,1.7Hz,2H),5.14(d,J=17.2Hz,1H),5.48(m,1H),5.79-5.91(m,1H),7.04(dd,J=9.1,2.6Hz,1H),7.21(s,1H),7.34-7.55(m,5H),8.01-8.11(m,3H)。
HRMS(C42H48BrClN5O9S2として)計算値:944.1765,実測値:944.1763。LC-MS(保持時間:1.88,方法A)。
Figure 0004312711
実施例10
化合物8、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-4,5-ジクロロチオフェン)、別名、化合物8、{1-[2-{1-[4,5-ジクロロチオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル]-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した4,5-ジクロロ-チオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.02(s,9H),1.27(s,9H),1.44(m,1H),1.78(dd,J=7.7,5.1Hz,1H),2.00-2.12(m,1H),2.51-2.61(m,1H),2.67-2.81(m,1H),3.92(s,3H),4.09-4.13(m,1H),4.22(s,1H),4.48(d,J=11.3Hz,1H),4.57(t,J=8.4Hz,1H),4.94(dd,J=10.4, 2Hz,2H),5.15(d,d,J=17.2,1.5Hz,1H),5.50(m,1H),5.78-5.91(m,1H),7.05(dd,J=9.2,2.2Hz,1H),7.23(s,1H),7.35-7.41(m,2H),7.47-7.55(m,3H),8.01-8.12(m,3H)。
HRMS(C42H48Cl2N5O9S2として)計算値:900.2271,実測値:900.2285。LC(保持時間:1.86,方法A)。
Figure 0004312711
実施例11
化合物9、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(5-スルホニル-2,4-ジメチルチアゾール)、別名、化合物9、{1-[2-{1-[2,4-ジメチルチアゾール-5-スルホニルアミノカルボニル]-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-スルホンアミドを使用した。
HRMS(C43H53N6O9S2として)計算値:861.3315,実測値:861.3340。LC-MS(保持時間:1.64,方法A)。MS m/z 861(M++1)。
Figure 0004312711
実施例12
化合物10、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(5-メチルピリジン-2-スルホニル)、別名、化合物10、(1-{4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-2-[1-(5-メチルピリジン-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル]ピロリジン-1-カルボニル}-2,2-ジメチルプロピル)カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Flukaから購入した5-メチル-2-ピリジンスルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.02(s,9H),1.30(s,9H),1.41(m,1H),1.69-1.80(m,1H),2.04-2.12(m,1H),2.22(s,3H),2.33-2.50(m,2H),3.92(s,3H),4.05(m,1H),4.20(s,1H),4.41-4.57(m,2H),4.99-5.23(m,1H),5.43(m,1H),5.78-5.91(m,1H),7.01-7.09(m,1H),7.18(s,1H),7.36-7.39(m,1H),7.45-7.56(m,3H),7.64-7.67(m,1H),7.72-7.79(m,1H),8.03-8.24(m,4H)。LC-MS(保持時間:1.66,方法D)。MS m/z 841(M++1)。
Figure 0004312711
実施例13
化合物11、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(4-スルホニル-2-アセチルアミノ-5-メチルチアゾール)、別名、化合物11、{1-[2-{1-[2-アセチルアミノ-5-メチルチアゾール-4-スルホニルアミノカルボニル]-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、2-アセチルアミノ-5-メチルチアゾール-4-スルホンアミド(Aldrichから購入した2-アセチルアミノ-5-メチルチアゾール-4-スルホニルクロリドから、SteinkopfおよびHoepner,Justus Liebigs Ann. Chem.,501,1933,p.174-182の方法と同様の方法で製造したもの)を使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.05(s,9H),1.29(s,9H),1.35-1.44(m,1H),1.73-1.80(m,1H),1.92-2.09(m,1H),2.21(s,3H),2.49(s,3H),2.54-2.62(m,1H),2.71-2.79(m,1H),3.95(s,3H),4.11-4.16(m,1H),4.24(m,1H),4.50-4.68(m,2H),4.91-5.01(m,1H),5.17(d,J=17Hz,1H),5.54(m,1H),5.67-6.01(m,1H),7.08(dd,J=9,2Hz,1H),7.26(s,1H),7.40(d,J=2Hz,1H),7.47-7.57(m,3H),8.02,8.04(m,2H),8.11(d,J=9Hz,1H)。
HRMS m/z(M+H)+(C44H54N7S2O10として)計算値:904.3374,実測値:904.3374。LC(保持時間:1.59,方法A)。
Figure 0004312711
実施例14
化合物12、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(2-スルホニル-5-アセチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール)、別名、化合物12、{1-[2-{1-(5-アセチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-スルホニルアミノカルボニル]-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル}-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(下式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Aldrichから購入したアセタゾールアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.03(s,9H),1.27(s,9H),1.43(m,1H),1.64-2.10(m,2H),2.19(s,3H),2.44-2.89(m,2H),3.93(s,3H),4.12-4.24(m,2H),4.49(d,J=12Hz,1H),4.55-4.61(m,1H),5.11(d,J=17Hz,1H),5.55(m,1H),5.72-5.87(m,1H),7.05-7.14(m,1H),7.26(s,1H),7.37(m,1H),7.44-7.58(m,3H),7.97-8.13(m,3H)。
HRMS m/z(M+H)+(C42H51N8S2O10として)計算値:891.3170,実測値:891.3152。LC-MS(保持時間:1.58,方法A)。MS m/z 891(M++1)。
Figure 0004312711
実施例15
化合物13、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(1,1-ジオキソテトラヒドロ-1H-1λ6-チオフェン-3(R/S)-スルホニルアミノカルボニル)、別名、化合物13、{1-[2-[1-(1,1-ジオキソ-テトラヒドロ-1H-1λ6-チオフェン-3(R/S)-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル]-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した1,1-ジオキソ-テトラヒドロ-1H-1λ6-チオフェン-3(R/S)-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.04(s,9H),1.29(s,9H),1.44(m,1H),1.72-1.80(m,1H),2.01-2.10(m,1H),2.43-2.64(m,3H),2.69-2.76(m,1H),3.04-3.52(m,4H),3.92(s,3H),3.97-4.11(m,2H),4.24(s,1H),4.48-4.60(m,2H),5.01(d,J=12Hz,1H),5.18(d,J=17Hz,1H),5.50(m,1H),5.85-6.00(m,1H),7.03-7.10(m,1H),7.24(s,1H),7.36(m,1H),7.45-7.55(m,3H),8.03-8.12(m,3H)。
HRMS m/z(M+H)+(C42H54N5S2O11として)計算値:868.3261,実測値:868.3256。LC-MS(保持時間:1.48,方法A)。MS m/z 868(M++1)。
Figure 0004312711
実施例16
化合物14、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-スルホニル)、別名、化合物14、{1-[2-[1-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル]-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチル-プロピル}-カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Maybridgeから購入した3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.04(s,9H),1.26(s,9H),1.43(m,1H),1.68-1.79(m,1H),1.95-2.06(m,1H),2.35(s,3H),2.58(s,3H),2.50-2.60(m,1H),2.66-2.73(m,1H),3.94(s,3H),4.08-4.16(m,1H),4.23(s,1H),4.50-4.57(m,2H),4.91-4.95(m,1H),5.11-5.19(m,1H),5.48(m,1H),5.48-5.77(m,1H),7.05-7.14(m,1H),7.26(m,1H),7.39(m,1H),7.46-7.57(m,3H),8.05-8.13(m,3H)。
HRMS m/z(M+H)+(C43H53N6SO10として)計算値:845.3544,実測値:845.3541。LC-MS(保持時間:1.66,方法A)。MS m/z 845(M++1)。
Figure 0004312711
実施例17
化合物15、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(6-エトキシベンゾチアゾール-2-スルホニル)、別名、化合物15、{1-[2-[1-(6-エトキシベンゾチアゾール-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル]-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}-カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Aldrichから購入した6-エトキシ-2-ベンゾチアゾールスルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.01(s,9H),1.28(s,9H),1.25-1.37(m,4H),1.76(dd,J=7.5, 4.9Hz,1H),2.00-2.22(m,2H),2.35(m,1H),3.83-4.06(m,3H),3.93(s,3H),4.19(s,1H),4.34-4.55(m,2H),5.10(d,J=17.2Hz,1H),5.43(m,1H),5.79-5.99(m,1H),6.79-6.88(m,1H),7.02-7.14(m,2H),7.21(s,1H),7.37(m,1H),7.43-7.56(m,4H),7.98-8.08(m,3H)。
HRMS(C47H55N6O10S2として)計算値:927.3421,実測値:927.3427。LC(保持時間:1.80,方法A)。
Figure 0004312711
実施例18
化合物16、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(5-クロロ-4-ニトロチオフェン-2-スルホニル)、別名、化合物16、{1-[2-[1-(5-クロロ-4-ニトロ-チオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル)-2-ビニルシクロプロピルカルバモイル]-4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-ピロリジン-1-カルボニル]-2,2-ジメチル-プロピル}カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Buttparkから購入した5-クロロ-4-ニトロチオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
HRMS(C42H48ClN6O11S2として)計算値:911.2511,実測値:911.2494。LC(保持時間:1.75,方法A)。
Figure 0004312711
実施例19
化合物17、BOCNH-P3(L-t-BuGly)-P2[(4R)-(2-フェニル-7-メトキシキノリン-4-オキソ)-S-プロリン]-P1(1R,2S ビニルAcca)-CONH(5-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-ピラゾール-3-イル)チオフェン-2-スルホニル)、別名、化合物17、[1-(4-(7-メトキシ-2-フェニル-キノリン-4-イルオキシ)-2-{1-[5-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-ピラゾール-3-イル)チオフェン-2-スルホニルアミノカルボニル]-2-ビニル-シクロプロピルカルバモイル}-ピロリジン-1-カルボニル)-2,2-ジメチルプロピル]カルバミン酸tert-ブチルエステルの(1R,2S)P1異性体(上式)を、化合物2の場合と同様の方法で製造した。ただし、1級スルホンアミドとして、Buttparkから購入した5-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-ピラゾール-3-イル)チオフェン-2-スルホンアミドを使用した。
1H NMR(メタノール-d4,300MHz)δ 1.02(s,9H),1.26(s,9H),1.42(m,1H),1.78(dd,J=7.7,5.1Hz,1H),2.10(q,J=8.8Hz,2H),2.55-2.70(m,2H),3.84-4.00(m,6H),4.12(m,1H),4.22(m,1H),4.45-4.59(m,2H),4.91(d,J=12Hz,1H),5.14(d,J=16.8Hz,1H),5.48(s,1H),5.82-5.94(m,1H),6.70(m,1H),7.02-7.07(m,1H),7.17-7.21(m,2H),7.34(m,1H),7.44-7.53(m,3H),7.61(d,J=4.0Hz,1H),8.00-8.11(m,3H)。
HRMS(C47F3H53N7O9S2として)計算値:980.3298,実測値:980.3308。LC(保持時間:1.78,方法A)。
実施例20
式Iの化合物に組み込むための他のP1中間体の製造
この項に記載するP1中間体は、本明細書に記載の方法によって式Iの化合物を製造するために使用することができる。
1.N-Boc-(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの分割
Figure 0004312711
分割A
12リットルの外套付き反応器に入れたリン酸ナトリウム緩衝剤の水溶液(0.1M,4.25リットル(「L」),pH8)を39℃に保って、300rpmで撹拌したものに、511グラムのアカラーゼ(Acalase)2.4L(約425mL)(Novozymes North America Inc.)を加えた。混合物の温度が39℃に達したら、50%NaOH水溶液を加えてpHを8.0に調節した。次に、850mLのDMSOに溶解したラセミ型N-Boc-(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(85g)を、40分間かけて加えた。次に、反応温度を24.5時間にわたって40℃に維持し、その途中、1.5時間および19.5時間の時点で、50%NaOH水溶液を使って混合物のpHを8.0に調節した。24.5時間後に、上記エステルのエナンチオ過剰率を決定したところ、97.2%だった。反応系を室温(26℃)まで冷まし、終夜(16時間)撹拌した後、エステルのエナンチオ過剰率を決定したところ、100%だった。次に、反応混合物のpHを50%NaOHで8.5に調節し、得られた混合物をMTBE(2L×2)で抽出した。次に、合わせたMTBE抽出物を5%NaHCO3(100mL×3)、水(100mL×3)で洗浄し、減圧下でエバポレートすることにより、エナンチオマーとして純粋なN-Boc-(1R,2S)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを淡黄色固体として得た(42.55g;純度:97%@210nm,酸の混入なし;100%エナンチオ過剰(「ee」))。
次に、抽出工程で得た水層を50%H2SO4でpH2に酸性化し、MTBE(2L×2)で抽出した。そのMTBE抽出を水(100mL×3)で洗浄し、エバポレートすることにより、酸を淡黄色固体として得た(42.74g;純度:99%@210nm,エステルの混入なし)。
Figure 0004312711
Figure 0004312711
分割B
24ウェルプレート(容量:10ml/ウェル)のウェルに入れた0.5mLの200mM Heps・Na緩衝液(pH8.5)に、0.1mLのサビナーゼ(Savinase)16.0L(Bacillus clausii由来のプロテアーゼ)(Novozymes North America Inc.)と、0.1mLのDMSOに溶解したラセミ型N-Boc-(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(10mg)とを加えた。そのプレートを密封し、40℃、250rpmでインキュベートした。18時間後、以下に説明するようにエステルのエナンチオ過剰率を決定したところ、44.3%だった。すなわち、0.1mLの反応混合物を取り出し、1mLのエタノールとよく混合した。次に、遠心分離の後、10マイクロリットル(「μl」)の上清をキラルHPLCで分析した。残りの反応混合物に0.1mLのDMSOを加え、プレートを40℃、250rpmで、さらに3日間インキュベートした後、4mLのエタノールをウェルに加えた。遠心分離後に、10μlの上清をキラルHPLCで分析したところ、エステルのエナンチオ過剰率は100%であると決定された。
分割C
24ウェルプレート(容量:10mL/ウェル)のウェルに入れた0.5mLの100mM Heps・Na緩衝液(pH8.5)に、0.1mLのエスペラーゼ(Esperase)8.0L(Bacillus halodurans由来のプロテアーゼ)(Novozymes North America Inc.)と、0.1mLのDMSOに溶解したラセミ型N-Boc-(1R,2S)/(1S,2R)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(10mg)とを加えた。そのプレートを密封し、40℃、250rpmでインキュベートした。18時間後、以下に説明するようにエステルのエナンチオ過剰率を決定したところ、39.6%だった。すなわち、0.1mLの反応混合物を取り出し、1mLのエタノールとよく混合した。次に、遠心分離の後、10μlの上清をキラルHPLCで分析した。残りの反応混合物に0.1mLのDMSOを加え、プレートを40℃、250rpmで、さらに3日間インキュベートした後、4mLのエタノールをウェルに加えた。遠心分離後に、10μlの上清をキラルHPLCで分析したところ、エステルのエナンチオ過剰率は100%であると決定された。
試料分析は以下の方法で行った:
1)試料の調製:約0.5mlの反応混合物を10体積のEtOHとよく混合した。遠心分離の後、10μlの上清をHPLCカラムに注入した。
2)変換率の決定:
カラム:YMC ODS A,4.6×50mm,S-5μm
溶媒:A,1mM HCl水溶液;B,MeCN
勾配:30%Bを1分間、5分間で30%→45%B、45%Bを1.5分間、0.5分間で45%→30%B。
流速:2ml/分
UV検出:210nm
保持時間:酸,1.2分;エステル,2.8分。
3)エステルに関するエナンチオ過剰率の決定:
カラム:CHIRACEL OD-RH,4.6×150mm,S-5μm
移動相:MeCN/50mM HClO4水溶液(67/33)
流速:0.75ml/分
UV検出:210nm
保持時間:
酸型の(1S,2R)異性体:5.2分、
ラセミ体:18.5分および20.0分、
エステル型の(1R,2S)異性体:18.5分。
2.N-Boc-(1R,2S)-1-アミノ-2-シクロプロピルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの製造
Figure 0004312711
N-Boc-(1R,2S)-1-アミノ-2-ビニルシクロプロパンカルボン酸(255mg,1.0mmol)のエーテル(10mL)溶液を酢酸パラジウム(5mg,0.022mmol)で処理した。その橙/赤色溶液をN2雰囲気下に置いた。エーテル中の過剰量のジアゾメタンを1時間かけて滴下した。得られた溶液を室温で18時間撹拌した。窒素気流を使って過剰のジアゾメタンを除去した。得られた溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により、210mg(78%)のN-Boc-(1R,2S)-1-アミノ-2-シクロプロピルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを無色の油状物として得た。
LC-MS(保持時間:2.13、次の点以外は方法Aと同様の方法:勾配時間3分、Xterra MS C18 S7 3.0×50mmカラム)。MS m/e 270(M++1)。
3.1-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロプロパン-カルボン酸は市販されている。
Figure 0004312711
4.1-アミノシクロブタンカルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造
Figure 0004312711
1-アミノシクロブタンカルボン酸(100mg,0.869mmol)(Tocris)を10mLのMeOHに溶解し、HClガスを2時間吹き込んだ。反応混合物を18時間撹拌した後、減圧下で濃縮したところ、144mgの黄色油状物を得た。10mLのエーテルで摩砕することにより、100mgの標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(CDCl3)δ 2.10-2.25(m,1H),2.28-2.42(m,1H),2.64-2.82(m,4H),3.87(s,3H),9.21(br s,3H)。
5.ラセミ型(1R,2R)/(1S,2S)1-アミノ-2-エチルシクロプロパンカルボン酸tert-ブチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
ステップ1:2-エチルシクロプロパン-1,1-ジカルボン酸ジ-tert-ブチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
50%NaOH水溶液(185mLのH2O中に92.4g)に懸濁した塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(21.0g,92.2mmol)に、1,2-ジブロモブタン(30.0g,138.9mmol)とマロン酸ジ-tert-ブチル(20.0g,92.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間激しく撹拌した後、氷水を加えた。粗生成物をCH2Cl2で抽出(3回)し、水(3回)、食塩水で逐次洗浄し、有機抽出物を合わせた。有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100g SiO2,3%Et2O/ヘキサン)にかけることにより、標題の生成物(18.3g,67.8mmol,収率73%)を得て、それをそのまま次の反応に使用した。
ステップ2:2-エチルシクロプロパン-1,1-ジカルボン酸tert-ブチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
ステップ1の生成物(18.3g,67.8mmol)を乾燥エーテル(500mL)中のカリウムtert-ブトキシド(33.55g,299.0mmol)に0℃で加え、次にH2O(1.35mL,75.0mmol)を加えて、室温で終夜激しく撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ込み、エーテルで洗浄(3回)した。水層を0℃の10%クエン酸水溶液で酸性化し、EtOAcで抽出(3回)した。合わせた有機層を水(2回)、食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮することにより、標題の化合物を淡黄色油状物として得た(10g,46.8mmol,収率69%)。
ステップ3:(1R,2R)/(1S,2S)2-エチル-1-(2-トリメチルシラニルエトキシカルボニルアミノ)シクロプロパン-カルボン酸tert-ブチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
乾燥ベンゼン(160mL)に懸濁したステップ2の生成物(10g,46.8mmol)および新たに活性化した4Aモレキュラーシーブ3gに、Et3N(7.50mL,53.8mmol)とDPPA(11mL,10.21mmol)を加えた。反応混合物を3.5時間還流し、次に2-トリメチルシリルエタノール(13.5mL,94.2mmol)を加え、反応混合物を終夜還流した。反応混合物を濾過し、Et2Oで希釈し、10%クエン酸水溶液、水、飽和NaHCO3水溶液、水(2回)、食塩水(2回)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮した。残渣を10gのAldrichポリイソシアネートスカベンジャー樹脂と共に120mLのCH2Cl2に懸濁し、室温で終夜撹拌し、濾過することにより、標題の生成物(8g,24.3mmol,52%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ 0.03(s,9H),0.97(m,5H),1.20(bm,1H),1.45(s,9H),1.40-1.70(m,4H),4.16(m,2H),5.30(bs,1H)。
ステップ4:ラセミ型(1R,2R)/(1S,2S)1-アミノ-2-エチルシクロプロパンカルボン酸tert-ブチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
(エチルはカルボキシに対してsyn)
ステップ3の生成物(3g,9mmol)に1.0M TBAF/THF溶液(9.3mL,9.3mmol)を加え、その混合物を1.5時間加熱還流し、室温まで冷却した後、500mlのEtOAcで希釈した。その溶液を水(100mL×2)、食塩水(100mL×2)で逐次洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮することにより、標題の中間体を得た。
6.1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造
Figure 0004312711
ステップ1:[2,3]ヘキサン-1,1-ジカルボン酸ジメチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
無水CH2Cl2(15mL)中のメチレン-シクロブタン(1.5g,22mmol)とRh2(OAc)4(125mg,0.27mmol)の混合物に、0℃で、3.2g(20mmol)のジアゾマロン酸ジメチル(J.Leeら,Synth. Comm.,1995,25,1511-1515に従って製造)を、6時間かけて加えた。次に、反応混合物を室温まで温めて、さらに2時間撹拌した。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘキサン/Et2O→5:1ヘキサン/Et2Oで溶出)で精製することにより、3.2g(72%)の[2,3]ヘキサン-1,1-ジカルボン酸ジメチルエステルを黄色油状物として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.78(s,6H),2.36(m,2H),2.09(m,3H),1.90(m,1H),1.67(s,2H)。LC-MS:MS m/z 199(M++1)。
ステップ2:スピロ[2.3]ヘキサン-1,1-ジカルボン酸メチルエステル(下式)の製造
Figure 0004312711
スピロ[2.3]ヘキサン-1,1-ジカルボン酸ジメチルエステル(200mg,1.0mmol)が2mLのMeOHおよび0.5mLの水に入っている混合物に、KOH(78mg,1.4mmol)を加えた。その溶液を室温で2日間撹拌した。次に、希HClで酸性化し、エーテルで2回抽出した。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)し、濃縮することにより、135mg(73%)の2を白色固体として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.78(s,3H),2.36-1.90(m,8H)。LC-MS:MS m/z 185(M++1)。
ステップ3:標題の生成物、1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造
スピロ[2.3]ヘキサン-1,1-ジカルボン酸メチルエステル(660mg,3.58mmol)が3mLの無水t-BuOHに入っている混合物に、1.08g(3.92mmol)のDPPAおよび440mg(4.35mmol)のEt3Nを加えた。その混合物を21時間加熱還流した後、H2Oとエーテルとに分配した。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮したところ、油状物を得た。その油状物に3mLの4M HCl/ジオキサン溶液を加えた。この酸性溶液を室温で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をエーテルで摩砕することにより、所期の生成物400mg(58%)を白色固体として得た。1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ 8.96(br s,3H),3.71(s,3H),2.41(m,1H),2.12(m,4H),1.93(m,1H),1.56(q,2H,J=8Hz)。遊離アミンのLC-MS:MS m/z 156(M++1)。
7.1-アミノ-スピロ[2.4]ヘプタン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
ステップ1:スピロ[2.4]ヘプタン-1,1-ジカルボン酸ジメチルエステル(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造について説明した方法と同じ方法を使って、1.14g(13.9mmol)のメチレンシクロペンタンと2.0g(12.6mmol)のジアゾマロン酸ジメチルとを反応させて、上記のジメチルエステル1.8g(67%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.73(s,6H),1.80(m,2H),1.70(m,4H),1.60(m,4H)。LC-MS:MS m/z 213(M++1)。
ステップ2:スピロ[2.4]ヘプタン-1,1-ジカルボン酸メチルエステル(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造について説明した方法と同じ方法を使って、ステップ1の生成物1.7g(8.0mmol)と493mg(8.8mmol)のKOHとから、1.5g(94%)のスピロ[2.4]ヘプタン-1,1-ジカルボン酸メチルエステルを得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.80(s,3H),2.06(d,1H,J=5Hz),1.99(d,1H,J=5Hz),1.80-1.66(m,8H)。LC-MS:MS m/z 199(M++1)。
ステップ3:1-アミノ-スピロ[2.4]ヘプタン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造に関して上述した方法と同じ方法を使って、ステップ2の生成物500mg(2.5mmol)、705mg(2.5mmol)のDPPAおよび255mg(2.5mmol)のEt3Nから、上記の塩酸塩180mg(35%)を得た。
1H NMR(300MHz,d6-DMSO)δ 8.90(br s,3H),3.74(s,3H),1.84(m,1H),1.69(m,4H),1.58(m,4H),1.46(d,1H,J=6Hz)。
遊離アミンのLC-MS:MS m/z 170(M++1)。
8.1-アミノ-スピロ[2.2]ペンタン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
ステップ1:スピロ[2.2]ペンタン-1,1-ジカルボン酸ジメチルエステル(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
無水CH2Cl2(10mL)中のメチレンシクロプロパン(1.0g,18.5mmol)(P.Bingerの米国特許出願第5,723,714号に従って製造)とRh2(OAc)4(82mg,0.185mmol)の混合物に、0℃で、ジアゾマロン酸ジメチル(2.9g,18.3mmol)を加えた。フラスコの上端にコールドフィンガーを取付け、その温度を−10℃に保った。反応混合物を室温まで温め、さらに2時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘキサン/Et2O→5:1ヘキサン/Et2Oで溶出)で精製することにより、0.85g(25%)のジメチルエステルを黄色油状物として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.73(s,6H),1.92(s,2H),1.04(d,4H,J=3Hz)。
ステップ2:スピロ[2.2]ペンタン-1,1-ジカルボン酸メチルエステル(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造に関して上述した方法と同じ方法を使って、ステップ1の生成物800mg(4.3mmol)と、240mg(4.3mmol)のKOHとから、600mg(82%)のスピロ[2.2]ペンタン-1,1-ジカルボン酸メチルエステル.を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 3.82(s,6H),2.35(d,1H,J=3Hz),2.26(d,1H,J=3Hz),1.20(m,1H),1.15(m,1H),1.11(m,1H),1.05(m,1H)。
LRMS:MS m/z 169(M+-1)(方法D)。
ステップ3:1-アミノ-スピロ[2.2]ペンタン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
1-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル塩酸塩の製造に関して上述した方法と同じ方法を使って、ステップ2の生成物400mg(2.3mmol)、DPPA 700mg(2.5mmol)およびEt3N 278mg(2.7mmol)から、上記の塩酸塩82mg(20%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 9.19(br s,3H),3.81(s,3H),2.16,(d,J=5.5Hz,1H),2.01(d,J=5.5Hz,1H),1.49(m,1H),1.24,(m,1H),1.12(m,2H)。
遊離アミンのLRMS:MS m/z 142(M++1)。
9.5-アミノ-スピロ[2.3]ヘキサン-5-カルボン酸エチルエステル(下式)を以下のように製造した。
Figure 0004312711
ビシクロプロピリデン(A.Meijereら,Org. Syn. 2000,78,142-151)からA.Meijereら,J. Org. Chem. 1988,53,152-161に従って製造したスピロ[2.3]ヘキサン-4-オン(500mg,5mmol)を、50mLのEtOHおよび50mLの水中で、カルバミン酸アンモニウム(1.17g,15mmol)およびシアン化カリウム(812mg,12.5mmol)と混合した。その混合物を55℃で2日間加熱した。次に、NaOH(7g,175mmol)を加え、その溶液を終夜、加熱還流した。次に、その混合物を0℃に冷却し、濃HClでpH1に酸性化し、減圧下で濃縮した。残存している水が除去されるように、粗製アミノ酸混合物にEtOHを加えて濃縮乾固した(5回)。100mLのEtOHに溶解した残渣を0℃に冷却した。次に、これを1mLのSOCl2で処理し、3日間還流した。濾過によって固体を除去し、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。粗生成物を3N NaOH、NaClとEtOAcに分配した。有機相を炭酸カリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をC18シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(MeOH/H2Oで溶出)を使って精製することにより、180mg(21%)の15を油状物として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 8.20(br s,2H),4.27(s,2H),2.80(s,1H),2.54(s,1H),2.34(m,2H),1.31(s,3H),1.02(s,1H),0.66(m,3H)。13C NMR(300MHz,CDCl3)δ 170.2(s),63.0(s),62.8 (s),26.1 (s),26.0 (s),24.9 (s),13.9 (s),11.4 (s),10.9 (s)。LC-MS:MS m/z 170(M++1)。
実施例21
生化学的研究
組換えHCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体FRETペプチドアッセイ
このインビトロアッセイの目的は、以下に説明するBMS、H77CまたはJ416S株由来のHCV NS3プロテアーゼ複合体が本発明の化合物から受ける阻害を測定することだった。このアッセイにより、HCVタンパク質分解活性の阻害に関して本発明の化合物がどの程度有効であるかの指標が得られる。
サンフランシスコ病院のT.Wright博士からHCV感染患者の血清を入手した。他の遺伝子型1a株間での相同性に基づいて選択したプライマーを使って血清RNAの逆転写PCR(RT-PCR)によって得たDNA断片から、HCVゲノム(BMS株)の完全長cDNAテンプレートを工学的に構築した。全ゲノム配列の決定に基づき、Simmondsらの分類に従って、遺伝子型1aをこのHCV分離株に割り当てた(P Simmonds,KA Rose,S Graham,SW Chan,F McOmish,BC Dow,EA Follett,PL YapおよびH Marsden,J. Clin. Microbiol.,31(6),1493-1503(1993)参照)。非構造領域NS2-5Bのアミノ酸配列は、HCV遺伝子型1a(H77C)に対して>97%一致し、遺伝子型1b(J4L6S)に対して87%一致することがわかった。感染性クローンH77C(1a遺伝子型)およびJ4L6S(1b遺伝子型)はR.Purcell(NIH)から入手した。それらの配列はGenBankに公表されている(AAB67036,Yanagi,M.,Purcell,R.H.,Emerson,S.U.およびBukh,J. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94(16),8738-8743(1997)参照;AF054247,Yanagi,M.,St Claire,M.,Shapiro,M.,Emerson,S.U.,Purcell,R.H.およびBukh,J,Virology 244(1),161-172(1998)参照)。
BMS、H77CおよびJ4L6S株を組換えNS3/4Aプロテアーゼ複合体の製造に使用した。これらの株の組換えHCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体(アミノ酸1027〜1711)をコードするDNAは、P.Gallinariらが記述しているように操作した(Gallinari P,Paolini C,Brennan D,Nardi C,Steinkuhler C,De Francesco R. Biochemistry. 38(17):5620-32(1999)参照)。簡単に述べると、NS4Aコード領域の3'末端に、三リジン可溶化テール(three-lysine solubilizing tail)を付加した。このリジンタグのタンパク質分解切断を避けるために、NS4A-NS4B切断部位のP1位にあるシステイン(アミノ酸1711)をグリシンに変えた。さらに、NS3ヘリカーゼドメインでの自己分解的切断を防止するために、アミノ酸位置1454にシステイン→セリン突然変異をPCRによって導入した。この変異型DNA断片をpET21b細菌発現ベクター(Novagen)にクローニングし、P.Gallinariらが記載したプロトコール(Gallinari P,Brennan D,Nardi C,Brunetti M,Tomei L,Steinkuhler C,De Francesco R.,J Virol. 72(8):6758-69(1998)参照)に変更を加えて、NS3/4A複合体を大腸菌BL21(DE3)株(Invitrogen)で発現させた。簡単に述べると、0.5mMイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)を使用し、20℃で22時間にわたって、NS3/4A発現を誘導した。典型的な発酵(10L)では約80gの湿細胞ペーストが得られた。25mM N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)(pH7.5)、20%グリセロール、500mM塩化ナトリウム(NaCl)、0.5%トリトン-X100、1μg/mlリゾチーム、5mM塩化マグネシウム(MgCl2)、1μg/ml DNアーゼI、5mMβ-メルカプトエタノール(βME)、プロテアーゼインヒビター-エチレンジアミン四酢酸(EDTA)フリー(Roche)からなる溶解緩衝液(10mL/g)に細胞を再懸濁し、ホモジナイズし、4℃で20分間インキュベートした。そのホモジネートを超音波処理し、235000gでの超遠心を4℃で1時間行うことによって清澄化した。上清にイミダゾールを最終濃度が15mMになるように添加し、pHを8.0に調節した。その粗製タンパク質抽出物を、緩衝液B(25mM HEPES(pH8.0)、20%グリセロール、500mM NaCl、0.5%トリトン-X100、15mMイミダゾール、5mMβME)で前もって平衡化しておいたニッケル-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)カラムにのせた。試料は1ml/分の流速で充填した。そのカラムを15カラム体積の緩衝液C(トリトンX-100が0.2%である点以外は緩衝液Bと同じ)で洗浄した。タンパク質を5カラム体積の緩衝液D(イミダゾールが200mMである点以外は緩衝液Cと同じ)で溶出させた。
NS3/4Aプロテーゼ複合体含有画分をプールし、緩衝液D(25mM HEPES(pH7.5)、20%グリセロール、300mM NaCl、0.2%トリトン-X100、10mMβME)で前もって平衡化しておいた脱塩カラムSuperdex-S200にのせた。1mL/分の流速で試料を充填した。NS3/4Aプロテアーゼ複合体含有画分をプールし、約0.5mg/mlまで濃縮した。BMS、H77CおよびJ4L6S株に由来するNS3/4Aプロテアーゼ複合体の純度は、SDS-PAGEと質量スペクトル分析により、90%より高いと判断した。
この酵素を−80℃で保存し、氷上で融解し、使用前にアッセイ緩衝液で希釈した。NS3/4Aプロテアーゼアッセイに使用した基質は、TalianiらがAnal. Biochem. 240(2):60-67(1996)に記載したRET S1(共鳴エネルギー移動デプシペプチド基質;AnaSpec,Inc.カタログ番号22991)(FRETペプチド)である。このペプチドの配列は、切断部位にアミド結合ではなくエステル結合が存在する点以外は、おおまかに、NS4A/NS4B天然切断部位に基づいている。このペプチド基質を3つの組換えNS3/4A複合体のうちの1つと共に、本発明化合物の不在下または存在下でインキュベートし、CytoFluor Series 4000を使って、蛍光性反応生成物の形成をリアルタイムで追跡した。
試薬類は次のとおりとした:HEPESおよびグリセロール(Ultrapure)はGIBCO-BRLから入手した。ジメチルスルホキシド(DMSO)はSigmaから入手した。β-メルカプトエタノールはBio-Radから入手した。アッセイ緩衝液:50mM HEPES(pH7.5)、0.15M NaCl、0.1%トリトン、15%グリセロール、10mMβME。基質:最終濃度2μM(-20℃で保存したDMSO中の2mM原液から調製)。HCV NS3/4A 1a(1b)型、最終濃度2〜3nM(25mM HEPES(pH7.5)、20%グリセロール、300mM NaCl、0.2%トリトン-X100、10mMβME中の5μM原液から調製)。アッセイ限界に近い効力を持つ化合物の場合は、アッセイ緩衝液に50μg/ml BSAを加えると共に、プロテアーゼの最終濃度を300pMに下げることによって、アッセイ感度を高くした。
アッセイはFalcon 96ウェルポリスチレンブラックプレートで行った。各ウェルには、アッセイ緩衝液中のNS3/4Aプロターゼ複合体25μl、10%DMSO/アッセイ緩衝液中の本発明の化合物50μl、およびアッセイ緩衝液中の基質25μlを入れた。対照(化合物なし)も同じアッセイプレート上に調製した。酵素複合体を化合物溶液または対照溶液と1分間混合してから、基質を添加することによって酵素反応を開始させた。CytoFluoro Series 4000(Perspective Biosystems)を使って、アッセイプレートを直ちに読み取った。この装置は25℃で340nmの蛍光波長および490nmの励起波長を読み取るように設定した。一般的には約15分間、反応を追跡した。
以下の式を使って阻害百分率を計算した:
100-[(δFinh/δFcon)×100]
[式中、δFは曲線の線形領域での蛍光の変化である]。Excel XLfitソフトウェアを使用し、式:y=A+((B-A)/(1+((C/x)^D)))を使って、阻害-濃度データに非線形カーブフィッティングを行い、50%有効濃度(IC50)を計算した。
試験した化合物はいずれも、0.48μM以下のIC50を持つことがわかった。また、2タイプ以上のNS3/4A複合体に対して試験した本発明の化合物は、同じような阻害特性を持つことがわかった。ただし、それらの化合物は、一様に、1a株よりも1b株に対して、より強い効力を示した。
特異性アッセイ
HCV NS3/4Aプロテアーゼの阻害に関して、他のセリンプロテアーゼまたはシステインプロテアーゼとの比較で、本発明化合物の選択性を実証するために、特異性アッセイを行った。
さまざまなセリンプロテアーゼ、すなわちヒト痰エラスターゼ(HS)、ブタ膵エラスターゼ(PPE)およびヒト膵キモトリプシンと、1つのシステインプロテアーゼ、すなわちヒト肝カテプシンBに対して、本発明化合物の特異性を決定した。いずれの場合も、各酵素に特異的な比色測定用p-ニトロアニリン(pNA)基質を用いる96ウェルプレート形式のプロトコールを、先に記述したように使用した(CT2633出願)。ただし、セリンプロテアーゼアッセイには、いくつかの変更を加えた。
各アッセイでは、室温で2時間の酵素阻害剤プレインキュベーションを行った後、基質を添加し、SpectraMax Proマイクロプレートリーダーでの測定で、変換率が約30%になるまで加水分解させた。化合物濃度は化合物の効力に応じて100μMから0.4μMまで変化させた。
セリンプロテアーゼアッセイの最終的な条件およびプロトコールは次のとおりとした:
133μM succ-AAA-pNAおよび20nM HSまたは8nM PPE、100μM succ-AAPF-pNAおよび250pMキモトリプシンと、50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(Tris-HCl)pH8、0.5M硫酸ナトリウム(Na2SO4)、50mM NaCl、0.1mM EDTA、3%DMSO、0.01%Tween-20。
阻害百分率は式:
[1-((UVinh-UVblank)/(UVctl-UVblank))]×100
を使って計算した。
Excel XLfitソフトウェアを使って、阻害-濃度データに非線形カーブフィッティングを行い、50%有効濃度(IC50)を計算した。
HCVレプリコン細胞に基づくアッセイ
Lohmann V,Korner F,Koch J,Herian U,Theilmann L,Bartenschlager R.,Science 285(5424):110-3(1999)に記載されているように、HCVレプリコン全細胞系を樹立した。この系により、本発明者らのHCVプロテアーゼ化合物がHCV RNA複製に及ぼす影響を評価することができるようになった。簡単に述べると、Lohmannの報文に記載されているHCV 1B株配列(アクセッション番号:AJ238799)を使って、5'内部リボソーム結合部位(IRES)、ネオマイシン耐性遺伝子、EMCV(脳心筋炎ウイルス)-IRESおよびHCV非構造タンパク質NS3〜NS5Bならびに3'非翻訳領域(NTR)をコードするHCV cDNAを作製した。このcDNAのインビトロ転写物をヒト肝細胞癌細胞系Huh7にトランスフェクトした。選択マーカー、ネオマイシン(G418)の存在下で、上記HCVレプリコンを構成的に発現させる細胞を選択した。得られた細胞株を、プラス鎖およびマイナス鎖RNA鎖産生ならびにタンパク質産生に関して、経時的に特徴づけた。
10%ウシ胎仔血清(FCS)および1mg/ml G418(Gibco-BRL)を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で、上記HCVレプリコンを構成的に発現させるHuh7細胞を生育した。前日の夜に細胞を96ウェル組織培養滅菌プレートに播種した(1.5×104細胞/ウェル)。4%FCS、1:100ペニシリン/ストレプトマイシン、1:100 L-グルタミンおよび5%DMSOを含有する希釈プレート中のDMEMに、化合物および化合物非含有対照を調製した(アッセイ時の最終DMSO濃度は0.5%である)。化合物/DMSO混合物を細胞に加え、37℃で4日間インキュベートした。4日後に、プレートをリン酸緩衝食塩水(PBS)で十分にすすいだ(150μlで3回)。FRETペプチド(インビトロ酵素アッセイに関して説明したRET S1)を含有する25μlの溶解アッセイ試薬で細胞を溶解した。この溶解アッセイ試薬は、5×細胞ルシフェラーゼ細胞培養溶解試薬(Promega、カタログ番号E153A)から、これを蒸留水で1×に希釈し、最終濃度が150mMになるようにNaClを加え、FRETペプチドを100%DMSO中の2mM原液から最終濃度10μMになるように希釈して調製した。次に、励起波長340nm/蛍光波長490nm、自動モードで21サイクルに設定しておいたCytoFluor 4000装置にプレートを入れ、キネティックモードでプレートを読み取った。EC50の決定はIC50の決定について説明したように行った。
二次アッセイとして、レプリコンFRETアッセイによるEC50の決定を、定量的RNAアッセイで確認した。RNeasyキット(Qiagen)を使って細胞を溶解した。精製した全RNAをRiboGreenで規格化し(Jones LJ,Yue ST,Cheung CY,Singer VL,Anal. Chem., 265(2):368-74(1998))、TaqMan法(Kolykhalov AA,Mihalik K,Feinstone SM,Rice CM,Journal of Virology 74,2046-2051(2000))およびPlatinum Quantitative RT-PCR ThermoScript One-Stepキット(Invitrogenカタログ番号11731-015)を使って、HCV RNA発現の相対的定量を評価した。簡単に述べると、体積を5μlにしたRNA(≦1ng)を、以下の成分を含む20μlの調合済み混合物に加えた:1.25×ThermoScript反応混合物(硫酸マグネシウムおよび2-デオキシヌクレオシド5'-三リン酸(dNTP)を含む)、3mM dNTP、200nMフォワードプライマー(配列:5'-gggagagccatagtggtctgc-3')、600nMリバースプライマー(5'-cccaaatctccaggcattga-3')、100nMプローブ(5'-6-FAM-cggaattgccaggacgaccgg-BHQ-1-3')(FAM:フルオレセイン-アミノヘキシルアミダイト、BHQ:ブラックホールクエンチャー(Black Hole Quencher))、1μM Roxリファレンス色素(Invitrogenカタログ番号12223-012)およびThermoScript Plus Platinum Taqポリメラーゼ混合物。プライマーはいずれも、ABI Prism 7700ソフトウェアで設計し、Biosearch Technologies(カリフォルニア州ノバート)から入手した。既知濃度のHCV RNA転写物を含有する試料を標準物質として使用した。以下のサイクリングプロトコール(50℃で30分;95℃で5分;95℃で15秒、60℃で1分を40サイクル)を使用し、ABI Prism 7700配列検出装置を使って、Perkin Elmerマニュアルに記載されているとおりに、HCV RNA発現を定量した。
上記レプリコンでの化合物の効力を確認するために、ルシフェラーゼレポーターアッセイも使用した。レプリコンルシフェラーゼレポーターアッセイの利用は、Kriegerらによって初めて記述された(Krieger N,Lohmann VおよびBartenschlager R,J. Virol. 75(10):4614-4624(2001))。本発明者らのFRETアッセイに関して説明したレプリコンコンストラクトを、ヒト化型ウミシイタケルシフェラーゼのN末端に融合したブラストサイジン耐性遺伝子でネオマイシン耐性遺伝子を置き換えることによって改変した(サブクローニングには制限部位Asc1/Pme1を使用した)。1179位の適応的突然変異(セリン→イソロイシン)も導入した(Blight KJ,Kolykhalov AA,Rice CM, Science 290(5498):1972-1974)。ルシフェラーゼレポーターアッセイは、前日の夜にT75フラスコ1個につき2×106細胞の密度でhuh7細胞を播種することによって準備した。翌日、7.5mlのOpti-MEMで細胞を洗浄した。Invitrogenのプロトコールに従って、40μlのDMRIE-Cを5mlのOpti-MEMと共にボルテックスした後、5μgのHCVレポーターレプリコンRNAを加えた。その混合物を、洗浄したhuh7細胞に加え、37℃で4時間放置した。その間に、10%FCSおよび5%DMSOを含有する希釈プレート中のDMEMに、化合物の段階希釈液および化合物非含有対照を調製した(アッセイ時の最終DMSO濃度は0.5%である)。化合物/DMSO混合物を24ウェルプレートの各ウェルに加えた。4時間後に、トランスフェクション混合物を吸引し、細胞を5mlのOpti-MEMで洗浄してから、トリプシン処理を行った。トリプシン処理した細胞を10%DMEMに再懸濁し、化合物または化合物非含有対照を含む24ウェルプレートに、2×104細胞/ウェルの密度で播種した。プレートを4日間インキュベートした。4日後に、培地を除去し、細胞をPBSで洗浄した。直ちに各ウェルに100μlの1×ウミシイタケルシフェラーゼ溶解緩衝液(Promega)を加え、後で分析するためにプレートを-80℃で保存するか、または15分間の溶解後にアッセイを行った。溶解液(40μl)を各ウェルから96ウェルブラックプレート(透明底)に移した後、200μlの1×ウミシイタケルシフェラーゼアッセイ基質を加えた。Packard TopCount NXTで、ルミネセンスプログラムを使って、直ちにプレートを読み取った。
以下の式を使って阻害百分率を計算した:
対照に対する%=[実験ウェルでの平均ルシフェラーゼシグナル(+化合物)]/[DMSO対照ウェルでの平均ルシフェラーゼシグナル(−化合物)]。
XLfitを使って値のグラフ化と解析を行うことにより、EC50値を求めた。
生物学的試料
HCVレプリコン細胞アッセイおよび/または概説した特異性アッセイのいくつかで、代表的な本発明化合物を評価した。例えば化合物1は、酵素アッセイでは、NS3/4A BMS株に対して8nMのIC50を持つことがわかった。公表されているH77C株(2.2.nMのIC50)およびJ4L6S株(1.6nMのIC50)でも、同様の効力値が得られた。レプリコンアッセイでのEC50値は55nMだった。
この化合物は、特異性アッセイでは、以下の活性を持つことがわかった:HS=35μM、PPE>50μM、キモトリプシン>50μM、カテプシンB>50μM(100μMで溶解度の問題が発生)。これらの結果は、この化合物群がNS3プロテアーゼに対して高い特異性を持つことと、これらのメンバーの多くがHCVレプリコン複製を阻害することを示している。
本発明の化合物を試験したところ、以下の範囲の活性を持つことがわかった:
IC50活性範囲(NS3/4A BMS株):Aは1〜10マイクロモル/リットル(μM)、Bは0.1〜1μM、Cは<0.1μM。
EC50活性範囲:Aは1〜10マイクロモル/リットル(μM)、Bは0.1〜1μM、Cは<0.1μM。
化合物の構造は、表(下記)に示す特許化合物番号を使って、本明細書中に見いだすことができる。
本発明によれば、好ましい化合物は10μM以下、より好ましくは1μM以下、最も好ましくは0.1μM以下の生物学的活性(EC50)を持つ。
Figure 0004312711
実施例22
以下の化合物は、本発明の教示内容に従って製造することができる化合物のさらなる例である。
Figure 0004312711
Figure 0004312711
Figure 0004312711
Figure 0004312711
本発明を特定の側面に関して説明したが、本明細書では具体的に説明していない他の側面も、本願特許請求の範囲に包含されると考えていることは、当業者には理解されるだろう。

Claims (33)

  1. 式:
    Figure 0004312711
    [式中、
    (a)R1は、無置換Hetまたは置換Hetであり、前記Het置換基は同じであるか、異なっていて、1〜3個のハロ、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミド、C1-6アルカノイルアミノ、アミノ、フェニルまたはフェニルチオから選択され、前記フェニルまたはフェニルチオのフェニル部分は無置換であるか、またはハロ、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミドまたはフェニルから選択される1〜3個の同じまたは異なる置換基で置換され;
    (b)mは1または2であり;
    (c)nは1または2であり;
    (d)R2は、それぞれ適宜ハロゲンで1〜3回置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC3-7シクロアルキルであるか、R2はHであるか、またはR2はそれが結合している炭素と共に全体として、3、4または5員環を形成し;
    (e)R3は、適宜ハロ、シアノ、アミノ、C1-6ジアルキルアミノ、C6-10アリール、C7-14アルキルアリール、C1-6アルコキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アリールオキシ、C7-14アルキルアリールオキシ、C2-6アルキルエステル、C8-15アルキルアリールエステルで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、C3-12アルケニル、C3-7シクロアルキル、またはC4-10アルキルシクロアルキルであり、前記シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキルは、適宜、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよく、あるいは、R3はそれが結合している炭素原子と共に全体として、適宜C2-6アルケニルで置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基を形成し;
    (f)Yは、H、ニトロで置換されたフェニル、ニトロで置換されたピリジル、または適宜シアノ、OHもしくはC3-7シクロアルキルで置換されていてもよいC1-6アルキルであるが、ただし、R4またはR5がHである場合、YはHであるものとし;
    (g)Bは、H、C1-6アルキル、R4-(C=O)-、R4O(C=O)-、R4-N(R5)-C(=O)-、R4-N(R5)-C(=S)-、R4SO2-、またはR4-N(R5)-SO2-であり;
    (h)R4は、(i)適宜フェニル、カルボキシル、C1-6アルカノイル、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、-OC(O)C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノ、アミド、または(低級アルキル)アミドで置換されていてもよいC1-10アルキル、(ii)それぞれ適宜ヒドロキシ、カルボキシル、(C1-6アルコキシ)カルボニル、適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノ、アミド、もしくは(低級アルキル)アミドで置換されていてもよい、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルコキシ、またはC4-10アルキルシクロアルキル、(iii)それぞれ適宜C1-6アルキル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミド、(低級アルキル)アミド、もしくは適宜C1-6アルキルで置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい、C6-10アリールまたはC7-16アリールアルキル、(iv)Het、(v)ビシクロ(1.1.1)ペンタン、または(vi)-C(O)OC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;および
    (i)R5は、Hであるか、適宜1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキルであるか、またはR4がC1-10アルキルであるという条件でC1-6アルコキシである]
    を有する化合物、または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  2. mが2である、請求項1の化合物。
  3. nが1である、請求項1の化合物。
  4. R1
    Figure 0004312711
    Figure 0004312711
    である、請求項1の化合物。
  5. R2がC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC3-7シクロアルキルである、請求項1の化合物。
  6. R2がエチルまたはビニルである、請求項5の化合物。
  7. R3が、適宜C6アリール、C1-6アルコキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アリールオキシ、C7-14アルキルアリールオキシ、C2-6アルキルエステル、C8-15アルキルアリールエステルで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、C3-12アルケニル、C3-7シクロアルキル、またはC4-10アルキルシクロアルキルである、請求項1の化合物。
  8. R3が、適宜C1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-8アルキルであるか、またはC3-7シクロアルキルである、請求項7の化合物。
  9. R3がC1-6アルキルである、請求項1の化合物。
  10. R3がt-ブチルである、請求項9の化合物。
  11. mが2であり、nが1であり、かつR2がエチルである、請求項1の化合物。
  12. mが2であり、nが1であり、かつR2がビニルである、請求項1の化合物。
  13. YがHである、請求項1の化合物。
  14. Bが、H、C1-6アルキル、R4-(C=O)-、R4O(C=O)-、R4-N(R5)-C(=O)-、R4-N(R5)-C(=S)-、R4SO2-、またはR4-N(R5)-SO2-である、請求項1の化合物。
  15. Bが、R4-(C=O)-、R4O(C=O)-、またはR4-N(R5)-C(=O)-である、請求項14の化合物。
  16. BがR4O(C=O)-であり、かつR4がC1-6アルキルである、請求項15の化合物。
  17. R4が(i)適宜フェニル、カルボキシル、C1-6アルカノイル、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-10アルキル、(ii)C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルコキシ、またはC4-10アルキルシクロアルキル、または(iii)それぞれ適宜C1-6アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよい、C6-10アリールまたはC7-16アリールアルキルである、請求項1の化合物。
  18. R4が(i)適宜1〜3個のハロゲンまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC1-10アルキル、または(ii)C3-7シクロアルキルもしくはC4-10アルキルシクロアルキルである、請求項14の化合物。
  19. R4がt-ブチルである、請求項18の化合物。
  20. R5がHであるか、または適宜1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキルである、請求項1の化合物。
  21. R5がHである、請求項20の化合物。
  22. 式:
    Figure 0004312711
    [式中、R1
    Figure 0004312711
    Figure 0004312711
    Figure 0004312711
    である]
    の化合物、または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物。
  23. 請求項1の化合物または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を有効成分として含むHCV感染の治療剤。
  24. 請求項1の化合物または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を有効成分として含むHCV NS3プロテアーゼ阻害剤。
  25. 請求項1の化合物または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物と医薬的に許容できる担体とを含む組成物。
  26. 追加の免疫調節剤をさらに含む、請求項25の組成物。
  27. 追加の免疫調節剤がα-、β-、およびδ-インターフェロンからなる群より選択される、請求項26の組成物。
  28. 抗ウイルス剤をさらに含む、請求項25の組成物。
  29. 抗ウイルス剤がリバビリンおよびアマンタジンからなる群より選択される、請求項28の組成物。
  30. 請求項1の化合物以外のHCVプロテアーゼの阻害剤をさらに含む、請求項25の組成物。
  31. HCV NS3プロテアーゼ以外のHCV生活環中の標的の阻害剤をさらに含む、請求項30の組成物。
  32. 前記他の標的がヘリカーゼ、ポリメラーゼ、メタロプロテアーゼおよびその混合物からなる群より選択される、請求項31の組成物。
  33. 患者のC型肝炎ウイルス感染を処置するための医薬品の製造を目的とする、請求項1の化合物または医薬的に許容できるその塩もしくは溶媒和物の使用。
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