JP2010508362A - C型肝炎ウイルスの阻害剤 - Google Patents

C型肝炎ウイルスの阻害剤 Download PDF

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Abstract

式中、R、R’、R、R、R’、X、QおよびWが説明されている一般式(I)
Figure 2010508362

を有する大環状ペプチドを開示する。この化合物を含む組成物およびHCVを阻害するためにこの化合物を使用する方法もまた開示する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年11月1日に出願された米国特許仮出願第60/863,857号の利益を主張する。
本発明は概して、抗ウイルス性化合物を対象とし、さらに具体的にはC型肝炎ウイルス(HCV)によりコードされる(本明細書において「セリンプロテアーゼ」とも称される)NS3プロテアーゼの機能を阻害する化合物、このような化合物を含む組成物、およびNS3プロテアーゼの機能を阻害する方法を対象とする。
HCVは、主要なヒト病原体であり、世界中で1億7千万人が感染していると推定され、これはヒト免疫不全ウイルス1型の感染数の概ね5倍である。これらのHCV感染者のかなりの割合が肝硬変および肝細胞癌を含めた重篤な進行性肝疾患を発症する。
現在、最も有効なHCV治療は、α−インターフェロンおよびリバビリンの組合せを用い、これは患者の40%において持続的効果をもたらしている。ペグ化α−インターフェロンは、単独療法としては未修飾α−インターフェロンより優れていることを、最近の臨床結果は示している。しかし、ペグ化α−インターフェロンおよびリバビリンの組合せを伴う試験的な治療計画をもってしても、患者の大部分は、ウイルス量が持続的に減少することがない。それ故に、HCV感染症の有効な治療法の開発が、明確かつ長年にわたって必要とされている。
HCVは、プラス鎖RNAウイルスである。5’非翻訳領域における推定されるアミノ酸配列および広範な類似性の比較に基づいて、HCVは、フラビウイルス科ファミリーの独立した属として分類されてきた。フラビウイルス科ファミリーの全てのメンバーは、単一の中断されていないオープンリーディングフレームの翻訳を介して全て公知のウイルス特異的タンパク質をコードするプラス鎖RNAゲノムを含有するエンベロープに包まれたビリオンを有する。
HCVゲノム全体に亘ってヌクレオチドおよびコードされたアミノ酸配列内にかなりの多様性が見い出される。少なくとも6つの主要な遺伝子型が特性決定され、50を超える亜型が説明されてきた。HCVの主要な遺伝子型は世界的にその分布が異なっており、病原および治療における遺伝子型の影響の可能性についての多くの研究にも関わらず、HCVの遺伝的多様性の臨床的意義は依然として捕らえにくい。
一本鎖HCV RNAゲノムは、約9500ヌクレオチドの長さであり、約3000個のアミノ酸の単一の大きなポリタンパク質をコードする単一のオープンリーディングフレーム(ORF)を有する。感染細胞において、このポリタンパク質は、細胞プロテアーゼおよびウイルスプロテアーゼによって複数の部位で切断され、構造タンパク質および非構造(NS)タンパク質を生成する。HCVの場合、成熟非構造タンパク質(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、およびNS5B)の生成は、2種のウイルスプロテアーゼによってもたらされる。最初のものは、NS2−NS3接合部を切断すると考えられており;第2のものは、NS3のN末端領域内に含有されるセリンプロテアーゼであり、NS3の下流、すなわち、NS3−NS4A切断部位においてシスで、残りのNS4A−NS4B、NS4B−NS5A、NS5A−NS5B部位においてトランスでの両方における以降の切断の全てを仲介する。NS4Aタンパク質は、複数の機能を果たしていると思われ、NS3プロテアーゼの補助因子として作用し、NS3および他のウイルスレプリカーゼ成分の膜局在性をおそらく補助している。NS3タンパク質のNS4Aとの複合体形成は、事象の進行、部位の全てにおけるタンパク分解効率の増強に必要であるようである。NS3タンパク質はまた、ヌクレオシドトリホスファターゼおよびRNAヘリカーゼ活性を示す。NS5Bは、HCVの複製に関与するRNA依存性RNAポリメラーゼである。
本発明は概して、抗ウイルス性化合物を提供とし、さらに具体的にはC型肝炎ウイルス(HCV)によりコードされるNS3プロテアーゼの機能を阻害する化合物、このような化合物を含む組成物、およびNS3プロテアーゼの機能を阻害する方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の式の大環状化合物を提供し、
Figure 2010508362

式中、
(a)Rは、水素;C1〜6アルキル;C3〜7シクロアルキル;アルコキシ;−C(O)−R;C(O)−N(R;C(O)−OR;C7〜14アルキルアリール;またはC3〜7シクロアルキル(該アルキルおよび該シクロアルキルは、ハロで適宜置換されている)であり;各Rは、C1〜9アルキル(該アルキルは、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、または(C1〜6)カルボキシエステルで適宜置換されている)から独立して選択され;
(b)Rは、水素、C1〜6アルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり;
(c)RおよびR'は、それぞれ独立して、水素またはメチルであり;
(d)Qは、OおよびS(O)(mは0、1または2である)からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を適宜含有するC3〜9飽和または不飽和鎖であり;
(e)Wは、−NH−SO−R(Rは、C6〜10アリール、ヘテロシクリルまたは−NR(RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリール(C1〜7アルキル)、C1〜7シクロアルキル、C1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)、ハロC1〜7アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される)である)であり;
(f)Xは、O、S、SO、SO、OCH、CHOまたはNHであり;
(g)R’は、Het、C6〜10アリールまたはC7〜14アルキルアリール(それぞれは、1〜5個の同じもしくは異なるR基で適宜置換されている)であるか;あるいはC3〜9シクロアルキルまたはC1〜7アルキル(該シクロアルキルおよび該アルキルは、ハロ、シアノ、アルコキシ、およびジアルキルアミノからなる群の1〜5個の同じもしくは異なる要素で適宜置換されている)であるが;
ただし、−XR’は、
Figure 2010508362
以外であり;および
(h)Rは、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルキル、CF、モノ−もしくはジ−ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、NO、SH、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1〜6)カルボキシエステル、C1〜6アルキルスルホン、C1〜6アルキルスルホンアミド、ジ(C1〜6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6〜10アリール、C7〜14アルキルアリール、または5〜7員の単環式ヘテロ環である。
本発明はまた、該化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。特に、本発明は、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む、HCV NS3プロテアーゼを阻害するのに有用な医薬組成物を提供する。
本発明は、患者に治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、HCVに感染した患者の治療方法をさらに提供する。さらに、本発明は、NS3プロテアーゼを本発明の化合物と接触させることによってHCV NS3プロテアーゼを阻害する方法を提供する。
本発明によって、HCVに感染した患者の治療に有効であり得る本発明の化合物を含む薬物を提供することが今や可能である。具体的には、本発明は、例えば、NS4Aプロテアーゼと組み合わせてNS3プロテアーゼの機能を阻害することができるペプチド化合物を提供する。さらに、本発明によって、HCV NS3プロテアーゼを阻害するのに有効な本発明による化合物を、抗HCV活性を有する他の化合物、例えば、HCV感染症の治療のためのHCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、IMPDHおよびヌクレオシド類似体からなる群から選択される、標的の機能を阻害するのに有用な化合物と共に投与することができる併用療法を患者に施すことが可能となる。
本明細書において使用される立体化学的定義および変換は一般に、McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms, S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Book Company, New York (1984)およびStereochemistry of Organic Compounds, Eliel, E. and Wilen, S., John Wiley & Sons, Inc., New York (1994)による。多くの有機化合物は光学活性な形態で存在し、すなわちそれらは平面偏光面を回転させる能力を有する。光学活性な化合物を説明する際に、接頭辞DおよびLまたはRおよびSは、そのキラル中心(複数可)の周りの分子の絶対配置を示すのに使用される。接頭辞dおよびlまたは(+)および(−)は、該化合物による平面偏光の回転の印を示すために用いられ、(−)またはlの場合は、該化合物が左旋性であることを意味し、(+)またはdは、該化合物が右旋性であることを意味する。所与の化学構造について、立体異性体と称されるこれらの化合物は、これらが互いに鏡像であることを除けば同一である。鏡像ペアの特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと称される場合があり、このような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と称される場合が多い。(R)または(S)が使用される場合に関して、それは置換基のみと関連してではなく化合物全体と関連した置換基の絶対配置を示す。
本明細書において特に断りのない限り、下記に記載する用語は、下記の定義を有する。
「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性を欠いている2種のエナンチオマー種の等モル混合物を意味する。
「キラル」という用語は、鏡像パートナーが重なり合わない性質を有する分子を意味し、一方「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナーに重なり合う分子を意味する。
「立体異性体」という用語は、同一の化学組成を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を意味する。
「ジアステレオマー」という用語は、エナンチオマーではない立体異性体、例えば、2つ以上のキラル中心を有し、その分子が互いに鏡像ではない立体異性体を意味する。ジアステレオマーは、異なる物理学的性質、例えば融点、沸点、分光特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能の分析手順下で分離することができる。
「エナンチオマー」という用語は、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2種の立体異性体を意味する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、従来の化学的手法によって塩基性または酸性部分を含有する化合物から合成される無毒性塩を含むことを意図している。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中または2つの混合物中で反応させることによって製造することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。適切な塩の一覧表は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990, p.1445に見い出される。本発明の化合物は、遊離塩基または酸の形態で、あるいはその薬学的に許容される塩の形態で有用である。全ての形態は、本発明の範囲内である。
「治療有効量」という用語は、有意義な患者利益、例えば、ウイルス量の持続的減少を示すのに十分なそれぞれの活性物質の総量を意味する。単独で投与される個々の活性成分に適用する場合、この用語はその成分単独を意味する。組合せに適用する場合は、この用語は、組合せであれ、連続的であれ、または同時投与であれ、治療効果をもたらす活性成分の組み合わせた量を意味する。
「本発明の化合物」という用語、および同等の表現は、式Iの化合物、ならびにその薬学的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、および塩を包含することを意味する。同様に、中間体への言及は、文脈上許容される場合、それらの塩および溶媒和物を包含することを意味する。本発明の化合物への言及にはまた、好ましい化合物、例えば式IIが含まれる。
「誘導体」という用語は、修飾が通常の技能を有する化学者にとって通常のものとされる、酸のエステルまたはアミド、保護基(アルコールまたはチオールのためのベンジル基、およびアミンのためのtert−ブトキシカルボニル基など)などの化学修飾された化合物を意味する。
「患者」という用語は、ヒトおよび他の哺乳動物の両方を含む。
「医薬組成物」という用語は、投与方法および剤形の種類によって、少なくとも1種のさらなる医薬担体、すなわち、希釈剤、保存料、充填剤、流動性調整剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、香料剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および予製剤などの補助剤、賦形剤またはビヒクルと組み合わせた本発明の化合物を含む組成物を意味する。例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1999)において一覧表示された成分を使用することができる。
「薬学的に許容される」という言回しは本明細書において、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応、または妥当な危険性/受益性割合に比例した他の問題もしくは合併症を伴わずに、患者の組織と接触する使用に適した、正しい医療判断の範囲内である化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味するために用いられる。
「治療する」という用語は、(i)疾患、障害および/または症状にかかりやすい場合があるが、まだその診断を受けていない患者において、疾患、障害または症状が起こることを防止し;(ii)疾患、障害または症状を阻害、すなわち、その進行を止め;ならびに(iii)疾患、障害または症状を軽減、すなわち、疾患、障害および/または症状の退行をもたらすことを意味する。
「置換」という用語には、本明細書で使用する場合、別段の記述がない限り、置換基が結合しているコア、例えば有機基上の1から最大数の可能な結合部位における置換が含まれ、例えば、1置換、2置換、3置換または4置換である。
有機基、例えば、炭化水素および置換炭化水素を説明するために使用される命名法は一般に、別段の定義がない限り、当技術分野において公知の標準的命名法に従う。基の組合せ、例えば、アルキルアルコキシアミンまたはアリールアルキルには、別段の記述がない限り、全ての可能性のある安定的な配置が含まれる。特定の基および組合せを、例示の目的のために下記に定義する。
「ハロ」という用語は、本明細書で使用する場合、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードから選択されるハロゲン置換基を意味する。「ハロアルキル」という用語は、1つまたは複数のハロ置換基で置換されているアルキル基を意味する。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、指定した数の炭素原子を有する非環式の直鎖または分岐鎖アルキル置換基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチルが含まれる。したがって、C1〜6アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。「アルキルエステル」という用語は、エステル基をさらに含有するアルキル基を意味する。一般に、規定された炭素数の範囲(例えば、C2〜6アルキルエステル)には、基中の炭素原子の全てが含まれる。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの二重結合を含有するアルキル基を意味し、例えば、エテニル(ビニル)およびアルキルが挙げられる。
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、酸素原子に結合している指定の数の炭素原子を有するアルキル基を意味する。アルコキシには、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシおよび1,1−ジメチルエトキシが挙げられる。後者の基は、当技術分野でtert−ブトキシと称される。「アルコキシカルボニル」という用語は、カルボニル基をさらに含有するアルコキシ基を意味する。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、指定の数の炭素原子を含有するシクロアルキル置換基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ならびにスピロシクロプロピルおよびスピロシクロブチルなどのスピロ環式基が含まれる。「シクロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、例えば、シクロブチルオキシまたはシクロプロピルオキシなどの、酸素原子に結合しているシクロアルキル基を意味する。「アルキルシクロアルキル」という用語は、アルキル基に結合しているシクロアルキル基を意味する。示された炭素数の範囲には、別段の記述がない限り、基中の炭素の総数が含まれる。したがって、C4〜10アルキルシクロアルキルは、アルキル基中に1〜7個の炭素原子および環中に3〜9個の炭素原子を含有する場合があり、例えば、シクロプロピルメチルまたはシクロヘキシルエチルが挙げられる。
「アリール」という用語は、本明細書で使用する場合、指定の数の炭素原子を含有する芳香族部分を意味し、これらに限定されないがフェニル、インダニルまたはナフチルなどが挙げられる。例えば、C6〜10アリールは、単環式または二環式構造の形態である場合がある6〜10個の炭素原子を有する芳香族部分を意味する。「ハロアリール」という用語は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数のハロゲン原子で1置換、2置換または3置換されたアリールを意味する。「アルキルアリール」、「アリールアルキル」および「アララルキル」という用語は、1つまたは複数のアルキル基で置換されているアリール基を意味する。各基の炭素範囲が特定されていない限り、示された範囲は置換基全体に適用される。したがって、C7〜14アルキルアリール基は、単環式芳香族の場合はアルキル基中に1〜8個の炭素原子、および縮合芳香族の場合はアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有し得る。分子上の結合部位への基の結合は、アリール基またはアルキル基における場合がある。例えば、フルオロ−フェニルなど特定のアリール基が特定されておらず、または基が未置換であると述べられていない限り、アリール基には、当業者には公知の典型的な置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボニル、ニトロ、スルホ、アミノ、シアノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、CF、ハロアルコキシ、チオアルキル、アルカノイル、SH、アルキルアミノ、アルキルアミド、ジアルキルアミド、カルボキシエステル、アルキルスルホン、アルキルスルホンアミドおよびアルキル(アルコキシ)アミンなどで置換されているものが含まれる。アルキルアリール基の例には、ベンジル、ブチルフェニルおよび1−ナフチルメチルが挙げられる。
「アルカノイル」という用語は、本明細書で使用する場合、指定の数の炭素原子を含有する、直鎖状または分岐状1−オキソアルキル基を意味し、例えば、ホルミル、アセチル、1−オキソプロピル(プロピオニル)、2−メチル−1−オキソプロピル、1−オキソヘキシルなどが挙げられる。
「アルキルアミド」という用語は、本明細書で使用する場合、
Figure 2010508362
などの、アルキルで一置換されているアミドを意味する。
「ヘテロ環」という用語は、「Het」とも称され、本明細書で使用する場合、7〜12員の二環式ヘテロ環および5〜7員の単環式ヘテロ環を意味する。
好ましい二環式ヘテロ環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する7〜12員の縮合二環式環系であり(両方の環は原子の隣接した対を共有する)、ヘテロ環の両方の環は完全不飽和である。窒素および硫黄のヘテロ原子は、所望により酸化されてもよい。二環式ヘテロ環は、1つまたは両方の環中にヘテロ原子を含有する場合がある。例えば、7〜12員のフッ素化二環式ヘテロ環など特定のヘテロ環が特定されておらず、またはヘテロ環が未置換であると述べられてない限り、ヘテロ環には、当業者には公知の典型的な置換基で置換されているものが含まれる。例えば、二環式ヘテロ環はまた、環状炭素原子のいずれか上の置換基、例えば、1〜3個の置換基を含有し得る。適切な置換基の例には、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルキル、CF、モノ−もしくはジ−ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、NO、SH、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1〜6)カルボキシエステル、C1〜6アルキルスルホン、C1〜6アルキルスルホンアミド、C1〜6アルキルスルホキシド、ジ(C1〜6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6〜10アリール、C7〜14アルキルアリール、および5〜7員の単環式ヘテロ環が挙げられる。2つの置換基が二環式ヘテロ環の近接する炭素原子に結合している場合、それらは結合して環、例えば、酸素および窒素から選択される2個までのヘテロ原子を含有する5、6または7員環系を形成することができる。二環式ヘテロ環は、分子、例えば式I中のR’に、環中の任意の原子、好ましくは炭素において結合し得る。
二環式ヘテロ環の例には、それだけに限らないが、下記の環系が挙げられる。
Figure 2010508362
好ましい単環式ヘテロ環は、環中に窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する(硫黄および窒素のヘテロ原子は、所望により酸化されてもよい)5〜7員の飽和、部分飽和または完全不飽和環系である(この後者のサブセットはまた、本明細書で不飽和ヘテロ芳香族化合物と称される)。例えば、C1〜6アルコキシ置換5〜7員単環式ヘテロ環など特定のヘテロ環が特定されておらず、またはヘテロ環が未置換であると述べられていない限り、ヘテロ環には、当業者には公知の典型的な置換基で置換されているものが含まれる。例えば、単環式ヘテロ環はまた、環原子のいずれか上に置換基、例えば、1〜3個の置換基を含有し得る。適切な置換基の例には、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルキル、CF、モノ−もしくはジ−ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、NO、SH、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1〜6)カルボキシエステル、C1〜6アルキルスルホン、C1〜6アルキルスルホキシド、C1〜6アルキルスルホンアミド、ジ(C1〜6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6〜10アリール、C7〜14アルキルアリールおよびさらなる5〜7員の単環式ヘテロ環が挙げられる。単環式ヘテロ環は、分子、例えば式I中のR’に、環中の任意の原子において結合し得る。
単環式ヘテロ環の例には、それだけに限らないが、下記(およびそれらの互変異性体)が挙げられる。
Figure 2010508362
本発明の化合物に使用されるヘテロ環は安定的であるべきであることを当業者なら理解するであろう。一般に、安定的な化合物は、該化合物の分解を伴わずに当業者には公知の技術を使用して合成、単離および配合することができるものである。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体に関する「置換基」という用語は、対応するα−アミノ酸に由来する基を意味する。例えば、置換基のメチル、イソ−プロピル、およびフェニルは、アミノ酸のアラニン、バリン、およびフェニルグリシンをそれぞれ表す。
本発明の化合物の命名に使用する場合、記号「P1’、P1、P2、P3およびP4」は、本明細書で使用する場合、天然ペプチド切断基質の結合に対する、結合しているプロテアーゼ阻害剤のアミノ酸残基の相対的位置を表示する。天然基質において、切断はP1とP1’との間で起こり、ここでノンプライム位置は、ペプチド天然切断部位のC末端から始まってN末端に向けて伸びているアミノ酸を表し;一方、プライム位置は、指定切断部位のN末端から始まり、C末端に向かって伸びる。例えば、P1’は、切断部位のC末端の右側末端から離れた第1の位置(すなわち、N末端第1位置)を示し;一方、P1はC末端切断部位の左側から番号付けを始め、P2はC末端からの第2の位置などである(Berger A. & Schechter I., Transactions of the Royal Society London series (1970), B257, 249-264を参照されたい)。
好ましくは、Xは、O、S、OCH、CHO、またはNHである。より好ましくは、XはOまたはOCHである。最も好ましくは、XはOである。
本発明の他の態様では、R’は、下記のヘテロ環から選択される。
Figure 2010508362
他の態様では、R’は、
Figure 2010508362
から選択され;それぞれは、1〜5個の同じもしくは異なるR基で適宜置換されている。
本発明の他の態様では、X−R’は、下記から選択される。
Figure 2010508362
一態様では、Wは、−NH−SO−Rであり;Rは−NRであり;RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜7シクロアルキル、およびC1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される。
一態様では、Qは、OおよびS(O)(mは0、1または2である)からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を適宜含有するC5〜7飽和または不飽和鎖、好ましくはC飽和または不飽和鎖である。一態様では、Qは不飽和である。他の態様では、Qは、6個の炭素原子を有する。一態様では、Qは:
Figure 2010508362
[式中、
Pは、OおよびS(O)(mは0、1または2である)からなる群から独立して選択される1個のヘテロ原子を適宜含有するC飽和鎖である]
からなる群から選択される構造を有する。
他の態様では、Rは、−NRであり;RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリール(C1〜7アルキル)、C1〜7シクロアルキル、C1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)、ハロC1〜7アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される。
他の態様では、Rは、−C(O)−R、C(O)−NHRまたはC(O)−ORであり;Rは、ハロ、アルコキシ、またはシアノで適宜置換されているC1〜6アルキルである。一態様では、Rは、ハロで適宜置換されているC1〜6アルキルである。他の態様では、Rは、C1〜6アルキルである。
一態様では、RおよびR'は、それぞれ独立して、水素またはメチルである。
本発明の一態様では、本発明の化合物は、式II
Figure 2010508362
II
の構造を有する。
[式中、
(a)Rは、C(O)−OR(Rは、C1〜6アルコキシ、シアノ、またはハロで適宜置換されているC1〜9アルキルである)であり;
(b)Qは、OおよびS(O)(mは0、1または2である)からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を適宜含有するC5〜7飽和または不飽和鎖であり;
(c)Wは、−NH−SO−R(Rは、C6〜10アリール、ヘテロシクリルまたは−NR(RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリール(C1〜7アルキル)、C1〜7シクロアルキル、C1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)、ハロC1〜7アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される)である)であり;
(d)XはOであり;
(e)R’は、Het、C6〜10アリールまたはC7〜14アルキルアリール(それぞれは、1〜5個の同じもしくは異なるR基で適宜置換されている)であるか;あるいはC3〜9シクロアルキルまたはC1〜7アルキル(それぞれは、ハロ、シアノ、アルコキシおよびジアルキルアミノからなる群の1〜5個の同じもしくは異なる要素で適宜置換されている)であるが;
ただし、−XR’は、
Figure 2010508362
以外であり;および
(f)Rは、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルキル、CF、ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1〜6)カルボキシエステル、C1〜6アルキルスルホン、C1〜6アルキルスルホンアミド、ジ(C1〜6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6〜10アリール、C7〜14アルキルアリールおよび5〜7員の単環式ヘテロ環からなる群から選択される]
塩基性部分を含有する本発明の化合物は、薬学的に許容される酸を加えることによって塩を形成することができる。酸付加塩は、式Iの化合物と、薬学的に許容される無機酸(それだけに限らないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸が挙げられる)、または有機酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、スルファミン酸、もしくは酒石酸など)とから形成される。したがって、このような薬学的に許容される塩の例には、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、スルファミン酸塩、および酒石酸塩が挙げられる。
アミン基の塩はまた、第四級アンモニウム塩を含む場合があり、アミノ窒素は、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキル部分などの適切な有機基を有する。
酸性基で置換されている本発明の化合物は、塩基付加によって形成される塩として存在することができる。このような塩基付加塩には無機塩基由来のものが含まれ、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩が挙げられる。さらに、適切な塩基付加塩には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、エチレンジアミン、オルニチン、コリン、N,N’−ベンジルフェネチルアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび水酸化テトラメチルアンモニウム、ならびに塩基性アミノ酸(リシン、アルギニンおよびN−メチルグルタミンなど)などの生理学的に許容できる有機塩基の塩が含まれる。これらの塩は、当業者には公知の方法によって製造することができる。
本発明の特定の化合物およびそれらの塩はまた、水との溶媒和物(例えば水和物)、またはメタノール、エタノールもしくはアセトニトリルなどの有機溶媒との溶媒和物(それぞれメタノレート、エタノレートもしくはアセトニトリレートを形成する)の形態で存在していてもよい。本発明には各溶媒和物およびそれらの混合物が含まれる。
さらに、本発明の化合物、またはそれらの塩もしくは溶媒和物は、多形性を示し得る。本発明はまた、いずれのそのような多形体をも包含する。
不斉中心が、本発明の化合物に存在する。例えば、該化合物は、式:
Figure 2010508362
のP1シクロプロピル要素を含むことができ、式中、CおよびCはそれぞれ、シクロプロピル環の1位および2位における不斉炭素原子を表す。この化合物の他の部分において他に不斉中心の可能性があるとはいえ、これらの2つの不斉中心が存在することは、この化合物は、下記に示すように、Rがアミドに対してシン、またはカルボニルに対してシンであるように配置されているジアステレオマーなどの、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在することができることを意味する。
Figure 2010508362
本発明は、HCVプロテアーゼを阻害する能力を有する全ての立体化学的異性体形態、またはその混合物を包含すると理解されるべきである。
エナンチオマーは、当業者には公知の方法によって、例えば、結晶化、ガス液体または液体クロマトグラフィー、1種のエナンチオマーとエナンチオマー特異的試薬との選択反応によって分離することができるジアステレオマー塩を形成させることによって分離することができる。所望のエナンチオマーが分離技術によって他の化学的実体に変換される場合、所望のエナンチオマー形態を形成するためにさらなる工程が必要であることを理解されたい。あるいは、特定のエナンチオマーは、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を使用した不斉合成によって、または不斉転換により1つのエナンチオマーを他のエナンチオマーに変換することによって、合成することができる。
本発明の特定の化合物はまた、分離可能である場合がある異なる安定的な高次構造形態で存在することができる。非対称の単結合の周りの束縛回転に起因するねじれによる不斉は、例えば立体障害または環ひずみによって、異なる配座異性体の分離を可能にすることができる。本発明には、これらの化合物のそれぞれの配座異性体およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の特定の化合物は、双性イオン形態で存在する場合があり、本発明には、これらの化合物のそれぞれの双性イオン形態およびこれらの混合物が含まれる。
本発明の化合物の合成に有用な出発物質は当業者には公知であり、容易に製造することができ、または市販されている。
本発明の化合物は、当業者には公知の方法で製造することができる。以下に記載する下記の方法は、例示の目的のために提供するものであり、特許請求した開示内容の範囲を制限することを意図しない。例えば、式Iの構造を有する本発明の化合物は、スキーム1に示されるように合成することができる。従来の保護基を使用して官能基を保護し、次いで保護基を除去して本発明の化合物を提供するようにこのような化合物を製造することが好ましく、または必要である場合があることが認識されるであろう。本発明による保護基の使用に関する詳細は、当業者には公知である。
スキーム1に示されるように、ジペプチド1などの本発明の中間体は、式Iの化合物の製造のために使用することができる。この方法の第1の工程において、1のBoc保護された窒素は、エーテルなどの溶媒中のHClなどの酸を使用して脱保護され、対応する遊離アミン2を提供する。アミン2は引き続き、ジクロロメタンなどの溶媒中でHATUなどのカップリング剤を使用してアミノ酸3にカップリングして、トリペプチド中間体4を提供することができる。場合によっては、3などの中間体は市販であり、あるいはこのような化合物は、当技術分野において公知の方法によってラセミまたはキラル様式で容易に製造することができることに留意すべきである。式Iの化合物の構造における重要な転換は、一般構造体4の中間体が一般構造体5の中間体に変換される大環状化方法である。引用した一般例において、中間体4の5への変換は、分子内オレフィンメタセシス反応によって影響される場合がある。このクラスの反応は、当技術分野で十分に確立されており、したがっていくつかのオレフィンメタセシス触媒が開発されており、市販されている。例えば、ジエン4の大環状分子5への変換は、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの溶媒中で、4を十分な量の第1世代グラブスオレフィンメタセシス触媒で処理することによって影響される場合がある。4の5への変換についてのいくつかの例において、この環化過程がもたらされるために、反応混合物を加熱することが必要な場合がある。次いで、2つの工程方法によって中間体5を7などの式Iの化合物に変換する。この方法の第1の工程において、中間体5のエステル官能基は、対応するカルボン酸6に加水分解される。この転換は、5をTHF、メタノールおよび水の混合物中で水酸化リチウムなどの塩基で処理するけん化反応によって達成することができる。このように得られた酸6は、示されているようにスルホンアミド誘導体との単純なカップリング反応によって、式Iの化合物に変換されることができる。例えば、塩化メチレンなどの溶媒中で6などのカルボン酸をCDIで処理することによって、インサイチューで反応性中間体が生成し、これをスルホンアミドで処理する場合、式Iの化合物である7が提供されることは当技術分野で十分に確立している。
Figure 2010508362
式Iの化合物を製造することができるさらなる方法を下記に概説する(スキーム2)。その中で、プロリンC4−部分(XR’)に結合している官能基として本明細書において定義されているP2官能基は、P1−P3大環状化工程の後で組み込まれる。しかし、P2の分子への組込み方法は、合成の任意の適切な段階で行うことができることに留意すべきである。この非限定的スキームにおいて(スキーム2)、プロリン置換基Xは、適切な保護基を使用して保護される。次いで、この基は示されるように合成のいくつかの工程をへて、環化方法の後に除去され、5などの中間体が提供され、次いでこれが式Iの化合物(6)に変換される。
Figure 2010508362
式Iの化合物の構成において、上記で概説し、下記でより詳細に説明する一般法の1つを使用して、P1’末端を分子に組み込む。いくつかの例において、シクロアルキルスルホンアミドまたはアルキルスルホンアミドであるP1’要素は、市販であるか、または前記スルホニルクロリドをアンモニアで処理することによって、対応するアルキル−もしくはシクロアルキル−スルホニルクロリドから製造することができる。あるいは、これらのスルホンアミドは、スキーム3に概説した一般法を使用して合成することができる。そこでは、市販の3−クロロプロピルスルホニルクロリド(1)は、例えばtert−ブチルアミンで処理することによって、適切な保護スルホンアミドに変換される。次いで、得られたスルホンアミド2は、THFなどの溶媒中でブチルリチウムなどの2当量の塩基で低温にて処理することによって、対応するシクロアルキルスルホンアミド3に変換される。このように得られたシクロアルキルスルホンアミドを酸で処理することによって脱保護し、所望の非保護シクロアルキルスルホンアミド4を提供することができる。前記P1’フラグメント4は、式Iの化合物に組み込むことができる。さらに、4などの中間体のシクロアルキル環は、さらに官能化することができる。例えば、中間体3のブチルリチウムなどの塩基による処理、それに続くハロゲン化アルキルなどの求電子試薬の添加によって、シクロアルキル環のC1位が官能化されている5などの中間体が提供されるであろう。このタイプの反応は、THFなどの溶媒中で行うことができる。このような反応において、2当量以上の塩基を中間体3に加えることが必要である場合がある。さらに、3のTHF溶液を、塩基の添加の前に−78℃に冷却するこのような反応の温度を注意深くモニターする必要がある可能性が高いであろう。これを本明細書において詳細に説明する。
Figure 2010508362
上記のスキームにおいて使用されるt−ブチル保護基に代わるものとして(例えば、スキーム3の中間体2)、下記に示すようにBoc基を用いることができる(スキーム4)。前記Boc基は、触媒DMAPと共にトリエチルアミンなどの塩基の存在下で2などの中間体をBoc無水物で処理することによって組み込むことができる。次いで、得られたアシルスルホンアミド3は、THFなどの溶媒中でブチルリチウムなどの2当量の塩基で低温にて処理することによって、対応するシクロアルキルアシルスルホンアミド4に変換される。このように得られたシクロアルキルアシルスルホンアミド4は、酸で処理することによって脱保護され、所望の非保護シクロアルキルスルホアミドを提供することができる。前記P1’フラグメントは、式Iの化合物に組み込むことができる。
Figure 2010508362
式Iの化合物の製造において、下記で示される2などのジペプチド中間体は、示されるようにヒドロキシプロリン誘導体1をシクロプロピルアミノ酸Bでカップリングすることによって製造することができる。このカップリング反応は、塩化メチレンまたはDMFまたはTHFなどの溶媒中で、HATUまたはHBTUなどの試薬を使用して行うことができる。
Figure 2010508362
スキーム5に示されるように中間体Bを合成することができる。
Figure 2010508362
塩基の存在下で、市販であるか、または容易に合成されるイミン1の1,4−ジハロブテン2による処理によって、イミン3が提供される。次いで、3の酸加水分解によって、ジアステレオマーの混合物としてBが提供される。化合物3およびBについて、ビニル基はエステルに対してシンであることが好ましい。Bのアミン部分を、Boc基を使用して保護し、完全に保護されたアミノ酸4a/4bを提供することができる。この中間体は、ラセミ体、すなわちエナンチオマーの1:1混合物であり、それぞれのエナンチオマーを上記のスキームで示す。4のエステル部分が切断されて、対応するカルボン酸を提供する酵素方法によって、ラセミ4a/4bを分離することができる。任意の特定の理論にとらわれずに、エナンチオマーの1つ、すなわち絶対立体化学が(1S、2R)で示される4bは、その鏡像である4aよりもより速い速度で反応し、ラセミ体4a/4bの速度論的分割をもたらすという点でこの反応は選択的であるであると考えられている。したがって、この酵素が触媒するエステル切断の過程で、4bは対応する酸5に容易に変換され、一方4aは未反応の出発物質のままであろう。反応が終了すると、カルボン酸5および回収された出発物質4aは、水抽出法またはクロマトグラフィーなどの常法により分離することができる。下記に示されるように、中間体4aは、本明細書に記載の方法によって式Iの化合物に容易に変換することができる。例えば、4aをエーテルなどの溶媒中でHClなどの酸に曝すことによって、中間体4aからのBoc基の除去を行い、対応するアミン塩酸塩6を提供することができる。次いで、中間体6を官能化プロリン部分1に結合し、P1−P2ジペプチド2を提供することができる。2などの中間体は、本明細書に記載の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2010508362
式Iの化合物はまた、本明細書に記載するように他の式Iの化合物に変換することができる。このような方法の一例をスキーム6において示すが、ここでP4位にBoc基を有する式Iの化合物(1)は式Iの化合物(3)に変換され、前記化合物は、P4位に尿素基を有する。1の3への変換は、2つの工程方法で行うことができ、その第1は、1を塩化メチレンなどの溶媒中でTFAなどの酸で処理することによる、1のアミン2への変換である。このように得られたアミンTFA塩は、1当量の塩基の存在下にてイソシアネートで処理して、式Iの化合物(3)を提供することができ、ここではP3部分は尿素でキャッピングされている。前述のように、中間体2は式Iの化合物(P3基はアミドまたはカルバメートでキャッピングされている)の製造のための出発物質として使用することができることを当業者であれば理解するであろう。式Iの前記化合物の構成は、アミンからの前記P4官能基の形成のための標準的な条件を使用して行うことができる。
Figure 2010508362
P2の分子への組込みは、ペプチド骨格の構築の任意の段階で行うことができることを当業者であれば認識されよう。下記(スキーム7)において、1、3または5などの中間体の式Iの化合物への変換について、これが例示されている。
Figure 2010508362
本発明はまた、本発明の化合物、またはその薬学的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは塩と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、治療有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは塩と、薬学的に許容される担体(薬学的に許容される担体とは、例えば、賦形剤、もしくはビヒクル希釈剤である)とを含む。
活性成分、すなわちこのような組成物中の化合物は典型的には、組成物の0.1重量パーセント〜99.9重量パーセントを構成し、約5〜95重量パーセントを構成する場合が多い。
したがって本発明の一態様では、式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。好ましくは、組成物は、抗HCV活性を有する化合物をさらに含む。本明細書で使用する場合、「抗HCV活性」という用語は、該化合物が、HCV感染症の治療のためのHCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、IMPDHおよびヌクレオシド類似体からなる群から選択される標的の機能を阻害するのに有効であることを意味する。抗HCV活性を有する他の化合物は、HCV NS3プロテアーゼタンパク質以外にHCVの生活環において標的の機能を阻害するのに有効である場合が多い。
好ましい一態様では、抗HCV活性を有する化合物は、インターフェロンである。好ましくは、インターフェロンは、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、リンパ芽球インターフェロンタウからなる群から選択される。
本発明の他の態様では、抗HCV活性を有する化合物は、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン、およびリマンタジンからなる群から選択される。
本発明の好ましい一態様では、組成物は、本発明の化合物、インターフェロンおよびリバビリンを含む。
本発明の他の好ましい態様では、抗HCV活性を有する化合物は小分子化合物である。本明細書で用いられる場合、用語「小分子化合物」は1,500ダルトン未満、好ましくは1,000ダルトン未満の分子量を有する化合物を意味する。小分子化合物は、HCV感染症の治療のために、HCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(「IMPDH」)およびヌクレオシドアナログからなる群から選択される標的の機能を阻害するのに有効であることが好ましい。
他の態様では、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。この態様の一実施形態では、組成物は、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物をさらに含む。他の実施形態では、さらなる化合物の少なくとも1つは、インターフェロンまたはリバビリンである。他の実施形態では、インターフェロンは、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、およびリンパ芽球インターフェロンタウから選択される。
他の態様では、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体と、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物とを含む組成物を提供し、さらなる化合物の少なくとも1つは、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン、およびリマンタジンから選択される。
他の態様では、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体と、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物とを含む組成物を提供し、さらなる化合物の少なくとも1つは、HCV感染症の治療のためのHCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、およびIMPDHから選択される標的の機能を阻害するのに有効である。
他の態様では、本発明は、治療有効量の式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩を患者に投与することを含む、患者においてHCV感染症を治療する方法を提供する。一実施形態では、この方法は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩の前、後、または同時に、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物を投与することをさらに含む。他の実施形態では、さらなる化合物の少なくとも1つは、インターフェロンまたはリバビリンである。インターフェロンは、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、およびリンパ芽球インターフェロンタウから選択される。
他の態様では、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩の前、後、または同時に、治療有効量の式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩と、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物とを患者に投与することを含む、患者においてHCV感染症を治療する方法を提供し、ここで、さらなる化合物の少なくとも1つは、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン、およびリマンタジンから選択される。
他の態様では、本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩の前、後、または同時に、治療有効量の式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩と、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物とを患者に投与することを含む、患者においてHCV感染症を治療する方法を提供し、さらなる化合物の少なくとも1つは、HCV感染症の治療のためのHCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、およびIMPDHから選択される標的の機能を阻害するのに有効である。
他の態様では、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、抗HCV活性を有する1種、2種、3種、4種、もしくは5種のさらなる化合物と、薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。この態様の第1の実施形態では、この組成物は、抗HCV活性を有する3種または4種のさらなる化合物を含む。第2の実施形態では、組成物は、抗HCV活性を有する1種または2種のさらなる化合物を含む。
他の態様では、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の前、後、または同時に、治療有効量の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、抗HCV活性を有する1種、2種、3種、4種、もしくは5種のさらなる化合物とを患者に投与することを含む、患者においてHCV感染症を治療する方法を提供する。この態様の第1の実施形態では、この方法は、抗HCV活性を有する3種または4種のさらなる化合物を投与することを含む。第2の実施形態では、この方法は、抗HCV活性を有する1種または2種のさらなる化合物を投与することを含む。
本発明の他の態様には、本明細書において開示されている実施形態の適切な組合せが含まれる。
本明細書において提供する記載内容において、他の態様および実施形態もまた見い出すことができる。
本発明の化合物と共に投与することができる特定の例示的HCV阻害剤化合物には、下記の公開公報において開示されているものが挙げられる。2002年1月17日に公開されたWO02/04425(A2)、2003年1月30日に公開されたWO03/007945(A1)、2003年2月6日に公開されたWO03/010141(A2)、2003年2月6日に公開されたWO03/010142(A2)、2003年2月6日に公開されたWO03/010143(A1)、2003年1月3日に公開されたWO03/000254(A1)、2001年5月10日に公開されたWO01/32153(A2)、2000年2月10日に公開されたWO00/06529、2000年4月6日に公開されたWO00/18231、2000年3月2日に公開されたWO00/10573、2000年3月16日に公開されたWO00/13708、2001年11月15日に公開されたWO01/85172(A1)、2003年5月8日に公開されたWO03/037893(A1)、2003年5月8日に公開されたWO03/037894(A1)、2003年5月8日に公開されたWO03/037895(A1)、2002年12月19日に公開されたWO02/100851(A2)、2002年12月19日に公開されたWO02/100846(A1)、2002年11月13日に公開されたEP1256628(A2)、1999年1月14日に公開されたWO99/01582、2000年2月24日に公開されたWO00/09543。
下記の表1では、本発明の化合物と共に投与することができる化合物のいくつかの実例を一覧表示する。本発明の化合物は、一緒にもしくは別々に、または該化合物を組成物に合わせることによって、併用療法において他の抗HCV活性化合物と共に投与することができる。
Figure 2010508362
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Figure 2010508362
本発明の医薬組成物は、経口的に、非経口的に、または埋込リザーバーによって投与することができる。経口投与または注射による投与が好ましい。場合によっては、製剤のpHを薬学的に許容される酸、塩基またはバッファーで調節して、製剤された化合物またはそのデリバリー形態の安定性を増強することができる。非経口という用語には、本明細書で使用する場合、皮下、皮内、静脈内、筋内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内、および病巣内注射または注入技術が含まれる。
経口投与される場合、本発明の医薬組成物は、それだけに限らないが、カプセル剤、錠剤、および水性懸濁剤および溶液剤が挙げられる任意の経口的に許容される剤形で投与することができる。経口使用のための錠剤の場合、通常使用される担体には、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた、典型的に加えられる。カプセル剤形態での経口投与については、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液が経口投与される場合、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と合わせる。所望であれば、特定の甘味剤および/または香味剤および/または着色剤を加えることができる。上記の組成物のための他の適切な担体は、標準の薬剤テキスト、例えば"Remington's Pharmaceutical Sciences", 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, Penn., 1995に見い出すことができる。
医薬組成物は、周知の容易に入手可能な成分を使用して、公知の手順によって製造することができる。本発明の組成物は、当技術分野で周知の手順を用いることによって、患者に投与した後に活性成分の急速放出、持効性放出または遅延放出を提供するように製剤化することができる。本発明の組成物の作製において、活性成分は通常、担体と混合され、または担体によって希釈され、またはカプセル剤、サシェ剤、紙もしくは他の容器の形態の場合がある担体内に封入されているであろう。担体が希釈剤の役割を果たす場合、それは、活性成分のためのビヒクル、賦形剤または媒体の機能を果たす固体、半固体または液体材料でよい。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ビードレット(beadlet)、ロゼンジ、サシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳剤、溶液剤、シロップ剤、アエロゾル(固体としてまたは液体媒体中)、軟質および硬質ゼラチンカプセル、坐薬、無菌注射剤、無菌の包装された粉末などの形態でよい。本発明の医薬組成物の適切なデリバリー形態の設計および製造に関するさらなる詳細は、当業者には公知である。
1日当たり約0.01〜約1000ミリグラム/キログラム(「mg/kg」)体重、好ましくは1日当たり約0.5〜約250mg/kg体重の本発明の化合物の投与量レベルが、HCV媒介疾患の予防および治療のための単独療法において典型的である。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日当たり約1〜約5回、あるいは、持続注入として投与されるであろう。このような投与は、長期治療または救急治療として使用することができる。単一の剤形を生成するために担体材料と合わせることのできる活性成分の量は、治療される宿主および特定の投与方法によって変化するであろう。
当業者なら理解するであろうが、上記より低いまたはより高い用量が必要である場合がある。任意の特定の患者についての特定の投与量および治療計画は、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康状態、性別、食事、投与時間、排せつ率、薬物の組合せ、感染症の重症度および感染過程、感染症に対する患者の素因および治療を行う医師の判断を含む種々の要因に依存するであろう。一般に、実質的にペプチドの適量未満の少量で治療を始める。その後、この条件の下で最適の効果に到達するまで投与量を少量ずつ増加させる。一般に、いかなる弊害または有害な副作用をもたらさずに、抗ウイルス的に有効な結果を一般に得られるであろう濃度レベルで化合物を投与することが最も望ましい。
本発明の組成物が、本発明の化合物と、1種もしくは複数のさらなる治療薬または予防薬との組合せを含む場合、該化合物およびさらなる薬剤の両方は、単独療法投与計画において通常投与される投与量の約10〜100%、さらに好ましくは約10〜80%の投与量レベルで通常存在する。
これらの化合物、またはそれらの薬学的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは塩が、薬学的に許容される担体と共に製剤される場合、このように得られた組成物は、インビボでヒトなどの哺乳動物に投与して、HCV NS3プロテアーゼを阻害し、またはHCVウイルス感染症を治療もしくは予防することができる。
したがって、本発明の他の態様は、本発明の化合物、またはそれらの薬学的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、塩もしくは溶媒和物を投与することによって、患者においてHCV NS3プロテアーゼ活性を阻害する方法を提供する。
本発明の一態様では、患者に治療有効量の本発明の化合物、またはそれらの薬学的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは塩を投与することを含む、患者においてHCV感染症を治療する方法を提供する。
好ましくは、該化合物の投与用法は、HCV NS3プロテアーゼタンパク質の機能を阻害するのに有効である。好ましい態様では、この方法は、(上記のような)抗HCV活性を有する他の化合物を、本発明の化合物の前、後、または同時に投与することをさらに含む。
本発明の化合物はまた、実験用試薬として使用することができる。化合物は、ウイルス複製アッセイの設計、動物アッセイ系の妥当性検査、およびHCV疾患機構の知識をさらに増すための構造生物学研究のための研究道具の提供における手段になり得る。さらに、本発明の化合物は、例えば競合阻害による、他の抗ウイルス性化合物の結合部位の確立または決定において有用である。
本発明の化合物はまた、物質のウイルス汚染を処理または予防し、したがって実験室、またはこのような物質(例えば、血液、組織、手術器具および手術着、実験器具および実験着、ならびに採血または輸血の装置および材料)と接触する医療関係者もしくは患者のウイルス感染の危険性を減少させるために使用することができる。
さらに、本発明の化合物および組成物は、患者においてHCV感染症を治療するための医薬の製造に使用することができる。
下記の具体例は、本発明の化合物の合成を例示するものであり、下記の特許請求の範囲を制限するものとは解釈されない。この方法は、本発明に包含されているが、明確に開示されていない化合物を生成するために、変形形態に適合させることができる。さらに、同一の化合物をいくぶん異なった様式で生成するためのこの方法の変形形態もまた、当業者には明らかであろう。
本明細書において開示されている化合物を識別するために一般に使用される化学物質の略語には、Bn:ベンジル;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル{Me3COC(O)};BSA:ウシ血清アルブミン;CDI:カルボニルジイミダゾール;DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エン;CH2Cl2=DCM:塩化メチレン;TBME:tert−ブチルメチルエーテル;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート;DIEA:ジイソプロピルエチルアミン;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;4−DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;DPPA:ジフェニルホスホリルアジド;Et:エチル;EtOH:エタノール;EtOAc:酢酸エチル;Et2O:ジエチルエーテル;グラブス触媒:ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド;第2世代グラブス触媒:トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジクロリド;HATU:[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;HBTU:[O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;HOBT、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HOAT、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;MS:質量分析法;Me:メチル;MeOH:メタノール;NMM:N−メチルモルヒネ;NMP:N−メチルピロリジン;Pr:プロピル;PPA:ポリリン酸;TBAF:テトラ−n−ブチルフッ化アンモニウム;1,2−DCEまたはDCE:1,2−ジクロロエタン;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフランが挙げられる。
特に断りのない限り、溶液パーセントは重量対容量の関係を表し、溶液比は容量対容量の関係を表す。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker300、400または500メガヘルツ(MHz)分光計で記録した;化学シフト(δ)は百万分率で報告する。フラッシュクロマトグラフィーを、スティルのフラッシュクロマトグラフィー技術によってシリカゲル(SiO2)上で行った(J. Org.Chem. 1978, 43, 2923)。液体クロマトグラフィー(LC)データは、SPD−10AV UV−Vis検出器を使用してShimadzu LC−10AS液体クロマトグラフで記録し、エレクトロスプレーモード(ES+)においてLCのためのMicromass Platformによって質量分析(MS)データを決定した。特に断りのない限り、溶液パーセントは重量対容量の関係を表し、溶液比は容量対容量の関係を表す。核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、Bruker300、400または500MHz分光計で記録した;化学シフト(δ)は百万分率で報告する。
下記の実施例において説明する、本発明の実施例、化合物および化学中間体は、下記の方法に従って製造した。
ラセミの(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩の製造(方法Aおよび方法B)
Figure 2010508362
指定した化合物を、下記の方法AおよびBのそれぞれによってラセミに作製した。
方法A
グリシンエチルエステルのN−ベンジルイミンの製造
Figure 2010508362
グリシンエチルエステル塩酸塩(303.8g、2.16モル)を、tert−ブチルメチルエーテル(1.6L)中で懸濁した。ベンズアルデヒド(231g、2.16モル)および無水硫酸ナトリウム(154.6g、1.09モル)を加え、氷水浴を使用して混合物を0℃に冷却した。トリエチルアミン(455mL、3.26モル)を、30分に亘り1滴ずつ加え、混合物を室温で48時間撹拌した。次いで、氷水(1L)を加えることによって反応物をクエンチし、有機層を分離した。水相をtert−ブチルメチルエーテル(0.5L)で抽出し、合わせた有機相を飽和NaHCO3水溶液(1L)およびブライン(1L)の混合物で洗浄した。溶液をMgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮し、392.4gのN−ベンジルイミン生成物を濃厚な黄色の油状物として得て、それを次の工程で直接使用した。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.32 (t, J=7.1 Hz, 3H), 4.24 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.41 (d, J=1.1 Hz, 2H), 7.39-7.47 (m, 3H), 7.78-7.81 (m, 2H), 8.31 (s, 1H).
ラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの製造
Figure 2010508362
リチウムtert−ブトキシド(84.06g、1.05モル)の乾燥トルエン(1.2L)懸濁液に、グリシンエチルエステルのN−ベンジルイミン(100.4g、0.526モル)およびtrans−1,4−ジブロモ−2−ブテン(107.0g、0.500モル)の乾燥トルエン(0.6L)中の混合物を60分に亘り1滴ずつ加えた。添加完了後、水(1L)およびtert−ブチルメチルエーテル(TBME、1L)を加えることによって深紅の混合物をクエンチした。水相を分離し、TBME(1L)で再び抽出した。有機相を合わせ、1NのHCl(1L)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。有機相を分離し、水(0.8L)で抽出した。次いで、水相を合わせ、塩(700g)で飽和させ、TBME(1L)を加え、混合物を0℃に冷却した。次いで、撹拌した混合物を、10NのNaOHを1滴ずつ加えることによってpH14に塩基性化し、有機層を分離し、水相をTBME(2×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、1Lの容量まで濃縮させた。遊離アミンのこの溶液に、BOC2Oまたは二炭酸ジ−tert−ブチル(131.0g、0.6モル)を加え、混合物を室温で4日間撹拌した。さらなる二炭酸ジ−tert−ブチル(50g、0.23モル)を反応物に加え、混合物を3時間還流し、次いで終夜で室温まで冷却させた。反応混合物をMgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮し、80gの粗生成物を得た。この残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製(2.5KgのSiO2、1%〜2%MeOH/CH2Cl2で溶出)し、57g(53%)のラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを黄色の油状物として得て、それは冷蔵庫内に置いている間に凝固した。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.46 (s, 9H), 1.43-1.49 (m, 1H), 1.76-1.82 (br m, 1H), 2.14 (q, J=8.6 Hz, 1H), 4.18 (q, J=7.2 Hz, 2H), 5.12 (dd J=10.3, 1.7 Hz, 1H), 5.25 (br s, 1H), 5.29 (dd, J=17.6, 1.7 Hz, 1H), 5.77 (ddd, J=17.6, 10.3, 8.9 Hz, 1H); MS m/z 254.16 (M-1).
ラセミの(1R,2S)/(1S,2R)1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩の製造
Figure 2010508362
N−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(9.39g、36.8mmol)を、4NのHCl/ジオキサン(90ml、360mmol)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩を定量的収率(7g、100%)で得た。1H NMR (メタノール-d4) δ 1.32 (t, J=7.1, 3H), 1.72 (dd, J=10.2, 6.6 Hz, 1H), 1.81 (dd, J=8.3, 6.6 Hz, 1H), 2.38 (q, J=8.3 Hz, 1H), 4.26-4.34 (m, 2H), 5.24 (dd, 10.3, 1.3 Hz, 1H) 5.40 (d, J=17.2, 1H), 5.69-5.81 (m, 1H).
方法B
ラセミのN−Boc−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩の製造
Figure 2010508362
カリウムtert−ブトキシド(11.55g、102.9mmol)のTHF(450mL)溶液に、−78℃でTHF(112mL)中の市販のグリシンエチルエステルのN,N−ジベンジルイミン(25.0g、93.53mmol)を加えた。反応混合物を0℃に温め、40分間撹拌し、次いで−78℃に再冷却した。この溶液に、trans−1,4−ジブロモ−2−ブテン(20.0g、93.50mmol)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌し、−78℃に再冷却した。カリウムtert−ブトキシド(11.55g、102.9mmol)を加え、混合物を直ちに0℃に温め、真空中で濃縮する前にさらに1時間撹拌した。粗生成物を、Et2O(530mL)に溶解し、1Nの水性HCl溶液(106mL、106mmol)を加え、このように得られた二相性混合物を室温で3.5時間撹拌した。層を分離し、水層をEt2O(2×)で洗浄し、飽和NaHCO3水溶液で塩基性化した。所望のアミンを、Et2O(3×)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、遊離アミンを得た。この物質を、ジオキサン(100mL、400mmol)中の4NのHCl溶液で処理し、濃縮し、少量で未同定の芳香族不純物(8%)の存在以外は手順Aから得た物質と同一の、(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩を茶色の半固形物(5.3g、34%収率)として得た。
N−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの分割
Figure 2010508362
分割A
39℃に保持し、300rpmで撹拌し、12リットルのジャケット付き反応器内に収容したリン酸ナトリウムバッファーの水溶液(0.1M、4.25リットル(「L」)、pH8)に、511グラムのAlcalase2.4L(約425mL)(Novozymes North America Inc.)を加えた。混合物の温度が39℃に到達したときに、水中の50%NaOHを加えることによってpHを8.0に調節した。次いで、ラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(85g)のDMSO(850mL)溶液を、40分に亘って加えた。次いで、反応温度を40℃に24.5時間保持し、その間に混合物のpHを、水中の50%NaOHを使用して1.5時間および19.5時間時点で8.0に調節した。24.5時間後、エステルのエナンチオ過剰率を97.2%であると決定し、反応物を室温(26℃)に冷却し、終夜撹拌し(16時間)、その後エステルのエナンチオ過剰率は100%であると決定した。次いで、反応混合物のpHを、50%NaOHで8.5に調節し、このように得られた混合物を、MTBE(2×2L)で抽出した。次いで、合わせたMTBE抽出物を5%NaHCO3(3×100mL)、水(3×100mL)で洗浄し、真空中で蒸発させ、鏡像異性的に純粋なN−Boc−(1R,2S)/−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを淡黄色の固形物(42.55g;純度:97%@210nm、酸は含有せず;100%鏡像体過剰率(「ee」))として得た。
次いで、抽出工程からの水層を、50%H2SO4でpH2まで酸性化し、MTBE(2×2L)で抽出した。MTBE抽出物を水(3×100mL)で洗浄し、蒸発させ、酸を淡黄色固形物(42.74g;純度:99%@210nm、エステルを含有せず)として得た。
Figure 2010508362
Figure 2010508362
分割B
24ウェルプレート(容量:10ml/ウェル)のウェル中の100mMのHepes(Heps)-Naバッファー(pH8.5)(0.5mL)に、0.1mLのSavinase16.0L(バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)からのプロテアーゼ)(Novozymes North America Inc.)およびラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(10mg)のDMSO(0.1mL)溶液を加えた。プレートを密封し、250rpmで40℃にてインキュベートした。18時間後、エステルのエナンチオ過剰率は、下記のように44.3%であると決定した。0.1mLの反応混合物を取り出し、1mLエタノールとよく混合し;遠心分離後、10マイクロリットル(「μl」)の上清をキラルHPLCで分析した。残りの反応混合物に、0.1mLのDMSOを加え、プレートをさらに3日間250rpmで40℃にてインキュベートし、その後4mLのエタノールをウェルに加えた。遠心分離後、10μlの上清をキラルHPLCで分析し、エステルのエナンチオ過剰率を100%であると決定した。
分割C
24ウェルプレート(容量:10mL/ウェル)のウェル中の100mMのHepes(Heps)-Naバッファー(pH8.5)0.5mlに、0.1mlのEsperase8.0L(バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)からのプロテアーゼ)(Novozymes North America Inc.)およびラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(10mg)のDMSO(0.1mL)溶液を加えた。プレートを密封し、250rpmで40℃にてインキュベートした。18時間後、エステルのエナンチオ過剰率は、下記のように39.6%であると決定した。0.1mLの反応混合物を取り出し、1mLのエタノールとよく混合し;遠心分離後、10μlの上清を、キラルHPLCで分析した。残りの反応混合物に、0.1mLのDMSOを加え、プレートをさらに3日間250rpmで40℃にてインキュベートし、その後4mLのエタノールをウェルに加えた。遠心分離後、10μlの上清をキラルHPLCで分析し、エステルのエナンチオ過剰率は100%であると決定した。
試料分析を下記の方法によって行った。
1)試料の製造:約0.5mlの反応混合物を、10容量のEtOHとよく混合した。遠心分離後、10μlの上清をHPLCカラムに注入した。
2)変換の決定:
カラム:YMC ODS A、4.6×50mm、S−5μm
溶媒:A、水中の1mMのHCl;B、MeCN
グラジエント:1分間、30%B;0.5分間、30%〜45%B;1.5分間、45%B;0.5分間、45%〜30%B
流量:2ml/分
UV検出:210nm
保持時間:酸、1.2分;エステル、2.8分。
3)エステルについてのエナンチオ過剰率の決定:
カラム:CHIRACEL OD−RH、4.6×150mm、S−5μm
移動相:水中のMeCN/50mMのHClO(67/33)
流量:0.75ml/分
UV検出:210nm
保持時間:
(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸、5.2分;
ラセミの(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル、18.5分および20.0分;
(1R,2S)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル、18.5分。
分割D
0.3Mのリン酸ナトリウムバッファー(pH8)5Lを、20リットルのジャケット付き反応器中で38℃に保持し、130rpmで撹拌した。4リットルのAlcalase2.4L(Novozymes North America Inc.)および1リットルの脱イオン水を反応器に加えた。混合物の温度が38℃に近づいたところで、10NのNaOHでpHを7.8に調節した。ラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(500グラム)のDMSO(5リットル)溶液を、滴下漏斗によって1時間に亘り反応器に加えた。次いで、反応温度を48℃に調節した。21時間後、エステルのエナンチオ過剰率は99.3%に達した。加熱を24時間で止め、反応物を室温(約25℃)にゆっくりと冷却し、終夜撹拌した。10NのNaOHで反応混合物のpHを8.5に調節し、混合物をMTBE(2×4L)で抽出した。合わせたMTBE抽出物を、5%NaHCO3(3×400ml)および水(3×400ml)で洗浄し、蒸発させ、鏡像異性的に純粋なN−Boc−(1R,2S)/−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを淡黄色の結晶(259g;純度:96.9%@210nm、酸を含有せず;100%ee)として得た。
分割E
10Lの0.1Mのリン酸ナトリウムバッファー(pH8)を、20リットルジャケット付き反応器中で40℃に保持し、360rpmで撹拌した。1.5リットルのAlcalase2.4L(Novozymes North America Inc.)を反応器に加えた。混合物の温度が38℃に近づいたところで、10NのNaOHでpHを8.0に調節した。ラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(200グラム)のDMSO(2リットル)溶液を、滴下漏斗によって1時間に亘り反応器に加えた。次いで、反応温度を40℃に調節した。3時間後、10NのNaOHでpHを8.0に調節した。21時間後、反応物を25℃に冷却した。10NのNaOHで反応混合物のpHを8.5に調節し、混合物をMTBE(2×5L)抽出した。合わせたMTBE抽出物を5%NaHCO3(3×500ml)および水(3×200ml)で洗浄し、蒸発させて、110グラムの黄色の油状物を得た。油状物は、一般的な減圧装置で室温にて固化し、鏡像異性的に純粋なN−Boc−(1R,2S)/−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを無色の長いロッド状の結晶(101g;純度:97.9%@210nm、酸を含有せず;100%ee)として得た。
結晶構造である鏡像異性的に純粋なN−Boc−(1R,2S)/−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを、単結晶分析(X線NB#:52795−093、参照コード:634592N1)によって特性決定した。公知のキラル中心またはより重い原子(複数可)がないために、絶対配置は確立されない。結晶軸に沿った鎖状構造が、アミド基とカルボニル酸素原子との間の分子間の水素結合(N…O3.159Å)を介して形成される。
N−Boc−(1R,2S)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの構造:
Figure 2010508362
化学式:C13H21N1O4 結晶化
晶系:斜方晶 結晶源:MTBE
空間群:P212121 結晶の説明:無色のロッド
a=5.2902(1)Å、α=90° 結晶サイズ(mm):0.12×0.26×0.30
b=13.8946(2)Å、β=90° データ収集
c=19.9768(3)Å、γ=90° 温度(K):293
V=1468.40(4)Å3 θmax(°):65.2(Cu Kα)
Z=4、dx=1.155gcm-3 測定反射数:7518
格子定数についての反射数:6817 独立反射数:2390(Rint=0.0776)
格子定数(°)についてのθ範囲:2.2〜65.2 測定反射数(I≧2σ):2284
吸収係数(mm-1):0.700 吸収補正(Tmin-Tmax):0.688〜1.000
分割F
0.2Mのホウ酸ナトリウムバッファー(pH9)5Lを、20リットルジャケット付き反応器中で45℃に保持し、400rpmで撹拌した。3リットルの脱イオン水および4リットルのSavinase 16L、タイプEX(Novozymes North America Inc.)を、反応器に加えた。混合物の温度が45℃に近づいたところで、10NのNaOHでpHを8.5に調節した。ラセミのN−Boc−(1R,2S)/(1S,2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル(200グラム)のDMSO(2リットル)溶液を、滴下漏斗によって40分間に亘り反応器に加えた。次いで、反応温度を48℃に調節した。2時間後、10NのNaOHでpHをpH9.0に調節した。18時間で、エステルのエナンチオ過剰率は72%に達し、10NのNaOHでpHを9.0に調節した。24時間で、温度を35℃に下げた。42時間で、温度を48℃に上げ、10NのNaOHでpHを9.0に調節した。48時間で加熱を止め、反応物を室温(約25℃)にゆっくりと冷却し、終夜撹拌した。66時間で、反応混合物のpHは8.6であった。混合物をMTBE(2×4L)で抽出した。合わせたMTBE抽出物を、5%NaHCO3(6×300ml)および水(3×300ml)で洗浄し、蒸発させ、鏡像異性的に純粋なN−Boc−(1R,2S)/−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを淡黄色の結晶(101Ag;純度:95.9%@210nm、酸を含有せず;98.6%ee)として得た。
工程1:エチル1(R)−アミノ−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩の製造
Figure 2010508362
エチル1(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート(8.5g、33.3mmol)を、4NのHCl/ジオキサン(Aldrich)200mLと共にN2雰囲気下にて室温で3時間撹拌した。温度を40℃未満に保ちながら溶媒を減圧下で除去した。これによって、6.57g(約100%)のエチル1(R)−アミノ−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩を淡褐色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.31 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 1.69-1.82 (m, 2 H), 2.38 (q, J=8.8 Hz, 1 H), 4.29 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 5.22 (d, J=10.3 Hz, 1 H), 5.40 (d, J=17.2 Hz, 1 H), 5.69-5.81 (m, 1 H). MS m/z 156 (M++1).
工程2:エチル1(R)−[1−tert−ブトキシカルボニル−4(R)−ヒドロキシピロリジン−2(S)−カルボキサミド]−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレートの製造
Figure 2010508362
塩化メチレン(400mL)中のBoc−L−4−ヒドロキシプロリン(N−Boc(2S,4R)−ヒドロキシプロリン)(10g、43.3mmol)の撹拌したスラリーを、N−メチルモルホリン(9.3mL、84.7mmol)、HATU(19.5g、51.3mmol)、およびエチル1(R)−アミノ−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩(9.1g、47.5mmol)で順次処理した。金色の均一溶液を室温でN2下18時間撹拌し、次いで真空中で濃縮し、茶色の油状物を得た。これを、酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。有機相を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、15g(94%)のエチル1(R)−[1−tert−ブトキシカルボニル−4(R)−ヒドロキシピロリジン−2(S)−カルボキサミド]−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレートをオフホワイトの固形物として得た。LC−MS(Xterra HPLCカラム:3.0×50mm長。グラジエント:100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒B。グラジエント時間:3分。保持時間:1分。流量:5mL/分。検出波長:220nm。溶媒A:10%MeOH/90%H2O/0.1%TFA。溶媒B:10%H2O/90%MeOH/0.1%TFA。)(保持時間:2.09分)。MS m/z 369 (M++1).
工程3:エチル1(R)−[4(R)−ヒドロキシピロリジン−2(S)−カルボキサミド]−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩の製造
Figure 2010508362
エチル1(R)−[1−tert−ブトキシカルボニル−4(R)−ヒドロキシピロリジン−2(S)−カルボキサミド]−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート(5.0g、13.6mmol)の撹拌したスラリーを、4NのHCl/ジオキサン(20mL)で3時間処理した。反応混合物を真空中で濃縮し、4.5g(97%)のエチル1(R)−[4(R)−ヒドロキシピロリジン−2(S)−カルボキサミド]−2(S)−ビニルシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩を白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.26 (t, J=7.14 Hz, 3 H), 1.46 (dd, J=9.70, 5.31 Hz, 1 H), 1.80 (dd, J=8.23, 5.31 Hz, 1 H), 2.00 - 2.15 (m, 1 H), 2.18 - 2.30 (m, 1 H), 2.45 (dd, J=13.36, 7.50 Hz, 1 H), 3.36 - 3.48 (m, 1 H), 4.11 - 4.24 (m, 2 H), 4.44 (dd, J=10.25, 7.68 Hz, 1 H), 4.58 - 4.65 (m, 1 H), 4.84 - 4.94 (m, 1 H), 5.17 (d, J=1.83 Hz, 1 H), 5.27 - 5.42 (m, 1 H), 5.67 - 5.89 (m, 1 H).
シクロプロピルスルホンアミドの製造、方法AおよびB
方法A:
Figure 2010508362
0℃に冷却した100mLのTHFの溶液に、飽和に達するまでアンモニアガスを泡立てた。この溶液に、塩化シクロプロピルスルホニル(5g(28.45mmol))(Array Biopharmaから購入)のTHF(50mL)溶液を加え、溶液を終夜室温に温め、さらに1日撹拌した。1〜2mLの溶媒が残るまで混合物を濃縮し、SiO2のプラグ30gに加え(30%〜60%EtOAc/ヘキサンで溶出)、3.45g(100%)のシクロプロピルスルホンアミドを白色の固形物として得た。1H NMR (メタノール-d4) δ 0.94-1.07 (m, 4H), 2.52-2.60 (m, 1H); 13C NMR (メタノール-d4) δ 5.92, 33.01.
方法B:
工程1:N−tert−ブチル−(3−クロロ)プロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
tert−ブチルアミン(3.0モル、315.3mL)を、THF(2.5L)に溶解した。溶液を−20℃に冷却した。塩化3−クロロプロパンスルホニル(1.5モル、182.4mL)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温まで温め、24時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣をCH2Cl2(2.0L)に溶解した。このように得られた溶液を、1NのHCl(1.0L)、水(1.0L)、ブライン(1.0L)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。それを濾過し、真空中で濃縮し、僅かに黄色の固形物を得て、それをヘキサンから結晶化させることによって、生成物を白色の固形物(316.0g、99%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 9H), 2.30-2.27 (m, 2H), 3.22 (t, J = 7.35 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 4.35 (b, 1H).
工程2:シクロプロパンスルホン酸tert−ブチルアミドの製造
Figure 2010508362
N−tert−ブチル−(3−クロロ)プロピルスルホンアミド(2.14g、10.0mmol)のTHF(100mL)溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、8.0mL、20.0mmol)を−78℃で加えた。反応混合物を1時間に亘り室温まで温めた。揮発性物質を真空中で除去した。残渣をEtOACおよび水に分配した(200mL、200mL)。分離した有機相を、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をヘキサンから再結晶させ、所望の生成物を白色の固形物(1.0g、56%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 0.98-1.00 (m, 2H), 1.18-1.19 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 2.48-2.51 (m, 1H), 4.19 (b, 1H).
工程3:シクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
シクロプロパンスルホン酸tert−ブチルアミド(110.0g、0.62モル)のTFA(500mL)溶液を、室温で16時間撹拌した。揮発物を真空中で除去した。残渣をEtOAC/ヘキサン(60mL/240mL)から再結晶させ、所望の生成物を白色の固形物(68.5g、91%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ 0.84-0.88 (m, 2H), 0.95-0.98 (m, 2H), 2.41-2.58 (m, 1H), 6.56 (b, 2H).
N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1a N−tert−ブチル−(3−クロロ)プロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
上記の通りである。
工程1b N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
N−tert−ブチル−(3−クロロ)プロピルスルホンアミド(4.3g、20mmol)の溶液を、乾燥THF(100mL)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に、n−BuLi(17.6mL、44mmol、ヘキサン中2.5M)をゆっくりと加えた。乾燥氷浴を取り除き、反応混合物を室温へと1.5時間に亘り温めた。次いで、この混合物を−78℃に冷却し、n−BuLi(20mmol、8mL、ヘキサン中2.5M)の溶液を加えた。反応混合物を室温に温め、2時間に亘って−78℃に再び冷却し、ヨウ化メチル(5.68g、40mmol)のニート溶液を加えた。反応混合物を終夜室温に温め、飽和NH4Cl(100mL)で室温にてクエンチした。それをEtOAc(100mL)で抽出した。有機相を、ブラインで洗浄し(100mL)、乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、黄色の油状物を得て、それをヘキサンから結晶化させることによって、生成物を僅かに黄色の固形物(3.1g、81%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.79 (m, 2H), 1.36 (s, 9H), 1.52 (m, 2H), 1.62 (s, 3H), 4.10 (bs, 1H).
工程1c:1−メチルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミド(1.91g、10mmol)の溶液を、TFA(30mL)に溶解し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、黄色の油状物を得て、それをEtOAc/ヘキサン(1:4、40mL)から結晶化させて、1−メチルシクロプロピルスルホンアミドを白色の固形物(1.25g、96%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.84 (m, 2H), 1.41 (m, 2H), 1.58 (s, 3H), 4.65 (bs, 2H). 元素分析(C4H9NO2Sとしての計算値): C, 35.54; H, 6.71; N, 10.36. 実測値: C, 35.67; H, 6.80; N, 10.40.
1−ベンジルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1b:N−tert−ブチル−(1−ベンジル)シクロプロピル−スルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1.05当量の臭化ベンジルを使用し、次いでヘキサン中の10%EtOAcでトリチュレートした以外は、N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの合成について記載した手順を使用して60%収率で得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.92 (m, 2H), 1.36 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 3.25 (s, 2H), 4.62 (bs, 1H), 7.29-7.36 (m, 5H).
工程1c:1−ベンジルシクロ−プロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物1−ベンジルシクロプロピルスルホンアミドを、1−メチルシクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順を使用して、次いでヘキサン中の最小量の10%EtOAcからの再結晶によって、N−tert−ブチル(1−ベンジル)シクロプロピルスルホンアミドから66%収率で得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.90 (m, 2H), 1.42 (m, 2 H), 3.25 (s, 2 H), 4.05 (s, 2 H), 7.29 (m, 3 H), 7.34 (m, 2 H); 13C NMR (CDCl3) δ 11.1, 36.8, 41.9, 127.4, 128.8, 129.9, 136.5.
1−プロピルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1b:N−tert−ブチル−(1−ベンジル)シクロプロピル−スルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この方法の第2の工程においてヨウ化メチルの代わりにハロゲン化プロピルを利用した以外は、1−メチルシクロプロピルスルホンアミドの製造について説明した方法を使用して、この化合物を製造した。
N−tert−ブチル−(1−アリル)シクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物、N−tert−ブチル−(1−アリル)シクロプロピルスルホンアミドを、1.25当量の臭化アリルを求電子試薬として使用する以外は、N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの合成において説明した手順によって97%収率で得た。該化合物を、精製をせずに次の反応に直接入れた。1H NMR (CDCl3) δ 0.83 (m, 2H), 1.34 (s, 9H), 1.37 (m, 2H), 2.64 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 4.25 (bs, 1H), 5.07-5.10 (m, 2H), 6.70-6.85 (m, 1H).
1−アリルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物、1−アリルシクロプロピルスルホンアミドを、1−メチルシクロプロピルスルホンアミドの合成において説明した手順によって、N−tert−ブチル−(1−アリル)シクロプロピルスルホンアミドから40%収率で得た。CH2Cl2中の2%MeOHを溶離液として使用してSiO2上でカラムクロマトグラフィーによって該化合物を精製した。1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (m, 2 H), 1.37 (m, 2 H), 2.66 (d, J=7.0 Hz, 2 H), 4.80 (s, 2 H), 5.16 (m, 2 H), 5.82 (m, 1 H); 13C NMR (CDCl3) δ 11.2, 35.6, 40.7, 119.0, 133.6.
N−tert−ブチル−[1−(1−ヒドロキシ)シクロヘキシル]−シクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1.30当量のシクロヘキサノンを使用し、次いでヘキサン中の最小量の20%EtOAcから再結晶した以外は、N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順を使用して84%収率で得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.05 (m, 4H), 1.26 (m, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.57-1.59 (m, 6H), 1.97 (m, 2H), 2.87 (bs, 1H), 4.55 (bs, 1H).
1−(1−シクロヘキセニル)シクロプロピル−スルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物、1−(1−シクロヘキセニル)−シクロプロピルスルホンアミドを、N−tert−ブチル−[1−(1−ヒドロキシ)シクロヘキシル]−シクロプロピルスルホンアミドから85%収率で得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.82 (m, 2 H), 1.28 (m, 2 H), 1.51 (m, 2 H), 1.55 (m, 2 H), 2.01 (s, 2 H), 2.16 (s, 2 H), 5.89 (s, 1 H), 6.46 (s, 2 H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 11.6, 21.5, 22.3, 25.0, 27.2, 46.9, 131.6, 132.2; LR-MS (ESI): 200 (M+-1).
N−tert−ブチル−(1−ベンゾイル)シクロプロピル−スルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1.2当量の安息香酸メチルを求電子試薬として使用する以外は、N−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順を使用して66%収率で得た。該化合物を、ヘキサン中の30%〜100%CH2Cl2を使用してSiO2上でカラムクロマトグラフィーにより精製した。1H NMR (CDCl3) δ 1.31 (s, 9H), 1.52 (m, 2H), 1.81 (m, 2H), 4.16 (bs, 1H), 7.46 (m, 2H), 7.57 (m, 1H), 8.05 (d, J = 8.5 Hz, 2H).
1−ベンゾイルシクロ−プロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物、1−ベンゾイルシクロプロピル−スルホンアミドを、1−メチルシクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順を使用して、次いでヘキサン中の最小量のEtOAcからの再結晶によって、N−tert−ブチル(1−ベンゾイル)シクロプロピルスルホンアミドから87%収率で得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 1.39 (m, 2 H), 1.61 (m, 2 H), 7.22 (s, 2 H), 7.53 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 7.65 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 8.06 (d, J=8.2 Hz, 2 H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 12.3, 48.4, 128.1, 130.0, 133.4, 135.3, 192.0.
N−tert−ブチル−(1−フェニルアミノカルボキシ)−シクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1当量のイソシアン酸フェニルを使用したN−tert−ブチル−(1−メチル)シクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順を使用し、次いでヘキサン中の最小量のEtOAcからの再結晶によって、42%収率で得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 9H), 1.67-1.71 (m, 4H), 4.30 (bs, 1H), 7.10 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.53 (t, J = 7.5 Hz, 2H).
シクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの製造、C1−置換シクロプロピルスルホンアミドの製造における重要中間体
Figure 2010508362
工程1:3−クロロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
塩化3−クロロプロパンスルホニル(55g、310.7mmol)の溶液を、THF(200mL)に溶解し、0℃に冷却したNH4OH(200mL)の溶液に30分間に亘り1滴ずつ加えた。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌し、水層をジクロロメタン(4×500mL)で複数回分配した。合わせたジクロロメタン層を、1NのHCl(150mL)、水(150mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。ヘキサン中の最小量のジクロロメタンから粗固形物を再結晶させ、3−クロロプロピルスルホンアミドを白色の固形物(45.3g、93%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 2.34 (m, 2H), 3.32 (t, J=7.3 Hz, 2H), 3.70 (t, J=6.2 Hz, 2H), 4.83 (s, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 27.10, 42.63, 52.57.
工程2:3−クロロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの製造
Figure 2010508362
3−クロロプロピルスルホンアミド(30.2g、191.5mmol)、トリエチルアミン(30.2mL、217.0mmol)、および4−DMAP(2.40g、19.6mmol)の0℃に冷却したジクロロメタン(350mL)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(47.2g、216.9mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液を30分間に亘りゆっくりと一滴ずつ加えた。反応混合物を室温に温め、さらに3時間撹拌し、1NのHCl(300mL)、水(300mL)、ブライン(300mL)で分配し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。この物質をヘキサン中の5%ジクロロメタン70mLでトリチュレートし、3−クロロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートをオフホワイトの固形物(47.2g、96%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.51 (s, 9H), 2.33 (m, 2H), 3.60 (t, J=7.3 Hz, 2H), 3.68 (t, J=6.21 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 26.50, 27.95, 42.37, 50.40, 84.76, 149.53.
工程3:シクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの製造
Figure 2010508362
n−ブチルリチウム(74.7mL、119.5mmol、ヘキサン中1.6M)の溶液を、乾燥THF(105mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下で−78℃に冷却した。この溶液に、3−クロロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメート(14g、54.3mmol)の乾燥THF(105mL)溶液を20〜30分間に亘り一滴ずつ加えた。乾燥氷浴を取り除き、反応混合物を室温に2時間に亘って温めた。反応混合物を、氷酢酸(3.4mL)でクエンチし、真空中で濃縮し、ジクロロメタン(100mL)および水(100mL)に分配した。有機相をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮し、シクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートを蝋様のオフホワイトの固形物(12.08g、100%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.10 (m, 2H), 1.34 (m, 2H), 1.50 (s, 9H), 2.88 (m, 1H), 7.43 (s, 1H). 13C NMR (CDCl3) δ 6.21, 28.00, 31.13, 84.07, 149.82.
1−メトキシ−メチルシクロプロピル−スルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1:1−メトキシメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの製造
Figure 2010508362
−78℃に冷却したTHF(30mL)に溶解したシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメート(1.0g、4.5mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(6.4mL、10.2mmol、ヘキサン中1.6M)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。この溶液に、クロロメチルメチルエーテル(0.40mL、5.24mmol)のニート溶液を加え、混合物をゆっくりと室温に終夜温めた。1NのHCl水溶液を使用して溶液pHを3に調節し、次いで酢酸エチル(4×50mLの部分)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートを蝋様の固形物(1.20g、100%)として得て、これをさらに精製せずに次の反応に直接入れた。1H NMR (CDCl3) δ 1.03 (m, 2H), 1.52 (s, 9H), 1.66 (m, 2H), 3.38 (s, 3H), 3.68 (s, 2H), 7.54 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 11.37, 28.29, 40.38, 58.94, 73.43, 83.61, 149.57.
工程2:1−メトキシメチルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
1−メトキシメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメート(1.14g、4.30mmol)の溶液を、50%TFA/ジクロロメタン(30mL)の溶液に溶解し、室温で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を80gのSiO上でクロマトグラフ(0%〜60%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)にかけ、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホンアミドを白色の固形物(0.55g、2つの工程に亘り全77%)として得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.95 (m, 2H), 1.44 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 3.65 (s, 2H), 4.85 (s, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 11.17, 40.87, 59.23, 74.80; LRMS m/z 183 (M++NH4).
1−シクロプロピルメチルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1:1−シクロプロピルメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの製造
Figure 2010508362
1−シクロプロピルメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートを、1.10当量の臭化シクロプロピルメチルを求電子試薬として使用した以外は、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの合成において説明した手順によって、92%収率で得た。該化合物を、精製をせずに次の反応に直接入れた。1H NMR (CDCl3) δ 0.10 (m, 2H), 0.51 (m, 2H), 0.67 (m, 1H), 1.10 (m, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.62 (m, 2H), 1.87 (d, J=7.0 Hz, 2H).
工程2:1−シクロプロピルメチルシクロプロピルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順によって、1−シクロプロピルメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートから65%収率で得た。溶離液としてヘキサン中の0%〜60%酢酸エチルを使用してSiO上でカラムクロマトグラフィーによって該化合物を精製した。1H NMR (CDCl3) δ 0.15 (m, 2H), 0.51 (m, 2H), 1.01 (m, 2H), 1.34 (m, 3H), 1.86 (d, J=7.0 Hz, 2H), 4.83 (s, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 4.65, 7.74, 11.26, 35.62, 41.21; LRMS m/z 193 (M++NH4).
1−プロピルカルバモイルシクロプロパンスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1:1−プロピルカルバモイルシクロプロパンスルホンアミドtert−ブチルカルバメートの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1.10当量のn−イソシアン酸プロピルを求電子試薬として使用した以外は、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチル−カルバメートの合成について説明した手順によって、未精製物を100%収率で得た。該化合物を、精製をせずに次の反応に直接入れた。1H NMR (CDCl3) δ 0.10 (m, 2H), 0.51 (m, 2H), 0.67 (m, 1H), 1.10 (m, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.62 (m, 2H), 1.87 (d, J=7.0 Hz, 2H).
工程2:1−プロピルカルバモイルシクロプロパンスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
最小量のジクロロメタン/ヘキサンから物質が再結晶されたため、クロマトグラフィーを使用しない以外は、この化合物を、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホンアミドの合成について説明した手順によって、1−プロピルカルバモイルシクロプロパンスルホンアミドtert−ブチルカルバメートから最適化された50%収率で得た。1H NMR (CDCl3) δ 0.15 (m, 2H), 0.51 (m, 2H), 1.01 (m, 2H), 1.34 (m, 3H), 1.86 (d, J=7.0 Hz, 2H), 4.83 (s, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 4.65, 7.74, 11.26, 35.62, 41.21; LRMS m/z 193 (M++NH4).
1−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)カルバモイルシクロプロパンスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
工程1:1−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)カルバモイルシクロプロパンスルホンアミドtert−ブチルカルバメートの製造
Figure 2010508362
この化合物を、1.20当量の3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イソシアネートを求電子試薬として使用した以外は、1−メトキシメチルシクロプロピルスルホニルアミンtert−ブチルカルバメートの合成で説明した手順によって、未精製物として100%収率で得た。該化合物を、精製をせずに次の反応に直接入れた。
工程2:1−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)カルバモイルシクロプロパンスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
30mL(120mmol)の4NのHCl/ジオキサンを使用し、終夜撹拌し、濃縮し、Biotage40Mカラム(0%〜5%メタノール/ジクロロメタンで溶出)上でクロマトグラフィーすることによって、この化合物を、1.62g(4.52mmol)の1−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)カルバモイルシクロ−プロパンスルホンアミドtert−ブチルカルバメートから50%収率(580mg)で得た。1H NMR (メタノール-d4) δ 1.57 (m, 2H), 1.61 (m 2H), 2.15 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 4.84 (s, 3H); 13C NMR (メタノール-d4) δ 9.65, 10.94, 15.01, 46.11, 114.82, 159.45, 165.55, 168.15; LRMS m/z 260 (M++H).
臭化シクロブチルからのシクロブチルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
臭化シクロブチル5.0g(37.0mmol)の−78℃に冷却した無水ジエチルエーテル(Et2O)(30mL)溶液に、ペンタン中の1.7Mのtert−ブチルリチウム44mL(74.8mmol)を加え、溶液を−35℃に1.5時間に亘りゆっくりと温めた。この混合物を、新たに蒸留した塩化スルフリル5.0g(37.0mmol)の−40℃に冷却したヘキサン(100mL)溶液にゆっくりとカニューレで入れ、0℃に1時間に亘って温め、真空中で注意深く濃縮した。この混合物をEt2Oで再溶解し、いくらかの氷水で1度洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、注意深く濃縮した。この混合物を20mLのTHFに再溶解し、THF中の飽和NH3(500mL)に1滴ずつ加え、終夜撹拌した。混合物を黄色の粗固形物となるまで真空中で濃縮し、1〜2滴のMeOHでヘキサン中の最小量のCH2Cl2から再結晶させ、1.90g(38%)のシクロブチルスルホンアミドを白色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.95-2.06 (m, 2H), 2.30-2.54 (m, 4H), 3.86 (p, J=8 Hz, 1H), 4.75 (brs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 16.43, 23.93, 56.29. HRMS m/z (M-H)- C4H8NSO2の計算値: 134.0276, 実測値 134.0282.
シクロペンチルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
2Mのシクロペンチル−塩化マグネシウム18.5mL(37.0mmol)のエーテル溶液を、新たに蒸留した塩化スルフリル(Aldrichから入手)3.0mL(37.0mmol)の−78℃に冷却したヘキサン(100mL)溶液に1滴ずつ加えた。混合物を0℃に1時間に亘り温め、次いで真空中で注意深く濃縮した。この混合物をEt2O(200mL)に再溶解し、いくらかの氷水(200mL)で1度洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、注意深く濃縮した。この混合物を35mLのTHFに再溶解し、THF中の500mLの飽和NH3に1滴ずつ加え、終夜撹拌した。混合物を黄色の粗固形物へと真空中で濃縮し、溶離液として70%EtOAc−ヘキサンを使用して残渣を50gのシリカゲルで濾過し、次いで溶液を濃縮した。残渣を、1〜2滴のMeOHでヘキサン中の最小量のCH2Cl2から再結晶させ、2.49g(41%)のシクロペンチルスルホンアミドを白色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.58-1.72 (m, 2H), 1.74-1.88 (m, 2H), 1.94-2.14 (m, 4H), 3.48-3.59 (m, 1H), 4.80 (bs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.90, 28.33, 63.54; MS m/e 148 (M-H)-.
シクロヘキシルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
2Mの塩化シクロヘキシルマグネシウム(TCI Americas)18.5mL(37.0mmol)のエーテル溶液を、新たに蒸留した塩化スルフリル3.0mL(37.0mmol)の−78℃に冷却したヘキサン(100mL)溶液に1滴ずつ加えた。混合物を0℃に1時間に亘って温め、次いで真空中で注意深く濃縮した。この混合物をEt2O(200mL)に再溶解し、いくらかの氷水(200mL)で1度洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、注意深く濃縮した。この混合物を35mLのTHFに再溶解し、THF中の500mLの飽和NH3に1滴ずつ加え、終夜撹拌した。混合物を、黄色の粗固形物へと真空中で濃縮し、70%EtOAc−ヘキサンを溶離液として使用して残渣を50gのシリカゲルで濾過し、濃縮した。残渣を、1〜2滴のMeOHでヘキサン中の最小量のCH2Cl2から再結晶させ、1.66g(30%)のシクロヘキシル−スルホンアミドを白色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.11-1.37 (m, 3H), 1.43-1.56 (m, 2H), 1.67-1.76 (m, 1H), 1.86-1.96 (m, 2H), 2.18-2.28 (m, 2H), 2.91 (tt, J=12, 3.5 Hz, 1H), 4.70 (bs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.04, 25.04, 26.56, 62.74; MS m/e 162 (M-1)-.
ネオペンチルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
シクロヘキシルスルホンアミドの製造のための手順に従って、ジエチルエーテル中の0.75Mの塩化ネオペンチルマグネシウム(Alfa)49mL(37mmol)を、1.52g(27%)のネオペンチルスルホンアミドに白色の固形物として変換した。1H NMR (CDCl3) δ 1.17 (s, 9H), 3.12 (s, 2H), 4.74 (brs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 29.46, 31.51, 67.38; MS m/e 150 (M-1)-.
シクロブチルカルビニルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
臭化シクロブチルカルビニル(Aldrich)12.3g(83mmol)およびヨウ化ナトリウム13.7g(91mmol)のアセトン(150mL)溶液を、終夜還流し、次いで室温に冷却した。無機固形物を濾過し、アセトンおよびヨウ化シクロプロピルカルビニル(8.41g、46%)を、周囲温度および150torr、80℃でそれぞれ蒸留した。
ヨウ化シクロブチルカルビニル4.0g(21.98mmol)の−78℃に冷却した無水ジエチルエーテル(ジエチルエーテル)(30mL)溶液を、1.3Mのsec−ブチルリチウム17mL(21.98mmol)のシクロヘキサン溶液にカニューレで入れ、溶液を5分間撹拌した。この混合物に、新たに蒸留した塩化スルフリル3.0g(21.98mmol)の−78℃に冷却したヘキサン(110mL)溶液をカニューレで入れ、混合物を室温に1時間に亘り温め、次いで注意深く真空中で濃縮した。この混合物をジエチルエーテルに再溶解し、いくらかの氷水で1度洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、注意深く濃縮した。この混合物を30mLのTHFに再溶解し、THF中の500mLの飽和NH3に1滴ずつ加え、終夜撹拌した。混合物を黄色の粗固形物へと真空中で濃縮し、1〜2滴のメタノールでヘキサン中の最小量のジクロロメタンから再結晶させ、1.39g(42%)のシクロブチルカルビニルスルホンアミドを白色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.81-2.03 (m, 4H), 2.14-2.28 (m, 2H), 2.81-2.92 (m, 1H), 3.22 (d, J=7 Hz, 2H), 4.74 (brs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 19.10, 28.21, 30.64, 60.93; MS m/e 148 (M-1)-.
シクロプロピルカルビニルスルホンアミドの製造
Figure 2010508362
シクロブチルカルビニルスルホンアミドの製造のために用いた手順を使用して、臭化シクロプロピルカルビニル(Aldrich)からシクロプロピルカルビニルスルホンアミドを製造した(JACS 1981, p.442-445をまた参照されたい)。1H NMR (CDCl3) δ 0.39-0.44 (m, 2H), 0.67-0.76 (m, 2H), 1.13-1.27 (m, 1H), 3.03 (d, J=7.3 Hz, 2H), 4.74 (brs, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 4.33, 5.61, 59.93; MS m/e 134 (M-1).
シクロプロパンスルホン酸(1−(R)−アミノ−2−(S)−ビニル−シクロプロパンカルボニル)アミドHCl塩の製造
Figure 2010508362
工程1:1(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸の製造
Figure 2010508362
1(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(3.28g、13.2mmol)のTHF(7mL)およびメタノール(7mL)溶液に、水(14mL)中のLiOH(1.27g、53.0mmol)の懸濁液を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、1NのNaOH(15mL)および水(20mL)でクエンチした。このように得られた混合物を酢酸エチル(20mL)で洗浄し、有機相を0.5NのNaOH20mLで抽出した。合わせた水相を1NのHClでpH4まで酸性化し、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、表題化合物を白色の固形物(2.62g、87%)として得た。1H NMR: (DMSO-d6) δ 1.22-1.26 (m, 1H), 1.37 (s, 9H), 1.50-1.52 (m, 1H), 2.05 (q, J=9 Hz, 1H), 5.04 (d, J=10 Hz, 1H), 5.22 (d, J=17 Hz, 1H), 5.64-5.71 (m, 1H), 7.18, 7.53 (s, NH (回転異性体), 12.4 (br s, 1H) ); MS m/z 228 (M++H).
工程2:シクロプロパンスルホン酸(1−(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−(S)−ビニルシクロプロパンカルボニル)−アミドの製造
Figure 2010508362
工程1の生成物(2.62g、11.5mmol)およびCDI(2.43g、15.0mmol)のTHF(40mL)溶液を、窒素下で50分間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、カニューレによってシクロプロピルスルホンアミド(1.82g、15.0mmol)のTHF(10mL)溶液に移した。このように得られた溶液に、DBU(2.40mL、16.1mmol)を加え、撹拌を20時間続けた。混合物を、1NのHClでpH1までクエンチし、THFを真空中で濃縮した。懸濁液を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。ヘキサン−酢酸エチル(1:1)からの再結晶による精製によって、表題化合物(2.4g)を白色の固形物として得た。母液をBiotage40Sカラム(ジクロロメタン中の9%アセトンで溶出)によって精製し、表題化合物の第2のバッチ(1.1g)を得た。両方のバッチを合わせた(総収率92%)。1H NMR (DMSO-d6) δ 0.96-1.10 (m, 4H), 1.22 (dd, J=5.5, 9.5 Hz, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.70 (t, J=5.5 Hz, 1H), 2.19-2.24 (m, 1H), 2.90 (m, 1H), 5.08 (d, J=10 Hz, 1H), 5.23 (d, J=17 Hz, 1H), 5.45 (m, 1H), 6.85, 7.22 (s, NH (回転異性体); MS m/z 331 (M++H).
工程3:シクロプロパンスルホン酸(1−(R)−アミノ−2−(S)−ビニル−シクロプロパンカルボニル)アミドHCl塩の製造
Figure 2010508362
工程2の生成物(3.5g、10.6mmol)のジクロロメタン(35mL)およびTFA(32mL)溶液を、室温で1.5時間撹拌した。揮発性物質を真空中で除去し、残渣をジエチルエーテル(20mL)中の1NのHCl中に懸濁させ、真空中で濃縮した。この手順を一度繰り返した。このように得られた混合物をペンタンからトリチュレートし、濾過し、表題化合物を吸湿性のオフホワイトの固形物(2.60g、92%)として得た。1H NMR: (DMSO-d6) δ 1.01-1.15 (m, 4H), 1.69-1.73 (m, 1H), 1.99-2.02 (m, 1H), 2.38 (q, J=9 Hz, 1H), 2.92-2.97 (m, 1H), 5.20 (d, J=11 Hz, 1H), 5.33 (d, J=17 Hz, 1H), 5.52-5.59 (m, 1H), 9.17 (br s, 3H); MS m/z 231 (M++H).
(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸の製造
Figure 2010508362
工程1:1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸メチルエステルの製造
Figure 2010508362
2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−8−ノネン酸(RSP Amino Acidsから購入)(3.5g、12.9mmol)のDCM(200mL)溶液を、4(R)−ヒドロキシピロリジン−2(S)−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(2.15g、11.8mmol)、N−メチルモルホリン(4.25mL、38.6mmol)、およびHATU(5.37g、14.1mmol)で順次処理した。反応混合物を室温でN下3日間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびpH4のバッファー(重フタル酸)に分配した。有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン〜100%酢酸エチル)によって、4.7g(約100%)の1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸メチルエステルを無色の油状物として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 1.33-1.50(m, 8 H), 1.46 (s, 9 H), 1.57 (m, 1 H), 1.72 (m, 1 H) 2.08 (m, 2 H), 2.28 (m, 1 H), 3.72 (s, 3 H,) 3.75-3.87 (m, 2 H), 4.36 (m, 1 H), 4.51 (bs, 1 H), 4.57 (t, J=8.2 Hz, 1 H), 4.95 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 5.01 (m, 1 H), 5.83 (m, 1 H); MS m/z 399 (M++1).
工程2:1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルの製造
Figure 2010508362
1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸メチルエステル(4.7g、11.8mmol)を、THF(80mL)、メタノール(20mL)、および水(40mL)に溶解した。粉末水酸化リチウム(5.6g、233mmol)を加えた。淡黄色のスラリーを室温でN下16時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣をエーテルおよび水に分配した。エーテル相を廃棄し、pHが4となるまで水相を1NのHClで処理した。この酸性溶液を、EtOAc(3×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、4.36g(96%)の1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−8−ノネノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸を白色の固形物として得た。次いで、この酸を150mLのDMFに溶解し、(1R,2S)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩(2.61g、13.6mmol)、N−メチルモルホリン(2.5mL、22.6mmol)、およびHATU(5.2g、13.7mmol)を加えた。反応混合物を室温でN下16時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびpH4のバッファー(重フタル酸)に分配した。有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(60%〜80%酢酸エチル/ヘキサン)によって、6.0g(98%)の1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルを白色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 1.25 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.33-1.80 (m, 10 H), 1.46 (s, 9 H), 2.09 (m, 3 H), 2.25 (m, 2 H), 3.76 (m, 2 H), 4.14 (m, 2 H), 4.27 (dd, J=8.5, 5.2 Hz, 1 H), 4.50 (m, 2 H), 4.94 (d, J=10.1 Hz, 1 H), 5.01 (dd, J=17.1, 1.8 Hz, 1 H), 5.11 (dd, J=10.4, 1.8 Hz, 1 H), 5.30 (d, J=15.6 Hz, 1 H), 5.80 (m, 2 H), 8.57 (s, 1 H); MS m/z 522 (M++1).
工程3:(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステルの製造
Figure 2010508362
1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニルシクロプロパン−カルボン酸エチルエステル(800mg、1.53mmol)の塩化メチレン(2L)溶液を、0.5時間N2でフラッシュした。次いで、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチル−フェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]−ルテニウム(IV)ジクロリド(Strem)(64mg、0.075mmol)を加え、混合物をN2でさらに10分間フラッシュした。淡いオレンジ色の均一溶液を2時間還流し、濃いオレンジ色の溶液を得た。反応混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮し、オレンジ色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって、460mg(61%)の(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステルを灰色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.19 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.22-1.8 (m, 8 H), 1.87 (m, 2 H), 2.03-2.22 (m, 4 H), 2.63 (m, 1 H), 3.65 (m, 1 H), 4.09 (m, 3 H), 4.45 (m, 1 H), 4.56 (s, 1 H), 4.82 (m, 1 H), 5.23 (m, 1 H), 5.51 (s, 1 H), 7.16 (s, 1 H); MS m/z 494 (M++1).
工程4:(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸
Figure 2010508362
(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステル(493mg、1.0mmol)のTHF(4mL)、メタノール(1mL)、および水(2mL)溶液に、粉末水酸化リチウム(480mg、20mmol)を加え、淡黄色のスラリーを室温でN下16時間撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、残渣をエーテルおよび水に分配した。エーテル相を廃棄し、pH4まで水相を1NのHClで処理した。この酸性溶液を、EtOAcで3度抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、460mg(98%)の実施例18、(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸を灰色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ ppm 1.26 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.35-1.52 (m, 15 H), 1.57-1.68 (m, 3 H), 1.79 (m, 1 H), 2.04 (m, 1 H), 2.16-2.41 (m, 3 H), 3.80 (dd, J=10.7, 4.3 Hz, 1 H), 3.88 (m, 1 H), 4.38 (dd, J=8.9, 3.1 Hz, 1 H), 4.55 (m, 2 H), 5.39 (t, J=9.8 Hz, 1 H), 5.58 (m, 1 H); MS m/z 466 (M++1).
(4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの製造
Figure 2010508362
工程1:1−{[1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルの製造
Figure 2010508362
DMF(10mL)中の1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ヒドロキシ−ピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(1.5g、2.87mmol)の混合物に、イミダゾール(0.25g、3.67mmol)および塩化tert−ブチル−ジメチルシリル(516mg、3.44mmol)を加えた。混合物を室温で2日間撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。この溶液を、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、粗固形物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出)による精製によって、1.43g(78%)の1−{[1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステルを白色の固形物として得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 0.10 (s,6 H), 0.89 (s, 9 H), 1.22 (m, 3 H), 1.31-1.48 (m, 16 H), 1.50-1.75 (m, 3 H), 2.06 (m, 3 H), 2.11-2.33 (m, 2 H), 3.70 (m, 2 H), 4.03-4.19 (m, 2 H), 4.21 (m, 1 H), 4.45 (t, J=7.87 Hz, 1 H), 4.59 (m, 1 H), 4.91 (d, J=9.15 Hz, 1 H), 4.98 (d, J=17.20 Hz, 1 H), 5.08 (dd, J=10.25, 1.83 Hz, 1 H), 5.27 (dd, J=17.38, 1.65 Hz, 1 H), 5.65-5.87 (m, 2 H); MS m/z 636 (M++1).
工程2:14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸,エチルエステルの製造
Figure 2010508362
1−{[1−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(1.63g、2.56mmol)の塩化メチレン(640mL)溶液に、215mg(0.26mmol)のトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリ[ベンジリデン]ルテニウム(IV)ジクロリドを加えた。混合物を15分間加熱還流した。残渣を真空中で濃縮し、次いで30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。試料をさらに脱色するために、粗生成物を、ヘキサン中の50%エーテルで溶出するクロマトグラフに再びかけ、1.5g(96%)の14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステルを白色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, CD3Cl) δ 0.06 (s, 3 H), 0.07 (s, 3 H), 0.86 (s, 9 H), 1.18-1.24 (m, 6 H), 1.34-1.64 (m, 14 H), 1.86-1.96 (m, 3 H), 2.02-2.09 (m, 1 H), 2.11-2.17 (m, 1 H), 2.19-2.28 (m, 1 H), 2.57-2.63 (m, 1 H), 3.50-3.54 (m, 1 H), 3.71 (dd, J=10.22, 6.26 Hz, 1 H), 4.06-4.17 (m, 2 H), 4.52-4.58 (m, 2 H), 4.75 (d, J=8.55 Hz, 1 H), 5.21 (t, J=9.92 Hz, 1 H), 5.35 (d, J=7.63 Hz, 1 H), 5.45-5.50 (m, 1 H), 6.94 (s,1 H); MS m/z 608 (M++1).
工程3:14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸の製造
Figure 2010508362
14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステル(1.5g、2.47mmoL)の混合したTHF(4mL)メタノール(1mL)、および水(2mL)の溶媒系溶液に、粉末水酸化リチウム一水和物(1.0g、50mmol)を加えた。淡黄色のスラリーを室温でN2下4時間撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、残渣をエーテルおよび水に分配した。エーテル相を廃棄し、pH4に到達するまで水相を1NのHClで処理した。この酸性溶液をEtOAc(3×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、1.2g(84%)の14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸をオフホワイトの固形物として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) 0.12 (s, 6 H), 0.89 (s, 9 H), 1.23-1.64 (m, 17 H), 1.70-1.87 (m, 1 H), 1.90-2.49 (m, 6 H), 3.70-3.80 (m,1 H), 3.83-3.90 (m, 1 H), 4.28-4.36 (m, 1 H), 4.47-4.55 (m, 1 H), 4.65 (s, 1 H), 5.30-5.39 (m, 1 H), 5.53-5.62 (m, 1 H); MS m/z 580 (M++1).
工程4:[18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの製造
Figure 2010508362
14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(500mg、0.86mmol)を、25mLのTHFに溶解し、CDI(180mg、1.12mmol)で処理した。(オーブンで乾燥させたガラス器具を使用し、乾燥N2雰囲気を維持することによって湿気を除くように注意した)。反応混合物を2時間還流させた後、室温に冷却し、シクロプロピルスルホンアミド(135mg、1.12mmol)およびDBU(170mg、1.12mmol)で順次処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、THFをロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を酢酸エチルおよびpH4のバッファーに分配した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。次いで、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の33%酢酸エチルで溶出)で精製し、300mg(51%)の[18−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色の固形物として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1H 0.07 (s, 3 H), 0.08 (s, 3 H), 0.85 (s, 9 H), 0.87-1.49 (m, 21 H), 1.73-1.95 (m, 3 H), 2.08-2.16 (m, 1 H), 2.25-2.36 (m, 2 H), 2.42-2.56 (m, 1 H), 2.85-2.93 (m, 1 H), 3.65-3.74(dd, J=10.61, 3.66 Hz, 1 H), 3.89 (d, J=10.25 Hz, 1 H), 4.34 (m, J=9.70, 9.70 Hz, 1 H), 4.43 (t, J=7.87 Hz, 1 H), 4.57 (s, 1 H), 4.94-5.01 (m, 1 H), 5.10 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 5.66-5.75 (m, 1 H), 6.55 (s, 1 H), 10.13 (s, 1 H); MS m/z 683 (M++1).
工程5:(4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの製造
Figure 2010508362
THF(25mL)中の[18−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(330mg、0.48mmol)の混合物に、フッ化テトラブチルアンモニウム(150mg、0.54mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、THFをロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を酢酸エチルおよび水に分配した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。次いで、それをヘキサンでトリチュレートすることによって精製し、200mg(73%)の(4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル、実施例19を白色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, CD3Cl) δ 1.87-1.64 (m, 21 H), 1.70-1.98 (m, 3 H), 2.15-2.56 (m, 5 H), 2.85-2.94 (m, 1 H), 3.71 (d, J=13.91 Hz, 1 H), 4.10-4.26 (m, 2 H), 4.51 (t, J=7.87 Hz, 1 H), 4.62 (s, 1 H), 4.98 (m, 1 H), 5.06 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 5.64-5.71 (m, 1 H), 6.72 (s, 1 H), 10.24 (s, 1 H); MS m/z 569 (M++1).
下記の大環状アルコール中間体AおよびBを、実施例25および26に記載されている手順を用いて製造した。
Figure 2010508362
下記の大環状アルコール中間体C、D、E、Fは、本明細書において例えば実施例25および26において例として説明し、参照した化学反応を用いて製造することができた。
Figure 2010508362
実施例27、2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−ペント−4−エニルスルファニルプロピオン酸の製造
Figure 2010508362
工程1:N−Boc−システインメチルエステル(3.36g、0.014モル)のメタノール(166mL)溶液に、室温でトリエチルアミン(10.8mL)および1−ブロモペンタ−4−エン(3.19g、21mmol、1.5当量)を加え、このように得られた溶液を室温で終夜撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、このように得られた残りの混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルのグラジエント)を使用して精製し、1.76g(41%)の所望のチオエーテルを得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.43 (s, 9H), 1.64 (m, 2H), 2.11 (m, 2H), 2.51 (m, 2H), 2.95 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.51 (m, 1H), 4.95-5.03 (m, 2H), 5.34 (m, 1H), 5.80 (1H, m); MS m/z 304(M++1).
工程2:工程1(9.51g、31.4mmol)のチオエーテル生成物を、水(200mL)およびTHF(200mL)中の1MのLiOHの混合物に加え、このように得られた混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、1Nの塩酸を使用して反応混合物を酸性化し、このように得られた混合物を、酢酸エチルで数回抽出した。抽出物を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、所望の酸、実施例27を得て、それを次の反応のように使用した。
実施例28、N−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ペンテニルチオ)−L−バリンの製造
Figure 2010508362
工程1:N−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ペンテニルチオ)−L−バリン,メチルエステルの製造
Figure 2010508362
L−ペニシラミン7.12g(48mmol、1.0当量)の1,4−ジオキサン(100mL)および水(25mL)溶液に、室温で9.60mL(96mmol、2.0当量)の水酸化ナトリウム水溶液10Nを加え、続いて数分に亘り12.00mL(101mmol、2.1当量)の5−ブロモ−1−ペンテンを1滴ずつ加えた。このように得られた混合物を室温で68時間撹拌した。この時点で12.50g(57mmol、1.2当量)のジ−tert−ブチルジカーボネートを加え、混合物を室温でさらに6時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を水に溶解した。水性混合物をジエチルエーテルで洗浄し、1Nの塩酸を用いてpH3に調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
粗生成物(12.20g)を、120mLの無水ジメチルスルホキシドに溶解した。この溶液に、10.50g(76mmol)の炭酸カリウムおよび4.70mL(76mmol)のヨードメタンを加え、このように得られた混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を、水(2×)およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶出:2〜10%酢酸エチル/ヘキサン)によって、8.54gのN−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ペンテニルチオ)−L−バリン、メチルエステルを無色の油状物として得た。NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.76 (tのdのd, 1 H, J = 17.2, 10.3, 6.6 Hz), 5.35 (br d, 1 H, J = 9.0 Hz), 5.05-4.94 (m, 2 H), 4.27 (br d, 1 H, J = 9.0 Hz), 3.73 (s, 3 H), 2.52 (m, 2 H), 2.13 (quart., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.61 (quint., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.43 (s, 9 H), 1.35 (s, 3 H), 1.33 (s, 3 H).
工程2:実施例28、N−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ペンテニルチオ)−L−バリンの製造
Figure 2010508362
N−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ペンテニルチオ)−L−バリン,メチルエステル8.52g(25.7mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液に、室温で1.10g(26.2mmol)の水酸化リチウム一水和物の水(50mL)溶液を加えた。このように得られた混合物を室温で65時間撹拌した。次いで、反応混合物に28mLの1.00Nの塩酸を加えた。混合物をジエチルエーテルで希釈し、水(3×)およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、8.10gのN−tert−ブトキシカルボニル−3−(4−ペンテニルチオ)−L−バリンを無色の油状物として得た。NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.75 (tのdのd, 1 H, J = 17.2, 10.3, 6.6 Hz), 5.40 (br s, 1 H), 5.05-4.94 (m, 2 H), 4.28 (br s, 1 H), 2.56 (m, 2 H), 2.13 (quart., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.63 (quint., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.44 (s, 9 H), 1.39 (s, 3 H), 1.37 (s, 3 H).
実施例29、5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸の製造
Figure 2010508362
工程1:イソプロピルピロリジン−5−オン−2(S)−カルボキシレートの製造
Figure 2010508362
L−ピログルタミン酸(Aldrich、25.0g、195mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(3.71g、19.5mmol)の溶液を、ディーンスタークトラップの変形を使用してイソプロパノール(40mL)中窒素下で6時間還流した(4Å分子ふるいを充填したSoxhlet抽出器を通して凝縮物へと戻った)。室温に冷却した後に、反応物をエーテルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO4)、蒸発させ、無色のシロップを得た。それは固化によって結晶化した。結晶性残渣をヘキサン中でトリチュレートすることによって、31.9g(96%)のイソプロピルピロリジン−5−オン−2(S)−カルボキシレートを白色のプリズムとして得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-D) δ 6.35 (br s, 1 H), 5.04 (sept. 1 H, J = 6.2 Hz), 4.18 (dd, 1 H, J = 8.4, 5.3 Hz), 2.51-2.28 (m, 3 H), 2.27-2.12 (m, 1 H), 1.24 (d, 6 H, J = 6.2 Hz). LCMS m/z 172 (M+H)+.
工程2:イソプロピル1−(tert−ブトキシカルボニル)−ピロリジン−5−オン−2(S)−カルボキシレートの製造
Figure 2010508362
イソプロピルピロリジン−5−オン−2(S)−カルボキシレート(工程26Aの生成物、31.9g、188mmol)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(48.6g、225mmol)およびDMAP(2.30g、8.8mmol)のアセトニトリル(300mL)溶液を、室温でN下30分間撹拌した。反応物を約100mLまで蒸発させ、エーテルで希釈し、1NのHCl、次いで飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)、蒸発させ、イソプロピル1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−5−オン−2(S)カルボキシレートを淡黄色の油状物50.1g(99%)として得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-D) δ 5.06 (sept. 1 H, J = 6.2 Hz), 4.53 (dd, 1 H, J = 9.5, 2.9 Hz), 2.66-2.40 (m, 2H), 2.36-2.22 (m, 1 H), 2.03-1.93 (m, 1 H), 1.47 (s, 9 H), 1.26 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 1.24 (d, 3 H, J = 6.2 Hz). LCMS m/z 272 (M+H)+.
工程3:イソプロピル2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−ヒドロキシペンタノエートの製造
Figure 2010508362
イソプロピル1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−5−オン−2(S)−カルボキシレート(工程26Bの生成物、49.5g、183mmol)のメタノール(300mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(10.0g、263mmol)を約1gずつ1.5時間に亘り加えた。反応物を窒素下でさらに10分撹拌した。それを水で希釈し、エーテルで抽出し、合わせた有機フラクションを飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)、蒸発させて、淡黄色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20〜30%酢酸エチル/ヘキサン)によって、31.8g(64%)のイソプロピル2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−ヒドロキシペンタノエートを無色のシロップとして得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-D) δ 5.16 (br d, 1 H, J = 7.3 Hz), 5.03 (sept., 1 H, J = 6.2 Hz), 4.28 (br d, 1 H, J = 6.2 Hz), 3.67 (br dd, J = 10.2, 5.5 Hz), 1.94-1.79 (m, 2 H), 1.76-1.67 (m, 1 H), 1.66-1.56 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H), 1.25 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 1.23 (d, 3 H, J = 6.2 Hz). LCMS m/z 276 (M+H)+.
工程4:イソプロピル−5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノエートの製造
Figure 2010508362
THF(150mL)中のイソプロピル2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−ヒドロキシペンタノエート(工程26Cの生成物、17.6g、63.9mmol)、炭酸アリルメチル(24.0ml、213mmol)、Pd2(dba)3(1.62g、1.78mmol)およびBINAP(4.42g、7.10mmol)の脱気した混合物を、窒素下で3時間還流した。室温に冷却した後に、反応物をエーテルで希釈し、セライトで濾過し、蒸発させ、濃褐色のシロップを得た。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30%エーテル/ヘキサン)によって、イソプロピル5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノエートを粘性の無色の油状物16.3g(81%)として得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-D) δ 5.88 (ddt, 1 H, 17.4, 10.4, 5.5), 5.28 (m, 1 H), 5.22-5.11 (m, 1 H), 5.02 (sept., 1 H, J = 6.2 Hz), 4.21 (br t, 1 H, J = 6.7 Hz), 3.94 (dt, 2 H, J = 5.9, 1.5 Hz), 3.42 (t, 2 H, J = 5.9 Hz), 1.90-1.82 (m, 1 H), 1.75-1.57 (m, 3 H), 1.42 (s, 9 H), 1.21 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 1.19 (d, 3 H, J = 6.2 Hz). LCMS m/z 316 (M+H)+.
工程5:5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸の製造
Figure 2010508362
THF/水(100mL/20mL)中のイソプロピル5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノエート(工程26Dの生成物、16.1g、51.1mmol)および水酸化リチウム水和物(4.19g、102mmol)の混合物を、室温にて窒素下で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、エーテルで洗浄し、水性画分のpHを約4に調節し、エーテルで抽出し、合わせた有機フラクションを飽和NaClで洗浄し、乾燥(MgSO4)、蒸発させて、5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸を淡黄色のシロップとして得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-D) δ 5.89 (ddt, 1 H, J = 17.4, 10.4, 5.5), 5.25 (dd, 1 H, J = 17.4, 1.6 Hz), 5.17 (dd, 1 H, J = 10.4, 1.6 Hz), 4.30 (br d, 1 H, J = 6.2), 3.96 (dt, 2 H, J = 5.9, 1.5 Hz), 3.46 (t, 2 H, J = 5.9 Hz), 1.96-1.86 (m, 1 H), 1.85-1.77 (m, 1 H), 1.75-1.64 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H). LCMS m/z 274 (M+H)+.
実施例30の製造のための一般手順
Figure 2010508362
N−トリチル保護されたスレオニンのDMF溶液を−15℃に冷却した水素化ナトリウムのDMF溶液に加えることによって、実施例23を製造した。反応混合物を−15℃で30分間撹拌し、その後5−ブロモ−1−ペンテンを加え、このように得られた混合物を−5℃に温めた。反応混合物を−5℃で3日間保持し、その後、反応物を1NのHCl水溶液を加えることによってクエンチし、上記のような標準的抽出手順を使用してワークアップした。標準的なクロマトグラフィー手順によって、実施例23を純粋な形態で得た。
実施例31、N−tert−ブトキシカルボニル−O−(4−ペンテニル)−L−セリンの製造
Figure 2010508362
工程1:N−tert−ブトキシカルボニル−O−(4−ペンテニル)−L−セリン,メチルエステルの製造
Figure 2010508362
N−tert−ブトキシカルボニル−L−セリン10.26g(50mmol、1.0当量)の無水ジメチルスルホキシド(500mL)溶液に、室温で鉱油中の60%水素化ナトリウム2.00g(50mmol、1.0当量)を加えた。この混合物を、ガス発生が止まるまで室温で0.5時間撹拌した。このように得られた溶液に、6.00mL(50mmol、1.0当量)の5−ブロモ−1−ペンテン、次いで直ちに鉱油中のさらなる60%水素化ナトリウム2.00g(50mmol、1.0当量)を加えた。次いで、反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を、2000mLの水で希釈し、1.00Nの塩酸50mLを加えることによってpH3〜4に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水(2×)およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残りの鉱油を除去するために、このように得られた物質を、水酸化ナトリウムの希薄水溶液に溶解した。この水溶液をヘキサンで洗浄し、次いで塩酸を用いてpH4に調節し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水(2×)およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
粗生成物(7.70g)を、100mLの無水ジメチルスルホキシドに溶解した。この溶液に、7.80g(56mmol)の炭酸カリウムおよび3.50mL(56mmol)のヨードメタンを加え、このように得られた混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水(2×)およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶出:2〜10%酢酸エチル/ヘキサン)によって、6.70gのN−tert−ブトキシカルボニル−O−(4−ペンテニル)−L−セリン,メチルエステルを無色の油状物として得た。NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.78 (tのdのd, 1 H, J = 17.2, 10.2, 6.6 Hz), 5.34 (br d, 1 H, J = 8.0 Hz), 5.03-4.92 (m, 2 H), 4.40 (m, 1 H), 3.81 (dのd, 1 H, J = 9.5, 2.9 Hz), 3.74 (s, 3 H), 3.61 (dのd, 1 H, J = 9.5, 3.5 Hz), 3.42 (m, 2 H), 2.06 (quart., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.61 (quint., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.44 (s, 9 H).
工程2:実施例31、N−tert−ブトキシカルボニル−O−(4−ペンテニル)−L−セリンの製造
Figure 2010508362
N−tert−ブトキシカルボニル−O−(4−ペンテニル)−L−セリン,メチルエステル6.65g(23mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液に、室温で水酸化リチウム一水和物1.95g(46mmol)の水(100mL)溶液を加えた。このように得られた混合物を室温で40時間撹拌した。次いで、反応混合物に1.00Nの塩酸46mLを加えた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、水(3×)およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、6.30gのN−tert−ブトキシカルボニル−O−(4−ペンテニル)−L−セリンを無色の油状物として得た。NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.77 (tのdのd, 1 H, J = 17.2, 10.2, 6.6 Hz), 5.37 (br d, 1 H, J = 8.0 Hz), 5.03-4.92 (m, 2 H), 4.42 (m, 1 H), 3.87 (dのd, 1 H, J = 9.5, 2.6 Hz), 3.63 (dのd, 1 H, J = 9.5, 4.0 Hz), 3.45 (t, 2 H, J = 6.6 Hz), 2.07 (quart., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.64 (quint., 2 H, J = 7.3 Hz), 1.44 (s, 9 H).
(S)−4−アリルオキシ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酪酸の製造
Figure 2010508362
DMF中の水素化ナトリウム(913mg、22.8mmol)の混合物に、0℃でN−t−Boc−L−ホモセリン(2g、9.13mmol)を加えた。この反応混合物を、0℃で15分間撹拌し、次いで臭化アリル(1.38g、11.4mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。次いで、それを真空中で濃縮した。残渣を水で希釈し、ヘキサンおよびエーテルで順次洗浄した。有機層を廃棄し、1NのHClで水層を注意深くpH3に調節した。この酸性水溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、2.2g(93%)の(S)−4−アリルオキシ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酪酸を無色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.42 (s, 9 H), 1.80-1.90 (m, 1 H), 2.04-2.16 (m, 1 H), 3.50-3.54 (m, 2 H), 3.97 (d, J=4.39 Hz, 2 H), 4.23 (dd, J=8.78, 4.39 Hz, 1 H), 5.15 (d, J=10.25 Hz, 1 H), 5.26 (dd, J=17.38, 1.65 Hz, 1 H), 5.84-5.97 (m, 1 H).
Figure 2010508362
工程1:14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,15−ジオキソ−18−(ピリジン−2−イルオキシ)−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸の製造
Figure 2010508362
DMSO(3mL)中の(14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.0]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(150mg、0.32mmol;実施例25、工程4において製造)の混合物に、カリウムt−ブトキシド(91mg、0.81mmol)を加えた。混合物を室温で5分間撹拌し、次いで2−フルオロ−ピリジン(39mg、0.40mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を、10mLの水を加えることによってクエンチし、次いで0.1NのHCLを使用してpHを4に調節した。次いで酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、真空中で濃縮し、黄色の油状物を得た。この粗生成物を、酢酸エチル中の10%メタノールで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、100mg(56%)の14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,15−ジオキソ−18−(ピリジン−2−イルオキシ)−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸を白色の固形物として単離した。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 1.24 - 1.53 (m, 6 H), 1.36 (s, 9 H), 1.55 - 1.68 (m, 3 H), 1.73 - 1.90 (m, 1 H), 2.02 - 2.11 (m, 1 H), 2.16 (q, J=8.65 Hz, 1 H), 2.35 - 2.45 (m, 1 H), 2.51 (dd, J=7.63, 2.75 Hz, 2 H), 4.06 - 4.14 (m, 1 H), 4.27 (d, J=11.29 Hz, 1 H), 4.33 (s, 1 H), 4.58 (t, J=7.93 Hz, 1 H), 5.46 - 5.57 (m, 2 H), 5.70 (s, 1 H), 6.79 (d, J=8.54 Hz, 1 H), 6.93 - 7.02 (m, 1 H), 7.68 (t, J=7.63 Hz, 1 H), 8.16 (d, J=4.58 Hz, 1 H).LC−MS(YMC Xterra ODS S7マイクロメータカラム:3.0×50mm長。グラジエント:100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒B。グラジエント時間:4分。保持時間:1分。流量:4mL/分。検出波長:220nm。溶媒A:10%MeOH/90%HO/0.1%TFA。溶媒B:10%HO/90%MeOH/0.1%TFA。)(保持時間:2.90分)。MS m/z 543 (M++1).
工程2:化合物1の製造
14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,15−ジオキソ−18−(ピリジン−2−イルオキシ)−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(100mg、0.18mmol)を5mLのTHFに溶解し、カルボニルジイミダゾール(39mg、0.24mmol)で処理した。(オーブンで乾燥させたガラス器具を使用し、乾燥N2雰囲気を維持することによって、湿気を除くように注意した。)反応混合物を1時間還流させた後、室温に冷却し、シクロプロピルスルホンアミド(29mg、0.24mmol)およびDBU(36mg、0.24mmol)で順次処理した。室温で24時間撹拌した後、THFをロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を酢酸エチルおよびpH4のバッファーに分配した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。このように得られた油状物をメタノールに溶解し、分取HPLCにより精製(YMC ODS−A、S5、30×50mm、グラジエント:40%B〜85%B、8分、保持2分、流量25mL/分)し、化合物1を白色の粉末(30mg、26%)として単離した。NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.89 - 0.97 (m, 1 H), 1.04 - 1.17 (m, 2 H), 1.23 - 1.36 (m, 6 H), 1.33 (s, 9 H), 1.44 - 1.51 (m, 3 H), 1.57-1.68 (m, 1 H), 1.83 - 1.96 (m, 2 H), 2.22 - 2.32 (m, 1 H), 2.45 - 2.61 (m, 3 H), 2.85 - 2.95 (m, 1 H), 3.90 - 4.00 (m, 1 H), 4.26 (d, J=11.29 Hz, 1 H), 4.32 (s, 1 H), 4.56 (s, 1 H), 4.94 - 5.01 (m, 1 H), 5.15 (d, J=6.41 Hz, 1 H), 5.63 - 5.77 (m, 2 H), 6.66 (d, J=8.24 Hz, 1 H), 6.72 (s, 1 H), 6.84 - 6.94 (m, 1 H), 7.56 (t, J=7.78 Hz, 1 H), 8.13 (d, J=4.27 Hz, 1 H), 10.18 (s, 1 H).LC−MS(YMC Xterra ODS S7マイクロメータカラム:3.0×50mm長。グラジエント:100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒B。グラジエント時間:4分。保持時間:1分。流量:4mL/分。検出波長:220nm。溶媒A:10%MeOH/90%HO/0.1%TFA。溶媒B:10%HO/90%MeOH/0.1%TFA。)(保持時間:3.05分)。MS m/z 646 (M++1).
Figure 2010508362
工程1:14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(4−ニトロフェノキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸の製造
Figure 2010508362
THF(3mL)中の(14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸,エチルエステル(192mg、0.39mmol;実施例25、工程3で製造)の混合物に、水素化ナトリウム(50mg、油状物中60%、1.25mmol)を加えた。混合物を室温で5分間撹拌し、次いで1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(60mg、0.42mmol)を加え、室温で終夜撹拌を続けた。反応物を、10mLの水を加えることによってクエンチし、次いで0.1Nの塩酸を使用してpHを4にした。次いで、この酸性溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(4−ニトロフェノキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸を白色の固形物(100mg、44%)として得た。LC−MS(YMC Xterra MS C18 S7カラム:3.0×50mm長。グラジエント:100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒B。グラジエント時間:4分。保持時間:1分。流量:4mL/分。検出波長:220nm。溶媒A:10%MeOH/90%H2O/0.1%TFA。溶媒B:10%H2O/90%MeOH/0.1%TFA。)(保持時間:3.17分)。MS m/z 587(M++1).
工程2:化合物2の製造
14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(4−ニトロ−フェノキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(100mg、0.17mmol)を、5mLのTHFに溶解し、カルボニルジイミダゾール(38mg、0.23mmol)で処理した。(オーブンで乾燥させたガラス器具を使用し、乾燥N2雰囲気を維持することによって、湿気を除くように注意した。)反応混合物を1時間還流した後、室温に冷却し、シクロプロピルスルホンアミド(29mg、0.24mmol)およびDBU(36mg、0.24mmol)で順次処理した。室温で24時間撹拌した後、THFをロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を酢酸エチルおよびpH4のバッファーに分配した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50%酢酸エチル)によって30mg(26%)の化合物2を得た。LC−MS(YMC Xterra MS C18 S7カラム:3.0×50mm長。グラジエント:100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒B。グラジエント時間:4分。保持時間:1分。流量:4mL/分。検出波長:220nm。溶媒A:10%MeOH/90%H2O/0.1%TFA。溶媒B:10%H2O/90%MeOH/0.1%TFA。)(保持時間:3.21分)。MS m/z 690(M++1).
Figure 2010508362
化合物3の製造
DMF(2mL)中の(4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−トリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−14−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(20mg、0.035mmol;実施例26、工程5で製造)の混合物に、t−BuOK(20mg、0.15mmol)および1−クロロ−6−フルオロ−5−メトキシイソキノリン(15mg、0.07mmol)を加えた。反応物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物をエーテル(10mL)および水(5mL)に分配した。1NのHClを使用して水相をpH4に酸性化した。このように得られた溶液を、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮し、白色の固形物を得た。この粗生成物を分取HPLC(YMC Xterra、S5、19×50mm、60%〜100%B、グラジエント15分、保持2分、流量25mL/分)によって精製し、10mg(38%)の化合物3を白色の粉末として得た。LC−MS(YMC Xterra S7カラム:3.0×50mm長。グラジエント:100%溶媒A/0%溶媒B〜0%溶媒A/100%溶媒B。グラジエント時間:3分。保持時間:1分。流量:4mL/分。検出波長:220nm。溶媒A:10%MeOH/90%H2O/0.1%TFA。溶媒B:10%H2O/90%MeOH/0.1%TFA。)(保持時間:2.53分)。MS m/z 760 (M++1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 0.89 - 0.97 (m, 1 H), 1.04 - 1.16 (m, 3 H), 1.20 - 1.51 (m, 7 H), 1.30 (s, 9 H), 1.54-1.64 (m, 1 H), 1.73-1.96 (m, 3 H), 2.22-2.31 (m, 1 H), 2.47-2.57 (m, 1 H), 2.60-2.67 (m, 2 H), 2.86-2.94 (m, 1 H), 3.97 (s, 3 H), 3.99 - 4.10 (m, 1 H), 4.31 (t, J=7.63 Hz, 1 H), 4.45 (d, J=11.29 Hz, 1 H), 4.65 (t, J=7.48 Hz, 1 H), 4.97 (t, J=9.46 Hz, 1 H), 5.16 (d, J=7.93 Hz, 1 H), 5.32 (s, 1 H), 5.71 (q, J=8.95 Hz, 1 H), 6.84 (s, 1 H), 7.10 (s, 1 H), 7.53 (d, J=5.80 Hz, 1 H), 7.55 (s, 1 H), 8.22 (d, J=5.49 Hz, 1 H), 10.18 (s, 1 H).
Figure 2010508362
化合物4の製造
−78℃に冷却したDMF(1.0mL)中の49mg(0.105mmol)の(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ヒドロキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(実施例25、工程4で製造)および26mg(0.106mmol)のLaCl3の懸濁液に、THF中の1MのKOtBu0.53mL(0.53mmol)を加え、続いて4−クロロ−8−フルオロキノリン(19mg、0.105mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、室温に温めた。分析逆相HPLC(方法G)は、出発物質を示さなかったが、キノリン環の4−Cl(MS m/z、[M++1]=611、保持時間2.78分、主成分)、および8−F(MS m/z、[M++1]=627、保持時間3.20分、少量成分)での置換と一致する2種の新規な生成物を示した。それを、半飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、有機残渣をEtOAc(10mL×3)に抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、2mLのMeOHに溶解した。この溶液を、下記の条件を使用して分取HPLCによって分離した。カラムXterra30×100mm S5、14分間のグラジエントのために30%〜100%溶媒B/A、保持時間5分;溶媒Aが、0.1%TFAを含有する10%MeOH/90%H2Oである場合、溶媒Bは、0.1%TFAを含有する90%MeOH/10%H2Oであり、流量は40mL/分である)。主成分は分取HPLCから回収されず、一方少量成分である(1S,4R,6S,14S,18R)−7−cis−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−(4−クロロキノリン−8−イルオキシ)−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナ−デカ−7−エン−4−カルボン酸が回収され、白色の発泡体に濃縮された(1.9mg、3%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.02 (s, 9 H), 1.18-1.47 (m, 6 H), 1.48-1.77 (m, 3 H), 1.93 (m, 1 H), 2.22-2.34 (m, 2 H), 2.44 (m, 1 H), 2.56-2.64 (m, 1 H), 2.70-2.78 (m, 1 H), 4.02 (m, 1 H), 4.14 (m, 1 H), 4.54 (m, 1 H), 5.38 (m, 1 H), 5.52-5.62 (m, 2 H), 7.6 (d, J=9 Hz, 1 H), 7.86 (t, J= 8 Hz, 1 H), 7.94-8.03 (m, 2 H), 8.9 (d, J=8 Hz, 1 H). LC-MS m/z 627 [M++1].
分析LCMS条件:3×50mm YMC Xterra、グラジエント3分、流量4mL/分。
Figure 2010508362
工程1:5−アリルオキシ−2(S)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸(2.77g、10.1mmol;実施例29、工程5で製造)およびメチル4(R)−ベンジルオキシピロリジン−2(S)−カルボキシレート塩酸塩(2.50g、9.22mmol)を使用し、実施例25、工程1によって1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ベンジルオキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸、メチルエステルを製造し、1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ベンジルオキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸メチルエステルを無色の油状物4.53g(100%)として得た。MS 491 (ES+, M+H+).
Figure 2010508362
工程2:1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ベンジルオキシ−ピロリジン−2(S)−カルボン酸メチルエステル(2.78g、5.80mmol)を使用し、けん化し、次いで(1R,2S)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.989g、6.38mmol)と結合させ、実施例25、工程2によって1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ベンジルオキシピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルを製造し、1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ベンジルオキシピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルを淡黄色の濃厚な油状物3.21g(90%)として得た。MS 614 (M+1).
Figure 2010508362
工程3:1−{[1−(2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ノン−8−エノイル)−4(R)−ベンジルオキシピロリジン−2(S)カルボニル]−(1R)−アミノ}−2(S)−ビニル−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(2.71g、4.42mmol)を使用して、実施例25、工程3によって(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ベンジルオキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸,エチルエステルを製造し、(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ベンジルオキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステルを黄褐色の泡1.44g(56%)として得た。MS 586 (ES+, M+H+).
Figure 2010508362
工程4:(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ベンジルオキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸エチルエステル(1.30g、2.22mmol)を使用し、実施例25、工程4によって(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ベンジルオキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸を製造し、(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ベンジルオキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸を白色の粉末0.862g(70%)として得た。MS 558 (ES+, M+1).
Figure 2010508362
工程5:(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−18−ベンジルオキシ−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04,6]−ノナデカ−7−エン−4−カルボン酸(860mg、1.51mmol)およびシクロプロピルスルホンアミド(365mg、3.02mmol)を使用し、実施例26、工程4によって(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−18−ベンジルオキシ−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−10−オキサトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エンを製造し、(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−18−ベンジルオキシ−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−10−オキサトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エンを白色の粉末603mg(61%)として得た。MS 660 (ES+, M+H+), HRMS 計算値 661.2907 実測値 661.2903, mp 147-149℃, 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.83 - 0.95 (m, 3 H), 1.01 - 1.16 (m, 3 H), 1.21 - 1.27 (m, 2 H), 1.38 (s, 9 H), 1.42 -1.52 (m, 2 H), 1.87-1.93 (m, 1 H), 1.97 - 2.04 (m, 1 H), 2.30-2.36 (m, 1 H), 2.59-2.68 (q, J = 9 Hz 1 H), 2.82-2.91 (m, 1 H), 3.57-3.62 (dd, J = 9 Hz & 3 Hz, 1 H), 3.69-3.74 (dd, J = 9 Hz & 6 Hz, 1 H), 4.19 - 4.23 (d, J = 12 Hz, 1 H), 4.31 - 4.39 (m, 2 H), 4.43 - 4.58 (m, 2 H), 5.18 - 5.25 (t, J = 9 Hz, 2 H), 5.68-5.76 (m, 1 H), 6.73 (s, 1 H), 7.25 - 7.31 (m, 5H), 10.00 (s, 1 H).
Figure 2010508362
化合物6の製造
実施例37、工程1〜5の手順を用いて、メチル4(R)−tert−ブトキシピロリジン−2(S)−カルボキシレート塩酸塩から(1S,4R,6S,14S,18R、7−cis)−18−tert−ブトキシ−14−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザ−10−オキサトリシクロ[14.3.0.04,6]ノナデカ−7−エンを製造した;MS 627 (ES+, M+H+), HRMS 計算値 627.3064, 実測値 627.3073, 1H-NMR (500 MHz, CD3OD) δ 5.77-5.72 (m, 1H), 5.43-5.39 (m, 1H), 4.58 (br s, 1H), 4.54-4.49 (m, 2H), 4.33 (m, 1H), 3.94 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 2H), 2.93 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 2.25 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 1.99 (m, 1H), 1.76 (m, 2H), 1.70-1.67 (m, 1H), 1.58 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.29 (m, 1H), 1.25 (s, 9H), 1.15-1.09 (m, 2H), 1.04 (m, 1H).
実施例39から実施例86は、中間体の製造を説明する。これらの中間体は、この書類に記述し、参照した技術を使用することによって、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
中間体39の製造;
Figure 2010508362
工程1:ピペリジン(1mL)およびエタノール(10mL)中の3,5−ジメチル−4−ニトロ−イソオキサゾール(1.42g、10.0mmol)、フェニルアセトアルデヒド(1.32g、11.0mmol)の混合物を、16時間加熱還流した。周囲温度に冷却した後、沈殿した生成物を濾過により回収した。ケーキを冷たいエタノールで完全に洗浄し、1.20g(53%)の所望の生成物を白色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 2.87 (s, 3H), 7.46-7.50 (m, 3H), 7.56 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.7-7.80 (m, 2H); MS m/z 227 (M++H).
工程2:3−メチル−5−フェニル−イソオキサゾロ[4,5−b]ピリジン4−オキシド(1.00g、4.40mmol)およびPOCl3(2.71g、17.7mmol)のクロロホルム(10mL)溶液を、1時間加熱還流した。周囲温度に冷却した後、最終溶液をクロロホルム(50mL)で希釈し、NaHCO3(水溶液)(2つの50mL部分)およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(4:1ヘキサン−EtOAc)により精製し、790mg(73%)の所望の生成物を白色の固形物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.72 (s, 3H), 7.46-7.54 (m, 3H), 7.91 (s, 1H), 8.00-8.03 (m, 2H);
MS m/z 245, 247 (M++H).
中間体39は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体40の製造
Figure 2010508362
工程1:2−アミノ−6−メチルピリジン(1.08g、10.0mmol)、ベンゾイル酢酸エチル(2.30g、12.0mmol)およびポリリン酸(6.00g、61.2mmol)の混合物を、110℃に5時間加熱した。周囲温度に冷却した後、混合物をいくらかの氷水(20mL)に注ぎ、10MのNaOHでpH7に中和した。CHCl3で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン−EtOAc)により精製し、510mg(22%)の所望の生成物を淡黄色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 3.08 (s, 3H), 6.64 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.71 (s, 1H), 7.42-7.52 (m, 5H), 8.04-8.06 (m, 2H); MS m/z 237 (M++H).
工程2:6−メチル−2−フェニル−ピリド[1,2a]ピリミジン−4−オン(489mg、2.07mmol)の溶融ジフェニーテル(5mL)溶液を、5時間穏やかに加熱還流した。周囲温度に冷却した後、形成した懸濁液をジエチルエーテル(10mL)で希釈し、濾過した。ケーキをジエチルエーテルで完全に洗浄し、450mg(92%)の所望の生成物を茶色がかった固形物として得た。MS m/z 237 (M++H).
工程3:7−メチル−2−フェニル−1H−[1,8]ナフチリジン−4−オン(450mg、1.91mmol)のPOCl3(10mL)懸濁液を、3時間穏やかに加熱還流し、次いで真空中で蒸発させた。残渣を氷水(20mL)に注ぎ、10MのNaOHでpH10に中和した。次いで、混合物をCHCl3で抽出し、有機層を、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(2:1ヘキサン−EtOAc)により精製し、450mg(92%)の所望の生成物をピンク色の固形物として得た。1H NMR (CD3OD) δ 2.80 (s, 3H), 7.54-7.56 (m, 3H), 7.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.25-8.30 (m, 3H), 8.58 (d, J=8.4 Hz, 1H); MS m/z 255, 257 (M++H).
下記のように式Iを作製するために中間体40を使用することができる。
Figure 2010508362
中間体41の製造
Figure 2010508362
工程1:4−メトキシフェネチルアルコール(1.52g、10.0mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液に、0℃でデス−マーチン試薬(4.45g、10.5mmol)を一度に加えた。形成された混合物を周囲温度に1時間温めた。飽和Na2S2O3(水溶液)および1MのNaOH、ブラインでそれぞれ洗浄した。MgSO4上で乾燥させ、真空中で蒸発させ、1.50g(100%)の所望のアルデヒドを粘性の油状物として得た。この生成物をさらに精製せずに未精製物として使用した。
工程2:3,5−ジメチル−4−ニトロ−イソオキサゾール(142mg、1.0mmol)、実施例3、工程1からの4−メトキシ−フェニルアセトアルデヒド(180mg、1.1mmol)のピペリジン(0.1mL)およびエタノール(2mL)溶液を、12時間加熱還流した。周囲温度に冷却した後、沈殿した生成物を、濾過によって回収した。冷たいエタノールでケーキを完全に洗浄し、130mg(51%)の所望の生成物を灰色がかった固形物として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.88 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 7.02 (d, J=8.5 Hz, 2H), 7.50 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.57 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J=8.5 Hz, 2H); MS m/z 257 (M++H).
工程3:この生成物を、実施例39、工程2で説明した同じ手順によって製造した。1H NMR (CDCl3) δ 2.70 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 7.00-7.03 (m, 2H), 7.84 (s, 1H), 7.96-7.98 (m, 2H); MS m/z 275, 277 (M++H).
中間体41は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体42の製造
Figure 2010508362
工程1および2:
Figure 2010508362
この生成物を、代わりに4−フルオロフェネチルアルコールを使用する以外は、実施例41、工程1および2で説明した同じ手順によって製造した。MS m/z 245 (M++H).
工程3:
Figure 2010508362
この生成物を、実施例39の工程2で説明した同じ手順によって製造した。
1H NMR (CDCl3) δ 2.71 (s, 3H), 7.17-7.20 (m, 2H), 7.86 (s, 1H), 8.00-8.02 (m, 2H);
MS m/z 263, 265 (M++H).
中間体42は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体43の製造
Figure 2010508362
工程1および2:
Figure 2010508362
この生成物は、出発物質として3−メトキシ−フェネチルアルコールを使用する以外は、実施例41、工程1および2で説明した同じ手順によって製造した。MS m/z 257 (M++H).
工程3:
Figure 2010508362
この生成物を、実施例39工程2で説明した同じ手順によって製造した。1H NMR (CDCl3) δ 2.72 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 7.00-7.02 (m, 1H), 7.41 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.55 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.59 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H); MS m/z 275, 277 (M++H).
中間体43は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体44の製造
Figure 2010508362
工程1および2:
Figure 2010508362
この生成物は、出発物質として2−メトキシ−フェネチルアルコールを使用する以外は、実施例41、工程1および2で説明した同じ手順によって製造した。MS m/z 257 (M++H).
工程3:
Figure 2010508362
この生成物を、実施例39、工程2で説明した同じ手順によって製造した。
1H NMR (CDCl3) δ 2.721 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 7.03 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.11 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.41-7.44 (m, 1H), 7.79-7.81 (m, 1H), 8.04 (s, 1H); MS m/z 275, 277 (M++H).
中間体44は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体45の製造
Figure 2010508362
中間体45は市販である。
中間体45は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体46の製造
Figure 2010508362
中間体46を、P. Ferrarini et al, in J Heterocyclic Chem, 1983, p1053による記述のように製造した。
中間体46は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体47の製造
Figure 2010508362
中間体47を、R.Nesi et al, Synth Comm. 1992, 22(16), 2349による記述のように製造した。
中間体47は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体48の製造
Figure 2010508362
工程1:中圧フラスコ(Chemglass)中の2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸(1.68g、7.27mmol)のDMF(50mL)溶液に、ベンズアミジン(1.25g、8.00mmol)、K2CO3(6.0g、43.6mmol)、および銅粉末(336mg、1.45mmol)を加えた。反応混合物を180℃に1時間加熱した。銅および過剰なK2CO3を真空濾過により除去し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、このように得られた未精製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM中5%MeOH)により精製し、薄縁色の固形物(1.55g、84%収率)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 3.84 (s, 3H), 7.26 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.46 (br s, 5H), 7.57 (s, 1H), 8.38 (br s, 1 H); MS m/z (MH+) 253.
工程2:THF(82mL)中のBoc−cis−ヒドロキシプロリン−OMe(2.0g、8.15mmol)および3(2.26g、8.97mmol)の0℃のスラリーに、Ph3Pおよびジイソプロピルアゾカルボキシレート(1.98g、8.97mmol)を加えた。室温で17時間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、H2O(50mL)で洗浄した。水層を分離し、EtOAc(2×50mL)で逆抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮し、粘性の油状物を得て、それを最小量のEtOAcに再溶解させ、ヘキサンを加え、Ph3PO副生成物の大部分を沈殿させた。Ph3POを真空濾過により除去し、液体濾液を濃縮した。このように得られた粘性の油状物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、4:1ヘキサン:EtOAc)により精製し、白色の固形生成物(1.76g、45%収率)を得た。1H NMR (60/40 回転異性体, CDCl3) δ 1.47 (s, 9H), 2.49-2.55 (m, 1H), 2.73-2.83 (m, 1H), 3.80 (s, 1.8H), 3.81 (s, 1.2H), 3.96 (s, 3H), 4.03-4.09 (m, 1H), 4.54 (t, J = 8.0 Hz, 0.6H), 4.66 (t, J = 7.8 Hz), 4.96-5.06 (m, 1H), 5.97 (br s, 0.6H), 6.04 (br s, 0.4H), 7.33 (dd, J = 6.1, 2.7 Hz, 1H), 7.46-7.51 (m, 4H), 7.91 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.49 (t, J = 8.5Hz, 2H); 13C NMR (回転異性体, CDCl3) δ 21.7, 22.0, 28.3, 28.4, 35.8, 36.8, 52.3, 52.4, 52.6, 55.8, 55.9, 57.9, 58.3, 74.5, 74.9, 80.6, 101.2, 101.3, 115.7, 125.8, 126.0, 128.1, 128.5, 129.7, 130.2, 137.9, 147.8, 153.8, 157.7, 158.0, 158.0, 164.8, 173.1, 173.3; MS m/z (MH+) 480.
中間体48は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体49の製造
Figure 2010508362
工程1:
実施例48について説明した通りである。
Figure 2010508362
データ:1H NMR (DMSO-d6) δ 0.97-1.01 (m, 2H), 1.03-1.06 (m, 2H), 1.90-1.94 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 6.93 (s, 1H), 7.37 (s, 3H), 12.28 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 9.03, 13.17, 55.47, 55.73, 104.81, 107.27, 113.26, 145.16, 147.48, 154.44, 157.21, 160.89 ; MS m/z (MH+) 247.
工程2:
実施例48について説明した通りである。
Figure 2010508362
データ:1H NMR (CDCl3) δ 1.00-1.04 (m, 2H), 1.07-1.11 (m, 2H), 1.43 (s, 5.4H), 1.46 (s, 3.6H), 2.17-2.21 (m, 1H), 2.37-2.43 (m, 1H), 2.62-2.69 (m, 1H), 3.75 (s, 1.8H), 3.78 (s, 1.2H), 3.92 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.00 (s, 3.6H), 4.01 (s, 2.4H), 4.48 (t, J = 8.0 Hz, 0.6H), 4.59 (t, J = 7.6 Hz, 0.4H), 5.7 (br s, 0.6H), 5.74 (br s, 0.4H), 7.18 (s, 1H), 7.20 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 9.6, 9.7, 18.1, 28.3, 28.4, 35.8, 36.7, 52.2, 52.4, 56.3, 57.8, 58.2, 74.0, 74.5, 80.5, 80.6, 101.0, 101.1, 106.3, 108.6, 148.8, 149.1, 153.8, 155.4, 164.4, 165.9, 172.9, 173.2; LC-MS m/z (MH+) 474.
中間体49は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体50の製造
Figure 2010508362
工程1:
実施例48において説明した通り(塩酸アセトアミジンおよび2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸を出発物質として用いた)。
生成物:
Figure 2010508362
データ:1H NMR (DMSO) δ 2.31 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 7.36 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 12.15 (s, 1H); 13C NMR (DMSO) δ 21.11, 55.41, 105.57, 121.22, 123.59, 128.12, 143.34, 151.68, 157.00, 161.45; LC-MS m/e (MH+) 191.
工程2:実施例48について説明した通りである。
Figure 2010508362
データ:1H NMR (CDCl3) δ 1.43 (s, 5.4H), 1.45 (s, 3.6H), 2.38-2.45 (m, 1H), 2.62-2.71 (m, 1H), 2.66 (s, 1.8H), 2.68 (s, 1.2H), 3.77 (1.8H), 3.79 (s, 1.2H), 3.92 (s, 3H), 3.93-3.98 (m, 2H), 4.49 (t, J = 8.0 Hz, 0.6H), 4.61 (t, J = 7.8 Hz, 0.4H), 5.82 (t, J = 2.1 Hz, 0.6H), 5.89 (t, J = 2.3 Hz, 0.4H), 7.26 (dd, J = 4.7, 3.2 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 6.3, 2.8 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 9.15 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 26.1, 28.3, 28.4, 35.8, 36.7, 52.2, 52.2, 52.4, 52.5, 55.755.8, 57.9, 58.2, 74.1, 74.7, 80.6, 101.0, 101.2, 114.9, 125.6, 125.9, 128.6, 147.3, 153.8, 154.5, 157.6, 157.6, 161.2, 164.6, 173.0, 173.3; LC- MS m/e (MH+) 418.
中間体50は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体51の製造
Figure 2010508362
工程1:実施例48において説明した通りに、2−ブロモ−4,5−ジメトキシ安息香酸およびトリフルオロアミジンを出発物質として使用して製造した。
Figure 2010508362
データ:1H NMR (DMSO) δ 3.92 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 7.33 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 13.40 (br s, 1H); 13C NMR (DMSO) δ 55.8, 56.1, 104.9, 108.7, 150.2, 155.0; LC-MS m/e (MH+) 275.
工程2:実施例48において説明した通りである。
生成物:
Figure 2010508362
データ:1H NMR (CDCl3) δ 1.42 (s, 3.6H), 1.44 (s, 5.4H), 2.42-2.49 (m, 1H), 2.67-2.73 (m, 1H), 3.37 (s, 1.2H), 3.78 (s, 1.8H), 3.97 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 4.02 (s, 2.4H), 4.04 (s, 3.6H), 4.48 (t, J = 7.9 Hz, 0.6H), 4.60 (t, J = 7.7 Hz, 0.4H), 5.86 (br s, 0.6H), 5.90 (br s, 0.4H), 7.27-7.29 (m, 1H), 7.38-7.44 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 8.2, 28.3, 35.7, 36.7, 52.1, 52.2, 52.4, 56.5, 57.8, 58.2, 75.5, 76.0, 80.7, 100.8, 107.6, 111.0, 119.7, 148.2, 150.2, 151.4, 153.8, 154.5, 156.4, 165.1, 172.7, 173.0; LC-MS m/e (MH+) 502.
中間体51は、下記のように式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体52の製造
Figure 2010508362
中間体52は市販であり、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体53の製造
Figure 2010508362
中間体53は市販であり、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体54の製造
Figure 2010508362
中間体54は市販であり、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体55の製造
Figure 2010508362
中間体55の製造のための参照スキーム
Figure 2010508362
工程1:3−フェニル−ブタ−2−エン酸(16.2g)、ジフェニルホスホリルアジド(27.5g)、およびトリエチルアミン(10.1g)のベンゼン(100mL)溶液を、1時間撹拌した。シリカゲルプラグで濾過し、ベンゼンで洗浄し、濃縮した後、残渣をジフェニルメタン(80mL)に溶解し、3時間還流させた。室温に冷却した後、プラグを通して固形物を回収し、ベンゼンで洗浄し、乾燥させ、10g(63%)の所望の生成物を固形物として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 2.30 (s, 3 H), 7.00 (s, 1 H), 7.54 (m, 1 H), 7.77 (m, 2 H), 8.33 (d, J=7.34 Hz, 1 H).
工程2:4−メチル−2H−イソキノリン−1−オン(4.8g)のPOCl3(50mL)溶液を、3時間還流した。冷却および濃縮後、残渣を5NのNaOHで塩基性化し、CH2Cl2で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。濃縮後、ヘキサン中の5%酢酸エチルを使用したBiotageのフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、4.8g(90%)の所望の生成物を固形物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 2.59 (s, 3 H), 7.68 (t, J=7.70 Hz, 1 H), 7.78 (m, 1 H), 7.94 (d, J=8.31 Hz, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 8.35 (d, J=8.31 Hz, 1 H).
中間体55の製造のための化学
Figure 2010508362
工程1:7−フルオロ−6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンの製造。19.6gの4−フルオロ−3−メトキシケイ皮酸を出発物質として使用して、この実施例の工程1で示した通りである。9.5gの生成物を得た(48%収率)。
Figure 2010508362
データ:1H NMR (400 MHz, CD3COCD3) δ ppm 4.00 (s, 1 H), 6.49 (d, J=7.34 Hz, 1 H), 7.19 (d, J=7.09 Hz, 1 H), 7.29 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.86 (d, J=11.74 Hz, 1 H).
工程2:1−クロロ−7−フルオロ−6−メトキシイソキノリンの製造:7−フルオロ−6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(9g)を出発物質として使用して、この実施例の工程2で示した通りである。7gの所望の生成物を得た(70%収率)。
Figure 2010508362
データ:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.04 (s, 3 H), 7.17 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.48 (d, J=5.62 Hz, 1 H), 7.94 (d, J=11.49 Hz, 1 H), 8.20 (d, J=5.62 Hz, 1 H).
中間体55は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体56の製造
Figure 2010508362
工程1:実施例55工程1の通りであるが、3.82gの3−(4−フルオロ−フェニル)−3−メトキシ−アクリル酸を出発物質として使用した。198mgの生成物を得た(5%収率)。
生成物:
Figure 2010508362
データ:MS: (M+H)+ 194.
工程2:実施例55、工程1の通りであるが、193mgの7−フルオロ−4−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オンを出発物質として使用した。199mgの生成物を得た(94%収率)。
生成物:
Figure 2010508362
データ:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.05 (s, 3 H), 7.49 (m, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.86 (dd, J=9.66, 2.57 Hz, 1 H), 8.23 (dd, J=9.29, 5.38 Hz, 1 H); MS: (M+H)+ 212.
中間体56は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体57の製造
Figure 2010508362
中間体57は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体58の製造
Figure 2010508362
Boc−cis−HYP−OMe(122.6mg、0.5mmol)のTHF(15mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(196.7mg、0.75mmol)およびベンゾ[d]イソオキサゾール−3−オール(81mg、0.6mmol)を加えた。次いで、DEAD(0.118mL、0.75mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、分取HPLCによって残渣を精製し、無色の濃厚な油状物を得た。(117mg、54%収率)
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.41 (m, 9 H), 2.38 (m, 1 H), 2.75 (m, 1 H), 3.75 (m, 3 H), 3.81 (m, 1 H), 3.90 (m, 1 H), 4.47 (m, 1 H), 5.44 (m, 1 H), 7.31 (t, J=7.46 Hz, 1 H), 7.47 (d, J=8.56 Hz, 1 H), 7.59 (t, J=7.83 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=8.07 Hz, 1 H).
LC-MS (保持時間: 2.65分), MS m/z 363(MH+).
中間体58は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体59の製造
Figure 2010508362
2,4−ジクロロピリミジン(149mg、1mmol)のTHF(5mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(23mg、2モル%)および臭化フェニル亜鉛(2.1mL、1.05mmol)の0.5MTHF溶液を加えた。反応混合物を50℃で終夜撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液を加え、EtOAcで2度抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によって、黄色の残渣を得て、それを分取HPLCによって精製し、黄色がかった油状物を2−クロロ−4−フェニル−ピリミジンとして得た。
中間体59は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体60の製造
Figure 2010508362
2,4−ジクロロピリミジン(149mg、1mmol)のTHF(5mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(58mg、5モル%)および2−ピリジニル亜鉛ブロミド(2.4mL、1.2mmol)の0.5MTHF溶液を加えた。反応混合物を50℃で終夜撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液を加え、EtOAcで2度抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によって黄色の残渣を得て、それを分取HPLCによって精製し、黄色がかった油状物を生成物として得た。(中間体60、11mg、3.6%収率)1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.61 (m, 1 H), 8.07 (m, 1 H), 8.36 (d, J=5.19 Hz, 1 H), 8.50 (d, J=7.94 Hz, 1 H), 8.75 (d, J=3.97 Hz, 1 H), 8.82 (d, J=5.19 Hz, 1 H). MS m/z 192 (MH+).
中間体60は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体61の製造
Figure 2010508362
2,4−ジクロロピリミジン(149mg、1mmol)のDMF(5mL)溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(35mg、5モル%)および2−(トリブチルスタンニル)チオフェン(0.38mL、1.2mmol)を加えた。反応混合物を70℃で3時間加熱した。次いで、メタノール(20mL)中の飽和KF溶液を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を少量のシリカゲルで濃縮し、濾紙で残渣を濾過し、EtOAcで洗浄した。次いで、濾液を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製し、オフホワイトの固形物を生成物として得た。(110mg、35%収率)1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.20 (dd, J=5.01, 3.79 Hz, 1 H), 7.74 (dd, J=5.01, 1.10 Hz, 1 H), 7.77 (d, J=5.38 Hz, 1 H), 7.98 (dd, J=3.79, 1.10 Hz, 1 H), 8.55 (d, J=5.38 Hz, 1 H). MS m/z 197 (MH+).
中間体61は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体62の製造
Figure 2010508362
2,4−ジクロロピリミジン(149mg、1mmol)のDMF(5mL)溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(35mg、5モル%)および2−(トリブチルスタンニル)フラン(0.35mL、1.1mmol)を加えた。反応混合物を70℃で3時間加熱した。次いで、メタノール(20mL)中の飽和KF溶液を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を少量のシリカゲルで濃縮し、残渣を濾紙で濾過し、EtOAcで洗浄した。次いで、濾液を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製し、茶色がかった固形物を生成物として得た。(80mg、27%収率)1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 6.68 (dd, J=3.67, 1.71 Hz, 1 H), 7.42 (d, J=3.67 Hz, 1 H), 7.67 (d, J=5.13 Hz, 1 H), 7.30 (d, J=1.71 Hz, 1 H), 8.62 (d, J=5.14 Hz, 1 H). MS m/z 181 (MH+).
中間体62は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体63の製造
Figure 2010508362
2,4−ジクロロピリミジン(149mg、1mmol)のDMF(5mL)溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(35mg、5モル%)および2−(トリブチルスタンニル)チアゾール(412mg、1.1mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間加熱した。次いで、メタノール(20mL)中の飽和KF溶液を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を少量のシリカゲルで濃縮し、残渣を濾紙で濾過し、EtOAcで洗浄した。次いで、濾液を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製し、茶色がかった固形物を生成物として得た。(9mg、3%収率)。MS m/z 198 (MH+).
中間体63は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体64の製造
Figure 2010508362
工程1:Boc−HYP−OH(1.0g、4.324mmol)のDMF(20mL)溶液に、NaH(鉱油中60%分散物0.38g、9.513mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間撹拌した。次いで、2,4−ジクロロピリミジン(0.709g、0.0289mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、終夜撹拌した。次いでそれを1NのHCl溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によって、粗生成物を得て、次いでそれを分取HPLCによって精製し、無色の油状物を生成物として得た。(0.4g、27%収率)
1H NMR(CD3OD, 300 MHz) δ 1.13 (m, 9 H), 2.37 (m, 1 H), 2.62 (m, 1 H), 3.70-3.84 (m, 2 H), 4.38 (m, 1 H), 5.65 (m, 1 H), 6.88 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 8.37 (d, J=5.86 Hz, 1 H). MS m/z 344(MH+).
工程2:(2S、4R)4−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(0.34g、0.99mmol)のCH3CN(20mL)溶液に、(1R、2S)/(1S、2R)(1−シクロプロパンスルホニル−アミノカルボニル−2−ビニル−シクロ−プロピル)−カルバミン酸(0.511g、1.48mmol)、DIEA(0.86mL、4.95mmol)およびカップリング試薬HOBt(0.226g、1.48mmol)およびHBTU(0.561g、1.48mmol)を加えた。溶液を室温で終夜撹拌した。次いで、それを濃縮し、水で洗浄し、酢酸エチルで2度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。次いで、それを分取HPLCカラムによって精製し、黄色の固形物(A)を得た。(0.33g、41%収率)。MS m/z 655 (MH+).
工程3:中間体4(50mg、0.061mmol)のCH2Cl2(2.5mL)溶液に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(0.011mL、0.0915mmol)およびEt3N(0.021mL、0.153mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜、および40℃で1日撹拌した。溶媒をストリッピングし、残渣を分取HPLCによって精製し、無色の油状物を得た。次いで、それをジオキサン(1mL)中の4NのHClに溶解し、終夜撹拌した。溶媒の蒸発によって、無色の油状物を塩酸塩として得た。(20mg、52%収率)。MS m/z 553 (MH+).
工程4:4−[2−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピロリジン−2−カルボン酸(1−シクロプロパンスルホニルアミノカルボニル−2−ビニル−シクロプロピル)−アミド塩酸塩(20mg、0.032mmol)のCH3CN(5mL)溶液に、2−メトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−酪酸(9.1mg、0.048mmol)、DIEA(0.028mL、0.16mmol)およびカップリング試薬HOBt(7.3mg、0.048mmol)およびHBTU(18.2mg、0.048mmol)を加えた。溶液を室温で終夜撹拌した。次いで、それを濃縮し、水で洗浄し、酢酸エチルで2度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮し、黄色がかった油状物を得た。それを分取HPLCカラムによって精製し、無色の油状物をTFA塩(中間体64)として得た。(16mg、60%収率)
1H NMR(CD3OD, 500 MHz) δ 0.98-1.06 (m, 13 H), 1.13 (m, 1 H), 1.22-1.32 (m, 1 H), 1.35-1.44 (m, 1 H), 1.82 (dd, J=8.24, 5.19 Hz, 0.5 H), 1.90 (dd, J=8.24, 5.49 Hz, 0.5 H), 2.26 (m, 1 H), 2.32-2.43 (m, 1 H), 2.56 (m, 1 H), 2.96 (m, 1 H), 3.11 (m, br, 2 H), 3.56 (s, 3 H), 4.14 (m, 1 H), 4.21 (m, 1 H), 4.38 (m, 1 H), 4.47 (m, 1 H), 5.15 (m, 1 H), 5.31 (m, 1 H), 5.75 (m, 1 H), 5.94 (s, 1 H), 6.47 (d, J=7.02 Hz, 1 H), 7.29 (s, 4 H), 7.49 (m, 1 H), 7.56 (m, 1 H), 7.74 (d, J=8.24 Hz, 1 H), 7.88 (d, J=8.24 Hz, 1 H), 8.11 (d, J=7.02 Hz, 1 H).MS m/z 724 (MH+).
中間体64は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体65の製造
Figure 2010508362
A(50mg、0.061mmol)のCH2Cl2(2.5mL)溶液に、イソインドリン(0.013mL、0.115mmol)およびEt3N(0.026mL、0.19mmol)を加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌した。溶媒をストリッピングし、残渣を分取HPLCによって精製し、無色の油状物を得た。次いで、それをジオキサン(1mL)中の4NのHClに溶解し、終夜撹拌した。溶媒の蒸発によって、粗生成物を得て、それを分取HPLCによって再び精製し、黄色がかった固形物をTFA塩として得た。(8.5mg、14%収率)。MS m/z 539 (MH+).
中間体65は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体66の製造
Figure 2010508362
実施例64のA(50mg、0.061mmol)のCH2Cl2(2.5mL)溶液に、モルホリン(0.008mL、0.0915mmol)およびEt3N(0.021mL、0.153mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜、および40℃で1日撹拌した。溶媒をストリッピングし、残渣を分取HPLCによって精製し、無色の油状物を得た。次いで、それをジオキサン(1mL)中の4NのHClに溶解し、終夜撹拌した。溶媒の蒸発によって、無色の油状物を塩酸塩として得た。(12.6mg、36%収率);MS m/z 507 (MH+).
中間体66は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体67
Figure 2010508362
中間体67の製造
Figure 2010508362
1、4−p−トリルスルファニルカルボニル−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(3.0g、7.91mmol)のエタノール(15mL)およびTHF(30mL)混合物溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.6g、15.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、それを濃縮し、1NのHCl溶液で洗浄し、EtOAcで3度抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によって、黄色がかった油状物を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3:1のEtOAc:ヘキサン)により精製し、無色の油状物を生成物(2)として得た。(1.77g、86%収率)
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ 1.43 (m, 9 H), 2.00-2.13 (m, 2 H), 2.46 (m, 1 H), 3.19 (m, 1 H), 3.47-3.53 (m, 2 H), 3.61 (m, 1 H), 3.73 (m, 3 H), 4.31 (m, 1 H).MS m/z 282 (M+Na+).
2(80mg、0.309mmol)のTHF(10mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(121.4mg、0.463mmol)および4−ヒドロキシキノリン(67.2mg、0.463mmol)を加えた。次いで、DEAD(80.6mg、0.463mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、2日間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を分取HPLCによって精製し、無色の油状物を得た。次いで、それをジオキサン(3mL)中の4NのHClに溶解し、2時間撹拌した。溶媒の蒸発によって、濃厚な無色の油状物をビスHCl塩として得た。(110mg、99%収率)
1H NMR(500 MHz, CD3OD) δ 2.52 (m, 1 H). 2.60 (m, 1 H), 3.19 (m, 1 H), 3.45 (m, 1 H), 3.66 (s, 3 H), 3.86 (m, 1 H), 4.61-4.75 (m, 3 H), 7.56 (d, J=6.7 Hz, 1 H), 7.94 (t, J=7.3 Hz, 1 H), 8.10-8.20 (m, 2 H), 8.55 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 9.07 (d, J=6.7 Hz, 1 H).
MS m/z 287 (MH+).
中間体67は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体68の製造
Figure 2010508362
実施例67からの2(150mg、0.578mmol)のTHF(15mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(228mg、0.868mmol)および3−ブロモフェノール(150mg、0.868mmol)を加えた。次いで、DEAD(0.14mL、0.868mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、2日間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を分取HPLCによって精製し、無色の油状物を生成物として得た。(105mg、44%収率)。MS m/z 436 (M+Na+).
中間体68は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体69の製造
Figure 2010508362
4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(実施例67の2、300mg、1.157mmol)のTHF(15mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(455mg、1.735mmol)および5−ブロモ−ピリジン−3−オール(F.E.Ziegler et al., J.Am.Chem.Soc., (1973), 95, 7458により製造)(302mg、1.735mmol)を加えた。次いで、DEAD(0.273mL、1.735mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、2日間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を分取HPLCによって精製し、黄色がかった油状物を得た。次いで、それをジオキサン(3.0mL)中の4NのHCl溶液に溶解し、4時間撹拌した。溶媒の蒸発によって、粗生成物を得て、それを分取HPLCによってさらに精製し、黄色がかった油状物をTFA塩として得た。(70mg、11%収率)MS m/z 315 (MH+).
中間体69は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体70の製造
Figure 2010508362
工程1:実施例67からの2(700mg、2.7mmol)のTHF(90mL)溶液に、メタノール(50mL)および水(12mL)の混合物、水酸化リチウム一水和物(1700mg、2.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いでそれを、1NのHCl溶液でpH=3〜5に酸性化した。酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によって、濃厚な無色の油状物を生成物(0.58、88%収率)として得た。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 1. 42 (m, 9 H), 2.00-2.09 (m, 2 H), 2.45 (m, 1 H), 3.17 (m, 1 H), 3.49 (m, 2 H), 3.59 (m, 1 H), 4.24 (m, 1 H). MS m/z 268 (M+Na+).
工程2:プロリンカルボン酸(270mg、1.1mmol)のDMSO(10mL)溶液に、カリウムt−ブトキシド(309mg、2.75mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、2−ブロモ−4−クロロ−ピリジン(254mg、1.32mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、それを水でクエンチし、酢酸エチルで洗浄した。水層を分離し、1NのHCl溶液でpH=3に酸性化した。酢酸エチルで2度抽出し、有機層を合わせ、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によってオレンジ色の油状物を得た。次いで、それをメタノールに溶解し、HCl(気体)を−78℃で2分間泡立たせた。次いで、反応混合物を室温に温め、終夜撹拌した。溶媒の蒸発によって、オレンジ色の油状物を続行するための未精製物として得た。MS m/z 315 (MH+).
中間体70は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体71の製造
Figure 2010508362
実施例70からの中間体3(270mg、1.1mmol)のDMSO(10mL)溶液に、カリウムt−ブトキシド(309mg、2.75mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、2,6−ジブロモピリジン(313mg、1.32mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、それを水でクエンチし、酢酸エチルで洗浄した。水層を分離し、1NのHCl溶液でpH=3に酸性化した。酢酸エチルで2度抽出し、有機層を合わせ、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の蒸発によってオレンジ色の油状物を得た。次いで、それをメタノールに溶解し、HCl(気体)を−78℃で2分間泡立たせた。次いで、反応混合物を室温に温め、終夜撹拌した。溶媒の蒸発によって、オレンジ色の油状物を続行するための未精製物として得た。MS m/z 315 (MH+).
中間体71は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体72の製造
Figure 2010508362
4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−メチルエステル(実施例67の2、300mg、1.157mmol)のTHF(15mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(455mg、1.735mmol)および5−ブロモ−ピリジン−3−オール(F.E.Ziegler et al., J.Am.Chem.Soc., (1973), 95, 7458によって製造)(302mg、1.735mmol)を加えた。次いで、DEAD(0.273mL、1.735mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、2日間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を分取HPLCによって精製し、黄色がかった油状物を得た。次いで、それをジオキサン(3.0mL)中の4NのHCl溶液に溶解し、4時間撹拌した。溶媒の蒸発によって粗生成物を得て、それを分取HPLCによってさらに精製し、黄色がかった油状物をTFA塩として得た。(70mg、11%収率)。MS m/z 315 (MH+).
中間体72は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
実施例68〜72において、説明した中間体(68〜72)および計画した式Iの化合物のそれぞれは、ハロピリジン官能基を含有する。この官能基はカップリング反応において用いることができ、ここではハロ基は環系または代わりの官能基で置換されている。この反応は当技術分野でよく認識されており、下記の反応は、前記カップリング方法の例となる。
カップリング反応:実施例A
Figure 2010508362
A(16mg、0.0339mmol)のDMF(1mL)溶液に、3−チオフェンボロン酸(5.6mg、0.044mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.0mg、0.0017mmol)および2MのNa2CO3溶液(0.051mL、0.1017mmol)を加えた。反応混合物を110℃で4時間加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製し、茶色がかった油状物を生成物として得た。(6mg、37%収率)
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 1.05 (s, 9 H), 2.21-2.30 (m, 2 H), 2.95 (m, 1 H), 3.42 (s, 3 H), 3.93 (m, 1 H), 4.01 (m, 1 H), 4.20-4.30 (m, 3 H), 4.60 (dd, J=8.56, 5.87 Hz, 1 H), 7.64 (m, 2 H), 8.12 (m, 1 H) 8.37 (m, 1 H), 8.45 (m, 1 H), 8.75 (s, 1 H). MS m/z 476 (MH+).
カップリング反応:実施例B
Figure 2010508362
A(20mg、0.0423mmol)のDMF(1mL)、3−チオフェンボロン酸(7.0mg、0.055mmol)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg、0.00212mmol)および2MのNa2CO3溶液(0.063mL、0.127mmol)を加えた。反応混合物を110℃で30時間加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製し、茶色がかった油状物を生成物として得た。(10.5mg、42%収率)MS m/z 476 (MH+).
カップリング反応:実施例C
Figure 2010508362
A(20mg、0.0423mmol)のDMF(2mL)溶液に、2−チオフェンボロン酸(7.0mg、0.055mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg、0.00212mmol)および水酸化バリウム(40mg、0.127mmol)を加えた。反応混合物を150℃にてスミスマイクロ波反応器中で110分間加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製し、黄色がかった油状物を生成物として得た。(5.0mg、20%収率)。MS m/z 476 (MH+).
カップリング反応:実施例D
Figure 2010508362
A(20mg、0.0423mmol)のDMF(2mL)、3−フランボロン酸(6.2mg、0.055mmol)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg、0.00212mmol)および水酸化バリウム(40mg、0.127mmol)を加えた。反応混合物を150℃にてスミスマイクロ波反応器中で30分間加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製し、黄色がかった油状物を生成物として得た。(12mg、49%収率)MS m/z 460 (MH+).
カップリング反応:実施例E
Figure 2010508362
A(25mg、0.053mmol)のDMF(1mL)溶液に、3−チオフェンボロン酸(8.8mg、0.0688mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.1mg、0.00265mmol)および2MのNa2CO3溶液(0.080mL、0.159mmol)を加えた。反応混合物を110℃で終夜加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製し、茶色がかった油状物を生成物として得た。(15mg、48%収率)
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ 1.06 (s, 9 H), 2.20-2.31 (m, 2 H), 2.94 (m, 1 H), 3.55 (s, 3 H), 3.91 (m, 1 H), 3.98 (m,1 H), 4.34 (s, 1 H), 4.37-4.46 (m, 2 H), 4.61 (dd, J=8.85, 5.19 Hz, 1 H), 6.77 (d, J=8.24 Hz, 1 H), 7.39 (d, J=7.32 Hz, 1 H), 7.48 (dd, J=5.19, 3.05 Hz, 1 H), 7.68 (dd, J=4.88, 1.22 Hz, 1 H), 7.77(t, J=7.93 Hz, 1H), 8.04 (m, 1 H). MS m/z 476 (MH+).
カップリング反応:実施例F
Figure 2010508362
A(20mg、0.0423mmol)のDMF(1mL)溶液に、フェニルボロン酸(6.7mg、0.0688mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg、0.00212mmol)およびCs2CO3(41mg、0.127mmol)を加えた。反応混合物を110℃で終夜加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCで精製し、黄色がかった油状物を生成物として得た。(12mg、49%収率)。MS m/z 470 (MH+).
カップリング反応:実施例G
Figure 2010508362
A(20mg、0.0423mmol)のDMF(1mL)溶液に、3−フランボロン酸(6.2mg、0.055mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg、0.002115mmol)および2MのNa2CO3溶液(0.064mL、0.127mmol)を加えた。反応混合物を110℃で2日間加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCで精製し、黄色がかった油状物を生成物として得た。(7.0mg、29%収率)
カップリング反応:実施例H
Figure 2010508362
A(20mg、0.0423mmol)のDMF(2mL)溶液に、2−チオフェンボロン酸(7.0mg、0.055mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg、0.00212mmol)および水酸化バリウム(40mg、0.127mmol)を加えた。反応混合物を150℃にてスミスマイクロ波反応器中で30分間加熱した。次いで、それを濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製し、茶色がかった油状物を生成物として得た。(13.0mg、52%収率)
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 1.03 (s, 9 H), 2.18-2.25 (m, 2 H), 2.93 (m, 1 H), 3.55 (s, 3 H), 3.83 (m, 1 H), 3.98 (m, 1 H), 4.34 (s, 1 H), 4.38 (m, 2 H), 4.58 (dd, J=8.05, 5.14 Hz, 1 H), 6.63 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.07 (dd, J=4.89, 3.67 Hz, 1 H), 7.33 (d, J=7.34 Hz, 1 H), 7.42 (d, J=5.14 Hz, 1 H), 7.60-7.66 (m, 2 H). MS m/z 476 (MH+).
反応条件の設計において上記のカップリング例(A〜H)を参照として使用して、下記の中間体を製造することができた。次いで、これらの計画した中間体のそれぞれ(中間体73〜80)は、本明細書において記載し参照した技術を用いることによって、式Iの化合物に変換することができた。
Figure 2010508362
中間体82の製造
Figure 2010508362
(2S、4R)Fmoc−4−アミノ−1−boc−ピロリジン−2−カルボン酸(400mg、0.884mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液に、5滴のピロリジンを加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、それを濃縮し、高真空におき、粗4−アミノ−1−boc−ピロリジン−2−カルボン酸を得た。他の丸底フラスコ中で、Pd2dba3(40mg、5%モル)およびラセミ−BINAP(56mg、10%モル)の溶液を、脱気したトルエン(8mL)中窒素下で室温にて1時間撹拌した。次いで、1−クロロイソキノリン(216mg、1.326mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(340mg、3.536mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。次いで、4−アミノ−1−boc−ピロリジン−2−カルボン酸を加え、反応混合物を1時間加熱還流した。反応物をクエンチするために水を加え、水層を分離し、濾紙で濾過した。次いで、濃縮し、分取HPLCによって精製し、カップリングされた生成物をTFA塩として得た。(165mg、40%収率)
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 1.44 (m, 9H), 2.51-2.74 (m, 2H), 3.64 (m, 1H), 4.01 (m, 1H), 4.49 (m, 1H), 4.64 (m, 1H), 7.30 (d, J=6.85 Hz, 1H), 7.58 (d, J=6.85 Hz, 1H), 7.79(m, 1H), 7.91-7.99 (m, 2H), 8.56 (d, J=8.56 Hz, 1H). MS m/z 358 (MH+).
中間体82は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体83の製造
Figure 2010508362
工程1:Bocプロリン中間体(A)のトシラートを、文献(Patchett, A. A.; Witkof, B. J. Am. Chem. Soc. 1957, 185-192)に記載されているように製造し、さらなる精製をせずに使用した。
DMF(20ml)中のNaH(76mg、1.90mmol)のスラリーに、1−チオナフトール(0.29mg、1.80mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。Bocプロリントシラート(0.61g、1.80mmol)の溶液を加え、混合物を23℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をEtOAc/H2Oに分配した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製し、261mg(38%)の生成物を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 3:2 回転異性体の混合物) δ 1.41 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 2.25-2.29 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.35-3.42 (m, 1H), 3.51-3.53 (m, 1H), 3.80-3.86 (m, 2H), 4.38-4.39 (m, 1H), 4.46-4.48 (m, 1H), 7.41-7.46 (m, 1H), 7.42-7-54 (m, 1H), 7.57-7.59 (m, 1H), 7.58 (d, J = 4 Hz, 1H), 7.82-7.88 (m, 2H), 8.46 (d, J = 5Hz, 1H); MS m/z 388 (M++1).
中間体83は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体84の製造
Figure 2010508362
DMF(20mL)中のNaH(76mg、1.90mmol)のスラリーに、2−チオナフトール(0.29g、1.80mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。トシラート(実施例451、工程1)(0.61g、1.79mmol)のDMF(2ml)溶液を加え、混合物を23℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いでEtOAc/H2Oに分配した。有機層を飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を、5%EtOAc/ヘキサン、次いで30%EtOAc/ヘキサンでのクロマトグラフにかけ、261mg(38%)の生成物を透明な油状物として得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.32 (s, 9H), 2.29-2.35 (m, 2H), 3.33-3.47 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.71-3.81 (m, 1H), 4.29-4.32 (s, 1H), 7.49-7.55 (m, 3H), 7.70-7.80 (m,1H), 7.81-7.97 (m, 3H); MS m/z 387 (M+1).
中間体84は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体85の製造
Figure 2010508362
THF(50mL)中の水素化ナトリウム(0.91g、22.7mmol)のスラリーに、N−BOC−trans−4(R)−ヒドロキシ−L−プロリン(2.5g、10.8mmol)を加え、混合物を23℃で1時間撹拌した。2−クロロメチルナフタレン(1.9g、10.8mmol)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水に注ぎ、ヘキサンで洗浄した。水層を酸性化し(1NのHCl)、EtOAcで抽出した。EtOAc層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、淡黄色の残渣を得た。油状物を、1%酢酸を加えた1:1のEtOAc/ヘキサンでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1.56g(39%)の所望の生成物を濃厚な油状物として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 3:1 回転異性体の混合物) δ 1.35, 1.37 (s, 9H, 各々主成分と少量成分), 1.92-2.02, 2.15-2.20 (m, 2H, 各々主成分と少量成分), 2.35-2.50 (m, 2H), 3.41-3.49 (m, 2H), 4.12-4.16, 4.20-4.21 (m, 2H), 4.65-4.68(m, 2H), 7.46-7.52 (m, 3H), 7.74-7.91 (m, 4H), (酸のOHは、認められず); MS m/z 394 (M++1+Na).
中間体85は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
中間体86の製造
Figure 2010508362
工程1:市販のN−Boc−(4S)−(cis)−ヒドロキシプロリン−OMe(200mg、0.82mmole)、トリフェニルホスフィン(320mg、1.22mmole)および1−ナフトール(176mg、1.22mmole)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液に、ジエチルジアゾジカルボキシレート(190μL、1.22mmole)のTHF(1.0mL)溶液を10分間に亘り1滴ずつ加えた。5.5日間撹拌した後、反応物を真空中で濃縮した。黄色の粗油状物を、20×40cM分取TLCプレート(Analtech SiO2)上で、6−1ヘキサン−酢酸エチルで溶出するクロマトグラフにかけ、所望の生成物を淡黄色の油状物(150mg、33%)として得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ 1.44 (s, 9H) 2.33 (1H, m), 2.72 (1H, m), 3.77および3.38 (2s, 3H, 回転異性体), 3.88 (dd, 1H, J= 4.3, 12.4 Hz), 3.97 (bd, 1H), 4.53および4.62 (2t, 1H, J=7.8Hz, 回転異性体), 5.10 (bd, 1H), 6.76 (t, 1H, J=9.5 Hz), 7.37 (m, 1H), 7.46 (m, 3H), 7.80 (d, 1H, J=7.7 Hz), 8.18 (m, 1H); MS m/z 394 (M+Na)+
工程2:Boc−(4R)−ナフタル−1−オキソ)−Pro−OEt(150mg、0.40mmole)の撹拌したTHF(1.5mL)および水(0.5mL)溶液に、水酸化リチウム(10mg)を加えた。溶液を室温で21時間撹拌し、次いで0.5NのNaHCO3で希釈した。塩基性溶液を、酢酸エチルで抽出し、次いで濃HClを1滴ずつ加えることによって水層をpH2に酸性化した。次いで、この酸性化した層を、酢酸エチルで再び抽出した。この第2の酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空中で濃縮し、Boc−(4R)−ナフタル−1−オキソ)−Pro−OHを淡いピンク色の結晶(147mg、100%)として得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ 1.47および1.48 (2s, 9H, 回転異性体), 2.40および2.52 (2m, 1H), 2.68および2.78 (2m, 1H), 3.78-4.07 (m, 2H), 4.57および4.69 (2t, 1H, J=7.6および8.0 Hz, 回転異性体), 5.12 (bd, 1H), 6.77 (dd, 1H, J=7.6, 21.2 Hz), 7.37 (m, 1H), 7.46 (m, 3H), 7.81 (t, 1H, J=5.8 Hz), 8.19 (m, 1H); MS m/z 358 (M+H)+
工程3:Boc−((4R)−ナフタル−1−オキソ)−Pro−OH(147mg、0.41mmole)およびラセミの(1R/2S)/(1S/2R)−1−アミノ−2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチルエステル塩酸塩(79mg、0.41mmole)の塩化メチレン(2.8mL)溶液に、DIPEA(250μL、1.44mmole)およびTBTU(158mg、0.49mmole)を加えた。このように得られた溶液を窒素下で20時間撹拌し、次いで、40mLの塩化メチレンで希釈した。有機層を水、1NのNaHCO3、1NのHCl、水およびブラインで洗浄した。次いで、溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。分取TLCによる精製によって2種の別個のジアステレオマー、より高いRfのジアステレオマーA(P2[Boc(4R)−(ナフタル−1−オキソ)プロリン]−P1(1R、2SビニルAcca)−OEt、78mg、38%)およびより低いRfのジアステレオマーB(P2[Boc(4R)−(ナフタル−1−オキソ)プロリン]−P1(1S、2RビニルAcca)−OEt、91mg、45%)をオフホワイトの固形物として得た。
ジアステレオマーA:P2[Boc(4R)−(ナフタル−1−オキソ)プロリン]−P1(1R、2SビニルAcca)−OEt:1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ 1.24 (t, 3H), 1.43 (s, 9H), 1.52 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 2.02 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 3.88 (m, 2H), 4.11 (q, 1H, J=7.15), 4.19 (m, 1H), 4.54 (m, 1H), 5.15 (m, 1H), 5.31 (dd, 1H, J=17, 0.8 Hz), 5.77 (m, 1H), 6.83 (m, 1H), 7.36 (t, 1H, J=7.8 Hz), 7.46 (m, 3H), 7.78 (d, 1H, J=7.6 Hz), 8.14 (d, 1H, J=8.15Hz);
MS m/z 495 (M+H)+
ジアステレオマーB、実施例10B:P2[Boc(4R)−(ナフタル−1−オキソ)プロリン]−P1(1S、2RビニルAcca)−OEt:1H NMR (d1-CHCl3, 500MHz) δ 1.24 (t, 3H), 1.42 (s, 9H), 1.85 (m, 1H), 2.15 (q, 1H, J=8.9Hz), 2.40 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 4.12 (m, 2H), 4.52 (m, 1H), 5.15 (m, 1H), 5.31 (m, 1H), 5.79 (m, 1H), 6.80 (m, 1H), 7.35 (t, 1H, J=7.6 Hz), 7.46 (m, 3H), 7.78 (d, 1H, J=7.6 Hz), 8.14 (d, 1H, J=8.10 Hz).
MS m/z 495 (M+H)+
中間体86は、式Iの化合物を作製するために使用することができる。
Figure 2010508362
生物学的研究
HCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体酵素アッセイおよび細胞ベースのHCVレプリコンアッセイを本発明において用い、下記のように調製し、実施し、確認した。
組換えHCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体の産生
BMS株、H77株またはJ4L6S株由来のHCV NS3プロテアーゼ複合体を、下記で説明するように産生した。これらの精製した組換えタンパク質を、均一系アッセイ(下記を参照されたい)において使用するために産生し、HCV NS3タンパク質分解活性の阻害において本発明の化合物がいかに有効であるかを示した。
HCV感染患者からの血清を、サンフランシスコ病院のT.Wright医師から得た。HCVゲノム(BMS株)の設計された完全長cDNA(相補デオキシリボ核酸)鋳型を、血清RNA(リボ核酸)の逆転写−PCR(RT−PCR)によって得たDNAフラグメントから、他の遺伝子型1a株の間の相同性に基づいて選択したプライマーを使用して作製した。全ゲノム配列の決定から、Simmondsらの分類に従って、HCV分離株に対して遺伝子型1aを割り当てた(P Simmonds, KA Rose, S Graham, SW Chan, F McOmish, BC Dow, EA Follett, PL Yap and H Marsden, J. Clin. Microbiol., 31(6), 1493-1503 (1993)を参照されたい)。非構造領域NS2−5Bのアミノ酸配列は、HCV遺伝子型1a(H77)に>97%同一であり、遺伝子型1b(J4L6S)に87%同一であることが示された。感染性クローンH77(1a遺伝子型)およびJ4L6S(1b遺伝子型)は、R.Purcell(NIH)から得たが、配列はGenbankにおいて公開されている(AAB67036、Yanagi,M., Purcell,R.H., Emerson,S.U. and Bukh,J. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94(16),8738-8743 (1997); AF054247を参照されたい、Yanagi,M., St Claire,M., Shapiro,M., Emerson,S.U., Purcell,R.H. and Bukh,J, Virology 244 (1), 161-172. (1998)を参照されたい)。
H77およびJ4L6S株を組換えNS3/4Aプロテアーゼ複合体の産生のために使用した。これらの株について組換えHCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体(アミノ酸1027〜1711)をコードするDNAを、P.Gallinariらによって記載されているように操作した(Gallinari P, Paolini C, Brennan D, Nardi C, Steinkuhler C, De Francesco R. Biochemistry. 38(17):5620-32, (1999)を参照されたい)。手短に言えば、3個のリシンの可溶化尾部を、NS4Aコード領域の3’末端に添加した。NS4A−NS4B切断部位のP1位中のシステイン(アミノ酸1711)をグリシンに変更し、リシンタグのタンパク質分解的切断を防止した。さらに、システインからセリンへの変異をアミノ酸位置1454でPCRによって導入し、NS3ヘリカーゼドメインにおける自己分解による切断を防止した。P.Gallinariらによって記載されたプロトコルに修正を加えて、変異DNAフラグメントをpET21b細菌発現ベクター(Novagen)中でクローン化し、NS3/4A複合体を大腸菌株BL21(DE3)(Invitrogen)中で発現させた(Gallinari P, Brennan D, Nardi C, Brunetti M, Tomei L, Steinkuhler C, De Francesco R., J Virol. 72(8):6758-69 (1998)を参照されたい)。手短に言えば、NS3/4Aプロテアーゼ複合体発現を、0.5ミリモル(mM)のイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)によって20℃で22時間(h)誘導した。典型的な発酵(1リットル(L))によって、約10グラム(g)の湿細胞ペーストを得た。25mMのN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)(pH7.5)、20%グリセロール、500mMの塩化ナトリウム(NaCl)、0.5%Triton X−100、1マイクログラム/ミリリットル(「μg/mL」)のリゾチーム、5mMの塩化マグネシウム(MgCl2)、1μg/mlのDnaseI、5mMのβ−メルカプトエタノール(βME)、プロテアーゼ阻害剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)非含有)(Roche)から成る溶解バッファー(10mL/g)中で細胞を再懸濁させ、ホモジナイズし、4℃で20分(分)間インキュベートした。ホモジネートを超音波処理し、4℃にて235000gで1時間超遠心分離することによって清澄にした。イミダゾールを15mMの最終濃度まで上清に加え、pHを8.0に調節した。粗タンパク質抽出物を、バッファーB(25mMのHEPES(pH8.0)、20%グリセロール、500mMのNaCl、0.5%Triton X−100、15mMのイミダゾール、5mMのβME)で予め平衡化させたニッケル−ニトリロ三酢酸(Ni−NTA)カラムに添加した。試料を1mL/分の流量で添加した。カラムを15カラム容量のバッファーC(0.2%Triton X−100以外はバッファーBと同一)で洗浄した。タンパク質を5カラム容量のバッファーD(200mMのイミダゾール以外はバッファーCと同一)で溶出した。
NS3/4Aプロテアーゼ複合体含有画分をプールし、バッファーD(25mMのHEPES(pH7.5)、20%グリセロール、300mMのNaCl、0.2%Triton X−100、10mMβME)で予め平衡化した脱塩カラムSuperdex−S200に添加した。試料を1mL/分の流量で添加した。NS3/4Aプロテアーゼ複合体含有画分をプールし、約0.5mg/mlまで濃縮した。BMS、H77およびJ4L6S株由来のNS3/4Aプロテアーゼ複合体の純度は、SDS−PAGEおよび質量分析法によって90%超であると判断した。酵素は、アッセイバッファーにおいて使用する前に、−80℃で貯蔵し、氷上で解凍し、希釈した。
HCV NS3/4Aタンパク質分解活性をモニターするためのFRETペプチドアッセイ
このインビトロアッセイの目的は、本発明の化合物による上記のようなBMS株、H77株またはJ4L6S株由来のHCV NS3プロテアーゼ複合体の阻害を測定することであった。このアッセイは、HCV NS3タンパク質分解活性の阻害において本発明の化合物がいかに有効であるかを示した。
HCV NS3/4Aプロテアーゼ活性をモニターするために、NS3/4Aペプチド基質を使用した。基質は、Anal. Biochem. 240(2):60-67 (1996)においてTalianiらによって記載されたRET S1であった(共鳴エネルギー移動デプシペプチド基質;AnaSpec、Inc.カタログ#22991)(FRETペプチド)。このペプチドの配列は、切断部位においてアミド結合ではなくエステル結合が存在すること以外は、HCV NS3プロテアーゼについてのNS4A/NS4B天然切断部位に大まかに基づいている。ペプチドはまた、ペプチドの一端近くに蛍光供与体EDANSを、および他端の近くに受容体DABCYLを含有する。ペプチドの蛍光は、供与体と受容体との間の分子間の共鳴エネルギー移動(RET)によってクエンチされるが、NS3プロテアーゼがペプチドを切断するにつれ、生成物がRET消光から放出され、供与体の蛍光が明らかになる。
ペプチド基質を、本発明の化合物の非存在下、または存在下で、3種の組換えNS3/4Aプロテアーゼ複合体の1種と共にインキュベートした。Cytofluor Series4000を使用して蛍光性反応生成物の形成をリアルタイムでモニターすることによって化合物の阻害作用を決定した。
試薬は下記の通りであった。HEPESおよびグリセロール(Ultrapure)は、GIBCO−BRLから入手した。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、Sigmaから入手した。β−メルカプトエタノールはBio Radから入手した。
アッセイバッファー:50mMのHEPES(pH7.5);0.15MのNaCl;0.1%Triton;15%グリセロール;10mMのβME。基質:2μMの最終濃度(−20℃で貯蔵したDMSO中の2mMのストック溶液から)。HCV NS3/4Aプロテアーゼ1a(1b)型、2〜3nMの最終濃度(25mMのHEPES(pH7.5)、20%グリセロール、300mMのNaCl、0.2%Triton−X100、10mMβME中の5μMのストック溶液から)。アッセイ限界に近づいた作用強度を有する化合物については、アッセイバッファーに50μg/mlのウシ血清アルブミン(Sigma)を加え、プロテアーゼの最終濃度を300pMに下げることによって、アッセイをより感応性にした。
アッセイを、Falconの96−ウェルのポリスチレンブラックプレート中で行った。各ウェルは、アッセイバッファー中のNS3/4Aプロテアーゼ複合体25μl、10%DMSO/アッセイバッファー中の本発明の化合物50μl、およびアッセイバッファー中の基質25μlを含有した。対照(化合物を含有せず)もまた、同一のアッセイプレート上で調製した。基質の添加によって酵素反応が開始する前に、酵素複合体を化合物または対照溶液と1分間混合した。アッセイプレートをCytofluor Series4000(Perspective Biosystems)を使用して直ちに読み取った。25℃にて340nmでの発光および490nmでの励起を読み取るように装置を設定した。通常、約15分間反応させた。
下記の式で阻害率を計算した。
100−[(δFinh/δFcon)×100]
式中、δFは曲線の線形範囲に亘る蛍光の変化である。非線形曲線の当てはめを阻害−濃度データに適用し、式y=A+((B−A)/(1+((C/x)^D)))を使用してExcel XLfitソフトウェアの使用によって50%有効濃度(IC50)を計算した。
試験した化合物の全ては、0.55μM以下のIC50でNS3/4Aプロテアーゼ複合体の活性を阻害することが見い出された。さらに、複数のタイプのNS3/4A複合体に対して試験した本発明の化合物は、同様の阻害特性を有することが見い出されたが、該化合物は1a株と比較して1b株に対してより大きな作用強度を一様に示した。
特異性アッセイ
HCV NS3/4Aプロテアーゼ複合体の阻害における本発明の化合物のインビトロ選択性を示すために、他のセリンまたはシステインプロテアーゼと比較した、特異性アッセイを行った。
本発明の化合物の、種々のセリンプロテアーゼ:ヒト好中球エラスターゼ(HNE)、ブタ膵エラスターゼ(PPE)およびヒト膵臓キモトリプシン、および1種のシステインプロテアーゼ:ヒト肝臓カテプシンBに対する特異性を決定した。以前に記載されたように(PCT特許出願第WO00/09543号)、全ての場合において、それぞれの酵素に特異的な比色分析のp−ニトロアニリン(pNA)基質または蛍光分析のアミノ−メチル−クマリン(AMC)基質を使用した96ウェルプレートフォーマットプロトコルを修正して使用した。全ての酵素は、SigmaまたはEMDbiosciencesから購入し、一方基質はBachemから購入した。
各pNAアッセイには、室温での2時間の酵素−阻害剤のプレインキュベーション、続いて基質の添加、およびSpectramax Proマイクロプレートリーダーで測定した場合約15%変換となるまでの加水分解が含まれた。室温で10分間酵素−阻害剤のプレインキュベーションしたものに基質を加えることによってカテプシンBアッセイを開始し、Cytofluor Series4000を使用してアッセイプレートを直ちに測定した。化合物濃度は、その作用強度によって100〜0.4μMで変動した。
各アッセイについての最終条件は下記の通りであった。
50mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(Tris−HCl)(pH8)、0、5Mの硫酸ナトリウム(NaSO)、50mMのNaCl、0.1mMのEDTA、3%DMSO、0.01%Tween−20および、
133μMのsucc−AAA−pNAおよび20nMのHNEまたは8nMのPPE;100μMのsucc−AAPF−pNAおよび250pMのキモトリプシン。
100mMのNaHPO(リン酸水素ナトリウム)(pH5.5)、3%DMSO、1mMのTCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)、5nMのカテプシンB(酵素ストックは使用前に20mMのTCEPを含有するバッファー中で活性化させた)、およびHOで希釈した2μMのZ−FR−AMC。
阻害率は、式を使用して計算した。
[1−((UVinh−UVblank)/(UVctl−UVblank))]×100
非線形曲線の当てはめを阻害−濃度データに適用し、Excel XLfitソフトウェアを使用して50%有効濃度(IC50)を計算した。
HCVレプリコンの産生
HCVレプリコン全細胞系(whole cell system)を、Lohmann V, Korner F, Koch J, Herian U, Theilmann L, Bartenschlager R., Science 285(5424):110-3 (1999)によって記載されているように確立した。この系によって、本発明者らは、HCV RNA複製に対する本発明者らのHCVプロテアーゼ化合物の効果を評価することができた。手短に言えば、Lohmannの論文に記載されているHCV株1b配列(受託番号:AJ238799)を使用して、HCV cDNAをOperon Technologies、Inc.(Alameda、CA)によって合成し、次いで完全長レプリコンをプラスミドpGem9zf(+)(Promega、Madison、WI)中で標準的な分子生物学技術を使用して構築した。レプリコンは、(i)キャプシドタンパク質の最初の12個のアミノ酸に融合したHCV5’UTR、(ii)ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(ネオ)、(iii)脳心筋炎ウイルス(EMCV)からのIRES、および(iv)HCV NS3からNS5B遺伝子およびHCV3’UTRからなる。メーカーの説明書に従ってT7MegaScript転写キット(Ambion、Austin、TX)を使用して、プラスミドDNAをScaIで直線化し、RNA転写物をインビトロで合成した。cDNAのインビトロ転写物を、ヒト肝臓癌細胞系HUH−7にトランスフェクトした。HCVレプリコンを恒常的に発現している細胞についての選択を、選択マーカーであるネオマイシン(G418)の存在下で行った。このように得られた細胞系を、プラス鎖およびマイナス鎖RNA生成、ならびにタンパク質生成について経時でキャラクタライズした。
HCVレプリコンFRETアッセイ
HCVレプリコンFRETアッセイを、HCVウイルス複製に対する本発明において記載されている化合物の阻害作用をモニターするために開発した。HCVレプリコンを恒常的に発現しているHUH−7細胞を、10%ウシ胎仔血清(FCS)(Sigma)および1mg/mlのG418(Gibco−BRL)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Gibco−BRL)中で増殖させた。細胞を、前夜に96−ウェル組織培養無菌プレート中に(1.5×104細胞/ウェル)で播種した。化合物および化合物を含有しない対照を、希釈プレート中で4%FCS、1:100ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco−BRL)、1:100L−グルタミンおよび5%DMSOを含有するDMEM中で調製した(アッセイにおいて0.5%のDMSO最終濃度)。化合物/DMSO混合物を細胞に添加し、37℃で4日間インキュベートした。4日後、CC50読取りのためにアラマーブルー(Trek Diagnotstic Systems)を使用して最初に細胞毒性について細胞を評価した。細胞をインキュベートしている培地に10分の1容量のアラマーブルーを加えることによって、化合物の毒性(CC50)を決定した。4時間後、Cytofluor Series4000(Perspective Biosystems)を使用して、各ウェルからの蛍光シグナルを、530nmでの励起波長および580nmでの発光波長で読み取った。次いで、プレートをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で完全にすすいだ(3度、150μl)。HCVプロテアーゼ基質、蒸留水で1倍に希釈した5×細胞ルシフェラーゼ細胞培養溶解試薬(Promega #E153A)、150mMの最終濃度まで加えたNaCl、100%DMSO中の2mMのストックから10μMの最終濃度まで希釈したFRETペプチド基質(上記の酵素アッセイについて説明した通り)を含有する25μlの溶解アッセイ試薬で細胞を溶解した。HCVプロテアーゼ基質。次いで、プレートを、340nm励起/490nm発光、21サイクルの自動モード、運動モードでのプレート読取りに設定してあるCytofluor4000装置中に置いた。IC50決定について記載したように、EC50決定を行った。
HCVレプリコンルシフェラーゼレポーターアッセイ
二次的アッセイとして、レプリコンFRETアッセイからのEC50決定を、レプリコンルシフェラーゼレポーターアッセイにおいて確認した。レプリコンルシフェラーゼレポーターアッセイの利用は、Kriegerらによって最初に記載された(Krieger N, Lohmann V, and Bartenschlager R, J. Virol. 75(10):4614-4624 (2001))。本発明者らのFRETアッセイについて記載したレプリコンコンストラクトを、Renillaルシフェラーゼ遺伝子のヒト化形態およびルシフェラーゼ遺伝子の3’末端に直接融合しているリンカー配列をコードするcDNAを挿入することによって改変した。この挿入物は、ネオマイシンマーカー遺伝子の直接上流のコア中に位置するAsc1制限部位を使用して、レプリコンコンストラクトに導入された。1179位での適応的変異(セリンからイソロイシン)もまた導入した(Blight KJ, Kolykhalov, AA, Rice, CM, Science 290(5498):1972-1974)。このHCVレプリコンコンストラクトを恒常的に発現している安定的な細胞系を上記のように産生した。ルシフェラーゼレポーターアッセイを、下記のように修正してHCVレプリコンFRETアッセイについて記載したように設定した。37℃/5%CO2のインキュベーター中で4日間の後、Promega Dual−Gloルシフェラーゼアッセイシステムを使用して、Renillaルシフェラーゼ活性について細胞を分析した。培地(100μl)を、細胞を含有する各ウェルから除去した。残りの50μlの培地に、50μlのDual−Gloルシフェラーゼ試薬を加え、プレートを室温で10分間〜2時間揺動させた。次いで、Dual−Glo Stop & Glo試薬(50μl)を各ウェルに加え、プレートを室温でさらに10分〜2時間再び揺動させた。発光プログラムを使用してPackard TopCount NXT上でプレートを読み取った。
阻害率を下記の式を使用して計算した。
%対照= 実験ウェル(+化合物)における平均ルシフェラーゼシグナル
DMSO対照ウェル(−化合物)における平均ルシフェラーゼシグナル
XLfitを使用して値をグラフ化し、分析し、EC50値を得た。
HCV酵素アッセイ、HCVレプリコン細胞アッセイおよび/または概説した特異性アッセイのいくつかにおいて、本発明の代表的化合物を評価した。例えば、化合物3は、酵素アッセイにおいてNS3/4ABMS株に対する2.8ナノモル(nM)のIC50を有することが見い出された。公表されたH77(0.6nMのIC50)およびJ4L6S(0.47nMのIC50)株について同様の活性値を得た。レプリコンFRETアッセイにおけるEC50値は、14.6nMであり、レプリコンルシフェラーゼアッセイにおいて5.5nMであった。
特異性アッセイにおいて、同一の化合物が、下記の活性を有することが見い出された:HLE>25μM;PPE>100μM;キモトリプシン>100μM;カテプシンB=100μM。これらの結果は、化合物のこのファミリーがNS3プロテアーゼについて高度に特異的であり、これらのメンバーの多くがHCVレプリコン複製を阻害することを示す。
本発明の化合物を試験し、下記のような範囲の活性を有することが見い出された。
IC50活性範囲(NS3/4A BMS株):Aは>1マイクロモル(μM)であり;Bは0.1〜1μMであり;Cは<0.1μMである。
(試験した化合物についての)EC50活性範囲:Aは>1μMであり;Bは0.1〜1μMであり;Cは<0.1μMである。
表1に示される化合物番号を用いることにより、化合物の構造を本明細書に見いだすことができることに留意すべきである。
本発明の一実施形態では、該化合物は、100μM以下の生物活性(EC50)を有し、他の実施形態では、1μM以下、および最も好ましくは0.1μM以下の生物活性(EC50)を有する。
Figure 2010508362
表2は、本明細書において説明または参照した技術を使用して合成することができた化合物の一覧である。
Figure 2010508362
Figure 2010508362
Figure 2010508362
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Figure 2010508362
Figure 2010508362
特定の態様に関して本発明を上記で説明してきたが、他の態様は下記の特許請求の範囲内であることを意図していることを当業者なら理解するであろう。本明細書において参照した全ての書類は、全文を記載したかの如く参照により本明細書に組み込まれている。

Claims (25)

  1. 式I:
    Figure 2010508362

    [式中、
    (a)Rは、水素;C1〜6アルキル;C3〜7シクロアルキル;アルコキシ;−C(O)−R;C(O)−N(R;C(O)−OR;C7〜14アルキルアリール;またはC3〜7シクロアルキル(該アルキルおよび該シクロアルキルは、ハロで適宜置換されている)であり;各Rは、C1〜9アルキル(該アルキルは、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、または(C1〜6)カルボキシエステルで適宜置換されている)から独立して選択され;
    (b)Rは、水素、C1〜6アルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり;
    (c)RおよびR'は、それぞれ独立して、水素またはメチルであり;
    (d)Qは、OおよびS(O)(mは、0、1または2である)からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を適宜含有するC3〜9飽和または不飽和鎖であり;
    (e)Wは、−NH−SO−R(Rは、C6〜10アリール、ヘテロシクリルまたは−NR(RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリール(C1〜7アルキル)、C1〜7シクロアルキル、C1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)、ハロC1〜7アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される)である)であり;
    (f)Xは、O、S、SO、SO、OCH、CHOまたはNHであり;
    (g)R’は、Het、C6〜10アリールまたはC7〜14アルキルアリール(それぞれは、1〜5個の同じもしくは異なるR基で適宜置換されている)であるか;あるいはC3〜9シクロアルキルまたはC1〜7アルキル(該シクロアルキルおよび該アルキルは、ハロ、シアノ、アルコキシ、およびジアルキルアミノからなる群の1〜5個の同じもしくは異なる要素で適宜置換されている)であるが;
    ただし、−XR’は、
    Figure 2010508362
    以外であり;および
    (h)Rは、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルキル、CF、モノ−もしくはジ−ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アルカノイル、NO、SH、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1〜6)カルボキシエステル、C1〜6アルキルスルホン、C1〜6アルキルスルホンアミド、ジ(C1〜6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6〜10アリール、C7〜14アルキルアリール、または5〜7員の単環式ヘテロ環である]
    の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  2. XがOである、請求項1に記載の化合物。
  3. R’がHetである、請求項5に記載の化合物。
  4. R’が、
    Figure 2010508362
    から選択される構造を有し:それぞれが、1〜5個の同じもしくは異なるR基で適宜置換されている、請求項1に記載の化合物。
  5. Wが、−NH−SO−R(Rは、−NR(RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜7シクロアルキル、およびC1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される)である)である、請求項1に記載の化合物。
  6. およびRが、水素、C1〜7アルコキシおよびC1〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項18に記載の化合物。
  7. Qが、OおよびS(O)(mは、0、1または2である)からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を適宜含有するC5〜7飽和または不飽和鎖である、請求項1に記載の化合物。
  8. Qが不飽和である、請求項1に記載の化合物。
  9. Qが、構造:
    Figure 2010508362
    [式中、Pは、OおよびS(O)m(mは、0、1または2である)からなる群から独立して選択される1個のヘテロ原子を適宜含有するC3飽和鎖である]
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  10. が、−C(O)−R(Rは、ハロ、アルコキシ、またはシアノで適宜置換されているC1〜6アルキルである)である、請求項1に記載の化合物。
  11. がハロで適宜置換されているC1〜6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
  12. およびR'が、それぞれ水素である、請求項1に記載の化合物。
  13. 式II:
    Figure 2010508362
    II
    [式中、
    (a)Rは、C(O)−OR(Rは、C1〜6アルコキシ、シアノ、またはハロで適宜置換されているC1〜9アルキルである)であり;
    (b)Qは、OおよびS(O)(mは、0、1または2である)からなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を適宜含有するC5〜7飽和または不飽和鎖であり;
    (c)Wは、−NH−SO−R(Rは、C6〜10アリール、ヘテロシクリルまたは−NR(RおよびRは、水素、C1〜7アルコキシ、C1〜7アルキル、C6〜10アリール、C6〜10アリール(C1〜7アルキル)、C1〜7シクロアルキル、C1〜7シクロアルキル(C1〜7アルキル)、ハロC1〜7アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル(C1〜7アルキル)からなる群からそれぞれ独立して選択される)である)であり;
    (d)Xは、Oであり;
    (e)R’は、Het、C6〜10アリールまたはC7〜14アルキルアリール(それぞれは、1〜5個の同じもしくは異なるR基で適宜置換されている)であるか;あるいはC3〜9シクロアルキルまたはC1〜7アルキル(それぞれは、ハロ、シアノ、アルコキシおよびジアルキルアミノからなる群の1〜5個の同じもしくは異なる要素で適宜置換されている)であるが;
    ただし、−XR’は、
    Figure 2010508362
    以外であり;および
    (f)Rは、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、ハロ−C1〜6アルキル、CF、ハロ−C1〜6アルコキシ、シアノ、ハロ、チオアルキル、ヒドロキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミノ、ジ(C1〜6)アルキルアミド、カルボキシル、(C1〜6)カルボキシエステル、C1〜6アルキルスルホン、C1〜6アルキルスルホンアミド、ジ(C1〜6)アルキル(アルコキシ)アミン、C6〜10アリール、C7〜14アルキルアリールおよび5〜7員の単環式ヘテロ環からなる群から選択される]
    の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  14. 請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む組成物。
  15. 抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
  16. さらなる化合物の少なくとも1つが、インターフェロンまたはリバビリンである、請求項15に記載の組成物。
  17. 該インターフェロンが、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、およびリンパ芽球インターフェロンタウから選択される、請求項16に記載の組成物。
  18. さらなる化合物の少なくとも1つが、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン、およびリマンタジンから選択される、請求項15に記載の組成物。
  19. さらなる化合物の少なくとも1つが、HCV感染症の治療のためにHCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、およびIMPDHから選択される標的の機能を阻害するのに有効である、請求項15に記載の組成物。
  20. 患者に治療有効量の請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、患者においてHCV感染症を治療する方法。
  21. 請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の前、後、または同時に、抗HCV活性を有する少なくとも1種のさらなる化合物を投与することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. さらなる化合物の少なくとも1つが、インターフェロンまたはリバビリンである、請求項21に記載の方法。
  23. 該インターフェロンが、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、およびリンパ芽球インターフェロンタウから選択される、請求項22に記載の方法。
  24. さらなる化合物の少なくとも1つが、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン、およびリマンタジンから選択される、請求項21に記載の方法。
  25. さらなる化合物の少なくとも1つが、HCV感染症の治療のためにHCVメタロプロテアーゼ、HCVセリンプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCVエントリー、HCVアセンブリ、HCVイグレス、HCV NS5Aタンパク質、およびIMPDHから選択される標的の機能を阻害するのに有効である、請求項21に記載の方法。
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