JP4309336B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダ、計測器用に670nm帯のAlGaInPレーザダイオードが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブの場合、光源として635nm帯と650nm帯のレーザダイオードの2つの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD-ROMドライブは波長〜650nmで商品化されている。
このような状況下で最も好ましいDVD-Rは、波長630〜670nmで記録、再生が可能なものである。
なお、大容量光ディスクの記録材料の改善については、下記特許文献1〜2等に開示されている。
請求項2の発明は、前記アゾ金属キレート化合物が、下記一般式(II)で示されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体である。
前記一般式( I )において、A環はそれが結合している炭素原子および窒素原子と共にピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、プリンおよびペリミジンからなる群より選択された複素環を形成する残基を表し、Mは金属または金属酸化物を表し、R1は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のスルフィノ基を表し、R2は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基を表し、R3〜R6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環残基、置換もしくは未置換のアルキルカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールカルボニル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリールスルホニル基、置換もしくは未置換のアルキルチオオキシ基、置換もしくは未置換のアリールチオオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルカルボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールカルボニルアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のアリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアルケニル基を表し、nは2または3を表す。また、R2とR3、R3とR4、もしくはR4とR5は連結して環を形成していてもよい。なお、R1は水素原子を表すことはない。
前記アルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等の一級アルキル基、イソブチル基、イソアミル基、2-メチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2-エチルブチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、1-エチルプロピル基、1-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘキシル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルブチル基、1-イソプロピル-2-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-プロピル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、1-イソプロピルペンチル基、1-イソプロピル-2-メチルブチル基、1-イソプロピル-3-メチルブチル基、1-メチルオクチル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルヘキシル基、1-イソブチル-3-メチルブチル基等の二級アルキル基、ネオペンチル基、tert-ブチル基、tert-ヘキシル基、tert-アミル基、tert-オクチル基等の三級アルキル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-(2-エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。更に、これら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。
前記アリール基の具体例は、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
前記複素環残基の具体例は、インドリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリル基等が挙げられる。
前記アリールカルボニル基の具体例は、カルボニル基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルオキシカルボニル基の具体例は、オキシカルボニル基の酸素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールオキシカルボニル基の具体例は、オキシカルボニル基の酸素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルスルホニル基の具体例は、スルホニル基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールスルホニル基の具体例は、スルホニル基の硫黄原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルチオオキシ基の具体例は、硫黄原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールチオオキシ基の具体例は、硫黄原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルオキシ基の具体例は、酸素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールオキシ基の具体例は、酸素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルアミノ基の具体例は、窒素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールアミノ基の具体例は、窒素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルカルボニルアミノ基の具体例は、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールカルボニルアミノ基の具体例は、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルカルバモイル基の具体例は、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素原子、置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールカルバモイル基の具体例は、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して水素原子、置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルケニル基の具体例は、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ブテン−3−イニル基、1−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−ブテニル基、2,2−ジメチル−1−ブテニル基、1,3−ペンタジエニル基、1,4−ペンタジエニル基、1−ペンテン−3−イニル基、1−ペンテン−4−イニル基等を挙げることができる。
特にマンガン、コバルト、ニッケル、銅のアゾ金属キレート化合物は、光記録材料として光学特性が優れている。
なお従来の光記録媒体に使用されている複素環アゾ金属キレート化合物は、活性水素を有するカプラと活性水素基を有しない複素環残基から構成されている。両者の違いを下記の化学式に示す。式中、Mは金属原子を表す。
光学特性に必要な条件は、記録再生波長である630nm〜670nmに対して短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ記録再生波長が該吸収帯の長波長端近傍にあることである。これは、記録再生波長である630nm〜670nmで大きな屈折率と消衰係数を有することを意味するものである。
具体的には、記録再生波長近傍(±5nm)の波長域光に対する記録層単層の屈折率nが1.5以上3.0以下であり、消衰係数kが0.02以上0.2以下の範囲にあることが好ましい。nが1.5未満の場合には、十分な光学的変化得られにくいため、記録変調度が低くなるため好ましくなく、nが3.0を越える場合には、波長依存性が高くなり過ぎるため、記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうため好ましくない。また、kが0.02未満の場合には、記録感度が悪くなるため好ましくなく、kが0.2を越える場合には、50%以上の反射率を得ることが困難となるので好ましくない。前記の好適な範囲を有する屈折率および消衰係数を有することにより、安定した高反射率かつ高変調度で記録再生できる光記録媒体を提供することができる。
本発明ではいくつかの質量減量過程のうちで、減量率が最大のものを主減量過程と呼ぶ。
本発明に於いて質量減量の傾きは下記のように求める。
図1に示すように、質量m0の有機材料を窒素雰囲気下中で、10℃/min.で昇温させる。この昇温に従って、質量は微量づつ減少し、はぼ直線a−bの質量減量線を示し、ある温度に達すると急激な質量減少を起こし、ほぼ直線c−dに沿って質量減量を起こす。さらに温度を上げ続けると質量の急激な減量が終了し、ほぼ直線e−fに沿った質量減少を起こす。今直線a−bと直線c−dとの交点に於ける温度をT1(℃)、初期質量m0に対する残存質量をm1(%)、直線c−dと直線e−fとの交点に於ける温度をT2(℃)、初期質量m0に対する残存質量をm2(%)とする。
減量開始温度はT1、減量終了温度はT2となり、質量減量の傾きは、
( m1−m2 )(%) / ( T2−T1 )(℃) で示される値で、初期質量に対する質量減量率は、
( m1−m2 )(%) で示される。
上記定義に基づくと光情報記録媒体に用いる記録材料としては、主減量過程に於ける質量減量の傾きが2%/℃以上であることが好ましい。この質量減量の傾きが2%/℃未満である記録材料を用いると、記録部の広がりが大きくなり、また短い記録部を形成することが困難となるため、情報記録媒体には不向きである。
また、主減量過程に於ける質量の総減量は、30%以上であることが好ましい。30%未満であると、良好な記録変調度、記録感度が得られない可能性がある。
更に、熱的特性に必要な条件は、減量開始温度T1が、ある温度範囲にあることである。具体的には減量開始温度が350℃以下であり、好ましくは200〜350℃の範囲にあることが望ましい。減量開始温度が350℃を超えると、記録レーザ光のパワーが高くなり実用的でなく、200℃未満であると再生劣化を起こすなど記録安定性が悪化する。
前記の熱的特性を満たすことにより、低ジッタで高密度記録できる光記録媒体が提供される。
基板は通常、深さ1000〜2500Åの案内溝を有している。トラックピッチは、通常、0.7〜1.0μmであるが、高容量化の用途には0.7〜0.8μmが好ましい。溝幅は、半値幅で0.18〜0.40μmが好ましい。0.18μm未満には十分なトラッキングエラー信号強度を得ることが困難となる恐れがある。また、0.40μmを越える場合には、記録したときに記録部が横に広がりやすくなるので好ましくない。前記の基板条件を満たすことにより、安定した記録及び再生のできる光記録媒体が提供される。
図2は、本発明の光記録媒体に適用し得る層構成例を示す図で、これは追記型光ディスクの例である。基板1の上に記録層2を設け(図2a)、必要に応じて基板1と記録層2との間に、下引き層3を設ける(図2b)。更に必要に応じ記録層2上に保護層4を設けてもよい(図2c)。さらにまた、必要に応じて基板1の下にハードコート層5を設けることができる(図2d)。
図3は、本発明の光記録媒体に適用し得る別のタイプの層構成例を示す図で、これはCD−Rの例である。図1の構成の記録層2の上に金属反射層6を設けている。すなわち、基板1の上に記録層2を設け、その上に金属反射層6を設け、必要に応じて金属反射層6上に保護層4を設ける(図3a)。また、基板1と記録層2との間に、下引き層3を設けてもよい(図3b)。さらに必要に応じて基板1の下にハードコート層5を設けることができる(図3c)。
図4は、本発明の光記録媒体に適用し得る別のタイプ(DVD−R用)の層構成例を示す図で、この場合、図3の構成の保護層4の上に接着層8と保護基板7を設けている。すなわち、基板1の上に記録層2を設け、その上に金属反射層6および保護層4を順次設け(図4a)、保護層4の上に接着層8と保護基板7を設ける(図4b)。なお、基板1と記録層2との間に、下引き層3を設けるとともに基板1の下にハードコート層5を設けてもよい(図4c)。
本発明の光記録媒体は、図2及び図3に示した構成の記録層を内側にして、他の基板と空間を介して密封したエアーサンドイッチ構造にすることもできるし、また保護層を介して接着した貼合せ構造にすることもできる。
基板の必要特性としてはレーザー光が入射する基板が透明であることであり、他方の基板は透明である必要はない。
基板材料としては例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等のプラスチック、ガラス、セラミックあるいは金属等を用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、さらにアドレス信号等のプレフォーマット等が形成されていても良い。
下引き層等を含め基板、記録層、反射層、保護層以外に設けられた層をここでは中間層と呼ぶことにする。この中間層は(a)接着性の向上、(b)水、又はガス等のバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板や記録層の保護、(f)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。(a)の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、およびシランカップリング剤等を用いることができ、(b)及び(c)の目的に対しては、前記高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiN等、金属又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。また(d)の目的に対しては金属、例えばAl、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等を用いることができ、(e)及び(f)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。中間層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
記録層はレーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録できるものであって、この記録層中には本発明の色素塩が含有されていることが必要で、記録層の形成にあたって本発明の色素塩を1種、又は2種以上の組合せで用いてもよい。さらに、本発明の前記色素塩は光学特性、記録感度、信号特性等の向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化しても良い。有機色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントレキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトレヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、及び金属キレート化合物等が挙げられ、前記の染料を単独で用いてもよいし、2種以上の組合せにしてもよい。
また、前記染料中に金属、金属化合物例えば、In、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As、Cd等を分散混合あるは積層の形態で用いることもできる。さらに、前記染料中に高分子材料例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の材料もしくはシランカップリング剤等を分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等と一緒に用いることができる。
記録層の形成は蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶液塗布等の通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には前記色素塩、染料等を有機溶媒等に溶解してスプレー、ローラーコーティング、ディッピングおよび、スピンコーティング等の慣用のコーティング法によって行われる。
用いられる有機溶剤としては一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、あるいはベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類等を用いることができる。
記録層の膜厚は100Å〜10μm好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
金属反射層は単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn等が挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Al、が最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。
膜形成法としては蒸着、スッパタリング等が挙げられ、膜圧としては50〜5000Å好ましくは100〜3000Åである。
保護層、又はハードコート層は(a)記録層を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(b)記録層の保存安定性の向上、(c)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記中間層に示した材料を用いることができる。又、無機材料として、SiO、SiO2等も用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香属炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。
前記材料のうち保護層、又はハードコート層に最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又はハードコート層の膜厚は0.01〜30μm好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発明において、前記中間層、保護層、及びハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
(合成例1)
4,5−ジシアノイミダゾール1.33gを塩酸酸性水溶液(3倍モル比)中0℃で、1.1倍モル比の亜硝酸水溶液を滴下し、ジアゾ化を行った。亜硝酸陽性をヨウ素でんぷん紙で確認後1時間攪拌を続けた。過剰の亜硝酸は、アミド硫酸にて分解しヨウ素でんぷん紙で陰性を確認し、ジアゾ液を得た。次にN−メチル−N−トリフルオロメタンスルホニル−3−ジメチルアニリン2.82gおよび酢酸ナトリウム5.00gをメタノールに溶解した溶液にジアゾ液を投入しアゾ色素を得た。精製したアゾ色素0.85gをエタノールに懸濁後、酢酸銅(II)一水和物0.20gを投入し1時間環流した。懸濁液を水に排出し析出物を濾過後、シリカゲルカラムにより精製し、化合物例1を得た。
3−ニトロアニリン1.38gおよびo−アニスアルデヒド3.40gをシアノ水素化ホウ素ナトリウム存在下作用させた。生成物を精製後、Pd/カーボンで接触還元後、無水トリフルオロメタンスルホン酸、次いでジメチル硫酸を作用させカプラーを得た。コノカプラーのメタノール溶液に、4,5−ジシアノイミダゾール1.33gから調整したジアゾ液を作用させ、アゾ色素を得た。精製したアゾ色素をエチレングリコールに懸濁後、過ヨウ素酸ニッケル(II)六水和物を作用させた。粗生物は2−ブタノンに溶解後、温水に排出した。この作業を3回繰り返し、化合物例2を得た。
2−アミノ−5−メトキシベンゾイミダゾール1.63gを塩酸酸性水溶液(3倍モル比)中0℃で、1.1倍モル比の亜硝酸水溶液を滴下し、ジアゾ化を行った。亜硝酸陽性をヨウ素でんぷん紙で確認後1時間攪拌を続けた。過剰の亜硝酸は、アミド硫酸にて分解しヨウ素でんぷん紙で陰性を確認した。この溶液に冷却した塩化亜鉛飽和溶液を滴下し、析出したジアゾニウム塩の塩化亜鉛物を炉出し、風乾した。次に、乾燥エーテル中、N−メチル−N−エチルスルホニル−2−ブロモ−4−ニトロアニリン3.23gおよびマグネシウム片0.16gを作用し、Grignard試薬を調整した。先に得たジアゾニウム塩の塩化亜鉛付加物をエーテル中に投入し、これに調整したGrignard試薬を作用させた。反応終了後、希塩酸、次いで水を加え、エーテル層を抽出した。エーテル留去後、粗生物をエタノールから再結晶しアゾ色素を得た。精製したアゾ色素0.99gをDMFに溶解後、コバルト(II)アセチルアセトナート二水和物0.29g投入し100℃30分間加熱した。溶液を水に排出し、析出物をシリカゲルカラムで精製し、化合物例21を得た。
2−アミノベンゾイミダゾール1.33gを加熱した氷酢酸に溶解した。溶液を室温まで冷却後、N−メチル−N−フェニルスルホニル−2−ニトロソアニリン2.76gを投入し、作用した。1日攪拌後、析出したアゾ色素を得た。精製したアゾ色素0.84gと塩化亜鉛0.14gを作用し、化合物例22を得た。
厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、フォトポリマーにて深さ1750Å、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成し、化合物例No.1の1,1,2,2-テトラフルオロプロパノール溶液をスピンナー塗布し、厚さ900Åの記録層を形成し、ついでスパッタ法により金1200Åの反射層を設け、さらにその上にアクリル系フォトポリマーにて7μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート平面基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し、記録媒体とした。
実施例1において、化合物No.1の代わりに化合物例No.2〜20を用い実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
実施例1において、化合物例No. 1の代わりに、以下に示す化合物(比−1)を用い実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
この記録媒体にレーザー発振波長658nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザー光を用い、トラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/sec.)を記録し、発振波長685nmの半導体レーザーの連続光(再生パワー0.7mW)で再生し、再生波形を観察した。
<耐候テスト条件>
以下の条件で耐光性テストおよび保存性テストを行い、初期値と比較した。
耐光性テスト :5万Lux、Xe光、20時間連続照射
保存性テスト :60℃ 90%RH 600時間放置
結果を表1に示す。
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 ハードコート層
6 金属反射層
7 保護基板
8 接着層
Claims (8)
- 基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、前記記録層中に下記一般式( I )で示されるアゾ化合物と金属、金属酸化物またはそれらの塩からなるアゾ金属キレート化合物を少なくとも一種類含有することを特徴とする光記録媒体。
- 前記アゾ金属キレート化合物が、下記一般式(II)で示されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記アゾ金属キレート化合物における金属の価数が2価または3価であることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
- 前記アゾ金属キレート化合物における金属原子がマンガン、コバルト、ニッケルおよび銅から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体。
- 記録再生波長±5nmの波長領域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、かつ消衰係数kが0.02≦k≦0.2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記アゾ金属キレート化合物の熱質量分析において、主減量過程での温度に対する減量の傾きが2% / ℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記アゾ金属キレート化合物の熱質量分析において、主減量過程での総減量が30%以上であり、かつ減量開始温度が350℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記基板上のトラックピッチが0.7〜0.8μmであり、かつ溝幅が半値幅で、0.18〜0.40μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体。
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