JP4307738B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

技術分野
この発明は、圧力を計測する圧力センサに係わり、熱式圧力検出素子に含まれる発熱体あるいは発熱体によって加熱された部分から、一定距離を離して対向配置されている圧力を受けるダイヤフラムによって奪われる熱量を、熱式圧力検出素子を用いて計測する圧力センサに関するものである。
背景技術
計測流体の圧力と、該流体から圧力を受ける筒体上のダイヤフラムのたわみ量との間に成立するほぼ一義的な関数関係を利用して、ダイヤフラム上に成膜技術、写真製版技術等を用いて作製した歪ゲージを用いてダイヤフラムのたわみ量を計測し、このダイヤフラムのたわみ量に比例した流体の圧力を得るようにした圧力センサは、内燃機関の吸入空気量の検出、車両のブレーキ油圧の検出等に広く用いられている。
第22図は、例えば実開昭61−137242号(実願昭60−19572号マイクロフィルム)公報に開示されている従来の圧力センサの断面図である。
第22図において、101は金属製の筒体であり、102は歪ゲージ103を備えた半導体単結晶板であり、該半導体単結晶板はたとえばシリコン基板からなる。第22図に示した金属製筒体101に半導体単結晶板102を接着したものにあっては、金属製筒体101と半導体単結晶板102との材質が異なるため、温度変化の際に線膨張係数の違いによりダイヤフラムを構成する半導体単結晶板102に歪が発生し易く、測定誤差の要因となっていた。さらに半導体単結晶板102に直接計測流体の圧力がかかるので、金属製筒体101と半導体単結晶板102の間に十分強い接合強度が必要であった。
また、第23図において、104は金属製の筒体であり、該筒体104はたとえばステンレス鋼管等の管材を切断したものからなっている。前記筒体104に溶接される金属薄膜105は、圧延材の薄板から形成されており、圧延材ゆえに均一な膜厚でしかも平滑な表面を有して形成されている。そして、この金属薄膜105の材質は前記筒体104の材質と同様の物が使用されている。また前記金属薄膜105の上面には絶縁膜としての役割を果たす酸化珪素薄膜106が形成されている。酸化珪素薄膜106の形成にはプラズマCVD法が採用されている。次に前記酸化珪素薄膜の上に歪ゲージ107を構成するシリコン薄膜をプラズマCVD法で成膜する。このシリコン薄膜にエッチングを施し、第23図に示すように部分的にシリコン薄膜を残してその他の部分を除去せしめ、残されたシリコン薄膜により歪ゲージ107を形成する。さらにこの歪ゲージ107に金などの金属を蒸着して電極を形成し、この電極にリード線を超音波ボンディングによって添着し、電極およびリード線を適宜接続することにより回路を構成することができる。
上記第22図、第23図に示す従来の圧力センサは歪ゲージを用いたもので、ダイヤフラムに加えられた測定流体の圧力によりダイヤフラムが歪み、その歪をダイヤフラム上の歪ゲージにより測定するタイプの圧力センサである。このほかダイヤフラムのたわみを容量の変化として検出する圧力センサも用いられている。
第24図は、例えば特開昭60−56233号公報に開示されている従来の容量検出タイプの圧力センサの断面図(a)および上面図(b)、(c)である。
図において、108は基台で上表面の中央部には電極109を、周縁部には補正用電極110を両者同心的に有し、かつ両者間の間隙中に貫通孔111を設けている。112はダイヤフラムで電極109と対向する電極113を表面に有している。114は電極109、113間にギャップ115を形成するために基板108とダイヤフラム112との間に介在させるギャップ調整用のガラスビーズである。この圧力センサはダイヤフラム112に圧力Pが加わると中央部のギャップ115が小さくなり電極109、113間の静電容量が増加する。この容量変化と計測流体の圧力の間に成立するほぼ一義的な関数関係を利用して、圧力を測定しようとするものである。
従来の圧力センサにおいては、上記のように構成されているので、シリコン基板上に形成された歪ゲージを用いる場合、筒体と歪ゲージが形成されたシリコン基板の間に十分な接合強度を確保することができないため、直接シリコン基板に測定流体の圧力を与え、測定流体の圧力の測定をすることができない。そのため、測定流体により変形させられたダイヤフラムを用いて別室の緩衝剤に作用させ、緩衝剤の圧力をシリコン基板上の歪ゲージを用いて測定しなければならなかった。
また、金属ダイヤフラム上のシリコン薄膜歪ゲージを用いる場合、圧力を受ける金属ダイヤフラム上のシリコン薄膜の歪ゲージを直接一括大量形成することは、シリコン基板用(シリコンプロセス用)の装置を転用することができないため、容易ではなかった。
さらに、容量検出タイプの圧力センサにおいては、金属ダイヤフラム上に絶縁層を形成し、その後容量検出用の電極を写真製版技術等を用いて形成しなければならない。このように従来、金属ダイヤフラムを用いた場合、金属ダイヤフラムに成膜、写真製版等の加工を施す必要があり、従来シリコン基板に適用している成膜装置、写真製版装置を用いることができない。またシリコン基板を用いた場合、圧力センサの構造が複雑となり、安価で信頼性の高い圧力センサを製造することができないといった問題点があった。
この発明は、上記従来の問題を解決するために、簡便な熱式圧力センサを実現することを目的とする。熱式圧力センサは、圧力を受けるダイヤフラムの変位量を熱的に検出するもので、該ダイヤフラムと一定距離離れた検出素子の発熱体あるいは発熱体によって加熱された部分から、ダイヤフラムの変位に伴って奪われる熱量の変化を計測するものである。
本願発明においては、従来からのシリコン基板に適用される製造技術および装置を用いて、シリコン基板上に測定素子を一括大量生産することができ、筒体上の金属ダイヤフラムを受圧体として用いるが、金属ダイヤフラムに加工を施す必要が無く、また圧力測定の際、測定素子に直接外力が働かないため緩衝剤を保持する別室を設ける必要のない、信頼性が高い、安価な圧力センサを得ることを目的とする。
発明の開示
本発明に係る圧力センサは、圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面に対向配置された熱式検知部とを備えた圧力センサであって、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記熱式検知部で熱的に検知するように構成したので、圧力を受けるダイヤフラム表面は成膜、写真製版等の加工の必要がないので、熱式圧力検出素子の主要部をシリコン基板上に簡単な製造工程で一括して大量に作ることができ、熱式圧力検出素子の精度や信頼性を向上させると共に、安価な圧力センサを得ることができる。
また、熱的に非接触で圧力を計測するため、計測中に熱式圧力検出素子に直接外力がかからず、筒体と熱式圧力検出素子の間に計測流体の圧力に耐える接合強度を保持する必要がなく、簡単な構造とすることができ、安価な圧力センサを得ることができる。
また、この圧力センサにおいて、熱式検知部は発熱手段を有し、ダイヤフラムの変位量を上記熱式検知部の抵抗値変化量で計測するように構成したので、発熱部自身が温度検出機能を持ち、発熱部の抵抗値を計測するための計測回路が簡単であるため、安価な圧力センサを得ることができる。
また、熱式検知部は一定温度に発熱する発熱手段を有し、ダイヤフラムの変位量を上記熱式検知部の電流値変化量で計測するようにしたので、発熱部自身が温度検出機能を持ち、ブリッジ回路を構成することにより計測電流値を精度よく制御することができるので、熱式圧力検出素子の感度を向上させることができると共に、安価な圧力センサを得ることができる。
また、ダイヤフラムに対向配置された熱式検知部の大きさを上記ダイヤフラムより小さくしたので、ダイヤフラムの変位の大きい部分に対向して熱式検知部を設けることができ、圧力による熱式検知部の抵抗、電圧、電流の変化量が大きな感度の高い圧力センサを得ることができる。また、熱式検知部が小さいので、消費電力の削減された圧力センサを得ることができる。
また、熱式検知部は発熱手段を有し、さらに該発熱手段に隣接して温度検出部を備え、ダイヤフラムの変位量を上記温度検出部の温度変化量で計測するようにしたので、温度検出部の感度の高い検出器を用いることができ、感度のよい圧力センサを得ることができる。
また、周囲温度を計測して補償する温度補償手段をさらに備えたので、周囲温度を測定することにより、使用環境温度の変化による影響を除去することができ、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
さらに、ダイヤフラムの温度を計測して補償する第2の温度補償手段を備えたので、周囲温度とダイヤフラムの温度を測定することにより、使用環境温度やダイヤフラムの温度の変化による影響を除去することができ、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
また、ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して配置された第2の熱式検知部を備えたので、すなわち、圧力による変位が無いダイヤフラムの外側に第2の熱式検知部を設け、圧力によって変化しないリファレンス出力が得られるようにしたので、信号出力との差をとることにより、同相のノイズ成分を除去でき、安価で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。さらに、第2の熱式検知部を持つので、ダイヤフラムの温度も計測することができ、使用環境温度やダイヤフラムの温度の変化による影響を除去することができ、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
また、第1の熱式検知部と第2の熱式検知部とで、ブリッジ回路を構成したので、簡便な回路で信号処理が可能となり、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
本発明に係る圧力センサは、熱式検知部を基板の凹部に設け、該基板の凹部によりダイヤフラムと上記熱式検知部とが対向配置するように形成して、圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラム構造の第2の面に対向配置された熱式検知部とを備えた圧力センサを構成し、圧力の変化による上記ダイヤフラムの変位量を上記熱式検知部で熱的に検知するようにしたので、受圧面となるダイヤフラムと熱式検出素子の距離を精度良く制御することができ、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
また、この圧力センサにおいて、熱式検知部とダイヤフラムとの間の対向距離を規定するスペーサを熱式検知部の形成された基板上に備えたので、スペーサを写真製版技術を用いて基板上に一括大量形成でき、さらにダイヤフラムと熱式検出素子の距離を精度良く制御することができ、安価で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
本発明に係る圧力センサは、第1のダイヤフラムの第2の面に対向配置され、シリコン基板に少なくともその一部が支持された第2のダイヤフラム構造を形成し、該第2のダイヤフラム上に熱式検知部が配設されるので、絶縁性支持膜で形成された強度の十分保たれたダイヤフラムを簡単に製造でき、また熱絶縁性を向上させることができるので、低消費電力で感度が優れた圧力センサを得ることができる。
さらに、発熱部を支持している絶縁性支持膜をブリッジ状に構成するので、より一層熱絶縁性に優れ低消費電力で感度を向上させることができ、このブリッジ構造により、熱式圧力検出素子部はその両面に作用する圧力が同じであるため変位がなく、線形性の優れた出力を有する圧力センサを得ることができる。
また、シリコン基板の第2の面側に空隙を有し、第2のダイヤフラム面から法線方向の空隙の長さを、上記第2のダイヤフラムと圧力を受けるダイヤフラムとの距離より大きくしたので、空隙方向へ流れる熱流成分を抑制でき消費電力を削減できる。
本発明に係る圧力センサは、熱式検知部を覆う保護部をさらに備えたので信頼性が更に向上し、またこの保護部内部の圧力を大気圧あるいは大気圧より高くしたので、圧力検出素子の感度を常に一定に保つことができ、効率よく発熱部からの熱がダイヤフラムに伝達されるので、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明の実施例を図について説明する。
実施例1.
第1図、第2図は、本発明に関する圧力センサを説明するための図で、第1図は断面模式図、第2図は第1図中A−A方向からの斜視図で、圧力センサのうちの圧力検出素子の主要部を示したものである。図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜3が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。この感熱抵抗体膜のうち計測部を覆うように保護膜4が形成されている。一方、筒体5上には圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7が配設される。なお、3aはパッド部で、感熱抵抗体膜3への配線取り出し口である。
動作について簡単に説明する。感熱抵抗体膜3は外部からの電源入力により通電され、発熱している。筒体5の内部が流体により圧力Pを受けると、ダイヤフラム6の変位に応じて第1図中Sにおける熱の流れが変化する。そのため、感熱抵抗体膜3の温度変化、抵抗変化、電流値等の変化量を計測すれば、圧力を受けたダイヤフラムの変位量、すなわち測定対象物の圧力を検出できることになる。即ち、感熱抵抗体膜は熱式検知部の役割を果たす。
次に、第2図に示される圧力検出素子の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。その後、安定化のために約600℃で数時間アニールする。この白金膜3は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより第2図のようなパターンの電流路が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4(第2図には図示せず)として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。
上記に説明した通り、本願発明の圧力センサは、圧力検出素子部はいわゆるシリコンテクノロジーを用いてシリコン基板上に成膜、写真製版技術を用いて形成されており、筒体5に備わるダイヤフラム6には直接検出素子部が形成されておらず、さらに圧力検出素子部と筒体6とがスペーサを介して接続されるので次のような効果がある。すなわち、シリコン基板上に一括大量生産された熱式圧力検出素子は信頼性が高く、安価に得ることができる。また、熱式圧力検出素子には圧力測定において外力が働かないため熱式圧力検出素子と該ダイヤフラムの間には強固な接合強度を必要とせず、簡単な圧力センサ構造にすることができる。
上記実施例における圧力検出素子の主要部を構成するそれぞれの膜の材質や厚さ等は上記に限るものではない。基材としてのシリコンの厚さも400μmに限るものではない。また、支持膜2及び保護膜4は酸化シリコン膜であってもよく、厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。感熱抵抗体膜3としては、白金膜を用いる例について示したが、この場合耐食性に優れると同時に大きな抵抗温度変化係数を有するため、信頼性の高い感度が優れた圧力センサを得ることができる。しかし感熱抵抗体膜の材料も白金に限定されることはなく、例えば厚さ0.2μmのNi系合金もしくはNiによってなる膜をスパッタ法や蒸着法等によって形成されたものでもよい。感熱抵抗体膜3をNi系合金、もしくはNiによって形成すると、材料が安価であると同時に大きな抵抗温度変化係数を有するため、感度が優れた圧力センサを安価に得ることができる。また、Co,Moあるいはそれらの合金であってもよく、厚さも0.1〜1μmの範囲であればよい。
また、上記実施例において、ダイヤフラム6をSUS(ステンレス鋼)とし、筒体5と一体成形もしくはダイヤフラム6を筒体5に溶接等で接着することができ、この場合、耐食性に優れていると同時に機械的性質が優れているので、信頼性が優れた圧力センサを得ることができる。
実施例2.
以下に、本発明の別の実施例を図について説明する。第3図は、本発明の実施例2に係る圧力センサの構造を示したもので、圧力センサの主要部に接続された測定回路を説明するための図である。図において、センサの主要部は実施例1の第1図で説明したものと同様である。すなわち、図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に熱式検知部として感熱抵抗体膜3が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。この感熱抵抗体膜のうち計測部を覆うように保護膜4が形成されている。一方、筒体5上には計測流体の圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7を介して接続される。さらに、測定系として定電流源8を感熱抵抗体膜3と接続し、一定電流を通電する。圧力計測として感熱抵抗体膜の抵抗値を計測するため感熱抵抗体膜の両端の電圧を電圧計9を用いて測定する。
第3図に示すように、この圧力センサにおいては、発熱部が温度検知部を兼ねているため、熱式圧力検出素子は構造が簡単となり、計測は発熱部の抵抗値を計測するため計測回路が簡単となり、安価な圧力センサを得ることができる。
なお、第3図では感熱抵抗体膜3に定電流源8を接続し、感熱抵抗体膜の両端の電圧を電圧計9を用いて測定するようにしたが、さらに、測定系として感熱抵抗体膜3を一部に用いたブリッジ回路を構成し感熱抵抗体膜3と接続し、制御回路10を用いて常に発熱体が一定温度となるよう制御し通電するようにしてもよい。第4図は本発明の別の圧力センサを説明するための図で、第3図に相当する圧力センサ部の感熱抵抗体膜3に制御回路10を接続したものである。このように、発熱部が温度検知部を兼ねているため、熱式圧力検出素子は構造が簡単となり、ブリッジ回路を構成することにより電流値を制御することができるので熱式圧力検出素子の感度を向上させることができると共に、安価な圧力センサを得ることができる。
上記実施例2においても、実施例1と同様に感熱抵抗体膜の材料は白金に限定されることはなく、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金によって、厚さ0.1〜1μmの範囲で形成してもよい。他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。また、ダイヤフラム6をSUSとし、筒体5と一体成形もしくはダイヤフラム6を筒体5に溶接等で接着して形成してもよい。
実施例3.
上記の実施例1、2では熱的圧力検出素子の感熱抵抗体膜自身の抵抗変化(あるいは電流値変化)を測定することで圧力を計測していたが、本実施例3は発熱抵抗体膜の近傍に温度検出器を配置し、圧力によって生じた発熱抵抗体膜による温度差をその近傍の温度検出器で計測するようにしたものである。
以下に、本発明の一実施例を図について説明する。第5図は、本発明の実施例3に係る圧力センサの構造を示したもので、実施例1、2における熱的圧力検出素子の感熱抵抗体膜3の代わりに発熱抵抗体からなる膜11を配設し、その近傍両側に2つの温度検出器12、13を設けている。ここではこの温度検出器12、13を熱電対で構成した例について説明する。発熱抵抗体11は該発熱抵抗体11のパッド部11aを介して定電流源8と接続され、一定電流が通電される。圧力計測としては発熱抵抗体11の温度変化を発熱抵抗体11の近傍に設けられた測温熱電対12、13の起電力で計測し、熱電対12、13のそれぞれのパッド部12a、13aを介して接続された電圧計14で計測する。
上記実施例1、2で示したように、例えば、板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成する。さらにその上に、発熱抵抗体11及び測温熱電対の片側の導体として例えば、厚さ0.7μmの多結晶シリコンをCVD法やスパッタ法等により形成し、アニール処理を経て、写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングする。これにより電流路および対をなす熱電対の片側が形成される。さらに、他方の側の熱電対を形成するために、例えば、厚さ0.7μmのアルミをスパッタ法等により成膜する。成膜されたアルミは写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、該多結晶シリコンと一部接するように形成され、かつこの接点部が発熱抵抗体近傍に配置するように形成する。さらに、発熱抵抗体11、測温熱電対12、13および支持膜2上に、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜からなる絶縁性の保護膜4がスパッタ法等により形成される。
上記実施例3において、発熱抵抗体として多結晶シリコンを例として示したが、実施例1の感熱抵抗体膜の材料と同様に白金、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金であってもよい。特に、実施例3においては、発熱抵抗体膜は大きな抵抗温度変化係数を有する必要がないため、例えば多結晶シリコン膜やW、Alなどに通常のLSIプロセスで使用される導体膜を発熱抵抗体膜として用いることができる。これにより、材料の選択が広がり、センサの仕様に応じて製造が容易で性能が最適な材料を利用できる。
また、上記実施例中の第5図では、発熱抵抗体の両側に熱電対からなる温度検出器を配置した例を示したが、熱電対を両側に複数設けることにより出力電圧を上げることができる。また、熱電対は発熱抵抗体の片側に1対もしくは複数配設されていてもよいし、発熱抵抗体の周囲3方向もしくは4方向を取り囲むように複数設けられていてもよい。また、温度検出器は実施例1と同様な感熱抵抗体膜でもよい。この場合も感熱抵抗体膜の配置場所は発熱抵抗体の近傍であれば両側、片側、周囲のいずれでもよい。
他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。
本実施例の圧力センサにおいては、発熱抵抗体膜の材料選択の幅が広がり、性能が最適な材料を利用できる。また、圧力計測が熱電対の起電力で計測でき、簡便で安価な圧力センサを得ることができる。また、温度検出部の熱電対を複数設けることにより、熱電対の数に比例した出力電圧を得ることができ、さらに感度の良い圧力センサを得ることができる。
実施例4.
以下に、本発明の一実施例を図について説明する。第6図は圧力を受けるダイヤフラムの面積に比べ感熱抵抗体部の面積が小さい場合(a)、感熱抵抗体部の面積が大きい場合(b)と比較して示したものである。図においてセンサの主要部は実施例1の第1図で説明したものと同様である。本発明によるセンサでは、被計測物の圧力によるダイヤフラム6の変位に応じて第1図中Sにおける熱の流れが変化するため、感熱抵抗体膜3の温度もしくは抵抗、電圧、電流が変化し、その結果被計測物の圧力が検出される。第6図中(b)のように感熱部の大きさがダイヤフラムよりも大きいと、ダイヤフラムの中心部に対向する感熱部は圧力によるダイヤフラムの変位に応じて熱を奪われるのに対し、ダイヤフラムの外側に位置する感熱部は変位がないため熱の流れは変化しない。そのためダイヤフラムの周辺部から外側に位置する感熱部は抵抗、電圧、電流の変化がなく、感熱抵抗体膜全体の抵抗、電圧、電流に対するそれらの変化量である圧力感度は低下する。さらにこの圧力に対する不感部でも発熱により電力を消費するので消費電力も大きくなる。第6図中(a)に示すようにダイヤフラムよりも感熱抵抗体部を小さくすることにより感度が向上し、消費電力も削減できる。第7図に圧力によるダイヤフラムの変位をダイヤフラムの径方向の分布として示す。第7図に示すように、中心で最大変位で周辺で変位が0となるなめらかな曲線になる。したがってダイヤフラム周辺部は中心に比べると変位量が少ない。中心の変位の50%の変位量を示す径をそのダイヤフラムの有効径reと定義すると、感熱部をこのダイヤフラムの有効径reよりも小さくすることにより、感度を向上し、消費電力を削減することができる。なお、図中ダイヤフラムの径をrとした。
さらに、実際の素子では感熱部の中心とダイヤフラムの中心は組み立て精度分だけずれることがあるので、ずれがあっても感熱抵抗体部がダイヤフラムの有効径内で対向するように設計する必要がある。つまり感熱抵抗体部は、組み立て精度による最大ずれ量分以上にダイヤフラムの有効径reよりも小さくする必要がある。
第8図は第6図において、感熱抵抗体部3が発熱手段を有し、その発熱分布が略円形であるように感熱抵抗体部を設計したものを説明するための図で、図中(a)(b)は異なるパターンで、熱分布を略円形とした例である。図においてセンサの主要部は実施例1の第2図で説明したものと同様である。第8図のように感熱抵抗体膜3の外形形状が円形であるため、その抵抗体膜を発熱させた時の温度分布は円形状になる。圧力を受けるダイヤフラムもその変位等高線は円形であるため、円形の発熱温度分布を持つ感熱抵抗体膜を用いることによりダイヤフラムの変位を無駄なく信号に変換することができ、感度が高く消費電力の少ない圧力センサを得ることができる。さらに第2図や第6図に示したように感熱抵抗体部が方形である場合にはダイヤフラム有効径内に感熱抵抗体部が完全に入るように組み立てる場合感熱抵抗体部の4隅でその組み立て裕度が制限されるのに対し、上記方形と同じ面積の円形感熱抵抗体部を形成した場合、ダイヤフラム有効領域と同じ円形なので組み立て裕度をより大きくとることができ、組み立てが容易になる。
実施例5.
以下に、本発明の別の実施例を図について説明する。第9図は、本発明の実施例5に係る圧力センサの構造を示したもので、圧力センサの周囲温度を測定することで、使用環境の温度変化の補正を可能とした例を説明するための図である。また、第10図は第9図中B−B方向からの斜視図で、圧力センサのうち圧力検出素子の主要部を示したものである。それぞれの図において、センサの主要部は実施例1の第1図で説明したものと同様で、周囲温度検知膜15が形成されている。すなわち、図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜3と、この感熱抵抗体膜3とは十分離れた位置に周囲温度検知膜15が形成される。この感熱抵抗体膜および周囲温度検知膜のうち計測部を覆うように保護膜4(第10図では図示せず)が形成される。なお、15aは、周囲温度検知膜のパッド部(配線取り出し口)を示す。
圧力計測方法は実施例1で説明したものと同様であるが、本実施例においては、周囲温度を測定することにより、使用環境温度の変化による影響を除去することができるので、安価で信頼性の高いな圧力センサを得ることができる。
なお、上記実施例5においても、実施例1と同様に感熱抵抗体膜の材料は白金(Pt)、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金によって、厚さ0.1〜1μmの範囲で形成してもよい。他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。
実施例6.
以下に、本発明の別の実施例を図について説明する。第11図は、本発明の実施例6に係る圧力センサの構造を示したもので、圧力センサの周囲温度と圧力を受けるダイヤフラムの温度を測定することで、使用環境の温度変化とダイヤフラムの温度変化の補正を可能とした例を説明するための図である。図において、センサの主要部は実施例1の第1図で説明したものと同様であるが、実施例5の第9図で示された周囲温度検知膜15に加えて、筒体5とダイヤフラム6の温度を測定する温度検知膜25が形成されている。すなわち、図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜3と、この感熱抵抗体膜3とは十分離れた位置に周囲温度検知膜15が形成され、さらに、スペーサ7の部分に筒体5とダイヤフラム6の温度を測定する温度検知膜25が形成される。なお、25aは、温度検知膜25のパッド部(配線取り出し口)を示す。
圧力計測方法は実施例1で説明したものと同様であるが、本実施例においては、周囲温度とダイヤフラムの温度を測定することにより、使用環境温度やダイヤフラムの温度の変化による影響を除去することができるので、安価で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
実施例7.
以下に、本発明の別の実施例を図について説明する。第12図は、本発明の実施例7に係る圧力センサの構造を示したもので、圧力による変化を受けないリファレンス出力(比較出力)を新たに設けることにより、ノイズ成分の除去を可能にした例を説明するための図である。図において、センサの主要部は実施例1の第1図で説明したものと同様であるが、ダイヤフラム6の端部に対向して第2の感熱抵抗体部26が形成されている。すなわち、図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に信号出力用の感熱抵抗体膜3と、リファレンス出力用の第2の感熱抵抗体膜26が形成される。感熱抵抗体膜3はダイヤフラム6の中心に対向するように配置されるのに対し第2の感熱抵抗体膜26はダイヤフラム6のうち圧力に対して変位しない端部の部分に対向して配置されている。なお、26aは第2の感熱抵抗体膜26のパッド部(配線取り出し口)を示す。
圧力計測方法は実施例1で説明したものと同様であるが、本実施の形態においては、圧力信号に加え圧力に対し変化しないリファレンス出力が第2の感熱抵抗体膜26より得られるので、それらの差をとることにより同相のノイズ成分を除去することができ、安価で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
このとき、第2の感熱抵抗体部26の構造や形状を第1の感熱抵抗体部3と同じにすれば、それらの間の差分出力で圧力による変位信号のみを取り出すことが可能になる。このとき、信号処理回路としてブリッジ回路を形成すれば、さらに、簡便で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
上記実施例においても、実施例1と同様に感熱抵抗体膜の材料は白金、、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金によって、厚さ0.1〜1μmの範囲で形成してもよい。他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。
第13図は、差分出力を得る回路構成の一例を示した。第13図中(a)は図12の素子を上面からみた概略図である。第13図中(b)に示したように第1の感熱抵抗体部3と第2の感熱抵抗体部26とでブリッジ回路を構成するため、おのおの2個の感熱抵抗体(Rm1、Rm2とRr1、Rr2)が形成されている。第13図中(b)に示したブリッジ回路により差分出力を得られるので、オフセットや同相のノイズ成分やを除去できて、安価で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。第13図中(a)ではRm1、Rm2とRr1、Rr2が図に示したパターン形状で同じ位置に形成されているが、パターン形状は図に示したものと異なってもよい。また位置についても、たとえばRm1、Rm2とは圧力を受けるダイヤフラム6の中心に対して対称な位置に形成されていてもよいし、Rr1、Rr2はダイヤフラム6の端部の圧力による変位が少ないところであればどこに形成されていてもよい。また第13図ではRm1、Rm2とRr1、Rr2でブリッジ回路を形成したがRm2やRr2のどちらか、もしくは両方が外付けの抵抗であってもよいし、ブリッジ回路内に直列もしくは並列に外付けの抵抗が挿入されていてもよい。この場合、外付けの抵抗による調整が可能になるという効果がある。
実施例8.
上記実施例1〜7においては、圧力検知素子部とダイヤフラムを有する筒体とをスペーサにより所定間隔保つように接続した構造であるが、本実施例においては、このスペーサをシリコン基板上に写真製版技術を用いて形成したものである。そのためスペーサを圧力検出素子部の所望の位置に精度よく一括大量形成でき、信頼性が高く安価な圧力センサを実現できる。
圧力検出素子の主要部の製造方法は実施の形態1で説明したものと同じであるが、表面保護膜4を形成した後にスペーサを形成する。スペーサをポリイミド樹脂などの有機絶縁膜とする場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜4を形成した後にポリイミドコーティング剤をスピンコートなどの手段でシリコン基板上に均一に塗布する。次に感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりポリイミド樹脂を所望のパターンに加工する。感光性のポリイミドコーティング剤を使用すればレジストなしで直接パターンが形成されさらに簡便になる。パターン加工後300℃程度のベークにより焼き締められて、ポリイミド樹脂となる。このようにポリイミドコーティング剤を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。
また、スペーサを金属厚膜で形成する場合は、例えば以下のように形成される。まず表面保護膜4を形成した後に厚膜の感光性のレジストを塗布し写真製版技術によりスペーサを形成する部分が開口したパターンを得る。次にAu,Cu,Pb,Snなどの金属や合金またはそれらの積層厚膜をスパッタやメッキでレジスト開口部に形成した後レジスト膜を除去し金属厚膜のスペーサとする。このように金属厚膜を用いれば簡便なプロセスでスペーサを精度よく形成できる。金属厚膜の場合はポリイミド樹脂の場合より工程数は増えるが、金属膜をスペーサとして利用すると圧力検知素子部とダイヤフラムの間の熱抵抗を低くできるので、圧力検知素子部とダイヤフラムの温度差をより少なくでき測定精度が上がるメリットがある。また素子とパッケージを半田バンプで電気的に接合する場合は、素子の出力端子のパッド上にスクリーン印刷やメッキにより半田バンプを形成するが、スペーサ形成部にも同時に金属厚膜スペーサとして半田バンプを形成すれば、半田バンプ形成工程でスペーサが同時に形成できるため、スペーサによる工程の増加もなくなる。
上記に説明した通り、本実施例による圧力センサにおいては、通常のウエハプロセスを用いて基板上にスペーサを形成するため、スペーサの厚さや位置を精度良く形成でき、受圧面であるダイヤフラムと熱式圧力検出素子の距離を正確に規定することができるので、簡便で安価な圧力センサを実現できるばかりでなく、感度が一定となり、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
実施例9.
上記実施例1〜8においては、圧力検知素子部とダイヤフラムを有する筒体とをスペーサにより所定間隔保つように接続して構造であったが、本実施例においては、ダイヤフラムと検知素子部との間隔分を平板状基材に凹部を設けることで形成し、構造をさらに簡便にしたものである。
以下に、本発明の一実施例を図について説明する。第14図は、本発明の実施例5に係る圧力センサの構造を示した断面図である。図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1はその一部に凹部17が形成され、凹部の形成された面に、例えば窒化シリコン膜からなる絶縁性の支持膜2が形成される。基材1の凹部17の支持膜2上に検知部(計測部)が構成されるように感熱抵抗体膜3(例えば白金からなる)が形成され、さらにこの感熱抵抗体膜3のうち計測部を覆うように保護膜4が形成される。一方、筒体5上には計測流体の圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが凹部17の深さに相当する所定距離(空洞部16)をおいて対向配置するように接続される。
次に、圧力検出素子の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、マスク等を形成し、写真製版法等を用いてエッチングホール(凹部17)を形成する。例えばウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を施すことにより平板状基材1の一部が除去されて凹部17が形成される。この平板状基材1の上に作製された凹部上に検知部(計測部)を構成するように、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。この白金膜3はアニール処理を経て、写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより電流路が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。
上記に説明した通り、本実施例による圧力センサにおいては、熱式圧力検知素子が基板上に作製された凹部17の上に形成されており、この凹部17による空洞部16を用いて受圧面であるダイヤフラムと熱式圧力検出素子の距離を正確に規定することができるので、簡便で安価な圧力センサを実現できるばかりでなく、感度が一定となり、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
なお、上記実施例9においても、実施例1と同様に感熱抵抗体膜の材料は白金に限定されることはなく、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金によって、厚さ0.1〜1μmの範囲で形成してもよい。他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。
実施例10.
上記実施例9では、基材1に形成された凹部の底部に検知部(計測部)を構成するようにしたが、本実施例では、検知部の形成される基材1の反対側の面から凹部(空洞)を形成し、検知部の熱絶縁性を向上させたものである。
以下に、本発明の一実施例を図について説明する。第15図は、本発明の実施例10に係る圧力センサの構造を示した断面図である。図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1上に、例えば窒化シリコン膜からなる絶縁性の支持膜2、感熱抵抗体膜3(例えば白金からなる)が順次形成され、さらにこの感熱抵抗体膜3のうち計測部を覆うように保護膜4が形成される。一方、筒体5上には計測流体の圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7を介して接続される。また、感熱抵抗体膜3の形成された基材1の計測部とは反対の面からくりぬくように空洞部19が形成され、感熱抵抗体膜は凹部19が形成され、基材1のくりぬかれた支持膜2からなるダイヤフラム20上に形成されることになる。
次に、圧力検出素子の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。この白金膜3はアニール処理を経て、写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより電流路が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。
さらに、平板状基材1の支持膜2が配置されている方の表面とは反対側の面に保護膜18を形成し、写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことにより平板状基材1の一部が除去されて空洞部19が形成され、これにより基材1の除去された計測部の支持膜2にダイヤフラム20が形成される。
上記に説明した通り、本実施例による圧力センサにおいては、絶縁性支持膜のダイヤフラム20の製造工程が簡単でありダイヤフラムの強度を十分強く保つことができ、更にダイヤフラム上に発熱体が形成されているので、熱絶縁性を向上させることができるので、低消費電力で感度が優れた圧力センサを得ることができる。
上記実施例において、第16図に示すように、実施例7で説明した第2の感熱抵抗体部26をダイヤフラムの端部に対応して形成すれば、圧力信号に加え圧力に対し変化しないリファレンス出力が第2の感熱抵抗体膜26より得られるので、それらの差をとることにより同相のノイズ成分を除去することができ、安価で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。また、信号処理回路として実施例7と同様ブリッジ回路を形成すれば、さらに、簡便で信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
また、本実施例の場合、第1の感熱抵抗体部や第2の感熱抵抗体部はシリコン基板から熱的に分離されているので、それらの温度は圧力を受けるダイヤフラム6の変位量と温度で決まる。したがって圧力による変位のない第2の感熱抵抗体部の出力によりダイヤフラムの温度変化を計測することができ、ダイヤフラムの温度の変化による影響を除去することができる。
なお、上記実施例10においても、実施例1と同様に感熱抵抗体膜の材料は白金に限定されることはなく、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金によって、厚さ0.1〜1μmの範囲で形成してもよい。他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。また、本実施例の構造においては、ダイヤフラムを構成する支持膜、抵抗体膜、保護膜の3層あるいは支持膜、保護膜の2層で総合的に引張り応力となるように調整されている。
実施例11.
上記実施例10では、検知部の形成される基材1の反対側の面から凹部(空洞)を形成し、検知部の熱絶縁性を向上させたが、本実施例11ではさらに熱絶縁性を向上させた構造の例を示すものである。
以下に、本発明の一実施例を図について説明する。第17図は、本発明の実施例11に係る圧力センサの構造を示した断面図、第18図は第17図中C−C方向からの斜視図を示したものである。図において、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1上に、例えば窒化シリコン膜からなる絶縁性の支持膜2、感熱抵抗体膜3(例えば白金からなる)が順次形成され、さらにこの感熱抵抗体膜3のうち計測部を覆うように保護膜4が形成される。一方、筒体5上には圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7を介して接続される。また、感熱抵抗体膜3の形成された基材1の計測部とは反対の面からくりぬくように空洞部が形成され、感熱抵抗体膜は基材1がくりぬかれ、支持膜2が構成するダイヤフラム上に形成されることになる。また、感熱抵抗体膜3の計測部は、エッチングホール21により周辺部から熱絶縁され、第17図に示すようにブリッジ中空に支持されたようなブリッジ構造22をなす。
次に、圧力検出素子の主要部の製造方法について説明する。板状基材である厚さ約400μmのシリコンウエハ1上に、例えば厚さ約1μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等の方法により形成し、さらにその上に例えば厚さ0.2μmの白金等よりなる感熱抵抗体膜3を蒸着法やスパッタ法等により形成する。この白金膜3はアニール処理を経て、写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、これにより電流路が形成される。パターニングされた、白金膜3ないし窒化シリコン膜2の上に、保護膜4として、厚さ約0.8μmの窒化シリコン膜をスパッタ法等により形成する。平板状基材1の支持膜2が配置されている側の表面に、写真製版法等を用いてエッチングホール21を形成する。
さらに、平板状基材1の支持膜2が配置されている方の表面とは反対側の面に保護膜18を形成し、写真製版法等を用いて所望のパターニングを行い、例えばアルカリエッチング等を施すことにより平板状基材1の一部が除去されて空洞部が形成され、その空洞部はエッチングホール21と接続され、ブリッジ部22の周囲との熱絶縁が図れる。また、これにより基材1の除去された計測部は支持膜2からなるにダイヤフラムが形成される。
上記に説明した通り、本実施例による圧力センサにおいては、絶縁性支持膜がブリッジ形状となっているため、計測部の熱絶縁性を向上させることができるので、低消費電力で感度が優れた圧力センサを得ることができる。
なお、上記実施例11においても、実施例1と同様に感熱抵抗体膜の材料は白金に限定されることはなく、Ni、Co、Moもしくはそれらの合金によって、厚さ0.1〜1μmの範囲で形成してもよい。他の支持膜2、保護膜4の材料、厚さ等も実施例1と同様に、窒化シリコン膜に代わって酸化シリコン膜であってもよく厚さも0.3〜4μmの範囲であればよい。また、本実施例の構造においては、ダイヤフラムを構成する支持膜、抵抗体膜、保護膜の3層あるいは支持膜、保護膜の2層で総合的に引張り応力となるように調整されている。
実施例12.
以下に、本発明の別の実施例を図について説明する。第19図は、本発明の実施例12に係る圧力センサの構造を示したもので、図中(a)は圧力センサの概観構成を示す斜視図、(b)は(a)中D−D方向の断面模式図である。センサの主要部は実施例10の第15図もしくは実施例11の第17図、第18図で説明したものと同様であるが、第19図においては、実施例10の第10図の感熱抵抗体部が配設されたダイヤフラム構造の場合に適用した実施例について説明する。図において、例えばシリコンウェハからなる平板状基材1上に、例えば窒化シリコン膜からなる絶縁性の支持膜2、感熱抵抗体膜3(例えば白金からなる)が順次形成され、さらにこの感熱抵抗体膜3のうち計測部を覆うように保護膜4が形成される。一方、筒体5上には圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7を介して接続される。また、感熱抵抗体膜3の形成された基材1の計測部とは反対の面からくりぬくように空洞部19が形成され、感熱抵抗体膜は凹部19が形成され、基材1のくりぬかれた支持膜2からなるダイヤフラム20上に形成されることになる。27は空洞部19を形成する時に同時に形成された空洞部でスペーサ7の内側のダイヤフラム6に対向する部分に形成される。28,29はそれぞれ空洞部19,27の部分の保護膜4と支持膜2に開けられたエッチングホールで、例えば実施例7の第17図のエッチングホール21と同じ方法で製造される。また30は感熱抵抗体部が形成された基板を固定し電極を外部に取り出すためのパッケージで、接着剤31により基材1と接着されている。32はパッケージ31の表面に形成された溝で基材1の空洞部19,27の部分に対向する部分から基板の端の外側まで形成されている。
圧力計測方法は実施例1で説明したものと同様であるが、本実施例においては、圧力を受けるダイヤフラム6と感熱抵抗体部の間隙Sや空洞部19,27内の気体が封じ込まれないように貫通穴や溝を設けたものである。スペーサ7が環状に閉じた形状の場合は間隙S内の気体は封じ込まれているためダイヤフラム6が変位すると間隙S内の気圧が高くなり感熱抵抗体部のダイヤフラム20も変位してしまい、正確な圧力ができなくなる。温度の急激な変化や外気圧の変化によっても間隙S内の気圧が変化しノイズ信号が発生する。またスペーサ7が完全に閉じていない時でも、気体が抜け得る間隙が小さいとダイヤフラム6の急激な変位によってダイヤフラム20は一瞬変位しノイズ信号が発生する。本発明の実施例によるスペーサ7の内側のダイヤフラム6に対向する部分に形成された空洞部19とエッチングホール28によって間隙S内の気体は外部とつながるので、間隙S内の気体の圧力変動がなくなり、これにより感度が一定となり、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
また、ダイヤフラム20に開けられたエッチングホール28は、より急激な変動に対しても追従しなければならない時などに有利である。同様な理由で検出素子の基材1の裏面をパッケージ31で固定する場合は、空洞部19,27内部の気体が封じ込まれないように溝32や貫通穴が必要になる。
実施例13.
以下に、本発明の実施例を上記実施例12で説明した第19図を用いて説明する。第19図において感熱抵抗体部3が配設された第2のダイヤフラム20と圧力を受けるダイヤフラム6の対向距離をM1とし、感熱抵抗体部3が配設された第2のダイヤフラム20とパッケージ30の対向する表面との距離をM2とした。感熱抵抗体膜3で発生した熱の流れは、(a)絶縁性の支持膜2と保護膜4からなる第2のダイヤフラム20を通って基板へ流れる成分と、(b)空洞部19内の気体を通ってパッケージ30の表面へ流れる成分(距離はM2)と、(c)間隙S内の気体を通って圧力を受けるダイヤフラム6へ流れる成分(距離はM1)からなる。感熱抵抗体部3の温度はこれらの熱流の流れで決まる。ダイヤフラム6に圧力が印加され距離M1が狭くなると熱の流れが変化し、これが信号となる。圧力感度に寄与しない上記(a)(b)の成分の熱流が小さいほど消費電力も小さくなり、感度は大きくなる。またそれらの影響による感度のばらつきも小さくできる。距離が長いほど熱抵抗が大きくなって熱流は小さくなる。(b),(c)の熱抵抗は並列接続の電気抵抗と同様にM1×M2/(M1+M2)に比例するのでM2≫M1にすれば(c)の成分の熱流に比べ(b)の成分の熱流を無視しうるほど小さくでき、従ってこの成分による消費電力も無視できるほど小さくできる。実際にはM2をM1の5倍以上にすれば、M2の製造精度の影響はほとんど無視でき、消費電力の増加も容認できる程度に抑えられる。
なお、本実施例13は、第19図のような溝32を持つパッケージ31を有するものについて、M2の距離を規定して説明したが、パッケージがなければ、M2は十分大きな値をもつことになり、M2≫M1の条件を満たすことは言うまでもない。
実施例14.
以下、本発明の一実施例を図について説明する。本実施例の特徴は、上記実施例で説明した圧力センサの圧力検知素子部に保護キャップを設けたものである。本実施例では実施例1で説明した圧力センサに、例えば絶縁材料であるナイロンからなる保護キャップを設けた例について説明する。第20図は、この発明の実施例14に係る圧力センサの断面図である。図において、圧力センサの主要部は実施例1と同様で、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜3が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。この感熱抵抗体膜のうち計測部を覆うように保護膜4が形成されている。一方、筒体5上には圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7を介して接続される。23は熱式圧力検出素子及び計測圧力を受けるダイヤフラムを、機械的、電気的外乱から保護するため保護キャップで、検出素子部を覆い、キャップの内面が筒体5の外周に接するように配置される。また、保護キャップ23には少なくとも一つの開口部24が設けらる。
上記に説明した通り、本実施例による圧力センサにおいては、保護キャップに少なくとも一つの開口部を有しているので、熱式圧力検出素子内部の圧力は外部の圧力と等しくなっている。このため、周囲温度の変化による圧力検出素子内部の圧力変化がないため、熱式圧力検出素子の感度を常に一定に保つことができ、信頼性の高い圧力センサを得ることができる。
上記実施例14においては、圧力センサの主要部の例として、実施例1で説明したものを用いた例について説明したが、他の実施例、すなわち実施例2〜13の圧力センサを用いても同様の効果を有する。
実施例15.
上記実施例14においては、開口部を有する保護キャップを用いた例について示したが、本実施例は、開口部を持たない代わりに保護キャップの内部の圧力を規定するものである。
以下に、本実施例を図について説明する。本実施の形態では実施例1で説明した圧力センサに保護キャップを設けた例について説明する。第21図は、この発明の実施例15に係る圧力センサの断面図である。図において、圧力センサの主要部は実施例1と同様で、2は例えばシリコンウェハからなる平板状基材1の一方の面に形成された絶縁性の支持膜で、例えば窒化シリコン膜からなり、この上に感熱抵抗体膜3が形成される。この感熱抵抗体膜は、発熱抵抗、測温抵抗、比較抵抗に利用される発熱部に相当するもので、例えば白金からなる。この感熱抵抗体膜のうち計測部を覆うように保護膜4が形成されている。一方、筒体5上には圧力を受けるダイヤフラム6が形成され、このダイヤフラム6と感熱抵抗体膜3の計測部とが所定距離をおいて対向配置するようにスペーサ7を介して接続される。23は熱式圧力検出素子及び計測圧力を受けるダイヤフラムを、機械的、電気的外乱から保護するため保護キャップで、検出素子部を覆い、キャップの内面が筒体5の外周に接するように配置される。
なお、保護キャップを設ける時の保護キャップ封止内部の圧力は、大気圧かあるいは大気圧より高い圧力が望ましい。大気圧より高い圧力の場合、計測流体からダイヤフラムが受ける最大圧力の1/10よりは低い圧力になるように調整されて封止されるのがよい。
上記に説明したように、本実施例による圧力センサにおいては、保護キャップ23により圧力検出素子内部が大気圧あるいは、大気圧より高い圧力で封止されているので、効率よく発熱部からの熱が計測圧力を受けるダイヤフラムに伝わるので、感度の優れた圧力センサを得ることができる。
上記実施例15においては、圧力センサの主要部の例として、実施例1で説明したものを用いた例について説明したが、他の実施例、すなわち実施例2〜13の圧力センサを用いても同様の効果を有する。
実施例16.
上記実施例15においては保護キャップ内に大気圧あるいは大気圧よりも高い圧力の気体を封止し、感度を向上した例について説明したが、本実施例17は、封止する気体としてHeやNeなどの空気より熱伝導の良い気体を用いたものである。センサの感度はスペーサの厚さ(M1)に大きく依存し、M1が狭いほど感度は向上する。しかしながらスペーサのコントロール可能な厚さは材質や作成プロセスでほぼ決まってしまい薄くするのには限度がある。封止する気体として空気の代わりに例えばHeを使うと、Heの熱伝導率は空気の5倍以上なので実効的に距離M1を1/5にできることになり感度を5倍以上にすることが可能になる。また、実施例15のように大気圧以上にすれば、さらに感度を向上させることができる。
産業上の利用可能性
この発明による圧力センサは、例えば車両用ブレーキ油圧の検出、エンジン制御用の燃料圧の検出、トランスミッション用の油圧の検出、空調器、冷凍機の冷媒圧の検出等の圧力センサに利用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例による圧力センサの断面模式図、第2図は第1図中A−A方向の一部斜視図である。
第3図は、本発明の第2の実施例による圧力センサの断面模式図、第4図はまた別の圧力センサの断面模式図である。
第5図は、本発明の第3の実施例による圧力センサの断面模式図である。
第6図は、本発明の第4の実施例による圧力センサの一部も模式図で、(a)は熱式検知部がダイヤフラム径より小さい場合、(b)は熱式検知部がダイヤフラム径より大きい場合の配置関係を示したもの、第7図は圧力変化によるダイヤフラム変位量をダイヤフラムの径方向の分布で示したもの、第8図は熱式検知部の発熱分布が略円形状となるように形成したもので、(a)は矩形状のパターンで形成したもの、(b)は渦巻状のパターンで形成したものを示した図である。
第9図は、本発明の第5の実施例による圧力センサの断面模式図、第10図は第9図中B−B方向の一部斜視図である。
第11図は、本発明の第6の実施例による圧力センサの断面模式図である。
第12図は、本発明の第7の実施例による圧力センサの断面模式図、第13図は、第12図の第1及び第2の熱式検知部を用いて信号処理回路を構成する例を示したもので、図中(a)は熱式検知部の概略構成図、(b)は信号処理回路の例であるブリッジ回路の構成を示したものである。
第14図は、本発明の第9の実施例による圧力センサの断面模式図である。
第15図は、本発明の第10の実施例による圧力センサの断面模式図、第16図は別の圧力センサの断面模式図である。
第17図は、本発明の第11の実施例による圧力センサの断面模式図、第18図は第17図中C−C方向の一部斜視図である。
第19図は、本発明の第12、13の実施例による圧力センサを説明するための図で、図中(a)は圧力センサの概観構成を示す斜視図、(b)は(a)中D−D方向の断面模式図である。
第20図は、本発明の第14の実施例による圧力センサの断面模式図である。
第21図は、本発明の第15の実施例による圧力センサの断面模式図である。
第22図は、従来の受圧面にシリコン基板を用い、該基板上に歪ゲージを形成したタイプの圧力センサの断面図、第23図は従来の受圧面に歪ゲージを形成したタイプの圧力センサの断面図、第24図は従来の容量式の圧力センサの断面図である。

Claims (1)

  1. 圧力を受ける第1の面を有するダイヤフラム構造と、該ダイヤフラムの第2の面に対向配置された発熱手段を有する第1の熱式検知部を備えた圧力センサであって、
    基板の第2の面に、発熱手段を有する前記熱式検知部、および前記熱式検知部と記ダイヤフラムとの間の対向距離を規定するスペーサ形成され、前記基板の第2の面と前記ダイヤフラムの第2の面が対向配置され、前記ダイヤフラムの変位量を前記第1の熱式検知部で熱的に検知し、
    前記ダイヤフラムの第2の面の端部に対向して前記基板の第2の面に、発熱手段を有する前記第2の熱式検知部が形成され、
    前記基板の第2の面に支持膜が形成され、前記基板の第2の面と反対側の面となる第1の面から前記基板の一部領域が除去され、前記基板が除去された領域に前記支持膜により支持された前記第1の熱式検知部および前記第2の熱式検知部が形成されていることを特徴とする圧力センサ。
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